同じゾーン同士は相性がいい「あの人とはまだ出会って間もないのに、なぜだかウマが合うな」「あの人とは長年一緒にやっているのに、どうもウマが合わない」こんなふうに相性の善し悪しを感じる場面は、日常的によくあることです。
相性は、「年齢が近い」「出身や趣味が同じ」といったことで決まるものでもありません。
年齢が離れていても相性がいいこともあるし、同い年でも相性がよくないケースはよくあります。
この相性の善し悪しについて、「なぜあの人とはウマが合うのか」「なぜこの人とはウマが合わないのか」と、明確に答えを導き出してくれるのが、相貌心理学です。
相性を分析していくには、「拡張しているゾーン」を見ていきます。
器官・部位を見るだけではお互いの相性を把握することは難しいのですが、「思考ゾーン」「感情ゾーン」「活動ゾーン」の三つのくくりで見ていくと、「なぜウマが合うのか/合わないのか」が理解できるようになります。
三つのゾーンには、それぞれ相性があります。
それを理解しておくと、コミュニケーションがスムーズにいくようになります。
基本的に同じゾーン同士の相性は、とてもいいです。
「思考ゾーン」と「思考ゾーン」「感情ゾーン」と「感情ゾーン」「活動ゾーン」と「活動ゾーン」お互いに同じゾーンなら、それこそ「あ・うんの呼吸」でコミュニケーションができるし、ものごとの考え方や欲求が近いのでストレスもありません。
あなたがどのタイプであれ、気の合う人、仲のいい人はゾーンで分けてみると実は同じタイプが多いのではないかと思います。
もちろん二人は「同じゾーンだから、うまくいく」と知っていて、仲よくなったわけではないでしょう。
会って話すうちに「なんか気が合うね」「共通点が多いね」と気づくようになって、いつの間にか、仲よくなっていた……。
それは「思考」-「思考」なら知識の交換、「感情」-「感情」なら共感、「活動」-「活動」なら利用価値の交換と、お互いが相手の求めているものを提示・交換できるので、自然に関係がよくなり仲が深まったのだと言えます。
それでは、異なるゾーン同士だと相性がよくないのかというと、それもまた違います。
同じゾーン同士のようなスムーズな意思疎通はできないかもしれませんが、それでもよい関係を築くことはできます。
自分の短所を相手の長所で埋めてくれる。
反対に、相手の短所を自分の長所で埋めてあげる……。
異なるがゆえに、こうしたギブ・アンド・テイクが成立しやすくなるとも言えます。
それには、相貌心理学でお互いのゾーンによる違いを理解するのが一番です。
次からは異なるゾーンの相性について見ていきます。
思考ゾーンと感情ゾーンはすれ違いが多い思考ゾーンの人と感情ゾーンの人が一緒にいると、コミュニケーションはすれ違いや誤解が多くなりがちです。
それが高じると、イライラしたり、そもそも会話自体が成立しなくなったりします。
思考ゾーンの人は、理想主義。
想像力を駆使して抽象的な思考や表現をするのが得意です。
理屈っぽいので議論が白熱すると、論争になることもあります。
感情ゾーンの人は、共感能力がとても高く、自分の気持ちを大切にしながら、それを相手と分かち合おうとします。
相手を思いやるやさしさ、気遣いを欠かさない反面、感情が高揚すると話に脈絡がなくなって、思考ゾーンの人からすると「何の話をしているの?」となります。
思考ゾーンの人は、想像と理屈で考えて動く。
感情ゾーンの人は気持ちで感じて動く。
このように思考ゾーンと感情ゾーンとでは、明らかな違いがあります。
思考ゾーンの人から見れば、感情ゾーンの人は子どもっぽく、支離滅裂に映ります。
感情ゾーンの人からすれば、思考ゾーンの人は屁理屈の多い面倒な人に見えます。
たとえば、ともにひいきにしているプロ野球チームが勝った翌朝。
職場で開口一番、感情ゾーンの人が、同僚の思考ゾーンの人にこう話しかけたとします。
感情ゾーン「昨日もわがチームは勝ったね」思考ゾーン「勝つには勝ったけど、相手がエラーして自滅したからだね」感情ゾーン「それでも勝ちは勝ちだよ。
うれしくないの?」思考ゾーン「あんまり内容がよくないし、素直に喜べないね。
先発の若手ピッチャーAも五回もたなかったし。
プロなんだから、もっと頭を使って野球をやってほしいね」感情ゾーン「勝ったんだからいいじゃん」思考ゾーン「いや、もっと緻密にやらないと、長いシーズンを乗り切れないよ」感情ゾーン「そんなんじゃ、見てても面白くないよ」それでは、永遠にわかり合えないのかと言うと、そんなことはありません。
