MENU

第6章Chapter6リーダーシップがビジョンを定着させる

第5章でビジョンづくりのステップで解説しなかった「定着ステップ」を単独の一章を使って解説します。

つくり上げたビジョンを、どのように全社的に定着させ、また活用することで企業全体を活性化していくかについての方法をひも解きます。

定着で重要なのがリーダーシップです。リーダーシップとは人を率いることを言うのではありません。

たとえば、混んだ電車から降りようとする幼児を連れた母親がいるときに「すみません!小さいお子さんが降ります!入口を開けてください!」と咄嗟に言えるような、自立した判断と、その判断に基づいた行動ができることを、リーダーシップと言います。

こうしたリーダーシップを持つ人とともにビジョンを掲げたときに、企業は想像をはるかに超える成果を得ることができます。そして、そのときのリーダーとは誰かのことではなく、あなたのことなのです。

目次

ビジョンが定着した状態とはどんな状態なのか

ビジョンが完成したら、次はこれを組織内に定着させ、機能させていく定着のステージに入ります。ここからは、いかにビジョンを機能するものとして活用していくかをお伝えします。

ビジョンの定着とは、どのような状態なのか、ビジョンが浸透した企業で考えてみましょう。

何度も記していますがAmazonは「ジ・エブリシング・ストア」「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」を掲げています。

そして、全社員に対して「OurLeadershipPrinciples(アウァ・リーダーシップ・プリンシプルズ)」(略称:OLP)と呼ばれる14項目の行動基準を掲げています。

リーダーとは書かれていますが、全社員がそれぞれの仕事に於いてのリーダーだという視点であり、すべての社員がこの14項目に則って行動しなければなりません。

第一項は「CustomerObsession(カスタマー・オブセッション)」と名づけられたお客様に対する姿勢を説いたものです。

説明文は「リーダーはカスタマーを起点に考え行動します。カスタマーから信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合に注意を払いますが、何よりもカスタマーを中心に考えることにこだわります。」と書かれてあります。

その他の13項目は、リーダーがどのようなスタンスで仕事をすべきかが説かれていますが、基本的には、この顧客第一を説いた「CustomerObsession」を実現するために組み立てられています。

「Obsession」は「取りつかれている、妄想、強迫観念、執念」という意味のことばですが、このことばを最初に持ってきたことにAmazonのビジョン追求の本気度を感じます。

そして、全社員のすべての行動基準は「何があろうと、お客様にとって何がベストかを、いままでの常識を取り払って徹底的に考え、良いと思えば可能な限りスピーディに実現する!」ということで統一され、人事評価も昇進も、また採用も、このルールだけで判断されます。

ビジョンをすべての行動原理にする。

Amazonでは、風土や文化をビジョンで育むというより、それ以外の余分な要素が入り込まないように、ビジョンを土台に会社の仕組みを創り上げています。

そうして見ていくと、即日配送や1時間配送、ドローンでの配送実験、ボタン一つで届けるダッシュボタン、Amazonプライムの各種サービス、無人店舗、AmazonEchoDotなどのAIアシスタント、巨大な配送用倉庫、ピックアップ・ロボットまで、そのすべてが「CustomerObsession」ひいてはビジョンから生み出されていることが分かります。

顧客第一を掲げた企業は無数にありますが、地球上でいちばんと言うだけあって、Amazonの徹底ぶりは突き抜けています。

ジェフ・べゾスの存在自体が、「CustomerObsession」の権化です。

いかに利益が上がろうと、お客様が不便になったり、少しでも不利益を被ったりするようなプランは、Amazonでは一切ゴーサインが出されることはありません。

それは世界を変える革新的製品を追求したAppleのスティーブ・ジョブズが、その革新性にこだわり、デザインや質感、使い勝手などすべての面で一切の妥協を許さなかったということに似ています。

AppleStore(アップルストア)のドアノブを何度も何度も満足いくまで作り直させたというのは有名な話です。

逆に言えば革新的でないものはApple製品ではないという、かなり高い縛りを自らに設けたとも言えます。

彼が亡くなったあと、まったくの新製品が生まれることは少なくなりましたが、独自のデザイン・テイストを持った素晴らしい製品を出し続けていることに変わりはありません。

こうした状態が、企業がビジョン実現を目指すことが定着した状態です。つまり、企業のすべてがビジョン実現のためだけに稼働しているのです。

ビジョンと経営トップの関係

ビジョンで稼働している状態とは、組織の風土や文化にまでビジョンが昇華されたことを意味します。

風土、文化になるということは、日々の仕事の行動原理、行動基準となり、個々の社員の習慣化ができている状態です。

そのためには長期の取り組みが必須です。よくあるのが全社員に発表したのはいいのですが、ホームページでの掲載や、社内ポスターの掲出に留まって放置されるパターンです。

せっかくつくったビジョンも、早ければ半年もたたずに紙に書いた単なるお題目になります。

仏つくって魂入れずの例です。ビジョンは創ること以上に定着が重要です。定着に時間と労力を掛けるべきなのです。

ビジョン実現に向かって進むことは、べゾスやジョブズのように、経営トップの在り方と無縁ではありません。

なぜなら、ビジョンを掲げた経営者は、ビジョンを体現する人でなくてはならないからです。

ただ勘違いしないでほしいのは、べゾスやジョブズのようにカリスマ性を備えた人物だけが、ビジョンを体現するリーダーたりうるわけではないということです。

自ら創業し、世界的な会社を育てた人物だけにしか通用しない方法論であれば、本書を世に出す必要はありません。

すべてのビジネス書がそうであるように、情熱と志を持って経営を行おうという経営者あるいはリーダーなら誰もが取り組め、結果が出るようにと著したのが本書です。

本書で取り上げる著名な企業、経営者は、よく知られているだけに、読者の方々と事例として共有しやすい、というその一点だけで取り上げているにすぎません。

「決断する」「PDCAを回し改善する」、文字にすれば20文字にも満たない行動などは、べゾスやジョブズに限らず、どの経営者も行っていることにすぎないのです。

たとえば架空のAI企業ABC社がビジョン「すべての人が自己実現できる社会」を掲げていても、経営者がパワハラ的な権力者としてふるまっているなら、ビジョンはあっという間に空文化します。

