同じマクロ栄養素を摂るにしても、その「質」に良し悪しがあることを覚えておいてほしい。
たとえば炭水化物を摂るにしても、高GI〔*〕の白米より低GI〔*〕の玄米のほうがベターだし、同じ脂質でも、マーガリンから摂取するトランス脂肪酸〔*〕はNGだが、サバから摂取するEPA・DHA〔*〕が豊富な脂肪は、ダイエットには不可欠だ。
そこで次ページからは、良質な各マクロ栄養素を摂ることができる食品を紹介したい。
【タンパク質】鶏むね肉100g(皮なし)→「タンパク質:22・3g、脂質:1・5g、炭水化物:0g、108」ご存知マッチョ御用達のアイテム。
これほど高タンパクで安い食材は他に存在しない。
ちなみに、私が鶏むね肉と言う場合、「皮なし」を指している。
皮付きになると脂質の量が跳ね上がり、カロリーも約2倍になるのでご注意を。
鶏むね肉と同様、ササミもおすすめだ。
卵1個(60g)→「タンパク質:7・38g、脂質:6・18g、炭水化物:0・18g、91」キング・オブ・タンパク質。
特に白身は「天然のプロテイン」と呼んでも過言ではないくらいタンパク質の宝庫だ。
タンパク質以外の余計な栄養素が含まれていないのもグッド。
黄身には脂質も多いが、筋肉によい栄養がたくさん含まれているので、決められたマクロバランスの範囲内であれば積極的に摂取したい。
刺身(マグロの赤身)7切れ(140g)→「タンパク質:36・96g、脂質:1・96g、炭水化物:0・14g、175」アミノ酸スコア〔*〕が最高値の100。
調理が不要なので油を使わなくてもいいこともメリット。
ただし、中トロや大トロになると脂質が上がるので注意が必要だ。
カッテージチーズ1パック(200g)→「タンパク質:26・6g、脂質:9g、炭水化物:3・8g、210」超優秀。
ヨーグルトの容器みたいな器に入っているので持ち運びでき、慣れたら味付けなしでも食べることができる。
スーパーのチーズ・ヨーグルトコーナーに陳列されている。
【炭水化物】オートミール1カップ(80g)→「タンパク質:10・96g、脂質:4・56g、炭水化物:55・28g、304」オートミールは食物繊維が豊富で、実に白米の22倍も含まれている。
消化にもいい。
詳しくはChapter4で説明するが、低GIであるため、エネルギーを安定供給してくれる炭水化物である。
バナナ1本90g→「タンパク質:0・99g、脂質:0・18g、炭水化物:20・25g、77」マクロ管理法を実践していると、ときには「炭水化物があと20gしか摂取できない」という状況になることもあるだろう。
だが、ご飯を炊くのも面倒だし、炭水化物20g分のご飯は量もかなり少ない。
そんなときこそバナナの出番だ。
巷のスイーツと違って脂質がほぼゼロなのもいい。
サツマイモ1個(Mサイズ・200g)→「タンパク質:2・4g、脂質:0・4g、炭水化物:63g、264」栄養、食物繊維ともに豊富。
アメリカのアスリートの最も一般的な炭水化物源と言っても過言ではない。
食物繊維も潤沢なため、腹持ちがよくダイエットにも適している。
【脂質】アーモンド10粒(10g)→「タンパク質:1・86g、脂質:5・42g、炭水化物:1・97g、60」カロリーが高くダイエット時には避けられがちなナッツ類だが、良質な脂質が摂取できるうえに食物繊維も豊富で腹持ちがいい。
ナッツの種類によって炭水化物が多めのものもあるのでインターネットで調べてみてほしい。
オリーブオイル大さじ1杯(12g)→「タンパク質:0g、脂質:12g、炭水化物:0g、111」他の食物油に比べてオレイン酸〔*〕の割合が多い。
このオレイン酸は血中コレステロールを下げる働きがある。
料理に使う油は、オリーブオイルで決まりだ。
アボカド1個(140g)→「タンパク質:3・5g、脂質:26・18g、炭水化物:8・68g、262」脂質の多くがオレイン酸やリノール酸〔*〕などの不飽和脂肪酸〔*〕。
タンパク質や食物繊維、ビタミン類などもバランスよく含んでいる。
よく「プロテイン〔*〕は飲んだほうがいいですか?」と聞かれる。
回答としては、食事を通じてタンパク質がきちんと摂れていれば、新たに摂る必要はない。
