「朝1時間」ですべてが変わるモーニングルーティン池田千恵日本実業出版社
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はじめに朝の優先順位づけが人生を制す──朝、いちばん大切なことから始めようこの本は、次のような悩みを持つ方のために書きました。①【時間が足りない悩み】早起きがうまくいかない、続かない、早起きしているのになかなか成果を出せない早起きしても、やりたいことが段取りどおりに進まないしたいことがあるのに仕事が忙しく、自分のための時間がなかなか取れない残業を少なくして、時間内で目標達成し、作業を終わらせたい仕事の拘束時間が長く、今後の明るい未来があまり感じられない②【キャリア、将来に対する悩み】ひたすら目の前の仕事を頑張ってきたが、専門性も身につかず、心から楽しいと思える仕事でもない気がして今後どうしたらいいか分からないあれもやりたい、これもやりたいと、いままでの仕事やキャリアの延長にないことでも、多方面に手を出してしまう年数を重ねるごとに任される仕事も増え、仕事のために生きているような状態をどうにかしたいおはようございます!朝イチ業務改革コンサルタントの池田千恵と申します。現在、企業に向けては社員の働き方改革や仕事の業務改善についてコンサルティングや研修・講演で指導しているほか、個人に向けては出世・転職・副業・起業・定年後の暮らし方など、今後の方向性で迷っている状態(モヤキャリ)から抜け出すためのコミュニティ「朝キャリ」を運営し、早起きで人生を変えたい人の相談に乗ったり、キャリアの方向性を見つけたりする手助けをしています。私は早起き生活を26年続け、「朝活」研究を11年重ねてきました。その中で「時間が足りない」という悩みと「キャリア、将来が見えない」という悩みは、朝時間、もっといえば1日の始まりの1時間の使い方だけで解決できると知りました。しかし、多くの方は「早起き」が苦手で、朝1時間の準備ができません。そこで本書では①どうすれば早起きができるようになるか、②早起きしてできた時間で何をすればいいかについて具体的手法を紹介いたします。その前に、なぜ私が「早起き」のよさを伝える活動をしているかについて簡単に説明させてください。振り返るといつも、私の転機には早起きがありました。コンプレックスにまみれ、自分と向き合うことなしに周囲の環境を責め、自意識をこじらせ、「ばかにされた!」と理不尽な怒りをくすぶらせていた自分を、早起きが変えてくれました。もともと私は夜型でしたが、大学受験を二度も失敗した19歳から早起きチャレンジを始めました。いままでのやり方の延長線上には未来がない!と感じたからです。ダラダラと勉強するのをやめ、朝、スッキリした頭で勉強するようにしたところ、集中力も上がり気分も爽快になり、成績が上がり、慶應義塾大学総合政策学部に合格しました。これが早起きの最初の成功体験です。そうして入った志望校。これからすべてがうまくいくかと思いましたが違いました。ぎりぎりでの滑り込み入学だったため、一生懸命勉強しても単位を落としたり、成績がふるわなかったりとパッとしませんでした。これといった趣味もない私に比べ、周囲の人たちは頭がよくスマートで、充実した日々を過ごしており、とても輝いて見えました。なぜ私は彼らのようになれないのか……。悶々としたまま時間だけが過ぎ、クヨクヨと惰眠をむさぼる日々に戻ってしまいました。やがて就職活動の時期を迎えましたが、そんな状況でうまくいくわけもなく、30社から落選通知をもらい、唯一拾ってくれた外食ベンチャー企業に就職しました。しかし、仕事ができずに伸び悩み、20代で窓際社員になってしまいました。そこで大学受験の成功体験をやっと思い出し、気持ちを奮い立たせて再度早起きチャレンジ。仕事でも徐々に評価されるようになり、外資系戦略コンサルティング会社に契約社員として転職を果たすことができました。その後も早起きを続け仕事のスキルアップに励み、契約社員から正社員に昇格。早起きで趣味の資格取得を実現。会社の許可を得て週末起業も果たしました。これらの経験を2009年に『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)として出版。その後、ムック、文庫も出版し、累計で12万部を超え、「朝活の第一人者」と呼ばれるようになりました。2010年には朝専用手帳『朝活手帳』をプロデュース、10年を越えて愛される手帳になっています。書籍や手帳が広がるにつれ、多くの方が「朝活」を知り、活動してくださるようになりました。大変ありがたいことですが、一方で「朝4時起き」という言葉自体が一人歩きしている気がします。早起きは何時に起きるのかが大切なのではありません。必要な睡眠時間を削ってまで「朝4時起き」を実現すべきではありません。朝の集中できる時間で、自分にとって本当に重要なことに取りかかることが大切なのであって、起きる時間にこだわる必要はないのです。では、集中できる時間で取りかかるべき本当に重要なことは何か。それは、本書のタイトルでもある「朝1時間」の「モーニングルーティン」を作り、実践することです。具体的には、前半30分で1日のタスク分けをし、後半30分で未来の理想に向けた活動をすることです。この本は、『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』を上梓してから11年以上朝活を推奨し、多くの方を指導してきて分かった、朝活において一番大切な「優先順位のつけ方」について紹介した、いわば「朝活の決定版」です。本書で紹介するタスク管理をあなたの「モーニングルーティン」にすれば、冒頭に述べた悩みは解決できます。本書は3つのセクションとプラスαのコンテンツで構成されています。セクション1では、早起きしたいのにできない理由と、どうすれば早起きできるようになるかを解明します。
