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Chapter2筋トレビジネスエリートがやっているたった一つの「基本」

私があらゆるダイエット法の中で猛プッシュするマクロ管理法。

これは、あなたの性別・身長・体重・年齢、そして3段階に分けて活動量から算出した1日に摂取すべき総カロリーと、そこから導かれたマクロバランスに沿って食べるだけという超シンプルな食事法だ。

要は、あなたに必要なマクロ栄養素〔*〕(タンパク質・炭水化物・脂質)を指定されただけ食べていけばいい。

これを粛々と実行していくだけで、自然と身体は変わっていく。

いきなり「マクロ管理法」と言われても難しそうと思うかもしれないが、心配は無用だ。

マクロ管理法をマスターすることは簡単である。

実際に私は、数多くのダイエット法を試してきたが、マクロ管理法が最もわかりやすく、習慣化しやすいと感じている。

というか、マクロ管理法と出会って以降、新しいダイエットは何も試していない。

これ以上何も必要ないし、よいダイエットはすべてこのマクロ管理法が基盤になっているからだ。

ダイエットでたった一つだけ守るべき鉄則があるとすれば、このマクロ管理法と言ってもいい。

他のルールなど、マクロ管理ができるようになってから覚えればいいというレベルだ。

このマクロ管理法を実践するうえで「マクロ栄養素」を知っておくことは大前提である。

図1を見てほしい。

タンパク質(P)筋肉、内臓、肌、髪、爪、身体のありとあらゆるパーツの材料になる最も重要な栄養素。

肉類や魚類、卵や乳製品に多く含まれる。

1g=4。

英語では「プロテイン」。

日本人に一番不足している栄養素と言っていいだろう。

不足すると筋肉量の減少、肌や髪にハリやツヤがなくなる、爪が弱くなるなどのさまざまなトラブルが起きる。

脂質(F)関節の健康や脳の働き、ホルモン分泌や脂肪燃焼においても必須の栄養素。

オリーブオイルやゴマ油などの油類はもちろん、アーモンドや落花生、チーズなどにも含まれる。

1g=9。

ダイエットを始めるとむやみやたらと脂質の摂取をやめてしまう人が多いが、おすすめしない。

しっかり脂質を摂取しないと身体がきちんと機能せず、脂肪燃焼の妨げになったり、筋肉を作るうえで有効に働くテストステロンの減少につながったりするからだ。

ダイエット中でも、良質な脂質の確保をすることが大切である。

炭水化物(C)主に人間が活動するために使用され、身体や脳を動かすエネルギーとなる。

穀類や麵類、果物などに多く含まれる。

1g=4。

糖質制限ダイエットなどの影響によって炭水化物は「悪」と捉えられがち。

過剰摂取はもちろんNGだが、決して悪ではない。

摂取するタイミングが大切で、主に活発な活動前(朝食、昼食、運動前)と運動後(グリコーゲン補充)に摂ることがベストなタイミングとされている。

マクロ管理法を行ううえで必要なステップを簡単に説明すると次の通りだ(図2参照)。

ちなみに、今回は一般の人向けに、最もシンプルで簡単な設定法を紹介する。

1性別・身長・体重・年齢をもとに基礎代謝を割り出す21日の活動量を考慮し、1をもとに1日の消費カロリーを割り出す32をもとに、あなたの目的(減量or維持or増量)に合わせて1日で摂取すべき総カロリーを割り出す41日の総カロリーから、各マクロ栄養素を毎日何gずつ摂取すればいいかを割り出す5あとは4のとおりに食事をしていくだけ

