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第2章鳥の目、トンボの目、カメレオンの目!段取り上手が必ず持っている3つの目!

目次

◆せっかくのチャンスが段取りが悪くてフイ!

法人担当の営業マン時代、大企業へのセールスと零細企業へのそれとを同じやり方で進める部下がいました。どういうわけか、彼がたまたま巨大企業の経営トップとアポを取れたのです。

なにかの間違いとしか思えませんが、取れてしまったのです。このときの段取りが最悪でした。

というのも、この仕事がうまくいけば少なくとも三カ月分の売上が立つほどのビッグチャンスなのです。

ところが、きまじめな性格(=融通が利かない?)のためか、いつもと同じように、担当企業へのセールスを続けているのです。

少しでも売上を増やそうとする努力はわかります。しかし、メリハリがありません。濃淡がわかっていません。ことの軽重に気づいていません。さすがに、こののんびり屋さんに業を煮やしました。

「○○社へのプレゼン資料はできてるね?」「えっ?」まったくつくっていないのです。呆れました。ただでさえ口べたなのに、説得材料なし。せいぜい出来合いのパンフレットに見本だけ。

いつものように顔見知りのルートセールスと同じノリで商談に臨むつもりだったのです。これで日本で一、二位を争う大企業の経営トップとどうやって話を進めていくつもりだったのでしょうか……。

これはダメです。忙しさにかまけて手を抜いていた、としか思えませんし、そう考えられてもしかたないでしょう。段取りが悪い。悪すぎます。

段取り以前に、ことの大きさをまったく認識していません。この無神経さは営業マン失格です。仕事はどれも同じで、コンベアに流れてくるものだと思ったら大間違いです。

どんなものにも優先順位というものがあります。のんべんだらりと取り組んでいるから、いつも成果が上がらないのです。

ほかの仕事をすべて取りやめても、この仕事に賭けてみる。準備万端ととのえておく。それで失敗したならそれでもいいのです。

ところが、商談日の二日前まで何の用意もしていなかったのです。一世一代の大勝負。その認識がさらさらありません。

「メダカ百匹とマグロ一頭。どちらがお金になる?」と聞かれて、正解できない人はいないでしょう。

彼の仕事はマグロ百頭分です。それがわからなかった理由はなんなのでしょう?漁師は四六時中マグロに照準を合わせています。

営業マンなら、この大企業をどう攻めたら成功するか、必要な対策を練りに練って、プレゼンのリハーサルをして、周囲からアドバイスをもらってさらに練り上げ、完璧なシナリオで臨む価値のある仕事だと思うはずです。

成功する人は、やるべきときにやるべきことをしています。この一点に賭ける。お茶で言えば、一期一会。二度とチャンスは訪れない。だから、必ず仕留める。漁師はそのくらいの真剣さで臨んでいるはずです。

段取りが悪いのは、仕事を、人生を、いい加減に考えているからです。こういう人間には成功してもらっては困ります。失敗につぐ失敗で頭をガツンと一撃されなければ大切なことに気づかないかもしれません。

◆モレを防ぐ習慣

世界的なコンタルタント会社のマッキンゼー社のノウハウに「MECE(ミッシー、と読む)」というものがあります。

「Mutually Exclusive Collectively Exhausitive」の略で、「相互に重複なし、集合的に完全=だぶりもモレもない」という意味です。

