部下と信頼関係を築く まずは部下に興味を持つこと コミュニケーションは自己開示から 部下をとことん信頼する 周囲から情報を収集する 聞き役に徹し「間」で見抜く 部下の心理状態を服装や身なりの変化で見抜く 部下のストレス発散方法で見抜く 部下の不正を見抜く 刑事の雑談 「ヤクザ担当刑事は、なぜ風貌が似ているのか?」 詐欺師は信頼関係を築くプロ
近年、働く職場はかつてないほど「人に関する問題」が大きくなっています。 新入社員が数年で辞めてしまう離職問題、少子高齢化による人手不足の問題、鬱などの心の病によるドロップアウト問題など……。 長期にわたって会社で戦力になっている貴重な人材にあっさり辞められたり、苦労して採用した新卒社員やアルバイトが僅かな期間で辞めてしまったりしたら、会社は大打撃です。場合によっては、業務がストップすることもあるでしょうし、職場の士気が著しく低下することもあるでしょう。 また、採用やそれまでにかけた教育費用は、すべて無駄になります。金銭で換算すると数百万円規模になることもあります。 職場を辞める理由は人それぞれです。中でも特に多い理由が、「職場の人間関係」と言われています。 しかし、「あの課長とは馬が合わないから転職したい」「精神的に辛い。そろそろ退職したい」「職場の雰囲気が悪くていい仕事ができない」など、こんな部下の悩みに早く気づけたら離職率も下がる可能性があります。 上司はただ売上の管理だけをしていればいいわけではありません。日々、部下の顔色、言動にも興味を持ち、コミュニケーションをとることが重要になります。上司と部下のコミュニケーションが活発になれば職場が活性化します。 まずは上司が部下の心理を知り、部下を上手にコントロールすることが大事なのです。 まずは部下に興味を持つこと 私が前職で所属した広域緊急援助隊(機動隊)には、 50名の部下がいました。 この部隊は 30歳前後の若い隊員が多く、みんな血気盛んでしたが、若い隊員に囲まれ、私自身も気持ち的に若くいることができました。また、和気あいあいと楽しく勤務させてもらったことを今でも感謝しています。 この部隊に在隊中の 2011年3月 11日、東日本大震災が発災しました。我々の部隊は震災当日から福島県に派遣されて、救出活動に従事しました。 さて、大災害時の派遣は精神的・肉体的な負担も大きく、過酷な任務です。幹部と部下の意思疎通がなされていることが部隊の運営において重要となります。指揮官が右と言えば右へ、左と言えば左へ、そんな統率力が部隊には必要なのです。 しかし、もし指揮官の指示に隊員が疑問を持っていたら、どうでしょうか。当然、動きはぎこちなくなります。信頼関係があってこそ指示に従うからです。 そのため、私は日頃から自分を知ってもらうのはもちろん、部下を知ることに努めていました。 部下を知るには、日頃から「部下に興味を持つ」ことが大事です。 人間は自分の興味のないことは、たとえそれが目の前にあっても素通りしてしまいます。見えているようで見えていないのです。 人にとって興味を持たれないほど悲しいことはありません。ですから「あなたに注目しているよ」「あなたを見ているよ」そういったサインを積極的に出しましょう。 そうすることで、自然と部下の情報が集まり、記憶にも残り、良好なコミュニケーションが形成されていきます。 ですから、私は分隊長や小隊長という中間幹部にも、末端の隊員の情報についてマメに報告させていました。 「A隊員の父親が入院したらしいです」、そんな情報が入ってきたら、「お父さん、入院したんだって? 具合はどうなんだい?」と A隊員にすぐに声をかけます。 このような一つひとつの積み重ねによって、部下との信頼関係が築かれます。自分に興味を持ってくれている上司に不快感を持つ部下はいないものです。 コミュニケーションは自己開示から 上司は日頃から部下とコミュニケーションをとることが大事です。どうやって良好なコミュニケーションをとるか、その一つが「自己開示」です。 