SeizetheMomenttoActonYourGoals
私たちは時間に追われる生活を送っています。そして、達成したい目標はひとつではありません。ですから、今日、目標達成のために必要な行動ができなかったとしても仕方のないことかもしれません。
しかし、今日、運動をする時間を取ることは、本当にできなかったのでしょうか。もらっていた電話にかけ直す時間は、本当になかったのでしょうか。
成功をつかむには、日々、ささやかな行動をやり続ける必要があります。
目標達成のためにやるべき行動を着実に実行するためには、「いつ何をやるか」をあらかじめ予定に入れておくべきです。例えば、「月曜日、水曜日、金曜日には出勤前に必ず30分運動する」というように、です。
このように日々の計画が、具体的な行動レベルまで明確になっていると、その行動をする可能性は300パーセントも高まることが、心理学の研究から明らかになっています。
何をするべきかが明確であれば、脳はそれをする機会を逃さず、行動に移すことができるのです。
目標達成の切り札─if thenプランニング
時間を効率良く使って、やるべきことを集中力を持ってやり遂げたいと思っても、実行するのは簡単ではありません。
仕事仲間に集中を邪魔された。次々と送られてくるメールに気を取られてしまう。
なぜか、あまり重要ではない仕事に時間をかけてしまった……。こうした経験は誰にでもあるはずです。
目標達成への行動を邪魔したり、集中力を妨げるものには、どう対処したらよいのでしょうか。やるべきことが多すぎて、何から手をつければいいかわからないとき、どう考えたらいいのでしょうか。
こうした事態に対処する、心理学で効果の実証された簡単な方法があります。
それは、ift henプランニングと呼ばれる方法です。
「if then」とは「もしこうなったら、こうする」という意味ですが、どんな目標を達成する場合でも役立つ、強力な手法です。
ダイエットからフィットネス、そして交渉から時間管理に至るまで、これまでの何百もの研究成果の蓄積から、はっきりわかったことがあります。
それは「どんな行動をするかを事前に具体的に決めておく」ことで、それが実行される確率が高まるということです。
ただ決めるのではなく、事前に「いつ」「何を」やるかを、はっきりと決めておく─これで実行できる確率は2倍から3倍も高くなります。
例えば、「16時になったら、何があっても、今日かけるべき電話はすべてかける」といったように決めるのです。
あなたが仕事で関わる大切なプロジェクトでも、健康や人間関係などの個人的な目標でも、if thenプランニングの習慣は強力な味方になるでしょう。
if thenプランニングはとてもシンプルです。
基本形は次の通りです。
「①(if)もし、Xだったら、②(then)Yをする」(=IfXhappens,thenIwilldoY.)具体例で説明しましょう。
①(if)もし、午前中に報告書を書き終えられなかったら、②(then)午後最初の仕事は、その報告書を書き上げることにする。
①(if)もし、同僚とのおしゃべりで仕事がはかどらないなら、②(then)おしゃべりタイムを5分と決めて、5分後には仕事に集中する。
①(if)もし、午後6時になったら、②(then)会社のジムで汗を流す。
意識せず、毎日着実に行動するこうしたシンプルな行動計画に、どれほどの効果があるのでしょうか。
それを研究した心理学の実験をご紹介しましょう。
この実験では、「運動を習慣化したい」という目標を持つ人が被験者となり、半分の被験者がifthenプランニングを行いました。
①(if)もし、月曜日、水曜日、金曜日になったら、②(then)仕事の前に1時間ジムで汗を流す。このように目標を立てたのです。
残りの被験者には、ifthenプランニングのテクニックを教えずに、普通に目標設定をしてもらいました。結果は驚くべきものでした。
数週間後、ifthenプランニングをした被験者の91パーセントが運動を習慣化することに成功しました。それに対して、普通の目標設定をした人は、31パーセントが成功したに過ぎませんでした。
他にも、乳がん手術の1ヶ月後検診で同様の実験を行ったところ、やはり大きな違いが出ました。
if thenプランニングをした人の受診率は100パーセント。そうでない人は53パーセントでした。
また、子宮がん検診では、前者が92パーセントであったのに比べ、後者は60パーセントの結果でした。
ifthenプランニングに絶大な効果がある理由は、この手法が強く脳に訴えかけるからです。つまり脳は「XならY」という文章を記憶しやすいのです。
そして、無意識のうちに、それに従って行動することができるようになるのです。
一度、ifthen式の計画を立てると、その後、脳は無意識に周囲をスキャンして、行動の合図を探し回るようになります。
これによって、しなければならないことを、決めたタイミングで実行することができるようになります。「あ、もう4時だ!電話をしなくっちゃ」というように、です。
つまり、事前にするべきことをはっきりさせておけば、意識しなくても、行動すべきときに自動的に行動できるのです。
「やらなくっちゃ」とずっと気にかけておく必要もありませんし、「何をすればよいのか」と迷うこともありません。ここで大切なのは「意識しなくても」ということです。
そのときが来るまで他のことに集中できますし、忘れてしまっても問題はありません。そのときが来れば、自動的に脳が行動を起こさせてくれるのですから。
「いつもやるべきことがありすぎて、結局何もできなかった……」「時間管理・目標管理がどうしてもうまくできない……」実は、こうした悩みへの対処法は、それほど難しくはありません。
まず、やるべきことをはっきり決めること。それをif thenプランニングに落とし込むこと。これで、あなたは1日を何倍にも有意義に使いつつ、目標達成への行動を着実に実行することができるのです。
第2章のまとめ
1目標達成のために、すべきことを明確にする。
2「いつ」「どんなときに」行動に移すのかを考える。
・どんな状況になったら、それをするのでしょうか?3ifthenプランニングに落とし込む。
(例):①(if)もし、月曜日の朝8時になったら、②(then)私はジョギングをする。
4何が障害になるかを考える。あなたが目標に近づくことを阻む、あらゆる誘惑や障害を書き出す。
5障害への対処を考える。
・あなたはその障害にどう対応するでしょうか?・どうやったらその障害に打ち勝てると思いますか?
6もう一度ifthenプランニングを考える。(例):①(if)もし、職場で嫌なことを言われて頭に来たら、②(then)私は30秒深呼吸をして、冷静な対応をする。
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