なぜ、あの人の話はおもしろいのか雑談で盛り上がった。質問することで話が続けられた。関心をよせられて相手は気分がよくなる。場がリラックスする。さて、CHAPTER2までで、お笑い的にいえば空気があったまっている状態ができました。いよいよここからがこの本のメインイベント。笑いをとり、ウケる真髄に迫っていきましょう。日常でおもしろい人って、何気なく言った一言で相手を笑わせます。変にボケたりギャグを言ったりするわけではない。何気ないからおもしろい。だけど何気ないだけに、「なんでおもしろいのか」を意識することが難しいわけです。その難しいことに挑戦しなければなりません。でもご安心ください。できるようになるには1つのコツでいいんです。それは、「自分から離れること」、つまり「自分やその場を観察する癖」を身につけることです。失礼なことを言われてムカー!となったとき、そのまま反射的に言い返すか、一瞬「あ!オレ今怒ってる」と自分の感情を認識するかで、頭の使い方はまったく違ってきます。出てくる言葉も変わります。反射的に言い返せば、そのまま相手との関係は悪くなるでしょう。でも、自分の感情を認識した上で、相手との関係も悪くしたくないな、と思ったら、違う言い方も生まれてきますよね。それに、おもしろいことを言ってウケるためには、相手の感情や場の空気を感じとらなければなりません。自分の感情のままでは、そのセンサーは働きません。この章で挙げていくポイントを日常で実践するときには、自分を客観視する癖をつけてください。きっと今まで知らなかった自分を発見できます。そして「おもしろい一言」が見つかります。これまでの会話にひとひねりのスパイスで笑いは生まれます。どうぞご堪能くださいませ。
「おもしろい会話」は変換しているバラエティ番組などを見ていると、よく、ツッコミとボケみたいな役回りがあります。これを会話で考えると、ツッコミは質問、ボケは「回答」(返し)にあたりますね。話がおもしろい人は、この「返し」で言葉を変換しています。A「今日の夕御飯もさんまでいい?」普通の人「また!?いくら旬だからって勘弁してよ」(返し)A「今日の夕御飯もさんまでいい?」おもしろい人「毎日DHAがとれていいな~。とりすぎも体によくなさそうだけど…」(返し)話がうまい人は、コメントを返すときに、さんまはさんまだけど、さんまを別の表現で言えないかなと考えます。そのとき、DHAと浮かんだら、「DHA体にいいでも、毎日は嫌だな」と連想できます。つまり、言い換えるとき、頭の中で連想ゲームがはじまるわけです。これを使うと、会話は豊かになります。同じ言葉でも言い換えれば話がはずみます。この例のように、角を立てずにモノを言うことができます。連想して話を転換する次の例は、僕が学生時代に合コンでとてもショックを受けた出来事です。女A「ヨシダさんってさあ、誰かに似てる」女B「……なべおさみ?」女性陣も男性陣も爆笑。若い僕にはとてもショックな出来事でした。決して顔がいいわけではありませんが、それでも若いときは、もう少し自分を高く見積もっているわけです。なのに「なべおさみ」(別になべおさみさんを否定しているわけではないですよ。でも、気持ちはわかってもらえると思います)。そこでなんと答えるか。普通の人「似てないよ」と否定する。頭に来たのだから、否定します。ただこれではウケません。若い僕は必死で考えました。そして答えました。僕「僕は、ちゃんと試験して入ったけどね」このときなべおさみさんは、裏口入学の件で話題になっていました。だから、ウケました。解説すると、「なべおさみ」と言われた瞬間、その人はどんな人だっけ、って考えます。そして、「似てる」と言われて傷ついたのだから、「似てない」面をピックアップします。
