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4 朝4時起きで最適なワーク・ライフ・バランスを!

朝の時間を有効に使うことで仕事の段取りが上手になり、スキルもアップします。ところが、本当に仕事ができる人は、決して仕事のみに生きているわけではありません。

「仕事」と「遊び」を、まさしくバランスよくこなしているのです。

最近よく耳にするこの「ワーク・ライフ・バランス」を、本当の意味で理解するためにも「朝4時起き」は効果を発揮します。

目次

「24時間仕事バカ」より「遊びが仕事、仕事が遊び」を目指そう

仕事の自分とプライベートの自分を同じ土俵に上げる

「私はこんな仕事をするために生きてきたんじゃない」「いつか〝好き〟なことを仕事にできる日が来るはず。今の仕事はそのための腰掛けにすぎない」

「仕事はあくまでもお金を稼ぐための手段。私はプライベートのために生きている」こんな話を同僚や後輩からよく聞きました。

実際、私も同じように思っていた時期があります。

しかし、こういったグチが、今のダメな自分をありのままに直視できなくて、認めたくない人の言い訳にすぎないと気づいてから、仕事や人生が急にうまくいくようになりました。

考えてみてください。

仕事が仮に9時から17時、休憩1時間としても、一日24時間のうちの少なくとも7時間、つまり約30%の時間を仕事に費やしているわけです。

その30%を、ただ「早く終わらないかなー」と、気持ちも込めずに無為に過ごすのと、「よしっ、仕事で学んだことをプライベートにもつなげて、何でも楽しくしてやろう!」と思って過ごすのとでは、1年後、3年後、5年後に大きな差となって表れてきます。

この30%をただ流されるままに仕事をするのは、時間の無駄。いつまでたっても〝人生という車〟の運転席には座れません。

助手席に乗って、運転手についていくだけの人生なんてつまらないと思いませんか?人生の助手席から抜け出すためには、まずマインドを変えることです。

朝4時起きをして、自分の人生を自分でコントロールすることで、助手席に乗って運転手に自分の行先を任せている状態から、自分で自由に運転し、いつでもどこでも、好きなところに行く感覚をつかむことができます。

一見つまらないと思えるような仕事でも、自分らしさは出せるものです。例えばコピー取りひとつとっても、目的によって予備部数を何部にするかとか、そのコピーを読む相手が年配の人で、細かい字が見えにくいようなら少し拡大コピーするとか。

何か指示を受けたときに、その指示が何のためにされたのかを瞬時に察知できるか、その能力がコピー取りひとつにも問われます。

そういった細かい気遣いを繰り返すことによって、「○○さんなら、きっとこんな感じで仕事を仕上げてくれるはずだ」「○○さんに任せると安心」と、だんだん言われるようになってきます。こうなればしめたもの。

仕事をこちらのペースに引き込み、意見や提案をしやすい土壌を作ることも可能になります。そうなれば、仕事においても自分らしさを活かしながら、上手に効率よくこなして早く終わらせ、その分、朝や終業後にプライベートの時間を作り出すことも可能になるのです。

料理教室のシェフが、調理実習をしながらこんなことを言っていました。

「食材や調味料を入れたタイミングで味を必ず見てください。プロセスごとの味が良くないと、絶対に最後に美味しい料理にはなりません。例えば、最初の味付けは少々しょっぱいけど、まあ後でなんとかなる、ということは絶対にないんです。その都度修正していかないとだめなんです」これは、そのまま人生にもつながることです。

仕事、趣味、家族との団らん、健康……すべてがトータルで美味しくないと、人生は美味しくなりません。

途中でまずくなったのを後でごまかそうとしても間に合いません。まずくなったときにすぐに修復しないと、結局全部がまずくなってしまいます。

「仕事」も「プライベート」も同じです。どちらも美味しくないと、美味しい人生は送れないのです。

「ワーク・ライフ・バランス」の本当の意味を知ろう

最近よく話題になる「ワーク・ライフ・バランス(仕事とプライベートの調和)」という言葉が、まさにそのことを言い表しています。

ところが、言葉の響きから、仕事と趣味をどちらも同じペース配分でいくとか、仕事のペースを緩めて人生に余裕を持たせるとか、そんなイメージを持っていませんか?「仕事はそこそこにして、アフター5を充実させよう」「残業を無理にでもなくして、ちゃんと休もう」という意味で使われることも多い気がします。

