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第3章スピリチュアルを物理学で解明する

第3章スピリチュアルを物理学で解明する第2章でも見たように、身体の問題も、心の問題も、スピリットの問題も、すべて体中の細胞に保存された記憶が原因になっている。

ここで特に大切なのは、人生で経験するすべての症状の原因になっているということだ。

思考や感情だけでなく、はっきりした身体的な症状も含まれる。

問題は、骨や血液や組織ではない。

物質ではなく、エネルギーの問題だ。

アインシュタインがE=mc2という有名な方程式で証明したように、すべての物質はエネルギーだ。

この世に存在するすべてのものは、エネルギーのパターンでできている。

自然治癒の専門家のウィリアム・コリンジはこう言っている。

「アインシュタインは、物理学を通して数千年前から賢人たちが言ってきたことを証明した。

この物質世界に存在するものは、動くものも、動かないものも、すべてエネルギーでできていて、すべてのものがエネルギーを発している」(注1)。

とはいえ私たちは、まだこの発見を人生で活用できていない。

たいていのアファメーションは役に立たないスピリチュアルを活用して何かを達成しようとする人は、たいていアファメーション(ある言葉を唱えて意識を高めようとする方法・編集注)という手法を使うだろう。

物質的なものでも、非物質的なものでも、あらゆる結果は思い込みから生まれるというのなら、その思い込みを変えればいい。

しかしこの方法は、とても重い岩を持ち上げるのに似ている。

思いっ切り力を出せばできるかもしれないが、怪我をする危険も大いにある。

ある日のこと、私はある男性と一緒にいた。

彼は近ごろお腹の調子がよくないらしく、あらゆる場所でアファメーションを実行していた。

「私のお腹の問題はすでに消えた。

お腹の問題は完全に癒やされた」と、何度もくり返していた。

私はしばらく静観していたが、ついに口を開いて「その方法で治るのですか?」と尋ねた。

彼は「ええ、本当に治ります」と答えた。

それから3か月がたち、彼はまだ、例の「私のお腹の問題はすでに消えた。

お腹の問題は完全に癒やされた」という言葉を唱えていた。

何年か前、カナダのウォータールー大学が、アファメーションの効果について実験を行った。

アメリカでも、CNN、ABC、NBC、FOXなどのテレビニュース、それに各種新聞で大きく取り上げられた。

その実験によると、元から自尊心の高い人は、自尊心を高めるアファメーションによってさらに自尊心が高まったという。

逆に自尊心の低い人は(被験者の大部分がこちら側だった)、ポジティブなアファメーションをくり返すことで、さらに自尊心が低くなってしまった(注2)。

なぜこんな結果になったのだろう。

思い込みの力で何かを達成するとき、いちばん大切な要素は「真実」と「愛」だ。

本物の結果を出したいなら、何よりもまず、嘘ではなく真実を信じる必要がある。

そして愛にもいろいろあるように(たとえばアガペーとエロス)、真実にもいろいろある。

私が考える真実の分類は、「プラシーボ」「ノーシーボ」、そして「デファクト」だ。

プラシーボの真実とは、ポジティブな嘘のことだ。

薬のプラシーボと同じで、この嘘を信じれば一時的にはいい気分になれる。

研究によると、薬のプラシーボは32パーセントの確率で効果が出て、効果の持続時間は一時的だ(注3)。

ノーシーボの真実とは、ネガティブな嘘のことだ。

ネガティブな嘘を信じると、ポジティブな出来事が妨げられる。

これは、第2章で見た、成功を妨げるプログラミングとだいたい同じようなものだ。

親しい友人で、映画『ザ・シークレット』の出演者の中で唯一の医師であるベン・ジョンソンが、以前にある患者の話をしてくれた。

その患者は、父親も、祖父も、曾祖父も、みな40歳のときに心臓発作で亡くなっているという──これはかなり珍しいケースだ。

その患者自身は、心臓はどこも悪くなかったが、それでも自分も40歳で死ぬと確信し、すっかりおびえていた。

そして40歳になると、確信が現実になった。

