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食品工場の業務改善

目次はじめに 0 お金の代わりに知恵を使う Ⅰ ムダという宝を探せ Ⅱ 片付けは雑用ではない Ⅲ 書類を取り出すのは「何秒」標準とは Ⅳ 片付けたら色々見えてくる「問題発見の視点」 Ⅴ 「見えたらどうする」の考え方 Ⅵ いよいよ現場観測です! Ⅶ 作業観測から標準を作る Ⅷ 標準を作る為の帳票と考え方 Ⅸ 改善の切り口を教えましょう(いよいよ実践!) Ⅹ 定着・習慣化に向けて最後に

はじめに 食品会社の製造責任者として、長年業務に携わってきてその対象物が食べ物であるだけに、毎日が緊張の連続でした。なんとか無事乗り切ってこれたことはひとえに諸先輩方のご指導の賜物と感謝しております。先輩方から物づくりの基本を手取り足取り、時には現場で実地に教えて頂きました。そのエキスを少しでも後進に伝えたいと願い、感謝の意味を込めてこの本を出版する事にしました。食品工場の製造に携わる者として、何か問題が起こったり壁にぶち当たった時、その解決のヒントや改善の手法の手引きとなる様に作成しました。また、最速最短で工場長になりたいと願う人の参考としてモノづくり・人づくりの基本と 37歳で工場長になった拙い私の経験ノウハウも追記しました。これから製造責任者そして工場長として部下を育てる立場になる方の一助となれば幸いです。

0 お金の代わりに知恵を使う 0‐ 1

改善と改良について説明します。皆さんは改善と改良の違いはご存じでしょうか?改良は設備や備品にお金をかけて良くすることを言います。対して改善はお金を使わずによくすることを言います。改善はお金のかわりに知恵を使いましょうという考え方です。 0‐ 2

次に知識と知恵の違いです。知識と知恵の違いはご存知でしょうか?知識はお金で買えるもので、主に教育などで得ることができます。対して知恵はお金では買えないですが人が皆平等に持っているものです。しかし、知識ばかりあっても現場の実践で使えるとは限りません。知識をもとに知恵を絞り出して改善は進みます。 0‐ 3

しかし知恵は平等に持っているからといって簡単に引き出せるものではありません。テクニックが必要です。知恵は困ったときにはじめて引き出すことができます。また困り方が半端だと「経験から無理だ」と判断してしまい、知恵はでてきません。私の経験では、信頼できる同僚・先輩・後輩を持つことが大切です。居ないと自分のつたない経験に頼ってしまいます。 0‐ 4

また、自分を追い込むためには強い問題意識がなければそうなれません。日常業務の中での疑問や不満にとことん向き合うことが必要です。言い方をかえたら困難から逃げないということです。目標として日頃から「こうあるべき」「こうありたい」というブレない思いを持つことが必須です。 0‐ 5

また、問題意識をもつための具体策は明確な目標と目的をもつことにほかなりません。あるべき姿、ありたい姿を常に持っていることが問題意識へとつながります。目的は改善に限らずどんな仕事においても重要ではないでしょうか。 0‐ 6

また、知恵は一人よりも複数のものを結集して活かすことが必要です。部下の意見や知恵を集めて成果につなげることがリーダーの役割です。私の経験では、発生した問題を解決するチームを作って、リーダーと製造担当・設備担当・品質担当・資材担当等々課題によってメンバーを招集して知恵を結集します。人数は 5 ~ 6名が最適です。

