第一章 壁を抜けられない社長達
壁を抜けられない社長達ある社長のリアルストーリー壁を抜けられない社長に何が起きているのか?意識レベルの限界
はじめに
なぜあの社長は壁を抜けられないのか?
変化の激しいこの時代。経営をしていく中で、越えられない壁にぶち当たる瞬間が必ず来ます。それは全ての組織に訪れます。
その時、多くの社長は「俺の考えだけではもうダメ」「もっと部下に任せるべき」「システムを導入すべき」と考えます。
この考えこそが「稼げない社長になる」はじめの一歩なのです。
部下に任せるという考えは、一見優れた社長の考え方のように思いますよね。実はそれが誤りなのです。変化の激しい時代、先の見えない時代。
実は部下だって「どこに」進めばいいのかわかりません。「どうやって」進めばいいのかだってわかってません。そんな時に社長が「お前に任せる」と言い放ったところで、部下は機能しないのです。
大きな壁にぶつかった時、本当に頼りになるのはシステムや部下ではありません。
ここまで会社を引っ張ってきた社長、あなた自身なのです。組織が大きな壁にぶち当たった時。それは、社長自身が今までの自分を超える時。あなたの変化が組織を活性化させるのです。
本当に頼れるのは社長、あなた自身なのです。本当はわかっているはずです。自分にはまだ活かしきれていない能力があることを。
まだ目覚めていないけど、覚醒したらもの凄いことになることを。自分はまだ上に行けることを。
でも方法がわからないだけなのです。では、その方法を教えますね。今のマインドを捨て、稼ぐ社長のマインドセットに変換する。これが、壁を抜けて次のステージに行く方法なのです。
「マインドセット」。
この言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
そして、それがなんとなく重要なものであるということを知っているものの、「マインドセット」を意図的に自分のために活用している人は殆どいません。
そうなのです。「マインドセット」の重要性を知りながら、それを上手に活用しているのは一部の人達だけなのです。
私は、エグゼクティブコーチングトレーナーとして、今まで数億円から数百億円の会社の社長のメンタルトレーニングを行ってきました。
その中で、多くの社長にマインドセットを活かす方法を伝えて来ました。彼らは目覚ましい変化を起こします。
なぜならマインドセットを意図的に行うことにより自らを変容させることができるからです。
本書では「稼ぐ社長のマインドセット」についてお伝えしていきます。
まず前半では、壁を抜けられない社長に何が起きているのか? を解説し、現在の自分の状況を把握していただきます。その後に「マインドのしくみ」を知ることでマインドを扱っていく準備をします。
そして後半では「稼ぐ社長のマインドセット」の具体的な方法をお伝えします。最後に、稼ぐ社長のマインドセットを上手に実践し、大きな成功を収めている達人の優れたやり方を紹介します。
この「稼ぐ社長のマインドセット」は経営者の方をイメージしてまとめたものですが、全てのビジネスパーソンに役立つ内容です。
是非、皆さんもこの本を読んで「稼ぐ社長のマインドセット」を手に入れてください。
第一章 壁を抜けられない社長達壁を抜けられない社長達経営者はみんな、達成したい目標や、こうなりたいというビジョンを持っています。
そこに向かっていく過程で、いくつもの「越えられない壁」が出現してきます。越えられない壁にぶち当たっている企業では、様々な現象が起きています。どのようなことが起きているかというと…。
【売り上げ】
- ここまでは伸びてきた。が、その後、売り上げが横ばい。
- いろんな手を打っているが、効果が出ない。むしろ最近下がって来ている…。
- 売り上げが上がって四億、五億見えてきたと思ったら、また下がってしまう…。それの繰り返し…。
【経営陣】
- 社内のナンバー2の横領が発覚した…。
- 経営陣の謀反、抵抗にあう…。
- ボードメンバーに骨がない…。
- どうしてもブランド力がつかない…。
【人材】
- 五人採用したら四人辞めてしまう…。
- 社員数が三十人から超えられずに出たり入ったりしている…。
- 部下に任せたいのだが、部下が育たない…。
- いつまでたっても自分がナンバー 1営業になっている…。
- いい人材を確保できない…。
そして、目の前にある大きな壁を越えられずに何度も跳ね返される…。同じところにずっと留まっている…。そして、じり貧になっていく…。
なぜ、このような現象が起きているのでしょうか?それは、社長が「優秀」だからです。
このような社長達は、やってやろう! という強い反骨精神でトラブルを跳ね返してきた人や、先見の明があったり、強い人脈をつくれるコミュニケーション能力があったりと、様々な側面で優秀だからここまで来たのです。
だからこそ、今のこの壁にぶつかっているのです。わかりますか? 優秀だからこの壁にぶつかっているのです。今までのやり方は間違っていなかったのです。
ただ、この先はこれではダメなのです。
私は、今まで何人もの社長達をみてきました。壁を抜けていく社長もいれば、壁を抜けられない社長もいます。そして、その壁にぶち当たるところまで来れない社長もいました。
そんな中、大きな壁をさらりと抜け生きたいように生きている社長は、他の社長とどんな点が違うのでしょうか?あなたは知っていますか?
