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3 朝4時起きで得した時間を仕事に活かす

まったくの勘違いOLでダメダメ社員だった私も、朝の時間を使うことで、徐々に仕事の何たるかを理解できるようになっていました。

理解することで周りを見る余裕が生まれ、それまで気づかなかったことにも着目し、学び取ることもできるようになっていったのです。

私は「ワタミ」と「外資系コンサル会社」という、全く違う業種の二つの会社にお世話になったのですが、それぞれに学ぶべきことはたくさんありました。

朝の時間を有効に活用して学べたことを実践し、そのおかげで生まれた余裕が朝の時間をさらに有効なものにする。そんな好循環が生まれていたのです。

目次

ワタミで学んだこと、実践したこと重要なことは頭がクリアな朝に決める、一人会議のススメ

当時、ワタミでは朝の会議がたくさんありました。

朝7時にスタートして、始業時間の9時までの2時間の間に、決めるべきことをポンポンと決めていく、スピード感あふれる会議です。

その中の一つが「業務改革会議」です。

この会議では管理職のマネジャークラスの社員が店舗の情報を共有し、改善点を討議するというものです。

本当は私のような下っ端社員が参加する種類のものではないのですが、当時は自主的に傍聴という形で参加することができました。

限られた時間の中、問題点への対応をどんどん指示する渡邉社長の言葉には凄味がありました。

社員に向けて矢継ぎ早に質問し、その場で問題を解決しようという姿勢には執念のようなものさえ感じました。

また当時、ワタミでは階層別に分かれた社員研修もありました。

毎月一度、朝7時から行われる会議にて「経営目的」や「課題図書」についてのレポートを提出し、上司からレポートの内容や仕事ぶりに対してのフィードバックを受けます。

この朝会議からヒントを得て、今も私は朝の時間で「一人会議」を開いています。

朝起きたら、自分の役割(図解化コンサルタント、飲食講師、ライター、妻など)を一つひとつピックアップして、課題や今後の展望について考える時間を設けるのです。

これは、朝やることがポイントです。

夜だと先回りしすぎて将来のことを心配してしまったり、今日一日の出来事をクヨクヨと思い返して雑念が入ったりと、あまり生産的な考えが浮かびません。

また、朝だと(始業時間などの)明確なデッドラインがあるので、何時から何時までと時間を区切って物事を考えやすいのです。

毎朝やるべきことに「トドメをさす」手帳活用法

渡邉社長は「トドメをさせ」というのも口癖でした。一つひとつをおろそかにせず、きっちり終わらせよという意味です。

会議でも、問題点があったらすぐに「トドメをさす」ことをポリシーとしていました。社長は、自分の予定や計画にも毎日トドメをさしています。

スケジュールを手帳に書き出し、それを達成するごとに赤鉛筆でしっかりと消します。

消したときの達成感と、残っている部分がまだある「気持ち悪さ」を利用しているのです。

このやり方を参考にして、私も毎日「トドメをさす」ようにしています。

夜寝る前に、次の日にすべきことをリストアップしておいて、朝、そのリストに沿って仕事をして、一つひとつ消すようにする手帳活用法です。

ここでのポイントは「前日の寝る前までに、頭で考えるだけではなく、書いておく」ということです。

私は手帳に直接書き込みますが、そのスタイルはパソコンでも携帯電話でも何でもいいのです。

とにかく手を動かすことがポイントです。なぜこの作業は朝でなくて、夜なのか。

それは前夜までに明日の朝○○をする、とやることを決めておかないと、朝起きた時に眠気のほうが勝ってしまって、「まあいいか」になってしまうからです。

こうして、明日しなければならないことを、「見える化」しておくことで、自分の気持ちに「引っかかり」を持たせておくのです。この引っかかりを作っておくと、それが朝起きる動機になります。

