
- 「はじめまして、○○社の■■です」
- 「どうも、▲▲です。あ、以前、一度お会いしてますよね」
- 「あ、ご無沙汰してます」
初対面の人と話すとき、このようになんとなく話し始めていませんか?これはNGな雑談です。
雑談とは、話のラリーを交わして、気持ちを落ち着かせる行為ですから、「始め方」も、リラックスしたものにする必要があります。
それなのに、堅苦しくお辞儀をして、名刺を取り出しながら、おもむろに話を始めてしまってはいけません。
いったいどうすればいいのでしょうか?正解は「あいさつ」です。
- 「こんにちは!はじめまして、○○社の■■です」
- 「こんにちは!以前、一度お会いしてますよね」
- 「こんにちは!ご無沙汰してます」
など、初対面はもちろん、以前会ったことがある相手でも、最初に「こんにちは」とあいさつをすると、その場の空気がさっと明るくなります。
さらには「さあ、お話を始めましょう」という合図にも。
スポーツの試合を始める前にお互い、「よろしくお願いします」と声を掛け合うイメージですね。
同じあいさつでも「お世話になっております」「お疲れさまです」は、少々ビジネスライク過ぎます。
特別な意味を持たせず、さわやかに雑談スタートの合図を送る。
それには「こんにちは」というあいさつがベストなのです。
自分の名前は何度でも名乗る「こんにちは!」のあとに、「○○です」と、名乗るのも大事なコツ。
というのも、相手はこちらの顔と名前を覚えてない確率が高いからです。
初対面だろうが、2回目だろうが、3回目だろうが、一切かまわずに、「こんにちは!●●社の○○です」と名乗るのが、雑談の切り出し方としては大正解。
相手が「なに言ってるんですか、覚えてますよー」と苦笑したとしても、かまいません。あいさつされて、名乗られて、嫌な気持ちになる人はいないのですから。
また、こちらから名乗ると、なんとなく名乗り返してくる流れになるので、相手の名前を確認できるのも、うれしいポイント。
同様に、「すでに渡してるかもしれない名刺を再び渡す」というのも使えるワザです。
- 「部署が変わったので」
- 「会社が引っ越したので」
と、なにかしら理由をこじつけて名刺を渡すと、相手も名刺をくれるので、顔と名前を再確認できる。
パーティなどですぐに使える、即効のテクニックです。
ポイント
「こんにちは」で始める雑談は気持ちがいい

初めて相手の名前を聞いたときは、雑談を盛り上げるチャンスです。ボーッと聞き流さずに、話を広げましょう。
このときNGなのが、反射的に同じ名前の知人の話を始めてしまうパターン。
よほど珍しい名前で、本当に親戚だったというレアケースをのぞいて、この切り口で盛り上がることは稀です。
- 「あ、知り合いに同じ名前の人がいます」
- 「そうですか。意外とよくある名字ですから」
- 「いや、学生時代、そいつとはすごく仲が良かったんですよ~」
- 「そうですか。それはなによりです」
それ以上、どう広げていいかわからず、お互いに困惑するのが関の山。こういう展開は避けたいものです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
人に歴史あり、名前に由来あり
名前をフックに雑談をする際、おすすめは「名前の由来を尋ねる」という方法です。
- 「珍しい苗字ですね。どちらのご出身なんですか」
- 「僕自身は東京なんですが、父が岡山の出身で、向こうにはよくある苗字らしいです」
こんな風に、苗字をきっかけに出身地の話になり、そこから会話が盛り上がることは珍しくありません。もし、佐藤、高橋、田中など、よくある苗字でもあきらめるのは早い。
下の名前について深掘りしてみましょう。
- 「秀樹さんっていいお名前ですね」
- 「実はうちの母親が西城秀樹の大ファンで、祖父母の反対を押し切って『秀樹』と名付けたそうなんです」
- 「下の名前はなんてお読みするんですか」
- 「卓と書いて『たかし』です」
- 「珍しいですよね?」
