はじめにこの本では、一般的にはあわただしく、忙しいと思われがちな朝に、あえて自分のために上質な時間をとり、自らのあり方を整えることを「朝の余白」と名づけました。最近は、ニュースを知りたいときに、紙の新聞で読むよりも、ネットでパッと目についたタイトルをクリックし、記事ごとに細切れで読む人が多いのではないでしょうか。ドラマや映画を定額制で時間を気にせず見放題できるサービスもありますし、番組を録画したうえでCMを飛ばす機能がついているテレビもあります。目的をもって調べよう、必要な情報が必要なだけほしい、という意欲がある場合は、いまほどよい時代はないでしょう。でも、こうしてネットやデジタルの恩恵を享受しながらも、私はときどきむしょうに、一見「無駄」だと思えるようなことをしたくなります。目についた雑誌を手に取ってなんとなく眺めたり、いつもは経済記事だけをピックアップして読む新聞を、社会面から読みはじめたり、ネット書店ではなくて本屋さんで、意味なくぶらぶらしたりしたくなるのです。あえて探そう、求めようとしないで、目に入った情報を受け止めたい、という衝動にかられます。「これ!とは決まっていないけど、何かを見つけたい!」「宝探しみたいな感覚を楽しみたい!」と思うのです。なぜかな?と考えたときに思いあたったのは、人はいつも明確な目的をもって行動するわけではない、ということでした。つまり、「検索窓」に入れることができない、ぼんやりした感覚があると思うのです。言語化されていないこうした感覚は、ぶらぶらお店をながめたり、より道したり、雑誌を読んだり、人と話したりすることで、徐々に浮かびあがるものです。私たちはふだん「あれもこれも」を追求し、なんでも効率化することに夢中です。しかし、効率的にてきぱきと情報を摂取しているようにみえて、振り返ってみると何も覚えていなかったり、いつのまにか、「手段」と「目的」をはきちがえて、間違った方向に進んでいたり─ということも往々にしてあるのではないでしょうか。人工知能(AI)の発達により、20年後には労働人口の49%がロボットに代替されるともいわれています。明確な目的をもってものごとを処理する能力は、私たち人間よりも、はるかにAIのほうがいい仕事をしてくれそうです。そんな時代に、人間がもっているものとは何か。それは、一見無駄だと思うことから価値を見いだす力なのではないでしょうか。私は、本来の自分自身の感覚を取りもどす手段として、「朝の余白」がいままで以上にたいせつになってくるのではないかと考えています。朝は、自分さえ早く起きることができれば、周囲の邪魔も入らず、ひとり静かに自分と向き合うことができます。周囲の情報をインプットすることに心をとらわれずに、自らわきあがる「検索窓」に入れられない気持ちを、朝の時間で見つけてみませんか?
本書は、朝専用手帳『朝活手帳』にて7年にわたり掲載された歴代のコラムをベースに、大幅に加筆修正をしたものです。テーマが「余白」ということで、リラックスしながら、気が向いたページを開いて、どこから読みはじめても楽しめるようにしています。そのため、記述には若干の重複があることをご了承ください
はじめに序章なぜ、朝の余白が必要なのか朝いちばんの気持ちが1日を左右する「朝、イコール効率的」ではない。朝こそぼーっとしよう朝イチの時間で、心と身体をチューニングしようスキマがないと、新しいものは入ってこないスキルアップの強迫観念から自分を解放しよう夜ほっとするより、朝先取りしてほっとする朝の余白が、頭や心のコリをほぐす最後の追い込みより、最初の仕込み手帳で時間を整え、余白をつくろう早起きしようと思える明日があるって素晴らしい第1章人生に余白をつくる毎朝、頭を「棚卸し」して在庫整理をしていこうモヤモヤ整理の具体的方法余白たっぷりのノートをひらめきツールにしよう夜クヨクヨしそうになったら、さっさと寝て朝クヨクヨするクヨクヨしそうになったら「どうしてクヨクヨしているのか」を上からながめてみる夜と朝に「よかった探し」をサンドイッチする昼や夜にやっていることを朝にもってくるとおもしろい化学反応が生まれるときには、仕事といっさい関係ないことをやってみる夜をもっと楽しみたい!が早起きの理由だっていい目標はあくまででっかく、大風呂敷を広げて妄想しようつらいことも、自分をヒーロー(ヒロイン)だと思えば楽しくなる「Fakeittillyoumakeit」な大風呂敷目標の見直しも、朝しよう失敗は、朝の時間に「上書き保存」しちゃおう夢の実現に必要なのは「情熱・論理・巻き込み力」
第2章身体に余白をつくる
早起きで、地球と自分のリズムを合わせていこう森林浴はなかなかできなくても、朝日浴なら毎日できる太陽の光を自分に取り込む、元気が出てくる超簡単な習慣手帳を使って、身体のリズムをあらためて見つめ直そう朝時間でココロを超回復させよう日が短くなったほうが、早起きしたぞ!の実感が得やすい整体で気づいた、朝イチの姿勢シャキ!の効果夜とはまた違った風情が楽しめる早朝月見のすすめ朝イチのよい言葉は、1日を楽しくすごせるポイントコンプレックスは隠すより活かす!朝見える欠点をどう活かせるか考えよう早起きをすると空腹になる……上手な小腹の満たし方毎朝自分が生まれ変わっていると思えば、健康習慣も続けられる
第3章仕事に余白をつくる
残業体質の会社でも余白をつくるのをあきらめない「自分締め切り日」をつくって、宣言しよう朝を「俯瞰」の時間にしよう気持ちが乗らないときは、細々した事務作業を朝終わらせてリズムをつくる予定が決まった順に、機械的にスケジュールを埋めない夜の楽しい余白のためにデッドラインを逆算するただ早起きしているだけで、勝手に信頼がついてくる余白は「30分前行動」でつくれる朝の社内交流が会社の雰囲気を変える「なぜ」を自分に問うことで「ゆでガエル」を阻止するいま「大好きなこと」を自由にできている人が、そうなる前にしていたこと
「やり残し」は、「戦略的先送り」と言い換えて棚卸しする「戦略的先送り」ができれば、「望んだ夜更かし」と「望まない夜更かし」の区別ができる
第4章勉強に余白をつくる
心から手に入れたいと思ったら、あれも!これも!を卒業する資格マニアだっていいじゃない資格勉強をする目的を、朝の時間で洗い出そう勉強を続けたことによる「サンクコストの罠」に気をつける朝は暗記モノの詰め込み作業は避けるモチベーション維持のコツは1週間単位で区切ること早朝読書で、かろやかに行動してみよう本番でいつも緊張しすぎる人への魔法の言葉浪人という「人生の余白」で得たかけがえのない言葉たち
第5章人間関係に余白をつくる
デジタル全盛だからこそ、人とじゃなくて自分とつながるアクティブに孤独を楽しもう「ひとり時間」と「みんな時間」─朝と夜の特長を活かし、行動を変える朝の余白は相手に対する寛容さもはぐくむ消去法の「やりたい」で、本当の「やりたい」を隠していませんか?「神様が見ているよ」と思えば、神様が手をさしのべてくれるまでやろう、と思える飲み会と早起きを両立させるコツとは勘違い早起きに注意。好かれる早起きキャラを目指す嫌な気持ちは、見すごさずに、朝見すえる朝の時間でポジティブ言葉転換リストをつくってみようポジティブな言葉をすぐに思いつくようになれるポイントわかるように伝える練習を、朝してみようネガティブを徹底的に出しきってから、ポジティブを吸い込もう「おはようは自分から」ゲームで、社内の空気を自分で変える
第6章家族関係に余白をつくる
