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第15章転―――成功のための第一四のステップ強烈な本能を創造的なものに転換せよ

目次

●エネルギーをうまく活用する

「転換」という意味を考えてみよう。簡単に言えば、「エネルギーを他のものに移行させる」ということである。

本章では人間の持つ本能のうち、最も強烈なものとされている性本能(性衝動)にスポットをあてて考えてみよう。

性の衝動とは、心のさまざまな働きの中の一つである。しかし世間一般には〝肉体的な現象〟としてとらえられている。

※性の衝動は、一般的に肉体的な現象として考えられている。

確かに性の衝動は本質的には肉体的なものではあるが、精神的なものでもあるのだ。性衝動は、次の三つの建設的な役割を担っている。

  1. 一、人類の永続
  2. 二、健康の維持(臨床的には最高だ)
  3. 三、性衝動の転換によって凡人を天才に変える

性衝動の転換とは簡単に言えば、性エネルギーを肉体だけの付き合いとして考えるのではなく、他のエネルギーに変えて活用しようとするものだ。

※性衝動を肉体ではなく、他のエネルギーに変えるとは、どうすればいいのか。

性欲は、人間の欲望の中でも最も強いものである。人間がこの欲望に駆られるとき、日常的なレベル以上の優れた創造力、勇気、意思の力、忍耐力や想像力などが強烈に発揮される。

※欲望にかられているときに、想像力、勇気、意思の力、忍耐力が強烈に発揮される。

その欲望があまりにも強いため、命も名誉もなげうってしまうことすらある。

この衝動をうまく活用して他のものに転換することができれば、文学や芸術の創作活動などに大いに役立つことだろう。もちろん、富を築くエネルギーとしても活用できるのだ。

性衝動を他のものに転換させるには、強い意欲を呼び起こさなければならない。そうすれば確実に、その努力は報いられる。性の衝動は生まれつきのもので、しかも自然なものである。したがって、無理に排除したり抑圧すべきものではない。

性の衝動は、肉体と心の健康のために、正しく発散されなければならない。正しく発散されなければ、あるいは他のものに転換して活用するのでなければ、性衝動は単に肉体的なものとして終わってしまうことはいうまでもない。

川にダムを築いて一時的に水をせき止めても、水はやがて他のところにはけ口を求めることになる。

性についても同じことがいえる。一時的には抑圧したりコントロールすることはできても、他にはけ口を求めるようになる。それが自然の摂理なのだ。

性衝動以外の創造的なエネルギー等に転換させることができなければ、必ず程度の低いはけ口を探すことになる。

●性衝動を成功に結びつける

性衝動を他の創造的なエネルギーに転換する方法を知っている人は幸せだ。科学的な研究によって、次のことが明らかになっている。

一、偉大な成功を収めた人は、強い性欲の持ち主でもあった。なおかつ、その性衝動をうまく転換する技術を自らの経験で学んだ人でもある。

二、莫大な財産を築いた人や文学、産業、芸術、あるいは専門分野で名を成した人々は、何らかの形で女性の影響を受けた人々である。

これらの発見は、過去二〇〇〇年以上にわたって伝記や歴史を調べて得られたものだ。男性でも女性でも偉大な成功を収めた人々は、その人生を通じて強い性衝動を持っていたことがわかる。

性の衝動は抑制することのできない感情である。体を縛りつけたとしても抑えることはできないだろう。この衝動に駆られると、人間は超人的な力を持つようになる。

この真実を理解すれば、性衝動の転換の中に創造力の秘密があることの意味を理解することができるだろう。

性器を切り取ってしまうと、人間でも動物でもその行動力の源泉を破壊したことになる。それは、去勢された動物を観察すれば一目瞭然である。雄牛でも去勢すれば、仔羊のようにおとなしくなる。

人間でも動物でも、その性的エネルギーの中に闘志が込められているのだ。女性でも同じことである。

●心を刺激する一〇項目

人間の心は刺激に反応する。それによって心の振動が高まる。エンスージアズム、創造的想像力、強烈な願望などが生じてくる。

心を奮い立たせる刺激の代表的なものは、次の一〇項目である。

  1. 一、性衝動
  2. 二、愛情
  3. 三、名声、権力、富に対する燃えるがごとき願望
  4. 四、音楽
  5. 五、男同士、女同士、男女同士の友情
  6. 六、二人またはそれ以上の人たちと調和のとれたマスターマインド
  7. 七、受難、迫害〔訳注…この項目は、おそらく宗教的迫害を示すものであろう。単なる迫害は個人レベルではことさら心を奮い立たせるものとはならないからである〕
  8. 八、深層自己説得
  9. 九、恐怖
  10. 十、麻薬と酒