ところが検死解剖を行ったところ、彼の身体はどこも悪くなかったのだ。

心臓は元気で、発作も起こしていない。

他の病気もまったく見つからなかった。

ノーシーボ効果で実際に死んでしまったのだ。

そして三つ目のデファクトの真実とは、物事のありのままの真実、または客観的な現実という意味だ。

信じている内容がこれであるなら、アファメーションは100パーセント成功する。

ここで一つ大事なことを指摘しておきたい。

それは、プラシーボとノーシーボの真実は恐怖から生まれていて、デファクトの真実は愛から生まれているということだ。

アファメーションがうまくいかないのは、内容が嘘だからであり、そして愛の気持ちで行われないからだ。

ただ自分の利益だけを考え、恐怖から生まれたアファメーションなら、おそらく愛の気持ちで行われていないだろう。

ここで、前に登場した「私のお腹の問題はすでに消えた」というアファメーションを例に考えてみよう。

第一に、このアファメーションは本当のことではないが、言っている本人はこの状態になることを本当に望んでいる。

しかしすでに見たように、この種の思い込みは本物の効果にはつながらない。

そして第二の問題は、愛の気持ちで行われているかどうかということだ。

人の気持ちを断定することはできないが、少なくとも彼の中に恐怖の気持ちがあることはたしかだろう。

恐怖は愛の対極にあり、利己主義とストレスを生む。

そもそもお腹の具合が悪いのもそれが原因だろう。

私も以前、1年半ほどかけてアファメーションの効果を試してみたことがある。

そのとき、医療の世界でストレスを測定する手法として使われている心拍数変動テストも併用した。

その結果わかったのは、アファメーションの内容を自分で信じていないと、それを口にしたときにストレスのレベルが急上昇するということだ。

そして、そのストレスこそが問題の原因だ。

つまり、ストレスが生んだ問題を解決しようとして、さらにストレスをためているのである。

アファメーションが成功するには、自分に正直になって愛の気持ちで行い、なおかつアファメーションの内容を本当に信じていなければならない。

非現実的な希望と、絶対に本当だと心の底から信じていることはまったく違う。

アファメーションの内容を本当に信じていれば、結果を出すことができるだろう。

最近の研究によって、本人がすでに信じていて、なおかつ本当のことなら、アファメーションに効果があることが証明されている(注4)。

ここで大切なのは、アファメーションの内容が、三つの基準をすべて満たしているかということだ。

三つの基準とは、愛から生まれていること、真実であること、そして本人が信じていることだ。

ただ「アファメーション」と名前がついているからといって、効果があるわけではない。

本当の真実は、代数の問題を解くように見つけるものではない。

むしろ、道に落ちている20ドル札を見つけるのと同じだ。

心と頭を真実で満たし、そこに愛を加え、手に入れようとしている結果に執着しないようにすれば、いずれ本当の意味で信じられるようになる。

目で見て、触れて、味わうことができる──とにかくわかるのだ!潜在意識を汚染するウィルスを駆除しなければならないのは、それが完全な真実を信じるのを妨げている嘘だからだ。

ウィルスを駆除すれば、真実をご

く自然に取り込めるようになる。

この新しいメカニズムが、あなたの良心だ。

良心のプログラムは、完全な真実と愛に対応するために、つねにアップデートされている。

それでは、役に立たない思い込みを捨てて、本当の真実を見つけるにはどうすればいいのだろうか。

その方法は、実はとても簡単だ。

それは「理解する」ことだ。

プラシーボ、ノーシーボ、デファクトの違いは、本当の真実を理解しているか、それとも誤解しているかというところにある。

私のクライアントにも、誤解している人がたくさんいた。

真実を信じているけれど、人生で何の変化も起こらないというのなら、それは十中八九、真実を誤解していることが原因だ。

欠けていたパズルのピースを見つけ、本当の真実が完成すると、あとはごく自然に信じられるようになる──そしてその結果、以前なら不可能だったような成功も可能になるのだ。