日常は、立場を変えるだけで非日常になる家族への感謝の気持ちは、朝イチで言葉にする親への感謝は、子どもが言っているふりをして伝えると照れくさくないイライラカリカリの原因はすべて「余白」のなさ朝時間がなかなか取れない人は「できたらいいな」をリスト化する思いどおりにいかない朝は、プラン分けですべきことをリスト化しておく子育てママの時間術のキモは、余白の死守とコミュニケーションの工夫時短アイデアは「ふせん」を使って考えよう夏休みの宿題は、最初にやって遊んじゃうタイプのほうがいい成長は、時間差という「余白」をへてやってくる「残業しても17時」の世の中をつくりたいおわりに
1日のはじまりは、静かに、かつ前向きにものごとを考えられる時間です。いろいろなことが準備できる時間、自分のための時間をつくることができれば、気持ちに余裕が生まれます。気持ちに余裕が生まれれば、イライラ、カリカリすることも減り、まわりに優しくなれます。思いやりがあって、しかも冷静な、本来のあなたを取り戻すことができるのです。心がおだやかで冷静だから、その日1日、自信をもって仕事や家事に取り組むことができます。判断にブレが少なくなるから、仕事や家事も効率的に進めることができるでしょう。こうして満足度が高い1日をすごすことができると、「ああ、今日もいい日だった。ありがとうございます」と感謝の気持ちで眠りにつくことができます。つまり、1日をしっかりと、地に足をつけてすごすことができるようになるための鍵は「朝の時間の使い方」にあるのです。がんばってもうまくいかない─。そう思ってしまう人は、がんばる前の、「考える」時間が足りないのだと、私は考えています。目の前のことを処理するのに一生懸命になってしまい、周囲が見えないまま、とりあえず起きた問題に振りまわされて1日がすぎる。忙しかったはずなのに、夜、自分が今日したことを振り返ると、結局何をしたのか覚えていない。そんな毎日とは、今日からサヨナラしてしまいましょう!朝いちばんの気持ちが1日を左右する朝イチで感じたつまずきや嫌な気持ちは1日を左右してしまいます。たとえば、朝、寝ぐせがうまく直せないまま時間がなくて出社してしまった日は、1日その寝ぐせが気になってしまい、ほかのことに意識がまわらなくなったりしませんか?家族と同居している方は、朝ご飯のときにケンカをして、仲直りする時間もないまま家を出てしまったとき、ずっと家族のことが気になってしまいますよね。急いでいるときやあわてているときは、あとから考えるとどうでもよいこと、たいしたことがないことにとらわれがちです。急がなきゃ!という思いにとらわれていて、閉まりかけの電車のドアに駆け込んだけれど、その数分を節約して、いいことがあったかな?点滅している青信号を見てあわてて横断歩道を渡ったあと、いいことがあったかな?あとになって振り返ると、汗だくになっただけで、そんなに急がなくてよかったのに、そんなふうに思うことも多いでしょう。逆に、段取りよく支度ができたときや、朝の電車で座れたときのように、朝いい気分に浸ることができると、そのあとちょっとへこむようなことがあったとしても、「まあいいか」と、なんとなく許せてしまう気がしませんか?このように、朝の気分が1日を左右してしまうのはどうしてでしょうか?それは、朝の気分に「余白」があるか、それともないかが、大きく影響しているからです。早起きをして周囲を見わたす余裕があれば、自然が私たちにもたらしてくれている美しさに感動できるようになります。まわりの状況が見えるので、「自分が、自分が」と他人を押しのけるような自己中心的な考えは消え、周囲に配慮できるようになります。忙しくていっぱいいっぱいだった自分を、朝の時間に、上からながめてみるように分析すると、仲間や家族や友だちが、あなたのがんばりをそっと見守っていることに、きっと気づきます。さまざまな周囲のはからいや思いやりに、感謝の気持ちがわいてくることでしょう。こうして、朝一番に感謝の気持ちをもつことができると、「日々の出来事には、うれしいことやありがたいことがたくさんあるのだ」と意識が変わります。優しい気持ちになれるから、そんな自分が好きになり、よりいっそう、まわりにも優しくなれるという好循環が生まれます。仕事にも意欲をもって取り組むことができます。意欲高く取り組むことができれば、当然、結果も変わってきます。「朝、イコール効率的」ではない。朝こそぼーっとしよう「朝型の人」という言葉で思い浮かぶイメージは、「効率的にテキパキものごとを進める人だ」というものが多いようです。「なんでも効率的に詰め込んで、あれもこれも要領よくやっていくにはどうしたらいいですか?」と、私もよく聞かれます。でも私は、べつに朝を効率的にすごすべきだとは考えていません。早起きすれば、時間がたっぷりあります。あえて非効率だと思うようなことを考える余裕をもつことができますし、いままで「まあいいか」と流していたようなことや、ちょっと心がざわざわするような、気にかかっていたような出来事も、腰をすえてじっくりと考えることができます。だから私は朝の時間が好きなのです。考えてもみてください。むしろ、朝ぎりぎりに起きる人ほど効率化を考えたほうがいいと思いませんか?だって、限られた時間のなかで、遅刻せずに
朝の準備をしなければいけないのですから。早起きしたら、効率的にすごさなくても、十分時間があります。だから、早起きする人こそ、あえて一見無駄だと思うことや、いままでちょっとめんどうで考えるのを避けていたことにも挑戦してみてほしいのです。ものごとに行き詰まったとき、まったく違うことをしてみるとパッとアイデアが思い浮かぶこと、ありますよね?たとえば、あなたが仕事の企画を考えているときのことを想像してみてください。「よし、これから企画を考えるぞ!」と、パソコンの前でうんうんうなっているときに、はたしてよい企画は生まれるでしょうか。むしろ、企画のことなんてすっかり忘れて、お風呂でぼーっとしているときや、友だちと遊んでいるときに思いついたりしますよね。もちろん、一生懸命企画を練ることはたいせつですが、根を詰めて、そのことだけを考える以外は何もしない、そんな状況をつくったからといって、よいアイデアが生まれるとは限らないのです。いつものパターンを繰り返すことをやめ、朝の時間で余白をつくれば、「できない」と思ってあきらめていたことに突破口が見つかるかもしれませんよ。朝イチの時間で、心と身体をチューニングしよう朝イチで自分を大事にし、心と身体のメンテナンスをする時間を、私は「セルフチューニング」の時間とよんでいます。楽器を演奏したことがある方ならご存知かと思いますが、ほとんどの楽器は使う前に必ずチューニングをしますよね。チューニングは、演奏する前段階で、楽器がもっている能力を最大限発揮できるよう調整する作業。繊細な楽器は、温度や湿度によって状態が左右されるから、いつでも必ず行うものです。私は、この作業は、楽器だけではなく、人間にも必要なことだと考えています。繰り返す毎日。いつも自然によい気分でいられる人は幸せです。でも、ふつうの人は、さまざまな出来事のなか、当然浮き沈みがあると思います。浮き沈みがある毎日のなかでも、少しでも自分の気分をよりよい方向にもっていくために、1日のはじまりに、今日の仕事の段取りや、将来の夢、計画、前日の反省、いま自分が直面している出来事の意味などを、腰をすえて考える時間をつくってみませんか?前日の落ち込みや、心の乱れを調節し、最高の自分になってから朝をスタートさせる一連の作業。それが、「セルフチューニング」です。毎日毎日、自分という「楽器」を調整することで、あなたが望む未来をつかんでいきましょう。スキマがないと、新しいものは入ってこない私が、早起きをしていてよかったなあ、と思うのは「遊び」があることです。