でもそれは大いなる誤解です。

「ワーク・ライフ・バランス」の本当の意味は、「仕事と遊びを、どちらも同じ土俵に上げて、同じ視線で考える。それでこそ、仕事にも遊びにも創造力が発揮でき、人生が楽しくなる」ということです。

日本において「ワーク・ライフ・バランス」の概念を浸透させた立役者である小室淑恵さんも、『新しい人事戦略ワークライフバランス考え方と導入法』(日本能率協会マネジメントセンター)の中でこう書いています。

「仕事において、高い付加価値を提供し、成果を上げるためには、広い視野や人脈が必要である。そして、それらは仕事以外の場で身につくことが多い。つまり仕事以外の場を大切にすることによって、仕事も短時間で成果を上げることができるようになるのだ」

「ワークライフ〝バランス〟というよりは、ワークライフ〝ハーモニー〟という表現の方が筆者の考えには合っている」とても共感できます。

ワークの自分も、ライフの自分も同じ自分だから、どちらも大事にして、どちらでも成果を出す。ワークとライフの「バランスを取る」ことが大切なのです。

デキる人は、「仕事」も「趣味」もどちらも本気

私の周りにいる、イキイキと輝いている人の共通点は、「仕事」も「遊び」も一所懸命で、どちらも全力で楽しんでいるということ。人生を謳歌していて、とても楽しそうです。

小中学校時代にさかのぼってみると、いかにもガリ勉君で勉強しかしていないような子が、学年トップにいることが多かった気がします。

でも実際は、勉強だけやっているガリ勉君よりも、よく学びよく遊び、メリハリをつけて勉強している人のほうが最後は勝つのです。

私はそのことを、高校・大学時代に学びました。私の中学~高校時代からの親友に、上智大学に現役合格した人がいます。

私の出身高校は福島県内では進学校のひとつですが、そうはいっても東大には3年に一度、1人入る程度。

早慶上智レベルは現役合格2名というレベルです。そのなかでラクラクと、上智大学の花形学部である外国語学部英語学科に合格してしまいました。

彼女はいつも、休み時間は思いっきりバカなことをして、学校中を走り回って先生にいたずらするような、おてんばな子でした。

でも成績はつねに学年トップクラス。教室で勉強を始めると、他のことはすべて目に入らないぐらいに一心不乱に勉強します。先ほどまでのバカをやっていた姿は消え、キリッとするのです。

私は彼女の勉強スタイルを見て、頭がいい人は、勉強するときの集中力と遊んでいるときの集中力が同じ大きさなんだ、と悟りました。大学時代も、優秀な人ほど、よく学びよく遊んでいました。

普段はバスケばかりしていたり、山に登ってばかりいたり、ボランティア活動に精を出したりする人が、テスト前の猛勉強であっさりと「A」を取ったりするのです。

大学在籍当時は、「そんな人たちは頭がいいからうらやましい。

私はIQが低いから、そもそも無理」と思って卑屈になっていたのですが、そうではなくて、メリハリの利かせ方の違いだったのです。

外資系コンサル会社時代には、バンドを組んで音楽活動をしたり、劇団に所属して女優として舞台に立っていたり、ベリーダンスがプロ級でショーに出演していたり、カラーコーディネーターの資格を持って相手の似合う色を診断していたり、ウォーキングの先生として活躍していたりと、プロ顔負けで、それを商売にしても生活していけそうな人がたくさんいました。

