売上利益ではなくキャッシュを大事にすることは、従業員を大切にすることにつながる。キャッシュがぁれば会社を潰さず、雇用を安定化できる。さらに賃金の原資であるキャッシュの最大化を狙うことで、従業員に高い給料を払つてやれる。
私としては、従業員を大切にすることの具体的な証として、わが社を日本一給料の高い会社にしたい。とはいぇ、世の中にはとんでもない月給を払うようなIT企業もいて、そういう企業には敵わない。
言うまでもなく、人件費は固定費の大部分を占める経費であるから、場当たり的な安っぽい情に流されて安易な賃上げを行えば、総人件費が膨張し、収拾がつかなくなってしまう。
人件費倒産などという事態になれば本末転倒だ。
しかし、ボーナスの支給額ならば日本一になれる。わが社のボーナスは業績連動だから、業績が良いときは、まさに青天丼で支給している。
自慢めいた話で恐縮だが、日本経済新聞社が発表している「ボーナス支給額ランキング」で、わが社は上位の常連であり、リーマンショックの翌年2008年も、冬のボーナス支給額平均は127万円と、日本の上場企業で2位だった。
ちなみに、そのときの1位は146万円で任天堂だったが、任天堂は労働組合がないので部課長も含めた平均額である。
一方のスター精密のボーナスは、部課長を除いた係長までの平均金額なので、おそらく純粋な意味での賞与支給額は、わが社が1位であろう。
リーマンショック直後であってもこれだけの賞与を出し、なおかつ85億円の大赤字を出した2009年も、最低保証の年間4カ月のボーナスをしつかりと支払った。
もちろん株主にきちんと報いることも必要で、赤字でも配当をストップしたことはない。
わが社は、東証一部企業といえど、売上規模では下から数えたほうが早い。しかし、 一人当たりの賞与支給額ならば天下のトヨタにだって勝てる。それは、中小企業の良さを活かす経営に徹してきたからこその成果であり、小が大に勝つ、正しい戦い方なのである。
佐藤肇「決断の定石」CDより
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