「なべおさみさん」は、当時、裏口入学が問題になっていた。↓でも、僕は裏口入学はしていない。こういうふうに連想して返すのも、笑いをとりやすい方法です。間違いなのは、こんな返し方をする人です。間違いの人「え?それよりキムタクに似てない?」まったくかけ離れているものは、より場をしらけさせますのでご注意を。せめて「どちらかというとキムタクよりじゃない?」くらいにしておきましょう。「なべおさみ事件」は今でも引きずっているくらいショックな出来事でした。でも、この一言で、話題は「僕が何に似ている」という話から、裏口入学の話に変わっていったわけです。合コン的には致命傷にもなりかねない危機を救ってくれました。うまい切り返しは、自分の危機を救います。A「なんかやばいなーって思ったんだよ。あれ虫のしらせかな」B「気のせいじゃないの」A「まあそうなんだけど、見えない何かでつながってるんじゃないかな。だってほら、無線LANも見えないじゃん」「連想」+「変換」で気のきいた言葉が見つかる
話の中で「矛盾」と「違う意味」を見つけるおもしろいことを見つける視点として「矛盾を見つける」ことと、「違う意味を見つける」ことがあります。まず、矛盾についてお話しします。ある歓送迎会での出来事です。あるグルメな先輩がこう言いました。先輩「孤独のグルメの店にみんなで行こうよ」さあ、どこに矛盾があるでしょうか?表面的にはまったくありません。こういうとき、おもしろい人「孤独なのにみんなで?」と言えるかどうかが、おもしろい人と普通の人の分岐点です。「孤独」に楽しみたい店に「みんな」で行く矛盾をつく。こういった気づきに、人は虚をつかれて笑います。CHAPTER1でお話しした「隠された真実」です。笑いとはバカなことだけではないんです。真実という言葉には重みがあるので、高尚に捉えてしまう人もいるかもしれませんが、今出した例のように、真実とはちょっと違うけれど、聞くと「確かに!」って思うことを見つけるのがコツです。同じ言葉でも「違う意味」を見つけるでは次に「違う意味」を解説しましょう。有名なフレーズを、ちょっと「違う意味」で使った例です。「サラリーマンNEO」の例になりますが、その中に後輩が企画した東進ハイスクールのCMのパロディがありました。内容は、受験を転職に置き換え、名物講師そっくりの役者達が、転職についてアドバイスするわけです。音も画角(見え方)も一緒。このパロディはとてもウケました。そしてその何年か後、大手の自動車会社が東進ハイスクールのパロディCMを流し、2014年には「今でしょう」というフレーズが大流行しました。僕は忸怩たる気持ちをフェイスブックに書きました。「じぇじぇじぇ」が流行語大賞をとりました。ありがとうございました。「今でしょう」もとりました。複雑な心境でした。というのも「サラリーマンNEO」では、東進ハイスクールのパロディを2年前に作り、とても人気がありました。ただ深夜の悲しさ。知る人ぞ知るどまりでした。某大手自動車会社のCMを作った人が、これを見ていたかどうかはわかりませんが、もし今NEOがあれば、自分達が先だったということを訴えた上で、自分ツッコミしたと思います。「今でしょう」♪出囃子お後がよろしいようで……。
「今でしょう」は本来、未来に向かってのメッセージです。それを早すぎた自分達へのツッコミとして使ってるわけです。これがひねりです。林先生の「今でしょう」は、「やるなら、今でしょう」ということで「先延ばしにしない」という意味の「今でしょう」です。でも、僕の「今でしょう」は、「何年も前にやったけど早すぎた。やるなら、今でしょう」です。少し高度ですが、こういう使い方ができると、スマートに見えます。おもしろいことを言う人って、誰かの言ったことを鵜呑みにせず、「待てよ」と、その言葉を捉えて一瞬考えています。癖みたいなものですから、試してみると、言葉のセンスも変わってくると思いますよ。相手の言葉をただ受け止めず、1回ひねる