「え?いらないの?」と思うかもしれないが、足りているなら別にいらない。
プロテインはタンパク質を便利に摂取する「手段」であり、サラダチキンやツナ缶から摂取しようがプロテインから摂取しようが、基本的に違いはないからだ。
むしろ、私は1日の大半のタンパク質はプロテインよりも肉や魚から摂るべきだと考えている。
ただ、私がツイッターなどでプロテインを猛烈にすすめる理由は、どこでも手軽に摂取でき、特に、速やかな吸収が必要なトレーニング後に最適だからだ。
さらに、タンパク質摂取という観点から見て、実はサラダチキンよりプロテインのほうが低価格であるという事実も見逃せない。
プロテインはマズいというイメージを持っているかもしれないが、最近のプロテインはデザート感覚で飲めるぐらい美味しくなっている。
こんなに安くて美味しくて便利で吸収が早い子が側にいるのに、放っておけるはずがあろうか(いや、ない)。
プロテインはコンビニやスーパーには流通していないので、ネットで購入するのがベストだ。
パウダータイプなら、長期保存でき、管理も楽ちん。
飲む直前に水を入れてシェイクすればいいので、カバンに常に忍ばせておけるのもデカい。
商品によって異なるが、炭水化物や脂質はほとんど含まれていないので、タンパク質が不足しているときに役立ててほしい。
ちなみに、「プロテインを飲むと太る」と思っている人も少なくないが、タンパク質はマクロ栄養素の中で最も脂肪になりづらい。
我々が食事をするときには、カロリー摂取と同時に、その食事を消化吸収するためにカロリーを消費している。
これを「食事誘発性熱産生〔*〕」といって、タンパク質はこの値が炭水化物や脂質よりも高いのだ。
ただし、いくら「太りにくい」とはいっても、あくまで1日のマクロバランスは守るように!
「外食する場合は、どんな物を食べればいいですか?」マクロ管理法を猛プッシュする私がよく受ける質問だ。
残念ながら、外食は基本的にしないに越したことはない。
なぜなら、「美味しい」と錯覚させるために大量の油やバターなどを使用している可能性が高いからだ。
そういった中身が未知数なものは避けたほうがいい。
実際、料理によっては、たった1品で1日に必要な脂質を優に超えるケースも少なくない。
特に男性に人気のハンバーグやソーセージなどのミンチが使われている料理には、大量の脂身が混ぜてあることや、調理時に大量に油が使われることがある。
同様に、焼きそばやナポリタン、中華料理に特に多いが、炒め物にも意外と多くの油が使われている。
ちなみに、サラダ油は大さじ1杯で脂質は12g。
お店によってはもっと入れている可能性が十分ある。
料理に使われる油以外に、調味料にも要注意だ。
ステーキや焼肉は比較的マクロ栄養素を把握しやすいが、ステーキや焼肉に使われるタレやソースには砂糖が入っているので、炭水化物が含まれている。
また、和食の味付けでよく使われるみりんや砂糖も炭水化物である。
たとえば、サバ缶を例にとって見てみよう。
あるメーカーのサバの水煮(200g)の場合、「タンパク質:30・6g、脂質:32・4g、炭水化物:0g、414」である。
一方、同じメーカーのサバの味噌煮(200g)は「タンパク質:32・4g、脂質:32・4g、炭水化物:14・6g、480」となっている。
味噌煮にすることで、いかに炭水化物の量が増えているかわかってもらえたと思う。
使われている食材や調味料が見えにくいものは基本NGと考えたほうがいい。
各栄養素が何g含まれているかわからないのはマクロ管理法にとっては致命的だ。
それでも、もし外食するなら、ステーキや焼肉(塩で食べるのがおすすめ)、刺身など、素材に近いものをおすすめする。
「身体によさそう」という理由で多くの人が摂っている野菜。
生野菜のサラダにドレッシングをドバドバかけている人はいないだろうか。
ドレッシングの中には、大量の砂糖や油が使われている商品も多く存在しているから注意が必要だ。
試しに、市販されているドレッシングの栄養成分表示を確かめてみてほしい。
ドレッシングだけで数百なんてことも珍しくない。
シーザーやゴマドレッシング等のクリーミーな商品は特に危険だ。
