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第4章ウケるトークの探し方

第4章ウケるトークの探し方

ウケない理由の克服「話のネタを強くする」さて前章で、あなたは「緊張」を克服しました。では、次にすべきことは何でしょう?それは「話の中身を面白くする」ことです。この本は、ウケるトーク術の本です。「ウケる」とある以上、話の中身が面白くなければいけません。では、話を面白くするにはどうしたらいいのか?それは、話のネタをしっかりと作ればいいんです。では、話のネタを作るにはどうしたらいいか?それは、ネタ元を拾いに行くことです!よく、「芸人さんの周りでは何であんなに面白いことばかりが起こるの?」と思っている人がいますが、それは大きな間違いです。芸人さんは、面白いことが起こりそうな環境や状況に、自分から飛び込んでいるんです。そうして常にアンテナを張り巡らせて、話のネタを拾っています。それが傍から見ると、「芸人さんにはいっつも面白いことがやってくる!」という印象になるんですね。彼らはプロなので、無意識にネタ探しができているのでしょうが、私たちもほんの少し意識するだけで、日常に落ちている面白いネタを拾うことができます。今まで何気なく見落としていた美味しいネタを、これを機に拾い集めていきましょう!ここでは、ウケるトークのための「ネタ探し」についてお話しします。ネタの探し方「アニキとタケシが過去住職」突然ですが「木戸に立ちかけし衣食住」というものを知っていますか?会社で営業経験のある人は、一度は聞いたことがあるかもしれません。中には、実際に使っている人もいるのではないでしょうか?これは、会話の糸口になるキーワードの頭文字を取って並べたものなんです。初対面の人やよく知らない人などと話をする際に、話題に困ったことがあると思います。そんなときに、この言葉を知っていると、会話のヒントが見つけられるんです。これら「木戸に立ちかけし衣食住」とは、「キ」は季節や気候、「ド」は道楽、「ニ」はニュース、「タ」は旅、「チ」は知人、「カ」は家族、「ケ」は健康、「シ」は趣味、「衣」は衣類、「食」は食べ物、「住」は住まい、といった言葉の頭文字から成っています。これをヒントに、営業マンの方などは、「最近寒くなってきましたね(季節)」とか、「お子さんはおいくつですか?(家族)」といった話をして、商談前のコミュニケーションを行うんだそうです。ちなみに、「木戸に立ちかけし」とは「木戸に立てかけた」という意味で、覚えやすいように語呂合わせになっています。そこで、この本では、この「木戸に立ちかけし衣食住」をヒントに、「ネタの探し方」として応用しようと思います。その言葉は、「アニキとタケシがカコ住食(過去住職)」です!強引な語呂合わせでスミマセン……。ですが、これを覚えておくとネタの探し方がスムーズにできること間違いありません。それでは、用例を交えて詳しく紹介します。《ア遊び》遊び、趣味、道楽、いたずらなどからネタを探す。・子供のころに流行った遊びやその失敗談(鬼ごっこ、オリジナルの遊びなど)・趣味や楽しみを通しての体験談(カード集め、ツーリング、オフ会など)・自分が仕掛けた、もしくは掛かったいたずら(落とし穴、ドッキリなど)《ニニュース》新聞、テレビ、ネットの情報や、クチコミや噂などからネタを探す。・三面記事的なニュースにツッコミ(マヌケな泥棒、笑える珍事件など)・地元で流れた噂や笑える話題(地域の祭り、町内での出来事など)・会社や学校での噂やニュース(イベントや行事、情報など)《キ季節》四季、時期、シーズンなどからネタを探す。・春夏秋冬に関する話題(夏の海、冬の雪など四季の思い出)・特別な時期に関する話題(入学式、卒業式、バレンタインデーなど)・イベントやスポーツのシーズン(受験、野球、スキーなど旬のもの)《ト友達》友人、仲間、交友関係などからネタを探す。・子供のころの変わった友達(近所、幼なじみ、親友など)・会社や学校での仲間(同期、同級生、飲み仲間など)・変わった交友関係(年の離れた友人、有名人の友達など)

