実践!ウケる会話の準備と勇気!野球でも自分のバッティングを磨く練習とともに、状況に合わせたバッティングやバントなどを練習します。会話でも自分の力を磨くとともに、それを状況に合わせてアレンジしていくことが必要です。いわばこれまでは基礎練習。これからは実践練習です。実践で必要なのは、準備と勇気です。よく仕事でも自分で決めた段取りが、現場で崩されるとパニックになる人がいます。なぜでしょうか?たとえばプレゼンでも、当人はちゃんと考えて準備をしていると思っているのですが、その準備の大半は自分のパワポを仕上げることのみ。しかもそれは前に成功したことがあるやり方。これは準備とはいいません。自分のことだけ考えていては、その場で想定外のことが起こると、対応できなくなってしまいます。準備の第一は、立ち向かう状況の把握です。会社の規模やこれまでの付き合いなどで、提案の仕方は変えなければなりません。会話だって、人数の多さ、仕事かプライベートかなどの違いで、話題や話し方が変わってきます。勇気も必要です。頭で考えていても実際にやるにはなかなか勇気がいります。逆にいえば、準備ができてさえいれば、必要なのは勇気だけです。とはいえ、状況の把握とは難しいものです。そこで、CHAPTER4では、シチュエーション別の会話例をご用意しました。状況の説明や会話例もありますので、明日からでも実践できます。この本で準備して、現場で勇気をもって試してみてください。これまでと違う相手の反応に驚くはずです。
聞くが8割。話すは2割たまたま道で会社の同僚に会って会社まで行くとか、知り合ったばかりの人と帰りがけに一緒になるとか、仲がよいとまではいえない人と、話す場面があります。こういうときは、焦って笑わせないほうがよいと思います。ひたすら聞きに徹する、が正解です。相手を笑わせようと自分の話をすれば、相手は笑ってはくれるでしょう。でも、大抵はおもしろいとは思っていません(気づいてました?)。だって2人しかいないんですよ。その話がおもしろくなくたって、相手は気をつかって笑います。もう1対1だから、笑わざるをえないわけです。特に男性の場合、相手が女性だと、ウケてると思って調子にのって、ギャグばっかり言ってしまうんだけど、実際には無理して笑ってるから、相手は疲れるわけです。頑張れば頑張るほど、相手は冷めていきます。人は、自分の話を聞いてもらっているときが一番楽しいでは、相手が笑っているときはどういうときかっていうと、自分の話をしてるときなんです。逆にいえば、自分に興味をもってもらってるときなんですよね。仕事のこととか、趣味のこととか、その人の得意ジャンルを質問してあげるほど、相手は楽しくなって、しゃべってくれます。大切なのは、「聞くが8割、話すが2割」と思っておくこと。つまり、こうした場合、笑わせようって考えないほうがいいってことです。特にまだそんなに関係性が深くない人の場合は、なおさらです。初対面の相手と2時間ほど話したときのことです。僕がしゃべっている時間は、2割ほどでしたが、それでも「おもしろい」と言われ、「今日は自分の話ばっかり聞いてもらってしまいました。ありがとうございます。今度は吉田さんの話を聞かせてください」とメールをいただいたことがあります。不思議ですよね。自分の話をまったくしていないのに、相手は自分に興味をもってくれるんです。そんなにいつも会うわけではない人と2人で話すときは、相手も気をつかっているっていうことが大前提です。だから、まずは相手に気をつかわせないこと。そして、「あなたの話が聞きたいです」という気持ちをもって、相手の言葉に耳を傾けます。そして興味をもったことを質問する。自分のことは、聞かれたら答える。それで十分です。「あの人おもしろい」って思わせたいのなら、質問8割、自分のこと2割で、会話を心がけましょう。たとえ笑ってくれたとしても、本当は疲れている
〈友人と雑談〉良かった話は最後を悪く、悪かった話は最後を良く気心の知れた相手との雑談では、お互いのコンセンサスがとれていますよね。そういうときは、自分の話をしてもいいと思います。でも、より楽しく話したいなら、「良かった話は最後を悪く、悪かった話は最後を良くする」ことがポイントです。〈良かった話〉「この間、デパートのイベントの福引で1等が当たっちゃって!」(良かった話)「すごいじゃない」「でも、当たったのがお米10キロ。電車で持って帰ったんだけど、めちゃくちゃ重かったよ」(悪かった話に)〈悪かった話〉「昨日、帰りに電車止まっちゃって」(悪かった話)「大変だったね」「もう動かないからいいや、と思って、止まった駅で飲みに行っちゃったんだけど、結構、あの駅いい店あるんだ。今度、一緒に行かない?」(良かった話)仲がいいと愚痴にもなりますが、「愚痴」にもおもしろく話すポイントがあります。1つは、具体的に詳細を話すこと。描写するような言い方で、相手を話に引き込みます。もう1つは、ちょっと高度ですが、やっぱりオチがあるといいですよね。でも簡単な方法があります。愚痴から、最後に話を「転換」するのです。〈普通の人の例〉「上司が、お土産でいつもたいしておいしくもないお菓子を大量に買ってくるの。私が会社で配るんだけど、みんな閉口して誰も手を伸ばさないんだ。なんだか、私が責められてるみたいな気がしてきた」〈おもしろい人の例〉「変な服ばかり着る上司がいるんだけど、お土産もセンスがないんだよね。いつもたいしておいしくもないお菓子を大量に買ってくるの。私が会社で配るんだけど、みんな閉口して誰も手を伸ばさないんだ。なんだか、私が責められてるみたいな気がしてきた。でも、たまに買ってこないと『なんで?』って寂しい気持ちになるんだよね」おもしろい人は、まず、上司のキャラクターの説明をします。仲がいい人との雑談なら、少々の説明は聞いてくれるから、具体的な設定も興味をもって聞けるでしょう。で、最後に、「たまに買ってこないと『なんで?』って寂しい気持ちになる」と言っています。あれ、実は結構気に入ってたんじゃない?「ただの愚痴」だと思って聞いていたら、違った視点が出てきますよね。こういうちょっとしたオチがあると、愚痴もおもしろくなります。知ってる仲だからこそディテールを話す
