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9割の社長は「自社の数字」を知らない

会社の実態は「数字」で把握

私たちが健康診断を受けると、その結果はすべて「数字」で示されます。その数字をみて健康状態を知り、お酒を少し控えようとか、ダイエットをしようと対策を考える。

そうした数字を知らなかったら、健康上の問題や病気に気づかないかもしれません。その結果、体によくない生活習慣を改善しないまま過ごし、取り返しのつかない病気が進んでしまうかもしれない。

経営も同じです。経常利益と収益力。売上と経費のバランス。内部留保と資金繰りなど、会社の実態を数字で把握する。数字に基づいて会社の健康診断をする。

事業をどう展開していくのか、いくら儲けるのか。そのためにないをするのか。「会社の現状」と「行き先」を「数字」で話せなければ、進むべき道が見えてこないから「行き当たりばったりの経営」になる。それでは「赤字」になるのも無理はない。

野球場にスコアボードがなかったら、どちらのチームが勝っているかわからない。「1点勝っている」から逃げ切ろうとするのか、「1点負けている」から逆転を狙いにいくのか、「スコア」がはっきりしていなければ、監督も戦術を決められない。選手も何をどうがんばったらいいのかわからない。

ところが多くの社長は、自社の数字をわかっていない。中小企業の社長の9割は自社の数字を知りません。税理士に決算を丸投げしたままで、数字を見ていません。

数字を見ないから、お金がいくら入ってきて、いくら出ているのかが見えない。それでは会社の健康状態がわかりません。何か問題が起きた時、それでどうして対策が立てられるのでしょうか。

そういう社長の多くが、「行き当たりばったりでも、まぁなんとかなるんじゃにか」と言いますが、「なんとかなる」わけがありません。

なんとかなるではなく、社長がなんとかするのが経営です。会社がどういう状況なのかを数字で把握して、その意味をよく理解しておく。数字は実にいろいろなことを語る言葉です。

数字が大切なのは社員も同じ

数字が大切なのは、社長だけではありません。社員も数字という言葉を使って話をする。経営計画書に次のような「情報マネジメントに関する方針」を定めている。

  • 経営判断に必要なお客様の情報を吸い上げ、正しい決定を行うために「5つの情報」項目を共有化し、進捗会議などで活用する。
  1. 実績報告(数字)
  2. お客様からの声(ほめられたことやクレーム)
  3. ライバル情報
  4. 本部・ビジネスパートナー戦略
  5. 自分・スタッフの考え

会議は、職責最下位(=現場のことがわかっている社員)から①〜⑤の順番で報告します。最初に報告するのは「数字」で、自分の意見は一番最後です。

私は2時間ぐらいずっと話を聞いています。途中で発言することはない。全員の報告を聞き終えたら「これをしろ」「これはやめろ」と決定を下すだけです。

「数字」という裏付けがなければ、あやふやな言葉を重ねるだけ。それでは会議ではなく怪議です。

よく「自分はそれなりに頑張っている」という社員がいます。ですが、「それなりに頑張っている」という表現では、具体的に「どれだけ成果を出しているか」「どれだけ売上に貢献しているのか」がよくわかりません。

社員の評価は数字を使って客観的に行う。100だった社員が110になれば10成果を上げたことがわかります。けれど数字がないと、どれだけ汗をかいたかで判断しようとする。

汗をかくという抽象的な評価をしている会社は、具体的な対策が打てていません。非常に頑張っているけど90の社員と、さぼっているけど110の社員ではどちらかが優秀だと思いますか。さぼって110の社員が優秀です。

飲む、打つ、買うの人格者

世間一般では、人間性にすぐれている人を人格者と呼びます。ですが、社長が聖人君子であっても、3年連続赤字を出してしまえば、銀行は担保や個人保証を求めるか、貸し渋るでしょう。

経営における人格者とは、「人間性にすぐれている人」のことではありません。「数字を変える人」のことです。

銀行が無担保でお金を貸してくれたのは、(最大16億円)、私が、数字を使って話ができる人格者だからです。

銀行の担当者からは、「社長のように、会社の経営状況をきちんと数字で話してくれると貸しやすい」と言われたそうです。

銀行訪問をして●月にいくらマイナスになる。▲月はいくらプラスになる。■月はどうなる、、、と定期的に報告し、実際にそうなれば銀行も貸してくれますよね。なおかつ公共事業なら、銀行も取りこぼす心配がありませんから。

銀行が評価するのは、社長の人生哲学でも経営理念でもなく、数字です。銀行にとっては数字こそが社長の人格です。

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