それは、マインドセットの違いなのです。壁を抜けていく社長は、意図的に特別なマインドをセットしているのです。
今まで持っていたマインドを捨てて、新たなマインドを手に入れています。その特別なマインドセットができるかどうかで、壁を抜けられる/抜けられないが決定されていくのです。それが「稼ぐ社長のマインドセット」なのです。
本当にマインドセットの違いで結果が変わるの? と思った方も多いと思います。そうなんです!多くの社長は、ことの重大さに気づいていません。だからチャンスがあるのです。
では、その「ことの重大さ」をお伝えするために、今からある社長のリアルストーリーを紹介します。この社長の中で何が起きているのかを探ってみてください。
ある社長のリアルストーリー ◇思いを込めて起業 ◇
その社長は、強い気持ちで起業しました。家族を養いたい。純粋にお金持ちになりたい。そして、みんなを見返してやりたいという反骨精神がありました。
彼には、「まずは動く!」「自信をもってやれば必ず成功する!」という信念がありました。そして、彼は積極的に行動していくことで、いろんな困難を乗り越えてきました。
◇成功そして、次のステージへ ◇
彼は、ついに勝利を手にします。目標にしていた売り上げ一億円を突破します。そう、彼は最初の成功を収めたのでした。見事に成功を収めた社長は思いました…。
もっと大きくしたい。もっと安定したい。家族のために。社員のために。彼は次に売り上げ三億円を目標にしました。
彼は、安定的な経営と規模の拡大を目指し、社員の育成に力を入れました。自分が見本になり、ノウハウを教えていくことを決めました。
「まずは動いてみよう!」「もっと積極的になろう!」「自信をもってやってみて!」。
彼のやり方を伝えます。
そして「もっと意識を高く!」と。
しかし、社員は彼が望むような動きができません。そのためなのか売り上げも上がりません。
◇立ちはだかる壁 ◇
「なぜ、わからないんだ…。なぜ、真剣に考えないんだ…。なぜ、経営者意識を持てないんだ…。俺はここまで一人でやってきた。誰にも教われなかった。たくさん苦労した。だからみんなに教えているのに…」
彼は、とても悔しく、むなしい気持ちになりました。失意の中、彼はあることに気づきます。
「そうか…所詮、みんなにとって自分の会社じゃない…。だから、本気になれないんだ。仕方ないことかもしれない。だとしたら、自分がやり方を変える。その時が来たのかもしれない…」と。
◇大きな決断と意識改革 ◇
彼は「今まで、自分のやり方を押し付けてきた…。だから〝オレ流を捨てよう〟」と決断しました。
その結果、三つの意識改革をすることにしました。
一 時代に合った考え方、知識を習得する
マーケティングを学び、時代のニーズを把握しよう。どんぶり勘定はダメだ。財務管理を徹底させよう。
二 しくみを導入する
感覚で人を評価するのをやめよう。人事評価システムの導入だ。
三 もっと部下に任せる
自分が先頭に立ってはダメだ! 部下を信頼し、仕事を任せよう。人材の育成をしっかりやろう。社員研修の依頼をしよう。彼は、確実にこの三つを実行しました。
◇どうしても…抜けられない… ◇
しかし、それでも三億円という壁は抜けられませんでした。むしろ売り上げは下がり、社員は辞めていきます。彼はパニックになります。
「なぜだ! やり方を変えたのに…。しくみも導入したのに…。部下にも任せているのに…」いったい、何が悪いんだぁ!いかがでしたでしょうか。
さて、彼がなぜ、三億の壁を抜けられないか。
その理由がわかりましたか?ピンときていない方も多いのではないでしょうか?壁を抜けられない社長に何が起きているのか? 先ほどのように、経営者は、時代の流れにマッチしていくために常に変化を求められます。
したがって経営者は『行動』を変えることで、結果を出そうとします。また、今までの自分の『考え方』を変えようとする経営者もいます。行動や考え方(思考)を変えることで結果を出す。それはとても重要なことです。
ただし、それだけでは越えられない壁もあります。
先ほどの社長も、行動も思考も変えたのに壁を抜けられませんでした。なぜでしょう? この社長はある重大な事実に気づいていないのです。
「行動を変える」「思考を変える」この二つに共通することは、どちらも「意識的に行動や思考を変える」ということです。つまりこの社長が行ったのは「意識レベルでの改革」でした。
しかし、意識的に行動や考え方を変えても上手くいかない場合があります。それは意識レベルが限界に来ているということです。意識レベルの限界意識レベルの限界が来ている。
それが意味することはなんでしょう?それは、今のあなたは限界に来ました。ですから進化してください、という意味なのです。
