「感動ヴォイス」で心も体も心地よくリセットできるあなたの本当の声である「感動ヴォイス」を手に入れると、聞き手の反応が変わるのはもちろん、声を出すあなた自身にも大きな変化が訪れます。まるで、声でスイッチが入ったかのように、あなたのあらゆることが変わっていくのです。具体的な感動ヴォイスのメソッドについては、次の章からお伝えしますが、メソッドを実践していただく前に、あなたに起こる変化がどんなものなのか、ここできちんとお知らせしておきましょう。なぜなら、声そのものはメソッドを行っていただくとその場ですぐに変わりますが、これからお伝えするさまざまな変化は、感動ヴォイスを習慣化してはじめて得られるものだからです。ですから、まずは「なるほど、声を変えると自分にはこんなすごい変化が起こるんだ!」と頭の中でイメージしていただくことがとても大切です。あなたに起こる変化をイメージできればこっちのもの。無理して「継続しよう」と思わなくても、自然と日ごろから発声を意識するようになれます。では、私のレッスンを受けてくださった方々に起きた変化を紹介しましょう。❶声がよくない人の耳目を集める、いい声が出せるようになる❷常に全身がこわばっている全身のこわばりがとれて、疲れにくくなる❸長時間話していると声がかれる長時間話しても、声がれしなくなる❹精神的なストレスが溜まっている精神的なストレスが溜まらなくなる❺周囲に流されやすい自分軸を取り戻せる❻自己表現が苦手自然と自己表現できるようになる❼自己肯定感が低い自己肯定感が上がる❽コミュニケーションが苦手人前で話すのが楽しくなり、仕事も人間関係もうまくいく声を変えるだけで、あなたにもこれだけの変化が起こります。しかも、心にも体にも無理をさせることなく、変化はごく自然に起こるのです。なぜこのような変化が起こるのか、段階を追って見てみましょう。人の耳目を集める、いい声が出せるようになる第1章でもお伝えしたように、感動ヴォイスを出せるようになると、人混みの中でも、あなたの声に自然と人々の耳目が集まるようになります。なぜなら、感動ヴォイスの豊かな響きが、人々の耳に訴えかけるだけでなく、体にも直接訴えかけるからです。ここでちょっと、「声(音)」とは何かについて説明しましょう。普段、私たちが聞いている音は、空気中を伝わってきた音の発生源の振動が、耳でキャッチされたもの。つまり、音とは振動、空気のバイブレーションというわけです。たとえば、赤ちゃんの大きな泣き声。離れた場所にいても、とてもよく響いて聞こえてきますよね。これは、赤ちゃんが発した音(声)のバイブレーションが空気を揺らし、その揺れ自体が私たちのところまで空気を伝わってくるということです。ですから、音が聞こえるということは、実際はバイブレーションを感じているということなのです。ちなみに、音のバイブレーションを私たちが感じるためには、音源と耳までの間をつないでくれる物質が必要になります。これを「媒質」といいます。媒質にはさまざまなものがありますが、空気などの気体の他に、水などの液体、金属などの固体も媒質です。(鈴木松美著『あの人の声はなぜ魅力的なのか』技術評論社)実は、私たちの体のほとんどは音の影響を受けやすい、この媒質でできています。人間の体の50~75%は液体で、骨は固体ですよね。そのため、音の振動は耳を塞いでも、体の水分や骨を伝って響くのです。要するに、声を出すということは、聞き手の聴覚だけでなく、体まで実際にブルブルと揺さぶっているということ。いうなれば、声で「トントントン」と聞き手の体を叩いているようなものかもしれません。しかも、響きのいい音の振動ほど、媒質を伝わって遠くへと届きます。前章でもお伝えしたように、いい声(本当の声)──感動ヴォイスのポイントは、豊かな呼吸から生み出される「響き」です。ですから、感動ヴォイスが出るようになると、あなたはどんな場所でも注目を集められるようになるのです。最初に発するひと言で、プレゼンやスピーチで注目を集めるなんてお手のもの。一瞬でその場の空気を変え、つかみとることができるようになります。これまでのように、「声に存在感がないから」という理由で、あなたの意見や存在をスルーされることはもうなくなるのです。全身のこわばりがとれて、疲れにくくなる声が揺さぶるのは、聞き手の聴覚や体だけではありません。なんと、声を出すあなた自身をも揺さぶります!声のバイブレーションは、あなたの内臓の奥深くまで微細に振動させ、マッサージ効果で全身を活性化してくれるのです。
