コミュニケーションとは コミュニケーションとは、自分以外の 2人以上の人間同士が、意思や感情、思考を相手に正しく伝え、相手から間違いなく受け取り、共有することをいいます。
現代社会では、コミュニケーションというと広い意味で使われますが、社会人としてめざすコミュニケーションは、聴き手と話し手が相互にその役割(聴くと話す)を交替しながら進めていくものです。
この相互の伝達があってこそ、コミュニケーションといえるわけで、ワンウェイ(一方通行)にならないように、ツーウェイ(双方向)を意識しましょう。
ビジネス社会におけるコミュニケーションのスキルは、人間関係や仕事の成果にも結びつくものです。
コミュニケーション力を高める ◎コミュニケーションの目的 コミュニケーションは、次のような目的で行ないます。
◆情報を伝達して共有化する。
◆対人関係をよくする。
◆協力を求める。
コミュニケーションをとることで、おのずと忠告や助言をもらえるようになる。
◆会話を楽しむ。
気持ちのよい商談ができたときは、双方が満足感を得られる。
◎コミュニケーションの手段 コミュニケーションは、言葉で情報・感情・意見を伝えるバーバルコミュニケーションだけではなくて、身振り・手振り、しぐさ、態度、表情といったノンバーバルコミュニケーションも加味されます。
つまり、コミュニケーションの手段には、言語と非言語の2つがあり、双方が一致しバランスよくできたときに、コミュニケーション能力は一段と高くなります。
人間は集中しないと言語と非言語のバランスが崩れるケースがあることを知っておきましょう。
たとえば、上司に叱責を受けていたとします。
それに対して、言葉では「申し訳ございません」といい、反省しているつもりでも、頭の中で「私だけのせいじゃない」「なんで自分だけ怒られるのか」とチラッとでも思ったなら、その思いが表情や目線に出てしまいます。
社会人の話し方のポイント 職場における話し方のポイントは聴き手が「わかりやすい」ように話すことが基本です。
わかりやすく話す 話す内容を相手に理解してもらうために、次のことに気をつけて話すようにしましょう。
◆だれにでもわかる言葉で話す専門用語やむずかしい言葉・表現は避け、相手が理解できる言葉に言い換えます。
◆理解できるように話す話の筋道を考え、聴く側の身になって、論理的に話しましょう。
どのような言葉で、どのように話すと理解がえられるかを考え話すことが大切です。
◆最初にテーマを話す 「○ ○についてお話しします」と、最初に切り出します。
◆あいまいな表現をしない「たぶん……」「だいたい……」などの表現は避けましょう。
名前などの固有名詞や数字、時期は具体的に正確に話すようにします。
簡潔に話す 仕事の報告や説明は、ダラダラとまとまらない話し方をするとタイムロスになります。
限られた時間の中で、自分が伝えたいことを簡潔に伝えましょう。
◆結論から話す「結論からお話ししますと……」と切り出し、経緯を伝えるようにします。
◆話す内容を箇条書きにして話す先に話の枠組みを相手に伝えます。
「報告事項が 3点あります。
1つ目が……、2つ目が……、3つ目は……です。
」など。
◆ワンセンテンスを短くする話を読点(、)で続けず、程よく句点(。
)で区切り、一文を約 40文字程度にしましょう。
明確な発音・発声で話す自分では話しているつもりでも、声が相手に届いていなければ、意味がありません。
声をはっきりだすようにしましょう。
◆口を大きく開けて、歯切れよく話す社会人としてよく使うあいさつや言い回しには、「おはようございます」「ありがとうございます」「お待たせしました」など、口を縦に開く「あ」「お」で始まる言葉が少なくありません。
口を上下に大きく開けて話しましょう。
◆声のトーンを高めに話す声の印象はトーンで決まります。
一本調子にならないように、声に表情を持たせて少し高めの声で話しましょう。
相手の反応をみながら話す 聴き手が理解をしているかどうか、反応を確認します。
聴き手を置き去りにしないように気を配りながら話しましょう。
◆相手の理解度を確かめながら話す話しの転換場面で、「ここまでは、おわかりいただけましたでしょうか」「ここまでで、何かおわかりになりにくいところはございませんでしょうか」と尋ねることで理解度を確認します。
◆反応を見る相手の表情や、うなずき、視線、態度から相手の理解度や関心度をつかみます。
その場に適した声の大きさで話す 声の大きさは、部屋の大きさ、聴き手の人数、話の内容によって調整します。