のっかって否定する「1回肯定」のルール返しについて説明してきましたが、ただ単純に相手にのっかってしまうことで、おもしろい返しにつなげることもできます。〈A〉「アゼルバイジャンって、どこ?」「ここ」(世界地図の日本を指す)「違うよ!」(返し)〈B〉「アゼルバイジャンって、どこ?」「ここ」(世界地図の日本を指す)「そうそう、って違うでしょう!」(返し)どちらが場が盛り上がると思いますか?「違う」って言ったら、話はおしまい。相手は「アゼルバイジャンの位置」はわからないけど、日本を指すことでボケています。ボケには必ずのってください。その後は、普通に否定すればいいんです。また、のっかると、自分も追い込まれるので、思わず言葉も出てくるものです。「そうそう、って、オレらアゼルバイジャン人か!」多少照れてしまう要素ははらんでいますが、思い切ってのっかれば笑いが出ますよ。イラッとする話にもまずはのるA「オレ、太ったかなあ?」B「肉の食べすぎじゃない?」A「いや、そんなに食べてないけど」Bの言葉はイラッとしますよね。でもここで否定しても、険悪になるだけ。こういう場合も、のっかれば笑いが生まれます。A「オレ、太ったかなあ?」B「肉の食べすぎじゃない?」A「そうなんだよ。ま、ここの肉(自分のおなかを指して)が一番美味かもしれないけどね」続く言葉が思いつかなくても、「そうなんだよ」と言っている間に、頭が柔軟になって次の言葉が浮かんできます。会話においてポジティブシンキングとは、自分を肯定することではありません。相手や環境を肯定することだと思います。(部下が間違って部長印の欄に部下自身の印を押してしまった場合)「○○くん、部長かあ、いつの間に出世しちゃった?」「まず1回肯定」のポジティブさが会話を楽しくする
相手の「よかった話」には、逆の経験を返す先ほど、「オレも」「私も」は禁止と言いましたが、ただし、自分にその人が話していることの「逆の経験」がある場合は、別です。そこから、「逆の経験」を話すことで「笑い」にもっていけます。次の例を見くらべてください。〈悪い例〉女性「私にはまったく関心がなさそうな人がいたんだけど、後で友達から、実は彼はあなたともっと話したかったらしいよ、って聞いて、今度会うことにしたんだ」男性「オレもさ、まったくノーマークの子がいたんだけど、なんか話したいとか言われて、今度会うんだ」女性「へえ、そうなんだ」ここでは男性は、女性とまったく同じような自分の経験を話しています。まあ、「へえ、そうなんだ」で終わってしまいますよね。〈改善例〉女性「私にはまったく関心がなさそうだったんだけど、後で友達から、実は彼はあなたともっと話したかったらしいよ、って聞いて、今度会うことにしたんだ」男性「えー、オレはまったく逆で、イケると思ったのに完全にフラれたんだよね」女性「何それ、そんなことあるんだ(笑)」今度は「逆の経験」を話しています。これなら話が盛り上がります。相手の話を聞いているとき、もう一歩踏み込んで笑いにしたいのなら、相手の話を聞きながら、自分の経験の中から、逆のエピソードを探します。あくまでも、話してくれた相手の経験は、「相手の特別なもの」として差し上げておきましょう。相手の話は基本的に自慢です。だから自分を下げて笑いにしてしまいます。自分を下げる=人の不幸です。すると、相手から「おもしろいねー」ってことになります。なお、相手の話がよくないことの場合は、逆の話をしてもイラッとされるだけです。さらによくない話を見つけましょう。〈相手がよくない状況の場合に逆の話をする〉A「来週締切りのレポート書いた?分量が多いからまだ終わらないよ」B「ええ!私なんか、今そのレポートのことを思い出したよ」(自分はさらに悪い状況)相手の「よかった話」は、特別のものとして差し上げておく