では早速、順を追って見ていこう。

先ほど紹介したステップの1にもあったように、マクロ管理法では、まず1日の基礎代謝を割り出す。

Chapter1でも伝えたが、基礎代謝とは、人間が何もしなくても消費するカロリーの値だ。

今回の計算には、1990年に発表されたMDMifflin〔*注1〕の式を使う。

この数式は、アメリカで最もポピュラーな計算式の一つだ。

1990年というと古く感じるかもしれないが、30年近くも使われ続けているのは、それだけこの計算式が優秀かつ、正確である証拠なので安心してほしい。

前のページにある図3の通りに体重と身長、年齢の数値を入れて計算するだけで、1日の活動に最低限必要なカロリー数がわかる。

なお計算をより簡単にするため、「DIETGENIUS」のホームページ上に、1日に摂取すべき総カロリーやマクロバランスを簡単に算出できるページを作成した。

超シンプルなので、ぜひアクセスしてみてほしい。

https://dietgenius.jp/macronutrientcalculator/*注1Mifflin,M.D.,StJeor,S.T.,Hill,L.A.,Scott,B.J.,Daugherty,S.A.,&Koh,Y.O.(1990).Anewpredictiveequationforrestingenergyexpenditureinhealthyindividuals.TheAmericanJournalofClinicalNutrition,51(2),241247.から引用し計算式を使用

先ほどの計算で算出した基礎代謝は「何もせずじっとしていても自動的に消費される」カロリーだ。

だが、働いている人が1日中ずっと寝ているなんてことはあり得ない。

そこで、基礎代謝をもとに、活動量も考慮に入れた1日の消費カロリーを割り出す。

とはいっても、活動量は人によって異なるので、活動量を3段階の「アクティブ度」に分けて計算する。

1アクティブ度が低い人(基礎代謝×1・2)2アクティブ度がまあまあ高い人(基礎代謝×1・55)3アクティブ度が高い人(基礎代謝×1・725)詳細は図4のとおりだ。

1日の消費カロリーの例試しに170㎝、60㎏、35歳の男性を例にとってみよう。

計算式は次ページにある図5のとおりだ。

仕事の内容や体を動かす習慣があるかどうかによって、消費カロリーにはけっこう差が出る。

先ほどステップ②で算出した1日の消費カロリーをもとに、今度は目的に合わせて摂取すべきカロリー設定を行う。

ここで一つ注意してほしいことがある。

より大きな効果を得たいと思う人は、このカロリー設定を極端に上下させ、過激なものにしようとするかもしれない。

しかし、それはおすすめできない。

なぜなら、増量希望の場合、設定値である20%を超えるカロリーを摂取すると、体脂肪の増加につながりやすくなるからである。

反対に、カロリーを減らしすぎても筋肉が減ってしまう。

だからこそ、±20%が理想であることを覚えておいてほしい。

「170㎝、60㎏、35歳、男性、アクティブ度高め」の場合、1日の消費カロリーは2574・5。

小数点以下を切り捨てて計算すると、摂取すべきカロリーは図6-2のようになる。

マクロ栄養素を算出するために覚えることは次の3つだけだ。

1タンパク質は体重の数値の2倍2脂質は総カロリーの25%3炭水化物は総カロリーからタンパク質と脂質のカロリー数を引いたもの先ほどの「170㎝、60㎏、35歳、男性、アクティブ度高め、1日の消費カロリーが2574の人」の場合、減量を目的としたとき、1日の総カロリーは2059になる。

この2059をベースに、1日に摂取すべきマクロ栄養素を考えてみよう。

次ページの図7を見てほしい。

以上が、「170㎝、60㎏、35歳、男性、アクティブ度高め、目標:減量の人」が1日に摂取すべきマクロ栄養素となる。

計算をより効率よく行いたい人は、先ほどご紹介した「DIETGENIUS」の中にあるマクロバランス計算ページにアクセスしてみてほしい。

ここまで紹介した計算式で1日に摂取すべきマクロ栄養素を算出したら、あとはそれに沿って食べていくだけだ。

逆に言えば、このマクロ栄養素が守られている限り、食べる順番や食べる回数、食材やその他一切は特に気にする必要はない。

極端な話、1日の総摂取カロリーを夜寝る直前に食べたとしても、1日に摂取すべき総カロリーとマクロバランスさえ守っていけば瘦せていく。

正確に言うと、食べる順番や回数を気にする必要がないわけではない。

もちろん、5~6食に分けて食べるほうが理想的である。

だが、他のどんなことを無視してでも守る価値があるくらいマクロ管理法を守るメリットは計り知れない。

だからこそ、最優先で守ってほしい。

ちなみに、1gの誤差もなく完璧に行おうとするとストレスになってしまい、長続きしづらい。

そのため、タンパク質と炭水化物は±10g、脂質は±5gぐらいの誤差に収めるつもりでOKだ。

いちいち栄養素を確認するのが難しそう?いやいや、試しにコンビニの商品を手に取ってみてほしい。

商品の裏側にタンパク質・脂質・炭水化物がそれぞれ何g入っているか書いてある。

また、自炊するときだって、今では「カロリーSlism」(http://calorie.slism.jp)などのウェブサービスを使えば、各食材の栄養素を簡単に調べることができる。

