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社長のお金の基本・ Ⅲお金と会社を残す

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、創業理念を貫く姿勢が揺らぐことがない。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、やるべきことをやっていて、赤字 →倒産を避けている。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、後継者の複雑な心理を理解し、相応の配慮をしている。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、起業精神を受け継ぎ、事業内容を変革しながら会社を続けている。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、後継者は息子に限定せず、優秀な社員、女性、外国人などと発想を広げている。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、会社を残すことにこだわらず、優良な事業だけをステルス方式で承継していく。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、捨てる勇気をもち、会社を生き残らせるためにできることはすべてやる。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、経営力にすぐれた社長は、確実に資産形成も進めている。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、含み資産が含み損資産に変わる日があることを知っている。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、コツコツ本業に専念することで、結果的に確実に資産形成を進めている。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、逃げない、あきらめない、やり尽くす。

あとがきカバーデザイン 井上新八本文デザイン 佐藤千恵編集協力 菅原佳子素材提供: Albert Kam, naKornCreate, NhorPhai /Shutterstock. com

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、創業理念を貫く姿勢が揺らぐことがない。

日本は世界一の老舗大国です。

東京商工リサーチの調査( 2016年)によると、 2017年に創業 100年以上になる老舗企業はなんと 3万社以上。

最古の企業は寺社建築の ㈱金剛組(大阪府)で、創業は 578年。

次いで、 587年創業の池坊華道会(京都府)、 705年創業の ㈲西山温泉慶雲館(山梨県)と続きます。

こうした古参中の古参企業は別格としても、江戸時代から続く企業が 4164社、明治時代に創業した企業は 2万 1773社と、いずれにしても長い歴史を誇る企業が多いことにはあらためて驚きます。

なぜ、こんなにも長い期間、会社を存続してこられたのか。

「大企業で、しっかりした経営基盤があるからではないか」。

そう思う人も多いでしょうが、歴史の長い老舗企業の内訳を見ると、年商 5億円未満が 6割強、従業員数 10人未満が約 5割と、大半は中小企業であることがわかります。

❖時代の荒波をくぐって生き延びてきた理由は「創業理念を貫く姿勢」 明治以降だけを考えても、時代は激しく変化してきています。

特に、昭和に入ってからの戦争、しかも大敗に終わった戦争の影響は計り知れないものがあったでしょう。

私は阪神・淡路大震災でひどい状況に立たされましたが、老舗の多くは、おそらくそれ以上の激変、激動を乗り越えて今日まで事業を続けてきたわけです。

有名なところでは、三越は江戸時代の約 340年前の創業時は呉服商。

創業者・三井高利(通称、八郎兵衛)は店先現金商売や反物の切り売りなど、当時では考えられなかった商法を次々取り入れ、店は大繁盛。

高利の理念は「常にお客様第一」でした。

明治に入り、三井呉服店、三越呉服店、三越百貨店と名前と業態を徐々に変化させながらも、「常にお客様第一」という経営理念は不動だったのです。

❖老舗だから、とあぐらをかいていられる時代は終わった しかし、その三越さえ、現在は徐々に支店の閉鎖を進めるなど苦しい状況に立っています。

最大の理由は時代の大きなうねり。

現在、販売業にはネット購入という、産業革命以来といわれるほどの大きな変革が進んでいます。

そこに、少子高齢化という、これもかつて想像さえしたことがなかった構造変化が重なっています。

こうした歴史的な変化は、規模の大小に関係なく、すべての企業の足元をひたひたと脅かせています。

私のところにも、老舗企業の経営者が多数、相談に見えます。

あるとき相談にみえた企業は、 100年の伝統を誇る老舗企業です。

繊維関係を扱ってきておられ、これまでは老舗のブランドで大した苦労もなく、はっきりいえば、それほど努力をしなくても売上も、利益もそれなりに確保できてきました。

長年の間に資産もたっぷり残してきており、ちょっとやそっとのことではビクともしないとタカをくくっていたようです。

しかし、この会社は大手企業の下請け。

これまではロットの多い商売をしてきたのでそれなりに利益を確保してこられたのですが、近年は発注先の大手企業もシビアになってきて価格を叩かれ、発注数も激減というダブルパンチをくらっています。

現在は、長年蓄えてきた資産を食いつぶしているのが実情です。

しかし、社長には、現状のビジネスモデル、つまり、大手にべったり依存した下請けではダメだという意識はないようです。

資産はやがて枯渇していき、その先に待っているのは破たん、倒産です。

私は社長に会うたびに、下請けのコスト競争はさらに熾烈化していく。

発注先はどんどん海外企業に流れていく。

いまのままでは現状維持さえむずかしい。

生存競争に打ち勝つには大手企業頼りではなく、自社のブランドをつくり、下請け事業から脱却しないと利益を確保することはできない時代だ、と話し続けています。

❖内視鏡手術のトレーニング器を開発して大ヒット K技研は従業員 16人の典型的な町工場。

現社長の父親が 40年ほど前に創業。

「これだけは絶対に他社に負けないという技術があるわけではなく、ものづくり全般のノウハウを蓄積してきたので、要望されたらなんでもつくる。

それがうちの売りだった」、そんな会社でした。

しかし、現社長は父の時代とは明らかに吹く風が変わってきたことを感じ取っていました。

「これからは、うちでなければつくれない、というもので勝負していかないとダメだ」と考え、懸命に自社独自の商品づくりにチャレンジしたのです。

K技研の強みは極薄の金属板を製造できること。

たまたま、医療機器の会社に勤める知人から、「腹腔鏡手術に使う練習器具が 1台数十万円とめちゃくちゃ高い。

そこで、ドクターたちはホームセンターで材料を買ってきて自分でつくったもので練習している」と聞いてさっそく現物を見せてもらったところ、「これならうちの技術でできる。

コストも大幅にダウンできる」と確信。

すぐに開発を始めて、手術用トレーニング器を完成。

価格はなんと、それまでのトレーニング器の 10分の 1以下という画期的なものでした。

ウェブサイトから医師にダイレクトに販売することで販売コストも最小限におさえ、さらにドクターからの生の意見を聞く機会も得て、手術用トレーニング器はさらに進化し続けているそうです。

お陰で目が覚めた、という社長 下請けオンリーだった金属加工工場からオリジナルな手術用トレーニング器のメーカーへと変身を遂げた K技研の話を聞いた老舗企業の社長は、ようやく私の話に本気で向き合う気になってくれました。

その企業だけのオリジナル製品をもつと価格決定権も手中にするので、買い叩かれることがなくなり、適正な利益率を確保できます。

これが大きいのです。

発注先の事情に振り回されずに、安定した経営ができるようになるからです。

もともと社長の息子として何不自由なく育てられ、今日まで、人生の苦労らしい苦労を知らない人です。

その分、素直で、「わかった」となれば即、行動に移す実行力をもっています。

「これまで、いままでどおりやっていけばなんとかなると考えていたんですが、それではあまいんですね。

目が覚めました。

これからは心を入れ替えて、なんとかわが社オリジナルの製品を開発して、下請けから脱却するためにがんばります」というではありませんか。

本気モードに入ればもう大丈夫。

もともと経営基盤はしっかりしている会社ですし、まだ、ストック資産も残っています。

この会社は今後、がらりと変貌を遂げて大きく飛躍していくだろうと、私は大いに楽しみにしています。

▼会社を長く存続させていくのに必要なのは、常に変革する気持ちを忘れないこと。

自社ならではのオリジナリティをもつこと。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、やるべきことをやっていて、赤字 →倒産を避けている。