セクション2では、1時間のうち、前半30分で1日のタスクを段取る具体的な手順を解説します。セクション3では、1時間のうち、後半30分で未来の理想に向けた活動、つまり「種まき」を進める具体的手順を解説します。プラスαとして巻末に、「朝1時間」を捻出するための「朝活のSTARTUP」マニュアルを紹介します。早起きが成功したりしなかったりと安定しない場合は、このマニュアルを読むことで生活時間を「朝1時間」前倒しできるようになります。モーニングルーティンとは何か?「モーニングルーティン」とは、毎朝の決まった行動習慣のことです。一般的に「ルーティン」は慣れ親しんだパターンなので変えないものと思われがちですが、本書では自分のなりたい未来を見据えて「モーニングルーティン」を戦略的に変えていくことを提案します。「千里の道も一歩から」のことわざ通り、日々の小さな行動の積み重ねがその人を形作っています。いままでとは違う結果を得たいなら、毎日のちょっとした行動を理想に近づけていけばいいのです。早起きの最大のメリットは、人生において一番重要な、自分が「こうなりたい!」と願う未来のための「種まき」の時間を作ることができる点です。習慣が変われば人生は確実に変わります。実際私も節目節目で「こうなりたい!」と思ったとき、朝の時間で次のことをモーニングルーティン化した結果、願った通りの人生を実現できています。受験生のときの「こうなりたい!」は、もちろん「大学合格」でした。「いままでの延長線上には未来はない!」と愕然とし、夜中までのダラダラ勉強や、予備校の人気講師の授業を取れるだけ取りまくる、といった「増やす」勉強から、メリハリをもって厳選して「絞る」勉強に変え、一点集中することを「モーニングルーティン」とし、受験をクリアすることができました。新卒で入った外食企業では、会議に出たいのに出させてもらえなかった悔しさ、一番即戦力が必要な日に「休んでいいよ」と言われ、戦力外通告を受けたやるせなさから、「私は本当に仕事ができないんだ」と思い知りました。そうした体験をバネにした当時の私の「こうなりたい!」は「社内での出世や高評価」でした。モーニングルーティンとして仕事の振り返りをしたり、行動計画を練ったり、仕事ができる人を徹底的に観察したり、ビジネススキル向上のための本を読んだりしました。その結果、徐々に会社でも評価されるようになりました。転職先の外資系戦略コンサルティング会社では、時給1000円台の契約社員からのスタートでした。当時の「こうなりたい!」は「正社員になること」でした。配属された部署は資料作成の専門部署で、限られた時間でコンサルタントと適切なコミュニケーションを取り、交渉しながら求められる資料を間違いなく作成する仕事でした。そこで「モーニングルーティン」としてコミュニケーションのタイミングや交渉術、段取りよく資料を作る方法をふりかえり、改善する機会を作りました。その結果、1年で正社員になることができました。会社員生活が軌道に乗ってきた頃は「趣味の飲食を極めたい!」と思い立ち、飲食にまつわる資格勉強を「モーニングルーティン」として複数資格を取得しました。会社の許可を得て週末だけパン教室の講師を始め、仕事と趣味を両立していました。独立時は「早起きの良さを多くの人に伝えたい!」と思い、執筆や発信を「モーニングルーティン」化しました。その結果、朝専用手帳の『朝活手帳』を10年プロデュース、「朝1時間」の業務改革コンサルティング、朝活コミュニティ「朝キャリ」主宰が実現しました。節目節目で「こうなりたい!」に適切な優先順位をつけ、モーニングルーティンとすることができれば、あなたのやりたいことはすべて実現できます。朝一番に決めたタスクをやり遂げることで、自分との約束を守り、大切なことに時間を使うことができた充実感・自己肯定感も得られます。リモートワーク、フレックス通勤の急速な浸透で分かったことは、私たちはいままで「出社して何時までに何をする」「決められたルールを疑わずにそのまま守る」といった「強制力」に助けられ、なんとか目標を達成できていた事実です。しかし今後出社という強制力がなくなったり、強制される仕事がなくなったりしたとき、自分の頭で考えて将来を見据え、「こうなりたい!」に合わせてしっかりと律する仕組み作りが必要になってきます。つまり、毎日の「モーニングルーティン」を理想の状態に整えることが、先が見えない時代に最も確実に自分を変える方法なのです。いまこそ理想の状態に近づけるステップを「モーニングルーティン」として習慣化していきましょう。老後の夢は「朝1時間」でいますぐ実現させる先日キャリアについての相談を受けていたとき、まだ30代前半の方の言葉に衝撃を受けました。「老後の夢は小さいセレクトショップを開くことなんです」照れや謙遜もあっての言葉かもしれませんが、それでも「老後」にはまだ早すぎます。「老後の夢」に違和感を感じたのは、次の気持ちが見え隠れしたからです。・老後にならないと夢は叶わないというあきらめ・いまやりたい夢なのに、いますぐ始めようとしない先送り・老後くらい時間がたてば、きっとなんとかなっているだろうという思考停止・いまの自分ではとうてい何も実現できないという自己否定「もうちょっと、ちゃんとしてから始めよう」と思っているうちは、「ちゃんと」した状況は一生来ません。いまが「ダメ」だという前提で毎日を送るクセは、これを機会にいますぐやめませんか?冒頭で述べたように、私も人と比べて落ち込むタイプだったので気持ちはよく分かるのですが、多くの人がいまの自分の宝物をないがしろにしています。自分にないことばかり数え、自分にないものを得ようと貴重な時間を費やしているのはもったいないことです。ダメな自分を悔やんでいても始まりません。