いくら彼がビジョンを声高に叫んでも、経営者自身と矛盾していることをスタッフが見逃すはずはありません。これはビジョン実現には致命傷です。経営者の在り方はビジョンの在り方そのものである、と肝に銘じてください。

したがって、ABC社の経営者は、社員の自己実現を後押しする存在でなくてはなりません。

「すべての人が自己実現できる社会」をビジョンとして掲げる会社は「すべての社員の自己実現を目指す会社」でなくてはならないからです。経営者は、必ずビジョンを体現する〝体現者〟でなくてはならないのです。

ジェフ・べゾスが「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」を体現してこなかったら、たぶんAmazonはこれほどの急成長を成し遂げることはでき

なかったでしょう。

井深大と盛田昭夫のソニーが「理想工場」の工場主として存在しなかったら、世界を驚かす製品を次々に送り出すこともなかったでしょう。

経営トップが、ビジョンを生きることで初めて、ただのことばであるビジョンに命が宿り、力を持ちます。もちろん、経営者だけがリーダーであれば良いわけではありません。

経営幹部、中間管理職、現場リーダーまで、それぞれがビジョンを体現するリーダーとしての自覚を持つ必要があります。

さらに、前線のスタッフも一人ひとりが同様にビジョンを体現するリーダーとしてふるまえるようにすることを目指すべきです。これは巨大な組織も数名で運営する組織もまったく同じです。

リーダーのふるまいが当たり前で自然なものになったとき、ビジョンは社員の規範になり、会社の風土になり、文化になっていきます。

これが、ことばとして誕生したビジョンが、企業のもっとも大切な価値として内面化されていく過程です。この過程はリーダーの役割とリーダーシップが大きな役割を果たします。

むしろ、こうしたものなしにはビジョンの実現はまったく覚束ないと言っても過言ではありません。

リーダーは奉仕者でもある

旗を立て、全員を率いていく強いリーダーとは、違ったタイプのリーダーも、ビジョンの実現には必要です。それがサーバント・リーダーです。

サーバント(servant)とは召使い、使用人という意味で、サーバント・リーダーとは部下を支援したり、助けたりすることに力点を置いたリーダーのことです。

これはAT&Tマネジメント研究センター長を務めたロバート・K・グリーンリーフが提唱したもので、奉仕型のリーダーシップといわれています。

このタイプのリーダーも、最終目標はビジョン実現です。つまり、理念に奉仕するリーダーでもあるのです。

ただ、いわゆる部下に役割、目標、指示を与えるタイプの強いリーダーとの違いは、彼らの行動が最大化するように環境づくりを行うという特徴をもつことです。

それもなんとなく環境づくりを行うのではなく、明確にビジョンを実現する意図をもって行うのです。

そのためには利他心にもとづいて、部下の状況を注意深く観察し、実績を上げられるよう、側面から支援することを厭わずにやっていく必要があります。

何が困難なのか、何に迷っているのか、成長を阻害しているのは何か。部下の心情を慮り、共感することも必要です。また、部下へのメッセージは、常にビジョン中心であるべきです。

ビジョンの実現に向けていかに行動していくかが大切であり、それが自分たちの成長につながることを日々説く必要があります。

そして、組織の中でのビジョンへの取り組み方に強く関心を持ち、目を届かせることを自らに課さなければなりません。

それには、まず、最前線の現場情報をしっかりと把握していること。モチベーションを引き出すコーチング的な視点で部下に接すること。さらに現場でのビジョン遂行とはどうあるべきかを理解していること。この三つを重要ポイントとして自らに課してください。

強いリーダーがティーチング主体だとすると、サーバント・リーダーはコーチングで部下の成長を促します。

こうして育てた集団が、成長するコミュニティとして機能し始めればベストでしょう。この二つのリーダーの典型は織田信長と徳川家康です。

ビジョンを打ち立て次々と指示を飛ばしながら行動した織田信長が強いリーダータイプであるとすれば、ビジョンはありながらもじっくりと部下の能力を引き出し、徳川幕府を打ち立てた徳川家康がサーバント・リーダーと言えるでしょう。

ただ、注意してほしいのは、これらの二つのリーダータイプは別々の人格として存在することもありますが、往々にしてリーダーに求められる二つの側面を表しているとも言えます。

つまり、ビジョン経営を行っていくリーダーには、ビジョンを宣言し、自らがビジョンを体現していくことも必要とされるし、ビジョンを念頭に置きながら、支援に徹する姿勢も必要なのです。

井深大と盛田昭夫コンビのソニーや本田宗一郎と名参謀・藤沢武夫のホンダ、ウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードのHewlettPackardCompany(ヒューレット・パッカード)、最近ではラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンのGoogleなどなど、企業を育てあげた2人組はスタイルの違うリーダータイプを分担しながら行っている側面があります。

巨大な石の玉を動かすには、最初は限界に近い力が必要です。しかし、一度ぐらりと動き出し、転がり始めたら加える力は少なくなっていっても、石は転がり続けます。

ただ、力の入れ加減、入れる方向を間違うと石はあらぬところへと転がっていきます。ビジョンという巨石を動かすには強いリーダーも、サーバント・リーダーも、どちらも必要なのです。