部下の立場からすると、上司と一緒になっただけでも緊張して、何を話したらいいかわからなくなる人もいます。そんなときに私は、自分から話しかけて自己開示をしていました。「昨日さ、今流行っている ○ ○って映画を見てきたんだけどおもしろかったよ。 ○ ○君は映画とか見たりするの?」「あ、私も見ました!」なんて話が始まるわけです。 こちらから自己開示しなければ、部下が心を開くことはありません。 これは犯罪者の取調べも同じです。 取調官が自己開示して自分のことを話せば、徐々に相手は心を開き、本当のことを話してくれるようになるのです。「こんな刑事に話してたまるか」と思われたら、絶対に話してくれません。取調べではまず信頼関係を作ること、それが話を引き出すための大前提です。 あなたのまわりにも、イマイチ何を考えているかわからない人がいると思います。 そんな方はたいてい自分のことを話しません。つまり自己開示をしないから、何を考えているかわからないのです。その結果、近寄りがたく、話しかけづらい雰囲気を作り出すことになります。 自分を知ってもらえていないというのは、長い目で見たら本当に損です。相手から誤解されて見られているわけですから。 だからこそ、自分からどんどん自己開示して「私はこんなやつです」と訴えた方がいいのです。
近年、働く職場はかつてないほど「人に関する問題」が大きくなっています。 新入社員が数年で辞めてしまう離職問題、少子高齢化による人手不足の問題、鬱などの心の病によるドロップアウト問題など……。 長期にわたって会社で戦力になっている貴重な人材にあっさり辞められたり、苦労して採用した新卒社員やアルバイトが僅かな期間で辞めてしまったりしたら、会社は大打撃です。場合によっては、業務がストップすることもあるでしょうし、職場の士気が著しく低下することもあるでしょう。 また、採用やそれまでにかけた教育費用は、すべて無駄になります。金銭で換算すると数百万円規模になることもあります。 職場を辞める理由は人それぞれです。中でも特に多い理由が、「職場の人間関係」と言われています。 しかし、「あの課長とは馬が合わないから転職したい」「精神的に辛い。そろそろ退職したい」「職場の雰囲気が悪くていい仕事ができない」など、こんな部下の悩みに早く気づけたら離職率も下がる可能性があります。 上司はただ売上の管理だけをしていればいいわけではありません。日々、部下の顔色、言動にも興味を持ち、コミュニケーションをとることが重要になります。上司と部下のコミュニケーションが活発になれば職場が活性化します。 まずは上司が部下の心理を知り、部下を上手にコントロールすることが大事なのです。 まずは部下に興味を持つこと 私が前職で所属した広域緊急援助隊(機動隊)には、 50名の部下がいました。 この部隊は 30歳前後の若い隊員が多く、みんな血気盛んでしたが、若い隊員に囲まれ、私自身も気持ち的に若くいることができました。また、和気あいあいと楽しく勤務させてもらったことを今でも感謝しています。 この部隊に在隊中の 2011年3月 11日、東日本大震災が発災しました。我々の部隊は震災当日から福島県に派遣されて、救出活動に従事しました。 さて、大災害時の派遣は精神的・肉体的な負担も大きく、過酷な任務です。幹部と部下の意思疎通がなされていることが部隊の運営において重要となります。指揮官が右と言えば右へ、左と言えば左へ、そんな統率力が部隊には必要なのです。 しかし、もし指揮官の指示に隊員が疑問を持っていたら、どうでしょうか。当然、動きはぎこちなくなります。信頼関係があってこそ指示に従うからです。 そのため、私は日頃から自分を知ってもらうのはもちろん、部下を知ることに努めていました。 部下を知るには、日頃から「部下に興味を持つ」ことが大事です。 人間は自分の興味のないことは、たとえそれが目の前にあっても素通りしてしまいます。見えているようで見えていないのです。 人にとって興味を持たれないほど悲しいことはありません。