前に進むためにできることが必ずあるはずです。「朝1時間」でその一歩を進めていけばいいだけの話です。ここで、私をいつも励ましてくれる言葉を紹介します。アメリカの事業家、ベン・ホロウィッツが『HARDTHINGS』(日経BP)で書いている言葉です。「自分の独特の性格を愛せ。生い立ちを愛せ。直感を愛せ。成功の鍵はそこにしかない」結局人は、自分の「あること」を数え、「あること」で戦うしかありません。いまの自分の中で「勝てる」ところを探してみませんか?未来は過去の延長線上にあるとは限りません。実際、私が「朝活」で実現したように、どんなに過去が絶望的に思えても大逆転は起こり得ます。いまの自分では想像できないほどの素敵な未来だって手に入れることはできます。でも、それは「老後はこうしたい、でもいまはガマンする」と思っているうちには決して得られないのです。夢をいますぐ実現するための武器=モーニングルーティンに必要な時間はたったの「朝1時間」。「朝1時間」のルーティンで「いますべきこと」に集中し、優先順位をつけ、決めたことをしっかりと終わらせることができれば、不安感からでなく充足感から前に進めるようになります。「朝1時間」のタスク管理に仮に1日失敗しても、1年で考えれば365日中のたった1日です。日々小さなチャレンジと改善を繰り返すためにも毎日優先順位をつけ、タスクを粛々と処理し、どこまでできたか、タスクの立て方は適切だったかなどを振り返る習慣を作っていきましょう。「朝1時間」で、大切なことから取りかかれるようになったとき、あなたの人生は劇的に変わり始めます。
Contentsはじめに朝の優先順位づけが「人生」を制す──朝、いちばん大切なことから始めようSection1いままでの「早起き」がうまくいかなかった理由「優先順位づけ」が「早起き」のキモ「朝1時間」のモーニングルーティンで優先順位を明確にする「朝1時間」で集中力と達成感を手に入れる「朝1時間」で未来の自分に種をまく優先順位は「時間」×「リスク許容度」+「人間関係」で分類できるタスクリストに「ひと手間」で優先順位を「見える化」する仕分けがすめば朝9時以降は余力でラクラク
Section2「前半30分」で1日のタスクを段取る──パフォーマンスを高める「最強リスト」の作り方「前半30分」でタスクを「仮決め」する慣れないうちはネット断ちをする専用ノート・ペンを用意する「前半30分」を最大化する仕分けの3ステップ1.今日のタスクを頭の外に出し切る2.4色に色分けし「種まき」を見極める3.「種まき」を仕分けし、取りかかれる状態にするひとつの「種まき」につき、1枚の紙を用意する細かくすべき粒の見分け方毎週・毎月の「タスクの棚卸し」でやり残しを防止する3~6ヶ月に一度夢への解像度を上げ下げする
Section3「後半30分」で夢への「種まき」を進める
こんなとき、どうする?──将来を見越した「種まき」の仕分け方コントロールできる悩みに注力し「モヤキャリ」を打破「コンプレックス」と「できること」に強みが隠されている希望的観測のタスク化には5W2Hを使う朝読書を「種まき時間」にする方法仕事の「ひとりダメダシ」で客観的になれる仕事と人生に優先順位をつけるには仕事に「種まき」がないと悩んだら「刈り取り」のマニュアル化も「種まき」になる「好きを仕事に」するための朝活イベントの作り方「自分テストマーケティング」を始めよう「おせっかい」を「種まき」にする方法
経験は商品として加工する本当の「働き方改革」はルールを疑うところから
Pluscontents忙しくても「朝1時間」を作る「STARTUP」の法則
早起きの心がまえ環境を整える「STARTUP」の法則「Sleep(寝る)」:最適な睡眠時間を確保する「TARget(定める)」:志向別に種まきを設定する「Time(時間)」:朝の用事を自動化する「backUP(バックアップ)」:バックアッププランを立てるネクストステップ1理想の時間割をデザインしようネクストステップ2現状の時間の使い方を調べよう困ったときはコレ!早起きの小技5選おわりに「朝1時間」で、仕事もプライベートも思いのままの人生を!読者特典朝活無料メール動画講座朝活コミュニティ「朝キャリ」表紙デザイン白畠かおり