定着のポイントは自分事化

定着は①共有②実践③顕在化のステップで進みます。

①の共有は、全社員がビジョンの内容を理解し、また共感を覚えている状態です。

②の実践は、AmazonのOLPのように、ビジョン実現のための行動基準や仕事の仕組みが整えられ、ビジョンを目指して成果を出すことが日常になっている状態です。

③の顕在化は、実践を通じて成果を上げていることが明確になり、誰の目にもビジョン実現を目指している企業として社内外で認知されている状態です。

カギになるのは、社員一人ひとりがビジョンを「自分事」として捉えることができるかどうか、です。企業のビジョンが〝自分のもの〟になるとき、強大なパワーを発揮します。

ビジョン経営を実施している企業の仕組みは、まさにこの状態を目指したものです。大きな会社ほど、その前のビジョンを創る過程に全社員あるいはたくさんの人を巻き込むことが必要となってきます。

その場合、まずは正式に全社員に向けて「新しいビジョンを創る」と宣言することです。専任チームが全社員を巻き込むステップとスケジュールを策定してください。

そして、創り込む過程で、部署ごとに全員参加のセッションデーのようなものを設け、実際にアイデアを出したり、ディスカッションを行ってもらうなど、当事者意識を持たせる施策をできるだけ実施することを心掛けてください。

アンケートで声を拾い上げる、最終案を2~3案に絞り込んでコンテスト形式で投票させる、など参加意識を高める仕掛けは工夫次第でいくつもあります。

ビジョン策定専用のホームページを立ち上げて情報発信することや、社内報などで途中経過を知らせることもお勧めします。

全員がお互いの顔を見知っているような規模であれば、ピックアップメンバーあるいは経営陣が創り、その経過を定期的に報告し、その場で軽くディスカッションするだけで共有が進むこともあります。

いずれにしろ「私たちがつくったビジョンだ」と思ってもらえるかどうかです。ビジョンが一人ひとりの自分事になっていれば、この共有の過程はスムーズに進みます。

ビジョンをストーリーとして共有する

①の共有は「自分事化」の大前提となります。そのために、ビジョンをストーリー化することをお勧めします。ストーリー化とは物語として想像しやすい形にしていくことです。

ストーリー化は前項「20世紀最高のビジョンを見てみよう」でも紹介したキング牧師が良い事例になります。

彼の人種差別のない世界のビジョンが浸透力を持ち、定着しやすいのは、彼がその世界をストーリー的に語っていることによります。

私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。

この部分は演説の中のごく一部。

大変短いフレーズですが、強烈に記憶に残るのは、赤土の丘の上の家、これまでの歴史、そして、それを乗り越えて肌の色合いが違うもの同士がテーブルで談笑する姿が鮮やかに想起されるからです。

描かれていない、陽光や鳥のさえずり、吹き抜ける風、テーブルの上のコーヒーの香りまで想像してしまうようなイメージの喚起力があり、人種差別のない世界とは、どんな世界なのかを具体的に平明に説いています。

また、直接的な表現ではありませんが、赤土の赤、周りを囲んでいるであろう木々の緑、白い肌と黒い肌と、色のイメージも鮮烈にあります。これがストーリーの力です。

私が行った事例の一つですが、とある食品系の製造販売企業から依頼されて、ビジョンの浸透に、このストーリー化の手法を使ったことがあります。

この企業は経営者の方が一代で興し、理念を非常に大切にされて経営されており、わずか30数年で、年商百数十億円を超えるまでに成長していました。

経営者も含め素晴らしい会社でした。

ただ、全国に数十店舗が散らばり、特に理念を身につけてほしい、直接お客様と接するパートタイマーやアルバイトなど販売員の方に理念が伝わりにくい、また実践しにくいという悩みを抱えていました。

そこで私が提案したのが、もっとも重要な理念を三つのポイントだけに絞り、物語形式の絵本にして全員に配布し、読んでもらうというアイデアでした。

ビジョンを本にしてしまうのです。

採用されたアイデアに基づき、骨格になるストーリーを決め、物語をつくっていきました。基本の骨格は「販売員とお客様の行き違いと和解の物語」です。

優秀なアートディレクターとイラストレーターを起用し、紙質にもこだわり、絵本風に仕上げた物語冊子が完成しました。

社内にだけ配られるこの絵本は、年に一度、全国からスタッフが集まる社の年次総会で、朗読とともに披露され、ひとり一冊ずつ配布されました。幸い、分かりやすいと好評で、その後も理念浸透を助ける力になっています。

このようにビジョンのストーリー化は、ともすると具体的な肉付けを欠き、ことばだけが独り歩きするところを、ストーリーの力でそれぞれの「私の物語」として定着させる働きがあります。

積極的にストーリー化するという手法をお使いいただきたいと思います。

冊子やサイトをつくってもよいでしょうし、イメージ動画や漫画あるいは短い小説などにするということも可能です。

まず、いかに共有・共感してもらうかという視点で、ビジョンの共有を始めてください。経営トップ自ら、現場社員とビジョンについて語り合う場を設ける企業もあります。

私が過去担当したクライアントでは、全国の支店・営業所に1年ほどかけて「車座ミーティング」と題して、経営者が出向き、現場と理念や自社の未来について語り合う場を設けていた企業がありました。

部署ごとやチームごとに気軽なディスカッションの機会を設けてもよいです。浸透・定着という意味で、こうした取り組みはお勧めです。

また、これは経営層と現場の社員の間に認識のずれが生じないようにする効果があります。注意してほしいのが、ビジョンが決まった背景や理由、決まるまでの過程も共有することです。

こうした共有がなく、一方的に与えられたものは結局、社員にとって「上からのご託宣」であり、「自分事」として捉えてくれない可能性が高くなります。

誰でもひとりの人間として成長したいという思いを抱えています。ビジョンがその助けになることが理解できれば、人は率先して動きます。そのスイッチを押すのが、この共有のステップです。

