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第1章 量子力学が教えてくれる「宇宙の仕組み」

はじめに──量子力学を学ぶとお金を引き寄せられる

目次

なぜ〝天下の回りもの〟があなたのところには回ってこないのか?

日本には「金は天下の回りもの」ということわざがあります。

「お金はこの世の持ち回りで、今は持っていない人でも、いつかは自分のところに回ってくる」という励ましのニュアンスを込めた言葉です。

でもそんな「お金」が、

  • 必ずしも自分のところに回ってくるとは限らない
  • いつまで経っても回って来なくて寿命が先に尽きてしまう
  • 回ってきているかもしれないけど満足のいく額ではない

そんなふうに考えている人は少なくないと思います。

実は、このように考えてしまってお金を引き寄せられない人には、次のような共通認識があります。

  • ・お金は汚いもの、悪いものだ
  • ・お金は汗水たらして稼がなければいけない
  • ・自分にはお金を受け取る価値がない
  • ・「欲しい、欲しい」と思っていればお金がやってくる
  • ・お金は選ばれた人だけが手にできるものだ
  • ・お金は財布の中の現金や預貯金口座の中にしかない
  • ・サラリーマンでは稼げる額に限界がある
  • ・大金を手にするためには経営者にならないといけない
  • ・何かを犠牲にしないと大きなお金は手に入らない
  • ・そもそも自分はお金とは縁のない星の下に生まれた

これらはすべて勘違いです。

というより、このようにお金のイメージを持ってしまっている、自分には縁がないもの(他人のもの)だと思っているからこそ、本来は天下の回りものであるはずのお金をいつまで経っても自分のところに引き寄せられない、現実の人生を送らざるを得ないのです。

私は本書でこの誤解を解き、今日からあなたが「お金持ちマインド」を手に入れて、自然にお金を引き寄せるお手伝いをしたいと思っています。

量子力学が教えてくれるお金を引き寄せる原理原則

こんにちは。

量子力学コーチの高橋宏和です。

私は過去に2冊の書籍『あなたの夢を叶えもん』(2019年/サンマーク出版)、『「量子力学的」願望実現の教科書』(2022年/SBクリエイティブ)を出版し、量子力学の知識や考え方を活用した夢実現、願望実現の方法についてお伝えしてきました。

本書では量子力学をテーマに、少し切り口を変えて「お金を引き寄せる法則」という側面からお伝えしていきます。

ただ、私のことをご存じない読者も少なくないでしょう。少しだけ私のことをお話しさせてください。

現在、私は量子力学コーチとして全国を飛び回りながら、科学的コーチングメソッド「量子力学コーチング」を、

  • ・今よりも豊かで幸せな人生を手に入れたい人
  • ・理想のパートナーを引き寄せて幸せな結婚生活を送りたい人
  • ・仕事やビジネスで成功して今以上の収入を得たい人
  • ・健康的で精力的な人間になって毎日をワクワクさせたい人
  • ・自分の描く夢や理想を実現してガッツポーズをして生きたい人
  • ・お金と時間からの自由を手に入れ、やりたいことに没頭したい人

といった、さまざまな夢や希望や願望を持っている人たちへ伝える生活を送っています。

おかげさまで、これまでに講演会やセミナーを通して量子力学コーチングを数千名の方にお伝えすることができ、お金や仕事や人間関係など、あらゆる悩みを解決した人たちから喜びの声をいただいています。

喜びの声の中には具体的に次のようなものがあります。

  • ・理想のパートナーを1カ月で引き寄せて幸せな結婚生活を送れている
  • ・ビジネスで成功して従業員ゼロでも数千万円の月商を得られた
  • ・具体的な金額をイメージしたら35億円が銀行口座に振り込まれた
  • ・わずか1週間でハリウッド映画に出演できる俳優になれた
  • ・自由な時間を手に入れて、やりたいことができるようになった
  • ・イライラしなくなり、いつも穏やかな気持ちで生活できるようになった