自慢話は「自虐」を添える失敗は話をおもしろくする大事な要素。その中でも積極的に使っていきたいのが「自虐」です。でも、自分としてはいいところを見せたいわけだから、うまくいった話や自慢話もしたいじゃないですか。そんなときのための「自慢を自慢で終わらせないコツ」があります。それは、自慢話に「自虐」を添える、ということです。例を見てみましょう。〈例〉「どこに住んでるんですか?」「港区の45階建の高層マンションに住んでます。コンシェルジュも朝9時から夜10時まで3人いるんです」「へえー、いいところに住んでますね!」ここで「まあね」って言って終わると、「感じ悪い人」になってしまいます。だから、こんな話を続けます。「とはいっても2階なんですけどね」45階建てと聞くとほとんどの人が高層階を思い浮かべます。しかし、実際は2階。そのギャップに思わず、笑います。そして、さらにこう続けます。「エレベーターで高層階の住人と一緒になると『階段を使えよ』って思われているんじゃないかと思いながら、2階のボタンを押してます。卑屈な気持ちを抱えて住んでるんですよ」45階の高層マンション。しかし、住まいは2階で高層階の住人に敗北感を感じながら生活している。まさに自虐です。こうなれば嫌味になりません。「すごいところに住んでいても、目線は自分達と一緒だな」って感じてもらえます。
こういう自分が感じているマイナスの感情を出すと、自慢したいことを話しながらも、親近感のある笑いにつなげられます。ちなみに、「45階建に住んでいますけど、36階以上は別のエレベーターがあるから、僕らは入れないんです」というオチもありそうです。話したいことは「質問」させるこういうネタは、自分のカードとしてとっておき、困ったときに出すと便利です。ただし、くれぐれも「オレが住んでるのは~」などと、自分から自慢話をはじめないこと。まず、「嫌味な人」と思われます。だからまずは、「どこに住んでるの?」と相手に聞きます。相手が「自分は◎◎に住んでいます」と答えたら、大体相手はこちらに聞き返してきます。そのとき、このネタを話すわけです。自分のネタを言うために相手にまず質問して、相手から質問してもらう(ツッコんで)もらう。これもひとつのテクニックです。自然な流れでウケるためには大事なことです。なお、万一、相手が聞いてこないときは、相手はなんの興味もないということです。潔く、その話はあきらめましょう。「社内で賞をいただきました。賞金は3000円でしたけど」「TOEICで900点とりました。でも外国の人を見ると緊張して、なかなか話せません」「◎◎大学に入りました。補欠入学ですけど」「自慢」+「自虐」は、好印象を残せる
「一番」「優秀」「エリート」は笑いの種になる優秀な人、エリートの人。世間では絶対的な価値がある人やモノも、笑いをとるチャンスになります。僕は若いころバラエティの前説をしていました。収録前に番組の説明とともに、観客を盛り上げ、場をあっためる役目を負っています。とはいえ当時の観客はバイトで来た大学生。番組観覧をバイトにし、色々な番組を見ている人達でした。芸能人が出ても慣れてしまっていて「わぁ~っ」とはなりません。そんな状況の中でも、ディレクターとつながっているインカムから、「もっと盛り上げろ!」と理不尽な指示がきます。その中でもきつかったのが、落語家が出演するバラエティでした。今でこそ落語は流行っていて、若い人も見ますが、当時はおじいちゃん・おばあちゃんの愉しみ。大学生を盛り上げるのは、なかなか厳しい状況です。案の定何を言ってもウケない。だけどあるきっかけからウケはじめました。僕「今日は大学生の方が多いということですが、青山学院の方はいらっしゃいますか?」ちらほら手があがる。僕「僕の後輩です。さすが僕に似て美男美女がおそろいです」軽く笑い。そして個別に質問。何人かに出身大学を聞いた後に頭のよさそうな人に聞きます。僕「どちらの大学からいらっしゃいましたか?」学生「東京大学です」僕「へえー…………嫌いです」ここで笑いが起きます。東京大学は誰もが認める日本で一番偏差値の高い学校です。だからいじれます。ただ単に嫌いって言っているわけではないんです。「嫌い」って言いながら、相手を立て、自分を下げています。言っている僕の僻みも垣間見えて、おもしろいわけです。一般的にすごい人、すごいものを見たら、「ウケ」をとるチャンスだと思ってください。「絶対的な価値」はフリになります。