手抜きとかケアレスミスはもちろん、注意に注意をしてもすべきことがモレてしまうことはあります。これは大変なことです。

テレビや新聞を賑わせる事件で多いのは、この手抜き=モレが原因になっているケースがほとんどです。

原材料の使い回しで黄色ブドウ球菌が増殖して毒素が発生してしまう。きちんと機械を洗浄しなければいけなかったのにその作業をしていない。

雪印乳業の中毒事件はこれが原因でした。やるべき工程を省いてしまったのです。

欠陥自動車と判明してもリコールを届けでない。おかげで事故が多発。結果、信用は失墜。これが三菱自動車のリコール隠し事件でした。

すべきことをしなかった。まさに手抜き仕事でした。それでも倒産しなかったのは、バックアップする企業グループが大きかったからでしょう。

中小企業ならば一発で倒産します。

手抜き仕事が怖ろしいのは、いままで先輩方が積み上げてきた信用=のれんをあっという間に失ってしまうことにあります。

いったん失った信用を取り戻すのは至難の業です。

ようやく業績が回復しても、似たようなトラブルが起きると過去の事件にまで遡って叩かれてしまうのですから、手抜きは高くつくものです。

注意一秒、怪我一生です。

では、どうすればモレを防げるかと言えば、これは仕事ごと、段取りごとにチェックリストを作って項目を一つずつ点検するしかありません。

チェックリストは仕事によってすべて違います。手づくりで行うしかありません。私が営業マンのときにつくったチェックリストは次の通りです。

・クロージング時のチェックリスト

□のらりくらりとOKをなかなか出さない相手か?

□早合点したり、安請け合いしたりする相手か?

□いろんな部門をたらい回しされる目に遭っていないか?

□商品(サービス)の内容を理解し、きちんと承諾しているか?

□口約束だけで終わらせていないか?

□契約書(申込書)にサイン(社判、印鑑、代表者印など)をもらっているか?

□購入のためにきちんと予算を確保されているかどうか?

□急に担当者とアポが取りにくくなっていないか?

□居留守を使われていないか?

□得意先にあなたのライバル社が頻繁に訪れていないか?

□責任者・上司を同行させたい旨、申し出ると婉曲に断られていないか?

□接待を申し出ると断られていないか?(会社の方針ならばOK)

□着手金を振り込んでもらっているか?

□途中で半金を支払ってもらっているか?

□完成時に残金をすべて支払ってもらっているか?

このチェックリストは頭の中に叩き込んでいます。

総合的に直感となって、ああ、いまが山場だな、と気づくようになります。いちいちリストを出してつきあわせるようなことはしません。

◆段取りとは「手順」のこと

なにをするのか、どれからやればスムーズにできるのかを考えましょう。

・段取りを考えるチェックリスト

(1)目標設定(=なにを)

□売上はいくらか?

□締切はいつか?

□仕事の歩留まりはどのくらいか?

(2)方法の選択(=だれが、なにを、どこで、どのように)

□目標を達成できる方法をすべてリストアップしているか?

□どれがいちばんスタートしやすいか?

(3)手順の決定(=いつから、いつまでに)

□いつスタートするか?

□担当者は決まっているか?

□ゴールまでの順番を決めているか?

□いつでも入れ替える準備をしているか?

□締切はいつか?

(4)実行

□即、行動に移しているか?

□バケツリレーではなく、総合的に動かしているか?

(5)チェック(=途中経過を検討)

□計画通りに進んでいるか?

□トラブル、アクシデントは発生していないか?

□ムリ、ムダ、ムチャ、ムラ、モレ、ミスはないか?

(6)臨機応変に対処

□締切の再検討

□方法の再検討

□手順の再検討

□予算の再検討

□担当者の変更

□いろんな部門をたらい回しされる目に遭っていないか?

□商品(サービス)の内容を理解し、きちんと承諾しているか?

□口約束だけで終わらせていないか?

□契約書(申込書)にサイン(社判、印鑑、代表者印など)をもらっているか?

□購入のためにきちんと予算を確保されているかどうか?

□急に担当者とアポが取りにくくなっていないか?

□居留守を使われていないか?

□得意先にあなたのライバル社が頻繁に訪れていないか?

□責任者・上司を同行させたい旨、申し出ると婉曲に断られていないか?

□接待を申し出ると断られていないか?(会社の方針ならばOK)

□着手金を振り込んでもらっているか?

□途中で半金を支払ってもらっているか?