Ⅰ ムダという宝を探せ

Ⅰ- 1【製造現場におけるムダとは何か】私は、物づくりに 38年携わり 2004年頃、トヨタ式と出逢いました。トヨタ式を理解しようとしら改善を知ることが近道であり改善を知るには「ムダとは何か」を理解する必要があります。私は工場長卒業後、グループ会社の立て直しを命ぜられ何社か生産改善のお手伝いをして来ました。その時、困った事がありました。それは、ムダとは何かという考え方が企業によってまた、そこの従業員・風土によって大きく違っていることでした。ムダを無くすことに反対する人はめったにいない。皆、「ムダ取り」をすれば生産性が上がり、利益が向上して儲かることは理解している。しかし、ムダに関する考え方あるいは共通言語がないといざ、ムダ取りを実行しようと思ってもなかなか進まないのです。例えば、資材庫にたくさんのダンボールやフイルム等が山積みされてあった時どう言ったとおもいますか?それを見てある社員は「ムダです。」と言い、別の社員は「必要な分をキープしている、これで製品が切れることはないし安心して生産が出来る、停滞するリスク回避になっている。」と胸をはって言う。これでは「ムダな在庫を減らして、ムダ取りしよう」と呼び掛けても現場は動かない。かたや人の動きに目をやると、これも同じです。ある社員が毎日、朝早くから夜遅くまで生産量に関係なく働いていたとする。それを見たある上司は仕事の遅れ進みや、出来高を総合的に判断して「ムダが多い」と言うし、別の上司は「頑張っているな、ありがとう」とほめたりするのです。これではいくら「仕事のムダを無くそう」と提案しても働き方は変わるはずありません。トヨタ式改善を進めようと思ったら何が必要か・・・グループ会社のお手伝いをして気づきました。ムダとは何かを、その会社の社員といっしょになって話し合い考え、同じ見方が出来るまで同じ目線で現場を観察する。そして初めて共通言語である「ムダとは何か」が生まれるのです。 Ⅰ- 2【ムダの種類】

【かざってどうふ】とは?7つのムダとりのことです。私は 2004年に、トヨタの改善トレーナーから以下の語呂合わせを教わりました。「かざってどうふ」といってムダの頭文字をとって代表的なムダ取りを日々行うんです。・か…加工のムダ(加工しなくて良い部分なのに何かの不備で加工している)・ざ…在庫のムダ(造り過ぎから、必要以上に在庫してしまう)・つ…作り過ぎのムダ(その日の必要以上に物をつくってしまう)・て…手待ちのムダ(常にコンスタントに作業する物がなく作業待ちをする)・ど…動作のムダ(動かなくても良い動きをしている)・う…運搬のムダ(容器から容器の移し替えも運搬のムダ)・ふ…不良のムダ(正規の商品に 100%ならないムダ)これらを総称して 3(ムダ・ムラ・ムリ)ムダラリと呼びます。生産現場の仕事はこれらのムダを改善していくんです。

①【つくり過ぎのムダ】7つのムダを順番に解説して行きます。つくり過ぎ、これが最も根源的なムダです。私は若かりし頃、生産管理を担当していました。そこで先輩からカッコ良く教えられたのは「毎日決まった量をコンスタントに生産させる。これを定量生産という」でした。この時、 20代の私はこう考えました。労務費と経費、製造エネルギーを使って倉庫に出来た製品を在庫する。これには蔵賃もかかる。そこで、先輩に質問しました。「なんで毎日せっせと在庫する必要があるの?」先輩は「我々の会社は受注生産である、いつどんな特売が入って商品カットになるかわからん商品切れを起こせば即、取引停止ぞ!だから在庫するんや」でした。そういえばその当時、商品が出来なくて営業所まで車で運ばされたばかりで・・・なるほど、とその時は納得していまった。それから 20年ほど月日が流れトヨタ式との出会い当時の疑問が解けたのです。必要な時に必要なものを必要なだけつくる。「ジャストインタイム」とはこの事だったんだ。そして必要量とは売りに結びつく量のこと。必要な時期より早くつくることもムダなのです。じゃあ、特売で急に必要以上の注文が入ったらどうする。前もってムダが発生しない商談をするだけのことです。これが出来る窓口を置くことが絶対条件です。最近トヨタのミニバンを購入しましたが 3か月待ちでした。(窓口に納得させられたのです)

②【手待ちのムダ】あなたの会社では生産現場で手待ちが発生して困っていませんか?手待ちの原因は色々有ります。ラインで手待ちが発生すると、作業者は何をするかご存知ですか。遊んでいては申し訳ないと思い、何か次の準備等別の作業を開始するんです。それをされると手待ちの発生が見えなくなって大きなロスをタレ流すことになります。工程管理者は、これをやられると嫌になちゃいますよね!そこでトヨタ方式ではラインがストップしたら、皆その場で立ったまま、何もしない様に指導しています。(遊ばせるのは労務費のムダの様に思われます。しかし、それによってより大きな手待ちのムダが発見出来るんです。)そうすることでその原因が管理者に見える様になります。私の場合ラインが止まり、立ちんぼが発生すると例えばラインバランスが悪い(工程能力がアンバランス)という仮説がたったといしたら、工程を順に見て行き一番在庫がたまっている工程の後工程を確認します。そこがボトルネック(一番能力の弱い所)になります。そこを改善するのです。