機械製造の会社の二代目社長が相談にこられました。

父親が雇われ社長から独立を果たした会社で、父親が高齢になったので、やむを得ず息子が経営を手伝うようになったのですが、会社の状態が不安定で、先行きが見えないといいます。

息子さんは父親の仕事に尊敬と強い関心をもっていたので、専門学校に通い、高いスキルを身につけています。

父親のほうは営業からのたたき上げなので営業力はすぐれているのですが、肝心の経営力が劣るのです。

実情をうかがうと、この会社は技術力、営業力はあるのですが経営力がないため、経営は行き当たりばったり。

資金繰り表も作成しておらず、お金が足りなくなると、銀行から短期資金を借りてただお金を回しているだけ、という状態だとわかりました。

こうした〝綱渡り経営〟は遅かれ早かれ行き詰まり、その先に待っているのは赤字の累積、倒産です。

いますぐ、手を打たなければいけません。

❖せっかちで心配性の社長のほうがいい これまで何度も、くどいくらいいってきたように、倒産は企業の死であると同時に、社長の人生の死。

ほとんどの場合、家族も深刻な状況に立たされます。

ところが、多くの社長は信じられないくらい、この自覚が足りません。

がんも経営も同じです。

早期発見ならば助かる確率はぐんと高くなります。

たえず会社の明日のこと、 1か月先のこと、半年先のこと……と会社の将来を見越し、先々を先取りして行動していれば、小さな変化、異常にも早く気づきます。

私はよく、「 1か月先のことをやっている社長は大丈夫だ!」といっています。

先のことをあれこれ考えて、先々のことをやっていないといられない。

そんなせっかちで心配性の社長ならば、むしろ会社は安全です。

危機を察知する力はある意味で感覚です。

時代の吹く風が変わってきた。

お客の反応が微妙に変わってきた。

こうした変化は理屈ではなく、肌感覚で感じるものです。

オーバーではなく 1日 24時間、つまり寝ているときさえも頭のどこかに仕事のこと、会社のことをおいている。

そうした社長ならば、時代の変化を肌で実感でき、ひょんなことから、新規事業へのひらめきを得るなどするはずです。

こちらで紹介した手術用トレーニング器を開発したメーカーはなんと、現在、こんにゃく加工に取り組み、新市場を開拓しています。

医者たちは、実地練習に動物の内臓を使っており、それが高価だと悩んでいることは聞いていました。

ある日、行きつけの焼肉屋で、「最近はこんにゃくをレバ刺しの代わりに出しているが、けっこう人気がある」という店主の言葉が耳に入ってきたその瞬間、こんにゃくで手術の練習ができないだろうか、とひらめいたのです。

金属加工メーカーがこんにゃくで手術の練習用の臓器をつくる。

いったん、異なる進路が拓けると、そこからさらに異なる進路が見えてきて、その結果、大化けすることもあり得るという好例です。

こうなれば、経営者はもちろん、従業員も仕事が面白くてたまらなくなり、そのエキサイトした気持ちがさらに会社を活気づけていくことになるでしょう。

経営の醍醐味、まさにここにあり、といいたくなります。

❖経営改善のタイミング いずれにしても、危機爆発のギリギリまで経営改善に取り組まないようでは、経営者落第。

こうした状態の会社を次世代に継承するならば、次世代こそ気の毒です。

赤字が 2期続きそうなときには、すぐに経営改善を始めてください。

経営改善のポイントは以下です。

◆赤字になったらすぐに経営改善を考え、具体的に行動する。

◆再生に当たり、守るべきものを確保し、会社と社長の防御策を講じる。

◆再生を進めるときは、銀行より先手を打つ(銀行主導にさせない)。

◆再生は時間との戦いであることを自覚する。

◆構造改革を図るときは、時代の変化に即応した経営に転換する。

いま、利益が出ているだけでは意味がありません。

5年、 10年先も存在価値があるビジネスモデルに改革することこそ、大事なのです。

いま、旬のビジネスモデルは改革を終えたころには旬が去っている可能性大。

再生のための予算に加えて、さらに赤字がつのれば、 2次破たんとなることは目に見えています。

▼経営改善は先手必勝。

危機を素早く察知して対策を講じ、健全な経営状態を保っていれば、継承もスムーズにいく。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、後継者の複雑な心理を理解し、相応の配慮をしている。

私のところに見える方の 15%ぐらいは「跡継ぎがいない」「子どもが跡を継ぎたがらない」と、いわゆる事業継承についての悩みを抱えています。

中小企業の経営者の年齢は年々高齢化しているといわれます。

高齢化にともない、後継者問題が浮上してくるわけですが、「サラリーマンにはなりたくない」「いずれは起業したい」という若者が増える一方で、「親の会社は継ぎたくない」という若者も増えてきているのです。

酷なようですが、この現実は、親の経営の仕方や会社の将来に対する姿勢に問題があります。

少なくとも、若い世代を引きつけるのには十分ではない、といわざるを得ません。

ちなみに、ちょっと方向性は違いますが、日本生産性本部が 2018年の新入社員 1300人に調査した結果、「将来、社長になりたい」という人は 10・ 3%しかいませんでした。

この数字は過去最低です。

いまや、社長のポストそのものに魅力がない。

というより、確立された企業の社長には魅力を感じない。

社長になりたいなら、自分で起業する、という時代になっているといえるのかもしれません。

❖意外につらい継承者の立場と気持ち。

それを理解しているか 社長側はなぜ、会社を子どもなどに継いでもらいたいと思うのでしょうか。

いうまでもなく、創業からいままでがんばって築き上げてきたビジネスモデルや経営ノウハウ、商圏における存在性、従業員の雇用確保、取引先との信頼関係などを続けていきたいということなどが、社長が会社の継承を望む主な理由でしょう。

しかし、これでは若い世代の気持ちをつかむことはむずかしいといわざるを得ません。

「親が苦労して築き上げた会社を引き継ぐなんて楽でいいなあ」というのが一般的な世間の見方でしょう。

しかし、親が築き上げた事業を受け継ぐ二代目は想像以上に大きなプレッシャーを感じているものです。

創業者は新しい市場を開拓し、長い間に襲ってきた数々の試練を乗り越え、成功を勝ち取ってきただけに圧倒的な自信をもっています。

したがってたいていは、ものすごいワンマンでカリスマ性があります。

私の場合もまさにそのとおりで、父はまだ学生のころから私を事業に引き込んだものの、経営方針などは父流を譲らず、結果的に私は父のいいなりに動かざるを得ませんでした。

次代に継承していきたいならば、継承するほうの立場を理解しなければなりません。

継がせたい子どもがある程度の年齢になったなら、その子も交えて会社の将来像を明るく語り、継承者と夢を共有することはいうまでもなく、社長の座を受け継がせてからは、原則、経営には口を出さない。