別の言い方をすると、あなたが次のステージに上がるタイミング来た。そのステージとは、今までとは異なるレベルのステージ。ビジネスを別次元に飛躍させるステージです。つまり、意識レベルの限界とは、今までの自分を超えて次のステージに入るサインなのです。
そのタイミングが来ているのにもかかわらず、意識レベルの改革で結果を出そうとする社長は、当然、壁に跳ね返されます。
彼らの多くは自分の才能の限界だと感じ、解決策を自分以外に求めます。「もっと部下に任せないと…」「しくみを導入しないと…」「アウトソーシングを検討しよう…」と。ちょっと待ってください!そんなもったいないことをするのは。
「今までの自分を超えて次のステージに入る」そのチャンスを確実に活かしてください。そのためには「変容」が必要。自分を超える自分になる。そのためには自分を「変容」させることです。変化でなく「変容」。
違いがわかりますか? 「変容」とは、溶かして再形成することです。今までの自分を溶かす。そしてそこから、生まれてくる自分。そこからしか生まれてこない自分。それが新しい自分になります。その新しい自分がビジネスを別次元に飛躍させていくのです。
ここで、「変容」についてイメージをつかんでもらうために、ある生き物の話をしますね。
地球上にはいろいろな生き物がいますが、その中で「変容」することで別次元に進む生き物がいます。その代表的で身近なものが「蝶」です。
青虫はある大きさまで成長すると、いったん動きを止めてサナギになり、そこから全く別の姿に変わり蝶になります。サナギから蝶へ。
彼らはどのようにして、あれだけの大きな変化を行っているのでしょうか? 実は、サナギの間、身体の中の細胞をドロドロに溶かすのです。そして全く違う形態に再形成させます。このような大きな変化を、「成長」ではなく「変容」と呼びます。
この変容のプロセスには、注目すべき点がもう一つあります。それは、この大きな変化をするにもかかわらず、何も足していない、ということです。
いいですか、青虫は、サナギになってから何も食べていません。今まで持っていた細胞だけ。それを溶かし再形成することで、あれだけの変化を成し遂げるのです。
これって凄いことですよね。変容した蝶は、別次元の世界を生きていくことになります。茎や葉をはって移動するのではなく、空を飛び移動します。ということは、見える世界が変わります。
視界が広がり、視点が変わり、風を感じ、羽ばたいていきます。生きていく環境は変わっていないのに、自分が感じる世界を変えることができるのです。
今まで下から見上げていた花々さえ、上から見ることができるようになるのです。このように、青虫の変容は、サナギになりいったん細胞を溶かして再形成することで蝶になります。
これは、蝶が持つ変容のメカニズム。つまり生まれながらにして持っているプログラムです。
ですが、実は人間も、変容のメカニズムを持っているのです。人間の変容のメカニズム。それが、マインドセットなのです。
今、あなたが持っているマインドをいったん溶かし、マインドをセットし直す。このことで、人間の変容が可能になるのです。
よく、死に直面した方やどうしようもない逆境を乗り切った人が、その後、全く違う人間になり、別の次元に進むことがあります。
これは、生死をさまよう体験をする、牢獄に入る、倒産する、このような窮地に立たされると、人には否応無しにマインドセットのプログラムが作動し『変容』が起きます。
しかしこれは狙ってできるものではないし、好んでやりたいとも思いませんよね。
ですから、マインドセットのステップを知り、意図的に新しいマインドを手に入れてしまえばいいのです。
このことを知っている大企業の経営者、トップアスリート、政治家などは、マインドセットすることで自己変容していきます。
ですから、彼らは成長の速度が圧倒的に速かったり、大きく環境が変化しても「結果を出し続ける」ことができるのです。
自己変容をしないで、部下やしくみに任せる社長というのは、さしずめ、大空を飛びたがっている青虫が羽を買ってきて、自分にくっつけているようなものです。
そのくっつけた羽は飛んでいる最中にとれてしまうのに…。世の中には、ビジネスを加速させる優秀なしくみやシステムがあります。
人事評価制度。
組織マネージメント。
マーケティング。
販促ツール。
社員研修。
ただ、わかってもらいたいのは、これらはビジネスを加速させるための「強力な武器」だということです。その「強力な武器」を最大限に使いたおすためにも、社長が変容を行うことが重要なのです。
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