私のクライアントたちも、ついに真実を理解すると、「ああ、なるほど」と言ったり、「やっとわかった」と言ったりする。

そのとき、誰もが大きく息をして、顔には輝くようなほほえみが浮かんでいる。

これが、本当の意味で「信じた」瞬間だ。

デファクトの真実だ。

欲しいものを手に入れるには、愛と真実が必要だということは、実はほとんどの人がすでに知っている。

正直であるのは正しくて、嘘は間違っているということは、本能的に知っている。

他人を助けるのは正しくて、他人を傷つけるのは間違っているということもわかっている。

むしろ、できることならすべてのことを愛と真実の気持ちで行いたいと思っているぐらいだ。

それなのに、なぜ実践できていないのだろうか?私自身も、人生の大部分で愛と真実を実践できていなかった。

今でも完璧にできているわけではないが、以前よりもましになったことはたしかだ。

そして、あなたにもそうなってもらいたい。

この本を書いているのも、ひとえにそのためだ。

この本で紹介する「偉大なる原則」が生まれたのは今から25年前だ。

以前はこの原則が世間で認められず、ずいぶんと攻撃もされてきた。

しかし最近になって、科学の研究によって原則の正しさが証明されてきている。

以前はまったくの異端だったのに、今は最先端の科学だ。

たとえば、主流派の医師たちの中にも、すべての物質はエネルギーであるという説を信じる人が出てきた。

自身のテレビ番組を持っているドクター・オズことメフメット・オズ医師も、2007年に、医学の次の大きなフロンティアはエネルギー医療になるだろうと言っている。

私自身は、この分野を単純に「スピリチュアル物理学」と呼んでいる。

スピリチュアルと科学を融合させ、人生のあらゆる分野で本物の成功を手に入れる道を切り開いたからだ。

この章では、プラシーボやノーシーボの思い込みを、デファクトの思い込みに変えなければならない理由を説明する。

あなたもそれを読んで納得し、この25年の間に私のクライアントたちが起こしてきた奇跡をぜひ体験してもらいたい。

そもそも人間には、ネガティブな効果を生み出す機能はないアインシュタインのE=mc2がすべてはエネルギーであることを証明しているなら、愛もまたエネルギーだということになる──そして、他のすべてのエネルギーと同じように独自の周波数がある。

実際、愛と光は同じコインの裏と表だ。

どちらもポジティブな癒やしの周波数を持っている。

ただ光のほうが、愛よりも存在がわかりやすくなっているだけだ。

そして愛と光の対極にあるのが、恐怖と暗闇だ。

この二つも同じコインの裏と表の関係にあり、暗闇のほうが恐怖よりも目に見えやすい。

私は医者を見つけると、いつもこの質問をしている。

「精神、肉体、癒やしのシステムがすべて完全に調和し、つねに機能していたら、普通の生活をしている人が病気になることはあるのですか?」これまでに200人以上の医師に尋ねてきたが、答えはすべて「ノー」だった。

毒性の強いウィルスに感染した場合などは別だが、普通の生活をしていて、免疫機能と、精神と魂の癒やしのシステムが完全に機能していたら、病気になることはありえないのだ。

人体の癒やしのシステムについて、大切なことを二つ指摘しておこう。

一つは、この癒やしのシステムは、肉体だけでなく、その人という人間のすべてを司っている。

すべてとは、肉体と精神と魂のことだ。

癒やしのシステムには、肉体を守る免疫機能だけでなく、怒り、悲しみ、恐怖、不安、心配などのネガティブな感情を癒やし、愛、喜び、平安を生み出す機能もある。

そしてもう一つの大切なこと。

それは、ネガティブな症状(痛み、恐怖、病気、怒りなど)が現れるのは、実際にネガティブなものが存在するからではなく、ポジティブなものが存在しないからだ。

認知神経科学者のキャロライン・リーフ博士によると、そもそも人間には、ネガティブな効果を生み出す機能は備わっていないという。

私たちの肉体も、精神も、魂も、健康、活力、免疫力といったポジティブな効果だけを生み出すようになっている(注5)。

自然の状態でいれば、健康で幸せになるようになっている。

癒やしのシステムがつねに働かない理由は、たった一つしかない。

それは「恐怖」だ。

第1章でも見たように、恐怖がストレス反応を生むと、記憶の銀行から恐怖の周波数(またはシグナル)が脳の視床下部に向かって送り出され、ストレスのスイッチがオンになる(ストレス反応が恐怖反応とも呼ばれているのは、決して偶然ではない)。