何かを食べるときは、その都度マクロ栄養素を見て徐々に慣れていくといいだろう。

ちなみに、次ページの図8にあるような食事を摂ると、先ほど例に挙げた「タンパク質:120g、脂質:57g、炭水化物:266g」の条件を満たすことができる。

さて、1日に摂取すべき総カロリーやマクロバランスを把握できたら、次に重要となるのが実際に管理していくこと。

ここで役立つのが、先ほども紹介した「カロリーSlism」である。

カロリーSlismは各食品の栄養価を調べる以外にも、自分が食べた食品のカロリーや栄養素をまとめて計算できるのだ。

せっかくだ、今ここでカロリーSlismにアクセスし、今日食べた食品や食材(まだ十分な食事をしていない人は昨日食べたメニュー)を検索してみてほしい。

各食品のページにアクセスすると「カロリー・栄養計算機へ」というボタンがあり、これをクリックすると食事をリストに追加できる。

リスト化後、「全ての栄養素詳細へ」というボタンをクリックすれば、総カロリーとともにマクロ栄養素も表示されるのだ。

これを見れば、一目でマクロ栄養素を把握できる。

実際に計算してみると、脂質が多かったりタンパク質が足りない、あるいは摂取すべき1日の総カロリーをはるかに超えているなど、意外と栄養のバランスが取れていないと感じる人が多いのではないだろうか。

ただし、ここで絶望する必要はない。

脂質が多いなら減らせばいいし、タンパク質が足りないなら意識して摂ればいい。

また、リストへの追加や削除は簡単にできるので、食事のメニューを決める前にこのカロリーSlismを上手く使ってマクロ管理法を実践してみてほしい!一度自分のマクロバランスを満たせる食事を作ってしまえば、マクロ管理法はグッと楽になる。

ベースができたら、後はおかずを変えたり炭水化物の種類を変えたりと細かな調整をするだけで毎日飽きることなく違う食事を続けられるのだ。

もう一度言おう。

一度作ってしまえば楽になるから、ぜひ今ここで作ってこれからの自分の食生活を具体的にイメージしてみてくれ!