次世代も自身の発想ややりたいこと、やりたい方法があるのだと理解し、一歩引いた立場から大きな目で見守る。

そんな姿勢をとれれば理想的です。

ちなみに、私がこれまで受けた後継者側の悩みは次のようなものでした。

・先代の借金を背負わされている。

・先代の意向で赤字事業を切り捨てられない。

・先代の息のかかった従業員が先代になびく。

・銀行は先代に何もいえない。

・高齢なのに社長の座に居座り続けている。

・先代が意に沿わない人間を排除しようとする。

・自分の権力を維持するためには手段を選ばない。

▼継承者不足の陰には、現社長の考え方や行動に問題がある場合がけっこう多い。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、起業精神を受け継ぎ、事業内容を変革しながら会社を続けている。

相談にお見えになる経営者のなかには、「息子に会社を継いでもらいたいのだが、実は会社の内容がよくなくて、いまのままで継がせたのでは息子に気の毒だ」と率直に実情を吐露する方もいます。

しかし、そこから力強く立ち上がる例もあります。

京都ではただ 1軒となった和傘の老舗は、ついに年商 100万円まで落ち込み、明日にも倒産という危機に瀕してしまいました。

五代目を継いだ新社長はこの逆境にかえって奮起し、長年培ってきた技術を生かし、現代に、そして世界に通用するものをつくれないかと模索。

照明具のシェードという新事業に進出し、いまでは「入手するまで 2年待ち」というほどの人気ブランドに成長させています。

福岡市にある「 M石油株式会社」はその名のとおり、燃料販売が主事業です。

創業から 90年余。

現社長で 4代目。

長く続いてきた秘訣は「いつも今より新しい」という会社のポリシーに表れているといえるでしょう。

同時に、「なんでもやる」も創業者から受け継がれてきた DNAだそうで、実際、現在もガソリン、重油などの販売のほか、喫茶店もやれば書店もやるという多岐展開です。

多岐展開ならば、どれかが必ず次代の成長分野になり、会社の命脈を将来に続ける力になるはずです。

❖常に新しい方向性を探る、これが経営者の仕事 長く続く企業の本質とは何でしょう? 古くから受け継いできたものを大事にする一方、常に時代に合わせて変化し続けてきたことに尽きるといえないでしょうか。

直近の例では、トヨタがソフトバンクと提携し、今後は脱自動車、「すべての人に安心、快適なモビリティをお届けする」事業に進化していくことを宣言しています。

もともとトヨタは自動織機メーカーとしてスタートした企業です。

昭和初期に「これからは自動車の時代だ」と看破した二代目社長が自動車産業への参入を決意。

そこから今日の、世界的な自動車メーカー・トヨタの歩みが始まったのです。

会社の名前は変わらないけれど、事業内容はがらりと変わった例では「富士フイルム」のケースも広く知られています。

2000年ごろから始まったカメラのデジタル化にともない、フィルム市場は 10年間で 10分の 1まで縮小するという大激変に見舞われます。

このとき、富士フイルムは創業以来の大変革を行い、今日では医療、化粧品、液晶ディスプレイ、 ITの企業になることで生き残りに成功、売上は 2000年当時の 2倍以上に発展させています。

一方、同じ時期に、以前は富士フイルムをしのぐ世界的フィルムメーカー・コダックは 2012年に倒産してしまいました。

富士フイルムの劇的成功は「企業とは変化対応業である」ということを強く感じさせます。

❖柔軟な〝発想〟ができる社長は成功する「トヨタ、富士フイルムのような世界的な企業の話を聞かされたって、うちのような中小企業では参考にならない」と考えているとしたら大間違い。

こうした巨大企業でさえ、時代とともに事業内容を大きく変革し、その結果、さらに巨大化していくという道をたどって今日がある、ということを学び取ってほしいと思います。

中小企業であればいっそう小回りが利き、変革しやすいはずです。

「朝令暮改」、つまり、いうこと、考えることがくるくる変わることは、かつてはいけないことだとされていました。

しかし、変化の波が激しく、しかもそのスピードがこれまでのどの時代にもなかったほど速い現在では、経営者の考えが柔軟で、行動に移すのが速い企業ほど、生き残り、そして今後の発展の可能性は大きいのです。

❖後継者と共に進化の方向を語る機会をもち、自然に継承へと進んでいく 私の父は、私が大学生のころから仕事に巻き込み、卒業後、私は否応なしに、父の仕事を継承する道を歩み出していました。

最近は、成人後も子どもを自由にさせておいたり、留学をさせたりする経営者も少なくありません。

こうして自社の経営や将来について話をする機会も設けないまま、ある年代になると、そろそろ会社を継いでくれないかといい出すのでは、継承することに難色を示すのも無理はないでしょう。

子どもが小さいときから、会社の将来について、夢や新たな可能性などを語る機会を設け、後継者となる子どもと夢を共有できれば、次世代も自然に会社の先行きに関心を抱くようになるはずです。

継承にも下準備があり、手順があるということです。

私は親と外食するときの会話は、いつも商売の話ばかりでした。

そこで商売とは何かを自然に身につけたような気がします。

歌舞伎界など伝統芸能の世界のように、小さいときから培った素養は身体に刻み込まれていくものです。

なお、子どもが複数いる場合、会社に入れるのは 1人にするようにしましょう。

複数入れると、いまは仲良く力を合わせていても、長い間には確執が生まれないとはかぎらないからです。

ほかの子どもには別会社をつくって、そちらの経営を任せるなどの方法を考えるといいと思います。

▼いまの会社は次世代が継承したくなる企業だろうか。

また、次世代が若いころから会社の新たな可能性について話すなどして継承者の気持ちを引きつけていく。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、後継者は息子に限定せず、優秀な社員、女性、外国人などと発想を広げている。

事業承継は、ある意味で経営者にとって、最後の大仕事といえるでしょう。

ちなみに、承継とは「先人の地位・事業・精神などを受け継ぐこと」。

継承は「先人の身分・権利・義務・財産などを受け継ぐこと」で、多少、意味が異なります。

会社や事業を次世代に受け継いでもらうことは「承継」に当たり、法律用語や税制でも「承継」が使われています。

会社の承継は後継者に「経営」、つまり、人、資産、知的資産の3つの要素を受け渡すことです。

中小企業の場合は、こうした要素や事業のノウハウ、取引先との信頼関係などすべてが経営者に集中しているケースが多いことから、承継には十分な準備期間をとることが必須。

通常 5 ~ 10年ぐらいの期間を考えておくべきでしょう。

承継を成功させるためには、できるだけ早く、遅くとも 5 ~ 10年前には「後継者」を選択しておく必要があるということです。

才能や適性がないのに、無理に承継させると悲惨な結果になることがあるので、十分、見きわめて適切な人事をすべきです。

間違った承継をすると、社員や社員の家族までも不幸にしてしまう結果になります。

❖増えている女性の後継者。

なかには外国人の後継者もいる ところがその後継者が圧倒的に不足しているという、もう1つの悩みがあります。

東京商工リサーチの調査によれば、 2017年は中小企業の「人手不足型倒産」が従来の 2倍にものぼっており、なかでも目立っているのが「後継者不足」だといいます。

帝国データバンクの調査でも、 3分の 2近くの中小企業が「後継者不在」と答えているという結果が報告されています。

その背景には「後継者は息子」と考えている社長がまだまだ多いという事情が隠れているのではないでしょうか。

私のところに見える中小企業の社長もほとんどが「息子が継いでくれない」とか「うちは娘しかいないので養子をとらないと後継者がいない」などと口にされるのです。

最近は雇用に関して「ダイバーシティ」の重要性が声高に叫ばれているのに、なぜか、後継者は「息子」と限定してしまうのです。

もっと頭を柔軟にして、発想の幅を広げることが求められていると気づくべきです。

不動産大手の森トラスト株式会社、森トラスト・ホテルズ&リゾーツ株式会社の社長は女性。

二代目社長の長女だそうです。

二代目社長には息子さんも 2人いますが、諸事情で長女が承継することに。

父の先代社長は「不動産業界は男の世界といわれてきましたが、かえって希少価値があっていいんじゃないか」とコメントしています。

ほかにも、精密部品メーカーを率いる女性社長もいれば、花火製造会社を引き継いだ女性社長もいます。

さらに視野を広げれば、アメリカ人の老舗の温泉宿社長もいます。

この旅館の娘さんと結婚した縁で社長に就任したそうです。

このアメリカ人社長は、この温泉地の旅館の多くが鉄筋コンクリートのホテル形式に建て替えるなか、あえて古びた木造建築を残し、日本の伝統文化を集中的に体験できる宿であり続けることを選択しています。