行動基準はビジョンに向かうレール

ビジョンを中心とした経営を進めていくとき、リーダーにとって行うべきことの一つは、ビジョンを実現するための行動基準を明確にしてあげることです。

この章の冒頭で書いた「OurLeadershipPrinciples(OLP)」をあらためて取り上げてみましょう。この14項目はビジョン実現のためにAmazonの全社員が服するものとして定められたものです。

それぞれの項目は詳細な文章になっていますが、タイトルだけをピックアップしたのが次のものです。

Amazon社内でOLPと呼ばれている、この14項目は、入社時に説明を受けるほか、社内にも掲出され、またこの視点で人事評価もされます。

また人材の採用基準は、このOLPを備えた人物であるかどうかを見ています。とにかくビジョン実現の重要な指針として、徹底的に、このOLPを機能させています。

そういう意味ではビジョン実現に向けて、スタッフの能力を極限まで引き出すためにOLPは存在します。

このOLPとべゾスが描いたビジネスモデルが、車の両輪のように働いているのがAmazonなのです。行動基準と言えば、いつもキャスト(従業員)のホスピタリティが話題になるのがディズニーランドです。

運営会社であるオリエンタルランドにあるディズニーテーマパークの行動基準はSafety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、Show(ショー)、Efficiency(効率)が「TheFourKeys~4つの鍵~」と題されて並んでいます。

スタッフ内では、これは重要度順に並べられ「SCSE」と呼ばれています。これを読むとパーク内の楽しさ、快適さの一端が分かるような気がします。

Safety…………安全な場所、やすらぎを感じる空間を作りだすために、ゲストにとっても、キャストにとっても安全を最優先すること。

Courtesy………〝すべてのゲストがVIP〟との理念に基づき、言葉づかいや対応が丁寧なことはもちろん、相手の立場にたった、親しみやすく、心をこめたおもてなしをすること。

Show……………あらゆるものがテーマショーという観点から考えられ、施設の点検や清掃などを行うほか、キャストも「毎日が初演」の気持ちを忘れず、ショーを演じること。

Efficiency……安全、礼儀正しさ、ショーを心がけ、さらにチームワークを発揮することで、効率を高めること。

(オリエンタルランドホームページ「CSR情報5つの『大事にしたいこと』誠実なマネジメント行動基準『TheFourKeys~4つの鍵~(東京ディズニーリゾート)』より)

ビジョンとして明記されたことばはありませんが、オリエンタルランドのパーク運営・基本理念のところには「あらゆる世代の人々が一緒になって楽しむことができる〝ファミリー・エンターテイメント〟」また「『永遠に完成しない』場所」とあります。

つまり、この行動基準はスタッフにとって「あらゆる世代が安全に快適に過ごし、感動を持ち帰ってもらう場」をつくるためのマニュアルであり、「お掃除さえもエンターテイメントにするマインドセット」を植えつける重要なツールです。

こうした行動基準があってこそ、ディズニーランドは全世代が非日常の喜びを満喫できる場所になっているのです。

ホテルTHERITZCARLTON(ザ・リッツカールトン)の「クレド(信条)」も世間に良く知られた行動基準です。

リッツカールトンでは、すべての従業員が8ページの名刺大のカードとして常時携帯しています。その中の項目の一つ、サービスバリューズに行動基準が掲げられています。

こうした事例を見るまでもなく、行先がはっきりと示され、どう行動すべきかが分かれば、経営者から現場のスタッフまで目標を達成するために動くだけです。

もちろん、こうした行動基準が意識されないほど浸透するには、リーダーたちが率先垂範することが必要ですし、時間も手間もかかります。

しかし、導入がうまく進めば、ビジョンという行先にレールが敷かれるような大きな効果をもたらします。行動基準ができるということは日々の活動にルールができることを意味します。

そしてビジョン実現を最大の価値とすることで、現場でのスピーディな判断が可能になります。したがって、権限はできるだけ委譲した方が経営にもよい効果をもたらします。

ポジティブ・フィードバックで実践を加速する

行動基準は実践のステップです。現実の仕事の中で、いかにビジョンに応じたことを実行できるようにするかがテーマです。

共有のステップが企業内に共通の言語を植えつけ、意識をリセットすることが目的だとしたら、この実践のステップは、ビジョンを体験させることが目的です。

さまざまなチャレンジを通じて「ビジョンによる成功体験」を積ませるようにします。

そして、「ビジョンへの取り組みの推奨→各チームと個人での取り組み→成功体験の共有→成功体験の賞揚」というサイクルを回し、ポジティブ・フィードバックを加速させていきます。

まず、部署ごとにビジョンにどう取り組むか、自分たちの目標を設定する必要があるでしょう。

ビジョンづくりで取り上げた架空のAI企業ABC社であれば、開発部門、営業部門、サービス部門、管理部門などがあり、その下もいくつかのチームに分かれているとします。

ビジョン「すべての人が自己実現できる社会」の実現を目指す場合、開発部門のやることと、営業部門のやることは当然違ってきます。

開発部門が優れたAIプラットフォームをつくる能力があるのなら、営業部門は〝自己実現〟というテーマでどの分野を開拓すべきか考えることが必要です。

開拓するのを教育分野と定めるなら、開発部門と協同して、自分たちの技術的リソースを検討しながら、AIを活用して子供の教育あるいは大人のための教育分野に、革新的な進化をもたらせるアイデアを生み出さなければなりません。

管理部門はそのための財務的なバックアップや、優秀な人材の採用を行う必要があります。サービス部門であれば、お客様からの声などから次の事業のヒントを導き出せないか検討を始めた方がいいでしょう。

