〈ステップ 1〉「小目標」は記録して達成度合いを振り返ろう人と比べて評価せず自分の目標を基準にする/目標をどれぐらい達成したか記録する目標が達成できなかったら 10日以内に立て直す/ペースを戻せなかったら理由を分析する〈ステップ 2〉「中目標」は次の戦略の指標にしよう達成度を可視化する〈ステップ 3〉現状分析をして改善点を明らかにしよう 1日の過ごし方をざっくり記録する/テストの結果を見直して分析を行う改善点を見つけてやり方を修正する Column 5 質問にお答えします 保護者の方向け Q& A
〈ステップ 1〉「小目標」は記録して達成度合いを振り返ろう人と比べて評価せず自分の目標を基準にする 勉強の結果を評価するときに、人と比べてどうだったかを基準に判断する人がいます。
どういうことかというと、「太郎君は満点を取ったのに自分は 40点しか取れていない」と悲しんだり、逆に「太郎君が 40点取ったテストで自分は 80点取れたぞ」と喜んだりする感じです。
普段の生活でも、商品を選ぶときなどは価格を比較して購入するので、比べること自体が悪いわけではありません。
仮想のライバルを設定しないと勉強のモチベーションが上がらない人もいるでしょうから、それは一人ひとりの考え方の違いだと思います。
ただ、人と比べることで、「自分はダメだ」とか「勉強ができない」とモチベーションを失ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか? そもそも人と競うことが嫌いな方もいらっしゃるかもしれません。
そういう方に一番伝えたいことは、結果が人と比べてどうだったのかは全く重要ではないということです。
本当に大事なことは「今の自分がこうなりたいという姿に近づいているか」という 1点だけです。
人は人、自分は自分です。
人と比べてどうだったのかということよりも、目標と比べて今の自分がどうなのか、自分を基準に評価しましょう。
目標をどれぐらい達成したか記録する 序章で、「小目標」と「中目標」を立てて、それが達成できるように計画を実行しようという話をしました。
ここで立てていた目標と比べて現在の自分がどうなのかを評価すると、勉強を何のためにするかという目的を達成しやすいです。
「小目標」や「中目標」で定めた目標日が来たら、実際どれぐらい達成できているか進捗状況を評価してみましょう。
これこそが、勉強の内容ややり方をより良くするための目安になります。
序章で、「小目標」は勉強のペースを保つための基準になるので、余裕をもって具体的に定めるという話をしました。
ここでは「 1日あたり古文の単語帳を 8ページ進めて、現代語にすぐ訳せるようにする」という目標を定めていたとしましょう。
これに対する進み具合を評価するために、どれぐらい達成できたかカレンダーや手帳などに毎日記録していくのです。
たとえば、 ●「古文単語 〇 10/ 8ページ」( ←目標達成できた 10ページの例) ●「古文単語 × 6/ 8ページ」( ←目標達成できなかった 6ページの例) このように簡単に書いておけば大丈夫です。
目標が達成できなかったら 10日以内に立て直す「小目標」は時間的に余裕をもって設定しているので、現実的に実行できる程度の目標になっているはずです。
なので、これは最低限絶対にこなさないといけないベースラインと言えるでしょう。
したがって、継続的に目標を達成し続けることが基本になります。
「〇」を毎日積み重ねられるように頑張って続けていきましょう。
しかし、体調が悪かったり、どうしても忙しかったりして勉強ができない日もあると思います。
そうすると、目標を達成できず「 ×」がつくこともあるかもしれません。
そういった日はどうすればいいのでしょうか? 有効な対策方法としては、目標が達成できなかった日から数えて 10日以内に遅れを取り戻せるよう計画を設定し直すことです。
なぜ 10日以内かというと、経験からしてそのくらいであれば遅れを取り戻せる場合が多いからです。
先ほどの「古文の単語帳を 1日 8ページ進める」という目標を立てていた人が、 12月 1日に風邪を引いてしまった場合を考えましょう。
1日 ~ 3日は体調が悪く、その 3日間は毎日 1ページしか勉強できなかったとします。
そうすると、 21ページ分が遅れてしまいますよね(本来進めるべき 8ページ-実際進められた 1ページ =残った 7ページ × 3日間)。
この場合、残りの 7日間で遅れた分の埋め合わせをすればいいでしょう。
埋め合わせをするには、 21ページ ÷ 7日間 = 3ページをプラスで進めていけば良さそうです。
ですので、その後の 7日間で平均して 11ページ分、すなわち目標の約 1・ 4倍毎日頑張れば 10日以内に遅れを取り戻せることになります。