ですから「あなたに注目しているよ」「あなたを見ているよ」そういったサインを積極的に出しましょう。 そうすることで、自然と部下の情報が集まり、記憶にも残り、良好なコミュニケーションが形成されていきます。 ですから、私は分隊長や小隊長という中間幹部にも、末端の隊員の情報についてマメに報告させていました。 「A隊員の父親が入院したらしいです」、そんな情報が入ってきたら、「お父さん、入院したんだって? 具合はどうなんだい?」と A隊員にすぐに声をかけます。 このような一つひとつの積み重ねによって、部下との信頼関係が築かれます。自分に興味を持ってくれている上司に不快感を持つ部下はいないものです。 コミュニケーションは自己開示から 上司は日頃から部下とコミュニケーションをとることが大事です。どうやって良好なコミュニケーションをとるか、その一つが「自己開示」です。 部下の立場からすると、上司と一緒になっただけでも緊張して、何を話したらいいかわからなくなる人もいます。そんなときに私は、自分から話しかけて自己開示をしていました。「昨日さ、今流行っている ○ ○って映画を見てきたんだけどおもしろかったよ。 ○ ○君は映画とか見たりするの?」「あ、私も見ました!」なんて話が始まるわけです。 こちらから自己開示しなければ、部下が心を開くことはありません。 これは犯罪者の取調べも同じです。 取調官が自己開示して自分のことを話せば、徐々に相手は心を開き、本当のことを話してくれるようになるのです。「こんな刑事に話してたまるか」と思われたら、絶対に話してくれません。取調べではまず信頼関係を作ること、それが話を引き出すための大前提です。 あなたのまわりにも、イマイチ何を考えているかわからない人がいると思います。 そんな方はたいてい自分のことを話しません。つまり自己開示をしないから、何を考えているかわからないのです。その結果、近寄りがたく、話しかけづらい雰囲気を作り出すことになります。 自分を知ってもらえていないというのは、長い目で見たら本当に損です。相手から誤解されて見られているわけですから。 だからこそ、自分からどんどん自己開示して「私はこんなやつです」と訴えた方がいいのです。
ところで、自己開示の最たるものは何だと思いますか。 それは「失敗談」です。 昔の私の上司で、ぱりっとしたスーツに身を固めていて、いかにも仕事ができそうな雰囲気でとっつきにくそうな上司がいました。その人柄をよく知らないときは、「あんな上司は苦手だな!」と勝手に思っていたのです。 ところが仕事を一緒にする機会が増え、いろいろと雑談をするようになると、その考えは一変しました。 その上司は、自分の日頃の失敗談をおもしろおかしく話してくれるのです。聞いていて大笑いしてしまいました。「この人、おもしろい人だな!」と印象がガラッと変わったのです。「こんな格好いい上司でも失敗はするんだな」と親しみが湧き、それを恥ずかしがらずにさらっと話す人柄に惹かれてしまったんですね。 人間を惹きつけるのは成功談ではなく、間違いなく失敗談です。それを上手に自己開示して話すと、部下は上司に心を開いてくれるようになるでしょう。 もちろん失敗ばかりしている上司は問題外ですが。 部下をとことん信頼する 部下は上司に信頼されているからこそ、いい仕事をしようと思うのではないでしょうか。 刑事時代、事件捜査で犯人の取調べを行うことがたくさんありました。特に大きな事件になると取調べすべき関係者も多いので、取調官も複数人が配置されます。 事件着手前に刑事が集められて事件の説明を受けますが、その際、任務一覧表が配られます。それを見ると、取調班、聞き込み班、裏づけ班などと任務が分かれ、自分がどの班で何をするかがわかります。 主役は当然取調班ですが、誰の取調べを担当するかで、現場指揮官の期待度がわかりました。「主犯格の Aにはベテランの ○係長、共犯の Bに私をあてたということは……」という感じです。