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事業と販売

いつ、 いかなる場合にも、

自らの商品は、

自らの手で売らなけ薇ばならない。

何がどうなっていようと、自らの商品は自らの手で売らなければならな

いのである。このことを認識しない限り、販売は絶対といっていいほど伸

びない。たとえ伸びても、やがては頭打ちしてしまう。

ところが業績不振会社はいうまでもなく、中小企業全般の傾向として、

販売に意欲も関心も示さない社長が多すぎるのである。…

販売というのは、営業部門にまかせておけばいい、というような軽々し

い問題ではない。会社の浮沈に関する重大命題なのである。わが社の商品

が売れなければ、会社はつぶれてしまうのである。

一倉定の社長学第1巻「経営戦略」、 第3巻 「販売戦略・市場戦略」より

お客様を恙薇た白已本位の考え方を

「夭動説」という。この「夭動説」が

とことん販売を阻害する。

自己本位の考え方を「天動説」という。この天動説が、とことん販売を阻

害するのである。だから、天動説を捨て相手の立場に立って、物を考え行動

すると恐ろしく目立つ。…

天動説をとっている会社では、根本的に誤った二つの信念をもっている。

それは、「流通業者はわが社に忠誠を誓っている」「消費者はわが社の商品

に絶大な支援を惜しまない」というものである。

右の二つの誤った信念がいたるところに顔を出し、販売を阻害している姿を、

私は、うんざりするほど見せつけられてきているのである。

人間というものは、これほどまでに「自己中心」でしか物を考えられない

動物なのだろうか、とつくづく思うのである。だからこそ、「相手の立場に

立つ」ことは、販売でも素晴らしい威力を発揮するのである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より

