はじめにこの本は、2015年に出版された「超一流の雑談力」の続編にあたる作品です。
前作でお伝えしたのは、雑談にも、「三流」「二流」「一流」という違いがあって、「超一流の雑談」には、人もお金も引き寄せる力がある、ということでした。
雑談とは本来、ダラダラと意味のない話をすることではなく、明確な目的を持って行うもの。
仕事でもプライベートでも、「仲良くなりたい」「聞いてほしいお願いがある」……といった意図を雑談に持たせることで、必ず結果がついてくる。
それは、人とのよいご縁であったり、その出会いから思わぬチャンスを得て、結果的には大きな収入にもつながっていく……そんなすごい力があるんだということをお伝えしたくて、世に送り出した本でした。
私はこれまで、商社での営業や、企業や大学での講師として、また経営者という仕事を通して、雑談が持つ力の大きさを体感してきました。
現在も様々な場所で雑談をテーマにした講演や研修を行っていますが、ちょっとしたやり方の差、積み重ねの差で、「結果」は本当に変わっていくものだと実感を持っています。
そこで、具体的な「一流」の雑談の技術を、前作よりもさらに大きくパワーアップさせ、「超・実践編」として製作したのが今作品です。
では、今回、この続編にはどんなことが書いてあるのか?前作とは何が違うのか?少しだけ説明をさせていただければと思います。
この本には大きく3つの特徴があり、1全編を通して、読者やビジネスの現場から要望の高かった内容をピックアップ→前作を読んだ方からの声、また、企業などから「こんな内容がほしい!」「ここがもっと知りたい!」と要望の高かったものを中心に構成しています。
2内容はすべて刷新!+前作のおさらいつきでお得→今回紹介する内容はすべて新しいものになっており、前作よりもさらに実践的・具体的です。
加えて、前作で紹介したテクニックのおさらいもついているので、この実践編から読んでいただいてもまったく問題ありません。
3新しい視点のテクニック・トレーニング方法が満載→さらなる新要素として、「たとえ話」や「オチをつける方法」など、従来の本では構造化できていなかったスキルを「再現性のある技術」に落とし込み、簡単にトレーニングできるようになっています。
この3点をベースに構成された本書は、全4章。
まず、第1章と第2章ではそれぞれ「話し方」と「聞き方」のパートに分け、「基本のおさらい」と「よりハイレベルな実戦技術」を紹介しています。
前作に比べて、一つひとつのスキルの密度を高めており、新たな視点、知識、スキルを盛り込み、かなりパワーアップさせた内容になっています。
お伝えしたように、前作を読んでいない人でも全体像がつかめるようになっていますのでご安心ください。
続いて、第3章では、前作ではふれられなかった新たなテクニックを紹介します。
ここで紹介するものは、特に「断り」「交渉」「説得」「謝罪」といった気をつかうような難しい場面で活きてくるもので、「人の魅力」を最大限に発揮させ、話に「説得力」を持たせるための技術を紹介します。
最後の第4章では、「タイプ別」「シチュエーション別」に、どのように雑談を使い分けるべきかを紹介。
前作よりもより詳細に、「かゆいところに手が届く」ようにお伝えしています。
最終的に、ここまでスキルを身につけられれば、いつ・誰と話しても怖いものなし。
相当な雑談力になるはずです。
全編を通して、「実際に聞かれた悩み」や「ここをもっと知りたい、という要望」をもとに、内容をピックアップしています。
たとえば、・会話が「かみ合う相手」と「かみ合わない相手」がいるのはなぜか?どのようにすれば解決できるのか?・リアクションがイマイチな人が相手でも会話に弾みをつける方法はないのか?・会話がぶつ切りになって続かない原因は何か?何に気をつけると改善できるか?・部下を指導したり、人に説明したりする際、もっと腹落ちしてもらえる言い回しはないか?・話にオチをつけて、楽しい会話をする方法はないか?・相手に「この人は(他の人とは)違う」と認めてもらうには、どんな方法があるか?・相手の本音を知るには、どうすればいいのか?・複数の雑談では、どのように話を進めていくべきか?といった、日常で誰もが遭遇する場面を例に取りながら、「原因」と「解決策」、また「トレーニング方法」もバッチリ用意しています。
前作同様、まずは気になるところだけ読んでいただいても構いません。
ぜひ雑談の新たな可能性に気づいていただければと思います。
どうぞ、お楽しみいただけましたら幸いです。
もくじはじめに第1章引き寄せる話し方良い空気を生み出す8つのトークスキル1「会話がかみ合わない」ときは雑談では、話の内容よりも先にまずはテンポを合わせること2話にストーリーを足すポイントを絞って「ちょいモリ」すると引きつける力が段違いに高まる3相手のリアクションが薄いとき「反応が薄い」人に出会ってしまったときの秘技「瞳をじっと見つめる」4オチのある話をする話にオチをつける2つの方法「自虐」or「学び」5雑談のギアをあげたい!話題をふるときに自己開示を挟むことで雑談にいい流れができる6会話を明るい雰囲気にしたい!雑談の空気を明るくする「パピプペポ」のオノマトペ7声のボリュームを調整相手のことを話すときには声を大きく自分が主張するときには声を小さく8雑談で話題にすべき究極のテーマ地域ネタを制する者は雑談を制する雑談ゼミ1雑談にはフィジカルも重要
第2章心をわしづかみにする聞き方人との〝違い〟が出る質問とリアクション
9ワンランク上の聞き方「見どころがある」と思わせる聞き方のコツはキーワードの拾い方10リアクションを極める人を気持ちよくさせるツッコミ「え~、本当ですか!」5段活用11リアクションを極める2あいづちの「さしすせそ」に一言足して心を打つ12オウム返しの応用技術「ごめんなさい!◯◯ですか?」であえて会話の流れを止めてテーマをコントロールする13相手に「語ってもらう」技術「どうしてそんなに○○なんですか?」で自慢話を引き出していく雑談ゼミ2聞くことができれば、認めてもらえる
第3章困難な場面に対応する魅力と説得力を増す上級テクニック9選
14魅力的な話し方とは
