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第1章「究極の成功目標」を決める

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ホープへ!人生で美しいものはあなたを通して花開く。

この本に書かれたことも、そんな美しいものの一つだ。

あんなに大きな痛みと悲しみとともに始まったものが、私の人生を「叶えられた希望」に変え、さらにその先へと導いてくれた。

この本が誰かのためになるとしたら、それはあなたなしには考えられなかった。

私を見捨てないでくれてどうもありがとう。

フルタイムの仕事並みに大変なことであるのはよくわかっている。

愛しているよ!

謝辞キャスリーン・ハガティに特別な感謝を。

彼女のおかげで、私の頭と心の中にあったものをこうやってページの上に移し、すばらしい本を作ることができた!アマンダ・ルーカーは、まるでまとまりのない草稿を意味のある文章に変えてくれた──彼女がいなかったらとても本にならなかっただろう。

ハリー、ホープ、ジョージ、わざわざ空いている時間を割いてメモや書き物をしてくれてどうもありがとう。

その間ずっと私を愛してくれたことにも感謝している。

エージェントのボニー・ソロー──私に言えるのは、この本はあなたによって救われたということだけだ。

ボニーに永遠の感謝を。

あなたは最高だ!ダイアナ・バローニとランダムハウスのチーム──すばらしい仕事をどうもありがとう。

温かく、活気にあふれ、思いやりに満ちた「わが家」を与えてくれたことにも感謝している。

そして神様、私に書くものを与えてくださったことに感謝します──私はあなたのものです!

はじめに意志の力を使った自己啓発は失敗するこれは、超越した人生を生きるための本だ。

意志の力を超える。

普通を超える。

恐怖を超える。

自分を取り巻く環境を超える。

希望と夢を超える。

私は子供のころから、超越した人生を生きるのは可能だとずっと信じていた。

でも実際にそれを行う方法が見つかったのは、大切なものをすべて失ってからだった。

この本で紹介している原則は、たしかに昔からあるかもしれない。

この本の新しさは、最先端の科学でその原則の正しさを証明しているところにある。

それに、ステップごとのわかりやすい方法で説明しているので、あなたは今すぐにでも超越した人生を生きられるようになるだろう。

私がこの原則を発見し、磨き上げるまでに、25年の歳月がかかった。

そうやって形になった原則を、これからみなさんにもお届けしたいと思っている。

私はこの原則を、「知っている人はほとんどいない、世界でもっとも偉大な原則」と呼んでいる。

先に進む前に、ここであなたに質問したいことがある。

あなたのいちばん大きな問題、またはまだ眠っている可能性は何だろう?あなたは何を探しているのだろう?あなたの人生で、今すぐにでもどうにかしなければならない問題、魔法の杖があれば真っ先に使いたい問題は何だろう?この先を読む前に、人生で解決したいことを少なくとも一つは頭に思い浮かべてもらいたい。

今までさまざまな方法を試してきたけれど、それでも解決できなかった問題だ。

今の状態が完全な失敗でも、平凡な状態で足踏みしているにしても、とにかく現状を脱して、大きな成功に変えなければいけない何かだ。

この「偉大なる原則」は、あなたにとっての魔法の杖になる。

あなたはきっと、「ずいぶんと大げさなことを言うのだな」と思っているだろう。

でも、私がそう断言できるのは、実際にこの目で目撃してきたからだ。

この25年の間、私のクライアントたちは、ほぼ100パーセントの確率でこの原則を使って夢を叶えてきた。

この本で紹介している方法は、人生のどんな問題にも応用することができる。

きっとあなたの目の前で、芋虫が蝶に変身するだろう。

あなたは今、「前にも聞いた話だな」と考えているに違いない。

「ああ、また例の魔法の杖か。

こうやって本を買わせるだけで、結局は何も変わらないんだ」あなたの気持ちはよくわかる。

私も以前はそう思っていたからだ。

ここで、成功法則や自己啓発プログラムのある秘密を教えよう──その秘密とは、97パーセントの確率で失敗するということだ。

自己啓発プログラムは97パーセントの確率で失敗する成功法則や自己啓発プログラムの大部分は失敗する──たいていの人は、どこかで読んだか、または自分で経験して、この秘密を知っているだろう。

だって、もしうまくいったのなら、毎年のように新しい方法を探したりはしないはずだ。

そしてこの「業界」(アメリカだけで年間100億ドルも売り上げる(注1))も干上がってしまうに違いない。

本当に誰でも成功できるような法則があったら、みんな幸せで、健康で、充実した人生を送っているからだ。

たとえば、ノンフィクションの本でいちばん売れている分野の一つは「ダイエット」だ。

それでは、今年ダイエットの本を買ったのはどんな人たちだろう?答えは、去年もダイエット本を買った人たちだ。

理由はもちろん、去年の本では成功しなかったから!しかし、ここでのいちばんの問題は、たいていの自己啓発プログラムは役に立たないということを、業界内部の人間はすでに知っているということだ。

この業界の内部の人間によると、成功法則や自己啓発プログラムは、だいたい97パーセントの確率で失敗する──いや、読み間違いではない。

たしかに97パーセントだ。

本でも、セミナーでも、ワークショップでも、この確率は変わらない。

友人で同僚のケン・ジョンストンは、北米最大の能力開発セミナーの会社を経営しているのだが、業界人が必死で隠そうとしている事実を、何年も前からセミナーで公言してきた。

事実とはつまり、自己啓発の成功率はわずか3パーセントだということだ。

その成功した3パーセントから証言を集め、誰でも成功できるかのように宣伝しているというわけだ。

もっと面白いのは、自己啓発プログラムの大部分は、基本的な構造がほぼ同じだということだ。

①欲しいものに意識を集中する②それを手に入れるための計画を立てる③計画を行動に移すこれだけだ。

どの本を選んでも、どのプログラムでも、どの医者でも、どのメンターでも、言っていることはだいたい同じ。

この基本構造に、それぞれが自分なりの味つけをしただけだ。

実際のところ、この教えのルーツをたどれば、1937年に出版されたナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』(きこ書房)にたどり着く。

それから現在にいたる65年ほどの間に、この本の焼き直しがたくさん登場してきた──望んでいる結果に意識を集中し、計画を立て、そして強い意志の力で計画を実行に移す。

たしかに理にかなった法則だと思うだろう。

そう思うのも当然だ。

だって、生まれたときからずっとそう聞かされてきたのだから。

しかし、ハーバード大学とスタンフォード大学が行った最近の調査によると(この調査については第1章で詳しく見ていく)、この方法はただ効果がないだけでなく、むしろ97パーセントの人にとっては失敗の方程式になってしまう。

それはなぜか?典型的な「欲しいものを決める、計画を立てる、計画を実行に移す」という三つのステップは、二つの前提の上に成り立っている。

一つは外側の結果を期待することであり(ステップ1と2)、もう一つは、それを達成するのに意志の力を使うことだ(ステップ3)。

第1章で詳しく見ていくが、人は何かを期待すると、結果がはっきりするまでは慢性的なストレスを抱えるようになる。

そして医学の研究でもはっきりと証明されているように、ストレスは万病の元だ。

それに加えて、間違いなく失敗の原因にもなる。

ストレスだけでなく、意志の力に頼るのも(ステップ

3)、ほぼ確実に失敗につながる。

なぜなら、意志の力は顕在意識の力に頼っているからだ。

人間の潜在意識と無意識は、顕在意識の100万倍は大きな力を持っている。

つまり、潜在意識と無意識のチームが、顕在意識が司る意志の力と直接対決するようなことになったら、何回やっても顕在意識の負けになるということだ。

それに加えて、潜在意識がブロックしているある結果を、意志の力を使って「ムリヤリ」引き起こそうとすると、ストレスが急激に大きくなる。

ここでもまた、人生のあらゆる問題の引き金になっているストレスを活性化させてしまうのだ。

つまり簡単に言うと、『思考は現実化する』が出版されてからこの65年間で、自己啓発プログラムの失敗率が97パーセントにもなっているのは、失敗が約束されているプログラムを行っているからなのだ。