小売店に払うマージンは

「売場借用料」であり、間屋に払う

マージンは「販売鋼使用料」である。

もしも、自分の会社で自社の商品を売る販売網を作ろうとすれば、多額の

費用と多くの時間を必要とする。

そのような努力を全く必要としないのが、代理店と契約するということで

ある。その報酬が代理店に払うマージンなのである。だから、マージンとい

うものは「販売網使用料」であって、「販売手数料」ではないのである。販

売はあくまでも自らの会社で行うものなのである。‥。このことは、小売店

に対しても全く同じである。小売店に払うマージンは、販売手数料ではない

のである。その本質は「売場借用料」なのである。自ら小売店舗を作るには、

これまた多額の費用と時間を必要とする。そのようなことをやらずに済むのが、

既存の小売店を利用することである。当然のこととして、売場借用料を払う

のである。小売店の売場を借りて自ら売る、のである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より

総代理店をつくるということは、

生殺与奪権を与えることである。

総代理店をつくるということは、相手にわが社の生殺与奪権を与えること

である。

総代理店を通さなければ販売できず、もしも総代理店がわが社の必要売上

げを確保してくれなければ、わが社はつぶれてしまうからだ。そして、総代

理店はわが社のことを考えてくれるのではなくて、自分の会社のことを考え

ているのだ。

これほど危険なことはない。その危険を全く知らずに「総代理店はわが社

に忠誠を誓っている」と思いこんでいるのだから、まさにお目出たい限りと

言わなければならないのである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より

最大の得意先でも、

売上の二〇%以上を依存しないこと。

得意先の組み合わせについて考えなければならないことは、まず第一に、

主力得意先は三社以上が望ましく、 一業界一社が理想的である。第二には、

最大の得意先でも売上の三〇%以上を依存しないことである。第二には、主

力得意先の中に、限界生産者があると危険である。

社長たるもの、わが社の収益増大を図るのは当然として、その前にわが社

の安全性を確保するための手を打っておかなければならない。

外部情勢は、いつ、どのように変わるかも知れず、その影響をうけて、い

つ得意先に大幅な業績低下が起こるかもしれない。あるいは、得意先自体の

方針転換のために、わが社の受注が減少するか分かったものではない。

将来の危険に対して、今のうちに手を打つことこそ、社長の重要な役割の

一つである。

一倉定の社長学第1巻 「経営戦略」より97

「小さな市場で大きな占有率」こそ、

優ヽR会社になる近道である。

一般に、中小企業は大きすぎる市場を狙いすぎる。たくさんの会社が狙う

ために、当然のこととして過当競争になっていく。そして、その中で苦戦し、

低業績に泣くことになるのである。

賢い社長は自らの規模に合った市場を狙う。そこには強敵は少なく、弱小

会社を相手に有利な戦いを進められるのである。「小さな市場で大きな占有

率」こそ、優良会社になる近道なのである。

大きすぎる市場の場合には、市場の細分化を行って、細分化した市場の中

で必要な占有率を確保していくのである。占有率の高い、細分化された市場

をひとつずつ増加していく。言い換えると、自らの手で対象市場を小さくし、

その中で大きな占有率を確保する、ということなのである。

一倉定の社長学第5巻「増収増益戦略」より

社長の蛇口訪門一口は、

セールスマンの訪間の百口に勝る。

社長の表敬訪間は、実は「建前」なのであって、その建前だけでも絶大な

効果があるのに、それに加えて「本音」の方にさらに大きなメリットがある

のだ。

そのメリットとは、まず第一に顧客の要求とその変化を的確につかめるこ

とである。社長が訪問すれば、先方でも偉い人が応対する。偉い人ほど、雑

談の中でさえ、事業経営に関する次元の高いことが話題になるからである。

第二には、わが社のサービス不足やクレームを知ることができる。第二には、

競合他社の動きに関する情報も入る。特に他社の社長が訪問しているかどう

かは大切である。訪問していることは、まずないといえるが、訪問していな

ければわが社は優位に立っているのだし、もしも訪問しているようならば油

断はならないのである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より


顧客訪間の目的は、売り込みではない。顧客の確保である。

売り込むまではせっせと通い、売ったとたんに訪問しなくなるのでは、

顧客からみたら現金な会社だと、決して快くは思ってくれない。…

こうした誤りをおかすのは、「訪間の目的は売り込みである」という間

違った考え方をしているからである。だから、いったん売ってしまえば訪

問しなくなる。この考え方は多くの会社にはびこっているのである。…

訪間の目的は、明らかに売り込みではない。それは「顧客確保」である。

訪問しなければ、他社に顧客をとられるのだ。訪問こそ、市場戦略の基

本活動なのである。そして、それは訪間というよりは、巡回― つまり顧客

パトロールなのである。警官のパトロールの目的が泥棒をつかまえること

ではなくて犯罪防止にあるように、訪間の目的は売り込みでなくて顧客確

保なのである。この正しい考え方を社長自身がまずもたなければならない。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より

「こうしたら売沢る」という売り方を実験によって見つけだせ。

顧客の研究のないところに販売増進はありえない、という平凡な原理をふ

まえることが、事業経営を成功に導くものであることを肝に銘じなければな

らないのである。…

販売促進というものは、ただムチャクチャに押し込みをやっても意味がない。

いろいろな売り方を実験してみて、その中から効果の大きな方法を探しだす

のだ。これが分かればあとは簡単である。

「こうしたら売れる」という売り方を実験によって見つけだせ。

これが販売促進の基本原理である。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より


商品の性格によって売り方が逹う。

商品には、いろいろな性格がある。そして、その性格によって売り方が

違うのである。それをよく心得ておくことが販売戦略を立てる上で重要な

ことである。

商品の性格の分類法はいろいろある。その中で、販売方式の違いを知る

には、生産方式の違いで分類するのが最も分かりやすい。生産方式を大分

類すると、個別生産、多量生産、装置生産の二つになる。…

しかし、現実には少量生産という方式もあり、それが需要増大で中量生

産になることもある。同一の商品でも個別受注生産から規格品の見込生産

に移行する場合もある。そのような状況の時にも、常に考えなければなら

ないのは「生産方式によって販売が変わる」ということである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より

タンクの油を減らすには、

蛯口をひねることである。

ここに油タンク(問屋)がある。タンクの中の油(わが社の商品)が減ら

なければ、油を補充することはできないのだ。

とするならば、タンクの油を減らすにはどうすればいいのだろうか。

ひんぱん

いかに頻繁にタンクの油の減り具合を見に行っても、油の減少速度を増加

させることはできない。

できることは、油の減り具合が分かるということだけである。これは「促進」

ではなくて「監視」にしかすぎないのである。

タンクの油を減らす手段は「蛇口」をひねることなのである。(蛇口とは

小売店のこと)小売店の売上増大こそ、販売促進なのである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より