③【運搬のムダ】あなたの会社では運搬のムダについて考えた事はありますか?見過ごして案外大きな損をしている部分です。運搬のムダと言っても本来の運ぶ作業の他にただ容器から容器に移し替える行為も運搬のムダであり、ネジを締めるために容器からネジを取って作業場まで移動する行為も運搬のムダになります。また、運ぶ作業でも運搬具を使って製品を出荷まで運んだとしたら、帰りはその運搬具で材料を調達する。この様に往復ともに荷物を運び、空搬送は絶対しない。運送屋さんのトラックが片道運送は絶対やらない帰り便で何を運ぶか常に視野に入れているのと同じです。本来は工場のライン設計時にレイアウト(工程配置)を組み立てる所から運搬のムダを計算しています。一筆書きで製品まで出来上がるレイアウトが理想です。また、 2階から 1階へと高低差を利用した運搬も取り入れ搬送労力のムダを軽減する方法も有ります。いずれにしてもこのムダはゼロにすることは出来ませんが出来る限り小さくしたいムダです。

④【加工そのもののムダ】あなたは「慣れた仕事のやり方」と「新しい仕事のやり方」を比較してどちらを選びますか?慣れた方が最も良いと思いませんか。この心理は誰にも必ず有ります。その為に、不必要な加工がその工程にあったとしても気づかないことは少なくない。そこに「加工そのもののムダ」が発生します。トヨタ式改善では、考え方が常に「よりよいやり方」を求めて作業内容の見直しを行うですから、慣れたやり方でも常に見直すのです。この習慣が出来るまで「なぜ、なぜ」を繰り返します。

⑤【在庫のムダ】あなたの会社では在庫についてどう考えていますか?在庫を多く持っていれば急な注文にも対応出来てチャンスロスから回避出来るし、生産予定も組みやすいなんて考えていませんか。資材は「まとめて仕入れると安くなる」などと言われて必要以上に買って在庫してませんか。これは企業大きなリスクになります!もし、その商品が消費者から「そうすかん」を食らったら今ある在庫はたちまち不良在庫になります。素材から消費者までの流れで考えると在庫は資産ではなく費用になります。経費になりかねないのです。だから在庫は「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」「必要なモノを、必要な時に、必要なだけ」生産したり運搬する仕組みが必要なんです。

⑥【動作のムダ】あなたの会社では、動作のムダを分析したことはありますか?よく観察してみると・・・生産活動の中にも付加価値を生まない動きがあります。人間が作業をするには、「動き」が必要です。しかし、その動きの中にムダがあります。肘を軽く曲げた状態でボクシングのジャブの動作をしてみて下さい。その範囲内で作業をしていれば OKです。その範囲から外れると、動作が大きくなりムダとなります。無理な姿勢の作業等、「やりにく」 =ムダ動作のムダが発生することになります。この他、物を取る・置く・ムダな動きや歩行があります。動作分析をして動作のムダを取り除きましょう!作業員から感謝されること請け合いです。

Ⅱ 片付けは雑用ではない Ⅱ- 1 【 5 Sの役割・位置づけ】

・整理と整頓の区別は間違い易く、整理して下さいと現場でお願いすると整頓してどこかにかたずけてしまい、どこに有るかわからなくなってしまいかえってムダを発生させることがあります。整理とは要らない物を即刻処分することです。

・整理して不要物がなくなった後は、必要な物を使いやすい様に置き場所を決めて明示することです。

・清掃とはきれいに清掃して異常が見える様にすることです。

・清潔とは 3 S(整理・整頓・清掃)を維持することです。

・皆で決めた事をやらない人が居たら注意して、歯を磨く様に習慣化するすることです。

・職場の異常に一目で気づく環境をつくる。

・問題と打つ手の見える化ができる。

・職場の活性化に繋げる事が出来る。

・安全第一の工場がつくれる。

・生産性向上につながる。

・5 Sをやることで品質が安定する。

・製造技術の進歩とともに 5 Sも進化する。 Ⅱ- 2 【 5 Sとは】

・整理して下さいとお願いすると、要らない物を捨てずに どこかに片付けます。これは整列です。整理とは言えない。 これは捨てる決定権がないのでいつもどこかに片付ける クセがついています。