その結果、いまではこの宿の宿泊客の 10%は外国人。

外国人社長だからこそ、思いついた戦略が当たったのです。

ある社長から、「息子と娘があり、息子は非常にいい子だがおとなしい。

娘は商売人でなかなか才覚がある。

どちらに継がせるか迷っている」と相談されたことがあります。

私が、「実際に会社の経営に対して、どちらが強い関心をもっているのでしょうか」と尋ねました。

答えは、いうまでもなく「娘でしょうね」でした。

そこで、私の顧問先にも女性経営者が増えていること。

その多くは真面目で、真摯に仕事に取り組み、まわりからも信頼され、事業を拡大しているとお話ししたところ、深くうなずいて帰っていかれました。

❖後継者には早期に代表権を与えない 後継者は親族でなければならないわけではありません。

社員のなかから、社長の思いに共感し、会社に対する思いの熱い人を次の社長候補にする選択肢もあるでしょう。

しかし、単に昇格させるのではなく社長にする。

するとその瞬間から、会社が抱える負債の個人保証を迫られるという新たな負担が生じることになってしまいます。

私の顧問先でも才能のある社員が後継者に適任でした。

しかし、個人保証の問題があり、家族と相談して、断ってきました。

そのようなことがあり、会社を売りたくなくても M& Aで会社を売却するという選択肢を選ぶ社長も少なくないのも現実です。

そうした課題をクリアするためにも、親族であれ、親族外の誰であれ、承継する前に、経営状況や経営資源などを健全な形に整えておくことが非常に重要な課題になります。

いずれにしても、事業承継に当たって、後継者に早期に代表権を与えないほうがいい、と私はアドバイスしています。

どの業態、どの市場でも、これまでより、これからのほうがずっと厳しくなると考えなくてはならない時代です。

現社長の目から、後継者として本当の覚悟があるかどうか、しっかり見きわめる必要があると考えましょう。

ある機械会社の社長は息子に全権を渡した後も代表権を与えていません。

息子には荷が重すぎるかもしれない。

本当に経営者として全責任を負っていく

覚悟があるかどうか。

それは、自分が亡くなったときに決心すればいいと考えているからだというのです。

息子などが役員に入っていると、会社の財務状態が悪くなったとき、銀行は支援の条件として、息子などの個人保証を求めることもあります。

私が 140億円の借金を背負ったのはまさにそのケース。

息子である私に 140億円の個人保証を求められたのです。

▼後継者問題はかなり深刻。

幅広い対象から最適の選択をすると同時に、経営状況を改善しておくことが重要な課題。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、会社を残すことにこだわらず、優良な事業だけをステルス方式で承継していく。

経営状態を改善しておく、というのは簡単ですが、実際はなかなかそうはいかない時代です。

少子高齢化によってあらゆる領域でパイの縮小が進み、売上や収益が上がらない。

借金の返済もいままで通りには進まない。

そんな企業が少なくなく、地元では名士に名を連ねている経営者が窮地に立っている例も〝数知れず〟といっても過言ではないくらいです。

こうした方に、私はよく「ステルス方式」による承継をおすすめしています。

「ステルス」とは英語で「こっそり行う」「隠密に」という意味。

「ステルス戦闘機」といえば、レーダーなどの探知機器に発見されにくい機能を搭載した戦闘機のこと。

ステルスマーケティングといえば、消費者に気づかれないように行う宣伝活動をいいます。

承継におけるステルス方式とは、承継者の会社を設立して、リスクヘッジ策をとることです。

この方法をうまく利用して、必要な事業だけを承継するのです。

また、いくつかの事業を混在させたまま経営を続けていると不採算部門も成長性のある事業も一緒くたになってしまい、どの事業を強化し、どの事業からは撤退するという判断もつきにくくなってしまいます。

ゆくゆくは息子などに事業承継しようと考えているならば、早いうちに事業別の採算制を導入するか、別会社にしておくことです。

こうしておけば、不採算部門は承継せず、成長が見込める事業だけを承継するという道筋がはっきりし、不安や懸念なしに、後継者にも負担のない承継がしやすくなります。

❖第 2会社をつくるときはここに注意! 別会社をつくる場合は、いうまでもなく、本体との関係性がない形でつくることが重要なポイントです。

本体が多額の借金を抱えている場合、本体が借金を抱えて倒産したとしても別会社は生き残っていく。

そのためには、資本も役員構成もまったく関係のない形で行わなければいけません。

もし、法的に第 2会社方式で会社分割・事業譲渡をするなら、取引のあるすべての銀行の合意が必要になります。

仮に銀行が「前向きに検討しましょう」といってくれたとしても、銀行の意向しだいで、借金のかなりの部分を第 2会社に移されます。

現実的には中小企業にとっては以下の問題点を含む方法です。

◆スポンサーを見つけないと、途中で資金ショートしかねない。

◆全行が同意しなければ進まないので、調整に非常に時間がかかり、なかなか合意できない。

その間に会社は劣化が進み、成り立たなくなる。

◆詳細なデューデリジェンス(資産価値の評価)をすることによって中小企業に不利益を被ることがある。

◆費用がかなりかかり、借入も予想以上に引き継ぐ可能性があり、後々 2次破たんの可能性も考えられる。

❖だから、ステルス方式で事業を継承していく 現在、知られている会社分割による事業譲渡は、ある程度の規模の会社でないと、こうした理由から成功の確率はあまり高いとはいえません。

