MENU

第5章「成長すること」に集中する

目次

FocusonGettingBetter,RatherthanBeingGood

「自分には成功する力がある」と信じることと同じくらい大切なことがあります。それは「今できなくても、できるようになる」と信じることです。

能力は伸ばすことができる多くの人が「知能・性格・身体能力は生まれつき決まっていて、自分の努力ではどうしようもない」と考えています。

つまり「がんばっても頭は良くならない(性格は変わらない、身体能力は上がらない)」と信じているのです。その結果「今の自分ができると思える範囲で目標を立てる」ことになります。

つまり、目標が「自分の未知の能力を引き出す」ためのものではなく「すでにある自分の能力を証明する」ためのものになってしまっているのです。

これは、本当にもったいないことです。

なぜなら「能力とは生まれつき決まっているもので、変えることはできない」という考え方は間違っていることが、多くの研究で実証されているからです。

どんな分野の能力でも、一般に思われているより、ずっと柔軟性があるものです。つまり、能力は努力次第で伸ばせるのです。

「私は、自分が望むように変わることができる」─そう思えれば、人生はどれだけ自由でエキサイティングなものになるでしょうか。

新しいことに挑戦する「心の持ち方」

目標を設定するときには「今、何ができるのか」ではなく「これから、何ができるようになりたいか」を考えるようにしてください。

目標は、自分の能力を証明するためにあるのではなく、自分を向上させるためにこそある、と考えるようにしてください。

職場においても、次々に新たな課題に挑戦する人もいれば、〝ことなかれ主義〟の殻に閉じこもって、失敗を避けることだけを考えているような人もいるはずです。

誰でも、新しく未知のことに取り組むのは怖いものです。初めてのことに挑戦するときには、失敗する確率が高いのは誰にとっても同じことです。

「新しいことに挑戦する勇気が出ない」「どうしてもその気になれない」と思う人には、この章で学ぶことは、自分自身を変えるきっかけになるはずです。

心理学で裏付けられた「新たなことに、自信と活力を持って挑戦する方法」があります。それはあまりに単純で、驚いてしまうかもしれません。その方法とは「失敗してもいい、と開き直る」ということです。

「えっ、それだけ?」─そう思うのも当然です。

失敗したくないから、新たな挑戦は怖いのに、事もあろうに「失敗してもいいと思いなさい」と言われても納得できるはずはありません。

「失敗したら、責任を取るのは私自身なんですよ」と言いたくなるのもわかります。

「証明ゴール」と「成長ゴール」

もう少し、説明を続けましょう。

「失敗してもいい」「失敗なんて何でもない」と考えると、実際に失敗する確率は大幅に低くなるという研究結果があります。

なぜそうなるのでしょうか。

目標には、2つのタイプがあります。

ひとつ目のタイプを、私は「証明ゴール(BegoodGoals)」と呼んでいます。これは「自分にはそれをする能力がある」「私はやり方を知っている」ということを証明するための目標です。

もうひとつのタイプは「成長ゴール(GetbetterGoals)」と呼んでいます。

このタイプの目標の焦点は「能力を伸ばして、今までできなかったことをできるようにする」という点にあります。

「証明ゴール」の問題点は、まったく未知の課題や難しい課題に取り組むときに、逆効果になる可能性があることです。

「正しいことをやっているのだろうか」とか「自分には本当にできるのだろうか」という思いが湧いてきて、不安にとらわれる─せっかくの目標が、ネガティブな考えの原因になってしまうのです。

能力を発揮することを阻害する最大の要因は不安感です。これは多くの研究から明らかです。不安感こそが能力発揮の最大の敵なのです。

次に「成長ゴール」について見てみましょう。目標に向かっているとき、そこで出会う困難を「学び」という視点で捉えることができたら、どうなるでしょうか。

失敗しても「また、ひとつ学んだ」と思えれば、がっかりすることなくモチベーションを維持することができます。つまり「成長ゴール」は失敗の落胆から、あなたを守ってくれる味方となるのです。

リーハイ大学において、私がローラ・ゲレティと行った研究をご紹介しましょう。この研究では、学生たちの目標タイプを調査した上で、彼らにテストを受けてもらいました。

テストでは、回答不能の問題を出したり、学生の集中を妨げるような状況をつくるなど、さまざまな困難を設定しました。

その結果は「証明ゴール」タイプの目標を持っている学生(つまり、自分の能力を証明したいと考える学生)は、テストが困難なものになると一様に成績が下がりました。

その一方で「成長ゴール」を持つ学生(つまり、テストは新たな問題解決の仕方を学ぶ機会だと思っている学生)は、私たちが設定した意地悪なテストに対して、まったく動揺を見せませんでした。