〈友人と雑談〉「地味にハマってる」ことの話をする長い付き合いだからこそ、「会話がない」みたいなことって起こりますよね。そんなときこそ、「地味にハマっていること」の話の出番です。「実は、最近、『柿の種』を食べると止まらなくなってしまって。もう『柿の種』ばっかり食べちゃって」からはじめて、「『柿の種』って、わさびとか、色んな種類あるの知ってる?」「でも、わさび味は、ちょっと分量が少ないの。『同じ値段だな』と思ってるかもしれないけど、きっとわさびの分、分量が少ないんだよ」「『柿の種』をさ、どういうふうに食べる?やっぱり人によって割合があるんだよ。きっちり、あられとピーナッツを交互に食べるとかね」
こういう、ほんとにどうでもいい話ができるのって、やっぱり、馴染んだ人との会話ならではです。でも、こういう話って、日常の「どうでもいいこと」に対して、鋭敏でないと出てこないものなんです。「最近ネットでよく見かけるあれは何だろう」とか、「最近、ペプシについているおまけが気になる」とか。普段の日常で、ちょっと気になったことを頭の中やスマホなんかにメモしておくといいと思います。旧知の仲だから「どうでもいい話」が盛り上がれる
〈職場で愛されるコツ〉上にはツッコんで、下にはボケる会社で愛されるコツは、「上にはツッコんで、下にはボケる」だと思っています。上司に「コイツおもしろいやつだな」と思われたいのであれば、ある程度、ヤンチャを装うことが必要です。会社なら、「言いたいことを言う」っていうスタンスですね。たとえば上司が、「最近、うまくいかない」と言ったときに、「ゴルフのお話ですか?夫婦関係のお話ですか?」と、ぱっと返せるか。そこで、「それは言うなよ」みたいに明るく言える上司ならいいんですが、ムッとされると終わりですよね。上司のタイプは見極めないといけません。ただ、ひとつ言えるのは、上からかわいがられる人っていうのは、基本的には、「ものを言う人」なんです。しかも、「ものを言う部下」をかわいがる上司というのは、能力がある人であることが多く、おべんちゃら言う部下ばっかりをかわいがる上司というのは、基本的には能力がないんです(まあ、そういう人が出世する場合が多いのは確かなんですが、でも、いいんですか?ずっと、おべんちゃら言って会社人生終わっても。出世したって55か60で終わるんだから、少なくとも、おもしろいほうがいいじゃないですか)。一度「おもしろい」スタンスをとったら、仕事やプライベートにそのスタンスが波及します。逆に仕事で「おべんちゃらばっかり言って耐える」というふうになると、他のところでも「おもしろい人間」にはなれません。そのまま「耐える人生」です。できる上司としても、ある程度場を読んだ上で、ツッコミを入れたり、「僕はこうだと思います」と自分の意見を言える人は、「おもしろい」ですよね。「あの人はおもしろいから」って、どこかで抜擢してくれる可能性だってあるわけです。組織とか上司との折り合いとか色々なことはあると思いますが、自分の意見を言おうとする人って、誰かが必ず見ていてくれると思います。笑って許す人かどうかで、上司の力量もわかる
〈上司・先輩と話す〉「でも、○○じゃないですか」の肯定+ツッコミで、愛される部下になる上司と話すときは、僕はツッコミ役に徹します。大抵の場合、ボケても、上司はツッコんでくれません。だから、上司と会話をしているときは、「それ、こういうことですよね」「それは、こうじゃないですか」と、こちらからツッコんでいくのです。上司としては、たてつかない範囲で、自分に意見を言ってくれたり、積極的に話してくれる部下のほうがかわいく見えるものです(上の立場になってみるとわかるのですが、自分は部下に信頼されているのか、嫌われていないかということは、結構気になるものなんです)。また、上手にツッコむことができると、自分の鋭さや、観察眼をアピールできます。では、どうしたらおもしろい会話になるか。この2つの会話を見てください。〈A〉上司「僕なんか、もう年だから、仕事しんどいんだよね」部下「そんなことないですよ」〈B〉上司「僕なんか、もう年だから、仕事しんどいんだよね」部下「でも、そのわりに徹夜したりしていますよね」ぼやいているときの上司は、自分がぼやいたことと反対のことを言ってほしいものです。「いや、やっぱり課長はすごいですよ」と言ってもらって、自信をもちたいわけです。確かに、〈A〉は、上司のぼやきについて「そんなことないですよ」と反対して、いたわりの気持ちを見せていますが、これでは盛り上がらないし、おもしろい人とは思ってもらえません。一方、〈B〉はどうでしょうか?少し具体的な話が入っています。相手は「確かに残業もしているな」と自分の頑張りをあらためて感じられるので、納得感が違ってきます。さらに、こんなふうにするとどうでしょう。〈おもしろい会話〉上司「僕なんか、もう年だから、仕事しんどいんだよね」部下「でも、夜は元気ですよね」これ、仕事の話から「夜」に視点をずらしています。色んな意味を含んでいるので、想像する余白ができ、笑いが起きます。傍で聞いている人がいれば、「仕事はともかく、夜は元気なんだ」と思いますよね。言われた当人も思わず苦笑すると思います。ちょっとずらしておもしろくなる答え方は、ほかにも色々できます。〈例〉上司「○○専務には、嫌われてるんだよ」部下「でも、受付の○○さんは、課長のことかっこいい、って言ってましたよ」上司「最近仕事がうまくいかなくて」部下「でも、奥さんきれいじゃないですか」