まずはマクロ管理法の概念をおおまかに理解してもらうために、みなさんが普段慣れ親しんでいる食事のマクロ栄養素を見ていこう。

たとえば、日本人の大好きな白米。

1膳(160g)あたり、「タンパク質:4g、脂質:0・48g、炭水化物:59・36g、269」だ。

コンビニのツナマヨおにぎりは、平均的なもので、「タンパク質:6・06g、脂質:4・28g、炭水化物:41・96g、235」になる。

また、ダイエットする人から好まれているサラダチキン(100g)は、平均的なもので「タンパク質:23・8g、脂質:0・9g、炭水化物:0・3g、105」となる。

一般的な焼き魚定食(焼きサバ)の場合、「タンパク質:26・71g、脂質:12・69g、炭水化物:67・21g、502」が目安だ。

ただし、サバは部位によって脂質の量にブレがあるので、この数字はあくまで目安だと思ってほしい。

次の図10に、各マクロ栄養素のおすすめ食品をリストアップした。

どれも良質なものばかりなので、スーパーなどで何を買えばいいか迷ったときに役立ててほしい。

実は、ここに掲載していない良質な食材が他にもたくさんある。

たとえば卵。

1個60gあたりに含まれるタンパク質は7・38gと良質なタンパク質源であることは間違いないが、同時に6・18g程度の脂質も含まれている。

またサーモンの刺身は75g(約5切れ)あたりタンパク質16・88g。

全体のカロリー104のうち6割以上の67・52がタンパク質となる。

サバの刺身は50g(約5切れ)のうち10・35gがタンパク質で6・05gが脂質となり、脂質を含んでいる点も見逃せない。

このほか、タンパク質が多く含まれている肉や魚も、部位によっては脂質も同じくらい含まれることはある。

図10には、混乱を避けるために「タンパク質と脂質が同じくらい含まれる食材」をあえて除外している。

リストにある食品以外にも良質なものは多いので、必要に応じて調べてみてほしい。

先ほどの「170㎝、60㎏、35歳、男性、アクティブ度高め、減量目的」の場合、1日に摂取すべきマクロバランスは「タンパク質:120g、脂質:約57g、炭水化物:約266g」だ。

1日3食だとして単純に3分割すると、1食あたり「タンパク質:40g、脂質:約19g、炭水化物:約88g」。

1日3食をバランスよく食べるとするとこのような数字になる。

では、これらを踏まえ、日本のビジネスマンたちが好む食べ物のマクロバランスを見てみよう(図11参照)。

まずは「牛丼」。

平均的な並盛りで、「タンパク質:18・03g、脂質:23・87g、炭水化物:112・7g、771」になる。

図11を見るとわかりやすいが、炭水化物と脂質がたくさん入っていることがわかる。

「170㎝、60㎏、35歳、男性、アクティブ度高め、減量目的」の平均的な男性がお昼に牛丼を1杯食べると、1日の脂質と炭水化物の約半分の量を占めてしまうことになる。

そのため、もし昼食として食べたなら、他の食事で炭水化物や脂質の摂取を減らし、タンパク質中心のメニューにしなければならない。

次は、日本のビジネスマンたちが好きなラーメン。

醬油ラーメンの1食あたりの目安は、「タンパク質:20・55g、脂質:3・13g、炭水化物:72・55g、416」になる。

ラーメンのみであれば、まだマシだが、もしガッツリ食べたいと思って「ラーメン+チャーハン+餃子」のセットを注文したとすると……結構悲惨だ。

チャーハンの1食あたりの目安は、「タンパク質:15・43g、脂質:20・97g、炭水化物:100・05g、673」程度。

餃子1食(5個)あたりの目安は「タンパク質:8・52g、脂質:9・72g、炭水化物:28・56g、236」になる。

もし「ラーメン+チャーハン+餃子」を食べると、マクロ栄養素の合計が「タンパク質:44・5g、脂質:33・82g、炭水化物:201・16g、1325」。

ざっくりだが、炭水化物は1日の目安の約75%、脂質は約60%も摂取することになる。

朝食の内容によっては、このセットを食べた時点で1日分の炭水化物と脂質がオーバーすることもあるだろう。

また、いずれにしても夕ご飯で調整しないとマクロ管理法を守ることは難しい。

このように、普段何気なく食べている食事も、そのマクロ栄養素を詳しく見てみるとだいぶ偏っていることは多い。

また、飲み物にも注意が必要だ。

たとえば、コーラ500の場合、「タンパク質:0・5g、脂質:0g、炭水化物:57g、225」となる。

意外にも白米1膳分くらいの炭水化物が含まれているのだ。

その他、コーヒーに入っている砂糖やミルクにもマクロ栄養素は含まれている。

ある大手メーカーの「牛乳・砂糖入り」缶コーヒーの場合、210缶は「タンパク質:1・26g、脂質:1・05g、炭水化物:14・49g、73・5」だ。

たかが飲み物と思ってたくさん飲んでいると、知らないうちに多くの炭水化物を摂取していることもある。

〈図10の算出方法〉1)全体の重さからマクロ栄養素の含有量をSlismで調べる2)含有量÷全体の重さ=1グラムあたりの栄養素を算出3)摂取が必要なグラム数を、2)で算出した数値で割る

先ほどのような例を見ると、マクロ管理法=「食べられるものに制限があってキツそう」と思った人もいるはずだ。

だが、何度も言うように決められたマクロバランスの範囲内であれば、調整することは可能である。

たとえば、ダイエットの大敵である高カロリーな食べ物の誘惑に負けてしまったとき。

ラーメンやハンバーガー、スイーツなど、ダイエット時には避けたい食べ物ほど、無性に食べたくなってしまう。

ダイエット開始当初はこの誘惑に打ち勝つことができても、意志の力が弱くなってくるとつい魔が差して食べてしまったことは、ダイエット経験者のほぼ全員が経験しているであろう。