このように、ビジョンの取り組みを実践するといっても、部門やチームで目指すところは違ってきます。

ビジョンの創出ステップで行ったチャンク・ダウンを各部署で行い、取り組みをより実行可能な具体性のあるものに変えていく必要があります。

このように、属性はまったく異なった部門間でも、それぞれの実践目標をブレイクダウンして定めることで、取り組みは加速していきます。

ABC社の取り組みの中で、たとえば脳科学を活用した画期的な学習用プラットフォームが完成し、それを導入する学校が急増し始めて、売り上げに大きな寄与をしたとします。

こうした成功事例はできるだけ早く社内報やイントラネットなどで詳細にレポートし、関係者のインタビューを載せるなど、社内共有をはかります。

また、表彰制度を設けて、社長賞やビジョン大賞などの名目でチームを表彰します。

表彰制度へのエントリーはできるだけオープンで、敷居の低いものにし、自薦他薦などで参加でき、選考過程も公開し、候補を全員参加で投票するなど、参加意識、共有意識の高いものにしていくことをお勧めします。制度が整っても形だけになってしまい、熱のないものになることも多いからです。

ビジョンのためのサポート環境を整備する

新たなビジョンを導入することは、組織変革に直結します。つまり、多かれ少なかれ痛みと抵抗を伴います。人間でいえば日常生活すべてを見直し、生き方を変えることに匹敵するのです。

自分にあてはめてみれば、日々繰り返してきたことを大きく見直し、新しい習慣に置き換えることが難事であることは理解できるはずです。

ましてや大きな組織で行うには当然難しさが伴います。共有が進みだしたら、次に、ビジョン実現に向けた取り組みへのサポートです。

具体的には人員、時間、資金など必要なリソースを必要な部署に適宜振り分け、実現を手助けする体制を整えるということと、やる気や意欲を引き出すためのインセンティブを用意します。

ABC社であれば、社員の自己実現につながるような仕組みを取り入れ、社員の成長がビジネスの成長につながるような人事の仕組み、評価制度、教育制度、採用基準などを導入します。

また人事評価を業績連動と、ビジョン連動に分けることも考えられます。

ビジョン連動の場合は、たとえば行動基準の視点で、ビジョン実現への行動はどうであったかを、上司、同僚、本人、部下あるいは深く関係する他部署なども含め360度で評価するようなやり方があります。

インセンティブは、成果として直接給与やボーナスなどの賃金や昇進に反映することができますし、休暇やチームに対する報奨金などの制度で対応しても良いでしょう。

大切なのは、公平な評価基準をつくり、オープンな制度の中で運用することです。成果を出しやすい営業や開発部門だけでなく、バックヤードの管理部門も含め、全社的に平等な制度をつくりましょう。

ビジョンは経営のスピードを上げる

ビジョンを土台にした経営が浸透、定着すると、経営や日々の仕事は明らかに効率化します。経営判断もビジョンに照らし合わせれば済むからです。

これはビジョン経営の大きな、大きなメリットです。

数字や効率のみを見て経営する以上に(もちろん営利企業にとって売り上げや利益などの数値は重要だということが前提です)、判断基準が明確で迷いが少ないので、スピードが上がるのです。

これはAmazonの驚異的な経営スピードを見れば明らかです。また、世界企業になるほど、多様な場所に、多様な人種、キャリアの人々が集うことになります。

最近では小さなIT系企業でも、こうしたさまざまな文化的背景を持つ多国籍な人材を抱えるところが多くなりましたが、関わる人々をまとめ、一つの方向に動かしていくには明確なビジョンを掲げて、行動の価値基準を示すことが、もっとも効果的かつ効率的です。

シリコンバレーの企業経営における決断の速さは、必要に迫られてやっている側面もありますが、やはり射程を長くとってビジョンを描き、そのビジョン実現のために、日々のビジネスを行っている部分が大きいからだと感じます。

そして、こうしたビジョンを中心にした経営を続けていくと、社員の仕事が効率化します。なぜなら、社員誰もがビジョンをすべての判断基準にすればよいからです。

また、現場で判断できるため、上司に判断を仰ぐというムダも大いに減ることでしょう。つまり、ビジョンは組織に自律性を植えつけます。結果、安心して権限を委任し、任される人、任される組織に変化していきます。

ビジョンを掲げた場合、そのビジョンに同意できない人、そのビジョンを実現しようとする組織に合わない人々はどうなるのでしょう。こういう人は自然にはじかれていきます。つまり、辞めていきます。

同じバスに乗って、ビジョンが指し示す場所に喜んで行くのか、それとも途中で降りたくなるのか。ビジョンによって自律的な組織になればなるほど、依存的あるいは官僚的な人はついていけなくなります。

組織の成長に従って、ついていけなくなる人も出てくるでしょう。その会社に残る場合はビジョンに応じた行動をとらざるを得なくなるし、そうでない場合は辞めるようになります。

ビジョンを自分の成長に重ね合わせられる人にとっては心地よい組織になるし、他人事と感じる人にとっては居心地が悪い場所になります。

結果、ビジョン経営は、人材のスクリーニング機能も果たすことになります。この状態を目指すことが本当の意味でのビジョンの定着です。

ビジョンの定着度をチェックする

ビジョンがどれくらい定着しているか簡単に分かる方法があります。それは日常の会話にどれくらいビジョンに関することばが出てくるか、です。

企業には、その企業の風土・カルチャーに応じて独特のことば使いがあります。こうした〝仲間内ことば〟にビジョン関係のことばが日々混じるようになってきたら、定着が進んできたと考えてよいでしょう。

アンケートで調査する方法もあります。左に載せたものは、私が開発に関わっている「イノベーションサーベイ」(@デキル。株式会社)という調査項目の、ビジョンに関するアンケート項目ですが、こうしたアンケートをWEB上で行っても良いでしょう。

