心から手に入れたいと思ったら、あれも!これも!を卒業する何か大きな目標があるとき、自分に足りないものは何かな?と考えて、たくさんインプットしなくては、とあせってしまうことがあります。しかし、じつは、自分がインプットしているさまざまなことに目を向け、そこから余計なものを削ぎ落とすことで、逆に目標に近づけることがあるのです。私はこのことを、大学受験を振り返って感じました。この章のはじめにも述べましたが、私は大学受験を二度失敗し、それを機にはじめた早起き勉強で、やっと志望校に合格しました。当時は、「いまのままでは未来はない」という気持ちで必死だったため、戦略なんて何も考えていませんでしたが、いま振り返ってみると、遠まわりながらも大学に合格できたカギは、「あれも!これも!」を卒業し、余白をつくったことにあるのだと思います。私がやめたことは次の3つです。◯夜中まで机にかじりつくこと。◯有名カリスマ講師の授業をたくさん受けること。◯家に帰ってから勉強すること。最初に、夜中までずっと机にかじりついて勉強することをやめました。夜型で勉強を続けていたときは、時間が無限にあるような気がして、夜中はずっと机を前にしていました。でもよく考えてみると、机に向かっている時間は長くても、そのなかで勉強している時間はわずかだったのです。机に突っ伏して寝ていたり、集中力が途切れてマンガを読んだりと、勉強に関係ない時間をすごしているのに、机に向かっているだけで勉強している気になっていたのです。次に、有名カリスマ講師の授業を受けるのをやめました。私は団塊ジュニア世代で、受験時は浪人生の数がとても多かった時期にあたります。予備校も人気で、当時は「カリスマ講師」とよばれる先生がたくさんいらっしゃいました。人気講師の授業には行列ができるほどです。私は、「一流の、すごい先生からたくさん学べば成績はあがるはず」と思っていました。しかし、三度めの受験ともなると、仕送りをしてくれている親に迷惑はかけられないと考えて、前年は週に20コマ受けていた授業を、本当に心から「何をおいても、この先生の授業だけは受けたい!」と思う2コマに絞りました。このことにより、本当に大好きな先生の貴重な授業を、熱心に集中してたいせつに受けるようになりました。最後に、家に帰ってから勉強することをやめました。受験生なのに家で勉強しないなんて!と思われる方もいるかもしれませんが、予備校の自習室で、朝から集中して勉強しているため、家ではリラックスしてぼーっとしようと思ったのです。テレビを見たり、料理をつくったりと、のんびりすごすようになったのは、すでに述べたとおりです。おかげでリフレッシュができて、早起きしてまたがんばろう!と英気を養うことができました。あれも!これも!と手を広げることが、目的への近道ではありません。夜通し机を前にしていても、ただそこにいるだけでは意味がない。たくさんカリスマ講師のコマをとっても、本当に集中した2コマにはおよばない。朝も夜もがんばるのではなく、メリハリとリラックスをたいせつにする。これらの経験はいまでも、私の生活に、たくさんの示唆を与えてくれます。あなたの「あれもこれも」も、この機会に一度、棚卸ししてみませんか?資格マニアだっていいじゃない朝は、社会人の資格試験などの勉強にも適した時間。電話が鳴ったり、人に話しかけられたりすることがないので、徹底的に集中できます。自己実現のためにたくさんの資格を取る人は、よく「資格マニア」と揶揄されます。じつは私も資格マニアでした。きき酒師、酒匠、ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル、パン教師師範、マクロビオティック師範……と、食にまつわる資格をたくさん取得しました。料理研究家になりたいと思っていた時期があったからです。でも、どこをどう進んでいけば料理研究家になれるかがわからず、とりあえず興味のおもむくままに、朝の時間を使ってさまざまな試験勉強をし、「食」にかんする資格を取りまくりました。これらの資格は、公認会計士や弁護士などといった国が認める公的な資格ではないため、取得してもキャリアとみなされないことが多く、転職するときに履歴書に書いてもまったくといっていいほど効力を発揮しません。