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生きているうちに退職金を払ってやるのが、事業を継ぐ息子にできる最大の親孝行。
後継者としての私の最大の後悔は、親父が生きているうちに退職金を支払ってやれなかったことだ。
親父は急逝する5カ月前に会長職を退き、相談役となった。
代表権を譲り、やっと退職金を支払える時期となって、本人も引退後の人生を謳歌しようと思っていた矢先に、急性心不全で突然逝ってしまったのだ。
一番愛した会社、それも自分の執務室で仕事をしながらの死であり、本人はこれ以上ないほど自分らしい最期だと満足かもしれないが、息子としては「死んでから退職金を払うなんて、こんな親不孝はない」と悔いが残る。
だから佐藤塾で昔から懇意にしている若手後継者には、「親父が安心して経営から手を引ける環境を早く整えてやれ、明日親父が死んだら絶対に後悔するぞ」と、老婆心(ろうばしん)ながら何度も注意してしまうのである。
佐藤肇「決断の定石」CDより
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