アンケートの結果は、レーダーチャートなどで視覚化し、ビジョンの定着にどのような弱み強みがあるかチェックして対応してください。

私は行ったことはありませんが「ビジョン検定」という形で、定着を測る方法もあるようです。これは経営理念の検定試験を社員に課すやり方で①学習②測定(検定試験)③結果分析という三つのステップで行います。

まずは少ない問題を解いて経営理念を理解してもらうステップ。次に中間的なテストを行い、自分の得意不得意を理解しながら学習を続け、再度テストを受けます。

そして最後に結果を本人にフィードバックしながら分析し、全体の傾向(どの理念の理解が乏しいかなど)を把握したりします。

これらすべてをWEB上のeラーニングシステムで提供すれば労力は少なく、理念のブラッシュアップも進むようです。

詳細は『社長の思いが伝わる「ビジョン検定」のすすめ』(日本能率協会マネジメントセンター)にありますので、興味のある方は参考にしてください。

ビジョンの定着度は大きい組織になるほど、イノベーター理論の図31のように普及していくと仮定できます。

イノベーター理論とはスタンフォード大学エベレット・M・ロジャース教授が提唱した理論ですが、消費者を新商品の購入態度で五つに分類したものです。

五つの層は図31のように分かれています。

イノベーターと言われる新しいものにはとりあえず飛びついて試す層、アーリーアダプターと言われる早めに導入し、周囲に影響を与える層、そして7割を占める大多数のアーリーとレイトのマジョリティ層、最後のなかなか手を出さない保守的な層(もしかしたら会社で言えば既存の価値や既得権益にしがみつく層かもしれません)がラガードです。

カギはオピニオンリーダー層でもあるアーリーアダプター13・5%の層をいかに早くつくるかにあります。

この層にビジョン行動が定着し、彼らから成功体験が生まれることで、アーリーマジョリティ層が動きやすくなります。こうした想定で普及シナリオを書いておくとよいでしょう。

アンケートの定着率の調査も初期目標がイノベーター+アーリーアダプターの16%、これにアーリーマジョリティを加えた50%を中期目標に進めるとよいでしょう。

ラガードの層はビジョンを受け入れ、会社が変わっていく中で、ついていけなくなり辞める人と、徐々に変化を受け入れ変わる人に分かれます。

いずれにせよ、まずは、つくり、使うことです。そうすれば、すべては動き出します。

★★★

さて。ビジョンを取り巻く現状を整理し、ビジョンづくりの事前準備を詳らかにした第一部。

そして、ビジョンや理念系のことばの定義、つくり方、定着のさせ方までを語った第二部。

二部構成、全6章を通じて、ビジョンの全体像を伝えることを目的にしたこの本も、ここで終わります。

しかし、現実の世界では、ここからが本当のスタートです。ビジョンという強力な武器を手に入れて行う活動は、この本を置いたときからが本番なのです。

手を抜かず、気を抜かず。でも、ワクワクとした気持ちで「ビジョンを持った日々」へと一歩を踏み出してください。

ビジョンを掲げて前進することは、困難は伴いつつも、夢ある日々を生きることに他なりません。

ビジョンとは、夢を生きる方法でもあるのです。そして、それはあらゆる人、組織に、いつの時代であろうと開かれています。世界は、あなたのビジョンを必ず待っています。たったいま、この瞬間も、すべての場所で。

あとがきEpilogue

本書は、私の中にある、ある種の焦燥感のようなものが書かせたものです。熱情と義務感が溶け合ったシチューのような気持ちが書かせたと言ったらよいでしょうか。

そういう意味では、やはりやむにやまれぬ気持ちで書いた、コンセプトのつくり方を扱った『無印良品の「あれ」は決して安くないのになぜ飛ぶように売れるのか?』に続く著作です。

この焦燥感は、あるべき未来像をなかなか描けない隔靴掻痒感、あるいは臆病なカタツムリのように殻に閉じこもり、なぜかあるがままの現実を見ようとしない、この国への違和感です。

ここ10年、20年の停滞を見ていると、停滞とはチャレンジしない状態ではなく、チャレンジするということが、どういう心の状態なのかも忘れた状態なのだということを痛感します。

海外のメディアに描かれる日本の姿を見ていると、この国だけが時間が止まった不思議な〝透明な鎖国状態〟に陥っていると感じることがあります。

日本は人口減の長い坂道を下り始めています。

この歴史的な人口減、つまり病原菌や戦争・災害などを主因とするのではなく、完全な自然減で人口が劇的に減っていく人口減、そしてそれがもたらす超高齢社会は、この国が、人類史のトップバッターとして迎えている現実です。

私たち日本人は、好むと好まざるとにかかわらず、そう認識していようがいまいが、もうすでに、とっくにこの〝人類史的な課題のバッターボックス〟に先頭打者として立っているのです。

いまの大人たちの手に、近所の公園で遊ぶ子どもたちに手渡せる未来像はあるのか。

せめて昭和世代が1964年の東京オリンピックを迎えたときのような、未来に対する明るさの混じった気持ちの、その半分でも手渡せないものか。

そう考えるとき、私の中には、いつも焦りに似た気持ちが生じてしまいます。しかし、かすかな希望の兆しも見えます。

20代、30代に幾人もの次世代のリーダーと目せる人間が現れています。社会貢献の道に進むエリートたちや、新しい生き方、職業の在り方を追求する若者も増えています。

興味深くも面白い流れが、細々とではありますが、社会のそこかしこに出現しているように感じるのです。ただ、社会の方向を指し示すような大きな流れにはなっていないのが現状です。