絶対価値であるがゆえに、同じ前提に聞く人をのせられるため、共感が生まれます。たとえば、内輪だけで盛り上がることがあります。これは共通の体験があるからこそ、共感して盛り上がるのですよね。「絶対的な価値」はみんなが同じようにもっている前提です。みんなが共通にもつ共感によって話に引き込まれるわけです。たとえば、こんな一言。「この方医者です。痔持ちですけど」痔持ちって元来おもしろ要素をもった言葉です。医者のイメージはほとんどの人が共有できます。医者と聞いた瞬間、「医者は病気と無縁」というイメージをもつ人なら「医者なのに痔持ち」という「落差」で笑えますし、医者の不養生と考える人なら「そっちの病気かよ」とのツッコミで、笑ってしまうのです。フリなくして笑いなし。絶対価値をフル活用
たとえ話には、「虎の威を借る」型と、「共通点を見つける」型がある話をおもしろくするのに「たとえる」ってすごく大事です。うまくたとえて話すと、相手に「おもしろい人だな」とか、「自分のことをわかってくれているな」と思ってもらえます。たとえを大きく分けると、「虎の威を借る」型と「共通点を見つける」型があります。①虎の威を借る型これはすごい人の話をしてたとえる方法です。「自分は変わらなきゃいけないんだ」という話をしたとします。そのときに、「イチローさんも王さんも、毎年バッティングフォームを変えていたんだって。2人とも個性的なフォームだし、自分の道を極めようとしているのかと思っていたんだけど、びっくりだよね。あんなにすごい人が変えているのに、なんで自分はこのままでいいんだろうって思ったよ」と言うと、聞いている側の感じ方は違ってきます。「そうか、変わるって大事なことなんだな。だから、この人は挑戦しようとしてるんだな」ってわかってくれます。「自分は変わらなきゃいけないんだ」「だから変わらないとダメでしょう」と抽象論ばかり言っている人もいますが、それだと「へえ、そうなんだ」で終わってしまいがちです。注意点は、イチローさんや王さんなど「すごい人」について、自分が感動した点や具体的な点を話すこと。「イチローさんも王さんも変えようとしていたのだから、自分も変わる」だと、すごい人のやることなら、なんでもやるのか、と、自分をもっていない人のように見えてしまいます。②共通点を見つける誰かが、何かを説明しようとするのですが、うまくはまる説明ができずにいるとします。そのとき、「それって、●●みたいなもの」と聞いてそれがぴったりしたたとえだと、「そうそう!そんな感じ!」って笑いが起きますよね。相手が自分のことをわかってくれているような空気ができあがります。たとえば、こんな会話。「この前食べたプライムリブってすげーうまかった」「何、それ?ステーキ」「ステーキよりはやわらかいんだけど……」「ローストビーフ?」「よりは、もっと分厚い」「うーん、たとえば宮﨑駿の映画に出てくるようなお肉?」「ああ、それそれ、うまそうでしょう」「たとえ」といえば、具体的事例の説明に使われますが、ウケる話では共感させるのに使います。相手がもぞもぞして言い当てられない表現を、「どのくらいの厚さ?」「厚さは好みで選べるんだけど……」なんて続けても盛り上がりません。こういうときはみんなが知ってるであろうことに置き換えて「共感」させることが大事です。コントの笑いでも「あるあるネタ」というジャンルがあります。日常みんなが体験したことを描くと、オチがなくても「あるある」でクスクス笑いを呼びます。共感も笑いになるんです。なお、こういうときイライラして、「それじゃ、わかんねえよ」と言っちゃう「受けない人」は「ウケない人」です。心にとめておいてください。A「えっと、全体を一気に売るんじゃなくて、ちょっとずつ提供して引っ張るというか」B「それって、ディアゴスティーニの雑誌みたいなもの?」「虎の威」は自分、「共通点」は物事の説明に効果がある