でも、1つひとつの資格をクリアしていく達成感を味わうことができるので、やればできるという自信をつけることができたのも事実です。また、一見無駄だと思えても、必ず何かの機会に役立つことを、私は実感してきました。1つ例をあげると─私は独立してから、経営者の方や目上の方と会食する機会が増えました。ある程度立場が上の方は、ワイン、チーズにかんする知識が豊富で、食への好奇心が旺盛なことが多いのです。そんなとき、昔取得した資格が生きて、会話のとりかかりとして、グルメネタで場の雰囲気を円滑にすることもできました。さらにいえば、料理の知識は、発想を広げたり、段取り力をつけたりするのにも役立ちました。「この料理をアジア風にアレンジするには?」と考えるのは発想力の訓練になります。これをつくるには、何を用意し、どんな順番でどう効率よく作業を組み立てていくのかを考えることは、段取り力につながります。つまり、「資格マニア」として一生懸命だった経験は、いますぐに直接役に立つことはなくても、なんらかのかたちで自分の血肉となっていることがわかったのです。朝の時間の使い方に迷ったら、少しでも自分が興味をもったものを、勉強するところからはじめるのをおすすめします。たとえそれが、いまの仕事に直結していなくてもいいじゃないですか。必ずあとで、「ああ、これをやっていてよかったな」と思う日がきますよ。
資格勉強をする目的を、朝の時間で洗い出そう先ほどは、いつか役に立つかもしれない、というくらいの気持ちで取得する資格の話をしました。では、本気で仕事に資格を活かしたい、もしくは、やりたい仕事に就くときのために資格がほしい、そんな資格試験の勉強をするとき、心にとめていただきたいことがあります。それは、資格試験合格が目的にならないように気をつけましょう、ということです。これは、私が「資格マニア」だったからこそわかったことです。数多く試験を受けているうちに、合格することがゴールとなってしまうと、将来が見えなくなってしまう場合があるのです。一生懸命勉強にはげむのもいいですが、ときには朝の静かな時間を使って、「いま、がんばっている自分」と、「がんばった結果、その資格を使い、きちんと結果を出している自分」の両方を見つめてみましょう。◯あなたは、いま取ろうとしている資格をもって、将来何をしたいのか?◯その資格で稼ごうとしているのか、それとも趣味のままでいいのか?◯その資格を取ったほかの人が、その後どの程度活躍しているのか?◯資格を取る前とあととで、どの程度の収入の増加が見込めるのか?「自分の趣味の幅を広げる」とわりきって取る資格ならいいのですが、そうではなくて、いま、自分が勤めている会社を辞めて、その道でやっていきたい─。そう考えるのであれば、「資格を取る」をゴールとせず、「資格を取ったあとどうする」を、ぜひゴールにかかげてください。将来について、ゆっくりじっくり考えられるのは、朝の時間ならでは。夜の時間は感情優位の時間。夜だと「どうせ無理」とネガティブになったり、「とにかくがんばるんだ」と視野がせまくなって現実をしっかり直視できないことでも、朝なら冷静に、客観的に考えることができます。現実をまず見つめることこそ、朝の時間に行いましょう。勉強を続けたことによる「サンクコストの罠」に気をつける「サンクコスト(埋没費用)」という言葉を聞いたことがありますか?サンクコストとは、「手間や時間をかけたコスト(費用)のうち、回収できなくなった部分」のことをいいます。がんばったらがんばったぶんだけ結果を出したいし、投資したものは回収したい。その気持ちはわからないでもないですが、「せっかくの投資が……」という気持ちに強く影響されすぎて、冷静な判断をくだせなくなっては、本末転倒です。日々の勉強を続けているうちに「こんなにお金や時間をかけたんだから、結果を出さないともったいない」という気持ちにとらわれるようになったら、もしかしたら「サンクコストの罠」にはまりかけている合図かもしれません。先ほども述べたように、私はかつて、「週末起業」で続けていた飲食の教室で生計を立てて、料理研究家として独立したいという気持ちをもっていました。でもなぜか、レシピ本を出版したいのに、レシピを新しく考えるのが苦痛だったり、家で料理をつくることが楽しくなかったりしたのです。