《タ旅》旅行、出張、観光などからネタを探す。・旅行の思い出や失敗談(家族旅行、修学旅行、恋人との旅行など)・出張先や修学旅行先での出来事(ハメを外し過ぎた話、笑える失敗談など)・観光地での印象深い思い出(その土地の変わった人、物、出来事など)《ケ健康》健康、病気、ケガなどからネタを探す。・健康状態に関する話題(健康管理、独自の健康法など)・病気に関する話題(入院体験、重くない笑える病気の話など)・ケガに関する話題(入院体験、笑える骨折やケガの話など)《シ仕事》仕事、バイトなどからネタを探す。・仕事やバイトの体験談(きつい仕事、変わったバイトなど)・仕事やバイトの人にまつわる話(バイト先の先輩、仕事の上司など)・仕事やバイトの失敗談(笑える話題のもの)《ガ学校》学校、予備校、カルチャースクールなどからネタを探す。・学校や予備校に関する思い出(独特な行事、変な校則、珍しい授業など)・学校や予備校での人にまつわる話(キャラの濃い先生、変わった生徒など)・学校や予備校での失敗談(笑える話題のもの)《カ家族》親子、兄弟、夫婦などからネタを探す。・両親や兄弟姉妹に関する話(母親の変なクセ、姉の理解不能な行動、兄弟ゲンカの内容など)・夫や妻に関する話(ダメ夫っぷり、鬼嫁っぷり、夫婦ゲンカの内容など)・ペットに関する話(変わったクセ、理解しがたい行動など)《コ恋人》恋人、愛人、恋愛などからネタを探す。・彼氏や彼女に関する話(ヘタレな彼、わがままな彼女、ケンカの内容など)・浮気や不倫に関する話(自分や他人の笑える失敗談や暴露など)・失恋に関する話(フラれた話、最後の捨てゼリフなど)《ジュウ住居》住まい、土地、暮らしなどからネタを探す。・住まいに関する話(住居の不満、ユニークな近隣住民など)・土地に関する話(不適切な立地条件、変な環境など)・暮らしに関する話(悲惨な生活状態、暮らしぶりなど)《ショク食事》食事、飲食、食欲などからネタを探す。・食べ物に関する話(好き嫌いとその理由、食べ物の恨みなど)・飲食に関する話(飲食店での笑えるトラブル、飲み会での失敗談など)・食欲に関する話(暴飲暴食、ダイエットでの失敗談など)このように、「アニキとタケシがカコ住食」からネタ探しをしておくと、とっさに話すことが思い浮かばないときなどにも、とても便利です。例えば、中学時代の同級生と会った際、「学校」をキーワードに話ができますし、また旅行先での失敗談などは、その場にいなかった人への土産話として披露することもできます。さらに、「アニキとタケシがカコ住食」を活用することで、自分自身の生活にもより良い変化が出てきます。

「家族」や「恋人」、「友達」を理解するようになりますし、自分の「住まい」にも改めて関心を持つでしょう。「仕事」や「学校」でも集中して過ごすようになるはずです。また、「遊び」や「旅」に行っても、何か面白いことが起きないかな?と積極的に動くようになります。「健康」に気を使って、自分の「食事」を見直すようになるかもしれません。「季節」の移り変わりを敏感に感じたり、毎日の「ニュース」も欠かさずチェックするようになるでしょう。自分の人生にも変化をもたらす、ネタ探しのための便利な言葉「アニキとタケシがカコ住食」。ぜひ活用してください!