こうすることで、「小目標」がペースメーカーとしてちゃんと機能するようになり、予定通り勉強を進めることができるでしょう。
ペースを戻せなかったら理由を分析する 10日以内に遅れを取り戻せない場合、現在の勉強法に改善の余地がある可能性が高いです。
すぐさま現状分析に移り、なぜ勉強がうまくいっていないのか、改善点を特定する作業に移りましょう。
現状分析からの流れについては、もう少し先で詳しく述べていきます。
まとめ ○「小目標」はペースメーカー。
達成できたか記録する ○「小目標」は達成し続けるのが前提 ○目標を達成できなかった場合、 10日以内に遅れを取り戻せばいい ○遅れを取り戻せない場合は現状分析に移る
〈ステップ 2〉「中目標」は次の戦略の指標にしよう達成度を可視化する「中目標」も「小目標」と全く同じように記録しましょう。
たとえば、「 2週間後の定期テスト、源氏物語の『桐壺・光源氏の誕生』の部分のテストで、 9割の点数を取る」という「中目標」があるとします。
この場合の記録のつけ方としては、 ●このテストで 91点を取った場合:「古文テスト ○ 91点/ 90点」 ●目標に及ばず 73点を取った場合:「古文テスト × 73点/ 90点」 と記録するイメージです。
「中目標」を達成できた場合、目標を達成した自分をほめてあげてそのままの調子で次の目標に向かって頑張りましょう。
目標が達成できなかった場合には、「小目標」を達成できなかった場合と全く同じで、現在の勉強法に改善の余地がある可能性が高いです。
すぐさま現状分析に移り、なぜ勉強がうまくいっていないのか、改善点を特定する作業に移りましょう。
次に、現状分析のやり方、改善点を見つける方法について話していきます。
まとめ ○「中目標」を達成できたか記録する ○目標を達成できなかった場合、現状分析に移る
〈ステップ 3〉現状分析をして改善点を明らかにしよう 1日の過ごし方をざっくり記録する 目標が達成できなかった場合、なぜ結果との差が生まれたのかを分析するために現状を把握して改善点を明らかにしましょう。
客観的に自分の現状を見つめて、まずは「何をどの程度の時間をかけてやった結果、どうなったのか」を明確にしていきます。
そのためにオススメなのが 1日の過ごし方をざっくり記録することです。
ノートでもメモ帳でも何でもいいので、あらかじめ「 7時、 8時、 9時……」と横に時間軸を書きます。
あとは自分が実際にその時間に何をしたかを書き込んでいくだけ。
7時 ~ 9時の間に問題を 5問解いたなら「 ◯◯問題集 5問」と書き込みます。
12時からお昼ご飯を食べたならそれも記録します。
コツは、今やっている行動を変えようと思った都度、何をやったか記録することです。
後から見て、自分が何をやっていたか分かる程度にざっくりと書き込みましょう。
たとえば、 2019年4月 6日の私の過ごし方は、図のようだったみたいです。
これをすると、目標を達成できなかった理由が浮き彫りになります。
そうすると、「何をやっていたか思い出せない」ということがなくなります。
「1日机に向かっていたけれど、実際にはパソコンで 5時間もゲームをしていた」とか「 1時間も勉強していたのに問題が 3問しか進んでいなかった」など、どういう点を改善したらいいのかが明らかになります。
テストの結果を見直して分析を行う「テストで何点を取る」というタイプの目標を掲げたとき、 1日の過ごし方をざっくり記録することに加えて、テスト結果の見直しをすることをオススメします。
テストには、その時点で何ができて、何ができなかったかが表れるので現状分析のよい材料となるからです。
その結果を分析することで、問題が解けなかった原因が明らかになり、次の目標を達成するための改善が行いやすいのです。
でも「どこに注目して見直せばいいのか分からない」という方もいらっしゃるでしょう。
そこで、どうやって分析を進めればいいのか、その方法も紹介します。
まず、どの設問を間違えたのか確認をします。
次に、なぜその設問を間違えたのか考えます。
ここではまた〔* 6〕の図を振り返って、この4つのプロセスのどこでつまずいたのか明らかにしましょう。
たとえば、「そもそも問題のパターンを判断できていなかったんだな」とか「解答を書くときに漢字を間違えてしまっていたんだな」という風に判断をしてみてください。
最後に、各段階のインプット・アウトプット、どちらが失敗の原因になったのか明らかにしましょう。
たとえば、問題パターンの蓄積を十分に行っていなくて、どのパターンか分からなかった場合は、インプットが不足したことが原因です。
逆にパターン自体は知っていたのだけれど、どれに当てはまるのかという判断に失敗した場合は、問題パターンの判別というアウトプットの練習が足りなかった、ということになります。
