■「記憶に残る読書術」2つのキーワードとは?「アウトプット」と「スキマ時間」を意識せよ!
本書における最も重要なテーマは、どうすれば「記憶に残る読書」「読んだら忘れない読書」ができるか、ということです。
「記憶に残る読書術」「読んだら忘れない読書術」のキーワードは、たった2つです。「アウトプット」と「スキマ時間」。
この2つを意識するだけで、あなたも「記憶に残る読書」ができるようになります。
この章では、「アウトプット読書術」「スキマ時間記憶強化読書術」について詳しくご説明していきます。
【アウトプット読書術 1】 ■深く記憶に残す〜「マーカー読書術」本は汚く読んでいい〜「ダーティー読書術」
ある日、めずらしく家内が村上春樹の『ノルウェイの森』(講談社)を読みたい、というので貸してあげたことがありました。それから数分して家内がやってきて言いました。
「何、これ! こんな書き込みだらけじゃ、雑念が入って読めないじゃないの」 私は本を読むときは、蛍光ペンでラインを引き、書き込みをしながら読みます。
ビジネス書に限らず、小説の場合でもそうしています。小説から受けたインスピレーション、ひらめきも、書き留める。小説を読むことが目的ではなく、小説を読んだ自分が「どう感じるか」、そして「どう変われるか」が重要です。
そのためには、「気づき」や「ひらめき」をドンドン書き込んでいくことが不可欠なのです。村上春樹作品は「気づき」が多いので、どうしても書き込みが多くなります。
とりわけ『ノルウェイの森』に関しては私の大好きな作品で、書き込みだらけになっていましたから、普通に読むのは難しい状態だったでしょう。
本を読む場合、ブックカバーをかけて、折り目もつけず、「キレイに読む派の人」と、書き込みをしたりマーカーを引いたり、ページの端を折ったり、付箋を貼ったりと、「汚く読む派の人」に分かれると思います。
あなたは、どちらですか? 私は、間違いなく「汚く読む派」です。本はキレイに読むべきか、汚く読むべきか。どちらがいいのでしょう? 第 1章で、本を読んで変化、成長しなければ意味がない、と述べました。
本を所有するだけでうれしくなるかもしれませんが、それではただの自己満足です。本によって、自分に変化、成長がもたらされてこそ、本の価値は最大化します。
アウトプットしながらの読書と、そうでない読書では、アウトプットしながらの読書のほうが記憶に残りやすい。記憶に残ることで、自分に変化や成長が起きます。
ですから、記憶に残し成長を最大化するためには、汚く読むことが不可欠ともいえるのです。
あなたは、英単語を暗記するときに、どのような方法でやっていましたか? 重要な単語に、蛍光ペンでラインを引く。その単語についての付加的な知識や使い方を余白に書き加える。紙に、単語を 10回、 20回と繰り返し書いてみる。単語を何度も、発音してみる……。
このように、英単語を暗記する場合は、「読む」だけではなく、「書く」「声に出す」というように運動神経を動員して、脳全体を活性化させて記憶していたはずです。
高校時代の教科書や参考書にラインも引かず、書き込みもせず、「買ったばかりのキレイな状態」を保ちながら、その内容を暗記することができますか? きっとできないでしょう。
ですから、記憶に残すためには、受験勉強のときと同じように、本にラインを引いたり書き込みをしたりするほうが、圧倒的に有利なのです。
「アウトプット読書術」に不可欠なたった2つのツールとは?