- 「よく『たく』や『すぐる』と間違えられます。親が、漢字一文字で八画、読みは三文字の名前にこだわったと聞いています」
名前のエピソードは聞けば聞くほど奥が深いし、その人だけのオリジナルストーリーがある、パーソナルな話題。
名前の由来を話したり聞いたりすることで、自然とお互いの気持ちは近づきます。
ポイント
名前の話題は、ほどよく相手の領域に踏み込める

初対面同士の会話の定番に「趣味は何ですか?」というものがあります。相手を知るための手がかりになるし、共通の話題が見つかるかもしれない。
一見、雑談にもってこいの質問のように思えますが、実は難易度が高い危険なフレーズです。趣味の話で盛り上げようという発想自体は間違っていません。
ところが、わざわざ「趣味は?」と尋ねてしまうと、
- 「この人が言う〝趣味〟は、どのレベルのものを指しているんだろう」
- 「〝趣味〟と胸を張って誇れるほどのものはないな……」
など、余計なことを相手に考えさせてしまうのです。ですがこれも、質問のしかたを少し変えるだけで、話がぐんと弾みます。
おすすめなのは「最近ハマっていること(もの)、ありますか?」です。
「趣味」と言われると構えてしまうけれど、「ハマっていること」と言われると、好きなことや気になっている分野についてすんなり語れます。
質問が具体的な上に、「どう思われるか」と他人の評価を気にしなくて済むからです。
たとえば、年に1回友達に誘われて参加するハイキング。たまに、クラシックレコードを聴くこと。ふらっと雑貨屋をのぞいてみること。
日常生活の中の「好きなこと・時間」はすべて、「最近ハマっていること」の答えになり得るのです。
本当の趣味なんて答えなくてもいい逆に、相手から「趣味は何ですか?」と、聞かれたら、どうすればいいでしょうか?初対面の人に打ち明けるのは抵抗がある場合もありますよね。
「へー、変わってますね」などと雑なリアクションをされると、カチンときてしまいます。ですが大丈夫。そこで〝本当の趣味〟を答える必要はありません。
実はこの質問、本当にあなたの趣味を尋ねているわけではないのです。相手はそこまで深く考えて質問していない。話のきっかけにすぎない。
ですから答えも適当でOK!先ほどお伝えしたように、今、ハマっていることの中から選んで話してもいいですし、思いつかない場合は、先週末のできごとや今週末の予定について話すのもいいでしょう。
- 「趣味というわけじゃないんですけど、先週末は箱根までドライブしました」
- 「いつもじゃないんですけど、たまたま来週はサッカーの試合を見に行く予定です」
前者であれば「箱根」や「ドライブ」、後者は「サッカー」や「スポーツ観戦」の話題で話が広がる可能性が出てきました。
このほうが、専門的な趣味の話よりもよほど盛り上がる、というわけです。雑談の中でされた質問には、ストレートに答えなくていい。
飛んできた会話のボールをとりあえず打ち返して、ラリーを続けることにこそ意義があります。
ポイント
趣味を聞かれたら、先週末や今週末のことを話す

初めて会った人となんとか話題を見つけようと、共通の知人を探してしまうこと、ありますよね。
- 「お住まいはどちらですか?」
- 「●●市です」
- 「えー、ほんとですか!前に友達が住んでましたよ!」
- 「はぁ……」
- 「あ、っていっても知らないですよね。えっと、お勤めはどちらですか?」
- 「▲▲社です」
- 「そうなんですか!大学時代のゼミの先輩が営業部にいます。高橋さんって方なんですけど、ご存じですか」
- 「いや、知らないです」
- 「大きい会社ですもんね……」
- 「ええ……」
このように、パッと飛びついた共通点探しは、空振りに終わることが少なくありません。
仮に、うまく見つかったとしても、
- 「もしかして、高校・大学とラグビー部だったという高橋さんですか?」
- 「そうそう、その高橋さんです。なつかしいなあ、お元気ですか」
- 「この間、営業部長になられましたよ。つい最近、お子さんが生まれたかな」
- 「おめでたいですね」