この反応は生存本能の一環であり、生き残るために必要な機能でもある。

怒りを感じるのは、自分が怖いと思っていることが起こっているからだ。

不安になったり、心配したりするのは、恐れていることがこれから起こりそうだと思うからだ。

悲しんだり落ち込んだりするのは、恐れていることがすでに起こってしまったからだ。

もう取り返しがつかないと思い込み、無力感にさいなまれている。

誰かや何かを許せないと思うのは、正しくないことが起こり、そのままずっと正しくない状態が続くと恐れているからだ。

拒絶されたと感じるのは、誰かが自分を愛してくれない、受け入れてくれないと恐れているからだ──そして人間は、本能的に受け入れられることを求めている。

他にも例はいくらでもあげることができる。

このように、人生で経験するネガティブな感情は、すべて恐怖と間違った思い込みから生まれているのだ。

そして、すべての恐怖は、愛がない状態から生まれる。

暗闇が光のない状態から生まれるように。

恐怖から生まれたネガティブな感情や思い込みは、癒やしのシステムの機能を低下させる。

ときには完全に機能を停止させてしまうこともある。

その状態が長引くと、いつか必ず病気になってしまうのだ。

それと同時に幸福感が低下し、成功への道も閉ざされ、人生への満足感も失われてしまう。

それでは、どうすれば自分の中にある恐怖を消すことができるのだろうか?その答えは「愛」だ。

愛が恐怖の解毒剤になる。

高名な医師のバーニー・シーゲルは、著書の『奇跡的治癒とはなにか』(日本教文社)の中で、愛の力が奇跡の治癒を実現させた例を何度も目撃したと書いている。

それは私も同じだ。

そしてここで、物理学の出番になる。

つまり、愛の周波数が、恐怖の周波数を完全に中和するということだ。

ちなみに、古代ヘブライ語では、「治癒」という言葉は「光で目が見えなくなる」という意味で使われている。

これもまた、愛と光と癒やしの関係を証明する事例の一つだ。

1952年、レスター・レヴェンソンという男性が重い病気に苦しんでいた。

そして二度目の心臓発作を起こすと、もう助からないと医者にも見放され、家に帰って死を待つことになった。

たとえ一歩でも歩いたら、それで終わりだ──医者からはそう警告されていた。

この恐ろしい言葉を聞いたレヴェンソンは危機感を覚え、必死になって治療法を探した。

伝統的な医学ではもう助からないようなので、それ以外の方法も調べていった。

そして彼は答えを見つけた。

「愛」だ。

レヴェンソンもまた、私と同じような「生まれ変わる啓示」を経験し、愛がすべての問題を解決

すると悟ったのだ。

それから彼は、すべての人を愛し、すべてのものを愛するようになった。

愛から生まれていないすべての思考と感情を手放した。

その結果、病気は完全に治癒し、それから40年にわたって自分の発見したことを人々に教えてきた。

彼の発見は、「セドナメソッド」と呼ばれている(注6)。

恐怖から生まれたネガティブな症状は、すべて愛の力で治癒することができる──心の問題だけでなく、身体の問題も同じだ。

愛から生まれた思考、信念、記憶は、心身のストレスを取り除くことができる。

潜在意識が「見ている」ものここからは、スピリチュアル物理学の「スピリチュアル」に注目して見ていこう。

何度も出てきたハート(潜在意識、または無意識)の概念を、ここでまた思い出してもらいたい。

ハートは、人生のすべての問題が生まれる場所だ(第2章でも見たように、科学者たちはこれを細胞記憶と呼んでいる)。

古代ヘブライの教えによると、潜在意識には想像力が欠かせないという。

そしてアインシュタインは、自分の最大の発見は、相対性理論でも、エネルギーでも、数式でもないと言っている。

想像力は知識よりも強力であると発見したことが、彼にとっていちばん重要だった。

アインシュタインの発見は、すべて想像力から生まれたからだ。

私のスピリチュアルの先生のラリー・ナピアも、最初に教えてくれたのは想像力だった。

すべてのものは、想像力によって実現する。

たとえば建築物がそうだ。

工事を始める前に、まず頭の中にできあがった建物の姿があるだろう。

次に、想像の中の建物を図面に起こし、そこで初めて工事が始まる。

ジーンズも、チョークも、カメラも、エジソンの電球も、アインシュタインの相対性理論も、すべて頭の中で想像されたものから始まっている。

地球上に存在するものは、すべて想像力から生まれた。

そして人間なら、誰もが想像力を持っている。

自分の中にある想像力にアクセスすることが、すべての問題を解決するカギだ。

想像力さえあれば、すべての源であるハート(潜在意識)に直接アクセスし、そのメッセージを解読することができる。

それでは、治療法としては伝統的な西洋医学に分類されるのか、それとも代替医療なのか?その答えは、「どちらでもない」だ。

これはスピリチュアルに分類される。

科学では完全に解明できないからだ。

科学はこれまでに、さまざまな人体の謎を解き明かしてきた。

血液、ホルモン、臓器などのことなら、科学で説明できる。

脳神経科学の研究で、思考の仕組みまでも解明されてきた。

しかし、頭の中のイメージを見る仕組みについては、まだわかっていない。

私が思うに、おそらくその仕組みは、永遠に解明されないだろう。

なぜなら、物質ではなく、スピリチュアルの領域にあるからだ。

ハーバード大学の神経外科医のエベン・アレグザンダーは、死の淵で人生を変えるビジョンを見た。

この臨死体験をする以前、アレグザンダー医師は、死後の世界も、スピリチュアルの領域も信じていなかった。

どちらも科学で証明されていないからだ。

しかしビジョンを見てからは、考えを180度転換し、『プルーフ・オブ・ヘヴン:脳神経外科医が見た死後の世界』(早川書房)というベストセラーを書いた(注7)。

彼は全国放送のテレビにも登場し、自分の体験と科学との関連について説明している。

最近になり、スピリチュアルの存在が、最新科学によって証明されようとしている。

脳神経科学者のアンドリュー・ニューバーグとマーク・ロバート・ウォルドマンは、HowGodChangesYourBrain(未邦訳)という本の中で、広範な調査と研究の結果、脳の機能と健康状態を向上させるいちばんの方法がわかったと書いている。