当然ですが、事件のキーマンには取調べ技術の優れた刑事をあてます。そこで指揮官の取調官に対する信頼度がわかるのです。 取調べを担当していると、なかなか落ちない犯人にあたることもあります。 連日、取調べが続き、取調官もかなり精神的にはきつくなります。まして共犯者が認めているのに、自分の被疑者だけが落ちないとなると、「どうしたら認めてくれるのか」と、寝ても覚めてもそのことばかり頭に浮かぶようになるのです。 逆に事件の指揮官からすると、「いつになったら認めさせることができるのか」とイライラします。 特に殺人事件などで容疑者の供述がないと事件解決が厳しい場合は、なんとしても落として欲しいと思うわけです。あまりにも落ちないと「取調官の交代」も頭をよぎりますが、そこは部下への信頼です。 取調官にとって、取調官を変更させられるほどプライドを傷つけられることはありません。おまけに交代した取調官がいとも簡単に落としてしまったら、それこそ面目丸潰れです。 中には取調べしている取調室に事件の指揮官が入ってきて、自分で取調べを始めてしまうことがあります。取調べに自信のある指揮官がやりがちで、「俺が落としてやる」くらいの勢いで入ってくるわけです。 これは部下を信用していないことの表れです。私が指揮官のときには絶対にしませんでした。上司が落としたら、取調官の立場がないからです。 取調室での主役はあくまでも取調官です。ですから「結果はどうであれ、責任は俺がとる。だからお前に任せたぞ」という態度で臨みます。 部下をとことん信頼することで、部下との信頼関係を作っていくのです。
部下のまわりには同僚、上司がいます。また取引先の担当者もいます。 良好な関係を築くためには、日頃から、このような部下の周囲からも情報を収集することも必要です。そこには、自分の前にいるときとは違う部下の姿があるからです。同僚に対する姿、取引先に対する姿、他の上司に対する姿もあるでしょう。部下を知る上で、周囲からの情報収集は欠かせません。 これはもちろん、部下と良好なコミュニケーションをとるためです。「あれ、こないだ隣の課長から聞いたけど、一緒にマラソン大会に出るんだってね」「あ、課長、情報早いですね。実は……」などと話も膨らみます。 つまり、日頃から部下とのコミュニケーションのネタを集めておけということです。しかし、これは部下に興味を持たないと、アンテナにひっかかりません。 まずは部下に興味を持ってください。そしてその小耳に挟んだネタは部下に会ったときにひと声かけるネタとして使うと効果的です。 社長や上司からひと声かけられたら「あなたに興味を持っていますよ」というメッセージにもなり、部下は嬉しいものです。 上司に過度な興味を持たれてもウザがられるだけですが、みんなが知っている情報を知られてもそれほど嫌がる人はいないでしょう。 しかし、周囲にアンテナを張っているといい情報だけでなく、悪い情報も入ることがあります。 悪い情報には、「対応が悪いというクレーム的な話」から、「集金を横領しているといった不正の話」まであります。クレームは指導するきっかけにもなりますし、不正であれば早い段階で察知することで、被害を最小限にすることもできます。 特に不正は、同僚や取引先との何気ない会話の中で判明することも多く、情報収集は決して無駄にならないと思います。
部下とコミュニケーションを図るときは、なるべく部下に話をさせて聞き役に回ってください。自分だけがベラベラ話しても部下の考えはわかりません。そこで、聞き役に徹して、部下の持っている情報をうまく引き出すのです。 聞き役に徹する上で注目すべきは、会話の「間」です。「間」にはいろんな思惑が見え隠れします。「社長に言うべき? いや言わないほうがいいかな?」なんていう、部下の迷いも間に表れます。 間に注目していると、部下の心理がわかるのです。「ここはたぶん言いたくない、と思っているからできる間だな」と感じたら、私は黙って、相手が話し出すのを待つようにしています。 