これらの刺激の中で性衝動がトップにあげられているのは、それが最も強く人の心を奮い立たせ、実際的な行動に拍車をかけるものだからである。

また、これらの刺激のうちの八つは、建設的なものであるが、二つは破壊的なものだ。

このリストは、心を刺激する大きな要素を比較するためにあげたものだが、これによって、性衝動が最も強い刺激であることがわかるであろう。

ある半可通の人に言わせると、天才とは「長い髪を垂らし、奇妙な食べ物を食べ、独身で、冗談好きな、人のもの笑いのタネにされる人」のことをいうのだそうだ。

だが、本当のところは、「常識では考えられないような知識の源泉と自由に交信を交わし、思考を強化する秘訣を発見した人」と言ったほうが正しいだろう。

この天才の定義について、疑問を持つ人がいるかもしれない。その人はまず第一に、次のような質問をすることだろう。

「常識では考えられない知識をどうやって得るのですか?」そして次に、「天才しか得られない知識の源泉が本当にあるのですか?もし存在するなら、それはどこにあるのですか?どうすればそこへ行くことができるのですか?」という質問を発することだろう。

これらの質問に答えるために、あなた自らが体験を通して確認し、確信が持てるような証拠をすでに第11章から第14章(動、潜、器、感)にかけて述べておいた。

そこに述べたことが、この二つの質問の答えとなるはずである。

●性衝動の神秘的な力

歴史のページは、女性によって性衝動が刺激され、その結果、独創的創造力が開発されて偉大な指導者となった人々の記述で満ちている。

ナポレオン・ボナパルト〔訳注…ナポレオン一世。一七六九~一八二一〕もその一人である。

彼が最初の妻、ジョセフィーヌ(一七九六年にナポレオンと再婚。一七六三~一八一四)に励まされていたころは、天にも昇る勢いであった。

そのナポレオンの〝わがまま〟からか、あるいは正当な理由があったとしても、ジョセフィーヌと離婚してしまったときから、彼は急速に高みから転げ落ちるばかりで、それから間もなく、彼はセント・ヘレナ島に流されてしまった。

私たちは妻の影響力で大成功を遂げ、金と権力をつかんだ男性が、その妻と離婚して新しい女性と一緒になったとたんに破滅していったアメリカの著名人を何人も知っている。

※妻の影響力はとても大きい。選び方を失敗すると残念なことになる。

健全な性衝動よりも力強いものはないことを示した男性は、ナポレオンだけではないのだ。逆にまた、女性も夫の影響力で、大成功を遂げることがある。

したがってこの章は女性にもぜひ読んでほしい。まったく無関係ではないからだ。またこの章から新しい何かを得ることができるかもしれない。

人間の心は刺激に反応する。この刺激のうちで、最も偉大で最も力強いものが性衝動である。

これを利用し、転換するとき、この偉大な力は人々を高い思想の世界へ持ち上げ、日常的な場面では、ついのめり込んでしまいそうなつまらないことや、悩みや、苦痛から人々を解放してくれるのである。

