──筋トレにはアンチエイジングの効果があるのでしょうか?日本抗加齢医学会はアンチエイジング医学について「加齢という生物学的プロセスに介入を行い、加齢に伴う動脈硬化やガンのような加齢関連疾患の発症確率を下げ、健康長寿を目指す医学である」と定義しています。
まずは筋トレをすることで加齢に伴って訪れる疾患を防げるか、という観点から考えてみましょう。
久保君、僕は加齢という生物学的プロセスに介入を行い、加齢に伴うヒップの垂れ下がりや筋量低下によるボリュームダウンのような加齢関連疾患の発症確率を下げ、生涯プリケツを目指す女性が好きだ。
好きという言葉では弱い。愛している。
ちょっと黙っててください。
話を戻します。
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サルコペニアが進んで活動レベルが低下すると転倒して骨を折る、というような事態が起きやすくなります。高齢者の骨折は寝たきりにつながることが多く、それに伴って認知症が進行してしまうこともあります。
転倒などの事故がなかったとしても、サルコペニアが進むと、フレイルという要介護の前段階の虚弱状態になってしまうこともあります。
ちなみに、要介護になってしまう原因を分析すると、一番割合が高いのが脳卒中です。次が認知症で、3番目が高齢による衰弱です。そして4番目が骨折・転倒、5番目が関節疾患になります。
要介護になる理由のうち、3番目の一部から5番目までを合わせた、筋肉や関節、骨といった「運動器の機能低下」がなんと全体の約30%になるのです(厚生労働省「国民生活基礎調査」2013年より)。
こうした流れに抗おうとしたとき、筋トレが大きな役割を果たすのです。
筋トレでこの折れ線グラフを上に向けちゃう。
例えば人生で一度も筋トレをしたことがない、という方であれば、安全かつ適切な筋トレを行えば、もしかすると5年前、10年前の自分の筋量、筋力を超えることができるかもしれません。
滑り台をすべっていたのに、いつの間にか階段を登っていた、なんてことが起きる可能性もあるということです。
話を戻しましょう。
要するにサルコペニアは筋肉が減ってしまう、という現象なので、筋トレで筋量を増やすことでその進行が抑えられるわけです。
移動に関わる動作には「立つ、座る、起き上がる」などの起居動作と「歩く、走る、階段の昇降」などの歩行動作がありますが、起居動作や歩行動作の加齢に伴う能力低下は、腹筋群(腹直筋、内・外腹斜筋)や太ももの前側の筋肉である大腿四頭筋の筋力の低下を反映しています。
ですので、これらの筋群の筋力の維持向上を目指したトレーニングをすることが有効になります。
──加齢による筋力低下→サルコペニア→認知症を含むさまざまな疾患という負のスパイラルを筋トレで食い止める、ということですね!年を取ってからでも筋トレをすれば筋肉量は増えるのですか?心配ありません。
2016年に米国でLixandraoらが行った研究では、60歳前後の男女に筋力トレーニングを行わせたところ、10週間で平均7~8%もの筋量の増加が確認されたそうです。
成長期を過ぎていても、還暦を迎えていてもトレーニングをすれば筋肉は増えるので、年齢を理由にあきらめる必要はまったくありません。
60。
筋トレは人が何かを始めるのに遅過ぎるなんてことはないということを我々に教えてくれている。
「」「」。
人生で一番若いのは常に今。
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、冒頭でいきなりお尻を愛してると宣言していた人が急にカッコいいこと言い出しましたね。
ドヤ顔してこっちを見ている彼は無視して我々は話を続けましょう。
筋トレがアンチエイジングの役割を果たす、という点で見逃せないのが「骨」への効果です。
筋力、筋量だけではなく、骨量も加齢に伴って低下するのですが、特に女性は、閉経前後に骨形成を促すエストロゲン(いわゆる女性ホルモン)の分泌量が低下することが報告されています。
──確かに、中高年の人は骨粗しょう症などになりやすいと聞いたことがあります。
そうですね。