長い目で見て幸せも成功も手に入らないだけでなく、むしろ何もしない状態よりも悪い結果になってしまう。

私の場合は、別に数字を出して証明してもらわなくても、意志の力が頼りにならないことはよくわかっている。

実際に自分で経験してきたからだ。

今から25年ほど前のこと、私はティーンエイジャーとその家族を対象にしたカウンセラーをしていた。

私の仕事は、子供たちが道を踏み外さず、人生で成功する手助けをすることだ。

私もあのおなじみの三つのステップを教わっていたので、人生のあらゆる側面で活用していた。

それなのに、カウンセリングの仕事では失敗続きだった。

それだけでなく、金銭面でも失敗続きで、実際に破産してしまったほどだ。

表向きは幸せそうにしていたけれど、内面は惨めそのものだった。

私は何年もの間、人の成功を手助けする方法(なかでも自分が成功する方法)を探し続けた。

宗教に救いを求めたり、自己啓発、心理学、医学に頼ったりした。

尊敬する人たちにアドバイスを求めたりもした。

それなのに、どれもうまくいかなかった。

そして私は、もちろん自分を責めた。

教えのほうが間違っているとは考えもしなかった。

「まだまだやり方が足りないか、またはやり方が間違っているんだ!」──そう自分に言い聞かせた。

ついに私は、すべてを投げ出したくなった。

もうこんなふうに生きていくのはムリだと思ったからだ。

当時の私は、「なぜこんなにもあっという間に、すべてがダメになってしまったのだろう」と考えていた。

まだ20代だというのに、まるで人生のすべての分野で失敗したように感じていた。

しかし実際は、まだ失敗する分野が残っていたようだ。

1988年、ある嵐の日曜の夜のことだった。

結婚して3年目になる妻のホープが、「話があるの」と言ってきた。

これはかなりまずいことになる──私はとっさにそう直感した。

彼女は私の目を見ることができなかった。

それでも、なんとか平静を保とうとしているのは伝わってきた。

「アレックス、もう出て行って。

これ以上あなたとは一緒に暮らせない」私はイタリア人の家庭のような環境で育った。

つまり、思ったことを何でも口に出すような環境だ。

それでも、この人生でいちばん重要な瞬間で、私は一言も発することができなかった。

ただ、「わかった」という言葉を絞り出しただけだった。

そして、私は小さなバッグに必要なものを詰めると、何も言わずに家をあとにした。

両親の家に戻ると、裏庭で一夜を明かした。

ずっと祈り、答えを求め、泣いていた。

まるで心が死んでしまったように感じていた。

当時は気づいていなかったが、あれは私の人生で最高の出来事だった。

家を出てからの6週間で、人生でもっとも前向きな転機が訪れたのだ。

私は一種の「スピリチュアルの学校」のようなものに入学し、すべての問題を解決するカギを手に入れた。

頭の中で声が聞こえた。

あれは神の声だったと信じている。

その声は、私が聞きたくないことを言ってきた──私を嫌な気分にさせることだ。

そして声は三つの質問をした。

私という人間の根幹を揺るがすような質問だった。

それからの6週間で、私は自分を一から作り直すことになった──まったく新しく生まれ変わったのだ。

その三つの質問が、「偉大なる原則の成功の地図」の最初の部分になる(第7章で詳しく見ていく)。

私は一瞬のうちに、この原則を完全に理解することができた。

でも、誰もが使えるような形にするまでには、それから25年の歳月がかかることになる。

6週間の別居生活を経て、ホープは私とまたデートすることにしぶしぶと応じてくれた。

あとから聞いた話では、別居してから初めて会ったとき、私の目を見て、私が生まれ変わったことがわかったという。

彼女は正しかった。

外見はまったく変わっていないが、内面はまったく違う人間になっていたからだ。

その後も、お金の問題や、ホープの健康問題(注2)などもたしかにあったが、二人の人生でいちばん大切なことはずっと守ることができた。

この「偉大なる原則」によって、私は完全に生まれ変わったのだ。

そしてホープもまた、変わろうとしていた。

あの日から私は、この原則をあらゆる人に教えるようになった。

当時カウンセリングを担当していた10代の子供と、その親たちにも教えた。

何が問題で、何が必要かということについては、彼らなりにそれぞれの考えがあったが、彼らが本当に必要としていたのはこの「偉大なる原則」だ。

その原則を、簡単に説明しよう。

あなたが成功しない理由は、内面の「恐れ」にあるほぼすべての問題、または幸せや成功が達成できない状態は、内面の恐怖が原因になっている──身体的な問題でさえそうだ。

そして、すべての内面の恐怖は、その問題に関して愛が不足していることが原因だ。

この恐怖は、「ストレス反応」とも呼ばれている。

もし恐怖が問題なら、恐怖の反対である「愛」が解毒剤になるはずだ。

真実の愛の前では、恐怖は存在できなくなる(ただし、命の危険があるような緊急事態は例外だ)。

これは理にかなった考え方だ。

現にここ数年で、科学的な研究によってこの説が裏づけられてきている(この件については本書を通じて詳しく見ていこう)。

世の中のすべてのものは、成功や外側の状況さえも、自分の内面が恐怖の状態にあるか、それとも愛の状態にあるかで決まっている。

あの夜、両親の家の裏庭で、私を根本から変える何かが起こった。

それから6週間の出来事を、私は「生まれ変わる啓示」と呼んでいる。

あのとき私は、別に「愛そう」と「決意」したわけではないし、それを意志の力で実行したわけでもない。

一瞬のうちに何かが起こり、恐怖が愛に置き換わった。

不安が消え、心に平安が訪れた。

そして、以前だったらどんなに頑張ってもできなかったことが、自然にできるようになった。

人間の脳がコンピューターのハードディスクだとするなら、あれはまるで、愛と恐怖についてのプログラムが一瞬にして書き換わったかのようだった。

正直に言うと、この「生まれ変わる啓示」は一種のビジョンのようなもので、私はその一瞬で、愛の真実の姿をこの目で見ることができた。

ちなみにアインシュタインも、あの有名なE=mc2(特殊相対性理論)という方程式は、このビジョンのおかげでひらめいたという。

アインシュタインは、その一瞬ですべての真実を理解した──しかし、それを証明する公式を導き出すまでには、さらに12年の歳月が必要だった。

私の発見した原則を人に教えるには、実用的なツールと、具体的な説明が必要だ。

そしてクライアントと話していく中で、私はついにそのツールを発見した。

この「三つのツール」を使えば(三つのツールについては第4章で詳しく見ていく)、潜在意識に直接働きかけ、恐怖のプログラムを削除して、愛の状態を初期設定にすることができる。

幸せと成功を実現する三つのツールこの本では、この三つのツールを使って、人生のすべての分野で幸せと成功を実現する方法を教えていく。

しかも、ごく自然に実現できるのだ。

意志の力はまったく必要ない。

私はカウンセリングで修士号を取得すると、免許もないうちから自分のクリニックを開いた──まだ心理学者の監督が必要な段階だ。

そのとき私は、同業者たちに散々からかわれることになる「失敗」をしてしまった。

50分で120ドルという、心理学の博士号を持っている人しかもらえないような料金を設定したのだ(しかも、20年以上も前でこの値段だ)。

カウンセリングの修士ぐらいでは、こんな値段を要求できるわけがない!でも私は経験からわかっていた──私なら、1回から10回のセッションを行い、半年ほどかければ、クライアントの問題を完全に解決することができる。

一方でたいていの心理学者は、週に1回の診察を行い、それを1年から3年も続けている(もしかしたらあなたも、そんな心理学者にかかっているところかもしれない)。

それに、心理学者の一般的な治療は、問題に対処する方法を教えるだけで、問題そのものはおそらく一生残ることになる。

しかし私が治療を行えば、たいていは問題を根本からなくすことができた。

私はただ、この本に書かれているのと同じことを、クライアントに教えただけだ。

この常識では考えられないやり方でカウンセリングを始めると、あっという間に半年先まで予約でいっぱいになった。

同業者たちからもひっきりなしに訪問や電話を受け、あからさまに嫌味を言われたり、または猫なで声でランチに誘われ、探りを入れられたりした。

なぜなら、彼らのクライアントがこぞって私のところに移ってきていたからだ。

この「偉大なる原則」は、私の人生だけでなく、多くのクライアントたちの人生も変えた。

あなたの人生も変わると信じている。

97パーセントの成功率「偉大なる原則」は、古代からある神秘の法則とほぼ同じというだけでなく、最先端の医学や科学でも証明されている。

それに、意志の力では解決できない問題も解決してくれる。

第1章や第4章でも詳しく見ていくが、さまざまな調査や研究によると、自己啓発でよくある「三つのステップ」を使う方法は、脳に間違った働きをさせ、かえって問題を生んでしまう。

問題の例をあげよう。

〈問題〉・頭が働かなくなる・エネルギーがなくなる・痛みが増す・細胞が閉じる・恐怖、怒り、抑うつ、混乱、恥、自分が無価値に感じるなど、マイナスの感情が生まれる・病気になる・免疫力が低下する・血圧が上がる・人間関係が壊れる・たとえ表向きは幸せな顔をしていても、ネガティブな態度から生まれる行動をすべてしてしまう「偉大なる原則」は、例にあげたような問題を生み出すメカニズムをシャットアウトできる。