本を読むときに必要なツールは、2つだけ。それは、蛍光マーカーとボールペンです。本を読みながら気に入った一節や「気づき」の一節にラインを引きます。
そして、実際に自分の「気づき」や「疑問点」などを、ボールペンで本の余白にドンドン、書き込んでいきます。付箋も常に持ち歩いているので、必要に応じて付箋を貼ることもあります。
本が高校生の参考書なみにマーカーと書き込みで埋め尽くされれば、それは気づきの多い本だったといえるでしょう。逆に 1冊の本で数箇所しかラインが引かれない本は、内容の薄い本です。
ぎゅうぎゅう詰めの満員電車の中では、マーカーとボールペンの二刀流読書はさすがに厳しいので、とりあえずラインを引きたい一節があれば、ページの上端に折り目を入れておいて、後からラインを入れたり書き込みをしたりすることもあります。
なぜ、「マーカー読書術」は記憶に残りやすいのか
「読んだら忘れない読書術」の基本は、「 1週間に 3回アウトプットする」ということでした。その最初のステップが、本を読みながらマーカーでラインを引くことです。
本を読みながら、つまりインプットしながら、最初のアウトプットを同時にしていくわけです。「マーカーでラインを引く、そんな簡単なことでアウトプットになるのか」と疑問に思う人も多いでしょうが、脳科学的には、ラインを引くことは間違いなく脳を活性化します。
なぜならば、脳の中で「字を読む作業」と、「手にペンを持って線を引く作業」は全く別の領域で行われているからです。さらに「文字を書き込む」のは、また脳の別の部分で行われます。
「マーカーでラインを引く」「書き込みをする」ことで、脳の複数の領域を使うことになり、より脳が活性化し、記憶に残りやすくなるのです。
「脳トレ」で有名な東北大学の川島隆太教授は、「音読」が脳の活性化に有効で、認知症の予防にも効果があると言っています。
人間の脳というのは、「読む」「読む」「考える」「書く」「話す」ということを、全て脳の別々の部分で行っています。
人間は、本を読んで、それについて考えて、意見を述べるということを一瞬の間でこなせますが、全て脳の別々の部分が、お互いに連携し共同作業を行っているのです。
そして、この共同作業を行えば行うほど、脳は活性化します。ですから、マーカーでラインを引きながらそれを声に出して読むと、さらに脳は活性化され、記憶に残りやすくなるということです。
電車の中では音読しづらいので、手を動かすしかありません。
ラインや書き込みで汚く本を読む。
それによって、脳の「読む」部分に加えて、「考える」部分と、線を引くことで「運動野」も活性化される。さらに、文字を書くことで脳の「書字」に関連した部分も活性化される。
マーカーでラインを引いたり、メモをしたりしながら本を読むだけで、脳は何倍も活性化され、それだけ本の内容が記憶に残りやすくなるのです。
本当に重要だと思うところを見つける〜「 3行読書術」
マーカーでラインを引きながら読書をすると記憶に残りやすい。では、どこに、どんなふうにラインを引くべきなのでしょう? 私は、「気づき」が得られた部分に、ラインを引きます。
「気づき」というのは、「ああそういうことか」という、自分にとっての新しい発見です。「学び」と言い換えてもいい。重要なことでも、自分が既に知っていること、自分にとって「当たり前」のことは、わざわざラインを引きません。
マーカーでラインを引く目的は、「自己成長」です。「自己成長につながる気づき」や「自己成長に役立ちそうな言葉」があれば、ドンドン、ラインを引いていきます。とはいっても、 1冊の本で、何十箇所もラインを引く必要はありません。
あまりに多すぎると、どこが本当に重要なのかがわからなくなってしまいます。重要度が分散し、薄くなってしまうのです。
私は 1冊の本で、本当に重要だと思えるところを 3ヶ所見つけ、そこにラインを引きます。1行ずつ、 3ヶ所のイメージです。1冊の本から、 3行ラインを引ければ、「 1500円の書籍の元がとれた」といえるでしょう。
【アウトプット読書術 2】 ■複数の切り口で人に勧める〜「テレビショッピング読書術」最も簡単なのは「話す」「勧める」
最も簡単なアウトプットは、「話す」ということだと思います。実際に、「おもしろい本を読んだよ」「昨日、読んだ本がおもしろかった」と、読んだ本の話を日常会話ですることはよくあると思います。
読んだ本について話す。
これを意識的に行うだけで、本の内容を思い出すことができ、アウトプットによる復習効果が得られます。友人や同僚との雑談で、あるいは、ビジネスの本であれば、部下に紹介したり勧めたりするのもいいでしょう。