さらに、赤ペンで「トドメをさす」ことが増えると、それが自分の達成感につながっていきます。

ワタミの強烈な社訓にインスパイア

ワタミの社訓に「できないと言わない」というものがあります。また、「限界から、あと一歩進め」というのもあります。

こういった言葉だけを聞くと、気合いだけで何でもできるという精神論のように感じてしまうかもしれません。私もワタミに在籍した当時は、なんとなく敬遠していたものです。

でも、それが間違いだったことに気づいたのは、外資系コンサル会社の役員の「クリエイティブ・ジャンプせよ」という話がきっかけでした。

クリエイティブ・ジャンプとは、今までの考えからはまったく違った視点で問題をながめ、飛躍した切り口から考えよ、ということです。

「できないと言わない」や「限界から、あと一歩進め」も、「クリエイティブ・ジャンプせよ」と同じ意味だったのです。

無理なことを気合と体力で補って頑張るのではなく、「一見、できそうもないことを、どうしたらできるようになるか、あらゆる角度から考え、工夫する」という意味なのです。

つまり、頭を柔らかくするためのトレーニングのようなものです。頭を柔らかくするためには、十分に思考する時間が必要です。

朝4時起きすれば、9時まで誰にも支配されない自由な5時間を得られます。

その5時間を将来にわたって、本当に重要だと思うことに使えたら、ものすごく有意義だと思いませんか?

「6本の柱」を意識して、「自分ポートフォリオ」を作る

渡邉社長から教わった言葉に、「人生の6本の柱」というものもありました。

「仕事」「家庭」「教養」「財産」「趣味」「健康」の6本の柱のバランスが取れてこそ人生がうまくいくという考え方です。

そこから私は、「自分ポートフォリオ」の考えのヒントをもらいました。

ポートフォリオとは、『広辞苑』によると「①投資信託や金融機関など機関投資家の所有有価証券の一覧表。②機関投資家の資産運用に際し、もっとも有利な分散投資の選択」のことです。

つまり、「自分ポートフォリオ」とは、自分の将来を考え、どこに投資して、どこを押さえておけば有意義な人生を送れるかを考え、分散投資をすることなのです。

柱を何本も持つことで、バランスの取れた自分という基盤を作ることは大切です。

しかしこの柱は、1本1本同時に、器用に積み上げていけるものではありません。最初からバランスを取って積み上げることは難しいものなのです。

最近は、「自分の得意なところを伸ばしなさい」「不得意なところは他人に任せなさい」といった考えがもてはやされる傾向にあります。

たしかに、得意なところをどんどん伸ばして才能を活かすのも大事ですが、一時期は自分の足りないところを補強することも必要だと思います。

例えば、家を建てるときには、1本の柱では建ちません。何本もの太い柱を立てて、はじめて家になります。人生も同じです。もしも会社という大きな柱を失って、自分の根幹が緩んでしまい、倒れてしまうとしたら……。

そんな人生、嫌ですよね?私は朝4時起きで、自分ポートフォリオを作ることができました。

おかげで会社員を辞めてからも、図解化コンサルタントや飲食講師、ライターなど、いろいろな仕事が可能になっています。

人間として、またビジネスパーソンとしての基礎体力を作る手段として、朝の時間を使うことはとても有効なのです。

今まで安泰だと思っていた企業が、いつ何時、突然つぶれてしまうかわからない。

そんななかでも、サバイブできる人間になりたいと思いませんか?朝4時起きで強固な柱を複数立てることができれば、これからの人生、何があっても怖くありません。

あなたなりの「自分ポートフォリオ」を作ってみることをお勧めします。

朝の掃除から学んだ、自分を「ロボット化」する技術

第2章でも述べましたが、ワタミ時代の出向先のA社長は、私のあまりの出来の悪さにあきれ果て、文字どおり掃除の仕方から徹底的に訓練を始めました。

当たり前の仕事のルールや考え方からたたき直さなければ、きっと自分にまで被害が及ぶ!と考えたのでしょう。

朝一番に出社し、A社長が9時からスムーズにストレスなく仕事ができるための環境を作るのが、私の役目になりました。

トイレの掃除、床拭き……週に一度はフロア全体に掃除機もかけました。

A社長は、何でも「仕組み化」することを信条としていて、ルーティンワークについても一つひとつの手順をマニュアル化していました。

トイレの床の拭き方からコーヒーメーカーに入れる豆の量、お湯を入れるタイミングやポットを洗う回数、パソコンのバックアップの頻度に至るまでが、細かく決められていました。