しかもそれだけでなく、プラスの効果がある別のメカニズムを活性化させる力があるのだ。

プラスの効果の例をあげよう。

それでは、このようなことはどういう仕組みになっているのだろうか?最初のきっかけはストレス反応で、ストレス反応は私たちの中にある「恐怖」から生まれる。

脳はストレスを感じると「コルチゾール」と呼ばれるホルモンを分泌し、〈問題〉のほうであげたようなさまざまな現象が引き起こされる。

〈プラスの効果〉・人間関係が向上する・愛、喜び、心の平安が生まれる・ストレス軽減・依存症や禁断症状を中和する・人を信頼し、正しい判断ができるようになる・治癒が進む・ストレスのないエネルギーが湧いてくる・細胞の働きが活発になり、癒やしと再生が促進される(注3)・親子の絆が深まる・免疫力が高まる・血圧が下がる・ヒト成長ホルモンが活性化される・食欲、消化、代謝のメカニズムが正常になる・リラックスできる・頭の働きが活発になる対して〈プラスの効果〉のメカニズムは、内なる恐怖が存在しない状態から生まれる。

そこにあるのは、恐怖ではなく「愛」だ。

自分の中に愛があると、愛のホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」が分泌され、心身のバランスが整えられていい結果につながる。

この説の根拠となる医学的な研究を少しだけ紹介しよう。

ハーバード大学では「グラント・スタディ」と呼ばれる有名な研究が行われている。

これは人間の発達についての研究で、この種の研究では世界でもっとも長期間にわたっている。

1938年に始まり、対象は268人の男子大学院生だった。

彼らの人生を追跡調査することで、人の幸せと成功を決める要素を突き止めることが狙いだ。

30年以上にわたって研究を主導してきたジョージ・ヴィアラントはこう言っている。

「このグラント・スタディには、これまでに75年の歳月と、2000万ドルのお金が費やされた。

その結果わかったことは、実にシンプルだった。

すべては『幸せとは愛だ』という言葉に集約できる」(注4)つまり、人生の失敗も成功も、すべて態度や心の状態で決まるということだ。

心の中に恐怖があるか、それとも愛があるかで決まっている。

心の中に恐怖があってストレス反応が起こっている人は(私の経験から言えば、大部分の人がそうだ)、幸せも成功も手に入らないだろう。

対して心の中に愛がある人は、人生の成功が約束されている。

しかもそれは、人よりも努力したからではない。

ただ単に、成功するように「プログラムされている」だけだ。

友人で医師のベン・ジョンソンによると、この愛のメカニズムを発動させる薬が発明されれば、史上最大のベストセラーになるとのことだ。

これはただの万能薬ではない。

「いつでもどこでも100パーセント幸せで健康になれる薬」だ!こんな薬の処方箋を書いてもらえたら、嬉しくないだろうか?実はこの本こそが、その処方箋だ。

本物の科学と本物のスピリチュアルを融合するホープに家を追い出されたとき、私は気がついた──私はホープを本当の意味では愛していなかった。

しかもそれだけでなく、愛の本当の意味も知らなかった。

そもそも私の周囲で、本当の愛を知っている人は誰もいなかったのだ。

つまり、私は妻を愛していると思っていたが、それは親密な関係をベースにした本物の愛ではなかった。

交渉と取引をベースにした、きわめてビジネスライクな愛だった。

交渉と取引は、私のセイフティネットだった。

もしこれをしてくれたら、あれをしてあげる。

でも、もし、してくれないなら……。

こちらの条件をのんでもらうまでは、きみの条件ものまない。

これはフェアな取引だ。

そうだろう?もしホープが私の望み通りに動いてくれなかったら、私はプロポーズしていなかっただろう。

実際に結婚してからも、彼女が私の望み通りに動いてくれることを望んでいた。

口には出さないが、それが妻を愛する条件だった。

ホープが私の望まないことをすると、私は苛立ち、怒りを覚えた──そして、それは彼女も同じだった。

たいていの人が、このビジネスライクな愛が本物の愛だと思っている。

しかしこれは、「私の得になるなら」という条件つきの愛だ。

ビジネスの世界では、もうずっと昔から「私の得になるなら」という条件があらゆる関係の基本だった。

そして1970年代に入ると、今度はビジネスだけでなく、プライベートの関係や人生の他の領域でも、この条件を適用したほうがいいと言われるようになってきた──もしあれをしてくれたら、これをしてあげる。

私たちはこの考え方を受け入れた。

それ以来、この考え方に沿って人生を送っている。

これでは人生がうまくいかなくて当然だ!条件つきの愛は、恐怖がベースにある。

そしてゆくゆくは、もっと大きな失敗と苦しみにつながるのだ。

本物の愛は、相手に何も求めない。

相手の反応は関係ない。

もし本当に誰かを愛しているなら、条件などつけない。

セイフティネットも、プランBも必要ない。

出し惜しみもしない。

見返りを求めないので、関係するすべての人が勝つことができる。

たとえ自分が、愛のために何かを犠牲にしたとしても。

本当に愛しているなら、すぐに喜びが手に入らなくてもかまわない。

長い目で見れば必ず成功するからだ。

本物の愛がもたらしてくれる喜びは、どんなに大金を積んでも買うことはできない。

昔の学者は、この二種類の愛に「アガペー」と「エロス」という名前をつけた。

アガペーは自然発生的で、無条件の愛だ。

聖なるものから生まれる愛だ。

ただ自分の中に愛が存在するから愛するのであって、条件や環境は関係ない。

相手に愛する価値があるかどうかも関係ない。

むしろアガペーは、愛する対象の価値を高めることになる。

そしてエロスは条件つきの愛だ。

愛する対象を利用して、自分の苦痛を和らげたり、快楽を得たりすることを目的にしている。

そして望みが叶ったら、また次のターゲットを探す。

相手の持つ外側の要素や、相手が提供してくれることによって、愛するかどうかが決まる。

一方でアガペーは、相手が何を与えてくれるかはまったく関係ない(注5)。

これに気づいたとき、まるでハンマーで殴られたかのような衝撃を受けた。

そして涙があふれてきた。

私は、その本物の愛でホープを愛することができるだろうか?答えはすぐには出なかった。

しかしそれから数日後、私はついに心を決めた。

私は本物の愛でホープを愛することができる。

すべてを捧げ、見返りは一切求めない。

その決心をしたときが、私が生まれ変わった瞬間だった。

本物の愛が理解できただけではない。

自分もそういうふうに愛することができると理解できた瞬間でもあった。

この変化は、頭の中で起こったのではない。

本物の科学と本物のスピリチュアルが出会う、ある場所で起こった。

その場所を「潜在意識」や「無意識」と呼ぶ人もいるが、私は「スピリチュアル・ハート」と呼んでいる。

私は前に、この原則を「魔法の杖」と呼んだ。

歴史を振り返ると、人は仕組みが理解できないものを「魔法」と呼んでいたことがわかる。

そして、仕組みが解明されると、今度は「テクノロジー」と呼ばれるようになる。

私がこの本で紹介しようとしている原則も、たしかに新しい発明品だ。

身体、精神、魂の問題をすべて解決してくれる画期的なものだ。

しかしその原理は、太古の昔から存在していたのである。

ここで念のために断っておくと、私が使う「スピリチュアル」という言葉に、宗教的な意味合いはまったくない。

宗教の教えのほとんどは恐怖をベースにしていて、そのためにむしろ害になる。

とはいえ私は、精神を大事にする努力はいつも怠っていない。

愛、喜び、平和、許し、優しさ、そして信じる心が、私の人生の優先事項だ。

これらはスピリチュアルの領域にある物事であり、そして人生を決める物事でもある。

愛が幸せと成功のカギになる──科学がこの原則を発見したのはつい最近のことだが、実は太古の昔から、偉大な精神の教師たちはずっとこの原則を教えていた。

ただ私たちが、人生に生かす技術を持っていなかっただけだ。

いくつか紹介しよう。

「誰かに深く愛されると、人は強くなる。

誰かを深く愛すると、人は勇敢になる」老子「一つの言葉が、すべての人類を人生の苦しみから解放する。

その言葉とは『愛』だ」ソポクレス「未来を予言する力を持ち、すべての謎を理解し、すべてを知っていても、それに山を動かすほどの信仰があったとしても、愛がなければ何の意味もない」使徒パウロ「すべての存在を無条件に愛し、公平に愛さなければ、心に平安は訪れない」ブッダ

「私は絶望すると、歴史を振り返り、いつも真実と愛が勝ってきたことを思い出す。

たしかに暴君や人殺しも存在した。

彼らが無敵に見えるときもあった。

しかし最後には、彼らは必ず破れる。

いつもそれを忘れないようにしよう」マハトマ・ガンジー「誰かに幸せになってもらいたかったら、思いやる心を持ちなさい。

自分が幸せになりたかったら、思いやる心を持ちなさい」ダライ・ラマ「暗闇で暗闇を追い払うことはできない。

それができるのは光だけだ。

憎しみで憎しみを消すことはできない。

それができるのは愛だけだ」マーティン・ルーサー・キング・ジュニア「愛する方法を身につけることが、精神的な生活の最終目標だ──超能力を身につけることでもないし、お辞儀やチャントの仕方を覚えることでもないし、ヨガや瞑想ができるようになることでさえない。