ストレートに返すのであれば「そんなことないですよ」という言葉でしょうが、それをそのまま返すのではつまらない。「嫌われている」と言われたら、逆にその人のことを「好意的」に思っている人を思い出して、言ってみます。ちょっと言葉を言い換えると、「おもしろさ」が出てきます。「でも+肯定」で延々と話が続けられる頭に入れておきたいのは、常に「でも+肯定」ということです。これを「『でも○○じゃないですか』理論」と名づけます。これは応用がきく上に、話をどんどん進められます。〈例〉先輩「異動した部署なんだけど、みんな文句ばっかり言っていて、私まで気持ちが暗くなっちゃうんだよね」部下「わかります(共感)。◎◎さんはいつも前向きですからね。でも、よいこともあるんじゃないですか(でも+肯定)」先輩「確かに今一番伸びている部署ではあるんだけど、仕事量は倍になったよ」部下「大変ですよね(共感)。でも先輩は仕事が早いから(でも+肯定)」先輩「異動したばかりで何をどう進めればいいかわからなくて」部下「そういうときの気持ちわかります(共感)。でも、先輩は新しい仕事でもすぐ成果を出していたじゃないですか(でも+肯定)」「でも」は入れていますが、常に相手を「肯定」するのがポイントです。「共感」→「でも」→「肯定」を繰り返すだけで、どんどん話が続きます。笑いと同時にポイントも上がると思います。ぼやいている上司・先輩は、その「反対のこと」を言ってほしい
〈部下・後輩〉より大きな失敗を話す「MORE失敗理論」先ほどの話でいうと、「後輩と話すときはボケ役に回る」が正しいです。まあ、失敗談を話します。たとえば、後輩から企画が通らない、という相談をされたら、「オレ、新人のとき、NHK入っていきなり『ハードロックナイト』をやりたいって企画会議で言ったら、大笑いされたよ。それよりマシだよ」という話をします。より大きな失敗を語って励ますと同時に、共感を得る。「MORE失敗理論」です。上の立場の人って、やたら説教したがったり、自分がいかに乗り越えたかを話したりするじゃないですか。でも、説教なんて聞きたくないし、自分がどう克服したかという話を最初からはじめても、後輩にとっては、「自分にはそんなことはできないな」と自信を失わせるきっかけになることもあります。だからこそ失敗談です。たとえば、後輩が悩み相談に来たとします。後輩「お客さんに企画書を見せたんですが、なかなかわかってもらえないんです」先輩「オレなんか、こんなの企画書じゃないって、その場で投げつけられたよ。それからくらべたらマシだよー」後輩「え、先輩もそんなことがあったんですか!」自分が同世代だったときのことを話すのも有効です。先輩「オレも、○○くらいのころは、失敗ばっかりだったよ。それにくらべたら、よいほうだと思うよ」こうすると相手は明るい気持ちになるので、後輩との距離も縮まります。その後、後輩に「で、実際にどう感じてるの?」と話を聞いていけばよいと思います。部下や後輩は上の人に遠慮しているものなんです。こちらから聞いてあげたほうが、必要な話もしやすいと思います。やってはいけないのは、「お前はこうだから、こうすべきだ」というものの言い方。よく見かけますが、そんな話は聞きたくないんです。言うなら「お前は」よりも「僕は(私は)」です。説教の後は「プライベート」の話で上書きをするでも、本当に説教をしないといけないこともありますね。もちろん、必要なことはきちんと言います。で、その後気づまりな感じのときに、「最近、ゴルフ行ってる?」「で、最近、彼女(彼)はどうなのよ」と、プライベートの話をします。ほかにも、家族がいる人なら、「奥さん(だんなさん)とはどう?」「子どもはどう?」などと言って、それまでの流れを上書きしてしまいます。
プライベートの話を聞くのって、「あなたに関心をもってますよ」というサインでもありますよね。仕事では失敗したかもしれないけど、あなた自身について否定しているわけではないというメッセージになるんです。それに、そういう話ができる上司って、おもしろいと思いませんか。部下や後輩からツッコめる隙を残しておくのが、コツです。部下・後輩は説教は聞きたくない。自信を取り戻したい
〈会議〉会社でできることの中で、おもしろいことを考える会議でユニークな人だと思ってもらおうとして、多くの人が間違っていることがあります。それは、他ではやっているのに、会社でやっていないことを言えば、ユニークな人だと思ってもらえるのではないか、ということです。でも、大抵、そんな企画は通りません。結局、会社の悪口を言って終わりになります。「あの会社ではあんなことをやっているのに、ウチの会社はわかってない」って。NHKでもそういう人はいます。「ロンドンハーツみたいなことがやりたい」って言って、結局、民放でやっているからと却下されます。「ロンドンハーツ」がやりたいなら、その局に行けばいいし、そもそもあるものをやってどうするんだろうって思います。おもしろい仕事をする人がやっていることって、①誰にも理解されないかもしれないけれど、まずは異質なものをポンとぶつける②あとは、みんながわかりやすいものとつなげてあげるということだけなのだと思います。会社から見て異質なものは、なかなか受け入れられないかもしれません。でも、自分がやりたいと思うならば、それを会社にも受け入れられるかたちでもってくると、外から見ていておもしろくなるんです。たとえば、先ほどの「ロンドンハーツ」だって、それをそのままやってはただの二番煎じです。自社なりの味つけをすることで、自社にも受け入れられますし、外から見ても新鮮に映るわけです。提案では「ウケ」はねらわない肝心なのは、大っぴらなところで、自分が思っていることを言えるかどうかです。恋愛でも雑談でもそうですが、基本的に自分が思っていることを素直に言えるかどうかがウケる分岐点です。そのとき、決して、「こんなふうに言ったら、周りの人にウケるだろう」と思って言わないこと。そこでウケないと提案はボツにされてしまいますし、せっかく自分で見つけたおもしろい点を伝えなければ、そもそも提案をする意味はないのだと思います。素直な気持ちで「自分がおもしろい」と感じているかどうか、そしてそれを伝えられるかどうかが肝心です。たとえば、ドラマの企画会議があったとします。まず簡潔に設定(フリ)を伝えます。「43年間、関東近辺の洞窟でサバイバル生活を送った男の物語です」あまりに突飛な話に、聞き手はみんな、「?」マーク。次に自分が感じたおもしろさを伝えます。「とはいえずっと1人じゃないんです。13歳で家出すると飼い犬が追いかけてきて、イノシシを捕ったり、農家の夫婦に養子にならないかと交流があったり、初恋があったり、ヤクザと喧嘩したり、偉人とは違った波瀾万丈は、おもしろいと思います」具体的な話で、自分がおもしろいと思ったポイントを列挙していきます。