実は、小さな声しか出ない人や、長時間話していると喉が痛くなったり、声がかれたりする方は、顔や体の筋肉がこわばっていることが圧倒的に多いのです。「実は私も全身がバキバキで……」あなたもしょっちゅう、こんなことを感じているのではないでしょうか。私のレッスンでは、まずこわばった体をエクササイズでゆるめて、声を出すための筋肉をラクに使えるようにします。さらに、豊かな呼吸ができるような姿勢をつくってから、声を出していきます。面白いことに、30分もすると受講者の方の目が潤んできます。そして、そのころから「ふぁ~」とあくびが出る方が多くなります。エクササイズで体をほぐしたこと、そして、響きのある声が起こすバイブレーションのマッサージ効果で、心身ともにリラックスして自律神経が整っていくからです。レッスン終了時には、みなさん顔のこわばりがとれて、なんとも柔らかな福々しい顔になります。豊かな呼吸ができるようにもなるので、たっぷりと酸素を取り入れた体は元気になります。肩こりや首こりが解消したり、そこからくる頭痛が改善したり、中には「鼻炎が緩和されました」という方もいらっしゃるほどです。このように、感動ヴォイスが出るように体の状態を整えること、さらに声のマッサージ効果で自らを活性化することで、あなたは日ごろから雑談をしているだけで、体のこわばりがほぐれてリラックスでき、自然と元気が湧いてくる状態になります。長時間話しても、声がれしなくなる感動ヴォイスが出るようになり、リラックスしたあなたの体からは、これまでよりずっとラクに声が出るようになります。そもそも声が出なかったり、声に伸びがなかったりする人は、ストレスからくる緊張で心や体が硬くなっていることが多く、そのせいで声帯の筋肉も硬くなっています。硬く締まった声帯では空気の通り道が細くなり、か細い声しか出ません。この状態で無理をして大きな声を出したり、長時間話したりすると、すぐに喉が痛くなったり、声がれしたりします。ちなみに、声に伸びがない、長時間話していると喉が痛くなる、声がかれるなどの症状は、講師業、司会者、アナウンサー、ナレーター、役者、歌手、ヴォイストレーナーなど、声を使う仕事の方によく見られる状態です。実は、私のセミナーには、こうした声のプロの方々もこっそり参加してくださいます。みなさん、それぞれヴォイストレーニングに通われた経験はおありなのですが、基本的な声の出し方を習わずに、大きな声を出すトレーニングを行ってきたせいで、声帯を痛めやすい発声をしている方が少なくありません。また、声を使うプロは、時間制限やディレクターなど指示出しをする人の意向に従わなければいけないといった、さまざまな制約の中で仕事をしています。そのため、無意識に「他人の評価を得なければいけない」「がんばらなくてはいけない」と、自分に強くプレッシャーをかけて話し続けている場合があります。でも、そうなると上半身に力みが入り、喉を強く締めつけた状態で声を出すことになります。その結果、喉を痛めて声をからしてしまうのです。このように、声というのは、がんばればがんばるほど出なくなるものなのです。そもそも、「大きな声」と「響く声」は別物です。小さな声でも、豊かな呼吸が生み出す「響き」があれば、声は空気を振動させ、届かせたい人のところまでしっかり届きます。声を届けたいのなら、大きな声を出そうとするのではなく、響かせればいいのです。感動ヴォイスを身につけると、よく響く声がラクに出るようになりますし、そもそも体の緊張がほぐれているので、声帯が硬くなるということもありません。ですから、長時間話しても喉が痛くなったり、声がかれたりすることがなくなります。「がんばらなくても、声ってこんなにラクに出るものなんですね~!」そんなことも多くの方に実感していただいています。精神的なストレスが溜まらなくなるいつも感動ヴォイスが出る状態でいるためには、こわばりのないリラックスした筋肉と、豊かな呼吸ができる姿勢を習慣化する必要があります。実はこれ、体に負担がかかりづらく、全身が疲れづらい体勢でもあるのです。こういう体の使い方ができるようになると、心にも疲れが溜まりにくくなります。なぜなら、心と体はつながっているからです。これは、私が大学院で学んだ身体心理学に基づく「心身相関」という考え方です。身体心理学は、「体の動きが心の動きをつくっている」という視点に立った心理学のひとつです。たとえば、悲しい気分でいるときにニコッと口角を上げると、ちょっとだけ楽しい気分になる。あなたにもそんな経験はありませんか?あるいは、落ち込んで丸まっている背筋をスッと伸ばして、バンザイをするように両手をピーンと上に伸ばしてみる。すると、なんだか気持ちがシャキッとするとか。こんなふうに、体の動きは心に大きな影響を与えます。ですから、感動ヴォイスを出すために、日ごろからリラックスして疲れの溜まらない体勢でいると、心のストレスも溜まらなくなるのです。このことを実際に証明した研究があります。私はテレビレポーターやアナウンサーなど、声の仕事をするようになってから、ますます声の魅力にはまり、40歳を過ぎてから大学院に入って、声にまつわる研究をしました。