それは、定期的な運動ではなく、祈ることだ。

そして神、または霊的なものの存在を信じることだ。

二人の著者は、教会に通いなさいとか、そういうことを言っているのではない。

彼らは脳神経科学者であり、科学的な調査や実験によって確認された証拠をもとに発言している。

それに、祈りと神を信じることが、脳の機能と健康にもっとも大きな影響を与えるのなら、人生のあらゆる分野にももっとも大きな影響を与えるはずだ。

脳の機能は、あなたのすべてを決めている。

心臓も、血管も、ホルモンも、そしておそらくもっとも大切なストレスコントロール機能も、すべて脳が司っている(注8)。

ハート(潜在意識)はイメージを使って話す。

人生で起こったことは、すべてイメージの形で保存される。

ピアス・ハワード博士は『脳をすこし良くする本』(青土社)という本の中で、「すべてのデータはイメージの形で保存され、イメージの形で思い出される」と言っている。

また脳神経科学の第一人者で、南カリフォルニア大学の脳と創造性研究所の所長を務めるアントニオ・ダマシオ博士は、「イメージのない思考は不可能だ」と言っている。

人は何かを思い出すとき、スクリーンに映し出された自分の記憶を見ているような状態になる。

映画を観るのに似ているかもしれない。

私はこのスクリーンを、「ハート・スクリーン」と呼んでいる。

しかし、このイメージを作り出す想像力の存在も、イメージを映すスクリーンの存在も、科学や医学で特定できていない。

それでも、これらが存在することはたしかだ。

間違いなく存在するけれど、正体がわからない──つまり、スピリチュアルの領域に存在するということだ。

人のハートには、それこそ無数のイメージが保存されている。

それを映すハート・スクリーンは、大きなコンピューターのデスクトップ画面のようになっている。

それも、SF映画に出てくるようなホログラフだ。

デスクトップのアイコンに触れるとファイルが開き、記憶が映像でよみがえってくる。

恐怖のファイルが開いているときは、あなたの身体はストレスを感じている。

そしてストレスに耐え切れなくなって鎖のいちばん弱い部分が切れると、実際にネガティブな症状として表に現れる。

これは「弱いリンクの理論」と呼ばれ、私の知るかぎり、ほぼすべての医師がこの説を信じている。

なぜなら、実際にそうなるからだ。

絶え間なくストレスにさらされていると、心と体のいちばん弱いリンクから耐えられずに壊れていく。

妻のホープの場合は、それがうつ病という形で現れた。

そして私の場合は逆流性食道炎だ。

弱いリンクは人によって異なる。

遺伝を含むさまざまな要素が関係しているからだ。

ここでハート・スクリーンの仕組みを説明しよう。

自宅で机の引き出しを開けたときのことだ。

ホープは中を見ると、恐ろしい叫び声を上げた。

私も同じものを見たが、ただ少し笑っただけだった。

引き出しの中にはゴムでできたヘビが入っていた。

息子のハリーのおもちゃだ。

その同じ日、ホープが何かを見て「あら、きれい」と言った。

私は同じものを見て泣き出した。

私たちが見たのはバラの花だ。

私が最後に見たバラの花は、母の棺の上に載っていた。

どちらのケースも、ホープと私は、まったく同じときにまったく同じものを見ているが、反応は180度違った。

その理由は、頭の中に浮かんだイメージがまったく違っていたからだ。

ここでの問題は、およそ99パーセントの人にとって、ハート・スクリーンに映っていることの99パーセントがまったくわかっていないということだ。

スピリチュアル物理学の物理の部分によると、スクリーンに恐怖が映し出されるときは、一緒に暗闇も映し出されていることになる。

ホープも私も、同じゴム製のヘビを見た。

そのとき、ホープのハート・スクリーンにはネガティブなイメージが映し出された。

そして、スクリーンに恐怖と暗闇が広がった。

しかし、私は違った。

私のハート・スクリーンは愛と光を映し出していた。

ハリーがそのヘビで遊ぶところを想像し、楽しい気分になっていた。

次にバラを見たときは、私のハート・スクリーンにたくさんのイメージが浮かんできた。

生前の母の思い出には愛が伴い、母の死の思い出には恐怖が伴う。

光と暗闇が共存している。

そのため、一言では言い表せない感情が湧き上がってきた。

