第9章キャラクターの笑い難易度★★★あなたが、笑わせたい相手が知っている「自分」を演じ、相手に「嬉しさ」を与えて笑いを生む技術(1)「キャラクターの笑い」では、相手をどういう感情にさせることによって、どういう理屈で、笑いを取れるのだろうか?「キャラクター」とは何か?まず、この「キャラクターの笑い」で言う「キャラクター」とは何かについて、説明します。
ここで言う「キャラクター」とは、笑わせたい相手が自分をどういう人間だと認識しているか、つまり、相手から見える自分のイメージのことです。
例えば、青森県出身、30歳、ぽっちゃり型、毒舌の女性がいたとします。
この女性のキャラクターについて、ある人は「毒舌キャラ」と答えるかもしれませんし、「田舎者キャラ」と思う人や「デブキャラ」と認識する人もいるかもしれません。
また、外国人から見れば「日本人」ということがキャラになるかもしれませんし、男性ばかりの場では「女性」ということが一種のキャラクターになるかもしれません。
さらに、初対面の人は外見的なキャラクターで認識するかもしれませんし、仲の良い友人なら性格的なキャラクターを認識しているかもしれません。
このように、一人の人間には様々なキャラクターの要素があり、見る相手や場によって異なるのです。
キャラクターは、大きく次の2つに分けられます。
◆表面的キャラクター・太っている、ハゲているなど見た目のキャラクター・性別、年齢、出身地、職業、立場などからイメージするキャラクター◆内面的キャラクター・熱血、ネガティブ、せっかちなどの性格的なキャラクター・いじられキャラ、スベりキャラなど対人的なキャラクター・その他、その場で生まれた一時的なキャラなど「キャラクターの笑い」を取るには、その場での自分のキャラクターを客観的に把握することが大事です。
「キャラクターの笑い」とは自分の言動によって、人に「やっぱりコイツはこういう奴だよな!」「やっぱりお前は、そうすると思った」などと、相手がイメージしていた自分の人間像と、実際の人間像が一致した場合、人は嬉しくなるのです。
あなたの言動で、相手に嬉しさを与えることができれば、基本的に笑いは取れます。
嬉しいと人は笑います。
それは幸せになるからです。
自分の言動で相手に嬉しさを与えれば、自然に笑いが生まれてくるはずです。
この笑いのことを、本書では「キャラクターの笑い」と呼びます。
(2)「キャラクターの笑い」は、どういう相手や場に適しているのだろうか?この笑いは、自分に対してイメージしている人間像がある相手にのみ使えます。
ですので、初対面より、長い付き合いの相手の方が使いやすいでしょう。
しかし、付き合いの長い相手でも、自分に対して何もイメージをもたない相手には「キャラクターの笑い」は通用しません。
逆に言うと、初対面でも、自分のキャラクターを強く伝えることができれば、笑いが取れます。
特に場は問いません。
(3)「キャラクターの笑い」を取る方法キャラクターのイメージ通りの言動をする相手が思っている自分のキャラクター通りの言動をすることで笑いを取れます。
◆相手が自分を太っている(キャラクター)と認識していて、それを利用して笑いを取りたい場合【例】雪が降っている街中相手「今日さーみーなー」自分「(手で扇ぎながら)えっ……うそ?今日暑くない?」相手「(笑)」太っている人は暑がりというイメージ通りの行動をしているので、笑いになるでしょう。
◆相手が自分を恐妻家の旦那(キャラクター)だと認識していて、それを利用して笑いを取りたい場合【例】お腹いっぱい食べた後の居酒屋先輩「は~お腹いっぱい」後輩「この残った焼き鳥、もって帰ってもいいですか?」先輩「え?まだ食うの?」後輩「いや、妻にお土産持っていかないと怒られるんで」先輩「大変だな(笑)」
(4)「キャラクターの笑い」で、できるだけ大きな笑いを取るには?この「キャラクターの笑い」も、「安心の笑い」同様、それだけでは存在できません。
「裏切りの笑い」や「自虐の笑い」「期待に応える笑い」など、他の種類の笑いの中に入り込んで、笑いを増幅していくのです。
ですので、「キャラクターの笑い」のみで、笑いを大きく取るのは難しいでしょう。
一種のスパイスと言えるかもしれません。
(5)「キャラクターの笑い」を取る時の注意点大勢の前で「キャラクターの笑い」を取る時には、「自分がその集団から、どういうキャラクターとして認識されているか」の判断が必要になります。
しかし、人によって、自分のイメージ像が違うことも多々あります。
有名人などの場合、相手側がイメージするキャラクターが一致していることが多いですが、一般人ではそうはいかないでしょう。
自分のことがあまり知られていない集団の前では、「見た目のキャラクター」など、わかりやすいものを利用した方がいいかもしれません。
(6)まとめ「キャラクターの笑い」で一番大事な点は、笑わせたい相手や周りの人が、自分をどういう人間だと思っているかを見極めることです。
もしくは自分からキャラクターを浸透させ、イメージ像を作らせることです。
それさえできれば、比較的簡単に笑いを取ることができます。
仮に普通のことを言っても、それがキャラクターに合っていたなら、それだけで笑いが生まれたりもします。
最後に「笑わせる技術」を使いこなすための人間力最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
笑いを取る手法を9つのジャンルに分けて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?本書を読んで実践してみようと思ってくれれば光栄です。
また、バラエティー番組などを見て、「この笑いは『裏切りの笑い』だ」とか、「この笑いは、『自虐の笑い』と『期待に応える笑い』だ」とか、本書で解説した笑いのジャンルを見つけていくのも楽しいかもしれません。
全ての笑いが、どれかのジャンルに必ず当てはまるはずです。
さて、9つの笑いの種類ですが、これらの笑いを使いこなすためには、最終的にあなたのもつ「人間力」が一番重要です。
「人間力」とは、あなたの魅力のことです。
笑わせるために、魅力ある人間になってください。
魅力のない人間に、人は笑わないでしょう。
人を笑わせるために、人に興味をもたれる人間になってください。
そのために、自分が自分に興味をもてる人間になってください。
さらに、そのために、常に自分が好きな自分でいてください。
そして、「人」を好きになってください。
人が好きじゃない人に、人を笑わせることはできません。
どんなに笑わせる技術があっても、そこに人間力がなければ、ただのお笑いロボットです。
お笑いロボットの作る笑いは、すぐに飽きてしまうでしょう。
この本を手に取っていただいたということは、きっと笑わせたい人がいるのではないでしょうか?笑いは時としてリスクを伴います。
スベってしまうこともあるでしょう。
でも、そうなったとしても、心から笑わせたいという気持ちは、必ず相手に届きます。
その気持ちがまた次の笑いに繋がっていくのです。
最後に、本書が、人をたくさん笑わせるきっかけになり、世界が笑顔で満ち溢れれば、著者としてこれに勝る喜びはありません。
西条みつとし(さいじょうみつとし)1978年生まれ。
千葉県出身。
’97年に、吉本総合芸能学院(NSC)入学。
卒業後は、お笑い芸人として吉本興業に所属。
2000年に渡辺プロダクションに移籍し舞台やテレビで活躍。
’10年に芸人活動をやめ、放送作家に。
数々のバラエティ番組の構成作家として活動しながら、’12年には劇団(現「TAIYOMAGICFILM」)を立ち上げ、演劇の世界でも活躍する。
現在、ドラマや映画の監督・脚本、舞台の演出・脚本なども手掛けながら、数多くのお笑いスクールやお笑い事務所の講師も担当。
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