お祝いの場や、お悔やみの場など状況によっても変わります。
大きければいいというものでもありません。
聴きやすい速度で話す 話す速度は、速すぎても、ゆっくりすぎても聞きとりにくいものです。
早口の人の話は読点(、)で文を続けて話す傾向があり、「この話、いつまで続くのだろう」と相手を不安にします。
また、ゆっくり話す人の話し方は「一体、何がいいたいのだろう」と相手をイラつかせます。
1分間に 300文字ぐらいを目安に、上手に間をとりながら話すようにしましょう。
◎聞き取りやすい話のリズムとスピード 話すことは、社会人にとって必須のスキルです。
そのスキルに大きな影響を与えるのが、話すトーンやリズム、スピードです。
話すスピードを使い分ける 早口は一般にマイナスですが、最初に速く話しておくと、あとでゆっくり話すときに、その内容が生きてきます。
間を適度に取る 話の区切り区切りで間を取るのは、相手に想像する時間をつくってあげることがねらいです。
「続きを聴きたいなあ」「この企画は、弊社の課題に対応できるかな」と、その間にいろいろな想像を相手はします。
この間をとらないで、立て続けにアプローチしていくと、相手はイメージを膨らませられないままに次の行動を強いられ、圧迫されている印象を持ちます。
急がないこと。
ワンランクアップアドバイス話しベタ克服の3つのポイント 話し上手になる特効薬はありません。
ですが、繰り返し練習をすれば必ず上手になります。
次の3つのポイントを心がけ、話し上手を目指しましょう。
話し方や言葉に関心を持つアナウンサーや、感じの良い人の話し方に関心を持ち、その話し方を参考にします。
言葉を選ぶ同じことを伝えるにも言葉の選び方によって印象は大きく変わります。
好感を持たれ、効果的な言葉選びを心がけましょう。
訓練・実践をする。
学んだことを人前で実践しましょう。
話し方教室で学んだり、毎日の音読も良い訓練になります。
聴き方の基本 ◎3つの「きく」「きく」には、聞く、聴く、訊くの3つがあり、どれもがビジネスシーンに欠かせません。
[聞く] 電車の中での携帯電話の着信音など、聞こうと思わないでも勝手に耳に入ってくること。
[聴く] 自分から積極的に聴きたい、聴こうと思うこと。
「傾聴(アクティブ・リスニング)」ともいいます。
[訊く] 尋ねる、質問すること。
ビジネスで大事なことのひとつは、情報収集です。
そのためには、相手の要望は何なのかと、相手の話に積極的に耳を傾け(聴く)、時には、こちらから相手に確認していきます(訊く)。
また、日々の生活の中で、新しいトレンドや経済の動きなどをとらえることも大事です(聞く)。
このように、3つの「きく」を使い分けることで効果的な情報収集ができますが、中でも重視してほしいのが「聴く」です。
◎「聴く」メリット いろいろな情報が入ってきやすくなる。
相手の存在を認め、相手を理解することができる。
相手とよい人間関係を築いていくことができる。
ヒアリングができていないと、その後のビジネスにつながりません。
まずはしっかりと「聴く」ことです。
社会人の聴き方のポイント ビジネスシーンでは、姿勢、表情、うなずき、目線などの非言語コミュニケーションを活用して、聴いている態度を示しましょう。
相手が話しやすい態度を 聴くときの姿勢 耳だけでなく、目も、表情も含めて全身で傾聴します。
姿勢は前傾姿勢。
表情 困っている話には困った表情、楽しい話には楽しい表情というように、相手の感情に共感した表情をつくります(表情のミラーリング)。
一般的にはほほえみを浮かべていると、相手は安心してリラックスするといわれます。
距離 相手と適度な距離(パーソナルスペース)を保ちながら聴きます。
パーソナルスペースとは他人に近づかれると不快に感じる距離で、一般的に次の4つがあります。
これは人によって個人差はありますが、ビジネスでは 1・ 2 ~ 3・ 5メートルが適した距離だといわれており、会話が相手の耳に届き、双方が手を伸ばしたときに握手ができる距離です。
・密接距離…… 0 ~ 45センチ。
体に触れることが出来る距離。
家族や恋人がこの距離。
・個体距離…… 45 ~ 120センチ。
相手の表情がわかる距離。
仲の良い友人同士がこの距離。
・社会距離…… 1・ 2 ~ 3・ 5メートル。
容易に声が届き会話ができるビジネスの距離。
・公共距離……複数の相手が見渡せる距離。
1対複数の面接や講演などの距離。
