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第1章 データがたまっていくのはなぜ?

Word、Excel、PowerPoint、メモ帳、画像、写真、PDF。ZoomやSlackなどのアプリ。デスクトップに大量にある、さまざまなショートカット。

細かく分けるとキリがないので、本書では、これらのものを総じて「データ」と呼んでいます。そして、データを片づける場所、保管先の入れものを「フォルダ」と呼んでいます。

用語としての厳密な定義はありますが、この本はIT用語解説集ではないので、お片づけに必要な部分だけ、ざっくり理解できれば十分です。

さて、みなさんは、ご自分のパソコンやクラウドなどの保管場所で、どこに何のデータがあるのか、どれぐらいの量が保管されているか把握していますか?必要なデータがいつでも取り出せ、すぐに使える状態になっていますか?あらためまして、ふかひれと申します。

普段はフルタイム+残業必須+休日出勤ありという職場で働く、就職氷河期世代の会社員です。

この本に目を留めてくださったあなたは、少なからず、データやフォルダの整理方法に悩んでいらっしゃるのだと思います。

お部屋の片づけについては、数多くの書籍が出版され、テレビ番組などで特集が組まれるほどですが、データの片づけに関してのノウハウはあまり世に出ていません。

データは、モノと違って物理的な存在感がありません。そのため「片づけ」のカテゴリの中では、いつもあと回しにされてしまいます。

ですが、モノでもデータでも、探しものをする時間は何も価値を生み出さない、いわば「ただのムダな時間」です。

例えば、毎日5分間データを探している人だと、1年365日で1,825分探しものをしていることになります。

時間で換算すると、約30時間。

仮に時給1,500円で働いているとすれば、1,500円×30時間=45,000円……!ちょっとした旅行に行けますね。

まさにチリツモ。

小さなパソコンやスマートフォン上での探しものにこの時間を使うぐらいなら、その分遊んだり、ゆっくり休んだりした方が心が幸せになると思いませんか?

私は、ベンチャー企業から大手上場企業までさまざまな会社で働いてきましたが、データをきれいに整理整頓している部門や会社員は、全体の2割もいませんでした(一般社員とは反対にIT専門職の方々は、8割のメンバーがきっちり整理していました)。

個人のものはまだしも、ある程度の人数で管理しなければならない会社のデータでは、Aさんはどこに何があるか把握していても、Bさんは把握していないというケースも、よく見られました。

必要なデータがどこに保管されているのかわからなくて尋ねると、決まって言われるのが「検索して。たぶんいくつかデータ出てくるから開いて中見て探して」です。

使っている本人たちも同じように、よく探していました。保管場所を聞いても答えられないわけです。

誰かに聞かなくても、ひと目で「どこに何のデータが保管されている」のかがわかれば、面倒な引き継ぎは不要になると思いませんか?本書では「いつ」「誰が見ても」「どこに何があるかわかる」データの片づけと、整理整頓方法について、お伝えします。

最近のデータはクラウド(※1)や共有ドライブ(※2)での保管が主流になっていますが、整理と管理方法の基本を押さえてしまえばどんな媒体でも応用できます。

<簡単な用語解説(おおまかなイメージです)>

※1「クラウド」……インターネット上のお片づけ用の大きな箱。会社や、パソコンの外にある保管場所。

※2「共有ドライブ」……会社のネットワーク上の空間にある大きな箱で、許可をもらった人たちが中にデータを保管することができる場所。

「クラウド」「共有ドライブ」を併用している会社もあります。本書は、同僚とデータを共有することが多い会社員向けの手順書ではありますが、整理方法については個人の方にも参考にしていただけます。

基本は同じです。基本を押さえてしまえば、ブックマーク整理や、アイコンだらけのデスクトップの整理にも活用できます。

この本は、全部で5章から成り立ってます。第1章では、なぜデータが増えてしまうのか。どうしてたまってしまうのかについて書いています。お心当たりのある方、いらっしゃるのではないでしょうか。

第2章では、実際の片づけ方法(不要なデータを捨てる方法)についてお伝えします。

第3章では、新しい保管場所(フォルダ)を作り、実際に移動させる手順を解説。また、新しい保管場所を利用する時のルールについても書いています。個人のデータの片づけ方法が知りたい方は、この章から読み進めてもよいかもしれません。新しい保管場所を作るにあたっては、タイトルのつけ方のルールについて説明します。