あてどない、海図もGPSもないような、さらには目的地も決めずに航海に出ているような、いまの私たちの在り方は、そう長くは続かないでしょう。タイタニックのように氷山にぶつかるか、嵐に巻き込まれるか、座礁するかが落ちです。この状態を風まかせ、あるいはリアクションで乗り切ることはできません。

行先を定め、素早く小さくトライ&エラーを繰り返しながら、進むしかないのです。私たちが真っ先に行わなければならないのは、私たち個々と公共の架け橋となるような「ビジョン」を見出すことです。

現実を見据えたうえで、それでも未来に跳躍する勇気がわいてくるような「ビジョン」を創るべきなのです。

どうか、あなたが居る場所で、あなたがやれる範囲で「ビジョン」を創り、その「ビジョン」とともに進むということを行ってみてください。

こうした同時多発的に発生する小さな試みが、気づかぬうちに大きな流れを引き起こすのです。その流れを、そう遠くない未来に見ることを願いつつ、筆を擱きたいと思います。

さて。

本書は、私ひとりの力では到底日の目を見ることはありませんでした。

本を書くのは出産に近い、と言うと女性たちに笑われてしまうでしょうが、それでも、もやもやとじぶんの脳内にある思いや知識をつないで編み上げていく作業は、まるで脳からの出産のようで毎度毎度へとへとになってしまいます。

まわりの励ましや協力がなければ無理だと、これも毎度毎度思います。

謝辞を捧げたいと思います。

AI企業の視点で第2部のパートをチェックしてくれた株式会社ロボマインドの田方篤志さん、ときどき出て来る英文翻訳のチェックをしてくれた私の英語の師匠でもある翻訳家の栗宇美帆さん、そして執筆時に何度も励ましをいただいたエグゼクティブコーチの守屋火奈子さんに、まず感謝したいと思います。

みなさんのサポートは原稿の完成度を上げていくのに本当に助けになりました。また、作家の本田健さんにはお忙しい中、本書の構成に関して貴重なアドバイスをいただきました。ありがとうございます。

執筆に半年以上もかかり、取材などで会社を空けることも多かったのに、きちんと本書を仕上げられたのは、日常的な仕事の大半をつつがなく進行させてくれたメインスタッフである内田健一の頑張り、そして青山国雄、高栁しのぶの協力がなければ到底無理だったでしょう。

心より感謝したいと思います。

本当にありがとう。

さらに私のマーケティングの師匠である小林正弥さん、いつもいろいろとアドバイスをくれる菅畠斉伸さんにも執筆中いろいろなサポートをもらいました。

感謝いたします。

出版のきっかけをつくってくれ、また企画から実際の執筆まで足かけ3年という長い期間、朝日新聞出版の担当編集者である森鈴香さんには本当にお世話になりました。

あたたかい励ましのおかげで、真冬から酷暑の夏まで原稿をコツコツと書きつないでいくことができました。

心から感謝いたします。

また、帯文を寄せていただいた一橋大学大学院教授の楠木建先生にも、心より感謝申し上げます。

ベストセラー『ストーリーとしての競争戦略――優れた戦略の条件』(東洋経済新報社)は、一読以来、私の座右の書として数多くの付箋が貼られ、また傍線で汚れている本で、こういう本がいつか書けたらと思う、はるかな遠い目標でもあります。

拙稿を読んでいただき、帯文をいただけたことは大変光栄に思います。本当にありがとうございました。この他にも、たくさんの友人・知人に応援してもらいこの本は誕生しました。

最後に勝手ながら、いつもせっかちで気分が上下しやすい自分を、辛抱強くかつあたたかく見守ってくれる妻・麻里子と娘・杏香、姪っこ・亜紗子。

そしていつも応援してくれる母・教、妹・加奈子、弟・大輔にも、ありがとう!

そして、いちばんの感謝は、この本を手に取り、読んでくださった読者のみなさまに捧げます。あなたの存在がなければ、この本は書かれもせず、生まれもしなかったのです。いつかどこかで、あなたと素晴らしい「ビジョン」を語り明かすことを夢見つつ。