「優先順位づけ」が「早起き」のキモ10年以上早起きを指導してきて、早起きがうまくいかない人、続かない人、早起きしているのになかなか成果を出せない人には共通の傾向があることに気づきました。それは「①優先順位のつけ方がわからない」「②優先順位づけが間違っている」「③途中で目的を見失いがち」ということです。あなたも心あたりはありませんか?①【優先順位のつけ方がわからない】やったほうがいいと思うタスクをたくさん詰め込んで結局やり遂げられないいまの自分に必要なのは睡眠や休息だ、という判断ができない社会的意義がある(と思う)プロジェクトを推進し、頑張っているのに評価されない②【優先順位づけが間違っている】いつも上司に「あの件どうなってる?」と催促をされてしまう。丁寧な仕事を心がけて頑張っているつもりでも、上司からは「仕事が遅い」と低評価に3日で3キロのような無謀なダイエットや暴飲暴食を繰り返し、結局やせられない結婚し、子どもが欲しい気持ちはお互いにあり、出産のタイムリミットも近づいているが、いまは仕事が踏ん張り時だから深く考えていない世界で活躍する人材になりたい!と思い、英語の勉強を始めたものの、肝心の活躍する人材になる能力を磨くのを怠り、いつまでたっても世界で活躍できない③【途中で目的を見失いがち】半年ごとに手本にしたいロールモデルが代わり、何年もロールモデル探しをしている「人生100年時代」なので会社員生活の次を見据えて行動をしたいと社会人大学院に行ったものの、学ぶばかりで結局行動できない副業解禁の流れで副業を始めてはみたものの、本業とのシナジー効果がなく単なる時間の切り売り労働を選んでしまい「ひとりブラック企業」状態にここで挙げた例にひとつでも該当していたら、あなたは「モヤキャリ」状態になっている可能性があります。私の経験によると、「モヤキャリ」状態に陥ると生き方・キャリアの方向性がぶれるため、自分のすべきこと・したいことではなく、時系列順、思いついた順、言われた順、期待に応える順に物事を進めようとしてしまいます。その結果、優先順位もぶれ、動くタイミングを逃したり、いまする必要がないことに時間を費やしたりしてしまいます。そんな「モヤキャリ」状態から脱するための方法として私がおすすめするのは、朝、自分にとって一番重要なことをタスク化する「モーニングルーティン」です。なぜなら、早起きは次の3つを実現し、「優先順位をつける」訓練になるからです。1.いままでの生活習慣を見直し2.睡眠時間をきっちり確保し3.朝の時間で大事なことに集中するムリ・ムダ・ムラを削り、集中すべきことにエネルギーを注力できれば、睡眠時間も十分確保できます。時間が足りない、いつも忙しい……という状態は、早起きを習慣化するだけでサヨナラできます。情報が多すぎるのが問題なぜ手段と目的がすり替わってしまったり、優先順位づけに迷ったりする人が増えているのでしょうか。私は「情報が多すぎる」ことが一因だと考えています。IDC「ADigitalUniverseDacade.AreYouReady?」というレポートによると、2000年から2020年の20年間で、人々が接する情報量は6450倍に膨れあがっているそうです。情報過多に陥ると、人は選択肢が多すぎて迷います。たとえばダイエットひとつとっても、いろいろな説があります。炭水化物はダメという人もいれば、炭水化物は日本の伝統的食事バランスに必要だから必ず摂るべきという人もいます。さまざまな視点の正義があり、人数分だけのものの見方があるため、「さて、自分はどれを参考にすればいいのだろう?」と迷う人が増えているのです。それ、いま出る必要がある電話ですか?優先順位づけの甘さは、仕事上の電話ひとつにも現れます。たとえば、「いま取らなくてもいい電話を無視できない」、「いますぐ返事しなくても問題はないメールに返信しないと気が済まない」といった状況です。もちろん、そのタイミングで対応が必要な場合もあるので、全部のメールや電話を無視しろという話ではありません。しかし、時系列で仕事をすすめていれば、当然時間が足りなくなります。何か依頼されたら「はい!喜んで!」とつい受けてしまうクセがある人がこの状態にはまりやすいです。人に頼られるのがうれしい、相手の役に立ちたいという思いはすばらしいですが、人からの依頼に一生懸命になって自分の本来したいこと、すべきことをする時間がどんどん減ってはいませんか?
時間は命と同じように大切なものです。相手のために時間を使って、あまった時間を自分に充てる、という生き方をするのは、自分の寿命を縮めているのと同じといっても過言ではありません。他人に自分の人生の主導権を握られて右往左往する生活からサヨナラし、自らの意思で人生を選択する訓練をするためにも早起きは最適な方法です。早起きが苦手でも「始業前1時間」は変えられる・ロングスリーパーなので、どうしても8時間は寝ないと頭が働かない。22時に就寝しても起きるのは6時・早起きはしていても、子どもを送り出す準備であっという間に時間が過ぎてしまい、自分の時間は取れない・夜勤がある仕事で起床時間が安定しないこのような悩みをお持ちの方でも大丈夫です。「何時に起きるか」「起きる時間の早さ」は大した問題ではなく、「始業前」に「1時間」集中できる時間を作ることができればOKだからです。夜勤で16時から仕事がスタートなら、15時~16時の間の、仕事が本格的に始まる前に本書で紹介する方法をやってみても問題ありません。実際私も現在、4歳になる息子を育てながらこの方法を実践しています。息子は生まれながらにして早起きで、朝4~5時、遅くても6時には起きてくるので朝の時間はいまのところ、ほぼ子育てに費やすことになります。その場合は保育園に預けた後、朝8~9時の間を「モーニングルーティン」に充てています。これで十分機能します。通勤に1時間かかり、朝の自由時間はそこしかない、という場合は、通勤時間を活用してもOKです。満員電車の中でもメールやメモアプリで、車通勤なら音声入力で、本書で紹介するタスク分けをすれば問題ありません。時間は貯金にも似ています。「余ったら貯めよう」と考えてお金を貯めるのは、よほどの意志の強さがない限り難しいもの。「時間ができたらやろう」では結局忙しさに流されてしまいます。貯蓄が増えれば心理的に安心感が得られるように、「朝1時間」の貯金ができると心にも余裕が生まれます。先が見えない不安にまみれ、なかなかチャレンジできないことにも取り組もうと思えるようになります。慌ただしく過ぎる毎日のなか、ひとり静かに自分と向き合う時間を確保してみましょう。それだけで、焦るのに何もできなくて空回りする自分から少しずつ解放されます。