私はその会社で、社内を元気にするためのイベントを開催するプロジェクトに1年間関わったことがありました。

そこで考えたのが、そうした「隠れたプロ」たちにいろいろ教えてもらおうという企画でした。

さまざまな才能を持った社員に一日講師になってもらい、各自の専門分野のことをいろいろ教えてもらう、社内カルチャースクールのようなものです。

私は当時から趣味で、週末にパンやチーズの教室を開いていました。ですから、私にとってもいい勉強になりました。

講師としてどうやって話せば、みんなが興味を持って聞いてくれるかを、講師を務めてくれたコンサルタントたちから学ぶことができました。

さらに、ワイン教室や中国語教室、カリグラフィー教室といったイベントを開催しながら、何か一つのことに秀でた人は、仕事も趣味も手を抜かない、と実感したものです。

彼らに共通していた大前提が、「文句なく仕事ができる」ということでした。どうしてだろう?と考えたとき、集中力が他人に比べて高いことに気づきました。

仕事が忙しくて趣味を楽しむ時間がないと嘆く前に、やりたいという情熱を、並外れた集中力に変えて早く仕事を終わらせるのです。

また、負けず嫌いの人もたくさんいました。

社員旅行のイベントで班対抗のオリエンテーリングや運動会をすると、みんな一丸となって全神経と体力を注いで取り組むので、骨折する人が出てしまうほどでした。

「勝つ」ことに異様な執着心を持つこの集団は、何をするにも、本気でぶつかっていくエネルギーを持っていました。

ダメな私との違いは「自信」と「発言力」

「仕事にも趣味にも全力で取り組める人たちと自分との違いは、いったい何なのだろう?」じつは外資系コンサル会社に転職し、契約社員から正社員になって仕事が増え始めた当初は、段取りが悪くコミュニケーションもうまくいかず、気がつけばずるずると残業という日々が続きました。

ワーク・ライフ・バランスをうまく取れない典型だった私は、しばらく悩んでいたのです。帰らなければならない予定があっても、コンサルタントからの依頼ではなかなか断れません。

クライアント優先の職場なので、先方のやむを得ない事情で残業するときは仕方がありません。

でも、ときには、本当にこの残業が必要なのか疑問に思うような依頼も断ることができずに、引き受けてしまうことがありました。

心がモヤモヤしたまま、「なんでこれを今やらなければいけないの?」という気持ちで仕事をすることもありました。

そのせいで友達との飲み会やランチをドタキャンすることも多く、友達が減った経験もあります。このようなことが続くと、好きな仕事もだんだん負担になってきてしまいます。

自分を犠牲にしてまで、どうして仕事をしなければならないのだろう……と、仕事に対して否定的になった時期もありました。

残業を「させられている」気持ちになっていたのです。そんなとき、とある先輩の姿が目にとまりました。

彼女は仕事がものすごくできて、コンサルタントとも対等に渡り合っているのですが、残業もほとんどせずにサッサと退社し、毎週月曜日は必ずベリーダンスの教室に通っているのです。私は、彼女の仕事ぶりを観察してみました。

彼女は、コンサルタントと本当に仲が良くて、思ったことを何でもポンポン話しています。

しかもそれが本質を突いた、パワーポイントのプロならではの視点ですから、コンサルタントも彼女の言うことを信頼して、とてもいい関係を築いているのです。

自分の能力を上げて発言力をつけることで、自分の主張を嫌みなく伝えることができていたのです。

自分の仕事力、判断力にプロとしての自信があるから、相手に対しても臆せずにものが言えるのです。そのとき、気づきました、私にどうして発言力がないかを。私は卑屈になっていたのです。

「私はサポートスタッフだから、コンサルタントと対等に渡り合えない」と、自分の成長の「のびしろ」を自分で狭めていたのです。

コンサルティング業界ではよく、「プロフィットセンター」「コストセンター」という言葉を使います。

プロフィットセンターとは、会社の利益を直接稼ぎ出す部署。一般企業でいうところの企画・営業のようなところです。

一方コストセンターとは、会社に直接的な利益をもたらさず、逆にコストを奪ってしまう部署です。一般に経理や総務などがこれに相当します。

したがって、いかにコストセンターのコストを最小化し、プロフィットセンターの利益を最大化するかという観点で戦略を練るのです。

つまり、「外資系コンサルティング会社」とひとくくりにされがちですが、前線に出るコンサルタント(=プロフィットセンター)と、私が在籍していた管理部門(=コストセンター)とでは、仕事内容も給与・待遇においても大きな違いがあります。

そんな現実があったからでしょう。私は「自分の仕事はどうせコストセンターだ」と卑屈になってしまっていたのです。私はこの考えを改めることにしました。

コストセンターだと思われている部署だけれども、自分はプロフィットセンターの誇りを持って仕事をしよう、と思ったのです。

経営戦略策定の力や論理的思考能力はコンサルタントに及ばないかもしれないけれど、少なくとも図解やパワーポイントにおいては、コンサルタントよりも圧倒的な知識や知恵がある。

だから、いたずらに卑屈になる必要はない。そう決意したのです。卑屈になっている原因は、自信のなさからきていました。クヨクヨするのはもともとの性格だから仕方がない。でも、今までの経験から、早起きすればクヨクヨを追放できる。

そう理解していた私は、朝のパワー全開な状態で「自信」をつけて、その結果として「発言力」をつければいいのだ、と思ったのです。

ワタミ時代から再開した早起き習慣は、私の中に「朝4時起き=前向きモード」と、脳内プログラミングしてくれていたのです。

自信をつけるために、今の仕事を徹底的にやろう!そこで自信をつけて発言力がつけば、自然と自分の自由な時間も増えるはずだ!と意を決し、朝の時間を自分の投資の時間と位置づけ、考える時間を作ることにしました。