・整理とは探す時間のムダ、スペースのムダをなくしコストダウンにつながる。また、異物混入のリスクも低減できるのです。

・整理とはこれ以上「もったいない」を出さないことです。

・整理とは使うかもしれない使わないかもしれない物を判断することです。

・整理とは不用品を捨てる決裁者を参画させることです。

・赤札の判断不明品置き場をつくり、保留期間を決めておくと 必要な物は一つまた一つねずみがひく様に消えて行きます。

・整理とは基準を明確にすることです。

・整頓とは、定位置・定品・定量の 3定準備です。

・整頓のコツ

・3定が乱れる理由

・清掃は点検そのもの

・犯人探しでは有りませんが、乱した人に必ず直してもらう様に して下さい。これを守らないと全体がやらなくなってしまいます。

・相互評価は常にチェックシートを使います。

Ⅲ 書類を取り出すのは「何秒」標準とは

・先ず基準、標準に対する現状レベルを把握します。・標準とは後で出て来ますが、経験者とベテランの差をうめるツールのことです。一般的には作業要領書(作業手順より詳細)という帳票を作成します。・標準があれば先に読んでおいてもらえば、現場で教えるのも楽だし 後で復習も出来ます。・基準、標準が不透明な場合は上位方針を基準にします。 ・「あるべき姿」を描き、現状とのギャップを明確にすることにより ムダが排除出来ます。・標準は繰り返し行う作業に対して作成します。・標準は一番良いやり方というより、この様にやりなさいという現場監督者の意志を展開したものです。・標準は現場で意見を出し合ってつくり上げていくものです。・標準作業の 3要素が欠けると仕事が作業者のペースになってしまいます。・サイクルタイムは単純に生産能力を示します。・タクトタイムは商品が売れるスピードでモノづくりをすることです。

タクトタイムの計算は在庫のムダをなくす方法を考えることです。・これによって適正人員が分かります。・これまでの事をまとめると以下の様に標準が完成します。 Ⅳ 片付けたら色々見えてくる「問題発見の視点」・現場を見る視点としてどの様な角度でメッシュを切るかその見方(切り方)を紹介します。・そのメッシュの切り方は4つ有ります。・実はベテラン社員は経験的に頭の中で 4 Mの変化を一つ一つ視点を 変えて確認しています。 これを 4 M変動と呼んでいます。 最近ではこの4つにメジャー(計測)を加えて 5 M変動と言います。・これは生産管理者、現場監督者の視点としても重要です。・この他 5大任務(生産・品質・安全・人事・原価)という括り方も有ります。

・計画や現場の進捗状況等を事務所や現場に貼りだして全員に共有化します。 ・5 Sも写真やカラー文字等を使ってビジュアルに見える化します。・標準の異常やラインが停止状態である等、その場で対応出来る様にします。・現場の予定に対して遅れているのか進んでいるのか一目でわかる様にする。 Ⅴ 「見えたらどうする」の考え方・という事で 目標が無いと解決すべき問題は発生しません。

・設定型の問題とは、あるべき姿と現状のギャップです。・あるべき姿とは資格試験で最低 70点を取らないと合格出来ないので現在 60点レベルならそのギャップを埋めることです。ありたい姿とは 70点レベルで目標資格を取得しているがその上のレベルへ上がりたいという更なる目標ということになります。・現状を棚卸して正確に把握して問題を明確にします。・仕事の本当の目的を原点に立ち返って確認することで問題意識が生まれ 原動力となり活動できます。・これは食品会社特有の改善で生ものを扱っている以上、乾燥させて細菌を繁殖させない様に常に床面他をドライに乾燥させた状態を保ちながら品質面を考慮した「ものづくり」が出来る環境を作る改善を例題に上げています。・目的は結果どうなるかという成果物が明確なことです。・これはトヨタの「立ちんぼ」のことを説明しています。実際に現場で現物を見て本当の問題を現実として捉える事なのです。

Ⅵ いよいよ現場観測です!・観測のポイントは、事実をありのまま細大漏らさずに正確に捉える事です。・現状分析の単位を ①工程、 ②単位作業、 ③要素作業、 ④動作の 4つに細分化します。・作業者が楽に早く仕事をするために、この部分の分析をします。・要素作業の動作部分を書き出します。・書き出した動作の開始・終了から作業時間を VTRから計測します。