描写は「リズミカル」かつ「具体的」に話すときは、具体的に描写したほうがおもしろいです。たとえば、焼肉屋さんで、「最近年で、肉が食べられなくなった」「ほんとに、そうだよなあ」だと、そのまま終わってしまいますよね。そこで、以前、たくさん食べられたころの自分を思い出して話してみます。「最近年で、肉が食べられなくなった」「昔は、カルビが食べたかったのにね」これだと、ちょっと話が進みますよね。相手も昔のことをイメージして、「そうそう、あの焼き肉屋おいしかったなあ」みたいな話が出てくるかもしれません。もう一歩進んで、それを描写してみます。「最近年で、肉が食べられなくなった」「昔は、タン、ロース、カルビ、カルビ、カルビ、カルビだったけどね」描写とリズムです。「カルビ、カルビ、カルビ、カルビ」と4回も強調されると、「タン、ロースも、儀式として食べてるけど、本当はカルビ1本でいきたいぐらいだった」っていう気持ちが伝わります。3回でなく、4回です。ダメ押しのようで、インパクトが強まります。また、こういう言い方をすることによって、本当はカルビが食べたいのに、なぜかタンからいかないといけないような空気で、そう食べたくもないタンとかロースを最初に頼んじゃうんだけど、本当はカルビが食べたかったんだよねといった若いときの気持ちが共感でき、ウケる状態になります。具体的に言うと相手のクイツキが変わるこの「具体的に」はとても大事です。×「昨日、東京ドームで野球を見たんだけど」○「昨日、東京ドームの内野席で野球を見たんだけど」「内野席」を入れることで、話を聞いた人に、具体的な映像が浮かびます。実は、芸人さんのトーク番組もこんな話し方をしています。「高校のとき、山田ってやつがいてさあ」山田なんて誰だかわからないけど、いいんです。単に「高校のとき、おもしろい人がいて」などと言うよりも具体的にイメージできるのでクイツキが違ってくるのです。話をするときは、具体的に表現するように心がけましょう。相手にイメージが湧く「具体的な言葉」を使おう
困ったときは、「太ネタ」でのりきる今ひとつ盛り上がらない雑談や飲み会。そんなときに頼れるネタが1つあると便利です。そういうネタを「太ネタ」と言います。たとえば、スリムだけど実は隠れ巨乳の女性。それをネタに話を盛り上げます。「私、痩せて見えますけど、巨乳なんです」実際彼女を見てもとてもそう見えないので、みんなウソウソとツッコみはじめます。すでに盛り上がっています。すると彼女は続けます。「何カップだと思いますか?」みんな小さめに答えます。男子はこの時点で否応なく盛り上がってしまいます。そこで彼女は答えます。「ドリームカップです」なんだよ!それ!とまたツッコミが出て、盛り上がります。ここで「言えません」とごまかしては場がしらけてしまいます。「ドリームカップ」は、頭文字がDですから、暗に答えているところもミソです。こういうのが太ネタです。太ネタが1つあると、その後も困ったときに活用できます。ほめられたら「ま、ドリームカップなんで」くさされたら「でも、ドリームカップですから」など、それをなんでもオチにして再利用できます。「あるあるネタ」は中ネタになる「えー、ドリームカップなんて、うまい言葉は思いつかない」と言われる方もいらっしゃるでしょう。その場合は、話のきっかけになる「中ネタ」でも結構です。つまり、「あるある」というネタです。たとえば、「信号で待っていたら、隣に営業マンらしき2人がいたんだけど、その上司が部下に『営業の決め手は、話を聞くことだ!』と延々しゃべり続けてたんだよねー」って話。話を聞くことが大事だって言っている本人が、ずーっとしゃべっているという人間のおかしさがあります。こういうネタは、必ず「そういうことあるよねー」と何がしか話がつながりやすいものです。繰り返しますが「ウケる」とは、人が興味をもつ話です。誰もが反応できるネタを、1つか2つ用意しておき、緊急時に出動させましょう。ちなみに僕は、小2左頭部損傷事件(脳の話)か、98キロからの生還(ダイエット話)が「太ネタ」です。「誰にでも自分の人生をテーマに1冊の本が書ける」と言われますが、「誰にでも人生をテーマに必ず笑いがとれるネタがある」と思います。