「Play」という意味の「遊び」もそうですが、車のハンドルの「遊び」のように、朝に「余白」をつくることで、ネットの検索窓に入れられないことを考える時間がもてるのです。「余白」があれば、予想外の出来事にあわてることも減ります。たとえば、天気予報が外れて、起きたら雨が降っていた!なんてときも、すぐに気持ちを切り替えて雨用の靴や服、髪形を考えたり、家族の送り迎えの段取りを見直したりすることができます。いままで慣れ親しんだ習慣を変えてみる「遊び」の時間も生まれます。朝ぎりぎりまで寝ていたら、電車のなかでネットのニュースの目立ったトピックスをさくっとチェックすることで精いっぱいですよね。でも、早起きをしていれば、新聞を後ろのテレビ欄から読みはじめたり、ニュース記事は最初にあえて読まず、広告記事だけを見て目立つキーワードを見つけてみたり、といったことができます。わざとひと駅前で降りて散歩しながら目的地に向かってみることもできるし、いつもは混んでいてカウンターにしか座れないお気に入りのカフェのソファーに座れるかもしれません。1つひとつは小さな冒険ですが、ちょっとした変化を自ら生み出すことで、毎日がいつもとは違ったものになります。心の余裕は時間の余裕から。ツメツメで切羽詰まっている状態でいるよりも、時間にスキマがあったほうがいい。なぜなら、そのスキマにすっと、新しいアイデアや素晴らしいチャンスが入ってくるからです。スキルアップの強迫観念から自分を解放しよう朝の余白をたいせつにすることによって、「自分を大事にしているんだ」という実感がもてるようになります。◯時間に余裕があるから、ゆっくりと朝の支度ができる。◯美味しいご飯を、よくかんで味わって食べることができる。◯シャワーで軽く汗を流したら、お気に入りの香りにつつまれながら、ボディオイルで身体をマッサージすることができる。◯道ばたに咲く花の香りに癒されながら駅まで向かうことができる。◯始業前の時間、じっくりと1日の段取りを考えることができる。◯手帳を広げて、将来ああなったらいいな、こうなったらいいな、と自由に想像を広げ、やる気をみなぎらせることができる。あわただしいなかでは見逃しがちな、自分自身の心と身体のメンテナンスを1つひとつ楽しめるのは、早起きしている人だけの特権です。早起きをがんばろうと思っても続かない人は、「早起きしたら、何かまじめなことをしないといけない」と気負ってしまっているのかもしれません。
早起きしてまで、あくせく働いてスキルアップなんて、しなくていいのです。そもそも「やらなきゃ!」と思ってはじめた習慣は、長くは続きません。まずは朝の楽しさを、身体いっぱい感じてみましょう。スキルアップの強迫観念から自分を解放してあげましょう。楽しさをまず感じることができたら、自然とスキルアップしたい気分になってきますから。◯「早起きできた私って、ちょっと偉いかも」という少しの自信。◯「出社するまでのたっぷりある時間で、何をしよう」というワクワク感。◯「どんなにつらい夜をすごしても、ちゃんとお日様は昇ってきて、朝は誰にでもやってくる」という、あたりまえでいて素晴らしい自然の摂理。◯太陽の光をあびて、自分がまるで植物になったかのように光合成してエネルギーが満ちていくイメージ。そんな、朝の素晴らしさを、身体全体で味わう余裕が感じられれば、早起きはつらいものではなく、楽しいものだと気づくはずです。夜ほっとするより、朝先取りしてほっとする1日の終わり、寝る前に、ほっとできる自分だけの時間をつくる方は多いでしょう。それもよいかもしれませんが、夜の場合は「気がついたらこんな時間!」ということになりがちです。「時間ができたらほっとひと息つこう」と思っているうちは、いつまでも時間をつくることができません。なぜなら、ほっとする時間はそもそも優先順位が低いと考えがちだからです。本当は、自分にとってたいせつな時間なのに、「優先順位が低い」ととらえてしまっているので、残業や気乗りしないつきあいに時間を取られ、結局「とれたらとろう」と思っていた時間はあっという間になくなってしまいます。夜「ほっとする」という考えを切り替えて、朝「先取り」してほっとすることで、朝イチの自分を癒してあげましょう。ふだんは家族のために、会社のために、とがんばっているあなた。ちゃんと、自分をメンテナンスする時間、つくれていますか?自分をきちんと大事にしてあげる時間の、優先順位が低くあってはなりません。朝なら、自分の意志次第で時間をつくることは可能です。たとえば、わき目もふらずに急いで目的地に向かうより、私が楽しんでいるような、次のような余白を楽しんでみませんか?先日は、朝6時半から、誰もいないホテルのロビーをひとり、2階から見下ろして、ゆったりと1日の計画を立てました。ふだんは人が忙しく行き交う高級ホテルを、まるごと独り占めし、貸し切り滞在しているような贅沢な気分になりました。また、朝食のピークがくる前のホテルのレストランは、お店の人にも余裕があるため、よりていねいなおもてなしを受けることができます。その日は、「たいせつにされている」という実感を得ながら1日をスタートさせることができました。また、ある日は、お気に入りの海辺の神社に、日の出前に向かいました。朝日がじわじわと昇り、徐々に明るくなっていく海面をながめつつ、太陽の光を身体いっぱいに受け止めていると、自分がまるで太陽電池になったような気持ちになって、エネルギーチャージができました。自宅から駅まで向かう途中に、私がひそかに「太陽の道」と名づけている道があります。道路がまっすぐ続く先を、ぱあっと太陽が照らしていて、日の出のときに通ると道全体が橙色に輝いているのです。この道を通るだけで、「今日も1日、絶対にうまくいく!」という気持ちが静かにわいてきます。特別な予定のないふだんの日は、始業前にカフェにより、手帳を開いて、当日の予定、1週間の予定、1カ月の予定を確認したり、シミュレーションしたりします。ほかの人がまだ本格的に活動していない時間に、先手を打って活動をすることで、「これだけ準備をしているのだから、自分は今日も大丈夫」と、自信をもつことができるようになります。朝早くから活動しているので、朝9時以降の突発的な仕事の依頼にもイライラすることはほとんどありません。「対応が速いですね!」とクライアントからほめていただくことも多くなりました。「いや、ただ、早起きしているだけなんですけどね」と、心のなかでつぶやきながらも、早起きの効用をまたかみしめます。いつもは朝4時起きをしている私ですが、休日は少しだけのんびり。といっても朝7時前には起きて、夫と一緒に、息子をランニング用のベビーカーに乗せて近所の公園やお寺までジョギングします。我が家の近所には都内有数の大きさを誇る公園があり、春は桜やタンポポ、初夏は菖蒲や紫陽花、夏は向日葵、秋は彼岸花と、四季の美しさを全身で感じることができます。朝からジョギングでカロリーを消費するので、そのあとのブランチや晩ご飯のカロリーを気にする必要がありません。好きなものを、幸せな気持ちでいただくことで、格別に美味しく感じます。ジョギングをしない休日も、お昼すぎまで寝てすごすことはほとんどありません。朝イチで、オープンしたてのショッピングセンターやジム、美容院に向かうと、ピカピカの空気や、元気なスタッフと接することができて、気持ちがあがります。早起きというと、ストイックで、自分に厳しくて、ちょっとした甘えも許されなくて……と、一見思われがちですが、私にとっては、じつはいちばん自分を甘やかす時間なのです。だって、周囲からの雑音が入らずに、自分の思いどおりに、自由に使える時間なのですから。人間ですから、誰でも気持ちのブレがあるのは当然です。心がざわついたり、理由もなく落ち込んだりすることもあるでしょう。そんな自分を、本来のニュートラルな状態、きちんと正しい判断ができる自分に戻してあげるひとときを、朝の落ち着いた時間につくりましょう。朝の余白が、頭や心のコリをほぐす