これらはあくまでも一例ですが、金額の程度やシチュエーションは違えど、多くの人が収入がアップしたり、人間関係の悩みが消えたり、求める人脈が手に入るようになったり、モテるようになったり、思い描いていた家に住めるようになったりと、それまでの自分の願望を実現し、理想の人生を歩めるようになっています。

本書では、そんな量子力学コーチングを「お金」を切り口に語ることであなたをお金の悩みから解放し、実現したい理想の未来へと進んでいけるようお手伝いをしたいと思っています。

「お金」というエネルギーを自分のところに引き寄せる

ここまで読んでみて、もしかしたら「量子力学とお金に何の関係があるの?」と思ったかもしれません。

でも、大いに関係があるのです。

そもそも量子力学とは、アインシュタインが提唱した相対性理論(一般相対性理論)とともに、現代物理学の根幹をなす理論です。

主に「素粒子」「原子」「分子」などの微視的な世界の物理現象を扱う理論体系で、物質の持つ波動性と粒子性、観測による測定値の不確定性などを基本としています。

アルベルト・アインシュタイン(光量子論)、ニールス・ボーア(原子構造論)、ヴェルナー・ハイゼンベルク(行列力学とシュレーディンガーの波動力学)の統一によって約100年前の1925年頃に確立された学問です。

本文内で詳しく解説しますが、量子力学における量子とはすべての物質やエネルギーの最小単位であり、言い換えるならすべてはエネルギーでできていると言えます。

ということは、当然ながら「お金」もまた量子で説明できると言えるでしょう。

私たちの多くは、お金と言えば1万円札やコイン、預貯金口座の中の数字(データ)だと思ってしまいがちですが、それは大いなる勘違いです。

そして、この勘違いが結果としてあなたのところにお金が引き寄せられない原因になってしまいます。

でも、これを逆説的に考えてみれば、お金というエネルギーを自分のところに引き寄せる方法を知り、それを実践すれば、自然とお金はあなたのところに引き寄せられてくることになります。

その方法をお伝えするのが本書の試みです。

そして実際に行動することで、あなたのところにお金が引き寄せられ、理想の人生を歩んだり、やりたいことだけをやって生きる日々を送れるようにしたり、夢や願望を実現したりしてもらうのが、私が本書であなたにお渡しできる〝プレゼント〟と言えます。

量子力学を理解すれば「お金の原理原則」が腑に落ちる

ただ、最初にお伝えしておきますが、本書でお伝えする「お金を引き寄せる法則」は、単に知識として持っているだけでは役に立ちません。

引き寄せの法則と聞くと、多くの人は「寝ているだけで引き寄せられる」「何もしなくても実現できる」と思いがちです。もちろん、そんなことはありません。実際にあなたが法則に基づいて行動しなければ、引き寄せの法則も〝絵に描いた餅〟です。

でも、人間が行動するためには不可欠なものがあります。それが「腑に落ちる」という状態です。

世の中には数多くの自己啓発本やお金持ちになるための本、自分を変えて未来を切り開く本などがありますが、あなたが本書をわざわざ手に取ったということは、これまでにそのような本を読んだけどうまくいかなかった、そんな話を聞いたことがあるけど実現していない、という過去があると思います。

それもそのはずです。だって腑に落ちていないのだから。少し私の例を話すと、昔の私はトイレ掃除を毎日しない人間でした。

でも世の中には「トイレ掃除で金運が上がる、夢が叶う、成功できる」という情報があふれています。

実際に水野敬也さんのベストセラー『夢をかなえるゾウ』で主人公がガネーシャから出された6つ目の課題は「トイレ掃除をする」でした。

かの松下幸之助は誰よりも早く出社してトイレ掃除をしていた、本田宗一郎は工場の真ん中にあえてトイレを作った、といったトイレの逸話も出てきます。

私は量子力学の側面から成功法則を語る人間ですから、成功のためにトイレ掃除が必要ならすべきです。

にもかかわらず毎日しなかった(1週間に1回だった)のは、私の中でそれが腑に落ちていなかったからです。

ところがある日、定期健診で歯医者へ行ったときのことです。歯のクリーニングをしてもらったのですが、そのときに自分の歯を見て愕然としました。

歯石やコーヒーや紅茶の着色で汚れた自分の歯を見て「毎日歯を磨いているのに、それでもこんなに汚れるのか」と驚いたのです。そのとき、ピンときました。

「毎日磨いている歯でもこれだけ汚れるのだから、トイレはどうなるんだ。毎日トイレ掃除をしないことは、毎日歯を磨かないのと同じじゃないか!」それが私の腑に落ちた瞬間でした。