あるいは、人前で話す立場の人であれば、朝礼やスピーチ、プレゼンテーションや講演の中で本を紹介するというのもいいでしょう。
重要なのは、「おもしろい」「ためになった」を連呼してもだめで、具体的にどこがためになったのか、本の内容を要約しながら、相手に伝えるということです。
自分が「気づき」を得た部分、マーカーでラインを引いた部分などを紹介して伝えると、「気づき」を共感することになり、相手は本を読まなくてもそれだけでためになるのです。
人に本を勧めるには、本の内容を思い出し、さらにそれを頭の中で整理しないといけませんから、アウトプット効果は非常に高いのです。
物を人に勧めるということで思い出されるのが、「ジャパネットたかた」のテレビショッピングです。この番組を見ると、セールストークの勉強になりますが、重要なのは複数の切り口で商品を「お勧め」している点です。
例えば、自動掃除機を勧める際には「吸引力が強い」「部屋の隅のゴミもとれる」「駆動時間が長い」「電気代が格安」「人工知能搭載」といったように、 5個以上の異なる切り口でお勧めしてくれるので、非常に説得力が出てきますし、思わず買いたくなってしまいます。
人に本を勧める場合は、「ジャパネットたかた」式に「複数の切り口」で紹介するように意識してみましょう。
例えば、自分の著書で恐縮ですが私の『毎日 90分でメール・ネット・ SNSをすべて終わらせる 99のシンプルな方法』を人に紹介するのであれば、「時間短縮、仕事の効率化についてのノウハウが満載」「教えてもらわないと絶対に知りようがない、便利なサービスやサイトが紹介されている」「スマホ中毒の人に役立つ」「ネット初心者にもわかりやすい」「 99のノウハウをどこからでも読めるので、忙しい人にも読みやすい」など、いくつもの切り口があると思います。
複数の切り口で人に紹介するためには、複数の視点で本を読むことが必要です。それによって、本を深く読み込んでいく能力も養われるのです。本を読んだら人に紹介する。1人だけではなく、複数に、それも二度、三度紹介する。
それだけで、「 1週間に 3回のアウトプット」を達成することもできます。
また、良い本を人に紹介すると喜ばれます。
人から喜ばれながら、本の内容を記憶し自分のものにしていくという一石二鳥のメリットが得られるのです。
【アウトプット読書術 3】 ■気づきを人と共有する〜「ソーシャル読書術」 本を読んだら感想を「シェアする」
私は本を読んだら、その日かその翌日に、 Facebookに感想をアップするように心がけています。10行を超えるような長文の感想を投稿する場合もありますが、数行の感想でもいいと思います。
たったそれだけのことですが、それをやるだけで、本の内容が、やらない場合に比べて何倍も記憶に残りやすくなるのです。たった数行の感想を書くだけでも、本の内容を思い出す作業が頭の中で行われるわけですから。
つまり、「記憶の復習」が行われ、「 3回のアウトプット」のうち、 1回がここで完了することになります。SNS上に感想を書く。それは、あなたの体験を共有する、つまり「シェアする」ということです。
自分しか読まない手帳やノートに書くのと、第三者に見られることを前提とした「シェア」には、大きな違いがあります。第三者に見られる「シェア」では、適当なことは書けない。
それなりに緊張感がともないますので、本の内容を思い出す作業を自分なりに必死に、そして真剣に行っているはずです。
さらに、 SNSに投稿すると、それに対するコメントがつきます。「おもしろそうな本ですね」「良い本を教えてくれてありがとうございます」「早速、私も購入しました」……。自分の感想、自分のお勧めコメントが、第三者の行動に影響を及ぼし、さらに感謝までされる。これは、とても楽しいことです。
「本当に良い本を紹介してくださってありがとうございます」というコメントがつけば、誰でも楽しい気分になるはずです。人間は、楽しいことは続けられます。苦しいことはやめたくなります。
SNSに本の感想を書くというのは、とても「楽しい」ことなのです。楽しいので、「また本を読んで、感想を書こう!」と思う。
読書のモチベーションも上がり、楽しみながら、いつのまにか読書力がついて、たくさんの本が読めるようになるのです。
SNSに名言を投稿して、自分のコメントを加える