- 「お子さんが生まれたのをきっかけに、都内に一戸建てを買われたらしくて」
- 「すごいですね。どんなおうちなんでしょうね」
- 「かなりの豪邸らしいですよ」
と、このように一見、和気あいあいと話をしているようですが、どこか空回りの様子。
どうしてでしょう?それは、ふたりがずっと高橋さんのことばかり話していて、お互いの話をまったくしていないから。
表面的には盛り上がっても、これではなかなか関係が深まりません。
他人の話をしないで、お互いの話をする共通の知人といっても所詮は他人です。
最初のとっかかりとしてはいいのですが、適当なところで切り上げ、お互いの話題にシフトさせるべき。
たとえば、「ラグビー部の知人」の話でひとしきり盛り上がったら、「ラグビー、観に行ったりするんですか?」と、スポーツ観戦の話題を振ってみる。
「最近、子どもが生まれたらしい」という話から、「○○さんは、お子さんは?」「甥っ子が、空手を始めましてね」と話題を広げてみる。
会話内に登場するキーワードをヒントにして、なるべく自分の話、相手の話にシフトするのが、正しい雑談力です。
ポイント
共通の知人の話を続けても、関係は深まらない

- 「サッカーとかって、見ますか?」
- 「見ないんですよ……。あ、このコーヒーおいしいですね」
- 「コーヒー、あんまり好きじゃなくて……。えっと、ご出身はどちらですか?」
- 「神奈川です」
- 「あ、そうですか、僕は滋賀です……」
- 「そうですか」
よく知らない相手との会話。
なんとか共通点を見つけようとして、次々とお互いに話題を提供し合うけれど、かみ合わない、気まずい……。まさに地獄のような時間です。
ですが、雑談において「共通点があること」はさほど重要ではありません。
たとえば、相手がプラモデル好きだとわかったとします。ですが、あなたはプラモデルのことはまったくわかりません。
しかし、これはお手上げではなく、雑談が盛り上がるチャンスなのです。
- 「実は僕、プラモデルにハマってまして……」
- 「そうなんですか。全然詳しくないので、トンチンカンな質問をしたらすみません。昔からお好きなんですか」
- 「小学生の頃から好きです」
- 「へー!今でも、よくつくるんですか?」
- 「そうなんです。土日はみっちり時間費やしてますね」
- 「わ!がっつりですね。え、じゃあ、今週末も?」
- 「そうなんですよ。実は大きなイベントが来月に控えてて……」
最初に「全然詳しくない」と断った上で、素直な質問を投げかけると、相手が次第におしゃべりになっていくのがおわかりでしょうか。
「過去」「未来」「現在」で尋ねる自分が知らないことを教えてもらううえで、話が広がりやすい質問の視点をお教えします。
それは、「過去」「現在」「未来」にフォーカスを当てること。
- 過去「昔からお好きなんですか」「いつ始めたんですか?」
- 現在「今でも、よくつくるんですか?」「最近は、何がおすすめですか?」
- 未来「じゃあ、今週末も?」「次に狙ってる場所とかあるんですか?」
このように、時系列に沿って質問を投げかけると、話はどんどん広がっていきます。とくに、①過去は最初の質問として使いやすいでしょう。
②現在について聞くと、お互いの心の距離が縮まり、③未来の話は、スムーズに次の話題に移るステップにもなります。
これからは、相手がよく知らない話題を持ち出したら、「困った」ではなく「ラッキー」と思って、いろいろ教えてもらいましょう。
ポイント
知らないことは聞けばいい。それだけで話が盛り上がる

- 「野外フェスに行くのが趣味なんですよ~」
- 「ホントですか?私もよく行くんです」
- 「あ、そうなんですか、えーと……」
- 「最近だと○○や●●に行きました。いやー、盛り上がったな~」
共通の話題が見つかると大喜びで「私も」「僕も」と盛り上がり、つい、自分の話をしたくなってしまいます。初対面であればなおさらでしょう。
ですが、こうした会話はNG雑談と言えます。というのも、結果的に相手の話を奪ってしまっているから。