・作業者全員(全体)の動きを見る場合は脚立等を利用して作業場全体を広角に写します。・四国の食品会社で製造終了後の清掃作業を VTRに収めた時の事です。高い位置から全体の状況が手に取る様に見えました。その状況を関係者で討議しましたが、非常に説得力の有る映像で課題解決への近道になりました。これは関係者全員が同じ映像から現地・現物・現実を共有出来た成果物なのです。 Ⅶ 作業観測から標準を作る・先ず現状を観測してそのままの姿をオモテヒョウジュンとして作成します。・現状把握から問題点を洗い出し、そこから標準作業を導き出します。

・工程別能力表よりボトルネックが見えるので、その能力を増強して整流の様によどみなく物を流します。・人と機械が一体化してのモノづくりは、どこにムダが有るかよく観察してムダ取りをして、結果効率を上げて行きます。・歩行のムダはレイアウト変更と機械の置き場所の変更で激減します。 Ⅷ 標準を作る為の帳票と考え方・この表は、各工程の能力を算出してネックとなる工程を見つます。現場へ行って滞留している工程が有ればその前後を確認して最低限必要な手持ちを決めて滞留をなくします。・この表では、ラインの作業者間のバランスが分かります。生産性の向上に使います。・この表では、主体作業・不随作業・準備後始末等の構成比が見えます。生産に寄与する主体作業の比率をいかに高めるか検討に使います。・主な観測用の帳票です。・タクトタイムは売れ行きに合わせて製造するというトヨタ生産方式の考え方です。

Ⅸ 改善の切り口を教えましょう(いよいよ実践!) Ⅸ‐ 1 問題とムダの発見職場や業務、工程の困ったり悩んでいる事は明確にする必要があります。その為に皆さんはどの様にしますか?私はそこで働いている人に先ずは質問する様にしています。問題の答えは現場にあり、ヒントは働いている人が持っています。現場をよく観察して仮説を立て確認を兼ねて質問をすると、その返事が解決課題となることがよく有ります。後はこれまで学んだ手法等を使って問題を解決するだけです。従って改善担当(工場長候補)はコンサルタントの様に質問力を磨く必要があります。ある時はカリスマ美容師の様に、お客の希望を受け取り希望以上に仕上げる。そしてある時は名医のごとく、その主訴より原因を見つけ治療するのです。 Ⅸ‐ 2 手待ちのムダ作業の段取り他が悪くて作業をしたくても作業がない、仕事量そのものが少ない。こんな工程が有ったら皆さんはどうしますか?これはその場でその工程に 30分も立って観察すると分かります。ただ通り過ぎたり、ほんの 5分 ~ 10分程見ているだけでは見えてきません。何故って、それは働いている人が自分でわざわざ仕事を作って忙しそうに働くからです。皆さん真面目で働き者なんです。適正な人員にしていない改善担当(工場長候補)が悪いんです。ここでは働いている人にお願いをします。「仕事が無かったら何もしないで立っていて下さい」このひと言で、この工程の貼り付け人員(必要人員)を適正化する事が可能です。また何故手待ちが発生するか、前工程を見る必要があります。以上により学習した標準手持ちが決定します。 Ⅸ‐ 3 動作のムダ付加価値を生まない人の動き、機械の動きが見えたらあなたならどうしますか?そうです。質問力を発揮して作業者に困っている事を聞くのです。普通はその作業に慣れてしまって動作のムダに気づかず「特に有りません」という場合が多いです。そういう返事だったら、次はどうしますか?その通りです。仮説を立ててまた質問しますよね。「もう少し近くに前工程の人が居たら、歩行が少なくなって楽になりませんか」「なるほど」と作業者に気づいてもらうのです。「気づき」です。気づきからはじまって、いっしょにレイアウトを考えてもらいましょう。結果、皆が参加して改善したという事実が出来るのです。※改善の他に成果物として、成功体験が従業員に出来ました。おまけに参画意識です。 Ⅸ‐ 4 5 S導入 ①形式的な 5 S導入はやってはいけません結果は片付け運動に終わり、どこに何が有るかわからなくなってかえって作業性が悪くなります。 ②自分の職場にどれだけ多くのムダがあるかを洗い出します。定点観測(決まった場所、決まった時間に観測)と動線より職場にどの様なムダが存在するかを洗い出します。 ③ 5 S推進の担当者を決めます会社で 5 Sを行う場合は、先ず 5 S委員を決めます。よくやる間違いは・・・委員が 5 Sをやる担当だと勘違いして、委員以外は知らぬ顔しています。委員の役割は、委員会の決定事項を職場に伝達して 5 S推進の協力を求め逆に職場の意見を委員会に伝達して 5 Sが円滑に進む様にする潤滑油役です。 ④ 5 Sの対象箇所を決定します「探す時間がかかる、間違い易い、すぐ取り出しにくい」という困っていて尚且つ関心を持っている所から順次取り上げます。 ⑤ 5 Sのルールを決めます整理整頓のルールを決めます。お金をかけないで創意工夫する事と手作りに近いものが理想です。表示方法、必要以上に置かない様に置く数量の決定、取り出し易い置き方ルールに従って該当場所・整理日・役割分担等を決めます。(決して声の大きい人に惑わされない、関係者に納得のルールに従うこと) ⑥改善の結果が目で見てわかる様に写真で掲示しますあるべき姿を写真に撮って、その様に日々なっているか目で見て確認します。※ここまではどこの教科書にも書いてあります。手順手法のマニュアル本はいくらでも有ります。 ⑦私の経験では上記通りやってもことごとく失敗しました。これに加えて必要なノウハウが実は有ります。それは全員参加を【仕組み・仕掛ける】事が出来るリーダーが不可欠なんです。またそれを推進する(事業所最高権限者を含む)組織が必要です。その為には先ずタスクフォース(課題達成チーム)を発足します。そしてそのチームメンバーに現場力を強化します。従業員教育が出来る基本を叩き込みます。大工場であれば、 4名 ~ 5名程度のリーダーで仕組み仕掛けのマスタープラン(計画)を作成してチームに落とし揉みます。共通認識・合意形成後に実行に移します。そして PDCAを毎週継続的に回します。毎週進捗確認をチームで実施します。最後に外部チェックの仕組みを構築して定期的に営業取締役等に視察を依頼します。※この外部チェックによる指摘が次の目標と歯止めになります。(重要) ⑧ありたい姿としては、工場に得意先の工場見学予定が毎日の様に入ってショーウインド-化する事です。(営業力強化につなげよう)