読書量の少ない人は、「本を読んで感想を書くのは大変。自分には無理」と思うかもしれません。最初は数行の感想でもいいのですが、それでも「大変」と感じる人は多い。大変なこと、苦しいことは習慣化できません。
その場合は、読んだ本の中から、自分の心に響いた言葉を 1〜 2行だけ書き写し、それに自分なりのコメントをつけて、紹介すればいいのです。
いわゆる「名言投稿」です。自分にとっての「名言」を選ぶのです。これなら、文章力に自信がない人、読書や紹介が苦手な人でもできるはず。この「名言投稿」というのは、 Facebookとの相性が非常に良く、物凄い数の「いいね!」がつきます。
15分で書いた「本の感想」よりも、 3分で書いた「名言投稿」のほうが、何倍もの「いいね!」がつくこともあります。
自分が投稿した「名言」は、ニュースフィードに流れ、タイムラインにも表示されるわけですから、自分でも 2度、 3度と目にすることになります。
復習効果、記憶に残す効果は抜群です。本を読んだら、ソーシャルメディアに「感想」や「名言」を投稿する。ソーシャルメディア、 SNSでのアウトプットと読書を合体させた「ソーシャル読書術」。たくさん「いいね!」され、コメントもつきますので、とても楽しい。是非、やってみてください。
【アウトプット読書術 4】 ■レベルアップしたら挑戦したい〜「レビューライティング読書術 特にお勧めしたい本は書評を書いてみる
ソーシャルメディアに「感想」や、「名言」とそれについてのコメントを投稿する。慣れてくると、それだけでは少し物足りなくなってくるはずです。
本の内容について、もう少し深く掘り下げながら紹介したい。そうなると単なる「感想」ではなく、「書評」「レビュー」ということになってきます。
この書評やレビューを書く水準にレベルアップすると「アウトプット読書術」も極まったといっていいでしょう。
私は書評家ではないので、読んだ本全ての書評を書くわけではありませんが、自分の気に入った本、特にお勧めしたい本は、きちんと書評やレビューを書くようにしています。
【アウトプット読書術 5】 ■ 1冊の本から情報を搾り尽くす〜「生グレープフルーツサワー読書術 スクイーズ能力を高めて読書を効率化する
突然ですが、私は居酒屋で、生グレープフルーツサワーをよく注文します。半分にカットされたグレープフルーツをギューッと搾って、サワーに入れて飲みます。
一度搾ったグレープフルーツを、もう一度力を入れて搾ってみると、さらにたくさんのジュースが搾りとれるものです。同じ 1個のグレープフルーツから、できるだけたくさんのジュースを搾ったほうが得ですよね。
実は情報のインプットとは、生グレープフルーツサワーのスクイーズ(搾り)とよく似ています。
1冊の本から、どれだけの情報をスクイーズすることができるのか。
このスクイーズ能力をアップさせると、 1冊の本からこれまでの 2倍以上の知識や気づきを得られるようになります。つまり、スクイーズ能力を高めることで、同じ 1冊の本を、同じ読書時間で読んでも、インプット量を 2倍に増やすことが可能になるということです。
速読できるようになりたい、本をたくさん読めるようになりたい、つまり読書「量」を増やしたいという人はたくさんいます。
しかし、読書の「質」を高めたい、という話は、あまり聞きません。繰り返しになりますが、読書で重要なのは、「量」ではなく「質」です。
1冊の本をどれだけ速く読めるかを競っても、何の意味もありません。1冊の本から、どれだけたくさんのことを学べるのかが重要です。
本を今の 2倍のスピードで読めるようになるのは簡単ではありません。特に、ある程度速く読める人にとっては。
しかし、読書におけるスクイーズ能力は現時点で鍛えていない人がほとんどですから、簡単に 2倍に増やすことができます。
では、スクイーズ能力をアップさせるにはどうすればいいのか。それは、アウトプットを前提に、インプットをするということです。つまり、あなたが本を読んだら、必ずアウトプットする、と決めてください。
例えば、本を読んだら「感想」でも「書評」でも良いので、必ずソーシャルメディアに記事を書くと決めます。
記事を書くためには、その本から何らかの「気づき」を得なくてはいけません。自分にとってためになる点、そして、読者にもためになるポイントを発見しないといけません。
そうした「アウトプットしないといけない」という軽いプレッシャーを自分にかけながら本を読むようにすると、不思議なことに、今まで気づかなかったことにたくさん気づけるようになってきます。