その他にも、ファイル整理の仕方や収納する向きまでもきっちり決められ、プロジェクトが終了するごとに会社独自のシリアル番号をつける、といったルールもありました。

誰でも問題なく仕事が進められるように、細かく「仕組み化」してあるのです。そしてこのマニュアルには、細部にわたって、「なぜこうするのか」という理由がありました。

そのルールを、どんな例外もなく、まずは徹底します。

決して気分によってそのルールを変えたりしないようにするのです。

「仕組み化」という概念がビジネスパーソンの間でもてはやされている昨今ではありますが、当時の私にはこのルールが、とても窮屈なものに思えました。

私はもともと大ざっぱで、「自分ルール」を勝手に作って仕事をするタイプの人間だったので、「これって、私の頭が悪いみたいじゃない?」「こんなことまでマニュアルにしなくてもいいし、教わらなくてもできるよ!」「ここまでしなくてもいいでしょ!」と、当然疑問に思いました。

ところが、A社長は次のように言います。

「当たり前のことすら徹底できないで、他に何を徹底できるのか?」「こういうときはこうする、というルールをきちんと作っておかないと、何かあったときに判断に迷って余計な時間を取られてしまう」それを聞いて、私は思い当たりました。

私は店舗勤務のとき「気分」で仕事をしていたせいで、毎日のように食材の誤発注を続けていたのです。

食材の発注は、店舗の営業が終わる夜中の3時以降、お店の掃除も終わった4時ごろでした。

そこでサッサと発注しないといけないのですが、モタモタしていると発注期限が過ぎてしまいます。

発注期限を過ぎてしまうと、「パターン発注」といって平均的な食材しか入りません。それをわかっていながら、私はいつもなんとなくの感覚で発注してしまう。

かといって、コミュニケーション下手で先輩に相談もできず、ある日は大量に発注しすぎて腐らせ、またある日は少なすぎて欠品……ということを1年も繰り返していたのです。

会社としては大変な損害です。本部に戻っても同じこと。

第2章でも述べたように、文房具や切手をしょっちゅう切らして迷惑をかけていました。

「なんでなんだろう。私ってホント、ダメ人間だ……」そうやってクヨクヨするだけで、同じことの繰り返しでした。

いつも行き当たりばったりの仕事をしているから、失敗に学ぶことができなかったのです。

私に足りないのは、当たり前のことを、当たり前のように徹底して、何も考えなくても無意識にできるようになることだ!と、その言葉でようやく悟ったのです。

自分があたかもロボットのようになって徹底的にやる、という経験は、その後の間違いのない仕事ぶりにつながっていきました。

「朝の一人時間」で「質問力」を磨く

A社長から教わったことで、もう一つ心に残っているものがあります。

「質問の数と内容でその人の力量がわかる。プロは目指すものが見えているから、質問が多く出る」

私は出向先で、ワタミグループに配布する小冊子の作成や、ホームページの作成を主な仕事としていました。

といっても仕事が全然できなかったので、企画してゼロから作るなんてことはできません。

A社長の考えるプランを、A社長自身が私向けの細かい指示に落とし込み、それを一つひとつ形にしていくものでした。

でも、私はその細かい指示すら、何のためのもので、それをやることでどういう結果が生まれるかというところまで考えが及ばす、指示とはかけ離れたものを作ってしまっていました。これは、A社長の求めているものと自分のすることにギャップがあるためだ。

それを埋めるために、わからないことは何でも聞かなければ!と思うのですが、私の質問は小冊子やホームページの完成形を見据えておらず、ただのプロセスに関する質問ばかりでした。

「このファイルは上書きしてしまっていいですか?」と質問したときには、「当然の質問をしたら、持ち点が減って、あなたの寿命が縮まると思え!」と言われてしまいました。

だから、質問を考えるために時間をかけることにしました。私がいちいちA社長に聞かなくても、作業が滞りなく進むためにはどうしたらいいだろうか……。

ところが、そのために固まってしまい、他の仕事がまったく進まなくなってしまったのです。

当然、「うまい質問を考えるために余計な時間をかけるな」と言われます。そこで、今度はなるべく早く、A社長を待たせないように質問をします。

すると、「思いつきで質問するな!」と言われます。

そのころの私は混乱してしまい、「いったい、どっちですかー!?」と、泣きながら逆ギレしたりもしていました。

外資系コンサル会社に転職してからも、質問の重要性を感じさせられました。パワーポイントのプレゼン資料を超速で仕上げるのが私の仕事。

疑問点はコンサルタントに質問しなければ進まないのですが、要領を得ない質問をすると、途中で話を遮られたり、「で、結局何が言いたいの?」という顔をされたりしてしまいます。