□完成時に残金をすべて支払ってもらっているか?このチェックリストは頭の中に叩き込んでいます。

総合的に直感となって、ああ、いまが山場だな、と気づくようになります。いちいちリストを出してつきあわせるようなことはしません。

◆段取りが良ければ城を一夜で築ける

スムーズな段取りを実現させるには「下準備」「しこみ」が欠かせません。たとえば、「秀吉の一夜城」として知られる逸話がありますね。

段取り、とくに下準備、しこみがよければ奇跡を起こせるという格好の材料です。永禄四年(1561年)、美濃の斎藤義龍が病死すると、織田信長は本格的に美濃攻略に乗り出します。

その拠点として墨俣に出城を築きたいのですが、敵地のど真ん中に城を築くのは至難の技。佐久間信盛、柴田勝家など二人とも失敗しています。ところが、この工事を木下藤吉郎(豊臣秀吉)が買って出るのです。

だれもが不可能と思っていましたが、彼は地元の野武士である蜂須賀小六に依頼して、川の上流から材木を切り出して筏を組んで流すという段取りで、あっという間に城を築きあげてしまいます。

これが功を奏して、信長は美濃を攻略することができたのです。実は、秀吉が築いた墨俣城は城というより砦といったほうが近かったと思います。天守閣などあるはずがありません。

けれども、それで十分なのです。

まずは戦(いくさ)のための拠点が欲しかったのです。城などはあとからつくればいいのです。先に城づくりに必要な材料を組み立てておいて、あとは現場で組み立てる。

こういう工法をどこかで見たり聞いたりしたことがある、と思います。そうですね。ツーバイフォー工法がまさに秀吉の建築術でした。

この工法は秀吉の時代同様、段取りの短縮化がキモなのです。いまや、住宅産業では常識となっています。

地鎮祭が済んだと思ったらもう完成しているほどスピードが早いのです。ほとんどプラモデル感覚でしょう。

大量生産できるので価格も抑えられますし、なにより熟練の大工職人が不要ですから労賃もそれほどかかりません。

施工期間も大幅に短縮できます。だから爆発的にヒットしたのでしょう。

◆「後手後手」に回ると時間が足りなくなる

仕事は百パーセント最初の計画通りに進むことはありません。多かれ少なかれ、トラブルやアクシデントに見舞われるものです。

そのとき、臨機応変に段取りを組み直さなければゴールまでたどりつけないと思います。大切なことは先手先手で考えること。

この習慣が段取りではものすごく重要になってきます。逆に、後手にまわると振り回されてしまいます。後手にまわると、周囲の人たちへの悪影響が少なくありません。

「大丈夫なの?」「このままでいいの?」「また変わるかも」と心配になってきます。

先手を打つと、「大丈夫。ちゃんと手配しているから」と安心できるのです。このちがいは大きいですよ。

さて、トラブルが発生した時、その対応方法によって次の四種類のタイプに分けられます。

あなたはいったいどれに当てはまるでしょうか?

□トラブルが起きてから段取りを見直す

言われた仕事だけはきちんとやる、というタイプに多い。タイタニック号が氷山にぶつかり浸水しはじめてから対応方法を考えます。こういう人はどこの会社にも多いものです。

□トラブルが起こる前に段取りを見直す

先手先手でものごとを考えるタイプです。氷山にぶつかる前に進路を変えよう、と努力します。もちろん、氷山の動向につねにアンテナを張っていなければできない芸当です。つまり、観察力が必要なのです。

□トラブルが起きていないのに段取りを見直す

心配性タイプです。「これでいいの?」「ホントに大丈夫?」と迷いに迷う。迷い出すと止まりません。やたらめったらに変更したくなるタイプです。

どんと構えていればいいものを、居ても立ってもいられません。司令塔が一人で勝手に動きまわってしまうのです。

右へ左へと進路変更するから乗客は船酔いするし、無駄に燃料を使ってしまうからたまりません。でも、次のタイプよりはまだましかもしれません。

□トラブルが起きているのに段取りを見直さない

危機意識がないというよりも無関心。どうせ他人事と考えているのでしょう。

タイタニック号が沈没している最中にレストランの椅子を調えているウエイターのようなものです(本当にいたらしいですよ)。合格点をつけられるのは、先手先手で考えられる段取り上手だけですね。

◆段取り上手はなにごとにもそつがない!