ここで最悪なのが、一度誘惑に負けてしまうとすべてがどうでもよくなってしまうことだ。

自暴自棄になってしまい、欲望のままに食べ、せっかくのダイエットも水の泡になってしまう。

はっきり言って、ダイエット時の誘惑を断つことはなかなか難しい。

だが、マクロ管理法であれば、ついつい魔が差してしまっても対応できるのだ。

それはなぜか?たとえば、誘惑に負けてショートケーキを食べてしまったとしよう。

通常のダイエット時なら「ショートケーキ=ダイエットの大敵」となり、一度食べてしまったら「今までの努力が台無し」と思ってしまう人も少なくない。

しかし、マクロ管理法のもとでは、ショートケーキも単なる食品の一つにすぎないし、そのマクロ栄養素も数字にすぎない。

ショートケーキなら、「タンパク質:4・59g、脂質:25・3g、炭水化物:29・05g、366」だ。

たしかに脂質が多すぎることは否めないが、夕ご飯を調整すれば帳尻は合わせられそうだ。

どうだろう、数字だけを見ることで、冷静に判断できるのではないだろうか?少なくとも自暴自棄になり、暴飲暴食することはなくなるはずだ。

自暴自棄になる理由として考えられるのは、つい食べてしまった食べ物に「どれくらいの栄養素が入っているか」「摂取したカロリーが、自分の摂取すべきカロリーをどれぐらい上回ってしまったのか」ということをきちんと把握できていないからだろう。

得体の知れない未知のものだから、不安にかられてしまう。

だが、マクロ管理法をマスターしていれば、図12のようにイメージして「脂質と炭水化物が多いから、夜はサラダチキンだけだな」などと対処できる。

つい魔が差してしまい、栄養バランスが偏ったものを食べてしまっても、マクロ管理法があなたの拠り所になってくれる。

むしろ、マクロ管理法なしで行うダイエットなど、暗闇の中を手探りで進んでいる状態に等しい。

マクロ管理法という指針が光となりコンパスとなり、あなたをダイエットの成功に導いてくれるのだ。

今、アメリカで流行っているダイエット法がある。

それが「IfItFitsYourMacros(IIFYM)」というもの。

別名、FlexibleDieting(柔軟なダイエット)とも呼ばれている。

大雑把に言えば、「決められたマクロバランスの範囲内なら、何を食べてもいい」というダイエット法だ。

そう、このダイエットのベースになっているのがマクロ管理法である。

決められたマクロバランスを超えない限り、ドーナツでもハンバーガーでもピザでも、好きなものを食べられるというキャッチーさが受けてアメリカで人気になっている。

このIIFYMはもともと、型にはまったダイエットが合わない人向けに考案された。

本来、1日の食事は6~8回程度に分けて摂ることが好ましいが、なかなか難しい。

朝はどうしても食欲がなかったり、料理をいちいち用意するのが大変だったりする。

そういった細かなルールに縛られることでダイエットが続かなかったり、怖気づくのであれば、細かいルールは取っ払って、よりストレスフリーで続けられるようにしようという狙いである。

もちろんベストな方法ではないが、やらないよりはマシ。

しかも、少しでも瘦せ始めたらダイエットへのモチベーションも上がりやすくなるためとっつきやすく、ダイエットのきっかけとしては悪くない。

ただし、最近は少し行きすぎ感も出てきている。

マクロバランスさえ合っていれば、「ドーナツやケーキが主食になっても問題ない」と言い出す人が出てきたからだ。

たしかにマクロバランスは他の何を差し置いてでも守る価値があるぐらい大切だが、メインの栄養はやはり玄米やオートミールなどの良質な炭水化物源、鶏むね肉や牛肉などの良質なタンパク質源、ナッツやアボカド等の良質な脂質源から摂取すべきである。