そして気づきがあった場合、すかさずメモするということも大切です。本を読んだら、そこから SNSに投稿する 1コンテンツ(記事)を必ず作る。これを既にやっている人は、 1冊の本から、 2コンテンツ作るように練習してください。つまり、 1冊の本から、 2回分の記事を書くということです。
そのためには、 1個の気づきでは足りないので、気づきを 2個得ないといけません。負荷を増やして筋肉量を増やしていく筋トレのように、アウトプットの負荷を増やせば、スクイーズ能力も飛躍的に高まっていきます。
レビューは、翌日以降に書く
私は本を読んだら、その日か翌日には、 Facebookに簡単な感想を書きます。それをもとに、 1週間以内にメルマガや Facebookに詳しい書評、レビュー的なしっかりとした記事を書くようにしています。
本を読んだら、感想にとどまらず「レビュー」を書く、ということはとても大切です。なぜならば、レビューを書くことで、本の内容がしっかりと記憶として定着するから。
他人に伝えることで、自分の「気づき」を整理して、その「気づき」をしっかりと自分のものにすることができます。ただ、ここで1つ注意点があります。
感想は当日でいいのですが、しっかりとしたレビューは、本を読み終えた当日には書きません。
なぜ、レビューを書くのは、「当日」ではなく、「翌日」以降なのか? 私はよく映画を見るのですが、映画についても、できるだけレビューや記事を書く努力をしています。
しかし、当日にはアップしません。
映画を見終わった当日に感想をアップすると、まだ興奮さめやらずエキサイトした状態なので、「おもしろかった!」「感動した!」「泣けた!」など、「感情言語」しか出てこないからです。
小学生の感想文のようになってしまい、そこに客観性、冷静な観察というものは存在しません。
このように、気分がホットなときに、ホットな感情をそのまま伝える、つまり、「今」を伝え、共有するというソーシャルメディアの使い方もあります。
しかし、映画を見たり、本を読んだりした直後に感想を書いてシェアしようとすると「感情」に引っ張られ、客観性のある文章が書けず、あまり人の役に立つ記事にならないのです。
それが不思議なことに、一晩寝てから文章を書くと、クールで論理的な文章に変わります。
「レビュー」とは、自分のためのものでもありますが、「他の人に読んでもらう」ことを前提に書くわけですから、「客観性」や「論理性」が必要になります。
「今」の感動を伝えるという「感想」レベルの文章であれば当日でもありですが、他の人にも役立つ客観性の高いレビューを書くのなら、感情を整理するために、 1、 2日おいたほうがいいのです。
また、「記憶の法則」から考えても、当日よりも何日かおいたほうが、高い「復習」効果が得られますから、記憶に残りやすくなるのです。
■「スキマ時間」に読書すると、なぜ記憶に残るのか? 「アウトプット」 +「スキマ時間」でさらに効果的な読書をする
「読んだら忘れない読書術」で最も重要なのはこれまでお話ししてきた「アウトプット」ですが、さらに「スキマ時間」を使った読書が、実は「記憶に残す」ために重要な意味を持っています。
まとめて読書するよりも、スキマ時間に読書したほうが「記憶」において有利な点が多いのです。
その根拠について説明していきます。
【スキマ時間記憶強化読書術 1】 ■制限時間があると記憶力が高まる〜「ウルトラマン読書術」制限時間があると集中力がアップする
ウルトラマンは、地球では 3分しか戦えません。エネルギーが少なくなると、胸のカラータイマーが点滅し、警告音を発します。
しかし、 3分という活動の制限時間があることこそが、ウルトラマンの強さの秘密でもあるのです。なぜなら、何か物事を行う場合、制限時間を決めると集中力がアップし、脳が高いパフォーマンスを発揮するからです。
例えば、電車に乗って「乗り換えまでの 15分で、 1章を読み終えよう!」と、時間制限つきの目標を決めます。そうすることで、漫然と読むよりも高い集中力を発揮できます。
さらに、頑張ればギリギリ達成できる、ほど良い難易度の課題に取り組むと、よりドーパミンが分泌され、より集中力が高まるとともに、記憶力も高まるのです。電車に乗れば、必然的に下車時間も決まります。
電車内で読書をすると、自然と制限時間が定められた「ウルトラマン読書術」をすることになり、集中力と記憶力が高まる効率的な読書が可能になります。
【スキマ時間記憶強化読書術 2】 ■効率良く「頑張り」を活かす〜「 5分・ 5分読書術」 60分連続した読書と 15分の細切れ読書、どちらが効率的か?