そして最後に締めくくります。「これは現代の話です。命の軽い時代に、生にしがみついた男の物語は勇気を与えます。ウチでしかやれない骨太な企画です。やらせてください」ストレートな言葉の連続です。なんのてらいもなくやりたい気持ちを伝えます。でも、このほうが「やりたいこと」は伝わります。ウケるとは、笑うだけではありません。おもしろいと感じてもらうことです。素直で情熱あふれる言葉は、相手に届きます。その企画が通らなくても、相手にいい印象を与えます。とっぴな企画の場合、恥ずかしくて、自分が思っていることをストレートに伝えられないこともあるかもしれません。でも、この恥ずかしさは、自己のプライドを守っているにすぎません。僕もかっこつけで照れ屋なので、いつも自分と闘いながら、恥を覚悟で言い切っています。そして最後に必ず、「自社でやる意義」や「自社ならではの工夫」について触れます。会社の中にいると、その世界の決まりに押し込められてしまうものですが、誰だって、本当は新しいものがほしいんです。「どうしたら自社らしいか」というところを押さえれば、むしろ期待をもってくれることでしょう。なお、まったく新しいものであれば、最後に「挑戦しましょう」と、会議にいる人達を誘うように言いましょう。そのとき、くれぐれも「みんなで挑戦しましょう」とは言わないこと。相手が何もしていないってことを言外に言ってしまっていますし、「なんで、オレが」って思う人は、絶対いますから。本当はみんな「新しいこと」をやりたがっている
〈会議〉相手のアイデアを認めると、不思議と「おもしろい人」になれるプレゼンも含めて会議は、みんなが何をおもしろいと思っているのかを見つける作業でもあります。自分が提案する立場であると、人に何を言われるかと戦々恐々としているかもしれませんが、逆に出てきた意見や反論を抽出して新たなアイデアとして見せてあげると「おもしろい」と言われます。たとえば会議で、「このデザインでは、若い女性には手に取られないんじゃないの?」「そうですね。では、若い女性に人気のイラストレーターさんに、パッケージのイラストをお願いします」すると、相手は自分のアイデアを受け入れてくれたと喜びますし、「きちんとわかっている人だ」と思ってくれます。「自分の話を聞いてくれた人はおもしろい人理論」です。提案した側も、新たな視点が発見できて、よりよいアイデアにできれば、いいですよね。上の立場なら、なおさら人の意見を認めてあげる一方、自分が上の立場の場合は、自分が何かを言うのではなく、「みなさんどうですか」とまず人の話を聞くことが大事です。「私はこんなことがしたいです」「僕はこう思います」「こういう方向はどうですか?」とひとしきり意見が出たら、それらを抽出して、「だったら、こうしたらどうですか」とまとめてあげると、それだけで信頼を得られます。上の人から自分の意見が反対されると、「自分はできない人と見られてしまうのでは」と、無意識に防御してしまい、冷静な判断を失ってしまいます。信頼されるためには、相手の話をまとめながら、「自分達の言うことに耳を傾けてくれる人だ」と思われるように、丁寧に話を聞いてください。すると、前述した「自分の話を聞いてくれる人はおもしろい人理論」で、「この人はおもしろい人だ」って感じてくれます。もし、自分の意見が否定されたときは、イラっとしても、反射的に「(そういう考えも)あるかもね」って答えられるように訓練してください。自分が発した言葉に自分の脳が反応し、「あるかも」って検討しはじめるはずです。上の立場になったときは、自分でユニークなことを発言しなきゃと気張る必要はありません。どれだけメンバーの力を引き出せるかが勝負です。メンバーそれぞれが自らの力を出せるようにお膳立てするのがリーダーの仕事です。自分の話を聞いてくれた人は「おもしろい人」と見てくれる
〈お客さんとの会話・接待〉自己紹介は「ギリギリでけなす」お客さんに会うときに必ずあるのが、自分について話す場面ですね。そのとき使えるのが「自虐」です。〈お客さんから振られた場合〉お客「◎◎さんの、このサイトを見てコンタクトをとりました」自分「アクセス数は少ないのに、よく見つけていただきました!」お客「この間の講演を聞いてぜひお願いしたいと思いました」自分「あの講演、自分ではいい話だったと思うのに、お客さんいなかったですよね~」〈自分で言う場合〉「お客様好感度は社内で№1なんですが、お客様との話が楽しすぎて、彼氏ができないんですよ」自分のマイナスに触れるということは、自分を客観的に見ている証拠にもなります。そんな人からは余裕や自信も感じますし、うまくいけば、「飾らない人」として信頼感も得られます。ただし、自虐といっても、あまりにも仕事にかかわるものは、お勧めしません。お客さん「この商品について興味があってお電話しました」営業担当者「いや、あんまり売れてないんですよね~」だと、やっぱり売れないままだと思います。社内の人をお客さんに紹介するときは「ほめておいて、ギリギリでけなす」ときには、自社の人をお客さんに紹介することもありますね。そのとき使えるのは「ギリギリでけなす」という方法です。ほめておいて、後で他愛のない欠点について触れます。たとえば、「上司の◯◯です。わが社のエースですが、話だけは長いんですよ」「先輩の●●です。本当にお世話になっていてすごい人なんですが、けちで1回もおごってくれたことはありません」「後輩の◎◎です。頑張ってるんですが、たまに空回りするんだよね(笑)」など。一度ほめているのだから、相手は嬉しいはずです。でもほめられて嬉しい一方、ちょっと気恥ずかしさも感じていれば、ほっとすると思います。何より、社内の空気のよさも相手に伝わりますよね。「ギリギリでけなす」は、自己紹介にも使えます。「新人の◯◯です。仕事も頑張ってますが、婚活も頑張ってます」仕事を頑張っていることを伝えるだけだと「きれいごと」。それだと、やっぱりつまらないし、印象に残りません。だから、それ以外のところにさらっと触れるんです。大事なのはきれいごとで終わらせないってことです。真面目な人って、瞬間的に相手の反応を恐れてしまうと思うんです。こう言ったら、相手になんて思われるだろうって。でも、それだと、どんどん話はつまらなくなります。だったら、失敗しても、思っていることを言ってしまうこと。そのためには、いつでも「きれいごとで終わらせない」って思っていることです。女性でも、男性「◎◎ちゃんってかわいいね」女性「でも、部屋はきたないんです」(自虐)男性「え、どのくらいきたないの?」ってもし相手が聞いてきて、その相手が実は結構気に入っている人だったら、女性「来ます?」って言ったらいいと思います。もし来たとしても、すでにきたないって言っているんだから、そんなに気を使わなくてすみますよね。