標準語ではなく生まれ育った地方の言葉で話す15話の説得力を増すにはたとえ話で相手の共感をつかんで離さない16たとえ話の練習方法誰でもたとえ話をつくりやすいのは「対比」の型17対ネガティブ不満やグチにうまく対応し、課題を引き出す18断りたいけどどうすれば!ワンランク上の誠意が伝わる断り方は「かわいげ」19相手の言っていることがとんちんかんだ!考え直してほしいときのフレーズ「ふと思いついてしまったのですが……」20心の距離を縮める方法「さぞかし~でしょうね」+「◯◯しましょうか?」で心配りを伝える21相手の話が飛び飛びでよくわからない!図で整理しながら話を聞くと聞き漏れがない22脱・出たとこ勝負情報の階層を意識して、伝えたいポイントを絞る雑談ゼミ3雑談力の差は、文化や人種の差ではない
第4章変幻自在の雑談相手と状況によって会話を自在に操る
23タイプを見極め、即座に好かれる人にはそれぞれ、「好きな雑談のやり方」がある24ボスタイプ(CP)に出会ったときの対応YESかNOの質問には、YESかNOで答える25優柔不断な人(NP・AC)への対応ハッキリと答えてくれない人には状況や相手の考えを整理する26話の腰を折ってくる人(A)と出会ったら緻密な「理系」タイプには、根気強く付き合うのが一番の近道27相手がおしゃべり好き(FC)の場合の雑談話が脱線したときはあえて泳がせてみるのも手28一対多数の雑談のルール複数人数相手の雑談ではキーマンとタイプの見極めが重要おわりに巻末特典
1「会話がかみ合わない」ときは雑談では、話の内容よりも先にまずはテンポを合わせること
SCENEとあるメーカーで営業マンとして働くあなた。
お客様とのコミュニケーションがうまくいくこともあるのですが、なぜか「まったくかみ合わない!」こともあり、成績が安定しません。
いったい、原因はどこに?リズムが会話の流れをつくるみなさんも、コミュニケーションを取る中で、話が「かみ合う相手」と「スムーズにいかない相手」がいると思われたことがないでしょうか。
「コミュニケーション」と一口に言っても、実に様々な要素が絡んでいます。
表情、声の高さ、スピード、イントネーション、一文の長さ、表現力、話の構成、教養のレベル、受け答えの精度……などなど、ざっと挙げるだけでも20はくだらないでしょう。
相手が「もう会わなければいい」という人であれば、「かみ合わなかったので、さようなら」でいいかもしれませんが、今後も関わりが深い人、仕事上どうしてもうまく付き合わないといけない人、などが相手の場合もあります。
そんなときの対策を考えてみたいと思います。
そもそも、話が「かみ合う」「かみ合わない」の根本の問題はどこにあるのでしょうか。
その答えは、会話の「リズム」です。
前作では、雑談においては「リズムが必要だ」とお伝えしました。
だらだらと話すのではなく、話すときは・一文を短く・テンポよく話すことが重要だとお伝えしました。
×「そういえばですね、この前の休みにビアガーデンに行ってきたんですけど、あっ、そこは百貨店の上にできたやつでちょっと割高ではあるんですが……それで私、ジンギスカンって、あの独特の匂いが苦手であんまり食べなかったんですけど、あそこのは食べられたんですよね~……」◯「この前、とんでもなくおいしいジンギスカンを見つけたんですよ。
私、ジンギスカンって匂いがどうしてもダメだったんです。
でも、そこのはおいしくて箸が止まらないんです。
場所は百貨店の上にできたビアガーデンなんですけれど……」と、相手が理解しやすい順番に並べて情報を一つひとつ区切っていくと同じ内容でも引きつけ方が変わってくる、ということをお伝えしました。
これは、「自分が話すとき」リズミカルに話すためのコツです。
テンポが合わない=居心地が悪いところが、自分がいくらリズムに気をつけて話そうとしても、話が「かみ合う」ときと「かみ合わない」ときがあると思います。
その原因は、自分と相手のリズムの違い、より具体的には「テンポ」の違いなのです。
そもそも人間には、人によって「心地いい」と感じるテンポと、「不快」だと感じるテンポがあり、これは人によって違います。
ゆったりとしたスピードで話すことを好む人がいれば、一方で素早いやりとりに快感を感じる人もいるのです。
ゆったりとした話し方を好む人が、スピーディーな会話のやりとりを好む人とコミュニケーションを取れば、当然かみ合いにくくなります。
そして「かみ合わない」ことが人間にとって苦痛なのは、「自分のペースを乱され、居心地が悪い感じ」がするからです。
私たちは会話をするとき、耳から情報を取り入れて、それをきっかけに思考したり、言葉をひらめいたりします。
ところが、快適なリズムで言葉が入ってこないと、本来思い出せること、本来なら話せることが出てこなくなってしまうのです。
相手に上手に合わせる方法では、どうすればこの問題は解消するのでしょうか?結論からいえば、雑談を仕掛けている側が相手のペースに合わせることです。
リズムの「合う」「合わない」は、多くの場合「慣れ」の問題であり、トレーニングすればまったく問題ないレベルまで順応させることができます。
では、具体的な対処法を見てみましょう。
1テンポが遅い相手に合わせるポイント相手の話が「遅いな」と感じる人は、比較的合理的な会話が好みなのでしょう。
そのため、「テンポが速いやりとり」「明確な答え」などがほしくなると思いますが、それでは相手は「威圧感」を感じてしまいます。
相手の言葉をじっくり待って、やさしい言葉づかいを心がけてください。
たとえば、高齢者の方や小さな子どもが目の前にいたら、自分のペースで一方的に話したりしませんよね。
ゆっくりと、言葉を選んで話すはずです。
それと同じように、相手の言葉を待って、受け止めてから話す、という話し方が必要になります。
なお、話をゆっくりする人は「感覚的な」話し方をする人も多いので、相手の話が「飛び飛び」でよくわからないなぁと思うときは、質問をしても構いません。
ゆったり話すタイプの人は、話を止めても怒る人は少ないのです。
2テンポが速い相手に合わせるポイント逆に話が早い人への対策として共通するポイントは「一字一句」つぶさに相手の話を聞こうとしないことです。
相手が何を言いたいのか、要点を逃さないようにしてください。
詳しくは21でお伝えしますが、頭の中で情報を「図解化」して、相手が言いたいことを整理し、さらにその中で「相手にとって重要なことは何か」優先順位をつける練習をするとよいでしょう。
テンポが速い人は「自分のペースを乱されたくない」と思う人が多いので、質問をするときには、「話を止めて申し訳ありません、今の話は◯◯ということですか?」と自分なりに要約をして、話を理解しようとしている姿勢を見せることが重要です。
より詳しい対応方法については、24で解説しています。
確認するべきポイントは相手の「うなずき」では最後に、会話が「かみ合っている状態」とはどんなものか、見てみましょう。