1分1秒を争うコンサルタントが望むような適切な資料がきっちりと出来上がるように的を射た質問をしなければならないので、毎日が闘いでした。

また、コンサルタントは、クライアント先の社員や、同社の商品を使っている一般人を集めて「フォーカス・グループ・インタビュー」というものを頻繁に開催します。

これは、3~10人の参加者に対して座談会形式のインタビューをして、クライアントの問題点や解決策を探るというものです。

このインタビューで、どれだけ重要な情報を仕入れることができるかがコンサルタントの質にも影響してくるので必死です。

インタビュースキルを磨くための社内研修までありました。これらのことから、「質問力」が、仕事のできるできないにつながるのだと気づいたのです。

そこで私が、自分の「質問力」を磨くために採った方法は、始業前の朝の時間でよく考えるということでした。

優秀な人なら、業務時間内に適切な質問ができます。でも私には無理な話でした。

とっさにきちんとした質問ができないのなら、業務時間を使わずに質問を考えるしかない、と割りきったのです。

朝の時間で自分の過去の質問内容を振り返ると、失敗だと感じる質問には2つのタイプがあることに気付きました。

一つは、「質問のための質問」。つまり、「だからどうした?」「それを聞いて何になる?」「調べればわかるだろう?」というものです。

相手の時間を無駄に費やしてしまう上、自分もその答えを聞いても何も動けない、無駄な質問です。

もう一つは、「対話になっていない質問」。つまり、相手の事情や状況を無視して自分が伝えたいことだけを言いきってしまう質問です。

これは、結局「自分はこうしたい!」を主張しているだけで、相手の質問の答えによって建設的な何かが生まれるということがありません。

自分が質問しようとしていることを、この2つのタイプになっていないかどうかをいったん検証し、自分で自分にダメ出しすることにしたところ、だんだん質問の精度が上がってきました。

この訓練の成果か、だんだんと、朝準備をしなくても、自然に適切な質問をできる自分に変わってきました。

外資系コンサル会社で学んだこと、実践したこと

プレッシャーをもバネにする「追い込み力」

夏休みの宿題が終わらないまま迎えた8月末。もうやらないとヤバイ。全然手をつけていない!ところが、怒涛の集中力で取り組んだら、なんと3日で終わってしまった……。

明日が提出期限の企画書。この企画書に自分の昇進がかかっている。

「なんとしてでも完成させなければ……」と自分にムチ打って、朝までかかったものの、なんとか満足のいくものに仕上げることができた。

こういった集中力をいつも保てたら、どんなにいいか。そう思っている人も多いと思います。

人には「追い込み力」という、とてつもないパワーが存在します。私はこのパワーを、外資系コンサル会社で学びました。

コンサルティングというのは、時間との闘いです。

1分1秒を争う目の回るような忙しさのなか、普通の企業の何倍ものスピードでポンポン物事が決まっていきます。一瞬の判断が要求される、まさにプレッシャーとの闘いなのです。

よく、外資系コンサル会社を卒業した友人とも話します。「前の会社を経験すると、忙しさなんて何ともなくなるよねー」と。

実際、私の友人は大手保険会社に転職したのですが、周囲がバタバタ忙しそうにしているのを見ても、まったくの余裕だそうです。

渡邉社長も「365日24時間戦え」とよく言っていました。セーブしながらほどよく仕事をしていると、いざというときに全力疾走できない。

「なんでも〈ほどほど〉にやっていると、いつも〈ほどほど〉の力しか出せなくなってくる」ということです。

一時期でもがむしゃらに頑張って、自分のリミッターが外れる感覚を経験することは、やはり大切です。

「あれだけやったんだから、それに比べたら余裕」と、いろんな場面で考えられるようになるからです。

前にも述べたように、ワタミ時代、一番嫌いだったのはタイムプレッシャーでした。

店舗のキッチンで仕事をしているときは、お客様からの注文が立て続けに入るだけで落ち着いて物事を考えられなくなるくらい、時間に追われるのが苦手でした。

そんなプレッシャーに弱い私が、1分1秒を争うスピード勝負のコンサルティング会社に入ってしまったのです。わざわざ首を絞められに行くような話です。

そこで私は朝4時起きすることで毎日、苦手なタイムプレッシャーに打ち勝つ訓練を自らに課しました。そのトレーニングのおかげで、今の自由な仕事環境を得ることができました。