相手のゾーンを理解し、自分のゾーンを意識するだけでも、コミュニケーションは変わってきます。
自分が思考ゾーンの人は、理屈一辺倒ではなく、ときおり感情の発露を心がける。
たとえば、「うれしい」とか「悲しい」とか、それを少し口に出すだけでも感情ゾーンの人からすれば、人間味を感じ「この人は決して冷たい人ではないかもしれない」と、途端に見る目が変わります。
感情ゾーンは感情がすべて。
いい意味でシンプルなのです。
表現を変えるだけで共感が生まれるこんなふうにお互いに歩み寄ると、意見の一致や共感が生まれます。
感情ゾーン「昨日はわがチームも勝つには勝ったけど、相手がエラーして自滅したから、もっと緻密にやらないといけないね」思考ゾーン「そうだけど、勝ちは勝ちだよ。
確かにもっと選手一人ひとりがしっかりしないとね」感情ゾーン「やっぱり先手を取らないと、苦しいよね。
先発のピッチャーAは頑張ったけど、五回もたなかったし、もうちょっとコントロールがよくなればなぁ」思考ゾーン「でも、彼はいいよ。
将来は二ケタ勝てるんじゃないかな」感情ゾーン「そうだよね。
彼はいいよね」思考ゾーン「おっ、意見が一致したね」自分が感情ゾーンの人は、思いだけを前面に出すのではなく、まずは、ひと呼吸。
何が一番大切か、二番目は何か、結論は……と、自分が言いたいことをきちんと頭の中で整理して話すよう心がけるといいでしょう。
そうすると、思考ゾーンの人ほど理路整然としていなくても、相手は「なるほど、こういうことを言いたいのか」「この人もちゃんと考えているんだな」と理解を示すようになります。
思考ゾーンと活動ゾーンは最悪で最強の組み合わせ思考ゾーンの人と活動ゾーンの人の組み合わせ。
これは三つの組み合わせの中では、最もうまくいきません。
ところが、それがゆえに一番うまくいく組み合わせでもあります。
というのも、お互いにないものを補い合えるからです。
思考ゾーンの人は、理想主義。
自分が理想とするものをとことん追求していきます。
活動ゾーンの人は、現実主義。
理想よりも実現できることをとことん追求していきます。
思考ゾーンの人と活動ゾーンの人が一緒になれば、理想と現実のせめぎ合いが始まります。
一方は理想を重視し、もう一方は現実だけを見ている……。
見ている方向がバラバラなので、一つになりようがありません。
思考ゾーンの人から見れば、活動ゾーンの人は卑俗的で欲深く映ります。
活動ゾーンの人からすれば、思考ゾーンの人は想像世界の夢追い人でしかありません。
仕事帰りに会社近くの居酒屋で、同僚の二人が酒を酌み交わしています。
酔った勢いで、思考ゾーンの人が将来の夢を語り出します。
思考ゾーン「大きな声では言えないけど、俺、将来は独立するつもりなんだよね」活動ゾーン「へぇー、そうなんだ。
どんなことをやるの?」思考ゾーン「いや、まだ決めていない。
スティーブ・ジョブズみたいな起業家になりたいんだ」活動ゾーン「何をやるのか決めていないのか(苦笑)。
で、いつごろ独立するつもり?」思考ゾーン「うーん、早ければ五年後かな」活動ゾーン「そのために何かやっていることはあるの?お金はどうするの?」思考ゾーン「いや、何もやっていない。
そのために今、いろいろなところに顔を出して人脈を広げようと思っている。
とにかく俺は日本のスティーブ・ジョブズになる」活動ゾーン「…………。
もっと地に足をつけたほうがいいよ」相手にないものを補っていくこうして見ていくと、お互いに歩み寄るのが難しいように感じます。
しかし、ベクトルは正反対ですが、お互いにないものを持っているのも事実。
実はお互いの欠点を補い合える関係にあります。
思考ゾーンの人は、現実的思考や行動が不得手。
それを活動ゾーンの人が担当すれば、理想を実現する方法を獲得できます。
思考ゾーンの人からすれば、活動ゾーンの人は名補佐役。
「自分の理想を現実化してくれる頼もしい人」と、頼りにするようになります。
活動ゾーンの人は、抽象的思考が苦手。
現実のことは処理できても、理想像や未来像をイメージするのはラチがあきません。
思考ゾーンの人が想像力を駆使すれば、現実的な考えをユニークで個性的な思考に昇華することも可能です。
「発想力のある人の考えることは違う」と思考ゾーンの人に一目置くようになります。
こんなふうに歩み寄ると、実のある会話になります。
思考ゾーン「俺、将来は独立するつもりで、今、いろいろなところに顔を出して人脈を広げようとしているんだよね」活動ゾーン「そうなんだ。
起業に向けて準備しているんだね。