Ⅹ 定着・習慣化に向けて・ここでは質問力を発揮して作業者に改善実施後の状況を自分の目と耳で確認そして口で本音を聞き出します。・長期的視野で評価して成果物を急がないことが大切です。・リーダーは作成者が新しいやり方に慣れるまで温かく応援しましょう!・改善によってかなり良くなったではなく数値化して評価しましょう!・グラフや表を使って色鮮やかにビジュアル化して皆が注目する様に工夫して行きましょう‼・定数・定位置・定品の 3定であれば、あるべき姿の写真を撮って現物と比較できるように標準化して行きましょう!・急所は具体的に行動レベルで表現しましょう‼・作業要領書を使って作業することは、実際の作業との比較が出来て異常に気づき更なる改善につながります。・作成してからが勝負です。そのメンテがなかなか出来ません。そこでメンテナンスはその都度、食後の歯磨きの様に習慣化して行きましょう‼

・上記の様に作成してみましょう! ・PDCAを回しましょう!・問題の再発見が出来るレベルが目標です。・正しいスパイラルにして行きましょう‼・改善に終わりは有りません。継続こそ力です。 引き続きワクワク生きましょう!最後に最後まで読んで下さってありがとうございます。簡単に自己紹介を致します。・パーソナルブランドコンサルタント、 人財育成コンサルタント業務改善イストラクター(トヨタ生産方式)、能力開発アセッサーの『 GG. FUJIWARA』です。・企業内で埋もれている社員の個性を掘り起こし自分ブランドをトータルで支援する、パーソナルブランドコンサルタントです。・大手食品会社管理職在職中、工場長として 37歳から人材発掘に注力し、自身が企画し講師を務める社内セミナー参加者は労組ライフプランセミナーで 400名、管理職セミナーでは 100名を超え、その中から 70名を超える管理職を輩出する。・工場長時代他、 OJT指導した従業員は 2000人を超える。また、自身が構築した、労務管理の手法は社内外で好評です。 ・2004年からトヨタの OBと取り組んだ生産工場プロダクトシステムでは業務改善インストラクターとして 10年実践して来ました。結果、簡単に出来そうで出来ない『 5 S』を再現性の有るノウハウにする事が出来ました。

 

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