私が本書で「お金を引き寄せる法則」を量子力学の側面から語るのは、量子力学は自然の法則であり、お金の原理原則を学ぶために自然物理学の目に見えない世界を扱う量子力学をテーマにすることが、あなたにとって最も腑に落ちやすい方法だと考えているからです。

より理解度が高まり、腑に落ちることで、自然と行動できるようになり、実践した結果としてお金を引き寄せることも実現しやすいからです。

本書では、量子力学についてできるだけわかりやすい説明で理解してもらうのとともにお金の原理原則も学んでもらい、「量子力学×お金の引き寄せ」のアナロジーとして解説することで、結果的にあなたに「お金を引き寄せる法則」を身につけてもらいます。

私の知識だけでなく、これまで会ってきた人、メソッドをお伝えした人の体験や、世の中で成功している人たちの事例もお伝えしながら、深い理解と納得を得てもらいたいと思っています。

ただ、知識には順番があります。

いきなり「お金を引き寄せる法則」をお伝えしたところで、よくわからないまま本書を読み終えてしまうでしょう。

だからまずは、量子力学についてあらためておさらいし、基本的なところから知ってもらい、順番にお伝えしていきたいと思います。

もしも私の過去の書籍を読んでいる人は、第一章は読み飛ばして第二章から読んでもらっても構いません。

あるいは、おさらいも兼ねてもう一度読み通してもらうのでもいいでしょう。

本書によってあなたがお金を引き寄せ、理想の人生を歩んでもらうきっかけになれたら、著者としてこれに勝る喜びはありません。

 

第一章量子力学が教えてくれる「宇宙の仕組み」

この世界は「目に見えるもの」と「目に見えないもの」で構成されている

本書で初めて量子力学に触れる人も少なくないと思います。

そんな人のために、もしくは私の前著をもう一度おさらいしたい人のために、まずは「量子力学の世界の考え方」からお伝えしていきましょう。

学校の授業で習った内容も出てきますので(笑)、懐かしい気持ちで読み進め、あらためて物理の世界をシンプルに理解してもらえたらと思います。

「はじめに」でもお伝えしたように、量子力学はアインシュタインの相対性理論とともに、現代物理学の根幹となる学問です。

物理学には大きく分けて「古典力学」と「量子力学」があります。

古典力学とは、目に見える「マクロな世界」で成り立つ自然法則を研究する学問です。物体が放物線状に描く軌道、物体が落ちる現象など、目に見えるものの運動法則を解明していきます。

一方で、量子力学は目に見えない「ミクロな世界」で成り立つ自然法則を研究する学問です。

物体を際限なく細かくしていくと分子化され、分子が「原子」と呼ばれるもので構成されていることがわかっています。

例えば、私たちが生きるために欠かせない水は水分子でできており「H2O」という化学式で示されます。

これは水が2個のH(水素原子)と1個のO(酸素原子)が結合してできていることを表しています。

原子をさらに細かく分解すると、その中には原子核と電子があります。

原子核はプラスの電荷を持つ陽子と、電荷を持たない中性子で構成されていて(まとめて核子と総称します)、原子核の周りを電子がぐるぐると回っています。

1964年に中性子や陽子を構成するクォークという素粒子の存在が予言され、1969年にアメリカの加速器実験でその存在の証拠が確認されました。

素粒子とは、これ以上分割することのできない究極の粒子であり、物質の最小単位のことです。電子も素粒子の一種です。

つまり、私たちが普段使っているさまざまなもの──スマートフォン、パソコン、住んでいる家や寝ているベッド、食べているもの、そしてあなたの身体までも、ミクロの世界においてはすべて同じ素粒子で構成されている、ということです。