第2章でも述べた、始業前の30分を会社時間に使うことの他、趣味の「食」の勉強をときにはさしおいて、パワーポイントのスキルアップの本や自分の会社の上司が書いている本、出ている雑誌、そこで語られている仕事のこだわりを徹底的に読み込み、自分に求められる動き方は何かを考えました。

その他、相変わらずコミュニケーションスキルに自信がなかったので、コミュニケーション関連のビジネス書や、部下を育てる方法、上司とうまくいくための方法を説いた本を読んだりもしました。

外資系コンサルなのにロジカルシンキングにもまだ自信がなかったので、ロジカルシンキング、戦略思考とはどういうものかなどの本もよく読みました。

そして、それらの知識を自分の具体的行動に落とし込んで、朝からのビジネスの場で徹底的に試してみたのです。

そのおかげで、いつしか自分も、前述の先輩のように、コンサルタントに対して自分の考えも主張できるようになっていきました。

その結果、仕事でも評価され、趣味の技術もプロ級にまで高めることができたのです。

さらに、朝4時起きで趣味も仕事もあきらめない生き方ができるようになるにつれ、「安心感」「余裕」という副産物もついてきました。

例えば仕事がうまくいかずに落ち込むことがあっても、「私には趣味がある」と心をニュートラルに保てます。

反対に趣味がうまくいかなくても、「私は仕事でちゃんと結果を出している」と自信を取り戻すことができます。

つまり、心のバランスを、趣味と仕事でうまく保つことができたのです。

仕事を遊びに変えるための、ちょっとしたコツ

「やらない?」と聞かれたら、「やります!」と返す大風呂敷戦略

私の好きな言葉に「Fakeittillyoumakeit」というフレーズがあります。「できるようになるまでは、できるふりをしろ」という意味です。

これはけっして、ハッタリをかませろ、という意味ではありません。

「余裕のあるふりをして、必死でその余裕な自分に追いつけ」という意味です。自分で自分に限界を設けて、「自分はこんなもんだ」と思っている人はけっこう多いと思います。

外資系コンサル会社にいたときも、「自分はパワーポイントしか使えないから、それ以外に取り柄がない」「転職するにしても、こんな部署はコンサル以外にないから、選択肢が極端に少ない」と話す友人や先輩もいました。

私から見れば、コンサルタントとの交渉力、パワーポイントの精度・テクニック、人格、思いやり、どこを取っても申し分のない人でもそうなのです。

いつも、「なんてもったいないんだろう!」と思っていました。

私は、身のほど知らずを承知のうえで「Fakeittillyoumakeit」を合言葉に、いつも大風呂敷を広げます。

そして、大風呂敷を広げた自分になるべく、未来の自分を必死で追いかけます。朝4時起きをしているからこそ、それが可能なのです。

先ほどの「社内を元気にするためのプロジェクト」ですが、これは、上司に「やってみない?」と声をかけられたことから始まりました。

このプロジェクトは業務時間外のミーティングがあったり、役員たちとの交渉があったりと、けっこう面倒なものです。

たぶん「やらない?」と声をかけられなかったら、進んでやろうとは思わなかったでしょう。

でも、せっかく声をかけてもらったのだから、何かがあると思って「やります!」と答えました。

しかも、どうせやるのだから、自分の趣味にも役立って仕事にも役立つような企画にしたい。何かないだろうか?と考え、思いついたのが「社内カルチャースクール企画」でした。

このイベントで、一見面倒に思えるような仕事でも、自分の楽しみと結びつけてしまうことで、最終的には自分のためになるということを学びました。

この経験のおかげで私は、誘われたことにピンときたら、とりあえずその話に乗ってみることにしています。

やらないで後悔するよりは、やって後悔したほうが断然いい、たとえそこで失敗しても今後の学びになると思うからです。

朝4時起きの習慣から、「準備できる時間は十分にある」という自信もあるので、何とか頑張ればギリギリできそうなものは、将来の自分に「できる」と約束してしまえるのです。