ハート・スクリーンに映っているイメージが、そのまま身体の反応を決めている。

たとえば、ハート・スクリーンに恐怖が映し出されたら、汗をかく、

胸が締めつけられる、頭痛がするといった身体的な症状が出る。

そうなったら、身体の反応ばかりに気をとられてはいけない。

問題の根源は、ハート・スクリーンに映ったイメージのほうだ。

頭痛がつらいなら薬を飲んでもかまわない。

でもそこで終わりにしないで、問題の根源も探らなければならない。

根源を治療すれば、明日も同じ理由で頭痛薬を飲むことはなくなるだろう。

ハート・スクリーンに映るイメージの大部分は、プログラミングによって決められている。

ホープの場合、成長の過程で「いい子でいなければならない」「みんなの期待に応えなければいけない」というプログラムが組まれていった。

もし何かが完璧にできなかったりすると、悪い子になってしまう。

この「いい子でいなければならない」という思い込みのせいで、彼女はいつも無理をしていた。

本当の自分を押し殺していた。

そして何十年もの間、そのプログラミングがハート・スクリーンに恐怖と暗闇を映してきた。

彼女はつねにストレスにさらされ、そしてついにいちばん弱い鎖が切れてうつ病になった。

それから12年間は、何をしてもうつ病は治らなかった。

記憶が問題を生んでいるということを知らなかったからだ。

そのため、同じ状況になるたびに、同じ恐怖から生まれたイメージが映し出される。

不安にさいなまれ、おびえていた。

これは前にも言ったことだが、大切なことなのでもう一度言おう。

どんな人でも、悪いプログラミングを抱えている。

完璧な人はいないからだ。

人間の脳には、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、シータの五つの状態がある。

生まれてから6歳までの間は、デルタとシータの状態だ。

デルタとシータの状態の脳は、入ってくる情報をフィルタリングすることができない。

たとえば、5歳の子供が、子供用の野球用具を使ってお父さんと遊んでいるとしよう。

子供はバットでボールを打とうとするが、空振りした。

それを見たお父さんは、笑いながらこう言った。

「そんなスウィングじゃ、野球選手には絶対になれないな」5歳児の脳は、その言葉をフィルターではじくことができない。

そうやって、「自分は野球選手になれない」というプログラミングができあがる。

6歳までにこうやって埋め込まれた記憶は、削除するのがとても難しい。

研究によると、子供の場合、ネガティブな思い込みを中和するには、その10倍のポジティブな言葉をかけることが必要になるという。

それなのに、たいていの親は、一つのポジティブに対して10のネガティブを子供に与えているのだ!さあ、これで恐怖をベースにしたプログラミングのできあがりだ。

仮に何かの奇跡が起こり、すべての人がいつでも愛と真実をベースに行動したとしても、まだ前の世代から受け継いだ悪いプログラミングが存在する。

どんな人にも悪いプログラミングはある。

そして、そのプログラミングを修正するカギを握るのがハート・スクリーンだ。

また、あなたの中にあるハート・スクリーンは、周りにいるすべての人のハート・スクリーンとつながっている。

親しい人が相手なら、つながりは特に強い。

これはたとえるなら、人間のWi-Fiネットワークのようなもので、誰もがエネルギーの周波数を送り出し、受け取っている。

エネルギーは絶対に消滅しない。

ただ形を変えるだけだ。

真っ暗な部屋で電気のスイッチを入れると、一瞬で部屋の隅々まで明るくなる。

暗闇はどこへ行ってしまったのだろう?ここでの正しい答えは、「もう暗闇は存在しない」だ。

暗闇の定義は、単純に光の不在だ。

だから光が存在するなら、暗闇は存在しないことになる。

愛と恐怖の関係もそれと同じ仕組みだ。

恐怖のあるところに愛を注ぎ込めば、恐怖はもう存在しなくなる。

いまいち納得できないと感じるなら、それは人間の感情を物理の法則で語ることに慣れていないからだ。

しかし、ここで思い出してもらいたい。

スピリチュアルと物理の融合は、1905年にアインシュタインがすでに予言していた。

大きなパラダイムの変換が起こると、古いパラダイムで成功していた人たちは、新しいパラダイムを拒絶する。