スムーズな段取りをしたい時、いったいどんなことに気をつければいいのでしょう?手を抜かないこと?きちんとすること?いやいや、そうではありません。

なにをしなければならないか、なにを用意しておいたほうがいいか、まず「リストアップ」しましょう。

□アトランダムにアウトプットする「ToDoリスト」を思いつくままリストアップします。

□同類項をグルーピングする作業を整理、分類することです。

リストを見て、同じような仕事があればひとまとめにします。

そうすれば、この段階で作業のだぶりを防ぐことができます。

□作業時間を見積もる一つひとつの作業がどれだけかかるか、処理時間に目処をつけます。

ポイントは少し多めに見積もっておくことです。

「過ぎたるは及ばざるよりずっといい」のです。

□手順を考えるどんな順序で進めれば、早く、安く、楽で、「いい仕事」ができるか。

具体的に仕事のシーンをイメージしながら考えましょう。

□即、実行!ここまでできればあとは迷う暇などありません。

実行あるのみです。

「仕事の進め方にそつがない」といわれる段取り上手は、これらのことをきっちり押さえています。

一流の料理人たちも必ず段取りを修業時代に指導されて身体で覚えています。

だから、意識しなくても自然と脳が段取りよく反応してしまうのです。

いちいち考えず、どんどん流れるように仕事をしてしまいます。

ムダのない動きは考えない脳から生まれます。

考えなくてもいいほど体験をキャリアとして積んでいるからできる芸当なのです。

考えているうちは二流です。

このポイントを押さえておけば、「ムリ、ムダ、ムチャ、ムラ、モレ、ミス」といった段取り上手の天敵=六つのMを防ぐことができると思います。

◆段取りのうまい人の3つの目とはなにか?

段取りのうまい人は次の三つの目を持っています。

□鳥の目

空から俯瞰してみる鳥の目です。

大まかですが、スタートからゴールまでを一目でとらえる目といってもいいでしょう。

□トンボの目

複眼で見ることができる目です。

一つの方法にとらわれず、あれやこれやと違う視点からものごとを比較検討できる目のことです。

□カメレオンの目

不思議な目を持っている生物ですね。右目と左目で同時にまったく違う方向を見ることができる目です。一つのシーンを時間差で見られます。

大切なことは、三つの目を同時に動かすことです。長い目で、近距離で、過去、現在、未来を見据える。この仕事にはどのくらいのパワーを投入すべきか。

時間をかけてもいいのか、時間をかけてはいけないのか、その判断が融通無碍にできるようになります。

仕事ができない人はこれら三つの目がなにもないか、あってもせいぜい一個しか持ち合わせていないのかもしれません。

長い目で考えられないと目前のことしか対処できません。臨機応変にあの手この手の方法が思いつけません。トラブルに見舞われたら最後、パニクって自滅するのが落ちです。

状況が刻々と変わっているにもかかわらず、いったん立てた計画を後生大事に守ってしまう。目の前のことにいっぱいいっぱいで、他のことを考える余裕がありません。これでは「リルート機能」を起動できません。

これは段取りでは致命的です。段取りとはなにかをもう一度よく考えてもらいたい、と思います。

早く、安く、簡単に、いい仕事をするために段取りを考える。この方法と手順でやればベターであり、ベスト。だから、この段取りを採用するわけです。状況変化に合わせて段取りもどんどん変わっていきます。

当たり前です。状況に順応しなければ、成功への段取りは失敗への段取りになってしまいます。段取りは生きています。

仕事に活かす段取りとは、強力な段取りではありませんし、考えられた段取りでもありません。いまいちばんふさわしい段取りこそ、もっとも重要なのです。

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