私自身もそれで苦境に立ち、必死の思いで考えついたのが、ステルス方式です。

詳細を書くには本 1冊分あっても書き切れないだろうと思うほど、複雑で込みいった方式ですが、ポイントをご紹介すると以下になります。

◆社長も株主も本店登記も本体とはまったく関係のない形で別会社を設立します。

徐々に理にかなった形で事業を第 2会社に移していきます。

◆第 2会社設立前に、必要とする資産を協力してくれる善意の第三者に売却しておきます。

これは、正しい方法で正しい順番で行わないと成功しませんし、これで成功した本人しかわからない知恵の輪を解くような微妙な手順を踏まなければいけません。

ご相談に見えた方には惜しみなくそのノウハウを伝授しますが、すぐに理解ができて、誰にでもできるような簡単なものではありません。

私はこのノウハウを身につけて成功するまでに多くの失敗から成功法を見出し、 8年の歳月と億というお金をドブに捨てました。

❖日頃の銀行とのつき合いが復活の道を拓く 銀行の信頼を得ている社長であれば、銀行も、その社長を生かそうと考えてくれるものです。

長年にわたり信用を積み重ねていくことが、最良の復活への近道になることを自覚して、経営をしていくことが大切です。

私の場合は、当時 11行あった取引銀行のなかで半数以上は、私が復活することを願ってくれましたし、実際にさまざまな障害も飲み込んで復活の扉を開けてくれました。

こうして黙って支援してくれたお陰で、再生は加速度的に進んでいきました。

再生を進めていくときには、銀行を味方につけることが、最重要なポイントになるのです。

私がすべてを失わずに事業再生ができたのは、陰に、こうした支援があったからです。

最後にモノをいうのは、日頃からの銀行とのつき合い方なのです。

銀行員も人間です。

この社長は〝死なす〟べきではないと思わせることができれば、最後に大きく、そして温かな支援の手をさしのべてくれる、と信じましょう。

▼いまの第 2会社方式では現実的に成功できない。

「ステルス方式」で第 2会社に事業を移す。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、捨てる勇気をもち、会社を生き残らせるためにできることはすべてやる。

事業にも〝賞味期限〟があります。

歴史がある会社ほど、いまではお荷物になっている事業や資産を多く抱えているものです。

ところが、当の社長はそれらに誇りと愛着をもっていて、その事業からの撤退を考えることができない場合が少なくありません。

そうしたことも十分わかっていながら、「〇〇の × ×屋といえばこの地方では知らない人はいません。

それを私の代でなくすことはできません」と言い張る社長もいます。

こだわりがあるのもわかります。

プライドが許さないこともわかります。

しかし、会社を維持・発展させることが経営者として最重要な務めであることを十分自覚してほしいと思います。

賞味期限を過ぎた事業は潔く処分しなければいけないのです。

その処分のタイミングは早ければ早いほどいいのです。

命脈が残っているうちならば、現在の会社を売却し、その資金をもとに新業態で会社を設立し、身軽にスタートするという方向性も考えられます。

危機に陥った会社が再生できるかどうか。

それを分けるのは「捨てる勇気があるか、どうか」です。

いつまでもぐずぐず迷い続け、なかなか捨てられないでいるうちに、再生の機会を逸してしまった会社は数え切れないほど多いのです。

❖決断は 1秒でも速く。

そして即、行動する 赤字が続いていることは、ボクシングでいえばボディブローを食らい続けているのと同じです。

資産や銀行の信頼がそこそこあったとしても、会社の体力は徐々に失われていきます。

従業員の士気にも大きな影響を与えます。

黒字部門の従業員たちは、「自分たちが稼いだ利益を、あの事業が食いつぶしている」と考えてしまうからです。

こうした状態を続けていて何のメリットがあるのか、意地やプライドで従業員が飯を食えるのか、冷静に考えるべきです。

後継者にしてみれば、こんな状態の会社を引き継ぐなんてたまらないと思うでしょう。

私がまさにそうでした。

創業者である父は思い入れが強く、意地で続けている事業も多く抱えていました。

そこへ阪神・淡路大震災で 40億円以上もの損害をこうむったのです。

不採算事業は切り捨てて再生を図らなければ倒産し、何もかも失うことになる。

これ以上、不採算事業にもこだわるならば破産申請をするほかはないと説得した結果、ようやく、父も「不採算部門の切り捨て」に納得してくれましたが、そこまで、私をはじめ、周囲がどれだけ苦労したことか! 私は、何に対しても執着心がないタチだったこともあり、父を説得した後、必要ではないと判断したものはどんどん売却し、再生を進めていきました。

決断が速く、どんどん行動するので、まわりはびっくりしていたようです。

しかし、結果から見れば、だからこそ、 140億円という巨額の借金を返済することができたのだと思います。

❖あらためて問われる銀行の役割 採算割れし、しかもその市場の将来性も見出せない。

そんな企業が事業承継の時期を迎えたとしましょう。

現在の金融機関はほとんどの場合、それでも事業を継続させ、少しずつでも借金を返してもらうという選択をします。

父親から引き継いだときすでに利益が出ず、借入金の元金返済をしていなかった会社を引き継いだ方が相談にみえたことがあります。

よく話を聞くと、金融機関は、すでに「期限の利益を喪失」している企業をわざわざ承継させて、個人保証をさせたのです。

これでは、事業承継した息子さんは、どこの金融機関からも借入できないわけですから、借金の個人保証をするために事業承継したのも同然です。

こうしたことは、公共性がある金融機関がやることではないと思います。

すでに破たん先企業であったため借入、つまり、金融支援は受けられないまま、社長就任後は、懸命に資金繰りをしていたそうです。

売上を上げることが唯一の危機脱出策だと思い、がんばり続けていたわけです。

金融にうとかったこともあり、社長は、自社が「期限の利益を喪失」した企業であると認識をもっていませんでした。

ですから、こうしてがんばっていれば、いつか金融機関も融資をしてくれるだろうと考えていたといいます。

頑張って業績を伸ばしていくと、毎月の返済を増額しろといわれたのです。

借入できないなか、設備更新もしなければいけないので困りました。

すると、ある日突然銀行が、「担保になっている自宅を売却して借入金を返済するように」と言い出したのです。

金融機関は自行の得だけを優先して、時期を見計らっていたのでしょう。

そして、次社長に金融知識がないのを知りながら何の助言もせず、いきなり回収に走ったのです。

こうした経緯を考えると、結果論ですが、後継者の息子と地元の雇用と発展のためにも、赤字会社を引き継がせるのではなく、もっと早くに第 2会社を設立して、本体の借金を引き継がない形で事業再生を図るべきでした。

こうした提案や支援を行うのが金融機関としての使命であり、本来のあり方ではないでしょうか。

超低金利時代、 IT化への対応など金融機関も厳しい変革の時代を迎えていることも事実です。

しかし、そうした時代であればいっそう、金融機関も

個々の企業の真の再生を支援する姿勢を取り戻さないと、将来が見えなくなるでしょう。

少なくとも、現在の金融機関の多くは、中小企業の社長は金融にうといから、金融機関側の思いどおりになるといわんばかりの姿勢が強いように見受けます。

それに対応するには、経営者ももっと金融の裏事情、銀行の本音などを勉強しなければなりません。

▼賞味期限切れの事業は潔く切る。

この決断が速く、的確にできる社長なら、会社を存続させていける。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、経営力にすぐれた社長は、確実に資産形成も進めている。

社長の資産形成というと、まるで私腹をこやしているような印象をもつ人もいるかもしれません。

しかし、一本筋が通った経営をしている社長ならばそれなりの利益を確保できるはずですし、そのビジネスを長く続けられることになり、必然的にある程度の資産形成はできていくものです。