どれほど問題を難しくしたり、集中を妨げても、彼らのモチベーションは高いままでした。実際、成績も良かったのです。

新たなプロジェクトや目標に向かうとき、たとえそれがどんなに難しいものだとしても、多くの人は完璧にやらなければと思うものです。そのせいで「失敗するかも」と不安になってしまうのです。

よくあることですが、こんなときには意識することなく「証明ゴール」に向かってしまいます。

そして、自分の能力を証明しようとすると「成長ゴール」で自分を成長させようと思う人よりも、より多くのミスを犯し、不本意なパフォーマンスに終わってしまうのは皮肉なことです。

2つのゴールの差はこれだけではありません。

「成長すること」にフォーカスすると「仕事の意味」が変わってきます。誰でも、自分が成長している実感があるとき、仕事を心から楽しみ、喜びを感じることができます。

成長を実感する充実感は「完璧」を目指す緊張感とは、まったく別のものです。

「そもそも仕事は楽しいものなんかじゃない」「仕事に楽しさは期待していない」─そう言いたい人がいるかもしれません。

しかし、私は自信を持って言うことができます。「楽しい仕事ほど、人のやる気をかき立てるものはありません」と。

興味を持つことが活力を高めてくれるどんな仕事であっても、困難や混乱、思いがけない障害はつきものです。

そんなときに、やる気を奮い立たせてくれるのは「興味を持って、仕事を楽しむという姿勢」と「自分の仕事には価値があるのだという信念」です。

人は、興味のあることには、なかなか疲れを感じないものです。

実際、最近の研究でも、興味のある課題に取り組む人は活力の高い状態を維持できるということもわかってきています。

その研究とは、カリフォルニア州立大学の心理学者たちによって行われたものです。研究では、まず被験者にかなり疲れる難しい課題に取り組んでもらい、その後、彼らをふた組に分けました。

一方は「たいへんだけれど、被験者が興味のある課題」に取り組んだグループで、もう一方は「比較的簡単だけれど、興味を持てないつまらない課題」に取り組んだグループです。

その結果は、前者の方が、より多くの努力を傾け、成績もかなり良かったのです。後者のグループよりも、かなり難しい課題だったにも関わらずです。

「興味を持つ」ということがどれほど大きなアドバンテージになるかが、この実験からわかります。

さらに別の研究では「興味を持って取り組んだ人は、それに続く仕事でも良い成果を上げることができる」ということも明らかにされています。

例えば、Aという仕事がとても興味深いものだったとします。その興味のおかげでAを首尾良くやり遂げられたとすると、次のBという仕事でも良い成果を上げることができるということです。

興味のある仕事をしたおかげでエネルギーが維持され、それが次の仕事にも良い影響を与えるのです。これらの研究をした心理学者たちは、続けてある実験をしています。

それは「興味を持つこと」と「ご機嫌でいること」が、仕事にどう影響を与えるのかについての実験です。その結果も、とても興味深いものでした。「ご機嫌でいること」は少なからずエネルギーの維持に貢献していました。

しかし、その度合いは、人が興味を持って何かをしているときとは、比べものにならないほど低かったのです。つまり、「機嫌の良し悪し」よりも、「興味の有無」の方が圧倒的に人の活力を高めるのです。

これからは何をするにせよ、最初から自分自身に完璧を求めないでください。「どんなことでも習得にはある程度の時間がかかるものだ」と思うことです。

そしてやるからにはそのことに興味を持ち、価値あることだと信じることが大切です。そのことがあなたの成功へのモチベーションを高め、同時につまらない失敗をする確率を低めてくれるからです。

第5章のまとめ

1焦らず、完璧主義にならないようにする。

物事のコツをつかむには時間が必要だということを知ってください。

最初は失敗するかもしれませんが、それも当然のことだと思ってください。

2うまくいっている人に助けを求める。

すでに結果を出している人、うまくやっている人を探して、フィードバックをもらえるようにお願いしてください。

恥ずかしがらずに助けを求めてください。

助けを求められて、あなたを低く評価する人はいません。その真剣さは必ず評価されるでしょう。

3人と自分を比べない。あなたは成長していますか?今の自分と過去の自分を比べてみてください。もし答えが「ノー」ならもう一度2に戻ってみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次