値段を値勿ら沢るのは、値切ら薇るほうが悪い。

「お客様あっての会社」これが私の信条である。だから、たとえ、どんな

お客様であろうとも、誠心誠意のサービスをするのが当たり前である。

もしも、お客様が十分な代価を払ってくれなければ、サッサとそのお得意

先と縁を切るべきである。

縁も切らずに、しかもそのお得意先一辺倒で、これの打開策を何もとらず

にお得意先を恨むのは間違っている。と言うよりは、社長の怠慢以外の何も

のでもないのだ。お客様に少しでも恨み心がでたら、もう、そのお得意先に

誠意をつくすことはできないのだ。だから、恨むのではなくて、自らの力で

新たなお得意先を開拓しなければならない。

それもやらずに、お客様を恨むとは何事か、というのが私の考えである。

自らの努力を忘れ、お客様を恨むのは誤りである。

「経営の思いがけないコツ」より111


売上高について、「対前年比伸び率」という考え方はしてはならない。

損益計算書において、対前年比伸び率という物差しは、売上高以外の数

字について、管理的には意味がある。

しかし売上高については、対前年比伸び率という考え方は、してはなら

ないものである。

というのは、対前年比伸び率がどうであろうと、占有率を落としてしま

ったら何もならないからである。売上高の物差しは、あくまでも占有率で

あり、これ以外にはないことを知っていなければならないのである。

一倉定の社長学第5巻「増収増益戦略」より

セールスマンの能力と努力だけに

期待して、自らは販売努力を

及棄しているのは誤った態度である。

どの会社でも、セールスマンに対して、過大すぎる期待と重責を負わせす

ぎている。過大すぎるが故に、その期待はいつも満たされることはない。当

たり前である。社長の期待するセールスマンなど、会社の中にいるわけがない。

もしいるとしたら直ちに大抜擢して専務にでもすべきである。さもないと、

早晩会社をとび出して独立し、わが社に弓を引くことになるからである。

社長は、まずセールスマンに過大な期待と重責をかけることをやめなけれ

ばならない。販売はセールスマンの能力と努力ではなく、自らの販売戦略に

よるものだと思うべきである。これは、セールスマンなどどうでもいいとい

う意味ではない。それどころか、セールスマンの能力と努力は販売成果を大

きく左右する。私のいいたいのは、セールスマンの能力と努力だけに期待して、

自らは販売努力を放棄しているのは誤った態度だ、ということである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より

セールスマンの適格者は、

頭の回転が遅く、社交性に欠け、

口が重いことである。

世に有能なセールスマンのイメージというものがある。それは、頭の回

転がよくて社交性に長け、弁舌がさわやかであること、というところが相

場である。

ところが、現実は全然逆で、右のようなセールスマンは最も不適格である。

こうしたセールスマンは個々の商談には強いかもしれない。しかしそれは、

かえってお客様に「してやられた。今度から気をつけよう」というような

警戒心を起こさせるような危険がある。だから「押し込み販売」には向く

かもしれない。しかし「押し込み販売」は販売の邪道である。

セールスマンの適格者は、頭の回転が遅く、社交性に欠け、口が重いこ

とである。そして真面目で根気強い人間である。・‥ 「陰ひなたなく根気強く」

こそ、セールスマンに要求される最も大切なものである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より

セールスマンの報告だけ聞いても、

外部の様子は分からない。

社長が私に語ってくれたのは、次のようなことだった。

「セールスマンの案内でお得意先を回ったが、訪問するところは三流店と

思われるようなところばかりである。次に訪問するところは、立派だろうと

期待していたが、それは全部外れてしまった。車を走らせていると、向こう

に立派なスーパーが見える。そこへ寄るだろうと思っていると素通りである。

次にまた大型店が見えて来たので、今度こそと思っていると、そこへも寄ら

ない。まさか、うちの得意先が、あんな小さなところばかりとは、夢にも思

っていなかった。本当にガッカリした」というのであった。

社長とは、かくも世間知らずである。会社の中にジッと座っていて、セー

ルスマンの報告だけ聞いていても、外部の様子は分からないのである。まさ

に「百間は一見にしかず」なのである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より


営業日報は、外部情報に限定せよ。

たくさんの会社で、営業日報を提出させている。しかし、それらの大部分

は営業日報ではなくて、セールスマンの「行動日報」である。 一日の時間割

があり、何時から何時にどこの会社に行き、誰に会い、どんな用件であった、

というようなことを、細かく報告させている。いったいこんなことを報告さ

せて何になるのだろうか。‥・営業日報は外部情報に限定するのである。こ

れは、セールスマンにとっては、自らの行動ではないので嘘を書く必要はない。

外部情報とは、顧客に関することと、競合会社に関することである。顧客

の要求、小売店舗の場合には売場占有率、欠品補充状況などが必要である。

忘れてならないのはクレームである。競合会社の情報としては、新商品の

蛇口作戦、セールスマンの蛇口訪問回数と、社長、営業部長などの偉い人の

訪間の有無― ―がその中心になるのである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より

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