そして、その資産は万が一のとき、会社を守るためのリスクヘッジとしても有用です。

ただし、資産形成はあくまでも「結果」です。

最初からお金儲けが目的で事業展開している社長は、最終的には失敗に終わることが多いようです。

以前、相談にのったことがある社長はその典型だといえる人でした。

儲かればいいと何にでも手を出すのです。

本業は内装業と解体事業で、どちらも利幅が大きい仕事です。

取引先も大手が主。

そのまま真面目にやっていれば相当の利益が出るはずで、資産形成もできたでしょう。

ところがこの社長はさらに資産をふくらませようと、おいしい(と聞こえる)新ビジネスの話があるとすぐに身を乗り出し、事業を拡大していったのです。

こういう人のまわりには、いろんな人が寄ってきます。

この社長の場合も例外ではなく、次々、いかにも儲かりそうな話をもち込む人が寄ってくるようになりました。

すると、この社長は次々、それに乗ってしまう……。

なかには最初からおかしな話もあり、損を出すことも一度や二度ではなかったようです。

しかし、この社長は、本業が儲かっていたから、なんとかなると思っていたのでしょう。

いっこうに懲りる様子もなく、相変わらず、次々大きなお金を投資し続けていました。

ところが本業でトラブルがあり、取引が減り、売上がガタ落ちに。

当然、利益も減ってしまい、拡大した事業の赤字をカバーできなくなってしまったのです。

そこで、これまで投資した不動産を売却しようとしたのですが、地方の不動産は現在、どんどん値下がりしている時代です。

結局、売却しても大幅な赤字を計上しただけに終わり、まだねばればなんとかなったのに、苦しみから逃げたい一心で破産しました。

すごく後悔されています。

❖不動産は即、換金できる物件を買う 資産といえば不動産だと思い込んでいる人はまだ少なくないようです。

不動産といわれるように、土地や建物は〝不動の価値〟をもつものという神話が長く続いてきたからでしょう。

しかし、人口減少で土地や建物の価値は総体的に低下傾向に向かうと予測されています。

もちろん、需要と供給の関係で、人気が集中するエリアや場所であれば、逆にどんどん値上がりするだろうと予測できる物件もたくさんあります。

いずれにしても、一般的に、長く寝かせておくことはリスクの方が大きいと考えるべきで、不動産を購入する場合は、必ず、即換金できる物件を選ぶようにしましょう。

すぐに売れない物件、すぐにテナントが入らない物件は、価値がないと思うべきです。

また、大きなビルを 1棟もつのではなく、小さいビルやマンションの 1室などを数か所購入するなどしてリスク分散しておくことも、不動産資産を考えるうえでは重要なポイントです。

単に見せかけの利回りだけで判断して投資するものではありません。

❖不動産賃貸業の盲点 少しお金に余裕ができたから、「ビルを買って貸そうと思う」といって相談に見える方もよくおられます。

私が貸しビル業を手広く営み、他社よりも利回りを上げ、なおかつ 97%以上の入居率を確保してきた実績を知ってのことでしょう。

しかし、不動産賃貸には外から見ているだけではわからないリスクもあります。

安易に、「副業に貸しビル業でも……」と乗り出すと後で痛い目にあうことが多いものです。

不動産賃貸業の最大のリスクの1つは「家賃を支払わない人にどう対処するか」です。

契約書から家賃の徴収まで仲介業者に丸投げする人が多いようですが、仲介業者は家賃の滞納があっても傍観しているだけ。

必死に回収しようとはしません。

保証会社に委託すれば高い経費がかかり、賃貸業を営むうまみをその業者に渡しているのと同じです。

自分の不動産を自分で管理できないようでは、不動産賃貸業のうまみを知ることはできず、収益も減ってしまいます。

不動産は年を経て中古になるほど家賃は下がり、補修コストなどもかかってきます。

つまり、リスクは年々高くなっていく、ということも知っておかなければいけません。

賃貸用の不動産であっても、買うときには「売るときのことを考えて購入すること」。

これを肝に銘じておいてください。

私の顧問先のある社長は、本業以外には絶対に手を出さないと決めてコツコツと貯めめてきたお金が数億円になったといいます。

私は相続対策のためにもと、不動産の購入をすすめました。

同時に小さな物件をいくつか購入するようにとの助言も行ったところ、素直にそれを聞き入れ、信頼できる業者の情報を 1軒 1軒、自分の目で見て納得のいったところだけ購入するという手堅い方法で、いまでは着実に資産価値を増やしています。

▼社長の資産はいざというとき、会社を守る。

大きくまとめて投資するより、分散投資してリスクも分散しておく。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、含み資産が含み損資産に変わる日があることを知っている。

資産形成、資産管理のうえで、現在最もリスキーなのが不動産です。

2020年の東京オリンピックまでは不動産は値上がりするとよくいわれます。

しかし、それは局地的なもので、日本全国いたるところでうなぎ登りに値上がりしたバブル時代とはまったく様相が異なります。

「失われた 20年」という言葉もあるくらいで、この 20年間、日本経済は実質的にはほとんど成長していません。

GDPは 25年間、 500兆円あたりをうろうろしている状態です。

そうしたなかで、 2013年ごろから不動産価格が上昇に転じ、不動産投資に奔る人や企業が現れるようになりました。

しかし、この押し上げ要因は実需ではなく、日銀の超金融緩和、超低金利政策によりマネタリーベースの増加によるものにほかなりません。

アベノミクス前のマネタリーベースは年間 100兆円程度でしたが、その後の日銀の金融政策により毎年 80兆円の積み上げがあり、倍々ゲームでお金が増え続けたのです。

行き場がなくなったお金は不動産市場に向かったわけですが、昭和バブルと様相が異なるのは、それでも値上がりしない土地がたくさんあることです。

少子化、人口減少現象で住宅需要が頭打ちであること。

通勤時間を短縮したいというニーズの変化などから、かつて人気があったニュータウンやリゾート地からは居住者の姿が消えていき、ただ同然といいたくなるような物件がごろごろしています。

野村総合研究所によれば、日本の住宅の空き家率は最新の調査(総務省・平成 25年)で 13・ 5%。

このままなんらかの対策をとらなければ、 2023年には 20%超え、 2030年代には 30%超えになる可能性があると予測されています。

投資不動産や自社ビルを「含み資産」だと考えていた地方の資産家やこれまで儲かっていた企業も、あらためて現在の市場価値に照らし合わせてみると、いつの間にか「含み損」に変わってしまっている可能性はけっして小さくありません。

少なくとも年に 1回は自社の資産を見直し、今後の見通しも考え合わせて資産の入れ替えを図らなければ、取り返しがつかないことになる可能性がますます現実味を帯びてきています。

❖モノや在庫の評価はゼロに等しい 骨董品の価値を算定するというテレビ番組がありますが、「これは家宝。

博物館クラスといわれて購入したものです」という触れ込みのお宝が二束三文だったという話にはこと欠きません。

資産ではありませんが、在庫も特殊なものをのぞいては、ほとんどの場合、ゼロ評価。

会社の資産整理のときに、大きな誤算になることがしばしばあります。

在庫があると利益を押し上げます。

会社の収益状況にもよりますが、多くの場合、銀行から見ると、在庫は評価損になることがあります。

銀行は決算書からマイナス要因を探し出し、それらをマイナスした結果をもとに評価し、それをもとに融資額を検討します。

したがって、在庫はしばしば、積極的な融資の足を引っ張る原因になりかねないことを知っておきましょう。

製造業の場合、ある程度の原材料の在庫を確保しておくことは必要でしょう。

しかし、在庫管理を徹底して、これも必要最小限に止めるのが賢明です。

販売業では、在庫はそのまま製品の劣化につながる可能性が多々あります。

たとえば、ファッション性のある衣類関係などは、翌年には売り物にならず、評価はすぐにゼロになってしまいます。

売上効率を高めるためにも、できるだけ在庫を少なく、つまり、在庫回転率を短くするように努めてください。

ちなみにトヨタの在庫回転率はわずか 3・ 5日。

ライバル社は 6日以上かかっており、いかにトヨタの在庫管理がすぐれているかがわかります。

▼含み資産や在庫についても定期的に見直す。

不動産資産は〝思い込み〟と市場価格に開きが生じている可能性も高い。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、コツコツ本業に専念することで、結果的に確実に資産形成を進めている。