そこで、あらためて深く考えた結果、じつは料理がそれほど好きではなかった、ということに気づいてしまいました。大学時代からの憧れの職業だった、料理研究家。飲食にかかわる資格もたくさん取りました。長年お金と時間をかけていたことがムダになるなんて、私の数年間はなんだったのだろう、ととてもショックでした。ショックな気持ちをそのままにせず、そこでさらに深く分析してみると、じつは私は「料理」そのものよりも、「料理」という手段を通じて、人とかかわりたかったのだと気づきました。料理は私が求めるコミュニケーションの一手段にすぎなかったのに、そこに気づかずに「料理のレシピ拡充」「料理についての知識のスキルアップ」ばかりやっていたから苦しかったのです。ここまで分析しきると、スッパリと料理の道をあきらめることができました。なぜなら、人とかかわること、コミュニケーションを築くこと―自分の考えを聞いてもらうツールは、「料理」だけではないからです。いま仕事としている「コンサルティング」や「講演/執筆/研修」もコミュニケーションの手段。だから、私にとって「料理」といまの仕事は、本質的には一緒なのです。これがわかっただけで、気持ちがとてもラクになり「これ以上、食関連の資格を取るのはやめよう」と、きっぱりとあきらめることができました。そして、食関連の資格勉強をやめた余白で、コミュニケーション関連の勉強をはじめることができるようになりました。かつての私のように、なんとなくモヤモヤしていることがあったら、一度腰をすえて、「目的」と「手段」がゴッチャになっていないか、分析してみてはいかがでしょうか。もしかしてあなたの夢は「ケーキ屋さん」ではなくて「デザイナー」かもしれませんよ。朝は暗記モノの詰め込み作業は避ける朝は、時間があるからといって、教科書や参考書をひたすら読む、暗記をぶつぶつ繰り返す、といった単調な詰め込み作業は眠くなるのでおすすめしません。朝はしっかりと、頭を働かせて、手を動かす、創造的な作業がともなう勉強をするようにしましょう。脳科学者の茂木健一郎氏は『脳を活かす勉強法』(PHP文庫)のなかで、「脳を最大限に活用するには、夜よりも朝が効果的」と書いています。眠っている間に前日までの未整理の記憶が整理されるので、朝は脳がクリアな状態。せっかくクリエイティブな作業に適した時間に、いつでもできる単調作業を繰り返すのはもったいない話です。私の場合は、大学受験勉強のときも、趣味の資格試験勉強のときも、朝の時間を「オリジナル受験ノート」作成の時間にあてていました。教科書をもと
に、問題集を自分でつくるのです。自分で考えて問題集をつくるのは、いい頭の体操になります。頭をフル回転させるため、眠くなることもなくなります。具体的には、次の2つを行っていました。1教科書の文章を自分なりに簡潔にまとめる(まとめる作業で頭を使う)。2まとめた文章のなかで、覚えなければいけない単語を虫食い状態にする(覚えたい単語を赤でマーキングして、赤い透明シートを乗せると見えなくなるようにする)。教科書をまとめるのは、箇条書きでもOKです。自分なりにまとめるという工程で、内容を一度かみ砕くことができるので、ただ暗記するよりも頭に入ってきます。単語を虫食いにする場合は、たとえばチーズの製法(フレッシュ・ハード・ウォッシュ・白カビなど)の違いや、製法の手順で出てくる地名などを実際に地図を書いて、地名を赤字にしていました。朝、これをつくってしまえば、あとは電車の移動中や休憩中などのスキマ時間が暗記タイムになります。暗記タイムの素材となるものを、クリエイティブな時間につくっておくのです。ちょっとしたスキマ時間にできることを、朝のうちにしっかり準備しておく。そうすると、勉強にも効果的だし、何よりも精神が安定します。ただがむしゃらにがんばるだけでは不安ですが、自分で自分の勉強をコントロールしている感覚がもてるのです。脳の特性や身体の仕組みをうまく使い、「金の時間」である朝を、ぜひ有効活用してみてくださいね。モチベーション維持のコツは1週間単位で区切ること勉強は3日坊主では身につきません。しかし、半年から1年単位の長期目標を立てて、継続して早起きをしよう!と心に決めても、先が長いとついつい息切れしてしまいます。そんなときは、1週間単位でクリアできる目標を設定すると、「とりあえず1週間がんばろう」という気持ちになれるのでおすすめです。