完ぺきに会話がかみ合っている瞬間は、まわりの騒音が一切聞こえなくなります。
たとえば、入ったときはうるさかったはずのカフェで雑談が盛り上がり、「気づけば何時間も経っていた」というとき。
これは、互いのリズムが合っていた、つまりシンクロしていた証拠です。
話がかみ合っているかどうかを確認するには、相手の「うなずき」に注目してみてください。
「うんうん」とうなずき、あいづちが多いようですと、リズムが合い雑談に引き込まれつつある状態だと言えます。
特に、相手が無意識のうちに出す「ふーん」「へぇ」「ほぅ」……という自然のうなずきは、話に対する集中力が高まっている証拠です。
ただし、日本人はリアクションが小さい人が多いので、うなずきだけではなく「目つき」にも注目しておくことをおすすめします。
人は夢中になってくると、身体は動かなくても目つきが変わります。
目がパッと見開き、「集中しているな」とわかる眼差しになるのです。
リズムがなぜここまで重要かといえば、「テンポ一つ」で雑談後の相手の評価がまったく変わってくるからです。
人間の知覚はいい加減なもので、「相手の印象」を決めるとき、言語情報、つまり話の内容そのものは7%しか意識されません。
何を話しているかではなく、どう話すか、どうリズムを合わせるかのほうがはるかに重要なのです。
つまり、「この人とは呼吸が合うな」と潜在的に感じてもらうことで初めて、相手は話の内容に耳を傾けるようになります。
最初からうまくはいかないかもしれませんが、かみ合いにくい人との会話は、テンポを合わせるためのいい勉強になります。
かみ合わないことをネガティブに捉えるのではなく、むしろ積極的に練習の機会として利用していくとよいでしょう。
1「会話がかみ合わない」ときの対処法前作「超一流の雑談力」で紹介したことリズミカルに話す方法→一文をリズミカルに区切って話すことで、テンポがよくなり伝わりやすくなる「超・実践編」で紹介したこと相手とリズムを合わせる方法1話が遅い人、話が早い人とで、言葉のスピード、反応速度を変える2相手のうなずきや表情から「集中度」を探る
2話にストーリーを足すポイントを絞って「ちょいモリ」すると引きつける力が段違いに高まる
SCENE映像制作会社で働くあなた。
芸能事務所やテレビ局に打ち合わせに出向く際に手みやげを持っていくことが多いのですが、どうも上司と一緒に行くときと、自分だけで行くときでは、上司が一緒のときのほうが相手に喜ばれているような気がします。
どこに違いがあるのでしょうか?伝えたいことをより魅力的に魅せる技術「ちょいモリ」前作では、話し方の技術の一つとして「事実を少しだけ大げさに盛る(=「ちょいモリ」する)」と話をおもしろくできるとお伝えしました。
たとえば、「昨日行ったカフェに美人店員がいた」→「昨日行ったカフェに、思わず二度見するくらいの美人店員がいた」といった具合に、同じ話をするのでも、少し話を盛ることで相手の興味や関心が大きく変わるのです。
今回は、より具体的なちょいモリのテクニック。
どのような点に気をつけると、うまくちょいモリができるのかを解説してみたいと思います。
まず、ちょいモリの前提としては、その名のとおりあくまでも「ちょっとだけ事実を脚色する」、という点です。
つまり、まったくの嘘、事実とは違う方向で話を盛ってはいけません。
また、あまりにも連発すると、内容の信憑性を疑われます。
たとえるなら、スイカに塩をふるように、素材本来の味を引き立てる調味料のような役割を果たすのがちょいモリの真髄です。
ちょいモリのポイントは大きく2つ。
1話のどこにちょいモリをするか、ポイントを決める2相手の想像力を刺激する表現を使うという2点です。
たとえば、猛暑日の打ち合わせ。
「外が暑かった」ことを話題にしたい場合、どのように表現すればいいでしょうか。
「今日は暑いですね……。
40度くらいある気がしますよ!」暑さを40度という温度で表現。
「ちょいモリ」といえばちょいモリですが、40度の暑さがどのようなものか想像しづらく、おもしろみに欠けます。
そこで、よりディティールに凝って、このような表現はどうでしょうか。
「今日は暑いですね……。
ハンドタオルでは追いつかないくらい汗をかくのでバスタオルが必要ですね(笑)」これは、暑さの結果、どのような状況になっているか表現したものです。
こちらのほうが、よりリアルに暑さを感じられる話になっていないでしょうか?このように、「何を」「どう補足すると」、相手が興味を持って聞いてくれるか、それがちょいモリの基本方針です。
では、一つ練習をしてみましょう。
Qあなたは、ある有名なお店の大福(宮内庁御用達)を手みやげにして相手を訪ねました。
どのように表現すると、より喜んで受け取ってもらえるでしょうか?この場合、シンプルに表現すれば「おみやげに◯◯(有名店)の豆大福をお持ちしました。
なんでも、宮内庁御用達なのだそうです」です。
もちろん、悪くはありません。
ですが、ここに少しだけちょいモリをしてみましょう。
A「Bさんが以前お好きだと言っていたので、◯◯(有名店)の大福をお持ちしました。
私も以前いただいて、食べた瞬間に大福の概念が変わりました(笑)、あまりのおいしさに宮内庁も御用達だそうです」ここでは、「大福のおいしさ」にフォーカスしてちょいモリをしています。
たとえば、ここで本当は「宮内庁御用達」でないのに、「宮内庁御用達」と言ってしまうのは「明らかな嘘」なので反則です。
しかし、ここで盛っているように自分が食べたときにどう感じたかは、主観の問題。
ここは多少盛っても問題ありません。
味の感想を伝えることで、「宮内庁御用達」というストーリーに説得力が生まれます。
では一方、このようなちょいモリはどうでしょうか。
A「Bさんが以前お好きだと言っていたので、◯◯(有名店)の大福をお持ちしました。
宮内庁も御用達なんですが、もう大人気で、朝から100人くらい行列ができていて、2時間も並んで買ってきました。
ぜひ召し上がってください!」「買うのが大変だった」という方向でのちょいモリです。
結論から言えば、このような盛り方は「やめておくべき」でしょう。
身内のように近い間柄ではいいかもしれませんが、おしつけがましいイメージになってしまいます。
雑談で全体的に言えることですが、「自分自身の努力」に話の方向を向けるべきではありません。
あくまでも、相手に興味を示してもらう。
相手に気持ちよくなってもらう。
ここに、主軸を置くのがコミュニケーションの本質なのです。