ぜひ、見つけておいてください。なお、「これは太ネタになる」というものが出てきたら、困ったときのために、しっかり記憶に留めておきましょう。僕はiPhoneにメモしています。ただ「太ネタ」は便利なだけに取り扱いも注意です。気をつけないといけないのは、1回目にウケたときに引っ張らないことです。一度ウケると嬉しくて、その場で何度も何度も連呼してしまう人がいますが、これはもったいないです。ここぞというときに、再利用してください。盛り上がったネタは「リサイクル」できるなお、自分で太ネタをもっていなくても、人の話を繰り返し使うワザもあります。その日の話題の中で、1つか2つは、何かしらみんながウケたネタってあると思います。そういう話はしっかり覚えておいて、また、似たようなシチューションが出てきたときに使います。たとえば、前の「ドリームカップ」の例を使うと、一通り話をして、彼女が何かを言ったときに、「○○さんはドリームカップだから」と言えば、以前におもしろかったことをみんなが思い出して、笑いにつなげられるわけです。要は、おもしろい話の「リサイクル」です。ここでも気をつけてほしいのは、盛り上がってすぐ、その話題を連呼しないこと。それでは、みんな飽きてしまって「リサイクル」ができません。一度盛り上がったら、まずはそこで終わり。違う話題を振って、みんなが忘れたころに使うと、効果的です。太ネタは頼りになる。ゆえに再利用を考えて、引っ張りすぎないように
「意外と……」の話はなぜかウケる笑いの要素の1つに「隠された真実」というのがあります。これは「人」についても同じです。「(いつもキリッとした人に)◎◎さんって、意外と天然だよね」とか、「(いつもおとなしそうな人に)◎◎さん、実は、言うときは言うよね」とか。ちょっとでも「図星」と思えたら、言われた当人はもちろん、周囲も笑ってしまいますね。結局、「笑い」っていうのは、ただ「おもしろいことを言ってる」とか、「はしゃいでる」ってことだけじゃないんです。いつもは表面に出ない「隠された真実」をつかれたとき、「そうかも!」って思うと、なぜか笑ってしまいます。ただ「おもしろい」というだけじゃない笑いが起きるんです。僕は結構本格的に手相を学んだのですが、静かな人に対して「ああ、◎◎さん表面的には冷静に見えるけど、ケンカしたら意外と激しいね」と言って、当たってたとしたら、本人は笑っちゃうんですよね。たとえ当たっていなかったとしても、「いや僕は意外と……」などと自分の話をするでしょう。結果的にその人の心の奥とつながったり、話が盛り上がったりするのです。最近は、「心理分析」ができるアプリもありますので、そうしたものを活用するのもいいですね。「○○さんって、無口に見えるけど、家では結構しゃべってるんじゃない?」「○○くんって、お調子者に見えるけど、実は臆病なところがあるよね」相手の意外な一面に気づいたら口にしてみる
「愛されるハゲと愛されないハゲ」の公式「愛されるハゲと愛されないハゲ」がいます。「愛されるデブと愛されないデブ」でもいいです。飲み会に行って初対面で、明らかにカツラな人がいるとします。当人がそれについて触れなければ、誰一人それにツッコめない。みんなが気になっていて、緊張感が途切れないまま、場が進んでいきます。でも、いきなり、その当人が「いやー、みなさん気づいていると思うけどカツラです!」なんて言ってくれると、もう、いきなり愛されますよね。この人には何を言ってもいいんだ、というオープンな気持ちになります。コンプレックスについては、カミングアウトするかしないかで、その人のおもしろさの度量をはかっています。別に笑いをとりたくなかったらやらなくていいんですが、「きっとこの人はそれをコンプレックスに思っているんだろうなあ」と周囲が感じていることを、先回りして言ってくれると、場はリラックスします。さらに、「ツッコんでいいよ~」という場を作ってくれていることにもなるので、その場に必要な存在になります。太っている人も、それで自分のことを恥じていると、周囲はそれを察して引いてしまうことがありますが、「オレ太ってるけど、食べるのが大好きでさ」なんて言われると、かえって健康的に見えることすらありますよね。しかも、「ほらー、おなかなんてこんなにブヨブヨ、触ってみて~」とふざけていると、意外と女の子が、「いやー、ホントだ!」なんて言って、笑いながら触ってるんですよね。恥ずかしがったり隠されたりしていると、場が緊張するものなんです。