見た目も形も違うモノが同じ素粒子で作られていると考えると、不思議ですよね。素粒子がどのように組み合わされるかによって人間になったり、物体になったり、動物や植物になったり、あらゆるものに変化します。

量子力学は、このような目に見えないミクロな世界の自然法則を研究する学問です。

言い換えれば「目に見えない世界を解明していく学問」とも言えるでしょう。

すべてのものは「エネルギー」でできている

原子や、原子を形作っている素粒子を含めて量子力学では量子と呼びます。

量子とは「粒子と波の性質を併せ持った、とても小さな物質やエネルギーの単位」のことです。つまり量子力学では、「すべてはエネルギーでできている」ということです。

この世界が「目に見えるもの」と「目に見えないもの」で構成されているのであれば、同時に世界そのものもまた「目に見える世界」と「目に見えない世界」に分けることができます。

目に見える世界は物質の質量がある世界なので、アインシュタインの相対性理論で説明が可能です。相対性理論と言えば、誰もが知る有名な式があります。

E=mc2

アインシュタインは特殊相対性理論からこの式を導き出しました。

E=エネルギー、m=物質の質量、c=光の速度を表しています。

この式はエネルギーと質量の関係式です。エネルギーがあるものは物質に変換でき、物質もまたエネルギーに変換できることを示しています。

一方で、目に見えない世界のエネルギー量については、1923年にアメリカの物理学者アーサー・コンプトンが、光が金属に当たるときに放出される「コンプトン効果」によるエネルギー式から光の粒子性を証明しました。

粒状の光粒子が金属に当たって放出されるエネルギー量は、次のように表されます。

E=hE=エネルギー、h=プランク定数、ν(ニュー)=周波数を表しています。hはプランク定数で物理定数ですから一定です。

つまりエネルギーは周波数に比例するということです。周波数は振動数とも呼ばれ、1秒間あたりの波が振動する回数のことです。

この式から、周波数(振動数)が高いほどエネルギーは高くなり、低いほどエネルギーが低くなることがわかるでしょう。

2つのエネルギーの式を「人間」で考えるとどうなるか?

では、この2つのエネルギーの式を人間に当てはめて考えるとどうなるでしょうか?私たち人間にとって、目に見える世界は肉体そのものです。そして、目に見えない世界は心や感情といったものになります。

それぞれ質量の式と周波数の式で表現することができるのではないでしょうか。

また、私たち人間の生きる世界で目に見えるものと言えば物質であり、これは枚挙にいとまがありません。

一方で目に見えないものは「意識」「感情」「思考」などの精神的なものになります。

つまり、目に見える世界=物質世界、目に見えない世界=精神世界と言い換えることができます。

わかりやすく次の表で目に見える世界と目に見えない世界の分類をまとめましたので、確認してみてください。

二重スリット実験でわかった素粒子の「波と粒の二重性」

物質の最小単位である素粒子(量子)は「粒と波の両方の性質」を併せ持っている、とお伝えしました。

1つのものが2つの性質を持っているとはなんとも不思議な話です。これは1805年頃に行われた「ヤングの二重スリット実験」によって証明されました。

イギリスの物理学者トマス・ヤングによって行われたこの実験は20世紀に入ってからも行われ、2002年には「最も美しい実験」に選ばれました。

そもそもヤングは、この実験を「光の正体は波か、粒か」を証明するために行いました。

現代では、光は「光子(光量子)」と呼ばれる光の粒子と考えられていて、物理学における素粒子の1つです。

光源とスクリーンの間に二重のスリットを設置し、光=光子がどのように進んでスクリーン上に映し出されるかを確認しようとしたのです。

光が重なると「干渉」という現象が起こります。

光はお互いに高め合うと明るくなり、弱め合うと暗くなって、白と黒の縞模様=干渉縞がスクリーン上に映し出されるのです。

ここから光は「波」の性質を持っていることがわかりました。

さらに、19世紀の物理学者ジェームズ・マックスウェルが、光は「電磁波」という波の性質を持っていることを示し、1905年にアインシュタインが光量子仮説を提唱しました。