「朝1時間」のモーニングルーティンで優先順位を明確にする「優先順位をつけよう」とはよく聞く言葉ですが、これほど曖昧な言葉はありません。なぜなら、「優先順位」は、状況により日々刻々と変わってくるからです。「差し迫ったことをこなす」ことが優先度大になる場合もあれば、「いますぐでないけれど、いまのうちにやっておかないとあとで大変なことになる」ことが優先度大になる場合もあります。慌ただしい毎日を送り続けていると、差し迫ったことの処理が最も大切なことだと勘違いしてしまいます。しかし、実は時間を有効に活用できるかどうかは、「優先度大」事項(=緊急でないけれど、いまのうちにやっておかないとあとで大変なことになること)をすぐに片づけられる状態まで準備できるかにかかっています。「直感」は大切だという話はよく聞きますが、これは重要なものだ!いまやるべきだ!と優先順位をつけるとき、「直感」ほど当てにならないものはありません。なぜなら、いままで慣れ親しんだ判断をついつい優先してしまうからです。たとえば、前項で述べた「はい!喜んで!」タイプの人は相手に依頼されたら自分の予定をつぶして努力してしまいますし、〆切に追われないと動かないタイプの人はカレンダーに書かれている〆切を優先してしまうでしょう。でも、ここでいったん考えてみてください。あなたがいま、早起きして成し遂げたいことは、いままでの延長線上にあるものでしょうか?いまの自分からバージョンアップしたいから早起きして時間を作りたいわけですよね?あなたの「なんとなく」の直感は本当にあなたをいい方向に連れていってくれますか?違う道を行きたいのなら、違う流れを作らなければいけません。そのための方法が、重要度と緊急度によって1日のタスクを仕分ける「モーニングルーティン」なのです。
「朝1時間」で集中力と達成感を手に入れるなぜ「朝1時間」なのかもう少し詳しく説明しましょう。1.普段の生活習慣を少し変えるだけなので取りかかりやすい2.行動までのタイムラグが少ない3.脳が飽きていないので作業を早く進めることができる4.終了時間が決まっているのでダラダラしない5.小さな達成感を感じることができ、メリハリある生活ができる6.邪魔が入らないので一気に集中できる順番に解説します。1.普段の生活習慣を少し変えるだけなので取りかかりやすい朝4時起きはハードルが高い!と感じる人でも、朝1時間なら普段の習慣を少し変えればできるはずです。もちろん、朝1時間早く起きるようになるための工夫も巻末のプラスαコンテンツでしっかりお知らせします。2.行動までのタイムラグが少ない夜、本を読んで、「へぇーなるほど。試してみよう」と思っても、一晩寝ると忘れてしまうことはありませんか?電車の移動中などのコマギレ時間でネット記事を読み、いいな、と思ったアイデアも移動先につくと忘れてしまったりしませんか?朝のうちにタスク分けをして、始業後すぐにスタートダッシュする準備を整えておけば、「うっかり忘れていた」がなくなります。限られた時間で集中し意識が分散しない上、試してみようと思ったことを、すぐに実践できるようになります。「鉄は熱いうちに打て」とはよく言ったもの。得た知識にブランクを入れず、実行することで、さまざまなスキルアップが可能になります。3.脳が飽きていないので作業を早く進めることができる朝タスク管理をしたほうが、脳が「飽きていない」ため早く作業が終わります。睡眠関連の著書を多数書かれている早稲田大学准教授で精神科医の西多昌規先生と対談したとき、次のような話を伺いました。人は睡眠によって記憶や感情、経験をいったん整理整頓するそうです。つまり、余計な経験が一切なく、脳が一番「飽きていない」状態が朝です。起きてから時間がたつにつれて、脳に書き込みが多くなってきます。注意力には一定の限界があるので、夜になるにつれ鈍りが生じてきます。これが、いわゆる「飽きてくる」状態です。その状態でいろいろ考えすぎると、答えがないことをぐるぐる考えてしまったり、心配が増幅したり、感情が暴走しがちになります。朝なら、物事を感情のフィルターだけでなく、事実のフィルターで冷静に振り返ることができ、今後の行動計画まで落とし込むことが可能になります。4.終了時間が決まっているのでダラダラしない朝の一時間でサクッと集中してやることで、優先順位づけにダラダラ迷うことがなくなります。反対に、夜だと「時間はたくさんある」という錯覚に陥ってしまって、なかなか終わらないケースが多いのです。「朝1時間だけ」と時間を決めることで、限られた時間を有意義に使って段取りしようという気持ちが生まれます。5.小さな達成感を感じることができ、メリハリある生活ができる頭では大事だと分かっていてもなかなか手をつけられないのが、「急ぎ」ではないけど優先順位が高い「種まき」です。昼夜問わず、出張も多い働き方から、結婚を機に泊まりの出張はなるべく避ける働き方にシフトしたいと思ったとします。