私がパン教室を開催することになったきっかけも、「できます!」宣言からスタートしています。私は大学時代から料理教室を開くのが夢でした。

外資系コンサル会社の契約社員時代に通ったパン教室でパン作りにはまり、そのパン教室の師範科を卒業しました。

したがってその教室のノウハウを伝えることを許されてはいましたが、先生として教える経験は皆無です。

でもいつかは教えたい、と思い、SNSのプロフィール部分に「パン教室の師範を持っています」とひと言書いておいたのです。

それを見たある教室の主催者が私にコンタクトを取ってきてくれて、それがきっかけで講師の夢がかないました。

ところが、教室を開きたいと思っているくせに、私は人前で話すのが大の苦手。オファーがあったときは少し尻込みしました。

「私に、講師なんて務まるんだろうか……」と。

でも、せっかく「やりませんか?」と言われたこのチャンス、「逃したくない!できないなら、当日までにできるようになればいいだけだ!」と思い、受けることにしたのです。

この話を受けたおかげで、講師としての話術の他に、

  • 参加者からの質問に応えられるよう、勉強して努力する気概。
  • 参加者に喜んでもらえるような面白いレシピを考える想像力。
  • 教室を開催するための具体的なノウハウ。

など、たくさんの学びがあり、その経験が今の自宅での教室開催に生きています。チーズ教室講師についても、同様の経緯がありました。

チーズ講師デビューは、チーズプロフェッショナル協会主催の大がかりな会で、参加者も30~50人はいます。

パン教室のおかげで少しは話すのに慣れていましたが、パン教室の生徒は多くても8人程度。

ところが、チーズプロフェッショナル協会が主催する会合の参加者はその何倍もの人数で、しかもチーズの知識が深い人たちばかり。

中には、すでに自分でチーズ教室を主催しているプロの人もいます。そんな人たちを前に講義をするのは、当時の私には無謀ともいえること。まさに身のほど知らずでした。

でも、「やります!」と大風呂敷を広げたことが、朝早く起きて勉強するモチベーションにもなり、何とか講師を務め上げることができました。

「できます」「やれます」には、もちろん結果責任が伴います。無責任なことを言ってしまうと、信用を失うリスクもあります。

しかし、「締め切り宣言」と同じで、一度宣言してしまうと、その宣言に見合う自分になれるよう、なんとか努力するのです。

どうすれば、期待された自分になれるのかを、必死で工夫するようになります。

自分の幅を広げるために、食卓を大事にする

朝4時起きして朝の時間を有効に使うと、段取り力が高まるので仕事を早く終わらせることができます。そしてその分、自分の趣味に十分時間を費やすことができます。

もちろん、趣味の学校に通ったり勉強したりというのも大変いいことですが、たまには飲み会に出席したり、家族とゆっくり食事をしたりすることにその時間を使いましょう。

食事や飲み会の時間が、趣味の時間や幅をさらに広げるきっかけになることもあるからです。

私は2005年に、日本記念日協会に5月9日を「ゴクゴクの日」として記念日に認定してもらいました。

これは、「初夏の日差しが気持ちよくなる5月9日に、家や屋外でビールをゴクゴク飲んで爽快感を味わう」「水資源に恵まれない地域の人々も、水をゴクゴク飲めるような水環境を考える」ことを目的に制定されました。

「酒好きでビールをゴクゴク飲む人が、どうして水環境?」と、よく聞かれます。じつは美味しいビールには大量の水が必要です。私たちがビールをゴクゴクできるのも、水環境が整備されているからこそなのです。

一方、世界には、きれいな水すら満足に飲めない環境にいる人たちが今もたくさんいます。

そんな人たちに、飲んべえの私たちが少しでも貢献できることはないだろうか、と思ったのがきっかけです。

毎年5月9日にはオフ会を開催し、その収益をNGO団体を通じて、水環境に恵まれないスーダンやアフガニスタンへささやかながら寄付をしています。

この記念日を通じて、さまざまな出会いと成長の機会もいただきました。

最初のオフ会に参加してくれた人の中に、たまたま日本酒関連のイベント会社の社長さんがいて、話が弾んだことがきっかけで、翌年にはその会社が「ゴクゴクの日」に協賛してくれたのです。

イベントについてはまったくの素人だった私ですが、それがきっかけで、次のような私一人では思いつかないお客様寄りの視点や、イベントを開催するにあたってのポイントを学ぶことができました。