ウケるトークは「緊張の緩和」「アニキとタケシがカコ住食」を使ってネタを探したら、次は、そのネタがどうしたら面白くなるのか?を考える必要があります。普通に話をするだけなら、ネタのまま話しても良いでしょうが、この本の目的は、「ウケるトーク」です。聞き手にウケる話をしなければいけません。では、ここで質問です。Q:普通の話とオチのある話の違いって何でしょう?笑いが起こること!正解です。では、なぜ笑いは起こるのでしょう?少し難しい話になってきます。なぜ笑いは起こるのか?そこには、「緊張の緩和」というメカニズムが深くかかわっているんです。この言葉、聞いたことがある人もいるかもしれませんね。笑いの構造について分析した有名な先人に、落語家の桂枝雀さんが挙げられます。彼は、「笑いは緊張の緩和によって起こる」と言っています。この理論で行くと、赤ちゃんに「いない、いない、ばぁ~」とやって、赤ちゃんが笑うのも、緊張が緩和したからと考えられるでしょう。「いない、いない」と手で顔を覆った状態では、赤ちゃんは不安から緊張していますが、「ばぁ~」と手を広げ顔を出した瞬間に、赤ちゃんは安心し、緊張が緩和され、笑いにつながるというわけです。この場合、「不安(緊張)」から「安心(緩和)」に変わった瞬間に、笑いが起こっています。緊張の緩和による笑いは、「不安から安心」だけではありません。その逆の、「安心から不安」もそうなんです。例えば、薄暗いバーで女性を口説いていた。一生懸命に口説いた結果、何とかその女性といい感じになれそうだ(安心)。一緒にお店を出てアゼン!何と口説いていた相手は妻だった……(不安)。この場合、男性が、女性を口説いてホテルに行こうとする緊張状態の中、実はよく見たら自分の奥さんだったという、その緊張を緩和させた瞬間に笑いが起こります。これが、奥さんではなく別の女性で、その後ホテルでいい思いをしました……という話なら、嫉妬こそあれ、だれも笑いません。以上のことから、ウケるトークの笑いは2種類の「緊張の緩和」に分類することができると言えます。〈不安→安心〉不安(そんな馬鹿な?)な状態から、それが解明されて安心(なるほど!)になること。聞き手に不安を与える自分の不幸な体験や失敗談と、聞き手が聞いて安心できる、なぜそうなったかという理由。例:「いない、いない、ばぁ~」〈安心→不安〉安心(なるほど!)な状態から、最後には不安(そんな馬鹿な?)になること。聞き手がうらやましがるような幸せな体験で上手いこと行きそうだったのに、最後はダメになったというもの。例:「暗がりで口説いた女性が奥さんだった」笑いを起こすには、「緊張の緩和」のメカニズムを意識して、「不安から安心」または「安心から不安」になるように仕向けてやると良いでしょう。

「フリ」を意識したトークを「緊張」を「緩和」させることが、笑いにつながると言いましたが、この「緊張」状態を作るために、トークで必要になってくる要素が「フリ」です。「フリとオチ」という言葉、聞いたことありませんか?よく芸人さんがテレビなどで使っているため、耳にしたことも多いかもしれません。緊張状態を緩ませて「笑い」が生まれるということは、緊張がより続けば続くほど、緩和したときの笑いは大きいということです。つまり、「緊張」に当たるものが「フリ」であって、「緩和」に当たるものが「オチ」という風にも言えるでしょう。そして、トークでウケるためには、この「フリ」を意識することが大事なんです。その前に「フリとオチ」の説明をしましょう。フリとは「現在の状況や設定を紹介する」ことです。それに対してオチは「その状況や設定を裏切る」ことです。例えば、「この熱湯はかなり熱いから、押すなよ。火傷するから、押すなよ!いいか、絶対に押すなよ!」と言って、結局「押される」というお決まりのギャグがありますが、この中の「押すなよ」と言っている部分は、思いっ切りフリです。「熱湯は熱いから押されると火傷するよ」と、現在の状況や設定を紹介しているわけです。それに対してオチは裏切りなので、「押す」という行為になります。これがもし、「かなり熱い」とか「押すなよ」といったフリがなく、ただ押されただけではオチはつかず、笑いは生まれません。トークにおいても、フリを丁寧にしてあげることで、オチが効いてきます。例えば、第2章の悪い例で紹介した「厳しい先生が、変な声を出した」という話の場合、笑いにつながるかどうかは、フリである「厳しい先生」をどれだけ具体的に描いてあげるかにかかっています。普段の先生が厳しければ厳しいほど、そのイメージを裏切る変な声に笑ってしまうのです。このように「フリ」があるからこそ「オチ」が成立するという原則は、トークはもちろん、漫才、コント、ピン芸など、どんな笑いのジャンルにも当てはまります。もっと言うと、これは笑いに限ったことではありません。ホラー映画での「静かで平和なひととき」や、凶悪事件の「普段はおとなしく真面目な少年」などといった状況も、その後の結果(オチ)を引き立たせるためのフリです。状況の関係性として、「フリとオチ」が成り立っているんです。