会社に部署異動を含めた交渉の準備をし、どうしたら上司に納得してもらえるのかを考えることは、あなたの人生における「種まき」です。しかし忙しさに流され、会社の期待に応え続け、会社に交渉するのも怖いし面倒くさいし、これまでのキャリアがもったいないと現状を維持し、本当に進みたい「種まき」を怠る人も多いです。頑張り続けた結果、体がボロボロになってしまっても、そのツケを会社はとってくれません。最後に苦しむ前に、優先順位が高いことを朝イチで進めておきましょう。このように、朝の時間で「種まき」について考え、一歩でも行動に移すことで「大事なことに一日の最初に取りかかれた」という達成感を得ることができます。部署異動の具体的な「種まき」としては、たとえば次のようなことが考えられます。・部署異動が可能な条件は何かを調べておく・上司やその上の上司に根回しをし始める・自分のやっている仕事を引き継げる状態にまとめておく
・異動が単なるわがままに見えないように次の半期で結果を出す準備をする・異動に有利になるような資格があれば取得の勉強をしておく・ただ「異動したい」ではなく代案を考えて提案できるよう準備するこのように、「本当はそうしたいけど忙しさに流されたり、周囲に遠慮したりしてできていないこと」を具体的にピックアップし、少しずつ進めていきましょう。6.邪魔が入らないので一気に集中できる「ポモドーロ・テクニック」という言葉を聞いたことはありますか?イタリアのコンサルタント、フランチェスコ・シリロ氏が提唱する、25分集中し、5分休憩することを繰り返すことで生産性が高まるというものです。ポイントは「限られた時間で」「邪魔を入れずに集中する」ということ。朝の時間なら上記の2つのポイントを簡単に実現することができます。ポモドーロ・テクニックでは25分+5分を「1ポモドーロ」とし、4ポモドーロのあとに20~30分ほどの長い休憩を取りますが、忙しい朝に約2時間を費やすのは難しくても、「朝1時間」に30分×2つと考えれば気がラクになりませんか?25分+5分を2セットのイメージで集中し、1日に仕事ですべきこと、将来の種まきをしっかりリスト化していき、始業後はタスクを粛々と進めるだけの状態にしておきます。そのことにより仕事の生産性もあがり、自分が本当にしたいことに充てる時間が生まれます。
「朝1時間」で未来の自分に種をまく本書で紹介するモーニングルーティンは30分で1日の仕事を段取り、30分で緊急でないけれど重要な「種まき」案件を見極め、進めていきます。種まきはあなたの人生にとって大切なことなので、もう少し説明させてください。多くの人が大切だと頭では分かっているのに、つい「種まき」をおろそかにしてしまいます。大事だけれど、どこから手をつけていいのか分からないし、考えるのが面倒なものだからです。キャリアアップや自分磨きのための勉強など、やりたい「種まき」はたくさんあり、仕事をしている間は「今度はこれをやろう!」とやる気も高いのに、いざ休日や自分時間が取れるとやる気がなくなってダラダラしてしまうのは、「種まき」を具体的なタスクとして、すぐできる状態にしておかないからです。「まだ先だから」「まずは緊急のものを片づけてから」と後まわしにすると、いずれ「種まき」に復讐されます。目の前の日時が決まっている仕事は永遠にあなたを追いかけてきます。「終わったらやろう」と思い続けていてもいつまでも取りかかれません。「だからこそ、緊急ではないけれど人生において重要な「種まき」部分をすぐとりかかれる状態にもっていく「タスク化」の技術を身につけることが大切です。仕事の例を挙げましたが、健康管理も「種まき」です。「野菜を食べるのは健康管理上重要だ」「定期的な有酸素運動は体にいい」と分かっているけれど毎日大好きな揚げ物ばかりを食べ、運動もサボっていたとすれば、健康は徐々に害されます。人間ドックで異常が見つかって慌てたり後悔したりする人は多いはずです。家族との時間を大切にし、子どもが小さいなら朝絵本を読んであげたり、朝一緒に勉強したり、散歩したりする時間を意識して作るのも「種まき」です。副業解禁に備えていまの仕事が「つぶしが効く」ものかどうかを試すためにいままでの経験を棚卸しするのも「種まき」ですし、資産を増やすために株式や不動産の勉強をするのも「種まき」です。仕事もプライベートも含めた全部の「種まき」を、まるごと朝1時間でタスク化してしまいましょう。日中は、あっという間に時間が過ぎてしまいます。ひとつひとつのタスクの優先度を見極め、朝のうちに仕分けできれば、自分が人生において何を一番大切だと思っているか、そのために何をすべきか(=種まき)が明らかになります。自分にとっての種まきが何かを見極めるためには、「とりあえず」「念のため」と何となくやり過ごしていることを、「本当に必要かな?」の視点で優先順位をつけて見つめ直してみましょう。そうすると、惰性でしていた仕事のどれをカットして生産性を上げるかについても見えるようになってきます。ロールモデルは立場でなく志向で探す優先順位をつけるために、ネットで話題になっている人や有名人の生き方を参考にするという人も多いでしょう。その際に大切なのは「20代会社員」「企画職」「ワーママ(ワーキングママ)」「子どもが小学生」といったように、その人の現在置かれている立場・環境だけを切り取って参考にするのではなく、その人がどういう志向で仕事やプライベートを捉えているかを見ることです。たとえば一日中仕事のことを考えるのが苦ではなく、仕事もプライベートもごちゃまぜになっている状態が心地良い、家が片づいていなくてもあまり気にならない、子どもは元気にごはんを食べてたくさん寝ることができさえすればそれでOK!