光量子仮説とは光を「エネルギーの小さな塊=粒子」とする仮説です。

ここから1923年にアメリカの物理学者アーサー・コンプトンによってアインシュタインの仮説は実証され、ヤングから始まった一連の研究によって、光は「波でもあり粒でもある」という不可思議な結論に至ったのです(2つの性質を持つことを「二重性」と呼びます)。

この研究と実験はさらに進みます。

フランスの理論物理学者ルイ・ド・ブロイが1924年に博士号を得た博士論文において「このような二重性は粒子だと思われている他の物質にも当てはまるのではないか?」と考え、電子を波として扱う理論とも一致することがわかりました。

結果、ミクロの粒子には波動性があるものとして「物質波(ド・ブロイ波)」が提唱されました。

さらに時代の進んだ現代では、ヤングの二重スリット実験を光源ではなく〝1つの電子〟を射出することで行うことが可能になりました。

この実験では電子銃から1つの電子を発射すると、二重スリット(2つの長方形の穴)を通ってスクリーン上に干渉縞が映し出されました。

これまで「粒子」だと考えられていた1つの電子であっても、二重スリットをまるで分身の術を使ったように同時に通って干渉波を作る不思議な現象が確認されたのです。

「観測」によってなぜか性質を変える不思議な素粒子

ところが、この時点でさらに不思議なことが起こりました。

まったく同じ実験をしているにもかかわらず、「観測」の有無によって電子の振る舞い方が異なる現象が起きたのです。

観測装置を置いている状態では電子は「粒」のように振る舞い、二重スリットを通り抜けてスクリーン上に〝2本の線〟として投影されました。

逆に観測されていない状態では、電子は「波」のように振る舞って、スクリーン上に〝縞模様〟として現れることがわかったのです。

このことから、物理学において電子などの素粒子は、波の性質(波動性)と粒子の性質(粒子性)を同時に持っているという結論になっています。

これは「ダルマさんが転んだ」の遊びに例えるとわかりやすいかもしれません。

「ダルマさんが転んだ」では、見てないところでは、波のように動き回り(波動性)、パッと見られた瞬間に動きが止まる(粒子性)イメージですね。

このように観測されているかいないかによって電子=素粒子の振る舞いに影響を与えるこの現象を「観測問題」と言います。

このことから観測するという意識が素粒子に何かしら影響を与えている可能性もあると考えられます。

このような二重スリット実験は、一般に電子や光子などミクロな世界でしか起き得ない現象として考えられていましたが、マクロの世界でも確認されています。

1999年には「」という、炭素原子が60個つながったサッカーボールのような形をした大きな分子(炭素)でも、二重スリット実験と同じように粒子性と波動性があることが確認されました。

また、2019年にオーストリアにあるウィーン大学のアーミン・シャエギ博士らの研究チームでは、15個のアミノ酸で構成される「グラミシジン分子」の量子干渉を実証しており、マクロな世界でも量子力学的な振る舞いが確認されています。

観測されない素粒子は「波の性質」を持ち、観測される素粒子は「粒の性質」を持つ──このことは量子力学的には次のように言えます。

・目に見える世界=粒子性の世界・目に見えない世界=波動性の世界目に見える世界も目に見えない世界も「エネルギー」によって成り立っています。

このことをさらに深く理解してもらうために、もう少しだけ量子力学の話にお付き合いください。

この宇宙の「目に見える物質」はたった5%しかない

ここまでは素粒子という目に見えない「ミクロな世界」の話をしてきましたが、今度はもっと大きな「マクロな世界」の話からアプローチをしていきます。

どのくらい大きいかというと、話は〝宇宙〟にまで広がります!宇宙線の観測を行うことで高エネルギー宇宙を解明するとともに、素粒子物理学を開拓することを目的としている東京大学宇宙線研究所の研究データによると、宇宙の組成割合は95%が目に見えないもので組成され、目に見える物質はたったの5%しかないことがわかっています。

