社長は「見抜く」仕事と「満たす」仕事を同時に進める人である。
社長は事業を経営する人でなければなりません。
事業経営にはたった2つの要素があるだけです。ひとつは「見抜く」ことであり、もうひとつは「満たす」ことです。社長はこの2つを同時に進める人なのです。
「見抜く」とは、いまお客様が一番欲しがっているものを見抜くこと。言い換えると「いま売れて儲かるものは何か」を見抜くということです。
見抜けなければ、ビジネスそのものが、始まりのところで成立しません。
「見抜く力」を鍛えるための方法は、常に自分を商売の現場に置くことです。
机の上に儲けの有益な手がかりはありません。あらゆる商売は人と接しなければ成り立ちません。ですから「人嫌い」の人はビジネスに向かないですし、嗅覚も事業勘も養えません。人そのものの行動すべてに強い関心をもつことです。
大衆品なら街の中、お客のいる場所に足しげく通い、工業品なら製造現場です。売れている商品を実際に手にとり、そして売り場の担当者やお客と直接会話をする。マスコミの記事を見たりしただけでは、有望な情報は得られません。
世の中には、見抜いた事業アイデアが当たって、わずかの期間で3億、5億を売り上げることもあります。
だからといって、そのまま順調に10億、50億と事業を伸ばし続けることはなかなかできることではありません。
事業を大きく伸ばすには、社長のもうひとつの重要な仕事である「満たす」という要素が必要です。
「見抜く」ことは一人でできますが、「満たす」ことは一人ではできません。
ここが社長の仕事として大事なところです。
「満たす」仕事とは、仕入れ、購買、製造、販売、配送、サービス、携わる人たちの人事・労務管理、売上管理、経理、必要となる資金の調達のことをいいます。
また広くは、仕入れ・購買あるいは製造に含まれますが、発注先・下請け先の整備。強化、また販売では、特約店や代理店などの販売ネット整備。強化も「満たす」仕事です。
「満たす」とは、全体がうまくいくように、各部門をつなげて利益を造出していくことです。これをひとことで言えば「経営」といいます。
そこで確認しておいていただきたいことは、社長は各部門の細部の業務知識に精通するよりも、先ずは「満たす」仕事という観点から、会社全体を見ることです。
「後継者の鉄則」より
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