目標設定をするとき、覚えておいてほしいステップが3つあります。11週間単位で、2数字で見えて、3がんばれば1週間のうち5日でクリアできる(つまり2日はサボってもOK)分量の目標を立てる。たとえば1カ月後の試験のために、「毎日きっちりと早起きして、1日10ページ×30日で、300ページの問題集を解く」といった計画を立ててしまうと、たった1日でも早起きに失敗したら計画が狂ってしまうため、ダメージが大きく、気力も低下してしまいます。ところが、「1週間のうち、平日は12~13ページぐらい勉強する日にして、土日は予定どおりいかなかったときの余白の日として取っておく」と考えると気楽ですよね。この手法は勉強に限らず、運動などの、コツコツと積みあげる系の目標に効果を発揮します。私は、毎年一度、フルマラソンのレースに参加することにしているのですが、かつては走っている間に、42・195キロのうちの10キロまでくると、「わーまだ、30キロ以上もあるのか……」とつらくなっていました。でも、42・195キロを、だいたい10キロ単位のブロックとしてとらえてみると、10キロ走ったときには、「4分の1も制覇した!」と、なんとなく前向きな気分になれるのです。まるまる全体ではなく、分割して計画してみましょう。大きすぎる全体像も、ブロックに分けることで少し気持ちがラクになります。お試しください!早朝読書で、かろやかに行動してみよう私の朝の習慣の1つは、「早朝読書」です。オープンしたてのカフェで、始業前にゆっくり本を読むのは至福の時間です。勉強をしている方は参考書を読むことが多いかもしれませんが、ときには息抜きとして、まったく関係のない本を読んでみてもいいかもしれませんね。朝読書をするメリットは2つあります。1外部に中断されないから、集中できる。2本で得た知識を、ブランクなしにすぐ実践できる。1については、朝の効用として多くの方がおっしゃるとおりです。邪魔されないから集中力が高まるうえ、睡眠によって脳内が整理ずみの状態なので、頭に本の内容が入りやすくなっているはずです。1も、もちろんたいせつですが、じつは私がよりメリットを感じているのは2のほうです。夜、本を読んでいて、「へぇーなるほど。試してみよう」と思っても、ひと晩寝ると何を試すのか忘れてしまうことってありませんか?一応メモを取ってみても、そのメモ自体をなくしてしまったり……。朝時間で読書をすると、「試してみよう!」と思ったことを、すぐに実践できるようになるのです。「鉄は熱いうちに打て」とはよくいったもの。知識を得てからブランクを入れず、すぐに行動に移せることで、さまざまなスキルアップのチャンスが広がります。これは何も、実用書に限ったことではありません。たとえば、朝読んだ雑誌にオフィス近くのおすすめランチ情報が載っていたら、今日のランチはそこにしようと決める。そんな些細なことでもいいのです。「いつか行こう」じゃなくて、「今日行こう」と決めることができるのが、朝の読書です。また新たなお店情報のストックが増えるし、決めたことを実行できた気持ちよさまで味わえますよ。本番でいつも緊張しすぎる人への魔法の言葉
がんばりすぎて気が抜けない人は、考えても仕方がないことで「心配の先まわり」をしてしまい、その心配のせいでまた不安が増す……というスパイラルにはまっている場合が多いようです。とくに、試験本番など、ここいちばんの大舞台でいつも失敗してしまう人は、大舞台だからこそ力を抜くための工夫が必要です。私も昔、ついついがんばりすぎて、心がポキンと折れてしまいそうになるときがありました。そんなときの私のとっておきの朝の呪文は、「きらぐにいげ~」。これは、田舎に住んでいる父の言葉です。「きらぐにいげ=気楽にいけ」という意味です。19歳の冬、大学受験に二度失敗。三度目の正直でもうあとがない!と、ガチガチに肩の力が入っていた受験当日の朝、父から「きらぐにいげ~。おまえはいつも緊張して、本番で力を出せないから」と電話がきました。そのおかげで、ふっと肩の力が抜けたのです。いままでブルブル震えていたのが別人だったかのように、不思議と気持ちが落ち着き、おだやかな心境で、問題をするする解いている自分がいました。