ドーナツが主食になってもいいというのは論外だが、ここでマクロ管理法の強みが発揮される。

マクロ管理法では、決められたマクロバランスの範囲内で食事を摂らないといけない。

ドーナツばかり食べていては、炭水化物と脂質はオーバーし、タンパク質が満たせなくなってしまう。

ドーナツばかり食べることは、どの道不可能なのだ。

これを明確に数字で制限してくれるのだから、本当に優秀なメソッドである。

本来は、ダイエット中にドーナツをはじめスイーツやラーメンなどの高カロリー食品は食べないほうが好ましい。

だが、理想論ばかり語っていてもダメだ。

マクロ管理法はある程度「遊び」の部分があって素人でも実践しやすいうえに、1日に摂取すべき総カロリーとマクロバランスが決まっているから、ぶっ飛んだ食事ができない点が優秀なのである。

そう、一般の人も気軽に真似でき、長期間続けることができるという最強のメソッドなのだ。

マクロ管理法を行ううえで「魔が差しても、1日の中で帳尻を合わせればいい」と伝えた。

では、もし夜に魔が差してしまったり、食べすぎた場合はどうするか?帳尻を合わせるための猶予がないこの状態では、絶望感を味わうかもしれない。

だが、焦る必要はない。

このとき、あなたが取るべき行動、それは「気にしないこと」である。

「すべて台無しになってしまった」と後悔の気持ちに包まれるかもしれないが、いったん冷静になろう。

あなたがマクロ管理法に失敗した1日は、1カ月のスパンで見ればたった30分の1である。

1日3食食べるなら、1食分の失敗なんて90分の1である。

もちろんマクロ管理法を守るに越したことはないが、普段からきちんと守っていれば1日、ましてや1食分の失敗など大したことはない。

ダイエットを開始した1食目でブロッコリーとササミというヘルシーメニューを食べた瞬間に「やったぁ!瘦せた!」と思うだろうか?思わないよな。

それと同じで、1食食べすぎてしまった程度で今までのダイエットが水の泡になるなんてことはあり得ない。

もし夜に食べすぎてしまったら「今日は失敗しちゃった、てへ」とか「心は満たされたし、まあいいや」と思ってあきらめろ。

自分を責める必要はないし、反省はしても後悔はするな。

次の日から淡々と続けていけばいい。

そして、ここからさらに大事なことを伝えたい。

食べすぎたからといって、絶対に翌日の食事で取り返そうとしないでほしい。

たとえば、前日に脂質を30g摂りすぎたからといって、次の日に30g減らしてはダメだ。

導き出されたマクロバランスは、あなたの身体が必要としている値だ。

次の日に摂取量を減らしてしまうと、栄養不足になってしまう。

それに、調整を続けていくとどんどんダイエットが複雑になってきてしまう。

だからこそ、調整はしないでほしいし、断食なんてもってのほかだ。

ちなみに、日付が変わった深夜に食べた食事は、前日か翌日のどちらにカウントするか。

その答えは前日。

マクロ管理法での「1日」は起きてから寝るまでの時間を指し、睡眠するたびにリセットされる。

つまり、栄養素をカウントするのは目覚めてから寝るまでの間だ。

徹夜で長く起きている日も、昼間まで寝てしまい起きている時間が短い日も、その日に摂取すべき総カロリーとマクロバランスはいつもと同じ。

だからこそ、徹夜になりそうなときは、あらかじめ朝食の一部を深夜に回すなど、複数回に分けて食べることをおすすめする。

本来は活動時間により変化をつけてもいいのだが、シンプルさが大切なので、このルールを徹底するように。

何度も言っているが、複雑で実行の難しいプランに価値はない。

人間は誘惑に弱い生き物だ。

だが、不測の事態が起きてもマクロ管理法なら臨機応変に対応できることは散々伝えている。

しかし、いくら調整できるとはいえ、スイーツやラーメンなどカロリーが高く、脂質が多いものを食べるとどうしても罪悪感を覚えてしまうだろう。

罪悪感に苛まれていては、健全にダイエットを続けていくことは困難だ。

そこで、マクロ管理法を長く続けるコツを紹介したい。

この罪悪感、衝動で食べてしまったときに生まれる。