相手としてみれば自分のフェスめぐりの話をしたかったのに、いつのまにか、違う話になっている。誰しも、自分の得意とする話題をかっさらわれたら、いい気分はしないものです。
ですから、共通点が見つかってもグッと踏みとどまって、
- 「いつ頃からお好きなんですか?」
- 「フェス、いいですよね。やっぱり盛り上がるのは夏ですか?」
と相手に話を振りましょう。これが正しい雑談力です。
「How about you?(あなたは?)」をつねに意識する
とはいえ、せっかくの共通の話題、自分のことも話したくなりますよね。
聞くだけに徹していると、「ああ、教えてあげたい」「一緒に盛り上がりたい!」と、イライラ、ハラハラしてしまうはず。これはこれで、雑談に適したメンタルとは言えません。
また、知らんぷりしてずっと相手に話させておいて、全部終わってから「いや、実は私もなんです」と告白すると、相手もびっくりしてしまう。
ですからここは、「あ、私もです!+それで、それで?」と、共通点があることは伝えつつも、あくまで、会話の主導権は相手にゆだねるのがいいでしょう。
そうすれば、相手も、ひとしきり自分の話をし終わってから、「あ、すみません、自分の話ばっかりしちゃって。どのアーティストが好きなんですか?」とボールをこっちに渡してくれるはずです。
これはこちらが先に自分の話をたくさんしてしまったときも同様です。
「How about you?(あなたは?)」と、必ずマイクを順番に交換するようにしましょう。
雑談は、相手と一緒につくり上げるもの。どちらかがずっと話して、どちらかがずっと聞く、という状況にしないことが、超雑談力の極意です。
ポイント
相手の話題は相手のもの。泥棒してはいけない

あたりさわりのない雑談をしていたつもりが、いつのまにか論争に巻き込まれてしまった。そんな経験、あるのではないでしょうか。
- 「この間、ラーメンZ郎に初めて行ったんですよ」
- 「Z郎って人気があるけど、ラーメンの味わいを楽しむにはいまいちですよね」
- 「いや、そんなことはないと思うんですけど……」
- 「いや、やっぱりラーメンはあっさり醤油系に限りますよ」
- 「そうとばかりは言えないんじゃないですか」
- 「いやいや、ラーメンと言えば……」
- 「……(もう話したくない)」
- 「ラーメンの話なんてするんじゃなかった」
と後悔したくなるところですが、そもそも、雑談なのに、あなたのひと言めを否定し、ラーメン談義をふっかけてきた相手がルール違反。自分の意見を押し通す、相手を説き伏せるような話し方はNGです。
雑談で交わすべきなのは、「はっきりとした意見」ではなく、「なんとなくの好み」です。
- 「この間、ラーメンZ郎に初めて行ったんですよ」
- 「あー、こってり系、好きなんですね?」
- 「普段は食べないんですけど、そのときは無性に食べたくなって」
- 「わかります。醤油系もいいですよねー」
- 「ああ、いいですねー」
このように、ただ「好み」についてふわふわと言い合うのが、雑談のあるべき姿。なぜかというと、こういう話には「正解がない」から。
正解がないので、話に勝ち負けがつかない。だから殺伐としないのです。
食べ物の好き・嫌いの話は鉄板ネタ
基本的に食べ物の好き・嫌いは、誰も傷つかない、でも人柄が出やすい話題なのでおすすめ。僕も頻繁に使っているコツです。
- 「にんじんが嫌い」
- 「キュウリが嫌い」
など、子どもみたいな好き嫌いの話は、初対面の相手でも必ず盛り上がる鉄板ネタです(中にはアレルギーの人もいるので要注意)。
それでも、冒頭の例のように、議論や説教をしたがる人がいます。ラーメンの話をすれば、「カロリー高いよ」と注意してくる。にんじんが苦手と言えば、「好き嫌いはよくないよ」と説教してくる。
こうした「なんでも言い負かしたい人」「マウンティングに必死な人」に出くわしたときは、どうすればいいでしょうか?正解は〝逃げるが勝ち〟です。
- 「あ、そうですねー、勉強になります」
- 「参考になりました。ありがとうございます!」