中小企業の経営者で、それなりの資産形成に成功した人は、例外なく、真面目に本業をコツコツと続けている人です。

反対に、儲かりそうだと聞くとすぐにあれこれ手を出して、結果はすべてアブハチ取らず。

どの事業もきわめることがなく、中途半端に終わってしまうので身にならず、資産と呼べるほどのお金も残らない、という社長も少なくありません。

❖資産形成にも人生にも、一発逆転などあり得ない 人生とは不思議なものだと思うことがよくあります。

欲を出せばいいというものではなく、経済的な成功だけをガツガツと追いかけている人は、なぜか必ず、どこかでつまずいてしまうのです。

株などへの投資も同じことで、証券会社やテレビ番組などからの情報に踊らされ、売ったり買ったりを繰り返している人よりも、ある会社に惚れ込み、その会社の株を買い、会社の成長を楽しみに見守っている。

そんな投資のし方のほうが、最終的には大きな実りを手にすることが多いようです。

仕事でも投資でも「ここは勝負時だ。

一発逆転を賭けて勝負に出る!」と気勢をあげんばかりに、失敗するとすべてを失うほど勝負を張る人がいます。

しかし、逆転ホームランで大いに盛り上がるのは野球の試合だけ、に止めておくほうがよさそうです。

多数の社長さんと出会ううちに、私は「人生には逆転満塁ホームランはないのだ」と確信するようになっています。

ここで一発、大きく儲けてやろう! と欲をふくらませている人、邪心でいっぱいの人からは金運も逃げていってしまうのか、こういう人で成功したことに出会ったことがありません。

仮に儲かったとしても、こういう人は満足ということを知らないので、さらに欲をふくらませて大きな賭けに出ることが多く、その結果、すべてを失って終わり! ということになるのがオチなのです。

❖仕事とともに成長、進化を遂げていく 私の顧問先の社長にこんな方がいます。

ある事業で多店化経営をするところまで大成功したのですが、 20店舗を超えたころ、その会社を売却してしまいました。

理由をうかがうと、いまの自分には 20店舗を超えると身の丈を超えてしまい、経営し切れないと思ったから、という返事です。

たしかに、最初から大きな組織をハンドリングできる人はめったにいません。

1店舗から 2店舗へ、 2店舗から 3、 4店舗経営へ、と段階的に発展を進めていかないと、企業の規模と社長自身の力にギャップができてしまうのです。

企業の成長と社長自身の成長が同じペースで進んでいかないと、どこかでバランスが崩れ、経営が成り立たなくなってしまうことはよくあります。

経営者としての自分の力量を客観的に判断できる社長は、自らの身の丈をちゃんとわきまえていて、その身の丈に合った規模の会社を経営しています。

身の程知らずという言葉がありますが、まだ、自分が社長として十分成長できていないのに規模拡大に走った社長は、ほとんどがみごとにとん挫し、倒産したり、倒産とまでいかなくても苦しい状況に追い込まれたりしてしまうケースが多いものです。

それとは逆に、会社の拡大成長とともに、自分自身の人間性も成長させている社長は、年齢とともに人間的にも成長、成熟していき、社員からはもとより、まわりの人からも愛され、尊敬され、心豊かな人生を送っています。

豊かな人間関係に囲まれる人生……。

それこそが人生における最大の資産だと、私は考えています。

▼身の丈に合った規模の経営を基本に、一方で自身の成長に努め、経営規模を拡大、発展させていく。

会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、逃げない、あきらめない、やり尽くす。

私がこれまで相談に応じた社長は 1300人ほどにのぼります。

相談にこられるぐらいですから、そのほとんどが経営上の悩みを抱え、あるいは苦境に立っています。

なかには「なんで社長になんかなってしまったんだと思うくらいですわ。

逃げ出せるものなら逃げ出したい」と本気でいう人もけっこうおられます。

でも、こうした考えが脳裏に浮かんだその時点で、その社長はもう「負け!」です。

いやなことから逃げたい。

つらいことから逃げたい。

しんどいことから逃げたい。

人間、誰しも思うことです。

しかし、ここで逃げたら、その先はありません。

成功し、会社を長く続けてきた社長は絶対に逃げません。

あきらめません。

私自身もそうでした。

140億円の借金を背負いながら自力で再生を図る途上ではいやなこと、うまくいかないこと、思わぬことが次々降りかかり、何度も四面楚歌状態になりました。

しかし、どんな状況でも、私は「逃げたい。

あきらめよう」と思いませんでした。

最初に、絶対に倒産しない、自己破産しない。

自力で再生しようと決めていたからです。

血尿が出、頭に小さな脳梗塞が 15か所もできるほど考えに考え抜いている間に、針の穴ほどの突破口があき、そこからかすかな光が射してきて、いまにつながる道が見えてきたのです。

❖銀行口座を凍結された経営者の逆襲 ある相談者の例です。

経営が苦しくなったこの社長は、地元銀行にリスケの延長交渉をしている最中に口座を凍結されてしまいました(他行はすべてリスケ延長は合意し、支援体制は整っていたのにもかかわらず)。

交渉中に、地元銀行は「自宅を担保に差し出してください」といってきていました。

住宅ローン残高は 2500万円。

自宅の担保価値は 4000万円です。

やむなく、社長は自宅を売却し、売掛金を出金しようとすると、口座が凍結されていたというのです。

これを聞いた私は、これは「もう我慢の限界だ。

金融庁と銀行協会に訴えるしかない」と社長に告げ、金融庁や銀行協会にことの経緯を説明しました。

すぐに地元銀行の本店に連絡し、口座凍結を解除するよう指導してくれました。

同時に、地元銀行がこの社長に求めていた「第三者の保証人を立てよ」という要求も却下させました。

これは金融庁の指導に反しているからです。

もし、この社長が私のところに相談に見えなかったら……と思うと慄然とします。

しかし、多くの社長は、銀行にここまでやられればおびえてしまい、銀行のいいなりになり、ほどなく倒産してしまうのではないでしょうか。

少子高齢化で会社も激減しているなか、地域経済に貢献でき、雇用創出ができる社長なら、再チャレンジ可能な金融機関の支援体制が構築されるべきです。

銀行員の目利きが大切で、さらに金融機関の社会的使命感が大切です。

❖やめるときを想定し、覚悟することも社長の務め「逃げない」「あきらめない」といったそのそばから、「やめるときを想定していることも大事だ」というと、いったい、どっちが本当なのだ、と突っ込まれそうな気がします。