たとえば、ライト兄弟が「空飛ぶ機械」の発明に取り組んでいるとき、鉄道で成功している人たちは笑って相手にしなかった。

ライト兄弟自身は、鉄道会社に飛行機を売るつもりだったが、彼らは「鉄道に代わるものなどない」と言って拒否した。

あのとき鉄道会社が新しいパラダイムを受け入れていれば、かつてのボルチモア・アンド・オハイオ鉄道が、今では航空会社として生き残っていたかもしれない。

しかし、そうはならなかった。

せっかく新しいパラダイムに移行するチャンスがあったのに、古いパラダイムにしがみつき、そのせいで衰退していった。

健康、癒やし、成功の世界でも、新しいパラダイムが出現してきている。

前の世紀にすでに予言され、それが今、現実になってきた。

あなたは古いパラダイムにしがみついているだろうか?それとも、新しいパラダイムへ移行するだろうか?新しいパラダイムは、これから出現するのではない。

むしろすでに存在している。

2013年には、エネルギー医療の研究会議が教育機関として正式に認められ、税金控除の対象になった(注9)。

また、エネルギー療法を用いたカウンセリングとセラピーが、アメリカ心理学会によって初めて承認されそうなところまできている。

ほんの20年前までは、鼻で笑われ、まったく相手にされていなかった分野だというのに。

流れが変わったきっかけは、無視できないほどの証拠が集まったことだ。

従来のセラピーに比べ、治療期間がはるかに短く、効果も大きく、それに副作用もない。

スポーツの世界も、この新しい動きに注目している。

2014年1月、フットボール・コーチのジェームズ・フランクリンは、名門のペンシルベニア州立大学と3700万ドルの契約を結んだ。

ヴァンダービルト大学の弱小チームを、100年ぶりに勝てるチームに変えた手腕を買われての抜擢だった。

フランクリンは人気テレビ番組に出演し、コーチとしての成功の秘訣についてインタビューを受けた。

彼の答えは、控えめに言ってもかなり変わった内容だった。

たとえば、チームの目標は特に決めないと答えたのだ。

スポーツの指導では、目標を決めるのは当たり前だと考えられていて、たいていのコーチが目標設定を重視している。

しかし彼が重視していたのは、いつも目の前の瞬間だけに集中することと、お互いの信頼関係だ。

外側の目標ではなく、精神の目標を決める。

そうすることでフランクリンは、他に例のない成功を達成してきた。

しかも彼のチームの選手は、能力も体格も劣っているほうだった。

このアプローチを採用したコーチは、ジェームズ・フランクリンが最初ではない。

たとえば、アラバマ大学フットボール・コーチのニック・サバン(全国優勝4回)や、ニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチのビル・ベリチック(スーパーボウル優勝4回)も、点数や勝ちにこだわるのではなく、今この瞬間に最高の力を出すことだけに集中するように指導している。

これはまさに、偉大なる原則の神髄だ。

人類は数千年も前から、ハート(潜在意識)がすべての問題の根源であることを知っていた。

それなのに、物質と精神を分けて考える古いパラダイムに縛られていたために、スピリチュアルの知識を肉体に応用することができずにいたのだ。

ハートの問題は、メスで切り取ることはできない。

薬で症状を抑えることもできない。

ハートの問題が重要であることはよく理解していても、その知識を医療に生かしてはこなかったのだ。

それに、成功法則にも生かしてこなかった。

「スピリチュアル物理学」のパラダイムでは、物質と精神が完全に調和している。

むしろ本物の科学は、いつでもスピリチュアルと調和していた。

ハートが人生で起こるすべての問題の根源なら、根源を癒やすことができるツールはエネルギーしかないだろう。

なぜなら、ハートの問題(つまり記憶)は、エネルギーでできているからだ。

この新しいパラダイムに抵抗してはいけない。

ついに問題の根本的な原因を見つけることができただけでなく、完全に治癒する方法も見つかったのだから。

成功を実現するために必要なのは、問題に注目することでもなければ、問題を無視することでもない。

どちらの方法も、問題をさらに大きくするだけだ。

真の解決策は、暗闇、恐怖、嘘を取り除き、光、愛、真実と置き換えること──これ以外の解決策は存在しない!