朝の時間は、9時の始業までという期限付きの時間です。

その中で、いかに効率的に、より多くのことをこなすかという闘いだからこそ、「追い込み力」が必要になります。

ですから、こうした訓練を続けるだけでも、締め切り直前に限らず、いつでもフルパワーで仕事に取り組めるようになっていくのです。

制約条件がクリエイティビティを育てる

外資系コンサル会社時代、ボスたちの「火事場の馬鹿力」的な集中力は、見ていてとても面白かったものです(実際にはハラハラして、早く早く!と焦っていたので、面白がるどころではなかったのですが……)。

「プレゼンまであと1週間あるから、ゆっくり資料作れるね」などというときに限って、なかなか仕事が進まない。

結局出来上がったのは、当日の出発10分前ということはザラにありました。

誤解のないようにいっておくと、ダラダラ仕事をしていたからではなく、ギリギリまでよいものにしようと、プランをあらゆる角度から見直していたためですが。

ところが、こんなにギリギリで大丈夫かな、と不安に思うときのほうが、むしろいい返事をクライアントからもらえるのです。

私はこのとき、普通の精神状態から生まれた考えは普通になりがちだが、追い込まれると卓越したアイデアが生まれてくるんだ、ということを知りました。

コンサルタントのBさんは、翌日に海外出張があるから絶対に今日中に作らなければならない資料があったのに、どうしても作ることができず、移動の飛行機の中で必死になって作ったそうです。

Bさんに聞いた集中法は「ジャンボジェット離陸集中法」。

どんなものかというと、ジャンボジェットの出発準備中はPCを立ち上げることができないので、その間に目を閉じて資料のイメージを膨らませることに集中するのです。

そして離陸して、シートベルトを外していいという合図が出た瞬間、すかさずPCを立ち上げ、資料を書きまくるのです。

PCが使えない、という制約条件を最大限に活かし、集中力を極限にまで高める方法です。

これと同じ訓練効果が、早起きして、朝仕事をすることによって得られます。9時までの限られた時間の中で集中することは、時間に対する感覚を鋭くすることにつながります。

毎朝、締め切りを抱えているような状態になるわけです。

毎朝の締め切りというと、なんだか追い立てられているというイメージがあって、嫌だなあと思う人もいるかもしれません。

でも、快感を生み出す脳内物質であるドーパミンは、苦しい刺激の中で生まれるそうです。

「自分の作業に、制限時間を設ける」ことで、その制限時間をクリアできたときに喜びが大きくなって、ドーパミンが分泌されるのです。

始業までの時間というのは、自分で設定したタイムプレッシャーです。この時間内に、どれだけのことができるか。それを自分の中でゲームのようにして競うのです。

クリアできるかどうか、自分をギリギリの状況に置いてプレッシャーをかけると、ときとして思いもよらぬ結果を生むことができます。

これは、外から押しつけられたものではなく、自分で決めたプレッシャーでないといけません。

そうしないとドーパミンが分泌されないのです。早起きも、自分で自分にかけるプレッシャーです。それをクリアすることによってドーパミンが出る。だから朝の早起きには達成感があるのです。

締め切りは自分から宣言して、「デキる自分」のふりをした後に追いかける

私が尊敬する、外資系コンサル会社時代の役員Cさんも朝型でした。コンサルタントというのは、全力投球でクライアントのために頭脳&肉体労働をします。

タフでないと務まらない仕事で、文字どおり24時間戦っているような人たちです。そんな中でも彼は、昔から朝型を貫いていたそうです。

社内の地位が上がってからなら、自分の思いどおりのスタイルで朝型にすることもできるでしょうが、彼のすごいところは、平社員のころから朝型を続けていたことです。

例えば、夜遅くに上司がミーティングを入れようとすると、そのことによる自分のパフォーマンスの低下を論理的に説明し、朝にミーティングを入れ直してもらえるように説得したそうです。