容姿とか話し方とかにコンプレックスをもっていて、自分の話をする勇気が出ない人もいると思いますが、「きれいごとで終わらせない」ほうが人から好かれると思っていたら、結構言いたいことを言えると思いますよ。「きれいごとで終わらない」話は、人から関心をもたれる
〈お客さんとの会話・接待〉偉い人にほど「余計な話」をしよう偉い人、ひとかどの人物に何かを依頼したいというときは、どれだけ余計なことを言えるかどうかが勝負です。部屋にゴルフの優勝カップがあったら、「ゴルフをよくなさるんですか。今はいい時期ですよね」とか、歴史小説が多ければ、「歴史小説を読まれるんですか。歴史上の人物で誰が好きですか」などといった話に触れることが大事だと思います。営業の方の中には、「では、さっそく商品の説明をさせていただきます」と、説明をはじめてしまう人もいます。でも、自分に置き換えて考えみてください。いきなり話しはじめたその話を聞こうと思いますか?人間は潜在的に説得されることを拒否する習性があります。だから、まず、「相手が自分の話を聞きたくなるような場」を作ることが大事です。そのためには、「あなたに関心をもっています」ということをまず示すこと。それを伝えるためにも、「相手に質問をする」ことが大事なんです。営業向けの本には「自分を売り込め」ということがよく書いてありますが、相手が「聞きたい気持ち」になっていなければ、まず聞いてくれません。相手の話(できれば相手が一番話したいと思っている話)を聞くことで、やっと「こういう人がもってきた話とは、どういうものだろう」という気になって、聞いてくれるんです。事前に相手のことを調べるのは基本中の基本。それで話がはずめば、あなた自身に好意をもってくれます。話を聞いてほしければ、先に相手が自分の話を聞きたくなる場を作る
〈ありがたい指名を受けた場合〉「自分から言ったんじゃないですからね」の一言で、気持ちよく、やりたいことができるその人の他愛ない本音や本心が見えたとき、思わず笑ってしまうことがあります。しかめっつらをした部長が意外とスイーツ好きだったり、いつも真剣な表情で仕事をしている人が、結構ぼけたことをしていたり、知らなかったその人の一面が見えるのは、発見にもつながります。これを応用することで、敵を作らず、目的を達成できます。たとえば、社内報などで、所属していたグループが表彰されたことが掲載されるとします。通常はグループ長だけ名前が掲載されるところ、グループ長から「君の名前も載せてもらったら」と言われたとしたら、どうしますか?本心では、自分の名前も載せてほしいところですが、それだと出しゃばりに見えないかな、と迷いませんか?そんなときは、迷わず、「お願いします。でも、自分から載せてほしいと言ったんじゃないですからね」と、その迷いの気持ちも一緒に口にしてみてください。そして続けます。「そこだけははっきりしておきたい」これで笑いが起きます。載せてほしいけど、自分から言うのは恥ずかしいという本音が、この一言に垣間見えて、周囲の人は微笑ましい気持ちになります。そして、周囲の人から暖かい気持ちで見守られながら、自分の目的を達することができます。本心を話すと、ただの我がまま。遠慮をすると、せっかくのチャンスをつかみ損ねることもあります。「やりたいけれど、角が立つと困る」「こうしたいけど、ケチをつけられそう」などと思ったら、勇気をもってその本心を付け加えると、すべてうまくいきます。遠慮するくらいなら、その迷いの気持ちを言ってしまおう
〈合コン〉勝負は「ツッコミ」より「ケア」で決まる合コンで、一見おもしろいと思われそうな人は、「ツッコミ」ができる人です。合コンはみんなが盛り上がろうとしている場なので、笑いがとれる「ツッコミ」は目立ちます。しかしこれは落とし穴です。その場ではみんな笑っていますが、結構相手を傷つけている場合があります。たとえば、女性「合コン毎週やってます。IT企業の社長とか野球選手とか」男性「そんなにやって、いい男いないの?」(ツッコミ)この男のツッコミはやっかみが入っていますね。一見、遊び人に見える女性をからかっているように見えますが、女性から見れば、「そんなにモテないの」って指摘されているように聞こえます。こういったことって盛り上がってると見逃しがちです。こんな一言が出ては、それまであんなに場を盛り上げて人気者になったのに、成果ゼロになってしまいます。実は、合コンで最も大事なのは、「ツッコミ」より「ケア」です。男性なら、あまり話に入っていない人に話を振ってあげるとか、女性なら空いたグラスに気づくとか、表の会話以外のところが決め手になります。これは合コンだけでなく、職場でも同じです。人望を得るか得ないかは、さりげない「ケア」にかかっています。落ち込んでいる人に、「何かあったの?」とさりげなく聞く。コピーをとってもらったら必ず「ありがとう」と言う。おもしろい人、ウケる人になるためには、前提として好ましい人格と思われていないと、ダメなんです。ここでも、周りが見えているか、相手の気持ちを考えているかが大事です。それに、あまり話していない人に振ってあげることで、意外に話がおもしろくなることもあります。たとえば、「みんな、ちょっと待って。◎◎さんにも聞いてみようよ、ねえ、◎◎さんどう思う?」と振ったときに、その人がぼそっと言った一言は笑いになりやすいんです。