2018年初冬の横浜にて江上隆夫

参考文献・平田オリザ著『下り坂をそろそろと下る』(講談社現代新書2363)講談社、2016年・内田樹著『日本辺境論』(新潮新書336)新潮社、2009年・ブラッド・ストーン著、井口耕二訳『ジェフ・ベゾス――果てなき野望』日経BP社、2014年・リチャード・ブラント著、井口耕二訳『ワンクリック――ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛』日経BP社、2012年・佐藤将之著『アマゾンのすごいルール』宝島社、2018年・イヴォン・シュイナード、ヴィンセント・スタンリー著、井口耕二訳『レスポンシブル・カンパニー』ダイヤモンド社、2012年・イヴォン・シュイナード著、井口耕二訳『新版社員をサーフィンに行かせよう――パタゴニア経営のすべて』ダイヤモンド社、2017年・ForbesJAPANテキスト:藤吉雅春著『COVERSTORY慎泰俊五常・アンド・カンパニー共同経営者兼代表取締役ピープルビジネスとは何か?「地球全員が一肌脱ぐシステム」への道』2018年8月号、24‐31ページ、アトミックスメディア・日本経済新聞『企業価値、22社が100億円以上NEXTユニコーン調査』2017年11月20日付電子版・日本経済新聞『「金融サービス、不平等なくす」五常・アンド・カンパニー慎泰俊代表』2017年12月8日付朝刊・日本経済新聞『夢かなえる小口融資世界に広げる(アントレプレナー)五常・アンド・カンパニー慎泰俊代表』2018年6月25日付電子版・日本経済新聞『五常・アンド・カンパニー、10億円調達』2018年6月29日付電子版・日本経済新聞『トヨタも頼るAI異能の100人集団プリファードのすべて(1)』2018年1月15日付電子版・日本経済新聞『35歳コンビ、「盛田・井深の再来」かプリファードのすべて(2)』2018年1月16日付電子版・日本経済新聞『10日で書き上げたAIの世界標準プリファードのすべて(3)』2018年1月23日付電子版・日本経済新聞『もうクラウドじゃない異端のAI、巨人を動かすプリファードのすべて(4)』2018年1月29日付電子版・福岡市『「グローバル創業都市・福岡」ビジョン』2015年3月・福岡市『福岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略――キラリと光るアジアのリーダー都市をめざして』2015年10月・リチャード・フロリダ著、井口典夫訳『クリエイティブ・クラスの世紀』ダイヤモンド社、2007年・朝日新聞GLOBE『遺伝子操作解読、編集の次は人工細胞へ』2018年7月1日発行通巻207号、03ページ・ケヴィン・ケリー著、服部桂訳『〈インターネット〉の次に来るもの――未来を決める12の法則』NHK出版、2016年・ケヴィン・ケリー著、服部桂訳『テクニウム――テクノロジーはどこへ向かうのか?』みすず書房、2014年・公文俊平著『情報社会学序説――ラストモダンの時代を生きる』(NTT出版ライブラリーレゾナント001)NTT出版、2004年・公文俊平著『情報社会のいま――あたらしい智民たちへ』NTT出版、2011年・新井紀子著『AIvs.教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社、2018年・ピーター・H・ディアマンディス、スティーヴン・コトラー著、熊谷玲美訳『楽観主義者の未来予測――テクノロジーの爆発的進化が世界を豊かにする』(上・下)早川書房、2014年・アルビン・トフラー、田中直毅著『「生産消費者」の時代』(NHK未来への提言)NHK出版、2007年・野口悠紀雄著『「産業革命以前」の未来へ――ビジネスモデルの大転換が始まる』(NHK出版新書550)NHK出版、2018年・エマニュエル・トッド、ピエール・ロザンヴァロン、ヴォルフガング・シュトレーク、ジェームズ・ホリフィールド著『世界の未来――ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本』(朝日新書653)朝日新聞出版、2018年・サイモン・シネック著、栗木さつき訳『WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う』日本経済新聞出版社、2012年・慶應義塾大学大学院SDM研究科作成・監修NIKKEIDESIGNセミナー『デザイン・シンキング実践ワークショップ――デザイン思考とシステム思考の融合で真のイノベーション創出へ』テキスト2014年・2015年・2016年版・ジェームズ・C・コリンズ、ジェリー・I・ポラス著山岡洋一訳『ビジョナリー・カンパニー――時代を超える生存の原則』日経BP出版センター、1995年・ケン・ブランチャード、ジェシー・ストーナー著、田辺希久子訳『ザ・ビジョン――進むべき道は見えているか』ダイヤモンド社、2004年・バート・ナヌス著、産能大学ビジョン研究会木幡昭、廣田茂明、佐々木直彦訳『ビジョン・リーダー――魅力ある未来像の創造と実現に向かって』産能大学出版部、1994年・田中雅子著『経営理念浸透のメカニズム――10年間の調査から見えた「わかちあい」の本質と実践』中央経済社、2016年・宮田矢八郎著『収益結晶化理論――『TKC経営指標』における「優良企業」の研究』ダイヤモンド社、2003年・佐藤信也、秋山進著、イー・コミュニケーションズ編『社長の思いが伝わる「ビジョン検定」のすすめ――経営理念が全社員に浸透するとっておきの方法』日本能率協会マネジメントセンター、2012年*インターネット経由の情報は基本的に本文中に明示したため参考文献には含めませんでした。

ご了承ください。

なお、本書に登場する企業、用語、事実関係の確認には幅広くインターネット上の各種情報及び辞書等を参考にしております。

江上隆夫TakaoEgami株式会社ディープビジョン研究所代表取締役ブランド戦略コンサルタント「本質からブランドを組み立てる」というアプローチで、全国の中小企業から大企業までブランドづくりのコンサルティングを行っている。

長崎県五島列島出身。

大学卒業後いくつかの広告制作会社を経て18年近く大手広告代理店アサツーディ・ケイにてコピーライター及びクリエイティブ・ディレクターとして、さまざまな業種の企業広告キャンペーンやブランド構築にかかわる。

朝日広告賞、日経広告賞グランプリ、日経金融広告賞最高賞、東京コピーライターズクラブ新人賞ほか数多くの受賞で評価を高め、2005年に独立。

現在は、クリエイティブを行う「ココカラ」と、ブランド・コンサルティングやセミナーなどを行う「ディープビジョン研究所」の2社を経営している。

企業全体を俯瞰で見てデータ的・マーケティング的に捉える手法、企業カルチャーや独自性などから価値を引き出すデザイン思考的な手法、またビジョンやミッション、コンセプトなどを引き出すクリエイティブ的な手法の、三つの手法を組み合わせた“ESSENTIALBRANDING”(エッセンシャル・ブランディング)を提唱。

数千万から百億を超える規模までのブランド運営にかかわり、数多くの企業、経営者に支持されている。

最近はブランディングやコンセプトづくりなどの企業研修、イノベーションスキルを開発する事業、個人向けにブランディングを教える塾〝創風塾〟を主宰するなど、活動の幅を広げている。

著書にロングセラーになっている『無印良品の「あれ」は決して安くないのになぜ飛ぶように売れるのか?』『降りてくる思考法』(いずれもSBクリエイティブ刊)。

開発商品に発想支援のための「イノベーションカード」(デキル。

株式会社/イノベーションデザイン協会)などがある。

ディープビジョン研究所https://deepvisionlab.jpココカラhttps://cocokara.jp創風塾https://sofu.tokyo

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次