愛する方法を身につけることがすべてだ。

愛は真実だ。

愛は光だ」ラマ・スールヤ・ダス今の時代のもっともエキサイティングな出来事は、こういった昔からの教えが、最新科学によって実際に証明されようとしていることだ。

私がこの本で紹介しようとしている原則も、もちろん本物の科学で証明できる。

科学で証明できるのだから、誰でも活用することができる。

あなたがどんな考え方でも、どんな人となりでも関係ない。

ただ実践すればいいだけだ。

私はもう25年も前からこの原則を教えてきたが、本当にどんな人にでも効果があった。

現在、この原則を実践する人は、全米50州、そして全世界の158か国にも及び、その数はまだ増え続けている。

その中で、私が実際に教えて効果がなかった人の数は、両手で足りるほどだ。

そんな5人から10人の人たちは、二つのタイプに分けられる。

一つは、原則を実践しようとしない人で、もう一つは原則の哲学的な根拠に同意できない人だ。

つまり、本当の意味で原則を実践したわけではない。

それ以外は、私の知るかぎり、全員が成功している。

あなたを幸せにするツール真の幸せと成功を手に入れるには、今この瞬間に、すべてが愛で満たされていなければならない。

それができるなら、すべてが上向きになるだろう。

そしてもちろん、意志の力だけでそれを達成することはできない。

プログラムされていない仕事をコンピューターにさせることはできないのと同じだ。

あなたのスピリチュアル・ハート(またはあなたの潜在意識と無意識)は、コンピューターとほぼ同じ仕組みで動いている。

そもそも人間の細胞は、コンピューターのチップと同じで、シリコンのような物質でできているのだ。

たとえば、あなたのパソコンに変なソフトがインストールされ、クラッシュばかりするようになってしまったとしよう。

あなたはもちろんその問題を解決したいが、正しい知識とツールがないと何もできない。

しかし、正しい知識とツールさえあれば、いとも簡単に解決できてしまう。

パソコンが正しい状態にあれば、正しい働きをするのを止めることはできない。

なぜなら、パソコンはそのようにプログラムされているからだ。

つまり、人生で成功するには、潜在意識や無意識に働きかけるツールが必要だということだ。

よく言われる意志の力だけでは、顕在意識を動かすことしかできない。

スピリチュアル・ハートも、細胞記憶も、人生のあらゆる問題の根源も、すべて潜在意識と無意識の中にある。

私は歳月をかけて、人間の脳をプログラムし直す方法を開発し、実際にテストをくり返してきた。

この方法を使えば、恐怖に支配されたウィルスを駆除し、人生の悪循環を断ち切ることができる。

潜在意識と無意識に働きかけて、真実と愛だけに包まれた人生を実現できる。

意志の力は必要ない。

理想の結果を思い浮かべる必要もない。

悪いプログラムを駆除し、新しくプログラムを組み直せば、永遠に愛の中で生きることが、あなたの初期設定になる。

この本を読めば、人生のすべての領域で成功し、幸せになれるだけでなく、偉大なる原則を正しく活用するための知識とツールも手に入る。

太古の昔に生まれ、そして現代の最新科学で証明された完璧な原則を、身につけていくことができる。

人々が地球は平らだと思っていた時代から、地球はずっと丸かった。

それと同じように、偉大なる原則も昔からずっと正しかった。

ただ最近になって、正しさを証明する科学が誕生しただけだ。

そして今のあなたは、生まれて初めて、完璧な成功と幸せを実現するプログラムを手に入れた。

超越した人生を生きるためのプログラムだ。

(注)1TimothyD.Wilson,”SelfHelpBooksCouldRuinYourLife!,”TheDailyMailonline,August15,2011,www.dailymail.co.uk/femail/article2026001/SelfhelpbooksruinlifeTheypromisesellmillions.html#ixzz1ovSZDP2z.2ホープの癒やしの物語と、潜在意識を癒やして心身の病気を治療するその他のツールについては、ベストセラーとなった私の著書『奇跡を呼ぶヒーリングコード』(SBクリエイティブ)を参照してもらいたい(共著者はベン・ジョンソン博士)。

3CortA.Pedersen,UniversityofNorthCarolina–ChapelHill;KerstinUvnasMoberg,TheOxytocinFactor:TappingtheHormoneofCalm,Love,andHealing(Pinter&Martin,2011).4”75YearsintheMaking:HarvardJustReleasedItsEpicStudyonWhatMenNeedtoLiveaHappyLife,”FEELguide,April29,2013,http://www.feelguide.com/2013/04/29/75yearsinthemakingharvardjustreleaseditsepicstudyonwhatmenrequiretoliveahappylife/.Thisarticleincludesasynopsisofthestudy,butthefullfindingscanbefoundinGeorgeVaillant,TriumphsofExperience:TheMenoftheHarvardGrantStudy(BelknapPress,2012).5AndersNygren,AgapeandEros:TheChristianIdeaofLove,trans.PhilipS.Watson(Chicago:UniversityofChicagoPress,1982).

「潜在意識」を変えれば、すべてうまくいく

◉目次

はじめに

意志の力を使った自己啓発は失敗する

PART1意志を使わず幸せになる「偉大なる原則」

第1章「究極の成功目標」を決める魔法のランプのエクササイズ間違った答え正しい答えはどこにあるのか「苦痛と快楽のプログラミング」外側の成功を望む人は、恐怖に支配されているなぜ「内面の状態」が正しい答えなのか「偉大なる原則」を活用して本当に欲しいものを手に入れる第2章「細胞記憶」を癒せば、問題は消えるストレスへの反応を決める「樽効果」「細胞記憶」はどうやって問題を引き起こすのか心配事のほとんどが起こらない理由本当の治療とは記憶を癒やすこと記憶の嘘を見抜く依存症も「細胞記憶」の問題である

第3章スピリチュアルを物理学で解明する

たいていのアファメーションは役に立たないそもそも人間には、ネガティブな効果を生み出す機能はない潜在意識が「見ている」ものPART2あなたの潜在意識をポジティブに変える方法

第4章あなたの潜在意識を変える三つのツール

ツール1エネルギーのパターンを変える「エネルギー療法」「エネルギー療法」の仕組みポジション1ハートのポジションポジション2おでこのポジションポジション3頭頂部のポジション「エネルギー療法」のツールで不安を解消する「エネルギー療法」のツールを試してみようツール2プログラムを組み直す「魔法の言葉」ネガティブな結果の根源には嘘がある「自分を無価値だと思う」「いつも不安を抱えている」という問題プログラムを組み直す「魔法の言葉」完全バージョンプログラムを組み直す「魔法の言葉」簡易バージョン「欲しい」と「欠けている」は同じ行き詰まってしまったときはどうするかツール3「ハート・スクリーン」のツール「ハート・スクリーン」のツールの仕組み「ハート・スクリーン」のツールの使い方「ハート・スクリーン」は他者とつながる三つのツールを合わせて使う肉体、感情、スピリチュアルはすべてつながっている

第5章成功目標とストレス目標

「目標」と「欲求」の違い「目標」の条件

ストレス目標を健全な欲求に変えるPART3「偉大なる原則」を実践する

第6章あなたの成功を妨げている根本的な問題

自分の中にあるコンピューターウィルスを見つける診断1:魔法のランプの逆バージョンニールの物語三つの質問と三つのツール診断2:「人生の誓い」を見つけるステイシーの物語人生の誓いと三つのツール

第7章「成功の地図」で幸福への道筋を描く

まとめ「偉大なる原則の成功の地図」の10ステップおわりに心から愛する

第1章「究極の成功目標」を決めるこの章は、まず質問から始めたい。

もし正しく答えられなかったら、人生でいちばん欲しいものを手に入れるのは難しいだろう。

何年も、何十年も、もしかしたらこのまま死ぬまで、ずっと悪循環から抜け出せないかもしれない。

そこまで大切な質問だが、私の経験から言うと、正しく答えられる人はめったにいない。

それでは、その質問をしよう。

質問1あなたが今、他の何よりも欲しいものは何だろう?正しい答えを見つけるために、一つだけルールがある。

それは、「フィルタリング禁止」だ。

たいていの人は、この質問をされると、まずとっさに一つの答えを思いつく。

頭で考えたのではなく、反射的に頭に浮かんでくる答えだ。

ここでの問題は、たいていの人が、そのとっさに浮かんだ答えを否定しようとすることだ。

そして、人に言っても恥ずかしくないような表向きの目標を考え、それが本当の望みだと自分を納得させようとする──これは絶対に禁止だ!私がこの本を書いたのは、あなたが本当に欲しいものを手に入れるためだ。