と考えているワーママと、家のことを整えるのが大好きで住環境やインテリア、子どもの食事内容が最大の関心事のワーママでは、優先順位は全く違うものになります。それなのに「ワーママ」という立場だけ見て参考にしようと思っても絶対に参考になりません。このように人によって優先順位が違うという前提を取っ払い、ロールモデルを探して合わせていこうとするので、本当の優先順位を見つけることができないのです。いまの私たちに必要なのは、同じ環境・境遇の人がどうしているかを探すことではありません。自分がどういう人生を送りたいか?どんな状態に幸せを感じるか、つまり、自分の「志向」を最初に明確化し、同じ「志向」の人がどのように優先順位を決めているかを知り、その優先順位を実践することです。ライフステージの変化でも優先順位は変わる優先順位は、考え方のクセで間違える傾向があるほか、家庭環境やライフステージによってもその都度変わります。先ほどのワーママの例でいうと、仕事大好き&生きがいのワーママにとっては、会社でいま担当している事業の成功が「種まき」かもしれません。でも、家庭環境を整えるのが大好き&生きがいのワーママにとっては家で気に入ったインテリアに囲まれるための準備が「種まき」かもしれません。上場企業の社長がビジネス論を語り、それが記事になることも多いですが、同じ「社長」でも、ずっと会社員をしてきて昇進の上で社長になった人の「種まき」と、ベンチャー企業創業者社長の「種まき」は違いますし、得たい目標のためなら一時的にお金が減っても思いきって投資したいのか、それとも自分の貯金を取り崩してまでお金を投資するなんてとんでもない、と思うかによっても「種まき」は違います。年齢を経て志向が変わる場合もあります。20代で仕事を覚えたてのころは仕事優先で過ごしていたとしても、30代で結婚し、子どもを保育園に預けながら時短勤務するようになったら仕事だけを優先するわけにはいきませんし、パートナーが家事育児に協力的かそうでないかでも、優先順位は変わります。
優先順位は「時間」×「リスク許容度」+「人間関係」で分類できるでは、どうすれば自分の「志向」を知り、人生の優先順位をつけることができるのでしょうか。解決策は、時間×リスク許容度+人間関係の軸で、ライフステージごとにいまのあなたの優先順位を決め、「種まき」の内容を変化させることです。次に示すチャートは時間×リスク許容度+人間関係を一覧にしたものです。横軸が時間(オンオフの境目をきっちりしたいか、そうでないか)、縦軸がリスク許容度(多少のリスクがあってもいいか、安全安心がいいか)です。背景の3つの型(個人主義型・チームプレイ型・臨機応変型)は、仕事における人間関係のスタンスを示しています。
このチャートを使い、いままで曖昧なままにしていた自分の「志向」について一度はっきりさせることで、様々な立場の人の主張に右往左往し、優先順位を間違えることがなくなります。行き先を決めないまま荒波を航海する人も、富士山へのルートを調べずに登る人もいません。いまどこにいるのか、現状からどの志向に今後向かっていきたいのかを、チャートを使って考えてみましょう。忙しすぎて自分がどこに向かっているかわからなくなったときも、チャートを見ることで、自分の現在地と向かうべき方向がわかるようになります。その上で、1年、1週間、1日の優先順位を可視化していきます。「時間」×「お金」+「人間関係」で朝すべきタスクは変わるそれぞれの「志向」の大まかな特徴は次のようなものですワーク&ワーク志向□自分の時間のすべてを仕事に充ててもいいくらい、いつも仕事のことを考えている□とにかく仕事が好きで、はまると夢中になり時間を忘れる□会社で結果を出してお金を稼ぎたい□仲間と一緒に何かを成し遂げたい□会社の目標と自分の目標を同じように考えることができる□仕事で結果を出すための勉強の時間は惜しまないワーク&プライベート志向□業務時間中は頑張るが、業務時間外は仕事に充てたくない□業務時間内であれば、言われたことを言われた通りにすることに抵抗はない□自分の趣味や好きなことに時間を使いたい□家族の生活を犠牲にするような働き方はしたくない□自分の貯金は減らしたくない□どちらかというと、お金より自分の自由の時間がほしいワーク&セカンドジョブ志向□業務時間を過ぎたあと、ほかの仕事をすることに抵抗はない□仕事で成長するためには異分野の経験が必要だ□いまの仕事でのスキルがほかで通用するか試してみたい□いまの会社で「井の中の蛙」になることに危機感を感じている□多面的に物事を知りたい□異業種・異分野の人と交流するのが楽しいワーク&インベスト志向□自分の時間のすべてを仕事に充てることはしたくない□時間や場所やお金にしばられたくない□大きな目標のためならお金を一時的に失ってもいい□自分の好きなようにやりたい□気に入った仲間としか仕事はしたくない□最小の努力で最大の効果を得たい繰り返しになりますが、「志向」は、結婚・出産・子育て・親の介護など、ライフステージや立場によって変わります。ひとつの「志向」に軸足を置き、もう一つの足をほかの「志向」に置くことも可能です。たとえばいまは小さい子どもを育てながら仕事をしたいので「ワーク&プライベート志向」だけど、いずれは「ワーク&セカンドジョブ志向」で行きたい、と、将来を見越してタスクを分配することも可能です。朝の1時間のうち30分は「ワーク&プライベート志向」で仕事を効率的に進める準備をし、残り30分で「ワーク&インベスト志向」で不動産投資や株などの不労所得を得ている人を調べてみる、という時間の使い方もあります。いったん決めたらそれで終わりというものではありませんし、一度決めたらずっとその「志向」で行かないといけない!というわけではありません。その都度、いまの自分の優先順位について立ち返ってみましょう。たとえば、私の場合は次の図のように変遷しています。今後もライフステージに応じて柔軟に変えていくつもりです。