座る位置 向かいあって(対面で)座るよりは、横並びで座るほうが、会話の量が 3倍に増え、さらに、直角に座ると 6倍になります。
目線・視線 目の高さは相手にあわせます。
目をキョロキョロ泳がせるのは、真剣に聴いてもらっていない印象、視線を引きずるのは、なめるように見られている印象を相手に与え、いずれも NGです。
基本はアイコンタクトですが、ずっと見続けると、相手は圧迫感を感じるため、視線ゾーン内で上手に目を運び、圧迫感をやわらげましょう( →「効果的な視線づかいのポイント」)。
話しやすい反応を ◆あいづち、うなずきタイミングのよいうなずき、あいづちは、会話の潤滑油です。
「あなたの話を聴いています」「理解しています」というメッセージを送り、相手も安心して話ができます。
◆くり返し相手が言った言葉の語尾をくり返していくことも、会話の促進剤。
話の腰を折らずに最後まで聞く 話は最後まで聞かないとわからないという前提で聞きましょう。
・相手が話している途中で「要するに(ひと言でいうと)、こういうことですよね」と、勝手に要約してしまわないこと・相手の話を途中でさえぎって話さない・途中まで聞いて、わかったつもりにならない 先入観を持たない モノの見方や考え方は様々。
価値観は人それぞれに異なります。
心を広く持って、新鮮な気持ちで興味を持って聞きましょう。
事前の情報や偏見に左右されないようにします。
◎会話の材料づくり 初対面からいきなり仕事の話では、互いにぎこちなく、気まずい雰囲気になることもあります。
そんなときは、最初に簡単な雑談で場を和ませることも必要です。
次に紹介するのは、会話がはずむ「話の材料」として、「きどにたちかけし衣食住」という言葉。
その場や状況にあったものを選び活用するとよいでしょう。
会食の席やタクシーでの移動中など、何気ない会話の材料に困ったときに役立ちます。
き……季節、気候 ど……道路事情 に……ニュース た……旅、旅行 ち……知人、友人 か……家族 け……健康 し……趣味 衣……ファッション 食……グルメ 住……住まい、インテリア ただし、気をつけたいのは政治や宗教などの話題。
意見がぶつかりやすい話題はさけましょう。
特定のスポーツチームの話もさけておくのが無難です。
効果的な視線づかいのポイント「目は口ほどにものをいう」というように、視線からはさまざまな意味を読み取ることができます。
相手から好感を持たれる視線づかいのポイントをおさえておきましょう。
視線ゾーンで相手を見る 会話をするときには、相手の目を見ることが基本です。
しかし、目ばかりを見つめていると、威圧感を与えてしまうことがあります。
上手に視線を外すことが、相手に圧迫感や疲れを感じさせないポイントです。
相手に向ける視線は、両目と口をつないだ逆三角形の視線ゾーン内でおさめます。
視線を引きずらない 視線を動かすときは、うなずきやあいづちをはさむことが大事です。
まばたきをせずに目だけを動かすと、見られた側は“なめるように見られた”という印象になります。
動揺しているようにキョロキョロと動く目線は、相手に不安を感じさせてしまいます。
目を泳がせるような視線づかいにも注意しましょう。
アイコンタクトをとる 商談がもうひと押しで決まるというところでは、相手と視線をあわせて、意思疎通をはかります。
重要なポイントで視線をあわせることで、効果的なアイコンタクトができます。
◎表情のミラーリングでお客さまに共感する 相手の反応にあわせた表情をすることを、「ミラーリング」といい、表情や話の内容から、相手の感情を判断し、共感を示すテクニックです。
たとえば、相談にのるときや意見をいただくときには、笑顔よりも“真剣に耳を傾けている”と伝わる表情が大切です。
また、相手が困った表情で話をしているときには、「さようでございますか、それはお困りですね……」というように、案じる表情で応対します。
気持ちに寄り添う表情をすることで、相手は話を聴いてもらっているという安心感や信頼感を感じます。
コミュニケーションのまとめ ●仕事中は「簡潔に」「明瞭な声で」「わかりやすく」を意識して話そう ●話すスピード、声の大きさ、間など、自分の話し方のクセは意外とある ●相手の要望や有益な情報などを「聴く」ことで、ビジネスは円滑に進む ●姿勢、表情、うなずき、目線などの非言語コミュニケーションを活用しよう
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