ふだん忙しくすごしていると、日々の思い込みや、周囲への配慮のしすぎで疲れてしまい、頭のなかの混乱や心のモヤモヤを、しっかりと見すえる時間はなかなか取れませんよね。朝早起きしてできたたっぷりの時間で、そんな「頭や心のコリ」をほぐしてあげませんか?朝、じっくり腰をすえて自分と向き合う時間を取ることで、頭と心が整理され、自分が何をやりたいのか、どう動けばいいのかがクリアになります。モヤモヤが晴れると、仕事への取り組み方が変わり、人との出会いの質も変わってきます。その結果、人生はどんどんうまくまわりだすのです。行動する前に具体的にイメージする習慣が身につけば、いまの自分のプランを、近視眼的にではなく、客観的に把握することができるようになります。考えすぎて動きだせずに悩むことなく、えい!と1歩を踏み出す勇気をもてるようになります。リスクをおそれて縮こまることなく、仮に失敗してもきちんとそれを分析し、次に活かす力がつきます。自分だけでなく、相手のことも大事に思って行動することができるようになります。朝の時間で、頭や心のコリをほぐすことを習慣にしていると「これだけやったのだから」という自分のがんばり度が客観的にわかります。その結果、「あとは何があっても、もういいや!」「やるだけのことはやった」と、腹をくくって、思いっきり飛ぶことができるのです。最後の追い込みより、最初の仕込み朝を味方につけることができれば、「予期せぬハプニング」にもあわてず、対処することができて、自信と余裕が生まれます。人生には「予期せぬハプニング」がつきものです。突然の予定変更、いきなりのムチャ振り、集中していたのに急に話しかけられてしまって集中力が途切れてしまった、ということもよくあることでしょう。多くの「予定どおり終わらない」「思ったとおりにできない」というガッカリは、「予期せぬハプニングはもともとあるものだ」という前提を忘れて、キツキツ、パツパツに予定を組んでしまうことから生まれます。仕事が終わらなかったり、計画が達成できなかったりして自分に自信がなくなるのは、「自分ができるはず」と思っていた見積もりと、実際にできたもののズレが原因なのです。時間に余裕をもってものごとを進めるやり方を、朝早く起きることによって練習し、実践していきましょう。そうすることで、朝以降の、ふだんの仕事や生活への心がまえも変わってきます。さらに、朝早起きできるようになると、「締め切り意識」が自然に身につきます。「間に合わないから、夜中、終わるまでやろう」と思っていると、時間がいつまでもあるような気がしてダラダラしてしまいますが、「朝の数時間しかない」と思えば、それに間に合わせようと、集中してものごとに取り組むようになるのです。また、早く起きるためには、早く寝なければいけません。睡眠時間を確保するために、逆算してものを考える習慣ができるため、「段取り力」があがるのです。つまり、「最後の追い込み」よりも、「最初の仕込み」がたいせつなのです。追い込みでつじつまを合わせるのではなく、あらかじめの仕込みで余裕をもちましょう。手帳で時間を整え、余白をつくろう「早起きは素晴らしい!」とお伝えしたあとに、こんなことをお話しするのもなんですが、じつは、「早起きすれば、自動的に効率よく時間を使える」というのは幻想にすぎません。早起きはしているのに、つい、テレビをだらだら見ていて時間があっという間にすぎてしまった、そんな経験をおもちの方も多いでしょう。テレビを見たり、ぼーっとしたりすることが悪いわけではありません。なんとなく、気づいたらそうなってしまった、という状態がよくないのです。そこで、意識して余白の時間をつくるのにおすすめなのが、手帳をうまく活用することです。手帳に記入することで、「大事なことに時間を使う」という環境を整えていきましょう。なんとなく「早起きしたい」と思っていても、眠気に負けてしまいます。「明日の朝、5時に起きてランニングする」「朝4時半に起きて、資格試験の勉強をする」など、きちんと自分のやることを、手帳に記録しておくことで、自分に軽いプレッシャーを与えると、決めたことをやり抜く確率が高まります。手帳に記録するのを習慣にしていけば、時間どおりにできたか、できなかったかが明白になって、できなかったときは何が問題だったかを振り返ることができます。自分の行動予定を前もってスケジュール帳に記入し、その後、スケジュールどおりに行動できたかどうか確認する作業を、私は「予実管理」とよんでいます。ふだん、会社で行っている予算や行動計画の管理を、プライベートにも応用してみましょう。私はずっと家にいるのでわからない、という方は、たとえば家族や友だちと旅行に行くときの計画だと思って考えてみましょう。旅行では、どこに行くか、何をするのか、いつ行くか、そのために必要なお金はいくらか、いつまでに、何を準備しなければいけないかなどを、いろいろ計画しますよね。朝のプライベートの時間も同じように管理していくのです。「管理」という言葉の響きから、「どうしてプライベートまで管理していかなきゃいけないの?」「堅苦しいし、めんどくさい」と思う方もいらっしゃるでしょう。
でも、「管理」は「強制」や「規則」ではありません。しっかりとここで時間を意識することができれば、そのぶん自由な時間が増えますし、何より、自分はちゃんと、決めたことを実行できる人なんだ!という自信にもつながります。早起きしようと思える明日があるって素晴らしい「明日こそ!」と、何度も固く誓っても、習慣化するまでの道のりが険しいのが早起きです。目覚ましのスヌーズ機能を駆使し、一瞬のまどろみに幸せを感じながら、「まどろみきってしまった……今日も起きられなかった」と、ため息の朝を迎えた人もいることでしょう。「早起きは三文の徳」、そんなことわざ、もう聞き飽きた!と、枕を投げてしまいたい朝もあるかもしれません。早起きは地味なひとり作業です。寝坊したからといって、すぐにそれが重大な失敗につながるわけではないので、「まあいいか」と妥協しがちです。また、結果が出るまでにタイムラグがあります。早起きを2日や3日続けたところで、いままでの自分の人生が一瞬で輝きはじめる─そんな魔法があるわけではないので、途中で、もうやめた!となる日もあることでしょう。でも、考え直してみてください。早起きをする!と「決めること」は、毎日できますよね。仮に今日は失敗したとしても、明日またがんばろうと決心すれば、365日、毎日再チャレンジできるハードルが低い挑戦なのです。「挑戦」というと、エベレスト登頂とか、起業して成功とか、大きなものに立ち向かうようなイメージがまず浮かぶかもしれませんが、早起きだって、「よし、明日早起きしよう!」と決めて実行することは立派な挑戦です。自分の意志の力でつくりだした朝の時間に、心と身体の調子を整えて、いつでもスタートダッシュできる状態にもっていくことができたなら、なんでもできる気がしませんか?あなたが「早起きをすると決める」─その挑戦をあきらめないのは、その先に、なりたい自分があるからなのではないでしょうか?何度挑戦しても早起きできない、と考えるのではなく、何度だって挑戦できるんだ、そうとらえてみましょう。早起きが習慣となるのは、日々の積み重ねの結果です。毎日チャレンジできる明日があるって、ステキなことだと思いませんか?