ガンジーはこの真実を知っていた。

「歴史を振り返ると、いつも真実と愛が勝ってきた」と彼は言った。

すべての偉大な精神の指導者は、みなこの真実を知っている。

長い目で見れば、必ずこうなる。

愛は絶対に失敗しない!恐怖は絶対に成功しない!さあ、あとはあなた次第だ。

あなたはどちらを選ぶだろう?「細胞記憶」と、「スピリチュアル物理学」という二つの知識を身につけたあなたは、すでに偉大なる原則と、意志の力を超えた人生の基礎を学んだことになる。

パート2では、原則を実際に活用し、あなたの成功につなげる方法を見ていこう。

(注)1WilliamCollinge,SubtleEnergy(WarnerBooks,1998),2–3.QuotedinDonnaEden(withDavidFeinstein),EnergyMedicine(Tarcher/Penguin,2008),26.2JoanneV.Wood,W.Q.ElainePerunovic,andJohnW.Lee,”PositiveSelfStatements:PowerforSome,PerilforOthers,”PsychologicalScience20,7(2009):860–866.AlexLoydandBenJonson,TheHealingCode(Hachette,2011),177.3ハーバード大学医学部のアーヴィン・キルシュ博士は、「プラシーボと本物の抗うつ剤の効果を比べたところ、ほとんどの被験者で違いは最小限にとどまった」と言っている。

博士によると、これは抗うつ剤に効果がないからではなく、効き目の源が、薬の科学的な成分ではなく、プラシーボ効果(この薬は効くというポジティブな嘘を信じることから生まれる力)にあるからだという。

また博士は、過敏性腸症候群、反復運動過多損傷、潰瘍、パーキンソン病などでも、同じようにプラシーボ効果があることを確認した。

慢性的な膝の痛みでさえ効果があるという。

“TreatingDepression:IsThereaPlaceboEffect?”60Minutes,February19,2012,http://www.cbsnews.com/news/treatingdepressionisthereaplaceboeffect/.4イェール大学とコロラド大学が行った二つの調査によると、アファメーションは、性別や人種による学業成績の差を埋める効果はあるという。

自分についてポジティブな真実を宣言すれば、たしかにパフォーマンスは向上するだろう。

特にそれまで、恐怖やストレスの状態にあったのなら効果は大きい。

GeoffreyL.Cohenetal.,”ReducingtheRacialAchievementGap:ASocialPsychologicalIntervention,”Science313,5791(2006):1307–1310;andA.Miyakeetal.,”ReducingtheGenderAchievementGapinCollegeScience:AClassroomStudyofValuesAffirmation,”Science330,6008(2010):1234–1237を参照。

5CarolineLeaf,WhoSwitchedOffMyBrain?ControllingToxicThoughtsandEmotions(ThomasNelson,2009).6”AboutLester,”LesterLevensonwebsite,www.lesterlevenson.org/aboutlester.php.Levenson’sstudent,HaleDwoskin,developedaprocesscalledtheSedonaMethod.SeehisbookTheSedonaMethod:YourKeytoLastingHappiness,Success,PeaceandEmotionalWellBeing(SedonaPress,2007).7EbenAlexander,ProofofHeaven:ANeurosurgeon’sJourneyintotheAfterlife(Simon&Schuster,2012).8DianeCameron,”Doseof‘VitaminG’CanKeepYouHealthy,”TheDenverPost,May4,2009,http://www.denverpost.com/search/ci_12281410.最初の著作である『奇跡を呼ぶヒーリングコード』を出版したとき、神やスピリチュアルを健康と結びつけたために批判を受けることもあった。

何かの宗教を広める意図があるのではないかとも言われたが、そんなことはない。

しかし、他の意図ならある。

それは、すべての人が健康で幸せになることだ。

この文脈で「神」という言葉を使っているのは、神、愛とつながることが、成功と健康を手に入れるいちばん重要なカギだというたしかな証拠を、実際にこの目で見てきたからだ。

そして最近になって、科学的な証拠も飛躍的に増えてきている。

9TheconferencewastheAssociationforComprehensiveEnergyPsychology.PaulaE.HartmanStein,”SupportersSayResultsShowEnergyPsychologyWorks,”TheNationalPsychologist,July24,2013,http://nationalpsychologist.com/2013/07/supporterssayresultsshowenergypsychologyworks/102138.html.

 

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