2話にストーリーを足す前作「超一流の雑談力」で紹介したこと話にちょいモリをすることで魅力的になる→まったくの嘘ではなく、あくまでも事実に沿って盛る「超・実践編」で紹介したこと盛るときは、ポイントを絞るとより効果的1やたらと盛らず、何に比重を置いて盛るのか決める2相手の想像力を刺激するような具体的な表現がいい(主観的な意見は盛りやすい)3自分の努力や苦労は、盛るべきではない
3相手のリアクションが薄いとき「反応が薄い」人に出会ってしまったときの秘技「瞳をじっと見つめる」
SCENEあなたは、研修会社の営業担当。
ある中小企業の人事担当に新しくできた新人研修を提案したところ、何を言っても反応が悪い。
結局間が持たず、たったの15分でアポ終了……いったい、どうすればよかったの?あいづち一つで「評価」が変わる前作、雑談においては聞く力、特に「あいづちの打ち方が非常に重要」だとお伝えしました。
なぜ重要かといえば、そもそもあいづちを打っている人が少ないから。
多くの日本人はあいづちがヘタどころか、あいづちをしないのです。
だからこそ、人の話を聞いているときにあいづちを打てる人は「見どころがあるな」「この人は話を聞いてくれる人だな」と感心してもらえるわけですね。
さて、このあいづち。
自分で打つときにはいくらでもコントロールができますが、一方で、相手にあいづちを打ってもらうのは簡単ではありません。
特に、営業や接客、販売員など、対人の仕事をしている方にとって「反応がない」人は鬼門ですね。
相手をうなずかせて会話にいい流れをつくるそこで、ここでは相手を意図的にうなずかせる方法を紹介します。
うなずいてもらうことで、会話にいい流れができるのです。
①話しているとき、相手の目をじっと見つめる②目を決してそらさず、相手がうなずくまで待つ③相手がすぐにうなずかない場合は、「うん」と、自分のほうが深く、ゆっくりとうなずこれだけです。
相手をうなずかせるには、目を見つめる。
それでもうなずかなければ、自分がうなずいてみせればよいのです。
笑ってしまうかもしれませんが、ほぼ100%相手は反応するようになる重要なテクニックです。
目をじっと見つめられると、人はつい目をそらしたくなります。
特に日本人は、目を見つめられるのに慣れていません。
ですが、見つめられているほうとしては、目の前の人から目をそらすのも失礼。
このせめぎ合いに間が持たなくなり、さすがに「うん」とうなずく他なくなってしまうのです。
それでもうなずきが弱いという人が相手の場合は、「……ということで、今お伝えした方法をおすすめしています………………(相手の目を見ながら、自分が「うん」とうなずく)」と、うなずきのお手本のようにしてうなずいてみてください。
よほどのことがなければ、相手もつられてうなずいてくれるようになるでしょう。
注意点としては、こちらも気まずいかもしれませんが、気まずさに負けて目を離してはいけません。
「相手がうなずくまで帰さない」のです(笑)。
これがおもしろいのですが、一度でもそのようにあいづちを打ってもらえると、その後はおもしろいように「うんうん」と相手が首をふってくれるようになります。
そして、うなずきがある程度出てきたら第二段階。
「◯◯さんのようにうなずいていただけると助かりますね」と、一言伝えてみてください。
「この仕事をしていると、いろんな方にお会いしますが、本当に日本人はうなずかない人が多いなぁと思います。
◯◯さんとお話ししていると、いろいろアイデアが出てきて助かります」などと言えば、相手がさらにうなずいてくれるようになり、雑談の雰囲気が温かくなっていきます。
人前で話すときにも応用できる「うなずかせ」テクニックちなみにこのテクニックは、雑談だけでなく、人前で話すときにも役立ちます。
私が研修でよく使っているのは、まず、受講生全体の中で右側の前のほうに座っている人1人、そして、左側の前のほうに座っている1人、2人をターゲットにロックオンします。
そして、今述べた方法で彼らにそれぞれ「うなずき」をしてもらいます。
一度これを行うと、彼らは私の話によく反応をしてくれるようになり、いわば「オーディエンスの見本」のようになってくれるのです。
そうすると、それが波及することで他のみなさんも彼らにつられてうなずきの量が増えていき、全体的に熱が高まってきます。
①まずは右と左でターゲットをロックオンする②右側の人にうなずいてもらう③左側の人にうなずいてもらう→他の人もつられてうなずき、会場全体が温かくなる相手からの反応がほしいときには、ぜひ相手を見つめてみてください。
そして、自分がうなずく。
そのうなずきがエンジンとなり、会話が盛り上がっていくようになるでしょう。
3相手のリアクションが薄いとき前作「超一流の雑談力」で紹介したこと人の話を聞くときのうなずき方→リアクションについては第2章で詳しく解説しています「超・実践編」で紹介したこと相手にうなずいてもらうテクニック1うなずくまで見つめる2どうしてもうなずかなければ、自分でうなずく3うなずいてくれたら、「◯◯さんのようにうなずいていただけると話しやすくて助かります」などと伝える
4オチのある話をする話にオチをつける2つの方法「自虐」or「学び」
SCENE昔から話し方に自信のないあなた。
「話にオチがない!」と指摘をされることもあり、そのことは十分にわかっているのですが、どうすればオチをつけられるのかわからない!うまくオチをつける方法なんてあるの?オチがあることで、会話は次につながっていく前作、雑談がヘタな人に共通するのは「ノープラン」であるということ。
つまり、話の終着点を決めずに話し始めるので、情報が分散したり、どうでもいい情報が増えて言いたいことが伝わらなかったりしている、とお伝えしました。
そこで、雑談の目的──「相手のプライベートな情報が知りたい」「相手の持っている課題を知りたい」──などを明確にしていくと、雑談の方向性が決まる。
「ノープラン雑談」から「オチのある雑談」へ移行させましょう、と言いました。
今回は、この「話にオチをつける方法」についてより実践的に、具体的に考えていきたいと思います。
そもそも、オチとは何なのでしょうか?「オチのない話はするな」と言うほど重要視する人もいますが、オチをつける文化に慣れていない人からすると、オチをつけろと言われても、どんなふうにつければいいのか、そもそもどんなものかわかりにくいかもしれません。
オチとは、言い換えれば「話の終着点」。
話の最後の「まとめ」とも言えるでしょう。