知らない人と話すことに「慣れ」よう人の視線に慣れたら、次は知らない人と話す訓練をしましょう。ここでも私が実践した、知らない人と話すための方法をご紹介します。それは、街でチラシを配っている人に話かけるという方法です。駅前や街中でよくチラシを配っている人がいますよね?美容院だったり、居酒屋だったりの宣伝のチラシを、歩いてる人に渡している人たちです。もし、あなたがそのチラシを受け取ったら、そこでそのチラシに関する質問を投げかけてみましょう。きっと相手はあなたの質問に答えてくれます。なぜなら、そこまで興味を持ってくれたあなたのことをうれしく思うからです。経験したことがある人なら分かると思いますが、チラシ配りって、結構もらってくれないんですよね。もらってくれたとしても、ゴミ箱に捨てられていたり、ひどい場合には目の前で道端に捨てられたりします。そんな中、あなたはチラシを受け取り、さらにそのチラシに関した質問までしてくれるのですから、向こうとしてはちゃんと答えたくなるはずです。その際、難しい質問や突飛なボケなどはやめておいた方がいいでしょう。ここでは知らない人と話をするのが目的なので、無難なトークが望ましいです。例えば、「チラシのお店はどこにあるんですか?」とか、「このお店のオススメって何ですか?」など、すぐに答えられそうな質問をしてあげてください。ほかにも、コンビニやスーパーの店員さんに話しかけるという方法も同じ効果が得られます。彼らも、自分が知っているお客にとって必要な情報には答えてくれるでしょう。ただし、これらの訓練は、長話や脱線トークには不向きです。向こうも必要以上には話してくれないでしょう。そこで、多くの人と長く話をするには、合コンや飲み会に積極的に参加することが大事です。参加するだけで構いません。この段階ではまだ、ウケるトークを披露しなくてもOKです。ただ、人前で話すのに慣れるために、みんなと同じようにどんどん話をしましょう。相手を不快にさせる話でなければ、オチがなくても笑いを取れなくても大丈夫です。このようなワイワイしている場では、大してみんな話に集中していませんし、話がスベっても一過性のことなので、次の日にはだれも覚えていません。飲み会での会話なんて、意外とそんなもんです。たくさんの人と話をすることで、人前に慣れてくれば、いざと言うときも緊張しなくなります。ウケるトークを披露する場合、そのテクニックを身に付けることも大切ですが、緊張せずに話ができることがまず大前提です。緊張しやすい人は、ぜひ頑張って克服してください。中途半端なマイナス暗示はダメ!先ほど、人前で緊張してしまう原因として「慣れていないこと」と「余計な気持ち」が挙げられると言いました。ここでは、「余計な気持ち」についてさらに話をしたいと思います。ウケるトークができない人にありがちな思考の流れとしては、まず最初に「面白い人だと思われたい」という期待から入り、次に「でもウケなかったらどうしよう」という不安が襲ってきます。そしてそのまま、「もしスベったら取り返しがつかない」と思い込み、「ウケを取るのはやめて普通の話をしよう」と最終判断をしてしまいます。これがもし、ほかの人たちがウケを取ってきて、いざ自分の番という状況になった場合には、「僕も笑わせなきゃマズい」と頭が真っ白になってしまい、思うように話すことができなくなります。この場合、どうすれば「余計な気持ち」を除くことができるのでしょうか?それは、「中途半端なマイナス暗示をしない」ことです。マイナス暗示をやめろということではありません。中途半端がダメだ!ということなんです。なぜなら、緊張しやすい人は、プラスの暗示をしても、結局マイナスの方が勝ってしまうからです。つまり、「緊張はだれでもするんだ」とプラスにとらえても、次の瞬間に「でも隣りは緊張してるように見えなかった」とか、「こんなに緊張してるのは俺だけかも」とか、勝手にマイナスに考えてしまいがちです。そこで、中途半端ではなく、究極のマイナス暗示をしてやります。それは何かというと、「だれも僕の話には期待していない」と思うことです。ウケようがスベろうが、自分の話にはだれも期待していない──このように一番下からのスタートにして、これ以上恥をかくことはないと思うのです。人間は自分の実力以上のものを望むと、失敗したり緊張したりしてしまいます。「別に期待されていない。ウケたら儲けもん!」くらいの気持ちで話しましょう。期待されていないのであれば、緊張をする理由もないので、冷静に話をすることができます。それでも、もし緊張してしまったら、第2章で挙げた悪い例「コンビニの店長」の解説でも述べましたが、その緊張している状況を声に出してしまえばいいんです。ウケを取る期待はされていないので、緊張しても失敗しても、全然問題はありません。このように、暗示をする場合は究極のマイナス暗示である「期待されていない」と思うようにしましょう。