忙しい1日を送っていながらも、ふと振り返ると、じつはたいしたことをしていないような気がして落ち込む。─あなたがもし、そんな毎日をすごしているなら、毎朝、頭のメモリを整理して余白をつくることをおすすめします。頭がモヤモヤして、ものごとが前に進まない理由はただ1つ。覚えておかなければいけないことが多すぎるから。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、と思い出しては忘れ、忘れては思い出しの繰り返し。たまたま思い出したことを進めていても、ついあっちにそれたり、こっちにそれたり。そのうち、自分がやろうと決めていた大きな目的を忘れてしまったり、やりかけの仕事が山のように残っていたり……。そんな状態に陥っているなら、いま取り急ぎ必要でない情報は、さっさと頭のなかから追い出してしまいましょう。そうすれば、あなたは、本当にじっくり、腰をすえて考えなければいけない問題に時間を使えるようになります。毎日もち歩くバッグの中身を定期的に整理しないと、ハンカチやティッシュがいくつも入っていたり、捨てようと思っていたゴミが奥底に潜んでいたりすることがありますよね。いま必要でないものがたくさん入っているせいで、大事なお財布がどこにあるのかわからなくなるときもあるでしょう。頭や心も同じです。ごちゃごちゃしていると、とりあえず目の前のものが目について、本当に探したかったとてもたいせつなものが見つからず、日々をすごしてしまっているかもしれません。頭に余白ができると、ものごとの全体像が把握できて、スッキリするだけでなく、スッキリしたことでできた空き時間で、将来についての計画ができるようになります。この章では、頭のメモリの整理の仕方と、空いたメモリでどんなことを考えていけば、人生をよりいっそう楽しめるかについて解説します。
毎朝、頭を「棚卸し」して在庫整理をしていこう私は、大学を卒業して新卒で外食企業に入社しましたが、そこでは、月末に棚卸しがありました。棚卸しとは、「決算や毎月の損益計算などのため、手持ちの商品・原材料・製品などの種類・数量などを調査し、価格を評価すること(iPhoneアプリ『大辞林』より)」です。正直いってめんどうでたいへんな作業でしたが、この作業を定期的に行わないと、利益がどれだけ出ていて、ムダがどこに隠れているかがわかりません。また、棚卸しをすることによって、モノが置かれっぱなしでホコリをかぶっていた場所も、キレイに整理できるので、気持ちもあらたにものごとを進めることができるようになります。最初はほとんど目に見えないホコリも、積もり積もると大きな綿ぼこりになったり、床にこびりついたりして掃除がとてもたいへんです。そうなる前に、こまめにちょこちょこキレイにしておくことが必要でした。私は、「棚卸し」と「頭の整理」は似ているな、と感じています。頭のモヤモヤという「ホコリ」をためないように、頭の整理を定期的な習慣にしてしまうのです。「あとでやろう」などと、ぼんやり思っているだけだと、肝心なときに忙しくなってしまい、めんどうくさくてできなくなったりしますよね。あなたの頭のモヤモヤの整理も、毎週月曜日の朝やろう、とか、月末の朝にやろう、といったように、ルーチンとして決めてしまうことをおすすめします。例外をつくらずに習慣化できれば、やったりやらなかったりして、気がつけばチリが積もってどうにもならない!ということがなくなるのです。モヤモヤ整理の具体的方法モヤモヤ整理は、パソコンやスマホより、紙のノートや手帳を使って手書きで書くことをおすすめします。パソコンやスマホだと、「いまから頭の整理をしよう」と思ってテキストファイルやメモ帳を開いても、集中力があっちこっちにそれてしまい、気づいたらメールをチェックしてしまう、ということがよくありますよね。パソコンやスマホは便利ですが、なんでもできてしまうがゆえに、かえってその機能に翻弄されてしまいがちです。ノートや手帳なら、「書く」「読む」しかできない環境に身を置けるため、惑わされずに高い集中力を保つことができます。私の場合は、次のような項目を、週に一度、朝の時間に定期的に整理して手帳に書き出すようにしています(私がプロデュースしている『朝活手帳』では、毎週月曜日にこの項目を整理できるようにしています)。1連絡しなければいけないのに、まだの人。2やりかけプロジェクト。3将来やりたいと思いつつ、まだ手つかずのこと。4提出しなければいけない課題。5読む必要がある本や資料。ポイントは、「こんな細かいことまで書く必要があるのかな?」「今週中にできるのかな?」などと迷う時間を自分に与えず、気になったことはとにかく全部書き出すこと。頭のなかをぎゅーっと絞りきるようなイメージです。あとは1週間、折に触れてこのリストをながめ、終わったものを赤ペンでどんどん消していったり、新しく加わった予定や作業を追加したりしていくのです。この書いたり消したり加えたりしたものが、そのままあなたの頭のなかの代わりをしてくれます。「忘れないようにしなきゃ!」と、がんばって余計な労力をかけていた脳の負担を減らし、余白ができたぶん、創造的で生産的な作業に振り分けることができるようになるのです。また、このリストを日々整理しておくと、仕事先の都合で急にぽっかり時間が空いてしまったときや、約束していた友だちから待ちぼうけをくってしまったときなどでも、「いまはリストの気になっていることをつぶすチャンスだ」と、前向きにとらえられます。イライラすることが激減するので、心にも余白が生まれますよ。余白たっぷりのノートをひらめきツールにしよう頭のモヤモヤが整理できると、スッキリと気持ちがいいものです。しかし、整理するにはある程度の時間、じっくり腰をすえて考えなければいけないし、「モヤモヤは先送りにしたいなぁ」という気持ちもはたらくため、とりかかるのが少しおっくうなときもあります。そんなおっくうな気分を取り払うために、お気に入りのノートや手帳を用意しましょう。ノートや手帳を開くと自動的にわくわくするような、自分にとっての心地よさを重視したノート選びをおすすめします。色はもちろん、紙質や書き味のスムーズさ、手触りも重視し、良質なものを厳選しましょう。私は、いままでさまざまなノートを試してみた結果、おすすめのノートには次の3つの特徴があることがわかりました。1罫線はなし。2紙の色は真っ白ではなく、クリーム色。3紙質は厚手でハリがあり、ペンのインクがにじみにくい。
罫線なしのノートをおすすめするのは、思考を制限させないためです。罫線が入っていると、「罫線に沿ってキレイに書かなければいけない」と思考にブレーキがかかり、自由な発想の妨げになるような気がします。紙の色は、真っ白だと照明が反射し、目がチカチカしてしまいます。クリーム色なら長時間ノートを開いていても疲れにくいですよ。ノートの紙が薄いと、あとで見返すときに不便ですよね。乱暴にめくるとページが飛んでしまって目的の箇所にたどりつくのに時間がかかってしまいます。厚手でハリがある紙質なら、多少は荒っぽくあつかっても、ヨレずに早く目当ての箇所に行きつくことができてストレスがありません。にじみにくく、書いていてするするとすべるような書き味のものを選ぶことも重要です。せっかく気分が乗ってきたのに、ペンが紙に引っかかり、にじんだりすると、とたんにやる気が失せることは多いのです。この3つの特徴を参考に、ぜひ、あなたのこだわりをもってお気に入りの1冊を選んでみてくださいね。夜クヨクヨしそうになったら、さっさと寝て朝クヨクヨする私は「夜のクヨクヨより、朝のクヨクヨ」を提案しています。夜、悩みはじめてしまうと「この世の終わりだ」と落ち込んでしまうようなことってありますよね。そんなときは、どんな出来事に直面しても、「朝クヨクヨしよう」と決めてしまって、夜はさっさと寝て、悩みを朝にもち越します。すると「なんでこんなことで悩んでたのかな?」と不思議に思えてくるのです。たとえば、仕事で大きな失敗をしてしまったとき。家までの暗い帰り道で、「ああすればよかった」「こうすればよかった」とため息をつくことは誰にでもあります。私の経験では、夜、失敗についてクヨクヨ考えていると、「私は悪くない」「上司だってあんな言い方しなくてもいいのに」「どうして私っていつも失敗してしまうのだろう」「時間を巻き戻してしまいたい」といったように、問題そのものではなく、問題の結果生まれた感情や、もう覆しようもないことにフォーカスしてしまいがちでした。これでは、いつまでたっても成長できません。問題を先送りするのは一般的によくないことだと思われています。でも私は、その日に起きた問題をひと晩中クヨクヨ思い悩むよりは、さっさと寝てしまって、次の日にもち越すほうがよっぽど生産的だと感じています。