- 「たしかに。恐れ入ります」
感謝の言葉とともに、その場から一刻も早く退却しましょう。
ポイント
「好き・嫌い」の話をする。「いい・悪い」の話をしない

雑談は基本的に「相手に気持ちよく話させる」ぐらいのほうがいいわけですが、これにも限度があります。まったく自分の話をせず、ひたすら質問ばかりしていると、相手は不安になります。
- 「自分ばかり話していて気まずい」
- 「なんだか腹の内を探られているようで疲れる」
と気を使わせてしまうのはよくありません。
興味を持って相手の話を聞いていたら、ついつい自分の話もこぼれてしまうもの。適度に自己開示するのが、自然です。
「聞いてばかりだな」と自分で気づいたときには、「少しだけ自分の話をして、すぐに相手に会話のバトンを戻す」を実践しましょう。
「河口湖の周辺にいいキャンプ場があるんですよ」
「河口湖のあたり、素敵ですよね(共感)。私はドライブでしか行ったことがないんですが(自己開示)、キャンプも楽しそうですね(相手に戻す)。以前からよく行かれるんですか?」
「そうですね。最初に行ったのは学生時代だったかな」
相手から「河口湖」というワードが出たときに、河口湖ドライブの経験を思い出し、そのことを相手に伝えます。
ただし、そのまま自分の話を続けるのではなく、「キャンプも楽しそうですね」と相手の話題に戻す。このバランスです。
そのほかにも「私はよく~しちゃうんですけど(自己開示)、そういうことってないですか?(戻す)」「僕、最近~だなあって思うんですよ(自己開示)。そう思いません?(戻す)」といった言い回しも使えます。
「盛り上がりすぎましたね」でクールダウンときには、相手がやたらと盛り上がってしまい、お構いなしにしゃべりまくる……という場面に直面することもあるでしょう。
相手がなかなかこっちにバトンを渡してくれない。ずっと聞いているのも疲れた……。こうした事態から逃れるために身につけておきたいのが、クールダウンのコツです。
- 「いやー、お話がおもしろくてすっかり時間がたっちゃいましたね」
- 「楽しかったなあ、盛り上がりましたね」
と、前向きにこれまでの会話を振り返るのです。
すると、相手もハッと我に返って、こちらにバトンを渡してくれるでしょう。あるいはそのタイミングで、「ありがとうございました。またよろしくお願いします」と続ければ、話を切り上げることができます。
「そろそろ……」とさりげなく終わらせるより、潔くて印象もいいので、覚えておいて損はありません。
ポイント
「3割自分の話、7割相手の話」がベストバランス

緊張したり、手持ちぶさたになったりすると、無意識のうちに腕を組んでしまうことがあります。実はこれは、雑談をさまたげる最悪のジェスチャーです。
腕を組むのは「防衛」のサイン。つまり、相手に「これ以上、こちらの領域に入ってくるな」というメッセージを送る行為です。また、腕を組んでしまうと、必然的に体から動きがなくなります。
顔でいえば、まったくの無表情で話を聞くようなもので、相手としては話しづらいことこの上ありません。では、どうすればいいでしょうか。
これは僕自身も心がけていることですが、「絶対に腕は組まない」と決め、話しながら意識的に手を動かします。
「永田町はあっちの方角かな?」と、右手をパッと斜め上に動かす。「この間食べたハンバーグが、これぐらいの大きさで」と両手を使って示す。といった要領です。
相手に「身振り手振りが大きいですね」と笑ってもらえたら、こっちのものです。
さらには、目線も意識的にコントロールしたいもの。基本は、相手の口元あたりをみるようにするのですが、これにも理由があります。
目を見ずに、口元を見る相手の目を見ずに話すと、相手の不安をかきたてますし、「どこか信用がおけない」という評価につながりがち。
かといって、欧米人のように目を直視すると、相手を戸惑わせる場合もあります。ですから、ほどよく目線を合わせているけれど、緊張を強いない。そういう日本人的なマナーこそが、「口元あたりを見る」というコツです。