話の最後をどうしめるか、何に向かって話しているか方向性が定まっているのがオチのある話。
方向性が定まっていないのがオチのない話です。
オチは、あらかじめ設定してある場合もあれば、話しているうちに、「そうだ!」とひらめくこともあります。
オチが重要な理由は、オチがあることで相手もリアクションがしやすくなり、会話が次につながることです。
リレーの「バトン」のような役割が、話のオチなのです。
オチをつけるための2つの型それではオチをつけるテクニックについて、具体的に見ていきましょう。
たとえば、「家に財布を忘れた」という話をしたかったとしましょう。
「今日家に財布を忘れちゃいまして、遅刻しそうになって大変でした」……と、ただ大変だったと言われても、特にツッコミどころも広げどころもなく、話が次に展開しません。
これがいわゆる「オチのない話」です。
そこで、オチをつけるのですが、オチの種類としては主に2つ、1ちょっとした自虐をオチにする場合2その体験から学んだことをオチにする場合誰でもつけやすいオチです。
それぞれ、見てみましょう。
例1:ちょっとした自虐をオチにする場合「今日家に財布を忘れちゃいまして、駅に着いてから気づいたんですよ。
ただ、絶対に遅刻できないんで、ここは覚悟を決めようと陸上部時代を思い出して全力ダッシュしたら……足がつりまして(笑)。
青春がとっくに失われていることを痛感しました(笑)」例2:その体験から学んだことをオチにする場合「今日家に財布を忘れちゃいまして、走って汗だくになるわ遅刻しそうになるわ大変だったんですが、一ついいことがありまして……自分もまだこんなに走れるんだということに気づけました(笑)」
このようにオチがつくと、話がつながりやすくなります。
オチをつける際は、わかりきった結論に達するのではなく、相手が予想していないところに着地できると理想的です。
財布を忘れて「大変だった」、というのは、何のひねりも意外性もない、わかりきった結論です。
そのため、オチにならないのです。
そこで、・「足をつって、青春が失われていることを痛感した」・「意外と走れて、自分もまだこんなに走れることがわかった」といった別の方向に話を持っていくことで、聞いているほうも自然と「そういえば私も……」と次につながり、会話が盛り上がっていくのです。
定番のネタからオチをつける練習をしかしながら、私たちは芸人さんではないので、オチのある話を当意即妙で行うのは、簡単なことではありません。
そこでぜひ、「定番のネタ」をいくつかストックしてみてください。
私自身、研修で使う「定番のネタ」がいくつかあります。
会場の雰囲気をよくしたいときに使うものです。
試しに一つ、ご紹介しましょう。
わかりやすい話し方を教える研修で「ポイント予告の技術」(「私が伝えたいことは3つあります」と、ポイントを予告してから話しましょう、という内容)を教えるときによくするお話です。
約40年前、まだ20代前半だった私はハワイ旅行に行きました。
シーズンオフで航空券がとても安い時期です。
私はそれを狙ってチケットを取り、ガラガラの機内でエイミーさん(仮名)というキャビン・アテンダントと出会い、仲良くなりました。
彼女の次のフライトまでの滞在中にご飯を食べに行くことになったのです。
そしてその後も、彼女は日本─ハワイ便で乗務を続けていたため、日本に来るときに連絡をくれるようになり、帰国後も定期的に会うようになりました。
エイミーさんは大変な美人で、性格も快活な彼女のことを私は好きになっていました。
当時は欧米人に対する劣等感が邪魔をして告白することができずにいたのですが、あるとき酒の勢いに任せてポロッと〝Iloveyou.〟と言ってしまいました。
しかしながら、彼女の答えは〝Why?(なぜ?)〟というもの。
「ああ、しまった……」〝Why?(なぜ?)〟ということは、ダメということか……安田青年はその一言にめげてしまい、恋は終わりを告げました。
……しかしその後わかったのですが、アメリカ人にとって「自分のことがなぜ好きなのか」その理由を聞くことはおかしい話ではないのです。
つまり、あのときの〝Why?〟は、決してNOという意味ではなかったんですね。
今の私ならこう答えることができます。
〝Because,Ihave3points.(それには3つのポイントがあります)〟と。
解説するのは気恥ずかしいのですが、最後のオチが研修の内容(「ポイントを予告する」)とかかっているので、この話を研修の最後にすると驚きや笑いが生まれ、雰囲気がよりなごやかになります。
日常で使う雑談では、これほど仕込む必要はもちろんありませんが、人間誰しも、「ちょっと不思議な体験」「特別な経験」などを持っているはずです。
そのエピソードに、オチをつけてみてください。
定番エピソードにオチをつける練習をしていくと、普段の何気ない話にもオチをつけるコツがわかってくるはずです。
話すことが苦手な人も、自信がついてくることでしょう。
4オチのある話をする前作「超一流の雑談力」で紹介したこと「ノープラン雑談」から「オチのある雑談」へ→会話のゴール、相手の何を知りたいのか、どこに話を持っていきたいのか考えたうえで話すことが重要「超・実践編」で紹介したことオチをつけるには2つの型がある1「ちょっとした自虐」2「そこから学んだこと」→定番のエピソードにオチをつけるトレーニングがおすすめ
5雑談のギアをあげたい!話題をふるときに自己開示を挟むことで雑談にいい流れができる
SCENE雑談は天気の話から……ということで、「今日は暑いですね~(寒いですね~)」と話を切り出すあなた。
しかし、なぜかそこから話がうまく広がっていきません。
どんなふうに話をふると、もっと自然に盛り上がるのでしょうか?軽い失敗談を伝えて安心感を与える「自己開示」前作、自己開示の技術について紹介しました。
自己開示とは、その名のとおり自分について相手に知らせることです。
会話の早い段階で自己開示をすることで、相手に安心感を与えることができます。
特に自己開示で適しているのは、軽い失敗談や自虐。
「学生の頃はサッカー部でやせていたんですけれど、今はこのとおりだいぶウェイトアップしまして(笑)」などの気安いものがベストだとお伝えしました。
反対に、空気が重くなるような身の上話(離婚や介護など)や、冗談ですまされないような失敗談は逆効果。
あくまでも、相手に「安心感」を与え、ほどよい空気感をつくるのが自己開示のテクニックだということを忘れてはいけません。