どうしても相手が話さない場合には、「何? 何? 遠慮しないで言ってくださいね」と答えを引き出します。そうすると「あ、実は……」と話し始めてくれることがあります。 話している最中に間がないのは要注意です。 ウソをついている場合、偽のストーリーを早く伝えようという意識が働きます。その結果、早口になったり、機関銃のように話し続けたりすることがあります。 このようなときは、あえて口を挟んで間を作ります。すると、話のトーンが変わったり、以前の報告と辻褄が合わないことがわかったりします。 そして間があるときは、顔の表情や仕草にも気をつけて見ます。 黙った瞬間に顔がこわばったり、引きつったりというのは、何かを隠している可能性が高いです。あるいは何かを言おうと考えているのかもしれません。 その他、自律神経信号が出ていないか、顔を触ることはないか、体が正対して話しているか、などの仕草にも注目してください。
「目は心の窓」と言いますが、服装や身なりも心の窓だと思います。そのときの精神状態は服装や身なりにも表れるからです。 以前は、まったく身なりを構わなかった部下の男性警察官が、突然おしゃれになったことがありました。私はすかさず聞きました。「彼女できたよね?」と。「え、なんでわかるんですか?」と彼は驚いていましたが、普段から部下の変化に気をつけていたらわかるものです。 女性の中には、顔色や肌に出る方がいます。 ストレスがたまると、いつもより化粧のノリが悪いように見えることがあります。ストレスは見えるところに出るものです。 これも、普段との違いを感じるかどうかです。日頃から何気ない観察が大事になります。 逆に、普段は身なりがきちんとしていたスタッフが、髪も整えず、スーツもよれよれで出社するようになったら要注意です。もしかすると、心の病かもしれません。 その原因が仕事にあるのか、家庭にあるのか、もちろん立ち入れない部分はありますが、原因を把握する必要があります。 昔の同僚で、心の病を抱えている人がいました。普段はきちっとスーツを着ていたのですが、あるときから髪はボサボサでスーツもよれよれで来るようになったのです。 目もうつろで、元気もなくなってきているように感じたので、病院へ行ってもらうと、うつ病ということがわかりました。 ちょっと気になる部下がいたら、二人きりのランチに誘い、「ちょっと最近疲れてない? 何かあるなら遠慮なく話してね」、そう声をかけたらどうでしょう。それがきっかけで職場の人間関係の悩みなどを話してくれるかもしれません。
上司として、部下が健全なストレス発散方法を持っているかどうかを知っておくことは、重要です。 実は犯罪者が発するセリフに「むしゃくしゃして……」というのがあります。放火や万引き、あるいは性犯罪でもストレスが原因で引き起こすことがあります。 放火魔は、火を見たくて火をつけるわけではありません。放火魔は日常生活でストレスがたまると、そのストレスを解消するために火をつけます。 赤い火が上り、周囲は大騒ぎになって、消防車や警察が集結します。その騒ぎが刺激になり、ストレスが一時的に緩和され、また日常生活に戻っていくのです。 また万引き犯も、どうしてもその商品が欲しくて盗むわけではありません。現金を持ち合わせていたりします。 独居老人が一人でさみしさのあまり、かまってもらいたくて万引きをする場合もあります。いずれもストレスが原因です。 さらに性犯罪についてはムラムラして犯行を起こすこともありますが、ストレスが原因になっているケースもあります。 性犯罪の加害者研究の第一人者である大阪大学の藤岡淳子名誉教授は、性犯罪には「ストレスの悪循環」と「犯行のサイクル」があると言っています。 日常生活で失敗が重なったり、上司に怒られたりするとストレスがたまります。このストレスを最初は、性的動画を見てマスターベーションして解消しています。これが「ストレスの悪循環」です。 要はスポーツなどの健全なストレス発散方法がなく、性的な事柄でストレスを解消していることが悪循環なのです。