この質問に正直に答えることが、成功への第一歩になる。

本当に欲しいものがわからなければ(または、本当に欲しいものを認めずにいると)、それが手に入ることはまずないだろう。

だからこの質問には、とっさに頭に浮かんだことを正直に答えてもらいたい。

その答えが「100万ドル欲しい」だったとしても、それが本心なら一向にかまわない。

健康の問題でもいいし、人間関係の問題でもいい。

ただ真っ先に頭に浮かんだことを、そのまま答えてもらいたい。

本当に欲しいものがわからなければ(または、本当に欲しいものを認めずにいると)、それが手に入ることはまずないだろう。

魔法のランプのエクササイズ無意識のフィルタリングをしないでこの質問に答えるために、ここでちょっとしたエクササイズをしてもらおう。

アラジンの魔法のランプは知っているだろうか。

私が子供のころ大好きだったお話だ。

目を閉じて、ランプの精のジーニーが目の前にいると想像してみよう。

他には誰もいない。

あなたとジーニーだけだ。

そこで、ジーニーはあなたにこんなことを言う。

「お願いを一つだけ叶えてあげよう。

どんなお願いでもかまわないが、条件が二つある。

一つは、『もっとお願いを叶えて欲しい』というお願いは禁止。

そしてもう一つは、他の誰かの自由を奪うようなお願いも禁止だ。

それ以外なら何でも好きなことをお願いできるし、必ず叶えられる。

1000万ドル欲しいなら、もちろん手に入る。

ああ、それから、この願いを叶えたら、もう他の願いは一つも叶わない。

そして10秒以内にお願いをしないと、この話はなかったことになる」さあ、どうだろう。

本当に目の前にジーニーがいるつもりで、本気で考えてみよう。

10秒しかないのだから、フィルタリングしている時間などない。

目を閉じて、思い浮かんだことをパッと言ってしまおう。

さて、あなたは何をお願いしただろうか?それを紙に書こう。

ここでジーニーにお願いしたことが、あなたにとってのいちばんの望みだ。

でも普通に尋ねていたら、あなたはきっと違うことを答えただろう。

それも、かなり違うことだ。

そんな表向きの目標に縛られていたら、理想の人生を手に入れることなど不可能だ。

それでは、なぜここで、あなたの本当の望みを知る必要があったのか?それは、本当の望みが、あなたのすべての行動の原因になっているからであり、すべての思考の原因になっているからだ。

口では何を言っても、本心ではそれをいちばんに信じている。

あなたがしていることも、今までにしたことも、これからすることも、すべて人生のある時点で決めた目標が動機になっている。

もう忘れたつもりになっているかもしれないが、心の奥底に刻まれているのだ。

朝になれば起きるのも、その目標があるからだ。

歯を磨くのも、着替えるのも、タクシーを呼ぶのも、結婚するのも、離婚するのも、子供を持つのも、トイレに行くのも、すべてその目標があるからだ。

たとえ自分では意識していなくても、その目標があなたの行動を決めている。

だからこそ、人生に本物の変化を起こしたいと思っているなら、自分の無意識の中にある「いちばん大きな望み」の正体を知らなければならない。

間違った答え私はこの25年間、ずっとこの質問をしてきた。

一対一のカウンセリングで尋ねたこともあるし、数千人を相手に尋ねたこともある。

最近では、1600人以上の聴衆を前にこの質問をした。

そのとき正しい答えを言えた人は、たった6人だった。

この質問の決まりは、「正直に答える」ということだけなのだから、間違えようがないではないか。

そもそもなぜ間違いだとわかるのか?それは、私がさらに二つの質問をすると、本人が間違った答えだったと認めるからだ。

その二つの質問は、あとで尋ねることにしよう。

でも、ここでヒントをあげよう。

正しい答えはいつでも内面の状態で(愛、喜び、平安など)、間違った答えはいつでも外側の状況になる(お金、健康、物質的な成功、「相手にこうして欲しい、こう感じて欲しい」という願いがベースになる人間関係など)。

これが間違った答えなのは、結局はあなたを不幸にするからだ。

外側のものを追い求めると、本物の幸せや成功はどんどん遠ざかっていく。

それはなぜか。

ここで、例の97パーセントの確率で失敗する「三つのステップ」方式を思い出そう。

①欲しいものに意識を集中する②それを手に入れる計画を立てる③計画を行動に移すステップ1と2で大事なのは、目標とする結果だ。

そして、ハーバード大学の心理学教授で、ベストセラー『明日の幸せを科学する』(早川書房)の著者であるダニエル・ギルバートによると、「期待は幸せを殺す」(注1)とのことだ。

ギルバートはこの分野の研究をもう何年も続けている(注2)。

こで言う「期待」とは、「何らかの未来のイベントに関係のある、具体的な人生の状況」「結果」ということだ。

ギルバートはインターネットに動画も投稿していて、この期待の仕組みについてとてもわかりやすく説明してくれている(注3)。

この「結果を期待する気持ち」が殺す対象は、幸せだけではない。

健康や成功も犠牲になる。

それは、未来の結果を期待すると、その結果を手に入れるまでずっとストレスを感じることになるからだ。

ここ30年間をこの地球上で過ごした人なら、病気の95パーセントはストレスが原因だという説を聞いたことがあるだろう。

しかも、それだけではない。

病気だけでなく人生のあらゆる問題も、ほぼすべてストレスによって引き起こされているのだ。

仕組みを説明しよう。

⑴ストレスは病気の原因になる。

病気の95パーセントはストレスが関係していることは、ほぼすべての医者や研究者が認めている。

これは別に新しいニュースではない⑵ストレスは頭の働きを低下させる。

高度な働きをする脳の部位への血流が減り、創造性や問題解決能力など、幸せで成功した人生に必要な機能が失われる⑶ストレスはエネルギーを奪う。

コルチゾールが分泌された瞬間はエネルギーが増すが、アドレナリンが出すぎたせいで逆に消耗してしまう。

ストレスとは本来、命にかかわる危険があるときだけ感じればいい。

戦うにしても逃げるにしても、そのときの行動にコルチゾールは役に立ってくれる。

現代人がよく「いつも疲れている」と不平を漏らすのは、つねにストレスにさらされているからだ⑷ストレスがあるとあらゆることに対してネガティブになる。

「できない」「私はダメだ」「自分には才能がない」「私には魅力がない」「景気が悪すぎる」……。

こういったネガティブな態度でいると、ネガティブ思考が状況の客観的な分析だと思い込んでしまう。

しかし、それは違う。

ストレスのせいでそう感じているだけだ。

ストレスをなくせば、ネガティブ思考は自動的にポジティブ思考に変わるだろう。

ストレスを抱えたままの人は、意志の力でネガティブ思考を変えようとするが、それはほぼ確実にうまくいかない⑸ストレスがあると、どんな課題もほぼ確実に失敗する。

⑴から⑷を見れば、そう考えるしかないだろう。

病気で、頭の働きが鈍く、疲れていて、ネガティブ思考に支配されているときに、何かをやって成功するわけがない。

しばらくの間は頑張れるかもしれない。

重い岩を丘の上に向かって転がしていけるかもしれないが、いずれ耐えられなくなり、転がり落ちてくる岩に潰されてしまうたしかに、何か特別な才能があれば、たとえストレスまみれでも、その分野で目標を達成することはできるかもしれない。

たとえば、スポーツ、科学、金融、セールスなどだ。

とはいえ、長い目で見れば幸せにはなれないし、心も満たされない。

目標とする結果を達成して、なおかつ幸せで、心が満たされている状態──これが本当の幸せだ。

それ以下の状態で妥協してはいけない。

ステップ3の「計画を行動に移す」段階は、意志の力が不可欠だ。

そして意志の力は、期待と同じくらい役に立たない。

これは経験から何となくわかっていたことだが、最新の科学によってついに証明されたのだ。

スタンフォード大学医学部の元教授で、細胞生物学者のブルース・リプトンによると、潜在意識のプログラムを組み直さず、ただ意志の力を使って理想の人生や健康、成功などを手に入れようとすると、うまくいく確率はたったの100万分の一だ(注4)。

なぜかというと、潜在意識(つまり、あなたという人間を動かすプログラミングが存在する場所)は、顕在意識(意志の力が存在する場所)よりも100万倍大きな力があるからだ。

友人で、スタンフォード大学で物理学を教えていて、映画『超次元の成功法則』にも出演しているウィリアム・ティラーは、私との個人的な会話のときにこんなことを言っていた。