「志向」が分かれば「いま頑張ること」の見極めができるなぜ最初に「志向」を知ることが大切か。それは、「いま頑張らなければいけないこと」「放っておいていいこと」が明確になるからです。メリハリがつけられるようになれば部外者の言葉に右往左往せず、すべきことに集中できるようになります。目的が分かっていれば、「やっておいたほうがいい」「念のため」「とりあえず」という案件に忙殺され、無駄な時間を過ごすこともなくなります。まずは自分の志向を知り、その上で1日のタスクを仕分けしていきましょう。
タスクリストに「ひと手間」で優先順位を「見える化」する普段から仕事や家事など、日々すべきことをタスクリスト化している方も多いことでしょう。そのやり方を180度変える必要はありません。基本的な方法は大きく変えず、次の3つのポイントを意識するだけで大丈夫です。1.朝の1時間で集中し、一気に作りあげる2.緊急度×重要度によりタスクを4色に色分けする3.「種まき」の「粒」を細かくし、すぐに実行可能な状態にしておくタスクは次のマトリクスに振り分け、4色ボールペンで色分けすることを推奨しています。緊急でない×重要:種まきの赤緊急×重要:刈り取りの緑緊急×重要でない:間引きの青緊急でない×重要でない:塩漬けの黒
数字は人生においての優先順位が高い順番です。緊急でない×重要は、おろそかにしがちなのですが将来へ大きく影響してしまう最も重要なものです。日々の取り組みが大切で将来花が咲き、実をつけるイメージなので「種まき」と名づけています。重要度を示す赤で色をつけます。大事だと思いつつもなかなか取りかかることができない「種まき」部分が重要な理由は次の3つです。1.切羽詰まっていないから危機感がない2.やることが多岐にわたるため、どこからどう手をつけていいのか分からない3.進捗が見えにくくモチベーションが続かないそこで、「朝1時間」で「種まき」部分を丁寧に分解し、すぐに取りかかることができる状態にしておきます。緊急×重要は、目の前の生活や仕事に直結するものという意味で「刈り取り」と名づけています。刈り取りをイメージさせる緑で色をつけましょう。緊急×重要でないは、やらなくても大きな影響はないけれど、目の前の状況のせいですぐに取りかからなければいけない気持ちになるものです。たとえば前述した電話やメールなど、空いた時間でまとめてこなせばいいものです。これは「間引き」と名づけています。青で色をつけます。緊急でない×重要でないは、そもそもやっている意味がないまま思考停止で続けているものなので「塩漬け」と名づけ、黒で色をつけます。色分けによる仕分け作業は、毎日、自分の人生において本当に重要なものは何かを、自分自身に問いかけるようなものです。色分けすることで、今日やろうとしているタスクがどの位置づけにあるかがひと目で分かるようになります。1日のうちに優先して進めるべきは「種まきの赤」「刈り取りの緑」です。もちろん「間引きの青」「塩漬けの黒」も消すことはできませんが、「いまは間引きをしている」「塩漬けのタスクを進めている」と認識することにより、必要以上に時間をかけすぎることがなくなります。慣れてくると、タスクリストを作らなくても、日々の生活が4色に見えてきます。たとえば会議の進行は「最初の10分は前回の振り返りで、メールで確認すれば済む話だから『間引きの青』だな。あんまり聞かなくてもいいや」「40分後にやっと『種まきの赤』の話が始まった。しっかり聞いておこう」など、仕事で削減すべきムリ・ムダ・ムラも見えるようになってくるので、生産性も上がります。毎回の判断を色分けするため、予定を入れる際に「とりあえず書いておくか」などと、なんとなく決めることがなくなるので、判断力、瞬発力も身につきます。この作業をモーニングルーティンとして定着させれば、将来の計画にいつまでも手をつけられない、本当にしたいことが何なのか考える時間がない、という悩みから解放されます。大切な時間をムダにするか、投資にするかは「朝1時間」で集中して物事を考えられるかにかかっているのです。なお、「3.「種まき」の「粒」を細かくし、すぐに実行可能な状態にしておく」については、Section2で具体的な方法を解説します。
仕分けがすめば朝9時以降は余力でラクラク一番時間がかかるけど人生においてとても重要な「種まき案件の見極め」と「仕分け」を始業前にすませれば、あとは余力で進めることができます。何ごともおっくうなのは取りかかるまで。最後の追い込みより、最初の仕込みが肝心です。朝イチに「もう、あとはやるだけ!」の状態になっていると思うと気持ちが前向きになりませんか。すぐに取りかかるだけにしておくことで、たとえ業務中に話しかけられたり、急な案件がはいっての中断があったりしても、またすぐにタスクに戻ることができるようになります。
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