目に見えないものは物質とエネルギーに分けられ、前者を「ダークマター」と呼び、後者を「ダークエネルギー」と呼んでいます。

ダークマターの割合は27%、ダークエネルギーの割合は68%です。

ダークマターやダークエネルギーと聞くと、何やらこの宇宙は暗黒組織に支配されているように聞こえてしまうかもしれませんが、そうではありません。

「目に見えない」ということは光を当ててもまったく反射しません。すると地球からは観測できないので真っ暗になります。

要するに、現代の技術では光学的に観測できない正体不明のもの、ということです。

人間は光の反射による脳内イメージでモノを見る

ダークマターやダークエネルギーを理解するために、ここで人間が「モノを見る」ということについて解説しましょう。

私たち人間は何を通してモノを見ているかというと、当たり前ですが「目」です。

例えば、新しくスマートフォンを買うときに色を白にするか黒にするか青にするか赤にするか、といったことは目で色を識別して選択しているわけです。

ではなぜ、そんな識別ができるのか?それはスマートフォンという「物体」が太陽光や室内灯などの光を受けることで特定の光だけが反射し、その反射した光が目の網膜を通って電気信号に変わり、脳内でイメージとして映し出されるからです。

例えば、家電量販店で青いスマートフォンを購入して、外で使おうと思ったら青色のイメージが屋内と屋外で違った、という経験をしたことがあると思います。

それは内側=室内灯と、外側=太陽光の光が異なるため、それぞれによって反射した光が異なり、同じ青色でも風合いの違う青色として脳内で認識されているからです。

人間の目には「視細胞」という青・緑・赤の光を判別するセンサーのような役割を果たす細胞があります。

視細胞がそれぞれの色の光を感じ取る割合で色が決まります。

例えば、物体に反射して目に入ってくる光から青だけを視細胞が感知するとそれを「青色」と判断し、青と赤の両方を感知すると「赤紫色(マゼンタ)」、赤と緑の両方を感知すると「黄色」と判断します。

このように混ぜ合わせてさまざまな色を作る3色を「光の3原色」と言います。

赤・青・黄の〝色の3原色〟では混ぜることで黒色になりますが、光の3原色では、青・緑・赤を混ぜ合わせると「白色」になります。

逆に、これらを感知しない場合は「黒色」と判断されます。

部屋の電気を消すと真っ暗になりますが、これは部屋が黒くなっているわけではなく、光を感知できないために「黒だ」と判断しているわけです。

話は戻りますが、ダークマターやダークエネルギーは、電気を消した部屋のように、そこに存在していても観測できないために(存在自体は確認できています)、「ダーク」という呼び方が当てはめられているだけなのです。

人間は目に見えないものであふれた世界で生きている

観測できないのに存在自体は確認されているダークマターやダークエネルギー。

ここまで知ると、不思議に思うことはありませんか?「どうして観測できないのに存在していることがわかるのだろう?」もしもそう思ったら、あなたは立派な科学少年・科学少女です(笑)。

この謎を解明してくれるのが、有名なニュートンの万有引力の法則です。

万有引力の法則とは「すべての物質は、質量(=物体の動かしにくさの度合い)がある限り、お互いに見えない引力で引っ張り合っている」という法則です。

あなたと、今あなたの目の前にあるこの本との間にも、あなたが座っている椅子との間にも、電車の中で隣に座っている他人との間にも、目には見えない引力が働き、お互いに引っ張り合っています。

この万有引力の法則を基礎に1970年代後半、宇宙には「光では観測できないが重力の影響を受ける物質の存在」があることが立証されました。

渦巻き銀河の回転速度分布が観測され、銀河内の明るい星や星間ガス以外の「光学的には見えないけど銀河系の回転運動に引力の影響を与えている物質」が存在することが計算上わかったのです。