さて、記憶を確かなものとするために、伝記の中から、強い性のエネルギーを持って素晴らしい大成功を遂げた人々の名をあげてみよう。

彼らは天才と呼ばれている人々であるが、いずれも、性衝動を見事に転換した人々であることについて異論はない。

  • ジョージ・ワシントン〔米国初代大統領。一七三二~一七九九〕
  • トーマス・ジェファーソン〔有名な「独立宣言」の起草者。米国第三代大統領。一七四三~一八二六〕
  • ナポレオン・ボナパルト〔ナポレオン三世。一八〇八~一八七三〕エルバート・ハバート〔多才な米国の文筆家、編集者、出版人。一八五六~一九一五〕
  • ウィリアム・シェークスピア〔イギリスの詩人・劇作家。一五六四~一六一六〕
  • エルバート・H・ゲリー〔USスチール社会長。一八四六~一九二七〕
  • エイブラハム・リンカーン〔「人民の、人民による、人民のための政治」を唱えた米国第一六代大統領。一八〇九~一八六五〕
  • ウッドロー・ウィルソン〔米国第二八代大統領。対独宣戦布告。一八五六~一九二四〕
  • ラルフ・ウォルドー・エマーソン〔米国文化の形成に多大な影響を与えた詩人、思想家。一八〇三~一八八二〕
  • J・H・パターソン〔米国ナショナル・キャッシュ・レジスター社のオーナー。一八四四~一九二二〕ロバート・バーンズ〔英国(スコットランド)の天才詩人。一七五九~一七九六〕
  • アンドリュー・ジャクソン〔オールド・ヒッコリー(古いクルミの木)と呼ばれた米国第七代大統領。一七六七~一八四五〕
  • エンリコ・カルーソー〔「世界のテナー」といわれたイタリアのテノール歌手。一八七三~一九二一〕

伝記について知識のある人なら、このリストにもっと多くの人々の名前をつけ加えることができるであろう。

この性的エネルギーは、あらゆる才能のある人たちにとって創造力の活力源の中でも、強力なものであった。

※性的エネルギーは想像力の源泉になるほど強力。

性衝動というこの強烈な力なくして、指導者や建築家や芸術家として成功した人はこれまでに一人もいなかったし、これからも決して現れないであろう。

ただし、性的エネルギーの強い人はすべて独創的な才人である、と誤解しないでいただきたい。

人間が独創的才能の持ち主になれるのは、自らの心を刺激して独創的創造力を高め、素晴らしい活力を発揮できるときだけである。

そしてこの〝セルフ・スターター〟として最も重要なものが性的エネルギーなのである。しかし、このエネルギーがあるというだけでは才人になれない。

性的エネルギーの本来的欲求を、ほかの欲求に〝転換〟して行動を起こすことができる人であって初めて、独創的才能を発揮できるのである。

強力な性的エネルギーを持ちながら、才人とはまったくかけ離れた人生を送っている人々が多いが、それは、この力の偉大さを誤解し、濫用することによって、自分自身を低次元の動物にまで落としてしまっているからである。

●性的エネルギーは浪費されている

成功を遂げた著名な人々を二万五〇〇〇人以上も分析した結果、次のことがわかった。すなわち、四〇歳以前に成功した人はほとんどいないこと。

そして、ほとんどの成功者が五〇歳を過ぎてから自らのペースを把握していること、である。この事実はあまりにも驚くべきことであったので、私は、その原因を徹底的に研究してみた。

その結果、大多数の人々が四〇歳から五〇歳になるまで、なぜ成功できなかったのか、という根本的な原因の一つが明らかになった。

それは大多数の人が、若いときにはセックス・エネルギーを、ただ肉体的に発散するばかりで浪費しきってしまっている、ということであった。若いときには、肉体面以外の、もっと重要なものに転換できるということがわからないのである。

このことがわかってくるのは、性的エネルギーが最も激しい時期を過ぎた四〇歳から五〇歳になってからなのである。

多くの人々が四〇歳までは、人によっては四〇歳を過ぎても、性的エネルギーをもっと価値のあることに使わないで浪費してしまっていることを、反省すべきであろう。

せっかくの素晴らしいエネルギーがただやたらに放出されてしまっているのである。だから、男性のこの習性から〝若気の至りで浮気をする〟などと言われるのである。

性的エネルギーは人間の感情の中で最も強いものなので、これを〝上手に転換していけば〟偉大な成功を収めることができるのである。

※どうやって転換するか?