ただでさえカロリーを制限しているのに、ドレッシングで大量のカロリーを摂取することになるなんてもったいないと思わないか?しかも、脂質も良質でない場合が多い。
野菜といえば、野菜ジュースも要注意。
健康を意識したり、野菜不足だからと気休めに野菜ジュースを飲んでいる人は、今この本を読んでいる人の中にもいるはずだ。
残念だが、商品によっては気休めどころか逆効果になっている可能性がある。
飲まないほうがマシという商品も、たくさんある。
野菜ジュースの中には「野菜エキスのちょっと入った砂糖水」みたいな商品もある。
味が好きで、かつ他の食事でマクロ栄養素を調整してでも飲みたければ止めないが、単に健康のために飲んでいるのであれば今すぐやめたほうが得策だ。
グラノーラやアサイーボウルなども同じ部類だ。
健康的な朝食というイメージかもしれないが、砂糖たっぷりのデザートみたいなもんだ。
詳しくは次のChapter4で触れるが、高GIだから血糖値が急上昇&急降下し「朝から元気♡」どころか、怠さや空腹を助長するはずだ。
野菜ジュースやグラノーラ、アサイーボウルを食べるよりも、マルチビタミン&ミネラルのサプリメントを摂取しよう。
健康を意識して摂っている食品が意外と落とし穴であることは珍しくない。
注意して満足度の高い食事を摂ってほしい。
消費者の健康意識が高まり、プロテインに対する関心が高まってきている昨今、商品名やパッケージに「プロテイン」と謳う商品も多くなってきた。
気をつけてほしいのは、プロテインと書いてあるからといって健康的とは限らないし、十分なタンパク質が含まれているとは限らないということだ。
巷には、タンパク質摂取の足しにもならないのに、堂々と「プロテイン」という言葉を使用している商品もある。
だが、マクロ管理法を覚え、栄養の数値に対する考え方や感覚が変わったあなたなら、商品の良し悪しの判断がつくはずだ。
たとえば、「プロテイン6000㎎配合!」なんていう飲料がコンビニに売っていたとしよう。
以前のあなたなら「6000㎎も!?」と思っていたかもしれないが、6000㎎ってたったの6gだ。
なんと巧妙な数字のトリックだろう。
単純計算だが、体重60㎏の人が1日に必要なタンパク質(120g)をこのドリンクで摂取しようとしたら、20本も必要になる。
マクロ管理法を理解している人間がタンパク質を補給する目的でこの飲料を手に取ることはないだろう。
しかも、「低脂肪牛乳のほうがタンパク質多くね?」と気づけるわけだ。
つまり、マクロ管理法はあなたを賢い消費者にもしてくれる。
曖昧な表示に惑わされたり騙されたりすることがなくなる。
マクロ管理法は、自分を守るための防具となるのだ。
味が好きで飲んでいるならまだいいが、「タンパク質が足りていないから!」と言って飲んでいる場合はスマートな選択ではないのは明らかだ。
マクロ管理法とは少し話がずれるが、含有量といえば、コンビニやドラッグストアなどでしばしば「○○入り」「○○配合」と銘打った商品をよく見かける。
○○にはコラーゲンやリコピン等、一般人に健康的と認知されている栄養素名が入る。
多くの消費者はそれを見ただけで「この商品は健康にいいに違いない」「美容にいいに違いない」と錯覚してしまう。
だが、騙されてはいけない。
大切なのは栄養素の名前よりも、その「含有量」だ。
それぞれの栄養素には効果を得るための最低限の含有量が存在し、「○○入り」と銘打った商品のほとんどはその含有量に達していない。
要は商品を売るためだけに、摂取しても全く意味がない量の栄養素を入れているにすぎないのだ。
そういった商品を販売する会社が欲しいのはあなたの健康ではなく、会社の利益だ。
コストダウンするために少量の栄養素を入れ、販売を促進するために堂々とその少量の栄養素の名前をラベルに書く。
私に言わせたら詐欺と同じだ。
日本の消費者には含有量の概念が全く浸透していない。
すべての企業が悪意を持っているわけではないが、あからさまにミスリードを狙ったものがあるのも事実だ。
こういった数字のトリックに惑わされないためにも、賢い消費者になろう。
「最強の食べ方」において酒はやめるべきか、否か。