これでテストの現状分析は終わりになります。
ここまでやると、次の目標の達成のためにどういう点を改善したらいいのかが明らかになります。
改善点を見つけてやり方を修正する ここまでで、どこを改善しないといけないのかは見えてきていると思います。
あとは、足りないところを実際に改善する方法を調べて実践してみるだけです。
基本的に、改善点は ①勉強のやり方が間違っているか、 ②勉強量が足りていないか、のどちらかに分類できます。
この本の第 1 ~ 3章で既に、勉強のやり方や勉強量の増やし方については言及しているので、対応するところを再度読んで使えそうな部分を実践してみてください。
また、ここまでで紹介した勉強方法を実践できているかチェックして、できていなかったら前に戻って取り入れてみると、現状が改善すると思います。
ここまでで、全体的な勉強の話が一通り終わりました。
次の第 5章からは、受験や資格試験など、みなさんにとって今最も重要な課題で結果を出すための勉強法に焦点を当てていきます。
主に大学受験を意識した内容になっていますが、資格試験や中・高の定期テスト対策にも参考にできる部分があると思います。
また、私が東大を受験した際の推薦入試について、プレゼンテーションやスピーチの対策にも触れていきますので、興味のある方はぜひこのまま読み進めていただければ幸いです。
まとめ ○目標が達成できなかったらすぐに現状分析を始める ○ 1日どんなことをしていたか記録する ○テストの結果を見直して分析を行う ○第 1 ~ 3章に戻って勉強法をチェックする
Q「ご両親の教育方針について教えてください」 驚かれるかもしれませんが、私は両親に「義務教育をちゃんと受けていれば、高校すら行かなくてもいい」「自分の好きだと思うことをしなさい」と言われて育ちました。
子どもの頃、私は『百獣戦隊ガオレンジャー』が好きすぎて、描く絵がすべて 5色の丸になりました。
周りの子が素敵な絵を描けるようになり心配されても、両親は気にせず、私の体ほどもある大きな画用紙を買って好きなだけ描かせてくれました。
私が中学生のとき D A Wソフトで作曲を本格的にやりたいと言ったときも、「それならレーベルに入った方がいい」と言ってオーディションを探してくれました。
合格して事務所での育成が始まり忙しくなると、「両立が大変なら転校してもかまわないよ」と言って資料を集めてくれていました。
「自分がやってみたいと思うことのために生きなさい」「若いうちはまずはやってみてたくさん失敗しておきなさい。
小さいうちに失敗しておくと大人になってからの失敗に強くなれる」というのが我が家の教育方針です。
「時代が変われば価値も常識も変わっていくけれど、どんなことが起きても、身についた教養だけは誰にも奪うことができない。
我が家が子ども達に残せるのは教育だけ」というのが親の口癖です。
その教育は勉強に固定されたものではなくて、音楽でも美術でもゲームでもなんでもいいのだそうです。
私は英語が日本人としては得意な方ですが、我が家の幼少の頃の教育法は、机に向かう勉強をさせないというとても変わったものでした。
インターナショナルスクールに入れたのも、ホストファミリーをしたのも、生活している中で子ども自身が英語で話す必要性を感じて自然と話して欲しいと思ったからだそうです。
こんな風に自由に育てられたので「やらされる勉強」ではなく「自分が必要と思って取り組む勉強」を私はするようになったのだと思います。
子どもは当時の私も含め、人生の経験値が低いので、大人に比べて知っていることも気付くことのできる範囲も限られます。
「子どもが勉強をしなくて困っています」というコメントをいただくことがあるのですが、もしかするとお子さんが勉強しないのは、勉強をした先にどんな世界があるのか、どんな意味があるのかが分からないのかもしれません。
本人が好きなことや興味のあることについて一緒に話をしながら、そのために何が必要で、どんなことをすべきか、さまざまな選択肢を見せてあげると、お子さんは自らの意志で自分のやりたいことを選びとって進んでいけると思います。
そうすると子ども自身が決めたことなので、人のせいにしなくなり、自分の進もうとしている道に責任をもつようになります。
私も両親からは「音楽で食べていきたいなら別に高校には行かなくていいよ」と言われていました。
勉強も「してもしなくてもいい」とのことでした。
ただし「何をしてもいいけど、誠心誠意、一生懸命やりなさい」とは強く言われました。
「一生懸命やった結果が何であれ応援するよ」「一生懸命やって 10個のうち 1個でも自分の身についたら大したものだ」と言ってくれたことが心に残っています。
コメント