目線でいうと、「会話の途中で目線を外していいものかどうか」というのも難しい問題。僕自身はどちらかというと会話の途中に、ときおり目線を外すほう。
ずっと見つめているよりも、ふっと気が抜ける瞬間があるほうがラクだと感じています。ただ、このあたりは好みのレベル。
「腕を組んで拒絶をアピール」さえしなければ、目線については神経質にならなくてもOKです。
「目線に気をつけなきゃ」「腕は組んじゃダメ」と考えすぎると、その緊張は相手にも伝わりますから、むしろ自分がリラックスして話せるスタイルを探るほうが会話が弾みます。
ちなみにあえて「腕を組む」という作戦もあります。
それは、相手を遠ざけたい場合。
おかまいなしにずけずけと踏み込んでくるような相手には、「腕を組む」ことで、不快感を暗にアピールできます。
あいづちや表情、ジェスチャーを通じて距離感をコントロールできるようになれば、雑談力がアップした証拠です。
ポイント
距離をとりたい相手には、あえて腕を組んで拒絶する

女性が男性にモテるためには、「さ・し・す・せ・そ」を意識したあいづちを打つ、というテクニックがよく知られています。
つまり「さすが」「知らなかった」「すごい」「せっかくだし(センスいいですね)」「そうなんですか!」という言葉を返すべし、ということ。
こうすれば、男性が喜んでくれて、結果的にモテにつながるという理論です。ですが、これは雑談力の視点では、あまりおすすめできません。
「媚びてるように見える」とか「使う場面が限られる」以外にも大きな理由があって、それは、「いざというときに、とっさに出ない」ということ(笑)。
- 「寒くなってきましたねー」
- 「最近、子どもがプログラミングを始めたんです」
- 「転職を3回してるんですけど」
こういった話題を相手が持ち出してきたときに、とっさに「さ・し・す・せ・そ」のどれを言えばいいかわからなくなりませんか?
「さすが、かな?すごい、かな?せ、は何だったっけ?」と考えているうちに、あいづちを打つチャンスは去ってしまう。
意外と難しいのがこの「さ・し・す・せ・そ」のあいづちなのです。そこで、僕が代わりにおすすめしたいのは、ズバリ「あ・い・う・え・お」です。
つまり、「あー!」「いいですねー」「うーん」「ええ!?」「おーーー!」の5ワード。
あいづちよりもリアクションのほうが簡単
- 「寒くなってきましたねー」「あー、そうですねー」
- 「最近、子どもがプログラミングを始めたんです」
- 「おー!!プログラミング!」
- 「転職を3回してるんですけど」
- 「えー、3回ですか?」
相手が何かを言ったら、「あー!」と納得し、「いいですねー」と共感し、「うーん」と考え込み、「ええ!?」と驚き、「おーーー!」と感嘆する。
冗談のようですが、実際たったこれだけのことで、相手としてみれば「興味を持ってもらえている」とうれしい気持ちになります。
話しやすいし、「気が合いそうだ」と自然と好意も持たれるのです。慣れてきたら、ちょっと目を見開いたり、手を打ち鳴らすなどのアレンジを加えてみましょう。
気の利いたあいづちを打とうと考えるよりも、まずは「あ・い・う・え・お」で大きなリアクションをする。モテの場面でも有効なテクニックです。
ポイント
うまいあいづちよりも、とりあえずリアクション

初対面にもかかわらず、やたらと説教じみたことを言ったり、自分の意見を押し付けてきたりする人、いますよね。
そのとき、どのように対応するのが正解でしょうか。
- 「お言葉を返すようですが……」
- 「ご意見はごもっともだと思いますが……」
と、つい反論したくなるかもしれません。
けれどなんとか、ここは反論せずに済ませたいところです。なぜなら、反論することでその話が終わらなくなってしまうから。
むしろ、相手の闘争心に火をつけ、本格的なケンカが始まってしまうかもしれません。面倒なことになったと後悔しても、あとの祭りです。仮に相手を言い負かせたとしても、それはそれで面倒。
「人前で恥をかかされた」と恨まれてしまう。では、どのようにリアクションすればいいのでしょうか。