太っているとか、毛深いとか、そういうのって、本人はコンプレックスだけど、笑いになるんです。「これ見て見て、オレすげえ毛深いから」「大丈夫大丈夫、ちょっと触ってみて」くらいになると、「いやーっ」て言われながらも、笑いで受け入れられるわけです。女子でもすごい地味な人に「私、地味だけど、肉食です」とか言われたら、もうなんでも話したくなるような気がします。ただ臭いに関するものだけはだめです。臭いは生理的な部分なので笑いになりません。「(老けて見える人なら)こう見えても、20代です」コンプレックスは最大の武器になる
おもしろいと思うのに、イマイチ反応がないときの3つの対応「おもしろいことを言っているはずなのに、誰も笑ってくれない。みんな、なんで、わからないんだ!」と焦る方もいると思います。こういうとき、おもしろくないのはネタではなく、話し方だったりします。タイプ別に対処法を紹介します。〈症例1:「先走り」タイプ〉A「日ごろ厳しい部長が大まじめな顔をして何を言うかと思ったら、『僕にもそのお土産くれる?』だって。八ツ橋好きなんだねえ」B「部長が八ツ橋くれって」どっちがおもしろいか明白ですね。部長が「お土産くれ」というのは、立場が上で厳格な人が子どもじみたことを言うからおもしろいんですよね。Bははしょりすぎです。前提(フリ)がないので聞いた人は何がおもしろいのかわかりません。先走って、フリを話さずオチを言ってしまうと、相手は何がおもしろいのかさっぱりわかりません。また、最初に「おもしろいことがあったんだけど」と言う人もいますが、それも興ざめです。聞いている側の期待度が上がってしまうので、あまりおもしろくなかったりすると、肩すかしをくらったような感じになります。なお、フリの部分はおもしろくないので、丁寧に説明しようとすると焦ることもあるものですが、オチについては自分がおもしろいと思ったのだから、おもしろい要素は必ずあります。ぜひ、落ち着いて話してください。〈症例2:迷走タイプ〉特に女性に多いですが、聞いていると話の着地点がわからなくなる人もいます。本人は別に困っていないかもしれませんが、もう、聞いているほうは地獄ですね……(笑)。これどこにたどりつくんだろうって。挙句の果てには、本人も「あれ、これ何の話だっけ?」ってなります。対策としては、話す前に言いたいことを決めること。急に違う「話したいこと」が出てきたら、まずはそれに気づきましょう。ちなみに、僕が察するに、話の着地点がわからない人っていうのは、基本的にモノを捨てられない人なんじゃないかって思います。〈症例3:知識偏重タイプ〉たとえば、合コンで最初から最後まで「現在の漁業の問題点」を話している人がいたとします。漁業の歴史からはじまり、流通や国境の話にまで話が飛びます。熱弁されると、聞かなければいけない気になってきますが、盛り下がること必須でしょう。知識を滔々と話してしまう人の中には、他の人がそのことに興味がないことを忘れてしまう傾向があるように思います。どうしても話したいなら、「相手との接点」を考えながら話すこと。お料理でサンマが出てきたときに、サンマ漁のうんちくを披露するとか、タイミングを見計らって、相手の興味の範囲で話すことが大事です。ウケなかったら、このどれかに当てはまっていないか、確認してみよう
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