話題をふりながら自己開示するテクニック今回は、この自己開示を「話題をふる」ときに使う応用技術を紹介します。
話題の始まりは「天気」が定番中の定番ですが、雑談が苦手な人は天気の話をしても先につながらない、話が止まってしまう、ということが多いと思います。
たとえば、A「今日は涼しくて、過ごしやすいですね」と、このように話をふると、相手によってはB「ええ、そうですね」と、ここで止まってしまうこともあるでしょう。
そもそも、その日が暑かろうが寒かろうが、どうでもいい人のほうが多いのです。
漫然と話をふったところで、話題がどうしてもぶつ切りになり、会話が深くなっていきません。
では、「そうですね」で終わらせないために何が必要か。
それが、「一言、自己開示的な情報を足すこと」なのです。
A「今日は涼しくて、過ごしやすいですね。
私は暑がりなものでこういう日は助かります。
Bさんは夏はお好きですか?」このように、自分の情報を伝えることで雑談のエンジンを点火させます。
このとき、Bさんが「夏が好き」だと答えたら、「それはうらやましい!ということは、夏場は何かスポーツやアクティビティーをなさるんですか?」Bさんも「夏が苦手」なようだったら、「Bさんもですか!夏は涼しい場所に限りますよね。
どこか涼しいスポットでもあればいいのですが(笑)」このように話を展開させることができます。
このテクニックを使うと、どんな話題から入っても、自分が話題にしたいことに誘導することもできます。
・「会社の業績、好調のようですね。
私も御社のものと知らずに◯◯を買わせていただきまして、まずはそれをお伝えせねばと思いまして!(笑)」・「私はこの陽気ですっかり夏バテ気味なんですが、◯◯さんはお元気そうですね」・「最近はいろんなニュースがありましたけれど、私にとっての大事件は◯◯さんがご結婚されたことですよ!(笑)」・「このあたりは昔、よく営業で回っていました。
◯◯(有名なお店など)にこっそり行くのがささやかな楽しみでした(笑)」どんな話題から入ったとしても、このように話を切り出せば、話の流れをつくることができ、かつ相手も返しやすくなります。
つかみがうまくいけば、スタートはOK。
話が止まることはないでしょう。
ただし、注意点が一つ。
それは、会話の中で相手に「自己主張が強い」と思われたらNGだということです。
時々、どんな話題が出ても「自分」に話をつなげようとする方がいます。
・「私も◯◯をしたことがあります!」
・「私も◯◯のときは大変でした!」・「私も◯◯が大好きでこの前も××に行って……」と、短期間の中で何度も「私」が出てきてしまうのは、「会話泥棒」。
「人の話を聞かない人」という印象を与えてしまいます。
自己開示をする理由は、「接しやすい人」だと思ってもらうため。
ですから、最初のつかみに成功したら、あとは最低限にとどめるのが正解です。
5雑談のギアをあげたい!前作「超一流の雑談力」で紹介したこと自己開示を行うことで安心感が生まれる1その際は、軽い失敗談や軽い自虐がよい2冗談にならない失敗談や自虐は逆効果なので注意「超・実践編」で紹介したこと話題をふる際に自己開示をする技術1「暑がり」「◯◯県出身なので」……といった情報を出しながら相手に話題をふる2自分の話がメインではなく、相手に話題を持っていくのがゴールだということを忘れない
6会話を明るい雰囲気にしたい!雑談の空気を明るくする「パピプペポ」のオノマトペ
SCENEあるウェブ会社から独立してフリーランスになったあなた。
腕に自信はあるのですが、慣れない営業に苦労しています。
「もっと社交的で明るい雰囲気」を出せればいいとは思っているのですが……具体的にどうしたらよいのでしょうか?オノマトペで臨場感や感情を伝える前作、会話を盛り上げるには「オノマトペ」が有効な手段だとお伝えしました。
オノマトペとは、「雨がザーーーーーッと降ってきた」のザーーーーーッの部分にあたる言葉です。
情景や臨場感が伝わりやすくなり、また、会話に抑揚をつけるにも便利なものです。
特に感情表現が苦手な方は、オノマトペを会話に入れていくだけで印象がだいぶやわらかなものに変わります。
あれこれ言葉を尽くすより、印象に残るフレーズここでは、より効果的なオノマトペとして「パ行」を使ったものを紹介します。
パ行は破裂音で、印象を強く残すことができる言葉だといわれています。
パ=「パーッと」「パリパリ」などピ=「ピンと」「ピッタリ」などプ=「プリプリ」「プルプル」などペ=「ペラペラ」「ペロッと」などポ=「ポロッと」「ポロポロ」などパ行は、ちょっと気持ちを引き立てるような印象のある言葉です。
他の音と比べてみると、ダントツに「明るさ」「軽さ」を印象づけることができ、ポジティブなニュアンスを出すことができるのです。
ですから、私はこのパ行のオノマトペをおすすめします。
たとえば感動的な映画を観たとき、その感想として「涙を禁じえませんでした」と言うより「涙がポロポロ止まりませんでした」のほうが、その感動がダイナミックに伝わってきますね。
おいしいものを食べたときに、「あまりにもおいしいもので箸が止まりませんでした」と言うよりも、「あまりにもおいしくて、ペロッと平らげてしまいました」のほうが、よっぽどおいしかったんだろうと思わせることができます。
このように自分の気持ちをあらわしたいときは、パ行のオノマトペを意識的に使うようにしてみてください。
6会話を明るい雰囲気にしたい!前作「超一流の雑談力」で紹介したこと「オノマトペ」を取り入れることで会話にリズムが生まれる「超・実践編」で紹介したこと感情や描写のダイナミックさをあらわすなら「パ行」例文「パーッと景色が明るくなりますね」「すみません、今ピーンとひらめいたのですが……」「そのわらび餅、感動的なまでにプルプルな食感なんですよ」「彼は英語だけじゃなく、ドイツ語もペラッペラなんですよ」「申し訳ありません、つい本音がポロッと出てしまいました(笑)」
7声のボリュームを調整相手のことを話すときには声を大きく自分が主張するときには声を小さく
SCENE体育会系出身で、「ノリ」と「元気」がウリのあなた。
しかしながら、先日お客様を接待した際、上司から「君、ちょっとボリュームを下げて……」と注意される一幕が。
声の「ちょうどいいさじ加減」ってあるの?声の高さは、高いほうが社交的な印象になる前作、雑談中の「声の高さ」についてお話ししました。
日本人はたいてい声が低すぎるので、高めを意識すること。
具体的には、「ドレミファソラシドの〝ファ〟から〝ソ〟を目安にする」と、感じのいい雰囲気が出るとお伝えしました。