どんなことをやるの?」思考ゾーン「まだ決めていないんだけど、スティーブ・ジョブズみたいな起業家になりたいんだ」活動ゾーン「何をやるにしてもニッチな分野を狙ったほうがいいね。
それと税務とか財務とかは勉強していたほうがいいよ」思考ゾーン「そうだね。
その手の本を読んで勉強するよ」活動ゾーン「いつごろ独立するつもり?」思考ゾーン「うーん、早ければ五年後かな」活動ゾーン「五年は長いようで短いからね。
今から大まかでもスケジュールをつくったほうがいいよ」正反対のタイプは、何もしなければ、一体化することはありません。
ただし、お互いに補い合えると気づいたとき、最強のパートナーになることがあります。
感情ゾーンと活動ゾーンはお互いに関心がない感情ゾーンの人と活動ゾーンの人のコミュニケーションは平行線。
そのままでは交わり合うことも重なることもありません。
そもそも相手のことがよくわからない。
それゆえにかかわろうともしなくなっていきます。
感情ゾーンの人は、楽しいこと、うれしいこと、素敵なことを他者と共有するのが好き。
モノよりも思い出というタイプです。
活動ゾーンの人は、形に残るものが好き。
思い出よりモノというタイプ。
感情ゾーンの人から見れば、活動ゾーンの人は共感よりモノ優先で面白味のかけらもありません。
逆に、活動ゾーンの人にすれば、感情ゾーンの人は、気持ちばかりで形に残さず、何を考えているのかよくわからない不思議な存在です。
京都への出張が突然決まった活動ゾーンの同僚が、浮かない顔をしているので、感情ゾーンの人が盛り上げようと話しかけてきます。
感情ゾーン「京都に出張か。
うらやましいな」活動ゾーン「仕事だからね。
せいぜい帰りの新幹線でビールを飲みながらお弁当を食べるだけだよ」感情ゾーン「それならギリギリまで楽しんで、最終で帰ってくればいいんじゃないの?」活動ゾーン「翌日も仕事だから」感情ゾーン「そうだろうけど、せっかく行くのに、残念すぎるね」活動ゾーン「早く帰ってきてゆっくりしたいだけだよ」感情ゾーン「私ならお昼は穴場のお店に行って名物料理でも食べて、夜の京都を楽しんでから最終の新幹線に乗って帰って来るけどな」活動ゾーン「仕事で行くんだ。
旅行じゃないよ」こうして見ていくと、接点もありません。
同じ空間にいても、まったく口をきかないこともあるというのが、この組み合わせになるでしょうか。
しかし、ほかの相性の悪い組み合わせ同様、相手を理解し、自分のアプローチを少し相手に寄せてみれば、歩み寄ることは可能です。
接点を見つける努力をするたとえば、感情ゾーンの人がイベントに行った話を活動ゾーンの人にするのであれば、ただ「楽しかった、よかった」という感情的な話をするのではなく、「こんなグッズが売られていた」「こんな得なことがあった」と、モノやメリットに触れる角度から話題を振ってみると俄然興味を持つかもしれません。
活動ゾーンの人が感情ゾーンの人に話をする場合はアプローチをその逆にします。
お互いに接点がないから、関心を持たない。
ひとたび接点が見つかると、意気投合することもなくはない。
感情ゾーンの人と活動ゾーンの人は、そういう関係にあると言えます。
こんなふうに歩み寄ると、すれ違いも解消されます。
活動ゾーン「せっかく京都に出張で行くのに、日帰りか。
なんか楽しみはないかな?」感情ゾーン「それなら夜はライトアップのお寺に行って、最終の新幹線に乗って帰って来ればいいんじゃない?」活動ゾーン「翌日も仕事だから、早く帰りたいんだよね」感情ゾーン「そうだろうけど、せっかく行くんだから、足を延ばしてみれば。
そうそう、このライトアップのお寺の近くに穴場のお店があるよ」
活動ゾーン「そこはおいしいの?」感情ゾーン「うん、そこの名物料理はすごくおいしいよ。
サービスの小鉢がこれまた絶品。
京都に行くときは必ず寄ることにしている」活動ゾーン「時間的に間に合うかな?」感情ゾーン「そのお店から京都駅までタクシーで十五分くらいかな」活動ゾーン「それなら、なんとかなるかも。
仕事終わりの観光で、まさに一石二鳥だね」決して誤解をしていただきたくないのは、相貌心理学は相性の善し悪しだけを判断する学問ではないということ。
相手と自分を知り、その違いを理解したうえで、よりよいコミュニケーションに活かすためのものです。
ゾーンが違うと、なかなか相手のよさを認識できないものです。
それは、自分にはないものだからです。
自分にはない相手のよさをゾーンから理解し、少しずつでも取り入れると、相手との距離が縮まっていきます。
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