観測できないけど重力の影響を受ける何かには「ダークマター」という名称が、観測できないけど宇宙の膨張を加速させている未知のエネルギーには「ダークエネルギー」という名称が与えられました。

そして、この宇宙には目に見えないものが存在していることが証明され、宇宙の95%はそれら目に見えない物質とエネルギーによって組成されていることがわかったのです。

「目に見えないもの」は人間の目には映らない

では、これらの宇宙の組成割合を人間の目線で考えてみましょう。

そもそも人間は赤、橙、黄~青、藍、紫までの虹色の可視光線の光しか見ることができません。可視光線とは人間の目に光として感じられる電磁波エネルギーのことで、その範囲は下限から上限までで360nm~830nmとされています。

両端である赤と紫のそれぞれの外側には赤外線、紫外線があります。

紫外線は太陽の光、赤外線は家電のリモコンの光で考えてもらうとわかりやすいですが、当然、私たち人間の目には見えません。

目には見えませんが、紫外線が日焼けの原因になったり、赤外線によってボタンを押すだけでテレビが点いたりと、確かに存在して役割を果たしていることはわかるはずです。

ちなみに、同じ生物でも蛇には赤外線が見え、昆虫には紫外線が見えることがわかっています。

生物によっては見える電磁波の周波数帯が違うということで、人間が見える世界はほんの一部だということですね。

これらの他にも、レントゲンを撮るときに発せられるX線や、AM放送・FM放送でおなじみのラジオの周波数(長波、短波)など、世の中にはさまざまな電磁波があり、私たちの周囲や空中を飛び交っています。

でも、それらは人間の目には見えません。それでも、現実に私たちは目に見えない電磁波のエネルギーの中に生きているのです。

宇宙の構造によく似た人間の意識の構成

古典力学、量子力学、原子、素粒子、二重スリット実験、波の性質、粒の性質、ダークマター、ダークエネルギーと小難しい話をできるだけわかりやすくお伝えしてきましたが、これらのミクロな世界とマクロな世界の話を、ここからは人間個人のレベルに落とし込んで考えてみたいと思います。

フランスの哲学者ブレーズ・パスカルの言葉に《人間は考える葦である》があります。

「人間は大自然の中では葦のように弱い生き物だが、頭を使って考えることができ、それこそが人間に与えられた偉大な力である」という意味ですが、考えることは「意識」の領域の話です。

そして、人間の意識は次の3つに分けることができます。

  • 顕在意識:物事を考えたり、何かを判断したり、望んだりするときの意識。私たちが常に自覚できているもの。
  • 潜在意識:自覚はないけど言葉や行動に影響を与えている意識。「無意識」とも呼ばれる。
  • 集合的無意識:個人を超えた人類共通の無意識領域。

さらに、ニューロマーケティング(人間の無意識から生じる行動原理を脳の活動から明らかにするマーケティング手法)の世界的権威であるA・K・プラディープ博士の著書『マーケターの知らない「95%」消費者の「買いたい!」を作り出す実践脳科学』には次のように書かれています。

《人間の脳の情報処理は、95%が潜在意識で処理されている》つまり、人間は95%の潜在意識によって動かされている生き物だ、ということです。

95%の潜在意識と5%の顕在意識。

この割合を聞いて思い出したことがあるはずです。そうです、宇宙の構造と人間の意識構成は非常によく似ているのです!

潜在意識は無意識下で人間の行動を支配している

分析心理学(ユング心理学)の創始者であるスイスの心理学者カール・グスタフ・ユングは、顕在意識と潜在意識の関係を次のように言っています。

《意識全体を大きな氷山に例えると、そのほとんどが海に沈んでいる潜在意識である。人間が自分で意識できる顕在意識は、海面から顔を出したほんの氷山の一角に過ぎない(意訳)》