だったら、逆転の発想で、計画の中に「どうしても食べたいもの」を組み込めばいいのだ。

たとえば、日曜日の夜にスイーツを食べるのであれば、日曜日の食事の内容を工夫すればいい。

衝動で食べるのと計画に組み込んで食べるのとでは、自分自身の受け止め方に雲泥の差が生まれる。

あくまで自分のコントロール下においておけば、ケーキを食べることは「事件」でもなんでもなく「計画」になる。

計画的に食べたいものを食べるこのノウハウは本当におすすめだ。

というのも、私の友達にボディビルダーがいるのだが、彼は減量中にある高級ホテルに泊まっていた。

朝食には豪華なビュッフェが用意されていたが、減量中の彼は必死に我慢を続けていた。

宿泊していた4日間を無事耐えることができたが、帰りの空港で誘惑に負けてしまい、なんとマクドナルドのハンバーガーを食べてしまったそうだ(笑)。

そのときに彼が感じたのは「同じカロリーを摂るなら一流レストランの食事にしておけばよかった……」という後悔。

ボディビルダーの彼でさえ誘惑に負けてしまうのだから、一般の人はもっと誘惑に負けやすい。

そこで罪悪感を持ったり、後悔するくらいなら、計画的に食べてしまったほうがいい。

特に、高級なお店に行ったときやお土産をもらったときなど、そのタイミングを逃すと次のチャンスがなかなか訪れない場合がある。

そこでグッと我慢し、あとからいつでも食べられるコンビニやファストフードで食べてしまうのは、精神衛生上もよくない。

何度も言うように、ダイエットは長続きしなければ意味がない。

長続きの大敵は、ストレスだ。

ストレスによってダイエットが続けられないくらいなら、いっそのこと食べたほうがいい。

それが「計画的」であれば、罪悪感もストレスもなくダイエットが続けられる。

あなたが健康でキレイな歯がほしければ、毎日欠かさず歯を磨くだろう。

ダイエットも同じ考え方を持ってほしい。

理想の体を手に入れたいなら、ダイエットや正しい食生活を続けないといけない。

決して数日や2~3カ月やって終わるわけではないのだ。

ダイエットは自分を追い込んで、厳しくすればするほどいいわけではない。

キレイな歯がほしいからといって24時間歯を磨き続けないように、ダイエットや正しい食生活も短期間でやることではなく、長期間続けられることのほうが大事だ。

その点、マクロ管理法であれば、既存のダイエットと比べて効果もあり、ストレスを感じにくく、長続きしやすいのである。

マクロ管理法を実践していくうえで、注意すべき点もある。

まずは、マクロ管理法開始後の1週間は体重の増減を気にしなくていいこと。

「増量・現状維持・減量」いずれの目標にも関係なく体重が増減することがある。

これは体脂肪が減ったというより、食生活の変化によって体内の水分量などが変化して起きるもの。

したがって、スタートから1週間で起きた体重の増減に一喜一憂する必要はない。

体重の増減を気にし始めるのは、スタートしてから1週間後でいい。

そして、マクロ管理法をきちんと続けていても、目標に向かって順調に進めないこともあるだろう。

そんなときは、「調整」を行ってみてほしい。

たとえば、「増量」の設定なのに体重が全く増えていないなら、全体のカロリーを10%増やして計算し直してみる。

反対に、「減量」の設定なのに全く減量できていなかったり、「現状維持」なのに体重が増えていたら、全体のカロリーを10%減らしてみてほしい。

計算式によりおおまかな消費カロリーは割り出せるが、人によって代謝も違えば体質も違う。

仮に割り出したマクロバランスがあなたに合っていないとしても、焦らず調整してみてほしい。

それに、アクティブレベルが自分が思っていたものと違うという可能性も考えられる。

その場合は、アクティブレベルを変えて再計算してみよう。

計算し直すタイミングは主に3つ。

まずは、体重が変わったとき。

1㎏程度だと大して変わらないが、3~4㎏変わってくると1日の総カロリーや、摂取すべきマクロ栄養素も変化してくる。

2つ目はアクティブレベルが大きく変わったとき。

そして、3つ目は、体重の変化がなくなったとき。

当初の目的が減量や増量であっても、体重の増減や身体の慣れによって、「現状維持」の値となってしまうこともある。