「顕在意識と潜在意識が戦えば、いつも必ず潜在意識が勝つんだ」顕在意識の言うことに無意識が異議を唱えても、自分でそれに気づくことはほとんどない。

自分が何かをしたのなら、自分でそれをすると決めたからだと思い込んでいる。

電話をする、カウチに座る、ネットをダラダラ見て3時間も無駄にする──こういった行動はすべて、自分の意志で決めているのではない。

自分でも気づかないうちに、潜在意識に支配されているのだ(このことについては、第2章でさらに詳しく見ていく)。

ここで、またステップ1と2に戻り、期待と外側の状況をもとに目標を設定することの問題について考えてみよう。

何か外側の状況を人生の第一の目標にすると、はっきりした結果が出る(目標を達成する、または失敗する)まで、つねにストレスにさらされることになる。

つまり、もしかしたら目標そのものが、人生の問題になってしまっているかもしれないということだ。

私のクライアントにも、そういう人がたくさんいた。

外側の状況を人生の第一の目標にすると、考えられる結果は、次の三つのうちのどれかになる。

⑴ずっと欲しかったその外側の状況が手に入ると、たしかにその瞬間はこの上なく嬉しい気持ちになれるが、本当にその瞬間だけだ1日がたち、1週間がたち、1か月がたつと、早くも次の目標に向かって進み始める。

人生でいちばん欲しいものがまた新たに出現するのだ。

慢性的なストレス、刹那的な喜び、また次のストレスというサイクルを延々とくり返すことになる。

そして人生の終わりが訪れたときに、「自分は何をあんなに必死になっていたのだろう」とふと考える。

私の友人で、自分の本が「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストに載るという夢をずっと追いかけている人がいる。

彼はたしかに努力を重ねていた。

そして25年がたち、ついに夢が叶ったのだ!リストの中に自分の本を見つけると、彼は天にも昇る心地だった。

私も一緒にお祝いをした。

しかし私は、その次にどうなるかも予想できていた。

2週間半がたち、彼はついに本音を言った。

「なんだか期待していたほどではなかったな」。

実際、彼はかなりひどいうつ状態になり、健康にも問題を抱えるようになってしまった。

せっかく長年の夢を叶え、経済的にも豊かになったというのに、これはいったいどういうことだろう?以前の彼は、自分の本が「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストに載りさえすれば、ある種の問題がたちどころに消え、そしてある種の夢が実現すると信じていた。

しかし、目標を達成してもそうならないということがわかると、以前にはなかったような虚しさが胸の中に広がっていった。

ベストセラーを書きたいという長年の夢が消え、あとにはぽっかりと開いた穴だけが残された。

夢を手放し、代わりに空虚を手に入れる──まるで割に合わない取引だ。

つまり、外側の状況を目標にすると、それを達成したときに、精神状態はかえって悪化するということだ。

達成しないでずっと夢を追いかけているほうが、まだいい気分でいられる。

とはいえ、彼もいつまでも落ち込んではいなかった。

また次の目標を決め、その外側の状況を手に入れれば、今度こそ本当に幸せになれると張り切っていた──こうやってストレスのサイクルをくり返すことになる。

⑵目標を達成しても、すぐに違う建物に梯子をかけてしまったような気分になる

言い換えると、目標達成の喜びさえ感じないときもあるということだ。

そんなとき人は、ただ次の目標に飛び移るのではなく、幻滅してやる気を失ってしまう。

以前、テレビであるドキュメンタリー番組を見た。

番組の中で、世界的に有名なバンドが最初のヒット曲について語っていた。

「長年の夢がついに叶ったときはどんな気分でしたか?」という質問を受けると、メンバーの一人はこう答えた。

「こんなものなのか?もっとすごい何かを期待していたのに──そういう気分だった」。

とても印象深い答えだが、特に驚きはなかった。

私のクライアントには、大成功しているミュージシャンやアスリート、俳優などもたくさんいる。

彼らの中で、富、名声、幸福、健康のすべてを持っている人は、だいたい20人に一人ぐらいだ。

残りの19人は極度のストレスにさらされ、次の目標に向かって一心不乱に突っ走っている。

早く次のプラチナアルバムを出さなければと焦り、もうヒット曲を作れないかもしれないという恐怖と戦っている。

夢のような人生を送っているというのに、信じられないようなことでストレスを感じていたりするのだ。

富、名声、幸福、健康のすべてを持っている少数派たちに話を聞くと、富と名声のおかげで幸せなわけではないということがよくわかる。

彼らが幸せなのは、大切な原則を知っているからだ。

それは、「内面にある愛と真実のほうが、外側の結果や状況よりもずっと大切だ」という原則だ。

彼らにしても、簡単にその原則を発見したわけではない。

アルコールやドラッグの問題でさんざん苦しみ、そしてついに、お金と名声だけでは決して心は満たされないということを悟る。

それからは、外側の状況に執着しそうな自分に気づくと、その反対の方向へ一目散に走っていく。

「もうお金や名声のことは考えもしない。

そのせいで死にかけたからね」と彼らは言うこの⑴と⑵は、第一の目標を達成した人に起こることだ。

たいていの人は、意志の力を使って目標を達成しようとする。

そしてもうご存知のように、意志の力は役に立たない。

それでは、いつまでたっても目標を達成できなかったら、いったいどうなってしまうのだろう。

⑶目標を達成できないと、すっかり意気消沈して立ち直れなくなるこの仕事をしていていちばん悲しいのは、原則に気づくのが遅すぎた人たちを見ることだ。

たとえば、あるベテランのカントリー歌手は、自宅にずらりと並んだトロフィーやパネルを苦々しく眺めると、「こんなものはいつでもくれてやる」と言った。

「もっと家族を大切にするべきだった。

愛する人たちとの時間を増やすべきだった。

愛と喜びと心の平安が手に入るなら、名声を手放してもかまわない」。

人はたいてい、年をとると、人生で本当に大切なものがわかるようになる。

しかしなかには、年をとってもまだわからない人もいる。

いつまでも外側の状況に執着し、恐怖とストレスにさいなまれている。

彼らはおそらく、それまでに集めたトロフィーや賞状に必死でしがみついているのだろう。

正しい答えはどこにあるのかもしあなたが、答えを間違えた99パーセントのうちの一人なら、次の二つの質問から正しい答えを考えてもらいたい。

最初の質問は、「あなたが今、他の何よりも欲しいものは何だろう?」だった。

それでは次の二つの質問だ。

質問2質問1で答えた「何よりも欲しいもの」が手に入ったら、自分はどうなるだろう?人生はどう変わるだろう?質問3何よりも欲しいものを手に入れ、質問2で想像した通りの結果になったら、どんな気分になるだろう?質問3への答えが、質問1への正しい答えだ。

それがあなたにとっての「何よりも欲しいもの」だ。

いちばん大切なものは、あなたの中にある。

外側の状況では決してない(注5)。

この内面の状態を、「究極の成功目標」と呼ぶことにしよう。

なぜそう呼ぶかというと、まさに文字通りで、目標にするべき究極の成功だからだ。

とはいえ、この内面の状態が本当に究極の成功目標なら、なぜ最初からこう答えなかったのだろう?理由を説明しよう。

ほぼすべての人が、質問1に対して外側の状況を答える。

その外側の状況が実現すれば、質問3で答えた内面の状態も手に入ると信じているからだ。

例をあげよう。

数か月前、ロサンゼルスでセミナーを開催し、この究極の成功目標を見つけるエクササイズを行ったときのことだ。

参加者のある女性が壇上に上がり、自分の答えを私たちにも教えてくれた。

彼女はここ数年、苦労の連続だった。

彼女にとっての「何よりも欲しいもの」は「100万ドル」だった。

答えたときの彼女は、うっとりとした表情を浮かべていた。

そして質問2、「その欲しいものが手に入ったら自分はどうなるか?」への答えは、だいたい予想はついていると思うが、「借金を完済できる、生活に余裕ができる、久しぶりに旅行に行ける、お金のストレスがなくなる」というものだった。