骨粗しょう症は骨の強度が低下し、骨折しやすくなっているという症状ですが、筋トレで改善できる可能性が高いのです。
2017年にBone誌に掲載された論文によると、平均年齢44歳の男性を対象に12か月にわたって筋トレ、もしくはジャンプトレーニング(片脚、もしくは両脚ジャンプを40─100回)をさせたところ「スクレロスチン」という骨形成を阻害するタンパク質が減少し、逆に骨形成を促すIGF-1(インスリン様成長因子)の分泌量が増加することが明らかになりました。
──筋トレをすることで骨が強くなる物質が分泌される、ということですか?その通りです。
さらに同研究グループは、中─高強度(40─80%1RM)の強度でトレーニングをすると、6か月後に脊柱の骨量増加、12か月後には骨盤の骨量増加が認められたとの報告もしています。
これは「オステオカルシン」という骨形成を促すタンパク質が増加したことが一要因であると考えられており、ジャンプトレーニングと比較したところ、骨盤の骨量が増加したのは筋トレのみであったことも明らかになっています。
ちなみにですが「骨」は「ほね」ではなく「こつ」と読むと玄人っぽいのでオススメです。
──筋トレなどの運動をすると、肌のターンオーバーが正常になり、美肌になるとか美容にいいというような話もありますよね。
「」、、20、4週間後と11週間後のⅠ型コラーゲンのターンオーバー(生まれ変わり)の指標が有意に増加していた。
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──皮膚の7割はコラーゲンでできていると言いますし、中でもⅠ型コラーゲンは皮膚の弾力や強度に関与しているとされるので期待が持てそうですね!また、筋トレは身体的な部分での加齢対策だけでなく、脳のアンチエイジングにも効果があります。その一つが認知機能の維持向上です。
認知機能とは何かを知覚、判断、決定したりする能力の総称ですが、Colcombeら(2003)が行った研究によると、有酸素運動にプラスして筋トレを行うと、単体で有酸素運動を行った場合よりも認知機能に対する効果が高いことが明らかになっています。
さらに、Busseら(2009)の研究では、筋トレを行った後に高齢者の記憶力が向上することも報告されています。
運動すると脳がリフレッシュして活性化される感覚は多くの人が体感した事あるよね?僕はこれを如実に感じるから仕事前に筋トレするし、仕事がうまくいかない時とかも筋トレするよ。
──何もしなければ衰えていく筋肉を筋トレをすることによって維持・強化すると骨も強くなって骨粗しょう症も予防できるし、脳にもポジティブな影響があるってことですね。
一石三鳥ですね!一つ注意してほしいことがあります。
ここでは中高年の人を念頭にお話をしてきましたが、若い人であっても筋肉は使わなければ減っていく、ということです。
これは廃用性筋萎縮といって足を骨折した人がギブスを取ったら片足だけ細くなっていたり、宇宙飛行士が宇宙から帰ってきたら筋肉量が減っていたり、といった現象を指します。そこまで極端ではなくても、運動不足になると身体はどんどん弱っていきます。
アンチエイジング云々は別にしても、継続的な運動習慣を持つことの重要性はもっと広く伝えていかなければいけないと思います。筋肉は恋人と同じだね。マメにケアしてご機嫌をとらないとすぐにすねていなくなっちゃう。週6で筋トレする僕は毎日がデートみたいなもんだ。愛してるよ筋肉。
「」。
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筋トレが99%の問題を解決する!と言っているのは冗談ではない。
人生において健康的不安はもっとも大きな不安要素の一つだ。
この章でわかってもらえたと思うが、筋トレは健康的不安を取り除くにはもっとも効率的な行為の一つだ。いつまでも若々しく、健康で、最後の最後まで人生を謳歌したいなら筋トレしよう。
そうじゃない人間なんていないはずだから、俺の計算では日本国民全員が筋トレする時代、大筋トレ時代がもうすぐ到来する。
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