高い声は「社交的な印象」を与え、一方低い声は「冷たい印象」を与えてしまうのです。
声の高さを調整するだけで、人の印象は驚くほど変わります。
自分にとって興味のない話は、「雑音」と同じそして今回は、声の高さではなく、大きさ。
ボリューム調整のテクニックをお伝えします。
冒頭のケースのように、「いつでも明るく大きな声」がいいわけではなく、話の性質によって声の大きさは使い分けたほうがよいのです。
では、どのように使い分けたらいいのでしょうか?まず前提として、人間にとって「興味のない話」というのは、「雑音」と同じようなものです。
雑音というのは、5割増しくらい大きな音で聞こえてしまいます。
たとえば我が社の社員のAくんは、明るく気さくで楽しい性格がウリ。
まさに営業マンといった人物です。
ところが、ある日社員たちで飲み会をしていたときです。
その明るさやおしゃべりが、やけにけたたましく聞こえてしまったのです。
「Aくん、うるさいよ!もう少し声小さくならないかな」と、何度か注意してしまったほどです。
そのとき彼を注意したときの話題を思い出してみると、「Aくんの高校時代の話」「Aくんのマニアックな趣味」……と、他の人にとってはまったく関係のない話。
つまり、その場にいる誰もが興味のない話だったのです。
本人は自分の話なので楽しいのですが、本人が盛り上がるほど、まわりは引いてしまうという悪循環になってしまいます。
ですから、声のボリュームは、・相手について話しているときや、相手の話を聞いているときは、ボリュームを大きく一方、・自分の主張をするときは、ボリュームを小さくを心がけてみてください。
相手の話をしているときのボリュームが100とすると、自分の主張をするときには50~60くらいのボリュームで十分です。
相手の話をしているときにはボリュームを大きくすることで、「興味を持っている」という姿勢を示すことができます。
また、自分の主張のボリュームを小さくするのには、相手に「うるさい」と思われないようにすることともう一つ、「注意を引きつける」効果があります。
小さいボリュームで話すことで「ここだけの話なんですが……」というニュアンスが出しやすく、さらに、「ちょっとだけ聞こえにくい」くらいのほうが相手も耳を傾けるので、話への集中力が高まるのです。
さじ加減がわかってくると、自分で雑談のペースをつくることができるのでとても便利なテクニックです。
ぜひ、トライしてみてください。
7声のボリュームを調整前作「超一流の雑談力」で紹介したこと声の高さ:雑談においては、高めの声のほうが「フレンドリーさ」を伝えるのに適している→具体的には、「ドレミファソラシド」の「ファ」か「ソ」「超・実践編」で紹介したこと声の大きさ:ボリュームを調整することで雑談のペースをつくることができる1相手に関連する話をするときはボリュームを大きめで2自分の主張をするときは50~60%のボリュームにすると注意を引きつけることができる
8雑談で話題にすべき究極のテーマ地域ネタを制する者は雑談を制する
SCENE雑談で盛り上がる鉄板のネタといえば、「お互いの共通点」。
そこで、共通点を見つけようとするのですが……なかなかヒットしないことも。
もっと短時間で、スムーズに関係を縮めたい!そんなときにはどうすればいい?もっとも関係を深めやすい雑談のテーマ雑談の始まりにはいくつかの適したテーマがあります。
前作では、気候/相手の会社情報/衣服、ファッション/健康/趣味/最近のニュース/共通のこと/出身地/血液型/仕事を挙げました。
そもそも話題とは、雑談が進むにつれてどんどん移り変わっていくものなので、最初は「あたりさわりのないものでいい」むしろ、「あたりさわりのないものこそが正解」だとお伝えしています。
ただ、この中で一つ、極めれば絶大な効果を発揮する話題があります。
それが、出身地についての話題=地域ネタです。
相手の出身地の話になったとき、すかさず「あ、◯◯先日行ったんですよ」「その辺、××がありますよね?」などとフォローを入れると雑談に火がつきやすくなります。
地方出身の方が、故郷の話をできる相手を見つけられたら嬉しいものです。
私も自分の出身地である宮城県の話題が通じる方と会うと、それだけで嬉しくなります。
雑談の目的は、相手との距離を縮めること。
そのためには、何かしらの共通点を探すことが一番です。
その点、この地域ネタはもってこいなのです。
また、地域ネタのもう一つ素晴らしいところが、「情報が劣化することが少ない」こと。
時事ネタや流行に関係する話題はどんどん更新されていくので、数か月も経てば使えなくなってしまうこともあります。
一方、地域ネタ、中でもその土地の名物や名所に関する知識は大きく変わることはありません。
つまり、勉強すればした分だけ使える武器として残る。
この点でもおすすめです。
まずは王道をおさえる雑談で使う地域ネタは、簡単なもので構いません。
たとえば、「仙台出身なんですか!白松がモナカ好きなんですよ!」と、地域の銘菓を挙げるだけでも好感度を上げることができます。
理想的には、47都道府県すべて把握することですが、地方ごとに大枠でつかんでおくだけでも問題ありません。
たとえば、A「もしかしてBさんは東北のご出身ですか?」B「え、どうしてそう思うんですか?」A「イントネーションから何となくそう思いまして。
私は宮城県なんです」B「違うんだけど、実は2年間盛岡で支店長をやっていたことがあります」A「そうでしたか!どこかお声を聞いていて、安心できる響きだと思っていたんですよ」このようなやりとりなら、ピッタリ正解でなくても好感度が上がります。
歴史や郷土愛の強いものにふれるときは注意ただし、注意点があります。
地域の歴史はいいことだけではありません。
悲しい歴史などによる因縁などもあるものです。
他県の人からすると同じように見える近隣の都道府県でも、「××県と一緒にされたくない」、「○○県とは違う」ということもあるのです。
また、こんな落とし穴もあります。
たとえば、東北地方の違いを説明するうえでよくネタになる「芋煮」という郷土料理があります。
山形では「牛肉に醤油ベース」、宮城では「豚肉に味噌ベース」と、名前は同じでも調理法がまったく違うのです。
関西名物「お好み焼き」も同様で、地域によって調理法が違います。
中でも、広島県発祥のお好み焼き(麺が入っているタイプ)を他県の人は「広島焼き」と言いますが、広島出身の人に「広島焼き、おいしいですよね!」というのはNG。