「ねえ、◎◎さんは、東京と大阪どっちがいいと思う?」「いや、私は名古屋派です」話に入っていなかっただけあって、客観的というか、ちょっと違う視点で返ってきたりすることが意外に多いんですね。ふざけて笑ったりして自分をアピールしている人は、決して「おもしろい人」になりません。みんな躁状態だから笑ってるけど、後から「あの人いいよね」とは、ならないと思います。こういう場って、やっぱり異性から「あの人いいね」って思ってもらいたいわけですよね。周りの人に気を配って話の輪に入れてあげたり、相手の話に上手にツッコんだり、飲み物を頼んでくれるとか細やかな配慮をしてくれるとか、みんな、そういうところを見てて、「あの人いいよね」と言ってるんです。だから、必ずしも「おもしろければいい」というものではありません。間違えてはいけないところだと思います。会話が盛り上がる中で、自分の目的を見失わないこと
〈婚活〉「好き」からはじまる恋愛法則最近の婚活パーティでは、「何を話していいのかわからない人」のためにお題を用意しておくところもあると聞きました。それだけ雑談が苦手な人が増えているんだろうなと思います。もっとも、ベルトコンベア式の婚活パーティの場合、雑談どころではないのかもしれませんが……。男性にとって婚活パーティで大切なことって、まずは「あなたのことに興味があります」ということを伝えることに尽きるのではないかと思います。誰かから紹介されて付き合うときは、「この人楽しい人だな」とか、そういうところからはじまりますが、婚活パーティってある種、マックスからはじまるわけですよね。どっちも「付き合いたい」という気持ちをもって参加しているわけですから。だから、女性にとっては「相手が自分をどう考えているのか知りたい」というのが、最大の興味なのだと思います。だったら、気に入った人がいたら「あなたのことを気に入っています」と言ったほうがいいでしょう。もし恥ずかしかったら、「最初からこんなことを言うのもなんなんですけど、すごく素敵だなあと思いました」ではいかがでしょう。そう言われたら、女性は「この人は私に興味あるんだ」って好ましい気持ちをもって話を聞いてくれます。結果「(私のことに興味をもってくれた)この人はどんな人だろう」と興味をもってくれると思いますから、そこではじめて、自分のアピールをすればいいのです。ただし、次に会うときは、徹底して彼女のことを聞いてください。初回で「自分に興味をもってくれた人だ」と思っていたのに、自分の話をしていると、「結局、自分の話しかしない人」という印象を与えてしまいます。ただ、「ご飯をおごってくれる人」で終わらないためにこの年にしてはじめて知ったのですが、女性は「好意をもってくれた」ことに対して、好意をもつことも多いのだそうです(職場が同じとか仕事を一緒にしているといった状況でよく会う人は別ですが)。最初に「興味をもっています」というアプローチをしないと、ほとんど状況は変わらない。逆にいえば、意思表示をしないまま付き合っていても、ただの「ご飯をおごってくれる人」で止まってしまうわけです。それに「好き」と伝えて、たとえフラれたとしても、もともと友達のような間柄であれば、「好き」と言ってくれた分の好印象がプラスされて、「友達以上」のポジションになれたりします(そういう僕も、なかなか言えないのですけれど……)。ただ単に一緒に食事をするよりも、「僕はあなたのことを気に入っています」と言った後に、一緒に食事をするときのほうが、女性のテンションは高いと思います。それを言わずに、友達からはじめようと思って何回か食事なんかしていると、「お友達認定」されたのか、3回を過ぎたころからがくんとテンションが落ちます。雰囲気もけだるくなってきます……。さて、女性の場合はどうでしょう。男の立場とすれば、「好き」と言われたら嬉しい半面、重い気がする人もいると思います。女性が愛されたい生き物なら、男性は認められたい生き物です。ならば一番は、ほめること。ほめてくれると、ああこの人は、僕にとって必要な人だと(僕も)思ってしまいます。まとめます。男性から女性「好きor興味あります」を明確に。女性から男性「すごいorさすがですね」を頻繁に。これが外さないコツだと思います。男性「好き」からはじめて、反応を見る。女性「すごい」からはじめて、反応を見る
〈デート〉愛の告白より、緊張を告白せよ誰でも初めてのデートのときって、緊張しますよね。でも、緊張すれば緊張するほど、突然の「沈黙」が襲ってくるものです。そんなとき、あわててどうでもいい会話を繰り返してしらけさせたり、自分の緊張を棚に上げて「緊張してない?」と相手に言って、よりぎこちない空気にしてしまう人がいます。こういうとき、ごまかすのは最悪です。開き直って、自分の緊張を素直に伝えましょう。「ごめん、なんか2人きりになると緊張しちゃって、沈黙しちゃったね」相手も沈黙は嫌なものですが、言ってもらえるとリラックスします。それに「2人きりになると緊張して」なんて言われて、嫌な感じはしないじゃないですか。「君のことを見ていると、ドキドキしちゃうんだ」ということを言外に言っていますよね。いっそのこと、意図的に沈黙を作ってもいいくらいだと思います。かっこつけていいことはありません。たまに「昔付き合っていた人はこういう人で」と、モテる自慢をする人はいますが、まったくなんの効果も発揮しません。こんなピンチも素直に言うことで乗り切れるなお、これは男性向けですが、「立たない」ときも、「昨日飲みすぎて」とか、「最近仕事が忙しかったら疲れてるかも」などと言わないほうがいいです。こう言うと女性は、「自分の魅力」と「疲れてる」を比較して考えます。そして、「私ってそんなに魅力ないのね」と感じます。男性はカッコつけて「仕事が忙しくて」と言ったものの、その言葉を受けた女性はまったく違うことを考えているんです。だったら、「◎ちゃんを前にしたら、緊張しちゃって」と、素直に気持ちを吐露しましょう。そんな素直な言葉に、女性は笑うと思います。だって、そんなときに、こんなことを言う人はいないでしょう。自分の魅力も認めてくれてるわけです。嬉しさから笑うことだってあるんです。こういう場でも笑いって必要だと思います。女性はリラックスしたいと思っていますが、男性は何かをなしとげないといけない、という緊張感があるんですね。だから、しゃべらなかったり、もしくはしゃべるとムードが壊れるかもなんて思ったりするから、つまらないものになったりするんです。相手のリラックスしたい、という気持ちを優先するなら、こういうときこそ「笑い」を交えて愉しみましょう。いずれにせよ、緊張を伝えるってことは、「愛してる」などと言わなくても、自分の気持ちを伝えてるってことになりますから、フル活用してください。「緊張」を伝えることで、場はほぐれる