これだけがんばったんだから、もう何があっても悔いはない、と思えるくらいすっきりと気持ちいい試験で、無事志望校に合格できました。心配を先まわりしたところで、あなたにはできることは何もありません。それよりは、がんばったことに見合った結果が出ることを信じて、力を抜いて、本番にのぞみましょう。ふっと心に余白ができたとき、いつもの力がきっと出るはずです。浪人という「人生の余白」で得たかけがえのない言葉たち繰り返し述べたように、大学受験に二度失敗し、浪人生活を長く続けたことが、私の最初の挫折でした。いま振り返ると、その後の人生におけるさまざまな挫折にくらべたら、大学受験の失敗なんて些細なことです。でも、自分のダメさ加減を10代のうちに徹底的に思い知り、自分に向き合って克服した経験は貴重なものでした。私はこのとき、思うようにいかない現状からどうはいあがるかを考え、乗り越える力を蓄えることができたと思います。もちろんひとりではこのつらさを乗り越えることはできませんでした。高校生でも大学生でもない、肩書きがないさびしさや、「もうあとがない」というプレッシャーに、心が押しつぶされそうになったとき、支えてくれたのが、予備校の先生と、高校1年のときからの親友にもらったメッセージです。予備校で現代文を教えてくださったS先生には、「人生苦しいときが上り坂」という言葉を教わりました。山を登るとき、坂道がいちばん苦しいものです。でも、苦しい思いをしたあと、頂上から見わたす景色を思えば、乗り越えようと努力することができます。このメッセージをもらってからというもの、何かつらいことがあるたびに「あ、いまは上り坂だから、もうじきてっぺんにたどり着くよ!」と、自分で自分をもりあげる術が身につきました。英語の読解法を教えてくださったT先生には、「忍耐の芽は固い。しかし最後に結ぶ実は甘く柔らかい」という言葉をもらいました。人間も植物も、冬の時期を乗り越えて実をつけるという意味では一緒だと知りました。高校時代からの親友には、19歳の誕生日を迎えた夏、次のメッセージをもらいました。彼女と私は、お互い実家を離れて寮で浪人中の身でした。「あのときこうすればよかった、と思うことはあるけれど、あのときは、これがいちばいい、と自分で考えて決めたこと。あのとき一生懸命考えて決めたことだから、結果的にそれがいいことなんだよね。だから私たちのいまの苦労もあとでよかったと言える日がくるよ」彼女からのメッセージにより、過去の決断は最善の決断だったとわりきり、勉強にはげむことができました。生まれて初めての挫折の時期に、これらの言葉にはげまされたおかげで、逆境は嘆くべきことではなく、乗り越えるチャンスだと考えるクセがつきました。努力は無駄なものでなく、楽しいものだと気づいたのです。順調に進学していたら、こんなふうに深く人生について考えることもなかったと思います。そう思うと、人生における浪人時代という余白は、人間としての深みを増すために必要なものだったのだな、と感じます。
毎日の生活のなかで、みんなの期待に応えたいし、「あなたのおかげ」と言われることがいちばんのよろこびだと思っていませんか?だから、あれもこれもと依頼を受ける。「ありがとう、助かるよ」の声がうれしくて、ついがんばってしまう。人のためになることはうれしい。それは揺るぎのない事実です。でも、気づけばいつも、自分のことはあとまわしになってしまって、ちょっとだけ疲れてしまうときもあるでしょう……。一生懸命であればあるほど、さまざまな方面に気を使って、自分の行動が相手にどう影響を与えるかが、気になってしまいます。でも、夜寝る前に、それが少しでも、心の負担になっていると感じているなら、一度、立ち止まって考える時間をつくってみませんか?夜、ベッドに潜ったとき、「なんだか疲れたなー」と思うか、「今日もいい1日だった!」と思えるかは、あなたの朝のすごし方にかかっています。1日のはじまりである朝の時間を使って、かけがえのない存在であるあなた自身を、心を込めて大事にあつかってみませんか?朝、少しでもいいから「自分のための時間」をもってみましょう。心が落ち着いて、みんなの期待に応えられる自分に戻ることができるでしょう。この章では、一生懸命がんばるあなたを、朝イチで大事にしてあげるための方法について解説します。
コメント