だから、体重の変化がなくなったときには計算し直してみてくれ。

だが、もし体重の変化がなくても、そこから1週間は続けてみてほしい。

「停滞期」である可能性もあるため、1週間続けてみて、それでも変化がなければ計算し直してほしい。

ここで、体重の増減に関して注意してほしいこともある。

目安として1カ月での体重の増減は自分の体重の±5%以内に留めるべきということ。

たとえば、60㎏の人なら3㎏、70㎏の人なら3・5㎏以内に留めるべきだ。

なぜなら、5%以上の体重の増減は身体への負担が大きく健康的とはいえない。

まあ、マクロ管理法は増量や減量の計算を1日の消費カロリーから±20%で調整しているため、身体に大きな負担がかかるような増減にはなりづらい。

また、タンパク質の量も一定量キープされる仕組みなので、筋肉が激減することもない。

もし1カ月の増減の範囲が10%程度であっても実はそこまで不健康とはいえない部分もある。

このポイントもマクロ管理法が「最強」である理由の一つでもあるが、体重の増減は「±5%以内が理想」ということは覚えておいてほしい。

マクロ管理法を行ううえでは、食べ物のマクロ栄養素をきちんと把握し、その日に食べたものを記録していくことが必須である。

これだけ聞くと「めんどくさそう」と思われるかもしれないが、人気のレコーディングダイエットと要領はさほど変わらない。

さらに、慣れてくるといちいち食品の裏に書いてある栄養成分表示を見なくても、マクロ栄養素の値がわかるようになる。

たとえば、白米1膳(160g)は、「タンパク質:4g、脂質:0・48g、炭水化物:59・36g、269」。

鶏むね肉(皮なし・100g)なら「タンパク質:22・3g、脂質:1・5g、炭水化物:0g、108」。

よく食べる食品は自然と覚えていく。

たとえば、鶏むね肉や肉の赤身、マグロなどの脂肪の少ない肉や魚はだいたい同じようなタンパク質含有量であるため、慣れてくれば『ドラゴンボール』に出てくるスカウターのように食品のマクロ栄養素がわかるようになっていく。

ただし、ジャガイモとサツマイモのように、似ているように思えるが、意外とグラムあたりの炭水化物量が違う食品も存在するので、注意が必要だ。

このように、マクロ管理法を実践していきながら感覚を研ぎ澄ませてみてほしい。

めんどくさいって?いや、ここで得た知識や感覚は一生モノだ。

しかも、あなただけでなく、パートナーやお子さんのために使うこともできる。

まあ、スカウターのようにわからなくても、最近ではファミレスのメニューにも栄養成分表示はあるし、ファミレスでなくても大手のチェーン店であれば、ホームページ上でチェックできる。

そして、マクロ管理法を実践していると、摂取するカロリーや各栄養素に対してかなり敏感になってくる。

特に限られたカロリーとマクロ栄養素の中で「何を選択するか」をものすごく重視するようになる。

たとえば、1000の食事を前にしたとき、今までは「うわ、高カロリーだな……」という漠然とした感覚だったかもしれないが「うわ、1日に摂取していいカロリーの半分じゃん。

これを食べたら、あとはサラダチキンとプロテインで過ごさないとダメだな」という感覚に変わる。

同じような感覚で、菓子パンを進んで食べることも減るだろう。

大手メーカーのボリューミーかつチョコチップ入りのメロンパンの場合、1個あたりの栄養価は「タンパク質:10g、脂質:15・8g、炭水化物:70g、462」だ。

この手の菓子パンは炭水化物や脂質が多い割に満足度が低く、食べてしまうとその後の食事の選択肢もかなり限られてしまう。

「このタイミングでメロンパンを食べるなら、夕食をもうちょっと豪華にしよう」とか「それなら週に1回高級デパートのスイーツを食べたほうがいい」と思うようになる。

限られたカロリー内でやりくりするので、カロリー摂取に対する意識が上がるのだ。

マクロ管理法を知れば、「ムダなカロリー」の摂取は減っていくはずだ。

 

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