そして質問3への答えは「心の平安」だ。

つまりその女性は、心の平安を手に入れるにはお金が必要だと考えている。

私はこのエクササイズの仕組みを説明すると、また質問をした。

「もしかしたら、あなたが本当に欲しいものは心の平安で、それを手に入れるにはお金が必要だと思い込んでいるだけではないですか?」彼女ははっとしたように私を見た。

そして手で顔をおおうと、そのまま泣き出した。

ステージに上がり、たくさんの人々を前にしているのに、それでもかまわず声をあげて泣いていた。

そしてようやく落ち着くと、聴衆に向かって、今この瞬間まで自分の本当の望みに気づいていなかったと言った。

彼女はもう何十年も前から、お金さえあればと思っていた。

お金のことばかり考え、お金ばかり追い求め、その結果かえってストレスがたまり、不安にさいなまれ、不幸になっていた。

彼女はそこまで言うと、あることに気がついた。

本当に欲しいものは、今すぐにでも手に入る。

お金がなくてもかまわない。

実際、外側の状況は何も変わらなくても、内面の状態を変えることはできるのだ。

彼女は本当に楽しそうに声をあげて笑うと、私を抱きしめた。

表情や雰囲気がすっかり変わり、聴衆が見ている前でまるで別人のように生まれ変わった。

私たちの多くが、何らかの結果を求めている。

それはキャリアかもしれないし、何かを所有することかもしれないし、何かを達成することかもしれないし、人間関係かもしれない。

その外側の状況さえ手に入れば、理想の心の状態になれると信じているからだ。

しかし、それは間違っている。

それはこの世でもっとも大きな嘘の一つであり、自己啓発の97パーセントが失敗に終わる理由でもある。

外側の状況から、愛、喜び、平安といった見えないものを生むのは不可能なのだ。

それが自然の仕組みであり、私たちも同じ仕組みで動いている。

例をあげて説明しよう。

通勤ラッシュで渋滞している道路を思い浮かべてもらいたい。

最悪の渋滞だ。

そこで2台の車が並んで走っている。

1台の運転手は、渋滞のせいでイライラが爆発しそうになっている。

血管が浮き上がり、顔が紅潮し、ハンドルを握る手に力が入る。

そして周りの車に罵声を浴びせる。

そのとき、隣の運転手は完全に落ち着き払っている。

同乗している友達と談笑し、カーラジオから流れる歌に合わせて自分も歌っている。

あなたもこんな状況を見たことがあるだろう。

とはいえ、外側の状況が、内面の状態にまったく影響を与えないというわけではない。

たとえば、事故で配偶者を失うという悲劇に見舞われたとしよう。

人間の身体は、大きな危険に直面したときや、大きな喪失を経験したとき、ストレスホルモンが分泌されて「戦うか、それとも逃げるか」というモードに入る仕組みになっている。

そのとき、普段から内面が愛、喜び、平安といった状態にある人なら、通常の悲しみの段階を経験するが、1年ほどたつころにはきちんと立ち直っている。

一方で、普段から恐怖を抱えている人は、ストレスの大きい状況に遭遇すると、完全にノックアウトされて立ち上がれなくなってしまう。

この場合、ストレスの本当の原因は外側の状況ではない。

普段の内面の状態が、大きなストレスを引き起こしているのだ。

外側の状況は、いつでも内面の状態から生まれてくる。

外側の状況で究極の成功を実現するには、まず内面が愛、喜び、平安で満たされていなければならない。

心が豊かでないと、健康、富、創造性、幸せ、成功といった外側の状況も絶対に手に入らない。

恐怖、抑うつ、怒りに満ちた心を抱えていると、外側は成功とは正反対の状況になるだろう。

健康問題、お金の問題、閉塞感、不幸に襲われ、人生のあらゆる分野で失敗する(この仕組みについては、第2章と第3章で詳しく説明する)。

さあ、ここでまた最初に言ったことに戻ってきた──ストレスは、多くの健康問題の原因になるだけでなく、人生のあらゆる問題の原因にもなっているのだ。

前にも言ったように、自分の中に本物の動機がなければ、何かを達成することはできない。

100万ドルが欲しいと言った女性は、100万ドルを使って達成したいことがあった。

それが彼女にとっての内面の動機だ。

ここで大切なのは、100万ドルで達成したいことは何かということであり、そしてなぜそれを求めているのかということだ。

答えのカギは、彼女の中にある「苦痛と快楽のプログラミング」にある。

「苦痛と快楽のプログラミング」人間にとってもっとも根源的な本能は、快楽を求め、苦痛を避けることだ。

これは一種のプログラミングであり、生存本能の一部でもある。

この本能は胎児のころからすでに存在し、死ぬときまでずっと持ち続ける。

生まれてから6歳ぐらいまでの人間は、まだとても弱々しい存在なので、生存本能をフルに働かせて危険なものを極力避けようとする。

この間に「刺激と反応」のシステムを確立し、苦痛は悪いもので、快楽はいいものだと認識するようになる。

この「刺激と反応」は、「原因と結果」や「作用と反作用」などと呼ばれたりもする。

このプログラミングも自然界の物理法則の一部で、具体的にはニュートンが唱えた運動の第三法則、つまり「すべての作用には反作用がある」という法則とだいたい同じことを言っている。