「フリ」を意識したトークを「緊張」を「緩和」させることが、笑いにつながると言いましたが、この「緊張」状態を作るために、トークで必要になってくる要素が「フリ」です。「フリとオチ」という言葉、聞いたことありませんか?よく芸人さんがテレビなどで使っているため、耳にしたことも多いかもしれません。緊張状態を緩ませて「笑い」が生まれるということは、緊張がより続けば続くほど、緩和したときの笑いは大きいということです。つまり、「緊張」に当たるものが「フリ」であって、「緩和」に当たるものが「オチ」という風にも言えるでしょう。そして、トークでウケるためには、この「フリ」を意識することが大事なんです。その前に「フリとオチ」の説明をしましょう。フリとは「現在の状況や設定を紹介する」ことです。それに対してオチは「その状況や設定を裏切る」ことです。例えば、「この熱湯はかなり熱いから、押すなよ。火傷するから、押すなよ!いいか、絶対に押すなよ!」と言って、結局「押される」というお決まりのギャグがありますが、この中の「押すなよ」と言っている部分は、思いっ切りフリです。「熱湯は熱いから押されると火傷するよ」と、現在の状況や設定を紹介しているわけです。それに対してオチは裏切りなので、「押す」という行為になります。これがもし、「かなり熱い」とか「押すなよ」といったフリがなく、ただ押されただけではオチはつかず、笑いは生まれません。トークにおいても、フリを丁寧にしてあげることで、オチが効いてきます。例えば、第2章の悪い例で紹介した「厳しい先生が、変な声を出した」という話の場合、笑いにつながるかどうかは、フリである「厳しい先生」をどれだけ具体的に描いてあげるかにかかっています。普段の先生が厳しければ厳しいほど、そのイメージを裏切る変な声に笑ってしまうのです。このように「フリ」があるからこそ「オチ」が成立するという原則は、トークはもちろん、漫才、コント、ピン芸など、どんな笑いのジャンルにも当てはまります。もっと言うと、これは笑いに限ったことではありません。ホラー映画での「静かで平和なひととき」や、凶悪事件の「普段はおとなしく真面目な少年」などといった状況も、その後の結果(オチ)を引き立たせるためのフリです。状況の関係性として、「フリとオチ」が成り立っているんです。