このように感じるようになったきっかけは、会社員1年目の苦い経験からでした。私は、新卒で入った外食企業で、何も仕事ができないのに権利だけは主張する勘違い社員でした。このままでは管理能力を問われて自分にも被害がおよぶと思ったのか、当時の上司は、ありがたいことに私のダメなところを逐いち、徹底的に注意してくれたのです。それこそ、掃除の仕方から、上司への口のきき方、あいさつの仕方までも。一挙一動を毎日注意されっぱなしでした。20年以上生きているのに、まるで小学生ぐらいの知識しかないことが骨身にしみて、悔しくて泣きながら帰った夜もありました。そんなある日、私はいつものように泣きながら帰った夜に、「もういいや、寝ちゃおう。明日いろいろ考えよう」と、ふと思ったのです。次の日の朝、いつもより早めに起きて会社の近くのファストフード店に入り、上司に注意されたことを淡々と手帳に書き出していきました。すると、思わぬ効果が。前日の夜は、あれほど「悔しい」とか「あんな言い方しなくても」「もう辞めてやる!」と思ったことなのに、ひと晩たって冷静になって書き出すと「ああ、上司がそう言うのももっともだな」「ここを直せばいいんだ」と、ニュートラルに考えることができるようになったのです。ネガティブな感情でパンパンになって、冷静な判断ができなかった頭のメモリが、スッキリとキレイに消えた瞬間でした。クヨクヨしそうになったら「どうしてクヨクヨしているのか」を上からながめてみる頭のメモリを空けることができたら、いよいよ余白を使ってさまざまな未来について考えていきましょう。たとえば、朝の空気のなかで、あえてネガティブになってしまう気持ちを分析してみるのもおすすめです。先日もヘコんだり、怒ったり、落ち込んだりすることがあったので、「どうしてネガティブ感情が生まれてしまうのだろう」ということについて、朝、あれこれ考えてみました。その結果、気づいたのは「ネガティブ感情になってしまう自分ってダメだ!」と思ってしまうと、余計に悪いスパイラルに入ってしまう、ということでした。ネガティブ感情そのものがいけないのではないのです。神様じゃないんだから、どんな人でも365日24時間ポジティブ、ということはありえません。さらにいけないのは、次の2つです。1ネガティブ状態から自分ではいあがらず、いつまでもひきずってしまうこと。2自分が「ネガティブ状態になっている」ことを認めずに、ポジティブなふりをすること。認めたくない気持ちを、ないことにしてフタをすると、あとでじわじわと、身体や心を蝕んでいきます。かといって、ネガティブな状態を周囲にぶつけることは、一時的にスッキリしても、根本的な解決にはなりません。
だからこそ、自分で立ち直る力、「セルフリカバー」力をいかに身につけるかが勝負です。セルフリカバーの速度が早くなれば早くなるほど、成長した、ということになるのではないかなと思います。ネガティブなことだって、必要以上につらくならないのが、朝の空気の魔法だと思います。なぜ私はいまネガティブになっているのだろう、と気になったなら、朝に分析するのがおすすめですよ。夜と朝に「よかった探し」をサンドイッチする「夜のクヨクヨより朝のクヨクヨ」とお話ししましたが、悩みが深すぎると、さっさと寝ようと思ってもなかなか眠りにつけないことがありますよね。そんなときにおすすめするのが、夜と朝の「よかった探し」サンドイッチです。寝る前に、今日1日を振り返り、ささやかでもいいから「よかったこと」を数えてみると、比較的おだやかな眠りにつくことができます。どんなにつらい日だって、「ランチタイムに初めて入ったお店が、予想外に美味しかった」とか、「帰りの電車で座れてラッキーだった」など、ちょっとしたよかったことは、必ずあるはずです。1日を感謝の気持ちで締めくくると、睡眠の質もよくなる気がします。眠りから覚めたら、朝いちばんに「いいこと探し」をしてみましょう。朝早起きできたら大好きなチョコレートやケーキを食べる、といったように、「自分にごほうび」をあげるのはわかりやすい「いいこと」です。でも、毎日「モノ」のごほうびを自分にあげていたら、身体もお金もたいへんですよね。モノじゃなくてもいいんです。早起きして何か「いいことがあった!」とよろこべること自体を「ごほうび」にしてしまえばいいのです。まわりよりも早起きしていれば、いいことを見つけるのも、もちろんいちばん。誰よりも早く「うれしい」を探すことができたので、「朝からちょっと幸せなことをみんなにシェアしてみよう」─そんなふうに考えると、楽しくなってきませんか?私の先日の「アサイチの幸せ」は、コーヒーショップのスタッフからもらったメッセージです。コーヒーの紙カップに「HaveaNiceDay!」と書いてあったのです。うれしかったのでさっそく写真を撮り、SNSでシェアしたところ、「こっちまで幸せな気分になった」とたくさん「いいね!」をもらえました。自分だけの「アサイチの幸せ」が、まわりにも朝からちょっとした幸せを届けることになって、さらに自分が楽しくなる。まるで幸せが循環していくようですね。昼や夜にやっていることを朝にもってくるとおもしろい化学反応が生まれる心や時間に余裕がないと、固定観念にとらわれてしまって、できるものも最初から「できない」と決めつけがちです。たとえば、「朝・昼・晩」という言葉のイメージに、ふだんの私たちは無意識に縛られています。「朝の人」というと健康・元気いっぱい、爽やか。「昼の人」というと、のんびりしておだやかな感じ。「夜の人」というと、とたんにどこかアヤシイ、裏道を歩いているようなイメージになりますよね。しかし、このような言葉についてまわるイメージをいったん忘れて自由になると、おもしろいアイデアが生まれることがあります。私は、「Before9(ビフォア・ナイン)プロジェクト」という、朝の始業前の時間を有効活用する「大人の学び場」を主宰しています。外部講師を招いたり、自分が講師を務めたりなど、さまざまなイベントを企画しています。当然、朝の爽やかですがすがしいイメージにふさわしい「早朝ウォーキング」や、「ヘルシーな朝食」を食べる、といった企画が人気なのですが、なかには意外にも、朝のイメージから遠い「ありえない何か」を「朝」とかけあわせてみた─そんなイベントへの反響が大きかったりするのです。たとえば、いままでこんな企画を考えてきました。◯朝から出版記念講演会(朝から講演を聞いたあと、ウォーキングインストラクターの指導のもと神宮球場のまわりをウォーキング。朝食付き)。◯早朝パワーチャージライブ(朝からプロミュージシャンをよび、生ライブ)。◯早朝忘年会(朝からザ・リッツカールトン東京の半個室を借り、シャンパーニュで乾杯)。これらの企画を思いつくのは、たいてい朝。聞くところによると、夜は眠っているうちに前日までの情報が脳で整理され、朝には頭がクリアになっているから、発想がわきやすいのだそうです。「こんなこと、朝っぱらからできないよ」という思い込みを外してしまうと、おもしろい企画が生まれ、「お!なんだか楽しそう」ということでお客様にも来ていただける、そんな好循環が生まれています。人は「楽しい」と思うところに集まるもの。発想力の訓練にもなるので、「朝」×「何か」を、いろいろ考えてみることをオススメします。朝にあんなことができる、こんなことができる、とアイデアがどんどん生まれてきます。ときには、仕事といっさい関係ないことをやってみる早起きをしたからには、勉強や運動や仕事の準備といったような、まわりから見られて「偉いこと」「すごいこと」をしなければ!と気負っていませんか?「やらなきゃいけない」と思えば思うほど、せっかくの朝の時間がどんよりしたものになってしまいます。もともと早起きは眠くてつらいもの。だからこそ、プレッシャーに感じることではなく、自発的に「したい!」と思うことに時間を使ってみましょう。たとえば、たまには仕事のことはいっさい忘れて、趣味を極めるための時間にしてみてはいかがでしょうか。毎日同じことの繰り返しでマンネリになってしまった気分をリフレッシュさせ、子どもみたいな好奇心を取り戻すのです。