結論から言うと、やめなくてもマクロ管理法を続けることはできる。
だが、アルコールは百害あって一利なしということは心にとめておいてもらいたい。
第一に知っておいてもらいたいのは、アルコールも立派なカロリーであるということだ。
タンパク質や炭水化物が1gにつき4であるのに対し、アルコールのカロリーは1gにつき7。
まあ、アルコールから摂取するカロリーは「エンプティカロリー」と呼ばれ、ほとんどが体温の向上に使われて消費される。
そのため、アルコールが直接の原因となって太る心配はそこまでいらない。
だが、厄介なのは、いかに自制心の強い人間であろうと、酒を飲むとどうしても気が緩んで食べてしまうことだ。
その結果、せっかく守っていたマクロ管理法に悪い影響を及ぼすというわけだ。
アルコールを摂取しているとついつい魔が差しておつまみに手が伸び、締めのラーメンでとどめ!みたいな経験がみなさんにもあるだろう?それだけではない。
食事から摂取したカロリーがアルコールのせいで効率よく使用されない可能性がある。
細かい話になるが、たとえば、肝臓がアルコールの解毒に手いっぱいになり、グリコーゲン貯蔵保存ができなくなることも考えられる。
そして、その余剰カロリーは体脂肪になってしまう確率が高くなるのである。
アルコールは食べすぎの原因や、栄養吸収の妨げ、一緒に摂った食事が体脂肪になりやすくなる可能性を秘めている。
悪いことは言わない、お酒は控えよう。
ちなみに私は接待などの場面以外では基本的にお酒は飲まない。
アルコールはせっかく鍛えた筋肉にとってよくない存在だ。
そもそも筋トレでリフレッシュできているので、ストレス発散をお酒に頼ることもない。
飲み会に行く暇があれば「その分ジムに行きたい」と思うし、ジムの筋トレ仲間とプロテインで乾杯すれば十分だ。
とはいっても、それでもどうしてもお酒を飲みたいときや、飲まざるを得ないときもあるだろう。
そんなときはビールや日本酒、ワインなど、糖質を含む「醸造酒」はなるべく控え、焼酎やウイスキー、ブランデーなどの「蒸留酒」を選んでみてほしい。
大量のシロップが入っているカクテルや酎ハイなどは、論外だ。
避けるべし。
マクロ管理法をきちんと実践するなら、マクロ栄養素を把握しづらい外食はなるべく避けたほうがいい。
でも、どうしても避けられないシチュエーションもあるだろう。
特に上司との飲み会では「自分、マクロやってるんで今日は遠慮させてもらいます!」とはなかなか言えない。
では、そんなピンチにどう対処すべきか。
可能であれば、マクロバランスが把握しづらい加工品はなるべく避け、刺身や焼き魚、ステーキやローストビーフなど、できるだけ素材に近いものを選ぼう。
居酒屋なら意外と選択肢はあるので、賢く選んでみてほしい。
もしあなたが幹事になるなら、焼肉屋や肉バルなど、マクロバランスを把握しやすいお店を選ぶことも一つの手である。
……とは言ったものの、外食時にきちんとマクロ管理法を遂行していくのは、なかなか難しい。
酔ってしまうと計算が面倒になるし、外食のメニューはカロリーが高いので、どうしてもオーバーカロリーになりがちだ。
であれば、いっそのこと1日くらいあきらめて好きなものを食べてしまってもいい。
Chapter2でも言ったが、日頃からきちんと管理していたら1日くらい守れなくても大した問題ではない。
まあ、せっかくマクロ管理法で正しい食事に励んでいるのだから、たとえば、飲み会がある日の朝食と昼食は量を減らしてみるとか、ちょっと工夫もしてみてほしい。
また、オーバーカロリーになることはあきらめたとしても、炭水化物の摂取を控えインスリンをなるべく出さないことも有効だ。
詳しくは次のChapter4で説明するが、インスリンが分泌されると、摂取したカロリーが体脂肪になりやすい。
だが、脂質とタンパク質だけなら、カロリーはオーバーしても、体脂肪としては比較的取り込まれにくいのだ。
インスリンは炭水化物に反応するから、マクロバランスを気にせず外食するにしても、なるべく炭水化物は控えてみてほしい。
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