第4章ウケるトークの探し方

ウケない理由の克服「話のネタを強くする」さて前章で、あなたは「緊張」を克服しました。では、次にすべきことは何でしょう?それは「話の中身を面白くする」ことです。この本は、ウケるトーク術の本です。「ウケる」とある以上、話の中身が面白くなければいけません。では、話を面白くするにはどうしたらいいのか?それは、話のネタをしっかりと作ればいいんです。では、話のネタを作るにはどうしたらいいか?それは、ネタ元を拾いに行くことです!よく、「芸人さんの周りでは何であんなに面白いことばかりが起こるの?」と思っている人がいますが、それは大きな間違いです。芸人さんは、面白いことが起こりそうな環境や状況に、自分から飛び込んでいるんです。そうして常にアンテナを張り巡らせて、話のネタを拾っています。それが傍から見ると、「芸人さんにはいっつも面白いことがやってくる!」という印象になるんですね。彼らはプロなので、無意識にネタ探しができているのでしょうが、私たちもほんの少し意識するだけで、日常に落ちている面白いネタを拾うことができます。今まで何気なく見落としていた美味しいネタを、これを機に拾い集めていきましょう!ここでは、ウケるトークのための「ネタ探し」についてお話しします。ネタの探し方「アニキとタケシが過去住職」突然ですが「木戸に立ちかけし衣食住」というものを知っていますか?会社で営業経験のある人は、一度は聞いたことがあるかもしれません。中には、実際に使っている人もいるのではないでしょうか?これは、会話の糸口になるキーワードの頭文字を取って並べたものなんです。初対面の人やよく知らない人などと話をする際に、話題に困ったことがあると思います。そんなときに、この言葉を知っていると、会話のヒントが見つけられるんです。これら「木戸に立ちかけし衣食住」とは、「キ」は季節や気候、「ド」は道楽、「ニ」はニュース、「タ」は旅、「チ」は知人、「カ」は家族、「ケ」は健康、「シ」は趣味、「衣」は衣類、「食」は食べ物、「住」は住まい、といった言葉の頭文字から成っています。これをヒントに、営業マンの方などは、「最近寒くなってきましたね(季節)」とか、「お子さんはおいくつですか?(家族)」といった話をして、商談前のコミュニケーションを行うんだそうです。ちなみに、「木戸に立ちかけし」とは「木戸に立てかけた」という意味で、覚えやすいように語呂合わせになっています。そこで、この本では、この「木戸に立ちかけし衣食住」をヒントに、「ネタの探し方」として応用しようと思います。その言葉は、「アニキとタケシがカコ住食(過去住職)」です!強引な語呂合わせでスミマセン……。ですが、これを覚えておくとネタの探し方がスムーズにできること間違いありません。それでは、用例を交えて詳しく紹介します。《ア遊び》遊び、趣味、道楽、いたずらなどからネタを探す。・子供のころに流行った遊びやその失敗談(鬼ごっこ、オリジナルの遊びなど)・趣味や楽しみを通しての体験談(カード集め、ツーリング、オフ会など)・自分が仕掛けた、もしくは掛かったいたずら(落とし穴、ドッキリなど)《ニニュース》新聞、テレビ、ネットの情報や、クチコミや噂などからネタを探す。・三面記事的なニュースにツッコミ(マヌケな泥棒、笑える珍事件など)・地元で流れた噂や笑える話題(地域の祭り、町内での出来事など)・会社や学校での噂やニュース(イベントや行事、情報など)《キ季節》四季、時期、シーズンなどからネタを探す。・春夏秋冬に関する話題(夏の海、冬の雪など四季の思い出)・特別な時期に関する話題(入学式、卒業式、バレンタインデーなど)・イベントやスポーツのシーズン(受験、野球、スキーなど旬のもの)《ト友達》友人、仲間、交友関係などからネタを探す。・子供のころの変わった友達(近所、幼なじみ、親友など)・会社や学校での仲間(同期、同級生、飲み仲間など)・変わった交友関係(年の離れた友人、有名人の友達など)