〈デート・接待〉食べログでは「ランキング」よりも「コメント」をチェック接待やデートで行くお店を、「食べログ」などのランキングサイトで調べたりすることもあると思いますが、このとき「ランキング」だけに目を奪われてはいけません。数字よりも、そのお店に書かれている口コミの内容やお店の紹介などを見ておいたほうが、話もはずみます。A「このお店、食べログで1位だったんだ」「このお店、テレビで紹介されてたんだ」B「このお店、銀座の有名店のシェフが独立して作ったんだって」「このトンカツ屋さんの豚肉はレアで出すらしいよ」次のAとBをくらべてみてください。Aの場合は、いずれも「へえ」で終わりますよね。どこかで紹介されたとか、1位だったという情報は、論理的には「すごい」ということはわかりますが、心には響かないものなんです。ひどいときは「紹介されてたからといって、大したことないね」などと終わることもあります。Bの場合はどうでしょうか。「あのお店のシェフだから、さぞかしおいしい料理が出るのだろう」という期待感や、「豚肉をレアで出すなんて、他のお店の調理方法と何が違うんだろうね」といった関心が生まれますよね。ここから会話もはずむし、お店への期待感も増すんです。料理を出されたときも、「わ、本当にレアだ。お肉も赤いんだ」と、あらためて発見ができますし、「このお店ではお肉を空輸して急いで処理をすることで、レアにできるんですよ」という裏話もできます。こういう話から、そのお店に行ったことが特別なことに感じられるんです。料理もおいしく感じられます。お店のチェックをするなら、そのお店の点数ではなく、「なぜ、その点数なのか」です。ただ「おいしいお店に行く」という以上の経験になります。また、お店に行くなら、他とは違うお店を探すのも話題が増えるきっかけになります。たとえば、「お料理につける岩塩が10種類ある」「銀座の天ぷらの名店なんだけど、揚げているようには見えないほど衣が薄い」など、その店ならではの特徴があれば、話題になって盛り上がりますし、特別な感じにつながります。仕事ではないのですから、数字は盛り上がりません。数字の裏にある理由を話のネタにしましょう。「数字」ではなく「理由」が話をはずませる
〈デート・宴会〉話題は「anan」で見つけるほぼ確実に話を盛り上げられる会話のネタをどこで見つけるか。基本は、「anan」で特集しているものがいいでしょう。代表的なものを3つ挙げます。◎ダイエットダイエット、健康はみんなが関心をもつテーマです。実は僕も98キロから現在68キロまで痩せました(実話)、と言ったらいかがですか?「どうやって痩せたの?」って聞きたくなりませんか?実際、りんごダイエットや炭水化物ダイエットなど様々な方法がありますから、「自分は何を試したことがある」「本当に効果があるの?」などと話は広がります。で、僕が成功したダイエットとは……。また、いつかの機会に。◎占いその場でできる手相や性格診断のアプリを活用するのはもちろん、占いで見てもらった話も盛り上がります。その人の意外な一面がわかるので、おもしろいのですね。また、当たる当たらないというだけでなく、「興味はあるけどなかなか足を運ばない場所」であるため、話のネタとして、とても興味をひきます。◎男と女もう永遠のテーマです。ただし、「やっぱり理解できない」というところで話が終わるとつまりません。それを防ぐためには男女の違いを表わすネタ本を読んでおくといいでしょう。僕のお勧めは、『女が男を厳しく選ぶ理由』(アラン・S・ミラー/サトシ・カナザワ(著)、伊藤和子(訳)阪急コミュニケーションズ)です。これは名著です。これ1冊で相当なネタになります。たとえば、「一夫一婦制は、男のためにある」なんていうのは、意外じゃないですか?ここで大事なのは、「だから女性は~」とか、「男性はこうで、女性はこうだ」などと、自分の視点から話さないことです。文化人類学的なこと、社会学的なことをからめて話すと、知的に見えるし、抵抗感なく受け入れてもらえます。「ダイエット」「占い」「男と女」の雑談ネタは盛り上がりやすい
〈デート・宴会〉男性はほめる、女性には「カワイイ」を見つける相手との距離が縮まらない場合はほめること。「太鼓もち」からはじめましょう。まずは相手を観察します。靴から時計からかばんから見ていきます。男性だと時計にその人の嗜好が出ます。いい時計なら儲けもの。「いい時計ですね?」って質問してください。初任給で買ったとか父親から譲り受けたとか、結婚の記念で買ったなど人生のイベントがからんできます。時計の先にはドラマがあります。ドラマがあると雑談が盛り上がります。「どんなお父さんだったんですか?」などとプライベートに、たやすく踏み込むことができます。女性の場合は、とにかく「カワイイ」ものを見つけることを心がけます。ここで注意です。自分がカワイイと感じるものではありませんよ。相手が、カワイイと感じてるモノ・コトでなければなりません。一番出るのはバッグです。ほとんどの女性がこだわってますから。整理すると、男性「いい○○ですね?」理論女性「カワイイですね?」理論となります。話をおもしろくしようとだけ考えると、それだけで頭がいっぱいになって、結局本当の目的を果たせなかったりします。目的とは何か。きっと、相手にいい印象を与えることだったり、相手との人間関係をよくする、といったことですよね。だったら「ほめる」ことも、相手に喜んでもらう手段の1つです。男性は時計、女性にはバッグに注目する