・お客様はただ飲むだけに集まるのでは満足されないので、何か催し物が必要。

・せっかく「ゴクゴク」なんだから、会費(5959円)や開催時間(5時9分)など、あらゆるもので「ゴクゴク」にこだわる。

・主宰者が「池田千恵」個人だと、知らない人は不安に感じるから、きちんとした会社に協力してもらったり、「実行委員会」を作ったりするといい。

また、私は食べ歩きも趣味なので、日々、美味しい店の情報を探していますが、気に入ったお店には何度も通い、「粋な常連客」になることを目指しています。

私が考える「粋な常連客」の条件は次の4つです。

  1. 1.お店の人に感謝し、それを言葉にして伝える。
  2. 2.常連ヅラしない。
  3. 3.混んでいたり、お店が忙しかったりするときは長居しない。
  4. 4.お店に親しい友人を連れていき、そのお店のファンを増やす。

この4つを守っていると、自然とお店の人と仲良くなれて、それをきっかけに食材の生産者に会えたり、さまざまな職業の人と知り合いになれたり、仕事の上でコラボレートできたりして、自分の幅をどんどん広げることができます。

趣味と仕事の境目がシームレスになってくると、周囲の出来事がなんでも楽しく見えてきます。そして、どんな出来事からもビジネスのヒントが見えてくるようになるのです。

仕事でのふとした会話で、趣味のタネをまいておく

朝4時起きで仕事と趣味の境目がなくなってきたら、せっかくですからそのことを会社でもアピールしない手はありません。

外資系コンサル会社には、イントラネットで社員が自分のプロフィールを記入できるページがありました。

このイントラネットは肩肘張らずに気軽に書き込めるものだったので、私のプロフィールとして「前職はワタミです」「お酒が私の元気のモトです」「日本酒、ワイン、チーズなどの資格を持っています」などと書き込んでいました。

私にコンタクトを取ろうとするコンサルタントはまず、私の顔を確認するためにイントラネットを開きます。

私は仕事場では控えめでおとなしいタイプだったので、普段はあまり目立たなかったのですが、プロフィールとのギャップのせいか、はじめて顔を合わせる際に珍しがられ、「酒」が縁でいろいろな話ができるようになりました。

コンサルタントはクライアントとの会食が多いせいか、ワインに詳しくなりたい人やワイン好きな人が多いのです。

私がお酒についてはどうやら普通の人より詳しいようだ、という噂が社内でも広がっていたため、プロジェクト終了時のディナーに参加するときに、お酒の美味しい店を尋ねられる頻度が増えました。

このことによって、自分が行ってみたいと思っていたお店の開拓と、ディナーを楽しめる両面作戦が可能になりました。

おかげで、会社の人ともコミュニケーションが取れ、自分のお酒や料理の知識も増やすことができたのです。

役員の秘書から電話がかかってくることもありました。

「○○さんの昇進祝いにワインを贈ろうと思うんですが、どんなワインがいいでしょうか?」こういった問い合わせがあると、自分でもワインの勉強をさらに進めようといういいプレッシャーになりますし、適切なワインを選ぶことができれば、自分の株も上がります。

また、週末に開催しているパン教室のこともさりげなく話しておいたり、折に触れて手作りパンを持参して食べてもらったりすることで、直接パン教室に来てくれる人も増えました。

ちなみに先ほどの「ゴクゴクの日」のプロモーションは、会社の飲み会でお酒好きの役員の隣にたまたま座ったときに話をして、その場でコンサルティングしてもらうことができました。

「ゴクゴクの日」というコンセプトは決まっていて、将来は「土用の丑の日=うなぎ」のレベルにまで「ゴクゴクの日=ビール」の認知度を上げたい。

水環境にも貢献したい。でも、どこから始めたらいいかわからない。どうしたらいいだろう……と、軽い気持ちで相談してみたのです。

すると、「いきなり個人がプレスリリースなどを作ってメディアにアプローチするのではなくて、個人が大きな目標を持って活動している、というのが口コミで広まって、結果的にメディアが認知するようなアプローチがいい」とのアドバイスをもらいました。

そのアドバイスにしたがって、まず「ゴクゴクの日」の公式ブログを開設しました。

それが口コミとなって広まり、結果的にビール会社の公式サイトからインタビューのオファーをいただくこともできました。

趣味のタネをまいておいたおかげで、「勝手な自分プロジェクト」であるゴクゴクの日を、戦略コンサルタントの中でも選り抜きのトップにコンサルティングしてもらう機会を得たわけです。

独立してからも、異業種交流会やセミナーで飲食の話をさりげなくしたおかげで、たまたま出会ったカフェのオーナーから「うちのカフェでチーズ教室をしませんか?」というオファーをいただいたり、チョコレート輸入商社の社長から「ワインとチョコのセミナーを開けませんか?」と聞かれたりすることもあります。

まさしく「ネタふり」の効用ですね。

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