もちろん彼は口先だけではありません。大口をたたいたあと、必死でその分をフォローし、結果を出し続けた結果、今の役員の地位があるのです。

Cさんは、本当の締め切りから1~2日前に「自分締切日」を設定し、それを秘書も共有していました。締め切りギリギリになって焦るのは、誰でも嫌ですよね。

頭の中で自分締切日を数日前倒しにして設定し、その1~2日は予備日に……というのは、誰でも考えていることでしょう。

でも、頭で考えただけでは、結局ギリギリになってしまいます。そこで、書くことで、いったん自分に約束してしまうのです。

私もCさんに見習って、前もって締め切りを宣言するようにしていました。

「だいたい、今月の中旬ぐらいに戻してね」くらいのゆったりとした締め切りのときでも、「ハイ」とそのまま受けずに、「では、15日に戻しますね」と宣言してしまうのです。

すると、宣言した手前、その約束を破ると自分がものすごく恥ずかしい思いをします。その恥ずかしさを利用するのです。

朝の時間を大切にすると、「相手の時間に対する敬意」を払える

ところで、コンサルタントの口癖は何だと思いますか?「相手に付加価値をつける」です。

外資系の経営戦略コンサルタントというと、スマートで論理的で、氷のような冷徹さを持ったサイボーグみたいに思われるかもしれません。

私も、入社するまではそんなイメージを持っていました。でも転職して気がつきました。コンサルティング会社は、論理的なだけではなく「熱い」と。お客様のためになることに、本気なのです。

また、コンサルティング会社は一般に、物事をフレームワークに当てはめて、ロジカルに決めていると思われがちですが、じつは違います。

ロジカルに物事を説明するだけでは人は動きません。相手の心に訴える熱いものがないと動かないのです。

私は、コンサルティング会社ってどれだけスマートかつロジカルに物事を進めるんだろうと思っていましたが、コンサルタントは泥臭さとロジカルさの両方を兼ね備えていないとできない仕事なのです。

ある役員はこう言っていました。

「フレームワークは、あることを考えるためのツールでしかない。そのツールをいかに壊してブレークスルーさせるかが、われわれ役員の役目なんだ」

コンサルタントは毎日、「自分は付加価値をクライアントに与え続けている人間かどうか」を、自問自答しながら仕事しています。

コンサルタントにとって、「付加価値がつけられない人」という評価は、「いてもしょうがないから辞めろ」と同義語なのです。

ましてや大手のコンサル会社ともなると、クライアントからもらう報酬も桁違いです。コンサルタント一人の時給が数万円を超えていてもおかしくないほど。

つまり、クライアントに、自分のアドバイスで一時間数万円を上回る利益をもたらすことができなければ、相手のクライアントはペイしないということです。

私は管理部門にいたので、直接クライアントからのプレッシャーを感じたことはありませんが、コンサルタントと一緒に仕事をするだけでも、彼らの必死さは伝わってきました。

自分の時間価値を最大化するためには、そのための戦略をじっくり練らなければいけません。

そのための最適な時間が、朝の時間だと私は思っています。なぜならば、朝は相手の時間を使う必要がないからです。時間というのは、命を削って生まれるものだと思います。

私たちは普段気にせずに、何気なく過ごしていますが、よく考えると「死ぬ」ことに向かって進んでいるのです。

そう考えると、相手との約束に遅刻することは、本当に怖いことだと思います。自分のせいで、相手の貴重な時間を奪っていることになるのですから。

周りにいる私の尊敬する人たちは、地位が高い人ほど時間の感覚にシビアで、相手の時間の使い方に敬意を払う人が多いようです。私のもう一人の上司からは、こんな話を聞きました。

「長年、大企業の社長と仕事をさせてもらって思うことは、偉くなればなるほど、お金じゃなくて時間を本当に大切にしている。だから私はいつも、会食のときには必ず、〝貴重なお時間を私どもにくださって、本当にありがとうございます〟と伝えるんだよ」