●不惑の四〇歳

どの分野でも、四〇歳を過ぎるまでに創造力を十分に発揮したという人はごく少ない。普通の人が創造力を最大限に発揮できるのは、通常、四〇歳以降である。

これは数千人の人々を詳細に分析した結果、明らかになったことである。ただし、偉大な発明、発見につながるインスピレーションは若いときに出やすい。

四〇歳以降になると、それ以前に増して過去に蓄積されたあらゆる情報が相互に、必要に応じて結びつく確率が当然のことだが高くなる。

どんなつまらない情報でも、異質なもの同士の結びつきは、新しいものを生み出す。三〇歳の人は約一万一〇〇〇日を生きたことになる。四〇歳ではこれが約一万五〇〇〇日となる。創造力にとって、歳月は大きな味方なのだ。

※想像力は経験も大切。

このことは、四〇歳になるまでに失敗したことのある人や、四〇歳を過ぎて自分を老人だと思い込んでいる人に勇気を与えることだろう。

もしあなたがまだその年代になっていないのなら、四〇代から五〇代が人生の中で最も実りある年代なのだから、恐怖と身震いでその年代のくるのを待つのではなく、希望と期待を持って待つべきであろう。

あなたが、四〇代までは十分な仕事ができないということの証拠がほしいというなら、アメリカで有名な成功者の記録を調べれば、そこに納得のいく証拠があるはずである。

ヘンリー・フォードは四〇歳を過ぎるまでは成功のアテはなかった。アンドリュー・カーネギーの努力が実り始めたのも四〇歳を過ぎてからであった。

ジェームズ・J・ヒル〔訳注…アメリカの著名な実業家、鉄道事業者。一八三八~一九一六〕にいたっては、四〇歳のときにはまだ電信のキーをたたいていたのであり、彼が成功を収めたのは、それからずっと後のことである。

アメリカの著名な実業家や銀行家の伝記は、四〇代から六〇代までが人間の最も生産的な年代であるという事実に満ち満ちている。

一般的にいえば、三〇代から四〇代は性的エネルギーの転換の方法を学び始める年代といえよう。もちろん、学ぶ気のある人にとってはのことである。

たいていの場合、その転換の方法は偶然に発見されるものである。しかし、それを発見したことに気づいていない人が多いのも事実だ。

多くの人は、三五歳から四〇歳の間に成功する脳力がついたようだと思っているだけで、この変化の本当の原因には気がついていないのである。

人間は三〇歳から四〇歳にかけて愛と性の感情が調和し始めるものであり、それを刺激剤として活用することにより、偉大な力を発揮することができるようになるのである。

※愛と性の感情が調和し始める。

●男は女によって動かされる

「男が力を発揮する最大の動機は、女性を喜ばせたいという願望である」文明以前、先史時代の男たちは、自分の偉大さを女性にアピールするためにこぞって猟をしていた。

現代のハンターたちは獣の皮を家に持ち帰ったりはしないが、その代わりに美しいドレスや自動車や富を持ち帰っている。

女性を喜ばせるためである。昔も今も男性の本質は少しも変わっていないのである。違っているのは、方法だけなのだ。

男性が莫大な富を築いたり、地位や名声を得ようとしているのは、女性を喜ばせようとする願望が最大の原因なのである。

というのは、男性の生涯から女性を取り上げてしまうと、莫大な富も無意味になってくる。

女性を喜ばせるということは男性本来の願望である。男性を生かすも殺すも女性次第だといえよう。こうした男性の本質を理解し上手に付き合える女性は、ほかの女性との競争に恐れを抱く必要はない。

※女性を喜ばせるということが男性本来の願望である。それが性的エネルギーの転換?

男性は、男の社会では巨人になることもできるが、好きな女性には簡単に操られてしまうものなのだ。しかし、だからといって、多くの男性は女性に操られているということを認めようとはしないものである。

それは強者でありたいと思うのが男性の本質だからである。

このような男性の本質を認識している聡明な女性は、自分が男性を操っていることをオクビにも出さないものである。

男性の中には、妻や恋人や母親、姉妹など女性の影響を受けていることを知っている人もいる。だが、彼らはあえてそれを否定しようとはしない。

というのは、女性の影響なしに、いかなる男性も幸福にはなれないのだということを、よく知っているからである。この重要な真実を認識しない男性は、成功を勝ち取るための素晴らしい力を、自ら捨て去ってしまうのである。

エッセンス⑮()

▼性衝動を他の創造的なエネルギーに転換する方法を知っている人は幸せである。

▼性的エネルギーは、あなたのエンスージアズム、創造的イマジネーション、強烈な願望、忍耐力、その他と同じように、富と幸福を得るための力となる。

▼性的エネルギーは人間の感情の中で最も強いものなので、これを上手に転換していけば、偉大な成功を収めることができる。

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