実は、この2つは一見、相反しているようでいて、根っこは1つです。

ときには「会社を存続させない」と決意することが最良の解決策になることもある。

社長になったときから、そう覚悟し、肚をくくることも必要なのです。

先日、相談に見えた方はまだ 40代半ば。

社長の父親が倒れてしまい、事実上、経営者として経営のすべてを見なければならない立場だといいます。

しかし、事業は赤字。

債務超過、借入過多。

いまの売上と利益では一生かかっても返済はできない。

債務超過なので、むろん、他行からの支援をあおぐことはむずかしい……。

つまり、八方ふさがり。

一筋の光明を探ることもできない状態です。

銀行は社長交代を要求しているといいます。

現在の借入金の個人保証は社長、つまり、父親 1人といいます。

銀行の思惑は明々白々です。

社長を交代してもらい、この息子の資産まで押さえてなんとか貸付金を回収したいと考えているのです。

私は、正直に、「会社を閉めることも考えてみてはどうか」と提案しました。

銀行のいいなりになれば、この方は新社長に就任してほどなく、家から会社からすべてを銀行に取られてしまうことになる可能性大だと考えるべきでしょう。

もちろん、父親に代わって自らが社長になり、会社の再生に人生をかけるという選択もあります。

これ以上ないほどひどい状態から粘り強く経営改善を進めていき、少しずつ先が見えてきた経営者もいます。

あきらめてしまわないかぎり、どんな状態

からもリカバーの可能性はある。

これも本当です。

潔く撤退するのも1つの選択。

最後の最後までやり尽くし、どんなにイバラの道だろうと、あきらめないで再生の道を進んでいこうと決意するのも1つの選択。

それを決めるのは、いつの場合も社長本人です。

人生を賭けた決断。

それをするときには、もう 1人の自分自身の目で、いまの自分を冷静に見てみましょう。

他人が、いまの自分をどう見るか。

そんなことは気にする必要はありません。

経営者は孤独なのです。

会社がどんな状況になっても誰も助けてくれません。

すべて自己責任の世界。

経営者の生き方とはそういうものです。

だからこそ、最後の選択は、自分の信念で、自分の人生にとってこれがベストだという生き方を選んでください。

❖利他の精神で経営していれば大きな報酬がついてくる がんこでわがままな父でしたが、私にこれ以上ないことを教えてくれました。

「人に喜ばれる、社会に喜ばれる、そんな仕事をしていれば儲けは後からついてくる」 というのです。

「儲けようとするから儲からない。

損して得とれ、という言葉を知らんのか」ともいわれ続けました。

若いときにはいまひとつピンときませんでしたが、年齢を重ね、 140億円の借金の返済という大仕事を通り過ぎてきたいまは、その言葉が身に沁みて感じられます。

会社のお金のやりくりをする場合も、自分第一、自分の会社第一の考え方では人はついてきません。

どんな選択、どんな決断をする場合も、取引先に損を与えないように。

世間に迷惑をかけないように。

さらに進んで、相手の利益や便宜を重んじて、ときには自分は犠牲になるくらいの覚悟と決断をする。

こうした利他の精神をもった経営者は誰かがどこかで温かい目で見てくれています。

そうした温かな視線、心づかいに感謝しながら生きていく、その喜びはお金には代えられないもの。

人生で最高の成功だといってよいものだと思います。

▼どんな場合も、選択するのは社長、つまり自分自身。

このとき、利他の精神で、ウソのない選択をすることがいちばん大事。

あとがき 経営アドバイザーとして活動するようになってから今日まで、 1300人近くの社長と向き合い、経営に関するさまざまな問題解決に取り組んできました。

中小企業の多くにとって、いちばんの悩みはお金、つまり資金繰りです。

資金繰りの悩みの最大の原因はいうまでもなく、会社経営に問題があることですが、同時に、お金をどう繰り回していくのか。

とりわけ金融機関とのつき合い方について、驚くほど知識もテクニックももっていないことが問題だと断言できます。

会社経営については、いまは、昨日と同じビジネスをしていたら、今日はもう危うい。

それほどの激変が、恐ろしいほどのスピードで起こっていることを強く認識していただきたいと思います。

そして、あらゆる知恵とエネルギーを傾注して、このけわしい時代を乗り切っていってほしいと願っています。

激変に対応しようとするとき、頼りにするのは銀行、金融機関です。

ところが、中小企業の社長の多くは、銀行とのつき合いが苦手だという意識が強く、そのため、金融機関をうまく使いこなせていません。

銀行とのつき合い方にも秘訣があります。

銀行の立場や思惑を考えれば、その秘訣はおのずと見えてくるはずです。

銀行の思惑や立場を読み取り、理解できるようになれば、もはや一流の経営者だといえる。

企業経営にとって銀行とのつき合い方は、それほど重要だということです。

本書では、銀行とのつき合い方について特にページを割き、本来なら活字にすることをはばかるようなマル秘テクニックまで紹介してあります。

ひょっとしたら、私は銀行から〝要注意人物〟だとマークされてしまうかもしれません。

それを覚悟してまで、本書を書いた理由は……、 私は、なんとしても、日本の中小企業にもっとがんばってほしいのです。

技術大国といわれる日本。

これまでも、これからも、日本は世界に冠たる技術力をもって生きていかなくてはなりません。

その技術力の底支えをしているのは、日本の企業の 95%以上を構成している中小企業です。

ところが、その中小企業の経営基盤がぜい弱であるうえ、日本の法律では、企業経営者が一度、経営に失敗すると、個人の人生から家族の生活まで破たんに追い込まれてしまうのです。

しかも、再起の道まで閉ざされてしまう。

現状では、日本ではそれほどに厳しい社会であるのが現実です。

それなのに、多くの経営者が無防備、無知、そしてリスクヘッジを考えないまま経営に当たっているのです。

これほど恐ろしいことはないといいたいくらいです。

アメリカをはじめ諸外国ではこんな例はほとんどありません。

失敗しても再チャレンジの機会がちゃんと与えられています。

私は、なんとしてでも、日本も「中小企業経営者が再チャレンジできる社会」に変革していきたい。

再チャレンジ社会を実現したい。

これを最大の目的に活動しています。

活動の ①は、メルマガの発行です。

登録をしていただくと、無料で、毎週「知らないと損をする情報」が届きます。

活動の ②は、「絶対に失敗しない社長の極意セミナー」を東京と大阪で開催しています。

活動の ③は、無料個別面談の開催です。

将来に 1ミリでも不安があるなら、すぐにお申し込みください。

不安を解消するための対策や心構えについて、お話しさせていただきます。

悩んでいるだけでは不安は絶対に解消できません。

この3つの活動をぜひ、積極的に活用してください。

そして、ご一緒に元気な中小企業を育てていき、日本の将来を明るく元気なものにしていくことができたら……。

これが私の最大の願いです。

ご連絡を心からお待ちしています。

【著者紹介】三條 慶八(さんじょう・けいや)──1960年、神戸市生まれ。

“会社と家族を守る”経営アドバイザー。

株式会社 Jライフサポート代表取締役。

──負債 140億円を背負った会社を自らの力で再生し、完全復活させた経験に基づき、悩める中小企業経営者に真の会社経営、会社再生法を伝授している。

机上の空論ではなく、自らの体験から得た実践的な手法は多くの経営者から信頼を得ており、特に対金融機関との交渉法が、多くの顧客から評価されている。

──「もっと早く出会いたかった」「今すぐ指導してもらいたい」などの声が全国から寄せられている。

中小企業経営者とともに、最後まであきらめることなく懸命に闘う姿勢が共感を得ている。

本書は、そんな中小企業経営者との対話、実践から生まれた、会社をつぶさず、安定経営をするために、経営のキモである「お金」についての考え方、使い方、集め方などをまとめた 1冊。

──主な著書に『社長の基本』(小社)、『あなたの会社のお金の残し方、回し方』(フォレスト出版)等がある。

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