以上のことを踏まえて、私はこれを「苦痛と快楽のプログラミング」と呼んでいる。

快楽を与えてくれるものは安全で、それゆえにいいものであり、欲しいものだ。

反対に苦痛を与えるものは危険と解釈され、脳が「戦え」という指令を出したり、「動くな」という指令を出したり、「逃げろ」という指令を出したりする。

単純に生存という観点だけで考えれば、この刺激と反応のシステムはよくできている。

少なくとも人生の最初の6年ほどは、大いに役に立ってくれるだろう。

しかし、大人にとっての成功は、この方法では手に入らない。

人は大人になれば、快楽が身体に悪いこともあり、苦痛が自分のためになることもあると理解できるようになる。

それなのに、残念ながらたいていの人が、大人になってもまだ快楽だけを追い求め、苦痛は全力で避けようとする。

たとえそのせいで、愛と真実と心の平安が犠牲になるとしても。

簡単に言うと、たいていの人が、5歳児のまま大人になっているということだ。

例をあげて考えてみよう。

妻のいるある男性が、その場の勢いで一夜の情事に身を投じてしまった。

翌朝、彼は激しく後悔し、家に帰ってからも罪悪感と恐怖でまったく心が安まらない。

その夜、夕食のあとで、男性は浮気の一件をおそるおそる告白した。

妻はショックを受けた。

それから1時間ほどの間、二人は苦痛に耐えながら話し合った。

夫は罪悪感にさいなまれていたが、それでもあれは一時の気の迷いであり、もう二度としないと断言した。

妻は混乱し、傷ついていた。

夫が急に知らない人になってしまったようで、激しく戸惑っていた。

その夫に、「本当にその浮気相手と寝たかったのか」と尋ねたら、きっと「まさか!私は妻を愛している。

あれは一時の気の迷いだ」という答えが返ってくるだろう。

しかし私に言わせれば、もし本当に寝たくはなかったのなら、実際に寝ることもなかっただろう。

それは、すべての行動の裏には動機があり、すべての動機の裏には思い込みがあるからだ。

その思い込みが何であれ、人間はいつも自分の思い込みの通りに行動する。

実際に浮気をするには、「浮気をするのが、今この瞬間でベストの選択だ」と信じている必要がある。

「ここで彼女と寝れば、今求めている大きな快楽が手に入る。

最近の妻はセックスに応じてくれないので、私が浮気するのもやむをえない。

今回だけだ」それと同時に、彼はおそらく、浮気はよくないということも本気で信じている。

矛盾する二つの信念の間で葛藤があると、その瞬間により強い信念のほうが勝つことになる。

浮気をしたいという信念は、苦痛と快楽のプログラミングから生まれている。

5歳児の思考だ。

そして浮気はいけないという信念は、愛と真実から生まれている。

こちらは大人の思考だ。

決断の瞬間、男性は「戦うか、それとも逃げるか」モードに入っている。

「こんなことをしたら取り返しのつかないことになる」という気持ちもたしかにある。

もしかしたらショック状態になり、意識的な思考が働かなくなっているかもしれない。

動物と同じで、本能だけで行動する状態だ。

そしてついに、本能に従うことになる。

一線を越える瞬間は、理性がほとんど働いていない。

もうまともに考えられなくなっている。

そしてことが終わると、理性が復活して、激しい後悔と罪悪感に襲われることになる。

「なぜあんなことをしてしまったんだ?いけないってわかっていたのに!」なぜかというと、苦痛と快楽のプログラミングに従って行動したからだ。

彼は5歳児のように考え、5歳児のように行動した。

たしかに浮気をするという行動を選んだのは夫だが、見方を変えれば選ばされたとも言える。

無意識のプログラムに操られ、本能的に快楽に走ってしまっただけだ。

だから、「もう二度としない」という誓いの言葉を実行に移すには、その無意識のプログラムを変えなければならないのだ。

これが当てはまるのは、浮気という状況だけではない。

子供に向かって怒鳴ってしまうのも、ダイエット中なのにアイスクリームをがまんできないのも、すべて苦痛と快楽のプログラミングで説明がつく。

意志の力も、本能の前では何の役にも立たないのだ。

外側の成功を望む人は、恐怖に支配されている「苦痛と快楽のプログラミング」の存在は、意志の力が役に立たないことを教えてくれるだけではない。

人生で成功したいのなら、外側の状況を追い求めるのは間違っているということの証明にもなっている。

いちばん欲しいものは何かと考えたとき、まず外側の状況が思い浮かぶ人は、間違いなく恐怖がベースの生存本能に支配されている。

その外側の状況が、快楽か、または安全をもたらしてくれると信じている。

おそらく人生のある時点で何らかの経験をして、その状況が手に入れば大丈夫だというような

ことを学んだのだろう。

昔のクライアントで、とてもお金持ちの人がいた。

どんなに贅沢をしても使い切れないほどのお金を持っていた。

それなのに、彼はとても不幸だった。

あそこまで惨めな人はほとんど会ったことがない。

いつもストレスを抱え、働きすぎで、イライラしていた。

しかし、彼の心理を少し探ると、すべての原因がすぐにわかった。

彼は貧しい生まれだった。

子供のころは貧乏だとバカにされ、着古した服を笑われた。

彼はそれが恥ずかしかった。

『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラが、「神様を証人にして誓います。

もう二度と飢えに泣きません」と言ったように、彼もまた、もう二度と貧乏にならないと誓いを立てた。

それがいつしか、彼にとって生きるか死ぬかの問題になっていた。

彼はお金さえあれば、愛も喜びも心の平安も買えると信じていた──お金がたくさん貯まり、いい服を着ていい車に乗れば、自分は幸せになれる。

しかし、もうおわかりだと思うが、それは間違いだ。

彼もまた、お金がすべてを解決しないことを痛感していた。

いちばん欲しいものを尋ねられて、外側の状況を答える人は、少なくとも二つの点で間違っている。

一つは、外側の状況が本当の幸せと満ち足りた気持ちをもたらしてくれると信じていること。

そしてもう一つは、外側の状況さえ達成すれば、内面の状態(愛、喜び、平安など)もすぐに手に入ると信じていることだ。

歴史を振り返れば、偉大な精神の教師たちはみな同じことを言っている。

それは、快楽を追い求め、苦痛を避けるという生き方では、人生の成功は手に入らないということだ。

つねに愛と真実の状態で生きている人だけが、本当の成功を手に入れることができる。

なぜ「内面の状態」が正しい答えなのかここで今までの内容をざっとおさらいしておこう。

人生でいちばんの目標が外側の状況だという人は、それを達成することはまずないだろう。

対して、もし人生でいちばんの目標が内面の状態なら、次のようなことが期待できる。

⑴いつでも目標を達成できる外側の状況はまったく変わらなくてもかまわない。

それに内面の状態も、変えなければならないのはエネルギーのパターンだけだ。

これは正しいツールがあれば簡単に変えることができる。

⑵一度達成すれば、もう誰にも奪われないホロコーストを経験した心理学者のヴィクトール・フランクルも同じことを言っている。

彼はこれを、人間に残された最後の自由と呼んだ。

人はどんな状況にあっても、自分の態度を決める自由だけは奪われない。

フランクルは収容所を出ると、古典的名著の『夜と霧』を書き、外側の状況にとらわれず、内面を重視することの大切さを解いている(注6)。

⑶一度達成すれば、必ず完全に満ち足りた気持ちになれる。

なぜなら、自分では気づいていなかったかもしれないが、それがあなたがずっと求めてきたものだからだ⑷内面の状態をいちばんの目標にすると、欲しいと思っている外側の状況もボーナスとして手に入る内面が愛、喜び、平安の状態になると、理想の外側の状況を達成する力も手に入る。

「偉大なる原則」を活用して本当に欲しいものを手に入れる人生で本当にいちばん大切なものを、すでに知っていた人もいるだろうし、ここまで読んで初めて知った人もいるだろう。

いずれにせよ、それを手に入れるいちばんの方法は、「偉大なる原則」を活用することだ。

偉大なる原則のコンセプトはいたってシンプルだ。

ストレス反応を引き起こすようなことと正反対のことをする──これだけだ。

具体的には、意志の力で手に入れようとしている何らかの外側の状況があるなら、それをあきらめること。

その代わりに、愛と喜びと平安で満たされた内面を手に入れることを目標にする。

それが手に入れば、外側の状況を達成する力にもなるだろう。

もっとわかりやすい表現で説明すると、次のようになる。

「何をするにしても、内面が愛の状態でなければならず、目の前の瞬間に集中しなければならない」以上だ。

これが偉大なる原則のすべてだ。

最高の成功を手に入れるには、ただ愛の中に生きて、目の前の瞬間に集中するだけでいい。

人生のあらゆる分野を網羅する、まさに完璧な成功だ。

あの三つの質問にすべて正直に答えれば、自分が本当に求めているものがもうわかっただろう。

そして、それを手に入れる方法もすでに知っている。

先へ進む前に、私が25年前に経験した「生まれ変わる啓示」の瞬間を、あなたにも経験してもらいたいと思う。

生まれ変わる啓示を受け取るかどうかは、自分でコントロールすることができない。

でもこれは本当にすばらしい贈り物なので、受け取れるチャンスがあったら絶対に逃さないでもらいたい。

とりあえず今は、ただ祈るだけでいい(注7)。

そしてこの偉大なる原則についてじっくりと考える。

可能性に心を開き、贈り物を受け取る態勢を整えておく。

具体的には、次にあげる事柄についてよく考えてもらいたい。

一度に一つずつ、順番に考えること。

・ある外側の状況を実現するのが成功だと思っていると、確実に失敗することになる。

それも、目標としている結果が手に入らないだけでなく、人生のあらゆる分野で失敗する。

なぜなら、外側の状況を人生最大の目標にすると、慢性的にストレスを抱えることになるからだ。

ストレスの存在はあらゆる成功を妨げる・「私の得になるのか」という観点からすべての物事を眺めると、短期的には欲しいものが手に入るかもしれないが、長い目で見れば大きな苦痛につながり、すべての面で失敗することになる。

心に愛をもち、「私の得になるのか」という考え方を捨てれば、完全に満たされた本当の幸せを手に入れることができる・本当に欲しいものは、外側の状況でもなければ、何か物質的なものでもない。

自分が本当に求めているのは、心が愛と喜びと平安で満たされた状態だ・頭と心の再プログラミングを行わず、ただ意志の力だけで成功しようとしているなら、成功する確率は100万分の1になり、失敗する確率は100万倍になる。

そして、根本的に不可能なことを無理に行うと、多大なストレスにさらされるので、失敗する確率はさらに大きくなる・愛、喜び、心の平安を手に入れたら、外側の状況を実現する力も手に入る。

意志の力だけで同じものを達成することはできない

・愛をもって、今この瞬間を生き、外側の状況や結果をあきらめると、想像もしていなかったような成功と幸せが手に入る・本当に欲しいものを手に入れるには、「意志の力」も「期待」も役に立たない私はよく、「生まれ変わる啓示を経験したことはどうしたらわかるのか?」という質問を受ける。

それには、「とにかくわかる!」としか答えようがない。

その瞬間、自分の中で何かが根本から変わるのを感じる。

心の中が温かくなるかもしれない。

興奮で湧き立つかもしれない。

心が穏やかになり、肉体を超えた次元で本当に満ち足りていると感じることができる。

恐怖や不安がなくなり、心が軽くなる。

心が愛で満たされる。

考えることも、信じることも、行動も、すべてがその場で変わる。

私の言葉を信じて欲しい。

とにかく経験すればわかるのだ!とはいえ、たとえ生まれ変わる啓示が訪れなくても、心配することはない。

もっとあとで訪れるかもしれない。

または、この本で紹介するようなツールを使ってだんだんと理解していくのが、あなたにとってはベストの方法なのかもしれない。

いずれにせよ、ここでのいいニュースは、意志の力だけでは成功できないし、頭で理解するだけでも成功できないということだ。

次の章から、本当に成功できる方法を具体的に説明していこう。

しかしその前に、二つの大切なコンセプトについて学んでおく必要がある。

それは、「細胞記憶」と、私が「スピリチュアル物理学」と呼んでいるものだ。

(注)1DanGilbert,”WhyAreWeHappy?WhyAren’tWeHappy?,”TEDTalks(video),February2004,https://www.youtube.com/watch?v=LTO_dZUvbJA#t=54.2DanGilbert,StumblingonHappiness(Vintage,2007).3DanGilbert,”WhyAreWeHappy?WhyAren’tWeHappy?,”TEDTalks(video),February2004,https://www.youtube.com/watch?v=LTO_dZUvbJA#t=54.4BruceLipton,TheBiologyofBelief(HayHouse,2008),98.5あなたはおそらく、「私が本当に求めているのは内面の状態だなんて、なぜこの男にわかるのか?」と思っているだろう。

私が断言できるのは、自分のクライアントの全員を対象に、10年にわたって個人的に調査を行ってきたからだ。

「いちばん欲しいものは何ですか?」と尋ね、次に「なぜそれが欲しいのですか?」と尋ねる。

クライアントが答えるたびに、「それはなぜですか」と質問を重ねていく。

そして最後に行き着く答えは、例外なく内面の状態だった。

6ViktorE.Frankl,Man’sSearchforMeaning()7「祈り」という行為にどうしても違和感を覚えるなら、ラリー・ドッシー医師が書いた『ReinventingMedicine』というすばらしい本をおすすめしたい。

ドッシーはその本の中で、祈りの効果に関する科学的な研究を紹介している。

自分のために誰かが祈っている自覚がまったくなくても、奇跡的な効果が上がった事例もある。

それでもまだ納得できないというのなら、神のような存在ではなく、自分のハートに祈りを捧げてみよう。

 

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