《タ旅》旅行、出張、観光などからネタを探す。・旅行の思い出や失敗談(家族旅行、修学旅行、恋人との旅行など)・出張先や修学旅行先での出来事(ハメを外し過ぎた話、笑える失敗談など)・観光地での印象深い思い出(その土地の変わった人、物、出来事など)《ケ健康》健康、病気、ケガなどからネタを探す。・健康状態に関する話題(健康管理、独自の健康法など)・病気に関する話題(入院体験、重くない笑える病気の話など)・ケガに関する話題(入院体験、笑える骨折やケガの話など)《シ仕事》仕事、バイトなどからネタを探す。・仕事やバイトの体験談(きつい仕事、変わったバイトなど)・仕事やバイトの人にまつわる話(バイト先の先輩、仕事の上司など)・仕事やバイトの失敗談(笑える話題のもの)《ガ学校》学校、予備校、カルチャースクールなどからネタを探す。・学校や予備校に関する思い出(独特な行事、変な校則、珍しい授業など)・学校や予備校での人にまつわる話(キャラの濃い先生、変わった生徒など)・学校や予備校での失敗談(笑える話題のもの)《カ家族》親子、兄弟、夫婦などからネタを探す。・両親や兄弟姉妹に関する話(母親の変なクセ、姉の理解不能な行動、兄弟ゲンカの内容など)・夫や妻に関する話(ダメ夫っぷり、鬼嫁っぷり、夫婦ゲンカの内容など)・ペットに関する話(変わったクセ、理解しがたい行動など)《コ恋人》恋人、愛人、恋愛などからネタを探す。・彼氏や彼女に関する話(ヘタレな彼、わがままな彼女、ケンカの内容など)・浮気や不倫に関する話(自分や他人の笑える失敗談や暴露など)・失恋に関する話(フラれた話、最後の捨てゼリフなど)《ジュウ住居》住まい、土地、暮らしなどからネタを探す。・住まいに関する話(住居の不満、ユニークな近隣住民など)・土地に関する話(不適切な立地条件、変な環境など)・暮らしに関する話(悲惨な生活状態、暮らしぶりなど)《ショク食事》食事、飲食、食欲などからネタを探す。・食べ物に関する話(好き嫌いとその理由、食べ物の恨みなど)・飲食に関する話(飲食店での笑えるトラブル、飲み会での失敗談など)・食欲に関する話(暴飲暴食、ダイエットでの失敗談など)このように、「アニキとタケシがカコ住食」からネタ探しをしておくと、とっさに話すことが思い浮かばないときなどにも、とても便利です。例えば、中学時代の同級生と会った際、「学校」をキーワードに話ができますし、また旅行先での失敗談などは、その場にいなかった人への土産話として披露することもできます。さらに、「アニキとタケシがカコ住食」を活用することで、自分自身の生活にもより良い変化が出てきます。

「家族」や「恋人」、「友達」を理解するようになりますし、自分の「住まい」にも改めて関心を持つでしょう。「仕事」や「学校」でも集中して過ごすようになるはずです。また、「遊び」や「旅」に行っても、何か面白いことが起きないかな?と積極的に動くようになります。「健康」に気を使って、自分の「食事」を見直すようになるかもしれません。「季節」の移り変わりを敏感に感じたり、毎日の「ニュース」も欠かさずチェックするようになるでしょう。自分の人生にも変化をもたらす、ネタ探しのための便利な言葉「アニキとタケシがカコ住食」。ぜひ活用してください!

ウケるトークは「緊張の緩和」「アニキとタケシがカコ住食」を使ってネタを探したら、次は、そのネタがどうしたら面白くなるのか?を考える必要があります。普通に話をするだけなら、ネタのまま話しても良いでしょうが、この本の目的は、「ウケるトーク」です。聞き手にウケる話をしなければいけません。では、ここで質問です。Q:普通の話とオチのある話の違いって何でしょう?笑いが起こること!正解です。では、なぜ笑いは起こるのでしょう?少し難しい話になってきます。なぜ笑いは起こるのか?そこには、「緊張の緩和」というメカニズムが深くかかわっているんです。この言葉、聞いたことがある人もいるかもしれませんね。笑いの構造について分析した有名な先人に、落語家の桂枝雀さんが挙げられます。彼は、「笑いは緊張の緩和によって起こる」と言っています。この理論で行くと、赤ちゃんに「いない、いない、ばぁ~」とやって、赤ちゃんが笑うのも、緊張が緩和したからと考えられるでしょう。「いない、いない」と手で顔を覆った状態では、赤ちゃんは不安から緊張していますが、「ばぁ~」と手を広げ顔を出した瞬間に、赤ちゃんは安心し、緊張が緩和され、笑いにつながるというわけです。この場合、「不安(緊張)」から「安心(緩和)」に変わった瞬間に、笑いが起こっています。緊張の緩和による笑いは、「不安から安心」だけではありません。その逆の、「安心から不安」もそうなんです。例えば、薄暗いバーで女性を口説いていた。一生懸命に口説いた結果、何とかその女性といい感じになれそうだ(安心)。一緒にお店を出てアゼン!何と口説いていた相手は妻だった……(不安)。この場合、男性が、女性を口説いてホテルに行こうとする緊張状態の中、実はよく見たら自分の奥さんだったという、その緊張を緩和させた瞬間に笑いが起こります。これが、奥さんではなく別の女性で、その後ホテルでいい思いをしました……という話なら、嫉妬こそあれ、だれも笑いません。以上のことから、ウケるトークの笑いは2種類の「緊張の緩和」に分類することができると言えます。〈不安→安心〉不安(そんな馬鹿な?)な状態から、それが解明されて安心(なるほど!)になること。聞き手に不安を与える自分の不幸な体験や失敗談と、聞き手が聞いて安心できる、なぜそうなったかという理由。例:「いない、いない、ばぁ~」〈安心→不安〉安心(なるほど!)な状態から、最後には不安(そんな馬鹿な?)になること。聞き手がうらやましがるような幸せな体験で上手いこと行きそうだったのに、最後はダメになったというもの。例:「暗がりで口説いた女性が奥さんだった」笑いを起こすには、「緊張の緩和」のメカニズムを意識して、「不安から安心」または「安心から不安」になるように仕向けてやると良いでしょう。