大企業の社長は、例えばほんの1時間で、社員数千人の将来を左右する決断を下すこともあります。

そんなプレッシャーが大きいなかでの1時間は、お金や物などには到底換算できないものです。

だからこそ、お金なんかより、自分の時間を最も大事にするのです。朝の時間は、タイムプレッシャーで1分1秒にシビアになることができます。

朝の自分の時間で最大限の準備をするのです。さらに、一人で集中して考えることができる分、相手の貴重な時間を費やすことを最小限に減らせます。

朝の新聞チェックで仕事の戦略を練る

私は今も、朝の30分で、当日の日経新聞の朝刊と前日の夕刊をざっくりチェックします。

これは、世の中の流れやマスコミの論調を知るためということもありますが、外資系コンサル会社時代は、クライアントの業界の状況を知るためというのが一番の目的でした。

この作業はコンサルタントにとっては基本中の基本ですが、私のようなサポートスタッフでそこまでする人は少数でした。

コンサルタントにとっては、自分の担当しているクライアントのことを深く知っておくのは当然のことです。

今はニュースや世の中の状況は、インターネットで検索すればすぐに出てきてしまう時代です。

それでもどうして新聞を読み続けるかというと、クライアントとの会話の糸口は、やはり「今日の日経読んだ?」で始まるからです。

コンサルタントが必ず読んでいるのが日経新聞なので、そのサポートをする立場である私も読んでおけば、やはり会話の糸口になります。

また、「今朝の日経でこんなこと書いてありましたが、この資料、昨日のままでも大丈夫ですか?」などと仕事にからめて会話ができれば、コンサルタントにも「何か違う」と一目置かれることになります。

ときには、朝のニュース次第では、資料を作り直さざるを得ないようなプロジェクトもありました。

「クライアントの事業方針に変更点があったから、きっと○○さんからこの資料が出されるだろう。だから、今日はきっと忙しくなるはず……。心配だからいつもよりもう少し早く出社しよう」そんな判断も、朝の時間で新聞をチェックしているからこそできるのです。

朝の時間で考えた〝つきすすむ〟「自分クレド」

「クレド」とは、ザ・リッツ・カールトンの全従業員に配られる、名刺大の小さなカードのことです(もともとはラテン語で、「信条」「信念」の意味)。

そこには、スタッフの行動の指針となる使命がまとめられています。具体的には、次の3つです。

  1. 「リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています」
  2. 「私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだそして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します」
  3. 「リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です」

(http://corporate.ritzcarlton.com/ja/About/GoldStandards.htmより)

ここには、具体的な行動指針ではなく、考える余地が広く与えられています。

ここから、ザ・リッツ・カールトンの従業員はそれぞれに工夫し、試行錯誤しながらサービスを行っているのです。

これを読んで、「私もクレドを作ろう!」と思いました。私らしい言葉、私を表す言葉。そして、基本方針を示せる言葉って何だろう……。

そう思ったとき、思いついたのは「つきすすむ」という言葉でした。

女子大を辞めて他の大学に入り直したり、ワタミから外資系コンサル会社に転職したり、会社にいながら料理教室をやったりと、いろいろなことに夢中になっているうちに、いつしか私は周りの人から「突き進んでるね!」と言われるようになったのです。

そこでできたクレドが、これです。

  1. つ…追求(いつでも好奇心を持って、よりよい仕事ができないか追求する)
  2. き…期待値超え(仕事を依頼してくれた相手の期待値を超えていく)
  3. す…スマイル(いつも笑顔で、ありがとうを忘れない)
  4. す…スピード(品質とスピードの最適バランスを図る)
  5. む…向こう側(相手の立場になって物事を考える)

「つきすすむ」をクレドにしよう、と思いついたのも、その中身を考えたのも、朝の時間。場所は会社近くのファミレスでした。

夜考えたクレドは、長ったらしくてこじつけっぽくてイマイチだったのですが、朝のスッキリした頭で考えた「つきすすむ」は、私のポリシーをよく反映していると自画自賛しています。

私は、この「自分クレド」をいつも心に置いて仕事に向かっています。

仕事で少しムッとすることがあっても、「あ、そうだ!私にはこのクレドがある!」と思えば、気持ちをリセットできます。

もちろん、クレドを意識しすぎて突っ走り、あまりに早く仕事を進めた結果、雑になってしまったり、力を抜けずに暴走して倒れそうになったこともあります。

期待値を少し超えればよかったところを思いきり超えてしまい、今度は超えた値が次のスタンダードになってしまって、それがプレッシャーになって自分でもつらい思いをしたこともあります。

そんなときは、夜、寝る前に見直して反省することをしていましたが、クレドどおりに物事がうまく運んだ日はいいのですが、もしうまくいかなかったときは、その反省点をベッドまで持っていくことになってしまいます。

すると、「反省」ではなく「後悔」が先にきて、なかなか寝付けなくなってしまうのです。そこで、そういった前日の反省も朝行います。

夜やると、落ち込んだり、ヤケ酒やグチに走りがちですが、朝だとその心配がないので安心ですし、ストレスも少ないので、お勧めです。

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