社員の適正数は「労働生産性」が決める
社員の生活向上や待遇改善を考えるとき、経営の「理」として重要なことは、社員一人当たりの稼ぎを増やさないままに人を増やし、給料を増やしていったら、会社は間違いなく人件費倒産に追い込まれる、ということである。
そうならないためには、「社員一人当たり、いくら稼いだのか」ということを、きちんと把握しておかなければならないことになる。そのモノサシが、「労働生産性」である。
労働生産性は、平均社員の数で年間付加価値(売上総利益または粗利益)を割ったものだ。
「平均社員数」とは、期首人員と期末人員を足して2で割った、その年度の平均人員数である。つまり社員一人当たり、いくら付加価値を稼いだかという数字だ。
ここではっきりさせておきたいことは、労働生産性のアップを無視して、社員の待遇改善も増員も何もあったものではないということである。
儲けが多ければ社員も増やせるし、待遇の改善もできる。
しかし、過剰な社員を抱えておいて待遇改善を考えるなど、百害あって一利もない。当たり前のことだが、多くの社長が、この当たり前の理屈を忘れている。
先の算式を変形すれば、
平均社員数=年間付加価値十労働生産性
となり、社員の適正数は、年間付加価値と労働生産性からおのずと決まる。
つまり、労働生産性は、「あなたの会社は、儲けの割に人数が多すぎる」「儲けに対して、過剰あるいは割高な人員を配している」と教えてくれる指標なのである。
言うまでもなく、会社は、ボランティア組織でもなければ、仲良しクラブでもない。
会社は、自らの力で付加価値を稼いで、それを人件費というカタチで社員に分配する。
「自助努力」が企業経営の原則だ。そのためには、「労働生産性の把握なくして、人件費のコントロールなし」である。
佐藤肇著「社長が絶対に守るべき経営の定石50項」より
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