ウケるトークには「共感」が大事!ウケるためには「緊張」を「緩和」させることが必要で、上手く「フリ」を作ることで緊張状態を作りだし、その後の「オチ」が笑えるようになる──これらの話は、理論的だったので少し難しかったかもしれませんね。しかし、これを常に意識することで笑いは確実に取れるようになるので、ぜひ覚えておいてください。続いて、あなたのトークが相手に受け入れてもらえるには何が大事か?というお話をします。それは、「共感」です。聞き手に共感してもらうことが、話を受け入れてもらえるということなんです。聞き手は、話の内容を理解して初めて、そこに感情移入できるかどうかを判断します。内容を理解した結果、「そうだ、そうだ」と共感するか、「違う、違う」と反発するかです。そこで、共感を得られた話は、受け入れてもらえる。つまりウケるんです!単に自分の中の変わった考えや体験を披露するだけで、聞き手に共感を得られなければ、ウケることはありません。それは、次の例から見ても分かるはずです。【共感がある】「え?何で俺の髪の毛が坊主かだって?実はさぁ、浮気したのが彼女にバレちゃってさ。罰として、バリカンで丸坊主にさせられてさ。おまけに、ブランド物のバッグまで買わされちゃったんだよ……ハハハ、情けないよ」この話は、男女ともに共感するはずです。男性の場合は「可哀想に」とか「怖い、怖い」といった話し手に対する同情に近い共感でしょうし、女性の場合は「自業自得よ」とか「ざまぁみろ」と言った、彼女に対しての共感になります。そして、この話ももちろん「緊張の緩和」からできています。「なぜ丸坊主なの?」という緊張(不安)に対して、「浮気の罰」という答えを知ることで、緩和(安心)したというわけです。対して、次の例は共感ができない話です。【共感がない】「え?なんで俺の鼻が折れてるかって?実はさぁ、浮気したのが彼女にバレちゃってさ。罰として、トンカチで鼻を折られてさ。おまけに、ブランド物のバッグまで買わされちゃったんだよ……ハハハ、情けないよ」この話は、度が過ぎているため「共感」ができません。「浮気の罰として丸坊主」くらいなら、聞き手も笑い話としてすんなり受け入れられますが、「浮気の罰として鼻を折られた」となると、聞き手は引いてしまいます。さらに、この話では「緊張の緩和」もできていません。なぜなら、「なぜ鼻が折れてるの?」という緊張(不安)に対して、「浮気の罰」という答えでは、その緊張を緩和(安心)するのに十分ではないからです。つまりウケるトークを成功させるためには、バランスの良い「緊張の緩和」と、聞き手に「共感」してもらうことが大事なポイントとなってくるわけです。これらを踏まえて、次章ではいよいよ「ウケるトーク」の作り方を紹介したいと思います。

 

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