「広島焼きじゃなくて、これがお好み焼き!」と、誇りを持っている人もいるのです。
このように、歴史的な事実や郷土愛の強いものにふれるときは注意が必要です。
やってしまったら素直に教えを乞うとはいえ、地雷をすべて回避しながら地域ネタを扱うというのは、簡単なことではありません。
実際の相手の反応を見ながら、「使えない知識」と「使える知識」の線引きができていきます。
では、地雷を踏んでしまったときはどうすればいいのか。
答えはシンプルです。
素直に謝って、正しい知識の教えを乞いましょう。
「失礼しました。
芋煮といっても、山形のものと宮城のものとではぜんぜん違うのですね。
不勉強で申し訳ありませんでした。
ぜひ、その違いをご教示いただけ
ないでしょうか?」このように素直に教えを乞えば、場合によっては「素直で見どころのある子だな」と感じてもらえ、地雷を踏んだマイナスイメージが引っくり返ることすらあります。
ただし、これは若い方に限ったリカバリー方法です。
ある程度年齢の高い方では「常識がない人」というレッテルを貼られてしまいますから、深入りせずに話題をずらすほうがよさそうです。
メジャーなものから、高校野球の強豪校まででは、具体的にどんな地域ネタを勉強するとアドバンテージになるか考えていきましょう。
まずおさえておくべきなのは、「○○県といえば?」というほどメジャーな名物、名所です。
静岡といえば、富士山や桜エビ。
福岡といえば太宰府天満宮や明太子、といった具合です。
各県で10個ほど覚えられたら、話のきっかけとしては十分でしょう。
次の段階としては、ど直球のメジャー品ではなく、少し渋目のチョイス。
このほうがより「知ってるなぁ」と思ってもらえ、会話の熱を高めることができます。
たとえば宮城県にある宮城峡蒸溜所。
これはNHKの朝ドラ「マッサン」こと竹鶴政孝氏が手がけたニッカウヰスキー第二の工場です。
ニッカと北海道の余市の工場は知っていても、宮城峡蒸溜所を知らない方は多いと思います。
それだけに、このキーワードをふっと出せると、仙台出身のお酒好きの人などに効果的なキーワードになります。
さらに、ある程度おさえられた人は、各都道府県にある「高校野球の名門校」を覚えてみるのもよいでしょう。
「豊田市ご出身ですか。
というと、たしか××高校があるところですよね!」その出身校の人でなくても、地元で有名な高校です。
「なんでそんなことを知っているんだ!」と盛り上がるでしょう。
今回は巻末に、各地道府県別に「雑談のネタ」になる名物・名所を収録しています。
まずは入門として、この辺から始めてみるのがおすすめです。
体験に勝る学習なしこれらの地域ネタは、初めのうちはインターネットや本で学ぶのが常套手段ですが、やはり体験に勝る学習はありません。
仕事や旅行などで地方に行ったときは、ぜひ実際に名所を訪ねたり、名物を食べたりして見聞を深めてください。
また、地域ネタを披露する際も、「ちょいモリ」がおすすめ。
実体験で仕入れた知識は、ちょいモリがしやすくなります。
たとえば、兵庫県姫路市出身の方に姫路城の話をするとしましょう。
「姫路の企業で研修をさせていただいたとき、その前に空いていた時間で姫路城に行ったことがあるのですが、あまりの広さに本当に驚きました。
さすが日本唯一の城単独の世界文化遺産ですね。
とても暑い日でジャケットを脱いで歩いていたのですが、それでも広すぎて汗だくになってしまって、研修前だというのに近くの店で生ビールを一杯飲んでしまったほどです(笑)。
これは今のところ人生でも一度きりの経験です」インターネットで調べれば、日本の中で「城単独の世界文化遺産」は姫路城だけだということはわかります。
しかし、実体験があることで「体感」した話をすることができ、引きつける力が強くなるのです。
なお、この姫路の話は私の実体験。
その広大さには本当に驚かされたものです。
ちなみに、このとき生ビールをいただいたお店の名前は「高田の馬場」。
東京にある地名と同じで、これもちょっとした話題になります。
海外旅行もよいですが、雑談に関していえば、おすすめは国内旅行。
五感で体験したご当地ネタを増やしてみてください。
8雑談で話題にすべき究極のテーマ前作「超一流の雑談力」で紹介したこと雑談の話題は「あたりさわりのないもの」から始めるのが正解→気候/相手の会社情報/衣服、ファッション/健康/趣味/最近のニュース/共通のこと/出身地/血液型/仕事「超・実践編」で紹介したこと中でも効果が高いのは、地域ネタ1誰もが知る名所や名物をおさえる2知る人ぞ知る名物をおさえる3地元の高校などをおさえる→座学ではなく、実体験を交えられるとベスト
雑談ゼミ1雑談にはフィジカルも重要雑談には、知識やノウハウだけでなく「身体」の使い方が非常に重要です。
最新の脳科学の研究では、人は脳で考えてから行動するのではなく、行動が先で、それから脳が働くことがわかっています。
これは非常に納得できる話で、たとえば緊張しているとき、手を動かしながら話すと緊張が取れたり、言葉がスラスラと出やすくなります。
私自身は英語を話すときによく手を動かすのですが、手を動かしながら話すことで思考が日本語から英語に切り替わっていき、舌もなめらかになっていくのです。
つまり雑談力というのは、口先だけの技術でなければ、知識だけの問題でもありません。
身体全体を使って、何をどう伝えていくか、総合的なスキルなのです。
雑談の基本として大切な「笑顔」もその一つです。
表情筋が衰えている方は、笑顔をキープしているつもりでも、雑談が長くなるとだんだんと笑顔が消えていってしまいます。
好印象の笑顔をキープするには、表情筋を普段から鍛える必要があります。
雑談しているときの表情には、日頃の姿勢が出てくるのです。
また何より、総合的な体力も重要です。
私は何十年もテニスをしているのですが、これには単純に趣味という面と、体力を養うという目的もあります。
このあとお話しする「聞き方」は、実は「超一流の雑談力」の本質の部分。
この聞き方が、一流と二流を明確に分ける境界だと私は考えています。
相手の話の要点を漏らさないように、しっかりと聞き続ける集中力を保つには、技術はもちろんのこと、持久力も非常に重要な要素です。
ぜひ、今まで目を向けていなかった「表情」や「身ぶり手ぶり」、また「持久力」などに目を向けてみてください。
雑談のレベルがまた一つ上がることと思います。
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