「慣れ」のせいで素直な視点を忘れそうになったときや、自分の仕事に行き詰まりを感じたときの突破口になるかもしれません。私は会社員時代、朝の時間に趣味の飲食関連の本を読むようにしていました。いま思うと、仕事にいっさい関係ない新しいことを学ぶ経験が、素直にものごとを見る目を養ってくれたのではないかと感じています。新しい知識を得るときは、誰もが必ず素人です。「なんで?」「どうして?」とソボクな目でものごとを見ることができます。仕事に慣れると、「知る」ことの楽しさをダイレクトに味わうことが少なくなり、なんとなく流して仕事をしがちになってしまうので、この視点を取り戻せたことは新鮮でした。「そもそも、なんでこうなるの?」という、忘れかけていた無邪気な問いが、自然に出てくるようになったおかげで、仕事もソボクな視点で見てみよう、と思えるようになり、よい結果につながっていきました。朝、楽しいことをしたあとに出社することで、いい気分のまま仕事に取り組みはじめることができたため、1日の仕事全体も楽しくなるという効果もありました。1日を気分よくスタートさせるためにも、朝イチで楽しいことをしてみましょう。夜をもっと楽しみたい!が早起きの理由だっていい「アペロ」という言葉を聞いたことがありますか?「アペロ」とは、フランス語の「アペリティフ(食前酒)」の略で、フランスをはじめとする欧米諸国で楽しまれているお酒の習慣です。お客様のニーズに応じてワインを選ぶプライベートソムリエールとして活躍していて、フランスの文化事情にも詳しい山田マミさんによると、フランスでは「お茶しない?」くらいの気軽さで「アペロしない?」と誘いあい、晩ご飯前に、ササっと軽く1杯を交わしながら交流を深めるのがふつうなのだそうです。私は、日本にもこの「アペロ」の習慣が広まればいいな、と考えています。早起きすることで仕事や家事を効率的に終えて、まだ明るいうちに、フランス流のアペロ時間を楽しめば、ゆったりと余裕をもって家事にも取りかかれますし、明日もがんばろう!という気持ちのリセットにもつながると思うのです。私も経験があるからわかるのですが、仕事が終わらないまま飲むお酒は苦いものです。次の日のことが気にかかり、ゆっくりと会話を楽しむこともできません。でも、早起きして段取りよく仕事を終わらせて、スッキリした気分で飲むお酒の格別なことといったら、言葉になりません。私は、早起きして、できる限りサッサと仕事を終わらせて、午後5時以降はダラダラすることにしています。相手次第なので難しいこともありますが、なるべく飲み会も午後5時スタート。ハッピーアワーでお得に楽しみ、遅くても夜10時には就寝すれば、明日もばっちり早起きです。サッサと仕事、明るいうちにアペロ。楽しいと思いませんか?そんな余裕があるライフスタイルが日本にも定着するよう、私はこれからも早起きのよさを提案していきたいと思っています。目標はあくまででっかく、大風呂敷を広げて妄想しよう私は朝9時の始業までの時間を「自分と向きあい考える時間」と位置づけ、将来の計画や目標についてあれこれ考えることにしています。前にも述べましたが、夜は身体が疲れていることもあって、ネガティブ思考に陥りがち。だから、私が、あれこれ考えるのは朝なのです。限界を自分で決めずに「本がたくさん売れるといいな~」とか「新しい連載が決まればいいな」など、できる・できないはともかく、自由に考える時間を取るようにしています。「妄想」といっていいような突拍子もないことを想像し、大風呂敷を広げてひとりでニヤニヤ。こうして生まれた発想を手帳やノートに書き留めていくのです。目標を立てよう!計画しよう!とかまえてしまうと、ちゃんとしたこと、現実的なことを考えなければいけないような気がしますよね。実現できる?でもできない?の繰り返しで、なかなかスイッチが入らなかったり、計画をしながらもなんとなく「ホントに大丈夫かな」と自信がもてなかったりすることもあるでしょう。そんなときは、「目標を立てる」とは考えずに、まずは「妄想する」と考えると楽しくなります。私が好きな言葉は「Fakeittillyoumakeit」─「できるようになりたかったら、できるふりをしろ」。これは、たんに「ビッグマウスになれ」といっているのではありません。余裕のあるフリをして、必死でその「余裕な自分」に追いつくよう努力せよ、という意味です。大風呂敷を広げた計画を書き、妄想してみましょう。まさに自分を騙す(Fake)かのように。目標だと「無理かもしれない」と、マイナスな感情でつぶされそうになる人でも、妄想ならワクワクニヤニヤできます。そうしているうちに、「できるふりをする」ためには、具体的に何を準備したらいいかな?という発想に切り替わっていきます。私自身、「いまの自分の実力で、こんな大役がつとまるだろうか?」と心配になるようなオファーをいただいたり、思わず尻込みしそうになることを「やってください」と言われることがたくさんあります。でも、そんなときは「Fakeittillyoumakeit」と唱えると、心のなかではビクビクでも、いっさい表に見せずに、堂々と「できます!」と言えるようになります。「できるふり」をしたからには、仕事で迷惑をかけるわけにはいきません。だから、本気になって、ありとあらゆる手段を使って「できる」に近づくよう努力するようになるのです。こうして、自分の背丈以上の果実を背伸びしてつかんでいくことを、必死になって続けてきたおかげで、いつしか道が出来ていました。その繰り返しが自分をどんどん大きくしてくれている気がするのです。まるで、自分という人間を大きく見せたぶんだけ、余白としての「のびしろ」がどんどん広がっていったように。最初は、虚勢をはっているようで居心地が悪くてもいいのです。まず、体験してみること。飛び込む勇気をもつこと。そこからすべてがスタートしま
す。もちろん失敗するかもしれません、でも、失敗してもいいじゃないですか。その失敗を朝の時間で分析して、二度と同じ失敗をしないよう、また挑戦すればいいだけなのですから。FakeをMakeに変えるための、具体的分析方法「できるふり」の妄想をしたままで終わらせていては、いつまでたっても現実化は難しいはずです。かかげた「妄想」を現実化させるためには、その先のもう一歩が必要となります。妄想をさらに分析し、現実化に向けて深く深く考えていくための切り口としておすすめなのは、5W2H(Who,When,Where,What,How,Why,Howmuch─誰が、いつ、どこで、何を、どうする、なぜ、いくらで)です。たとえば「新聞連載したい」という妄想を思いついたら、テーマ、何回シリーズか、何新聞か、いつから連載がはじまるか、連載をきっかけにどのような次の展開が待っているか、というところまで、数字を入れてだんだん具体的にしていき、企画のアウトラインまで固めてしまいます。実際、私の場合、たまたま新聞社から声がかかったときには、すでに妄想からスタートした企画書が手元にありました。「具体的にこういうことができるのでやります!」とすぐに提案できたため、新聞連載が現実のものとなりました。5W2Hに具体的に落とし込み、まとめることのメリットは、このような偶然の機会だけではありません。「これがやりたい!」と周囲に伝えることに、躊躇しなくなるということもその1つです。「こんなことを言っておいて結局できなかったら恥ずかしい」「失敗したらどうしよう」と、やりたいことを心のなかにとどめておいては、せっかくのチャンスを逃してしまいます。声に出すのは勇気がいることかもしれません。でも、前向きになれる朝の時間にきちんと分析をして、やりたいことを計画するのですから、何も恥ずかしいことなんてありません。仮に失敗してもまた5W2Hで計画し直せばいいだけです。ちゃんとがんばる人の熱意は必ず周囲に届きます。自分で決めて宣言し、自分で動く。それが、いい出会いや、ほしい結果を引きよせる、大きな力になるのです。つらいことも、自分をヒーロー(ヒロイン)だと思えば楽しくなる朝の妄想は、つらいことさえも楽しく変えてくれます。私の最近のお気に入りの朝の妄想は、自分を主人公として、誰かが私のことをナレーションしている、というものです。たとえば、何かたいへんなことが起きたとき、「この出来事は、池田千恵がさらに成長するための壮大な物語の序章であった……」と、誰かがナレーションしているところを妄想するのです。ナレーターは、あなたが好きな芸能人や文化人など、声が聞けたらうれしくなるような人を想像してみてください。あせる気持ちがクールダウンして、気持ちに余白ができるため、「よーし!がんばるぞ!」と元気になります。このように気持ちの切り替えができると、日々のちょっとした悩みも、「つらいからできない」ではなくて「つらいけどどうすればできるか」の視点で考えられるようになります。◯時間がない→では、何時間あったらできるのか?時間をつくるためにはどうしたらよいのか?◯お金がない→では、いくらお金があったら安心なのか?これからお金をつくるためにはどのような努力が必要か?◯やりたいことを家族に反対されている→では、反対の理由はどんなことか?家族が賛成と言ってくれるためには、どのような条件が必要なのか?それは自分の努力でどこまで補うことが可能なのか?その意見を覆すことはできないのか?つらいことも「自分の人生の物語の試練のとき」だと妄想し、「どうすればいい?」