第4章では、Word、Excel、PowerPointなどのデータ類にタイトルをつける時のポイントについて説明。

第5章では、第2章で捨てきれなかった残りのデータのお片づけと、今後どうやってきれいな状態を保っていくのかについてお伝えします。

手順に添ってデータ整理を終えたあとには、二度と散らからず、すぐに仕事や勉強にとりかかれる環境が整っていることでしょう。

次のページに載せている図は、保管先の名称について説明したものです。ここから先の説明ではよく出てくるものなので、一度ご確認ください。

(モノクロでもわかるように番号を振っていますが、カラーで見た方がよりわかりやすいです)それでは、始めましょう。

【図解】※図解は、カラーで見ることをおすすめします。

目次

◆誰も、管理方法を知らない。決まったルールもない。やり方を知らない◆

「どこかに保存していたと思う。検索してみて」異動したばかりの部署で、先輩によく言われました。

パソコンの検索精度は近年著しく向上しているので、検索すれば出てきます。キーワードのひとつが一致しただけの似たようなデータ、似たようなタイトルがついたものが大量に。

大多数の人が情報共有する会社あるあるですが、個人で管理しているデータを探す時でも似たような探し方をしていませんか?私たちはさまざまな情報があふれる社会で生きています。

インターネット上にはあらゆる情報があり、真新しいものがどんどん出てきます。埋もれてしまう情報も多いので、見つけたらすぐにブックマークしたり、画面ごとクリップしたりすることも多いでしょう。

自分がどんなデータをどれだけ所有しているのか、把握している人は少ないのではないでしょうか。最近は、個人情報は何年保存、と厳格に定めている会社が多いです。

しかし、それ以外のデータについては、保管期限や削除規定があいまいな会社も、また多いものです。いざ必要な時に取り出せない。

思い出の写真を見返そうとしても、雑多に放り込まれているので探すのに時間がかかる。そして新しく保存したデータがたまっていき、昔のデータはどんどん埋もれていく。悪循環です。

残念なことに、私たちはデータの保存の仕方※は教わりますが、保存したデータの保管方法を教わることは、ほぼありません。

(ざっくり解説)

※データをそのままの状態で残すことを「保存」といいます。

※保存したデータを管理することを「保管」といいます。フォルダなどに整理することも「保管」です。

会社では人に紐づいたデータが多く、個人ではなんとなく捨てられないという、漠然とした不安や思い出に紐づいた情報が多いのだと思われます。

会社の場合、情報漏洩の観点から、最近では個人のパソコンへのデータ保管を禁止することが多くなりました。

そのため、割り当てられた個人ドライブに保管したり、プロジェクトごとに指定されたフォルダを使ったりします。

しかし、終わったプロジェクトのデータや一時的に個人ドライブに保管したデータも消されることはなく、ため続けられています。

その理由は「いつか使うかもしれない」「次のプロジェクトの参考になるかもしれない」と考えてしまうからです。

この考え方では、個人のドライブならまだしも、共有ドライブの場合、問題が生じます。誰かが気軽に保管した情報は、残念ながら他の人が気軽に処分することはできません。

また、個人で管理しているデータも、安全のため、クラウドに保管する方が増えています。

月数百円程度の料金で容量を増やすことができるため、文字通り「置きっぱなし(保管しっぱなし)」という状態に簡単に陥ってしまいます。

◆どうやって管理すればいいの?◆

会社の場合、異動や転職などで、管理していた人がいなくなることも珍しくありません。もちろん最低限の引き継ぎはするでしょう。

しかし、重要なデータや保管場所の引き継ぎは行われても、重要なデータを作成するためのデータや、保管理由など、細かい部分の引き継ぎがなされることは、かなり稀です。

個人の場合は、データを探すのに時間がかかっても怒られないので、汚くしていても困りません。本人以外は。

そして、お部屋と違って保管場所を人に見せることもないので、管理自体せずにミルフィーユのようにデータを蓄積している人が多いです。

いちばんいい管理方法は、仮に初めてデータの保管場所を見た人でも、ひと目で「どこに」「何のデータ」があるのかすぐわかるレベルに整理すること。

これに尽きます。これさえできれば、データを探すことはありません。必要なデータがどこにあるのか、すぐにわかります。

誰かに聞かなくても、保管場所を細かく覚えていなくても、見れば、何があるのかわかる。これが最終目標です。それでは、いよいよ実践していきましょう。

第1章のまとめ

  • データがたまっていくのは、誰も管理方法を学んでこなかったから
  • ひと目で、どこに何のデータがあるのかわかる

管理方法にすれば、保管場所を細かく覚える必要はない

 

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