ちなみにこのサイクルに収まっているかぎりは、犯行に至ることはありません。 ところが、それでストレスを発散させることができなくなると、外に目が向き始めます。「女性を襲う」ということを考え始めるのです。これが「犯行のサイクル」です。 そしてある日、実行に移し、成功すると新たな快感を得ることになり、そこでストレスが解消されます。日常生活のストレスを解消するために女性を襲うということが、最悪のストレス解消法となり、連続犯行に及ぶのです。 こうなると自分では止められません。なぜかというと、代替のストレス発散方法がないからです。代わりの発散方法が見つからないと永遠に続く危険性もあります。 ですから、健全なストレス発散法を持たせるということも必要なのです。 大きな会社でたくさんの部下がいればいるほど、このような問題も生じてきます。日頃から部下とコミュニケーションをとり、ストレスの発散方法を聞いておく。 もし健全なストレス発散方法がなければ、何か別の方法でそのストレスを発散しているはずです。 従って、会社としても福利厚生面で健全な趣味作りに協力することが必要なのです。
「社員の不正」が疑われた場合、企業の人事担当者は、内容を調査して処分を下さなければいけません。当然ですが、最終的には当該社員から事情聴取をする必要が出てきます。 ところが、すぐに不正を認めてくれたら問題はないのですが、否認された場合は因ってしまいます。やったのか、やっていないのか、黒なのか白なのかがわからなくなってしまいます。 そもそも犯罪捜査の経験のない人事担当者に、それをやれというのも無理があります。 社員の不正が発覚してしまったときの対処方法はどうするべきか。ここでは社員による集金先での売上金の着服、つまり横領の不正を例にして話を進めます。 まずは実態解明の責任者を決めることです。 これは、対象社員の直属の上司がいいでしょう。責任者とだけ連絡を取り合い、なるべく周りの社員に気づかれないように調査を進めていきます。 対象社員には、こちらがこの事実を認知していることが気づかれてはいけません。 なぜかというと、対象社員に証拠隠滅や言い訳の理論武装の時間を与えてはならないからです。せっかく尻尾を摑めそうなのに、ひっこめられたら、動きが止められてしまいます。 よくあるのは、対象社員の同僚などに確認したら、周りから本人に伝わってしまうケースです。 次に証拠収集です。 責任者を通じて、どんな証拠でもいいので集めてください。 横領の事実であれば、発注伝票、請求書、領収書などの書類、それから実態を知っている社員がいれば内密に事情聴取をします。人証、物証を収集していくのです。 証拠が出揃った段階で関係者と打ち合わせをして、どこまで本人を追及できるかを検討します。そして追及した結果をどこまで認めさせるのか、認めた結果をどうするのかも大まかでいいので決めておきます。 この場合は違法行為の横領罪ですので、顧問弁護士にも相談しておくことが大事です。 最終的には本人を呼び出して確認します。 業務の打ち合わせなどを理由に会議室などの個室へ呼び出すといいでしょう。相手に察知されないことが重要です。これも、事前に察知されると言い訳などの理論武装をされるので、いきなりのほうがいいと思います。 そして対象社員に対し「あなたの仕事の関係で聞きたいことがあります。会社では売上金の管理を徹底しているのはご承知だと思いますが……」と切り出します。 これは「何を聞かれるのか」を気づかせる会話です。ここで初めて対象社員は身構えることになります。 そこでタイミングを見計らいながら、会話の中で「可能性質問」をします。「あなたが集金に関して不正をしているのではと、取引先の関係者から情報が入る可能性はありますか?」 もし彼が犯人であれば、この質問に反応できません。予期せずに、いきなり核心に迫ったことを聞かれると、人は答えられなくなるのです。「会社はどんな情報を握っているのか」「なぜ気づかれたのか」「どうやってこの場を取り繕うか」ということにばかり意識がいきます。