60分まとめて読書をするのと、 15分のスキマ時間 4回で読書をするのとでは、どちらが効率的な読書ができるでしょうか? 何かの作業を行う場合、その集中力は、初めと終わりで特に強くなることが知られています。
心理学では、この現象はそれぞれ「初頭努力」「終末努力」と呼ばれます。
わかりやすくいえば、始まったときの「さあやるぞ」という「最初の頑張り」と、ゴールが見えたときの「もうひとふんばり」という「最後の頑張り」です。単語が書かれたカードを連続して提示して記憶してもらう心理実験があります。
しばらくして、どれだけ記憶しているかを再生してもらうと、最初と最後のほうに提示されたカードについての正答率は高く、中間のカードについての正答率は低くなるという結果が出ました。
最初と最後は、集中力だけではなく、記憶力も高まるということです。
15分で本を読むと、「初頭努力」で 5分、「終末努力」で 5分、合計 10分の「記憶力の高い状態での読書」が可能になります。これを 4回繰り返すと、 60分中 40分までもが「記憶力の高い状態での読書時間」になるのです。
一方で 60分連続で読書をすると、「初頭努力」で 5分、「終末努力」で 5分の合計 10分しか「記憶力の高い時間帯」がありません。
もちろん、邪魔が入らないような集中しやすい環境で読書すれば、 60分の連続読書でも高い集中力を維持、発揮することも可能ですが、「 15分程度のスキマ時間読書」の繰り返しでも、連続読書以上の効果が得られるというわけです。
【スキマ時間記憶強化読書術 3】 ■「 15分」を最大限活用する〜「 15-45-90の法則読書術」人間が集中できる時間単位とは?
人間の集中力には限界があります。何時間も連続して集中し続けることは、訓練されたアスリートや将棋の棋士であっても、できるものではありません。
反対に、誰にでも集中しやすい時間単位というものが存在します。それは、「 15分」「 45分」「 90分」です。私は、これをまとめて「 15-45-90の法則」と呼んでいます。
高い集中力が維持できる限界が 15分。普通の集中力が維持できる限界が 45分。「45分」の間、少し休憩をはさめば、 90分の集中も可能です。
小学校の授業は 45分。テレビドラマもだいたい 45分。大学の講義は 90分。
2時間ドラマというのも、 CMを抜くと実質 90分です。サッカーは 45分ハーフの 90分で試合が行われます。
90分を超えたアディショナルタイムでミスが多発して得点が入りやすくなるのは、 90分という人間の集中力の限界を超えているからです。
人間の体には「ウルトラディアンリズム」という、約 90分周期で眠気と覚醒が交互に訪れるリズムが刻まれています。睡眠のサイクルが 90分であるというのも、同じ理由です。
「45分」と「 90分」に関する興味深い話はまだまだありますが、「スキマ時間読書術」において重要な時間の単位は「 15分」です。
集中力を最大に発揮できる「 15分」を上手に活用する 極めて高い集中力が維持できる時間、その最小単位が「 15分」。
人間が、非常に高度な集中力を維持できる限界が「 15分」ということです。例えば、非常に高い集中力を要する同時通訳者。
この同時通訳の世界でも、「集中力の持続は 15分が限界」といわれています。テレビの生中継など、同時通訳で放送される場合がありますが、番組の途中なのに通訳者が男性から女性に変わって「あれっ?」と思うことがあります。
集中力持続時間の関係から、途中で通訳者が変わらざるを得ないのです。
結論を言いますと、 15分という時間は、脳科学的に見ても「極めて集中した仕事ができる時間のブロック」である、ということなのです。
例えば、スキマ時間 5分で本が 10ページ読めるとします。その 5分のスキマ時間が 3回あれば、 30ページが読めます。しかし、連続した「 15分」があれば、 30ページではなく 40ページは読めるのです。
1日の中に「 15分を超えるスキマ時間」というのは、数えてみるとだいたい 8ブロックほどは存在するはずです。この 15分で「読書」をするのか、「メールチェック」をするのかで、人生が変わってしまいます。
どうしても「メールチェック」をしたいのであれば、 5分以下のスーパースキマ時間で行うと良いでしょう。
例えば、電車を待っている時間。ここで本を読み始めても、集中し始めた頃にちょうど電車が来て、集中力がリセットされてしまう。
読書をするには少し中途半端な時間です。つまり、電車を待っている間に「メールチェック」をして、電車に乗ったら 15分刻みで「読書」をする。これが、集中力を意識した、脳科学的に正しい時間活用術といえるのです。
【スキマ時間記憶強化読書術 4】 ■睡眠の力を借りて脳に焼きつける〜「熟睡読書術」 寝る前の読書は、記憶に残る!