と思考転換することを習慣にしていくと、前向きにとらえて乗り越えることができるようになります。このように思考転換できるのも、朝のゆったりとした時間があるからこそです。「Fakeittillyoumakeit」な大風呂敷目標の見直しも、朝しよう大風呂敷を広げた目標を妄想するのは楽しいものです。しかし妄想してから数カ月後、あらためて見直したときに、「どうしよう!まだ何も達成していない!」と、あせることもあるでしょう。興奮して書いた目標も、時間がたつと状況が変わって、考え直す時期がくる場合もありますよね。もし、最初に立てた大きな目標が叶っていなくても、あせる必要はありません。「大風呂敷目標」は、自分で自分の余白をせばめてしまっている悪いクセを、修正するイメージトレーニングのようなもの。私の余白はもっとあるはず!と意識的に大風呂敷を広げて、その目標を達成したときの幸せなイメージを、繰り返し頭に思い浮かべることができれば、それだけでもいいのです。とはいえ、やっぱり、せっかく立てた目標だから達成したい!と思うのもまた本音です。では、「大風呂敷」をリアルな目標に近づけるためにはどうしたらよいのでしょうか。私は、数字で、具体的に進捗がわかるように目標を書き換えることをおすすめします。5W2Hの「Howmuch」にあたる部分で考えるのです。たとえば、初出場のフルマラソンを完走することが目標なら、足腰を鍛えるために「月間累計走行距離100キロ以上走る」、と決めてみましょう。数字で具体的に目標が決まれば、「100キロ走るためには、平日毎日5キロ走ってみよう」と、次の目標を決めることができます。ここまで細かく、毎日実行することに落とし込むことができたなら、毎日5キロの積み重ねがフルマラソンにつながる、と具体的にイメージすることができますし、達成する意欲もわいてきます。「有名になりたい」「出世したい」などという目標はあいまいすぎてNG。あなたにとっての「有名」「出世」を数字で表しましょう。たとえば、ブログのアクセス数が1日何千PVか、名前をネット検索した結果が何件か、というように書き換えます。仕事で結果を出したい、出世したいというあなたは、出世するためには会社にどんな貢献をしなければならないかを、数字を使って1つひとつ書き出していきます。総務の方なら事務用品の経費を前年比○%削減、広報の方ならメディア取材の数を○件増加させる、といったように。妄想を数字で具体的に
すると、自分が何をすべきかが、よりはっきりとイメージできるようになります。「大風呂敷目標」が大風呂敷で終わってしまうのは、具体的な行動があいまいなまま、なんとなく「叶えばいいな」と思っているから。あなたの目標を数字で分解するとどうなるかを、一度、朝の時間でじっくり考えてみてはいかがでしょうか。失敗は、朝の時間に「上書き保存」しちゃおう「一度失敗した苦い思い出があって、そのせいで同じような場面が訪れると怖くて前に進めなくなる」という人がいます。心の底から「あんな経験、二度としたくない」と思っているのならべつですが、その失敗に少しでも未練があるなら、あえてもう一度がんばってみてはどうでしょうか?朝の時間なら、過去のつらい気持ちもゆっくり振り返ることができます。もしかしたら、苦い思い出も、よい思い出に「上書き保存」できるかもしれません。もう一度やることのたいせつさを、私は早朝の神社で、見ず知らずのおばあさんに教わりました。2011年、大阪の住吉大社でセミナー講師をしたときの話です。早朝、私は住吉大社に参拝しました。境内には「おもかる石」というものがあって、願い事を思い浮かべて石をもちあげたとき、重いと感じるとその願いは叶わず、軽いと感じるとその願いは叶うというものです。当時は、東日本大震災直後。私の願いは、故郷の福島の原発が落ち着くこと、福島に住む実家の両親、友人たちがどうか無事であることでした。ところが、心から願ってもちあげたのにもかかわらず、おもかる石を重く感じてしまいました。落胆する私に、いつの間にか後ろに立っていたおばあさんが、「もう一度、しっかり、心を込めてお願いしてごらん。大丈夫だから」と声をかけてくれました。私が「重く感じた」ともなんとも言っていないのにです。私はあらためて、心からの願いを込めてもちあげました。すると、さっきは5センチくらいしかもちあげられなかった石が、20センチくらいもちあがりました。ずっと私を後ろで見ていたおばあさんは、「大丈夫でしょ。本当に叶わなかったら、ぜんぜんびくともしないくらい動かないんだから。願いは叶うよ」と言ってくれました。当時は、この出来事を、たんなる不思議な話で終わらせていたのですが、先日知人に話したところ、私とは違う視点で意見をもらい、はっとしました。「うまくいくかなんてわからないけど、チャレンジし続けることが、やっぱり大事なんですね」─。あなたがもう一度チャレンジしたいことはなんですか?思いきって、本気で心を込めて、チャレンジしてみませんか?夢の実現に必要なのは「情熱・論理・巻き込み力」私はよく「自分で自分の人生を邪魔しないで」という話をします。可能性をせばめているのは、環境でも親でも友人でも家族でもなく、自分自身だと思うからです。これは、うまくいかない原因は誰のせいでもなく、すべて自分の責任だから、自力で解決しなければいけない、という意味ではありません。「自分なんてせいぜいこんなもんだ」というあきらめと、「いまの自分がこんな状態なのはおかしい」という悔しさの間でせめぎあって、結局何もしないくらいなら、ほかの人に協力を頼めることは頼んでみましょうという提案です。頼んでみるときに押さえておきたいのは、自分の過去の行動を「情熱・論理・巻き込み力」で振り返ることです。情熱だけだとイタイ人、論理だけだと冷たい人。でも、あなたが過去に、情熱を論理でくるんできちんと発信できたとき、仲間を巻き込んで大きな仕事ができた、そんな経験はないでしょうか。自分の「根っこ」にある大事なものを見つけたあとの言葉と、それが見つからないうちに発した言葉では、相手に届く想いの重さが違います。たとえば、大事だと思うものに対する情熱を、世の中のニーズといった冷静なデータに、論理的に掛け合わせることができたならどうでしょう。もともと、やりたいと思っていた仕事ならもちろんのこと、たとえ嫌だと感じていた仕事さえも、自分の夢を実現するための「素」なんだと、心から感じることができるようになります。心の底から感じた気持ちを発信すれば、あなたの行動で勇気づけられた人、がんばろうと思った人、あなたの活動を応援したい人、そんな人たちが必ず現れます。必ずです。だからこそ、あなたが、あなた自身をいっそう楽しむために、「情熱・論理・巻き込み力」を生み出す、朝の余白を活用していきましょう。
私は、2016年1月に第一子となる男の子を出産し、子育てをしながら仕事をしています。息子を見ていると、人間も自然の一部だとしみじみ思います。まるで、日本に四季が毎年同じようなタイミングで訪れるように、お日様が朝になると昇って、夕方になると沈むように、淡々としたリズムを親子で刻んでいるように感じるのです。子育てにたいせつなことは、生活のリズムを整えることだそうです。何時に起きて、何時に寝て、何時にご飯を食べて、というリズムをきちんと身につけることができれば、心身ともに健康で落ちつくと聞き、私は意識してリズムをつくるようにしました。お腹のなかでも私の「朝4時起き」リズムを体験していたせいか、息子は夜8時半に寝て、朝4時に起きる、というパターンがすでに身についています。同じ月齢の子と比較しても、おだやかでよく食べ、よく寝る子で、病気にかかることも少ないようで、まわりのママたちに驚かれるほどです。もちろん、子育ては初心者でまだまだわからないことだらけですが、頭で考えるより身体で感じて、あるがままに生きている子どもが、健やかに育っているのを見ていると、やはり規則正しい生活は、心身の発達によいものなのだなと感じます。私自身も、早寝早起きを習慣にしているおかげで、年齢のわりには肌ツヤがよいとほめられることも多く、お通じにも悩むことがないといったように、リズムが整っているおかげで心身ともに健康だという実感があります。また、リズムがわかれば、未来が予測しやすいというメリットもあります。「このタイミングで余白ができるから、その間に○○○しよう」というように、突然ぽっかり空いた時間をもてあますことがなくなるのです。この章では、朝の余白が心身の健康に与える効果や、四季折々での朝の時間の楽しみ方、楽しく健康を維持するために朝心がけること、リズムを整えて、余白をつくるための方法などについて紹介します。
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