つまり頭が真っ白になるのです。ですから、しばらく反応がありません。 したがって「相手が固まって反応がない、反応が遅れる」場合には、黒に近いと考えていいでしょう。そして最終的には、「そんな可能性はないはずです」などと答えます。 本当に何の可能性もない人は、考える間もなく「そんな可能性はないです。だってやっていませんから」という反応になります。 ただ注意して欲しいのは、すべてのケースでこのような反応になるとは限らないということです。 たとえば、当該社員が事情を聞かれることをすでに察知しており、徹底的に理論武装している場合には、すぐに回答してきます。 また、「バレたらバレたで仕方ない」と開き直られると、これもやっかいです。ウソのサインは「良心があり、罪悪感がある人」のほうが強く表れるからです。 徹底して証拠を潰していて「絶対にバレないという自信がある者」や「どうなってもいいと開き直っている者」には、効果が薄い方法であることもつけ加えておきます。
「先日、暴力団担当の刑事さんが、ある事件のことで聞きたいと会社にこられたんです。失礼ながら一瞬本物のヤクザがきたのかと思ってびっくりしました。見た目はどっちがヤクザかわかりませんね」と、知人の社長さんが話してくれました。 よく聞く話ですが、暴力団担当刑事は対象の暴力団員によく似ています。 なぜ似ているのでしょうか。 それはある意味「ヤクザが好きだから」です。 だいたいヤクザが嫌いな人は、ヤクザ担当の刑事にはなりません。 刑事も自分の好き嫌いである程度は仕事を選ぶことができるので、「暴力団担当をやりたい」という者が選ばれるのです。 そんな私も現職時代には、暴力団担当の暴力団対策課の刑事と合同捜査班で仕事をしたことがあります。これは暴力団が絡む知能犯事件でした。 一緒に仕事をしているとよくわかりますが、まったくもって彼らはヤクザのようです。格好、風貌、話し方がそっくりです。 彼らは相手が相手だけに、スーツやネクタイが普通のサラリーマン風ではなめられてしまいます。だから、相手を威嚇する上でも似たようなファッションになるのも仕方ないんですね。 しかし、なんだかんだ言っても警察官ですから、正義感は強く、義理人情に熱い刑事が多いのは確かです。仕事の話になると熱く語るのも、暴力団担当刑事です。 警察署に行く機会がありましたら、ヤクザのような風貌の刑事にぜひ、注目してみてください。
詐欺を働く輩は、人間心理を読むプロです。 そもそも詐欺は、相手に信用してもらって、お金を自発的に出させる必要があります。強制力でお金を出させる強盗とは違います。ですから、詐欺師は人の心理を読んで、その気にさせるにはどうしたらいいかを常に考えて行動しています。 詐欺師がまずやることは、「相手の信頼を得ること」です。信頼してもらえないと、お金は出してもらえないからです。 独居老人のおばあちゃん宅に訪問し、まずは話を聞いてあげます。次は「お菓子を買ってきたから」と居間に上がり込みます。ひとり暮らしの相談に乗ったり、優しく接して信用をしっかり摑みます。そしてある日、「実はこんないい商品があるんだけどね」と高価な商品を勧めるのです。 詐欺師とデキる営業マンは紙一重です。 両者は非常によく似ています。信頼関係を築くプロだからです。 見ず知らずの人が優しく言い寄ってきたら、注意しなければいけません。「そうは言っても疑うばかりの世の中は寂しいよ。本当の善意かもしれないじゃない」、そう思うかもしれません。 確かにそうです。その境界線は「必要以上に接してくるかどうか」です。「見ず知らずの人がなぜここまで親切にしてくれるの?」、そう考えないといけません。相手には何か思惑があるから、あなたに時間を割くのです。「実は……」と切り出してきたら、「そういうことか」と我に返ってください。あるいは途中でその思惑を感じたら、釘を刺しておくことも大事です。「私は買わないからね」、それで離れていったらそれだけの話です。
コメント