正解は「××さんはどう思います?」と、他の人に話をふって、自分だけに向けられた矛先をそらすことです。
複数で話していた場合はもちろん、もともと、ふたりで話していた場合でも、通りがかった人を呼び止めるなどして仲間を増やすのが有効。
こうすれば、最悪の事態はまぬがれます。
しかし、もう1ランク上を目指すなら、「今日はありがとうございました」と話を終わらせることをおすすめします。
誰しもお礼を言われると、悪い気持ちはしませんから、感じよく会話の終了を相手に知らせることができます。
「ありがとうございました」で強制終了「今日はありがとうございました!」と言われているのに、「それはそうと、僕の意見としては~」と話し続ける人はまずいません。
話し足りないと思っても、そこで話をやめざるをえなくなる万能フレーズです。
セットで覚えておくと便利なのが「またお願いします」。
もしも相手が相当しつこいタイプで、「今日はありがとうございました」と言ってもなお、粘られたとしても、「またお願いします」とダメ押しすれば、会話は終わります。
これは、ずっとひとりの人と話していて飽きてしまったときや、どうしても会話が弾まなくて逃げ出したいときにも使えるテクニック。
便利に使いましょう。
ポイント
困った会話は「お礼」を伝えて切り上げる

明るく元気で常に社交的な性格。他人に興味を持って生き生きと話す。そういう「陽キャ(陽性の明るいキャラ)」になろうとするのは、間違った雑談力です。
人の性格なんて、簡単には変わりません。無理に社交的な性格を目指さなくても、テクニックさえ身につければ、雑談はうまくいきます。
人見知りな「陰キャ(陰のある暗いキャラ)」でも、雑談力は身につけられるのです。性格ではなく単なるコツの問題ですから、必要なのは、「慣れ」ということになります。
たとえば、エレベーターに乗る機会があったとき、同乗者に「(降りるの)何階ですか?」と聞いてみましょう。
このひと言、言えるか言えないかが、雑談力アップのカギです。なにもその人と、親しくなる必要はありません。
表面的にあいさつをし、エレベーターの階数ボタンを代わりに押してあげるだけです。最初は緊張するかもしれませんが、しばらく続けているうちに慣れてきます。
これでもハードルが高い人は、コンビニや飲食店で「ありがとうございましたー」と言ってくる店員さんに対して、「どうもー」とつぶやいてから店を出ましょう。
なにも「ごちそうさまでした、また来ます!」と快活に言う必要はありません。「どうもー」、このひと言で十分です。
そうやって、
- 「適当に声を発する」
- 「どうでもいい相手に、どうでもいい言葉をかける」
をしていくうちに、「なんとなく会話を続ける」メンタルが身についていくのです。モテない陰キャの末路は?僕自身、学生時代は陰キャでした。無愛想だけど、プライドは高い。
当然モテない。そういう、どこにでもよくいる青年でした。
飲食店でアルバイトを始めたはいいけれど、「いらっしゃいませ」のひと言がどうしても言えなかったのをよく覚えています。
当時は自意識過剰で、そういう言葉を発するのがとにかく恥ずかしかったし、どうすればその状態を脱出できるのか、見当もつきませんでした。
友達に「慣れだよ」と言われても、そんなのは嘘だと思っていました。
が、実際に社会に出て、知らない人と触れ合う機会が増え、会話に慣れてみると、そこそこのレベルにはいけることを知りました。
コミュニケーションなんて、そんなものです。ちなみにその結果、性格も明るくなったかというと、そんなことはありません。
オタクで内気なところは変わらないままです(笑)。繰り返しになりますが、性格は変えなくていい。必要なのは「コツ」と「慣れ」です。
雑談の「作法」をマスターすれば、誰でも雑談上手になれるのです。
ポイント
陽キャになる必要はない。単に慣れればいいだけ
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