例えば、私たち人間は普段、顕在意識でモノを考え、行動をします。

午前中はどこの取引先を訪問するか、今日のランチは何を食べるか、午後からの仕事は何をするか、家に帰ってAmazonプライムで映画を観るか、NintendoSwitchでゲームをするか、ビールを飲みながらYouTubeを見るか、それとも友達を呼んで渋谷で飲み会をするか……といったことを意識的に考え、行動します。

だから私たちは顕在意識こそが意識だと思いがちです。でも実際は、95%の潜在意識=無意識の働きによって私たちは生きています。

特に生命維持機能と潜在意識は深くかかわっています。

例えば、私たちは瞬きを意識せずに行います。心臓のポンプも無意識に動いています。細菌やウィルスに感染したら体内の免疫機能が意識せずに働いて体外に排除しようとします。

これらはすべて、潜在意識による人体を守るための防御機能です。

身近な例でも、家を出るときに靴を右足から履く、鍵を右手で閉める、慣れ親しんだルートを通って出勤や帰宅をする、など意識して考えることなくしている行動は挙げればきりがありません。

宇宙の組成がたった5%の目に見える物質と、95%の目に見えない物質とエネルギーで構成されているように、私たち人間もまた、5%の顕在意識と95%の潜在意識によって構成されているのです。

潜在意識は確かに存在しています。ただ、観測できないため認識できていないだけです。

ということは、もしもそこにアプローチできるとしたら、いったいどれだけの「可能性の扉」が開くでしょうか?私は量子力学的な観点で物事をお伝えしながら、あなたの可能性の扉を開きたいと思っています。

量子力学的「お金持ち」への道しるべ

本章では量子力学のおさらいとともに、人間の可能性についても言及してきました。

そして本章での理解が、次章からお伝えする「お金を引き寄せる法則」を理解するための大きな助けとなるでしょう。

世界は「目に見える世界」と「目に見えない世界」で構成されており、物質の最小単位である素粒子は観測されるまでは「波の性質」を持ち、観測されると「粒の性質」に変わる二重性を持っています。

人間の意識は「顕在意識」と「潜在意識」に分けられ、無意識やイメージ、思考、感情という目に見えないものは波の性質を持っていると考えられます。

逆に、物質や現実は観測できるので粒の性質を持っていると言えます。

これを発展させて考えれば、無意識やイメージ、思考、感情という目に見えないものをあなたが観測できるようになれば、自然とそれらは物質化し、現実化する、ということでもあります。

この仕組みは、ドイツの理論物理学者で不確定性原理を提唱したことで有名なヴェルナー・ハイゼンベルクも言及しています。

《波の状態(可能性領域)で意識があるモノや出来事を認識すると、可能性であったそのモノや出来事は可能性領域から物理世界に出現する》本書では、そのプロセスを「お金」をテーマにお伝えしていきますが、あなたが「お金を引き寄せる法則」を実現させるためのステップは次の通りです。

ステップ1:意識を向ける。

理想の状態に意識を向け、お金が「ない状態」から「ある状態」にマインドチェンジする。

ステップ2:イメージを湧かせる。

意識を向けることでイメージを湧かせ、自分がどれだけのお金を持ち、どんな生活をしているかを明確にイメージする。

ステップ3:思考が働く。

イメージが湧くことで、そのイメージを実現するための思考になり、何をすればいいかを考えるようになる。

ステップ4:具体的行動が明確になる。

思考が明確になることで、具体的行動も明確になり、やるべきことが見えてくる。

ステップ5:行動する。

明確になったやるべきことを現実に行動していくことで現実が理想に近づき、お金が引き寄せられる。

この5つのプロセスを経ることで、あなたは「お金を引き寄せられる人」になることができます。

もちろん、そのためにはここまでお伝えしてきた量子力学の理論の他に、成功している人やお金持ちになっている人の考え方や習慣、言葉の使い方、振る舞い、お金の使い方など、さまざまなメソッドが存在します。

それらは次章で余すことなくお伝えしていきます。

そのためにもまずは、最初のマインドセットとして「宇宙を支配する成功法則」が存在することを理解し、あなた自身の中にエネルギーが満ちあふれていることを腑に落として、次の章を開きましょう。

 

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