〈場が静まった〉ツッコミはすぐに、スカシは1拍置いてワーッと盛り上がってるときに、何か一言言ったら、場がシーンとしてしまった。かなり気まずいものです。その場をなんとかしようと、あわてて元の会話に何か付け足そうとしたり、反応してみたりしても、もはや手遅れです。そんなときは、一瞬、間をおいて、「ま、それはそれとして」って言ってみてください。その瞬間に、笑いが起きたりします。こういうのを「スカす」と言います。みんな「気まずいな」と思っているんです。でも、どうしていいかわからない。そこを「ま、それはそれとして」と、次に進めてくれる人がいると、ほっとするんです。だから「笑い」が起こるんですね。なお、「ま、それはそれとして」を言うときは、くれぐれもあわてないように。「間があったな」ってことを確認してから言ったほうが、みんなの「気まずい雰囲気」というフリができるので、ウケやすくなります。ツッコミは早めに入れる一方、すぐに「それはないでしょう」みたいなツッコミに入ったほうがよいこともあります。こちらはすぐ言います。誰かが何かを言って、シーンとしそうな空気が出る前にすかさず言うことで、その後、場が盛り下がるのを防ぐことができます。沈黙から脱する一言がその場を救う
〈店が見つからない、渋滞などのアクシデント〉「まさか!」の一言で場を救う友達とご飯を食べようと思ったのに店が見つからない、みんなでドライブをしているときに渋滞にあった、など思いがけないアクシデントはあるものです。「まさか、こんなところで……」と、みんなぶつけようのないイライラを抱えています。こういうときは、積極的に、その「まさか」を言ってあげるといいと思います。たとえば、(お店がたくさんある表参道。平日なのに、入る店を見つけられない)「まさかの難民!」(スキーに行ったのに、雪がない)「まさかの朝から温泉三昧!」予定通りにものごとが進まない場合、「言い出した人」や主催者は、申し訳ない気持ちでいっぱいになっていると思います。そこをあえて明るくふるまうことで主催した人もほっとします。また別の視点をみんなに見せることができたら、場も和むでしょう。ちなみに、「まさかの難民」というフレーズも、CHAPTER3でお話しした「言い換え」で成り立っています。「表参道みたいに店が多いところで入る店が見つからないなんて信じられない」「まさか!」田舎で店がなければ、「まさか」にもならないし、笑えません。
わかりきったことを言わない実はこれ、単純に見えて、非常にデリケートに場のことを読んでいるんです。まず、注意したいのは、「表参道なのに」って、すでにみんながわかっていることを言わないことです。言ってしまうと「表参道」が、その場にいる人の中で意識化されて、「そもそも、なんで表参道に来たんだっけ」と考えることになり、結果、主催者は責められているような気持ちになります。だから、言うのは「まさか」だけ。それでも、無意識下では「表参道なのに」って知ってますから、笑えるんです。こんなふうに、少ない言葉で相手に言葉を補完してもらうのは、テレビやドラマでも求められるテクニックです(しかも、非常に高度です)。たとえば、「私のお兄さんはひどい人で、だから私はこんな性格なんです」と言うよりも、「私がこんななのは、兄さんのせいだ」って言ったほうが伝わりませんか。2つ目のセリフは、「お兄さんはひどい人である」ということには触れていません。でも、このセリフだけで、聞いている人は「兄さんがどんな人であるのか」を補完しているんです。ポイントは、・思いがけないアクシデントを「まさか」の一言で覆す・言わなくてもわかる情報は言わないということです。思いがけないアクシデントで盛り下がったときに、その場を救う「お助けフレーズ」になります。その場に気を配ったコメントで誰もが救われる
〈謝る〉アクションをつけると、気持ちを伝えやすい謝るときは謝る。ウケなんて考えている場合ではありません。ただし、アクションをつけることで、気持ちはより伝わりやすくなります。頭を下げるとか、身振りで説明するとか、普段よりちょっと大きめのアクションにします。でも、「アクションをつけなきゃ」といって、頑張ってつけてしまうと、白々しくなります。やるなら、「心から」です。僕は、40分間、謝るだけでその場をもたせたことがあります。大分前のことですが、公開収録の歌番組の途中で電源が落ち、中断するハプニングがありました。会場には3000人のお客さん。原因は不明。舞台監督だった僕は、なんとかその場をつながなきゃいけない。そのとき、何をしたかというと、ただ謝っただけなんです。「すみません」とまず、頭を下げます。当然、お客様のリアクションはありません。「わかります。楽しみにしてきたのに、こんなところでストップしてしまって。こんな謝り方じゃ足りませんよね。では」と言って土下座します。「まだダメですか?あ、こちらのお客様への気持ちが足りない?では、こちらで」とまた、頭を下げます。段々、お客様の中から笑いが出てきました。「お客様、どこから来たんですか?北海道!そんな遠くから。じゃ、特別に謝っておきます」なんてことをやりながら、40分。やっと、再開のめどが立ちました。こちらは申し訳ない気持ちがいっぱいです。「謝る」という動作をしっかり行なうことで、その気持ちが伝わります。気持ちがあることで、その動作が生きてきます。さらにこの場合は、そもそも楽しもうという気持ちで来ているお客さんだったので、「楽しむ」という気持ちを満足させられる謝り方でもあったと思います。もともとのお客さんの気持ちを満たそうという努力も必要でしょう。「謝ってほしい」という気持ちをもつ相手なら、笑いは交えず、動作を大きくして謝ればいいですし、「自分の話を聞いてほしい」相手なら、まず話を丁重に聞くことが大事でしょう。そのとき、アクションを少し大きくすることで、こちらの気持ちも伝わりやすくなります。「アクション」をつけるのが難しいと感じるなら、普段の動作をちょっと大きくするだけでもかまいません。言葉だけでなく体を使って伝えることは、とても重要です。いい俳優は顔で演技しません。体全体で演技します。俳優以外の人も同じです。気持ちを伝えるために、体を動かす
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