スキマ時間以外に読書をするとすれば、お勧めの時間帯は「寝る前」です。なぜならば、寝る前に読書することで、「記憶」を最大化し、さらに睡眠にも入りやすくなるからです。
寝る前に勉強すると、勉強したことが頭に残りやすいといわれます。寝ている間には新しいインプットがなされないので、「記憶の衝突」が起こらず、頭の中の整理が進むからです。
受験生向けの記憶術について書かれた記事などを読むと、「難しい暗記ほど、寝る前が効果的」と書かれています。寝る前にした読書は昼間の読書に比べて、記憶に残りやすいといえるのです。
さらにイギリスサセックス大学の研究によると、読書を始めてわずか 6分で、被験者たちの心拍は落ち着き筋緊張もほぐれたといいます。
音楽鑑賞やその他のリラックス法と比べても、読書で最も高いリラックス効果が得られると報告されています。睡眠前の読書は、心と体をリラックスさせて、睡眠に入りやすくしてくれるのです。
ただし、電子書籍リーダーやタブレットなど発光する画面を見る読書法は、不眠の原因になります。それらは睡眠に入るまでの時間を遅らせ、睡眠の質を低下させること(レム睡眠の減少)が報告されています。
また、ハラハラ、ドキドキするエキサイティングな娯楽小説や背筋が凍りつくホラー小説など、喜怒哀楽を過度に刺激する本は、やはり睡眠を妨げるのでお勧めできません。
もう1つ、寝る前に考え事をすると、朝になると解決法がひらめく、ということがいわれています。睡眠には「頭の中を整理する」という役割があります。
ですから、睡眠中に頭の中に乱雑に存在していた情報が整理されて、朝、目が覚めた瞬間に、問題解決法がぽんと浮かんでいるということがあるのです。
「次に目が覚めたときには、問題の解決方法を思いついている」と強く念じて眠りにつくと朝にひらめきが起きやすいそうです。
これは「追想法」と呼ばれ、ノーベル物理学賞の湯川秀樹博士や発明王のトーマス・エジソンなども、この方法を活用していたといわれています。
私も、執筆する本の目次や構成が決まらない場合は、寝る前に「アイデアノート」や関連書籍などをパラパラとめくって、脳にインプットしてから寝るようにしています。
そうすると不思議なことに、朝、目が覚めた瞬間に、神が舞い降りたように「理想的な本の構成」が頭の中にできあがっているのです。後は、忘れないうちに、すぐにそれを書き留めるだけです。
毎回、本を書くたびにこの「追想法」に助けられていて、実はこの本の構成を決めるときも、追想法を利用したほどです。
読書ということに限りませんが、寝る前に情報のインプットをしたり、懸案事項についての書類や資料などに目を通しておいたりすると、朝起きたときに意外な着想を得ることができるのです。
スキマ時間以外に読書やインプットの時間を確保するとすれば、「寝る前の時間」というのは候補として覚えておいて損はないでしょう。
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