15名から22名の学生に、感動ヴォイスを出すためのトレーニングを90分間してもらい、5回にわたってその後の気分について調査したものです。すると、活性・安定・快適・覚醒・爽快感といったポジティブ要素がすべて向上。一方で、緊張・抑うつ・不安・疲労といったネガティブ要素はすべて低下していました。つまり、感動ヴォイスが出せるようになると、メンタル的なポジティブ要素が上がり、ネガティブ要素が下がることがわかったのです。
「声を変えると、心が変わる」これが、声にまつわる世界初の研究テーマとして私が出したエビデンス(実証)です。この研究は、ヨーロッパと日本の健康心理学会でも発表させていただきました。私がお伝えする感動ヴォイスのメソッドは、こうした学術的なエビデンスに基づいているのです。自分軸を取り戻せる感動ヴォイスが出せるようになると、あなたの内面にはさらなる変化が起こります。もしあなたが、これまで他人に合わせてばかりいて、「私は本当の自分を失っているかもしれない」と感じているのなら、その本当の自分を取り戻せるのです。私はこれまでたくさんの方の声にまつわる悩みを聞いてきました。声が小さい、かすれる、モゴモゴとこもる、声がれするといった方々の中には、「自分のことがわからない」という方がかなりいらっしゃいます。空気を読んで他人に合わせているうちに、自分が言っていることや感じていることが本心なのかどうか、自分でもわからなくなってしまった、という意味です。こうした声の悩みをもつ方は、内向的で、自分の考えや感情を表現するのが苦手で、周囲の目や評価が気になりすぎる傾向があります。また、「拒否されたくない、嫌われたくない」という気持ちから、周囲の人の意見に自分を合わせがちです。周りに合わせて常に他人軸で生きているため、いつのまにか自分の本心がわからなくなってしまうんですね。以前の私もそうでした。周りの人の意見に自分を合わせるために、常に意識を相手に向けるべく気を張っていて、心も体もいつも緊張状態。緊張は、自分を守るための本能です。その本能が身をこわばらせることで、「硬い筋肉」という鎧を体にまとわせます。すると、心身相関によって心も鎧をまとうようになります。こうなると心が覆われて、自分の本心がわからなくなってしまうのです。そしてこのときには、声が小さい、モゴモゴとこもる、かすれるといったことが常態化しています。同じように日ごろから声に課題を感じている方がレッスンをして、声がラクに出るようになると、ときどきポロポロと涙を流して、こんなふうにおっしゃることがあります。「ああ、私、苦しかったんですね……。なんだかラクになりました」声がラクに出る体の使い方をすることで、体の緊張がすっかり解け、心の鎧まで脱げてホッとしたのでしょう。こんなふうに、何かしら「つらくて苦しい」ことに、意外と多くの方が無自覚です。あなたはいかがでしょうか?感動ヴォイスを習慣化すると、そのことに気づき、心と体の鎧を脱ぐことができます。その結果、あなたは自分の本心に気づけるようになり、自分軸を取り戻すことができます。やがては自分の進むべき方向、本当にやりたいことも自然と見えてくるはずです。自然と自己表現できるようになるもうおわかりいただけたかと思いますが、感動ヴォイスを出すということは、ありのままの自分を声に乗せて発信するということです。自分が自分であることを認め、愛し、卑下しないということ。さらに、嘘偽りのない自分になり、攻撃的にならずに他者とコミュニケーションをとって、本当の自分を外界に向けて発信するということでもあります。「ありのままの自分をさらけ出す……それって、ものすごくハードルが高くないですか?」思わず腰が引けて、ドキドキしてしまうあなたの気持ちもわかりますが、大丈夫。感動ヴォイスが出る体の使い方ができているということは、体がリラックスしているということ。これは身体心理学でいえば、精神的な抑制も外れているということです。つまり、心が解放されている状態です。こうなると、周りに気を遣って空気を読むよりも、「自分はどうしたいか」に意識がフォーカスされるようになります。そして、湧き上がってきた自分の想いをすんなり受け入れ、素直に口に出すこともできるようになります。こんなふうに、自分が自分であることを無理なくポジティブに受け入れている人の声は、深くて豊かで温かく、聞く人にとても心地よく響きます。また、声に不自然な力みがないので、「嘘偽り」の響きもなく、聞くと安心感を覚えます。このような声には発信者の「在り方」が乗っているので、聞き手は心の深いところが揺さぶられます。あなた本来の声が出せるということは、実はこういうことなのです。今までセミナーや企業研修でたくさんの方にお会いしてきましたが、本当に多くの方が、自分ではない他の誰かになろうとして必死になられています。「ありのままの自分ではダメだ」という認識があるのでしょう。そのため、私のレッスンを受ける前は、本来の自分とは違う「理想の声」を出そうとする方も多いのです。
でも、自分は自分。他の誰かにはなり得ないし、そもそもなる必要がありません。あなたがあなた自身を受け入れて、その個性を外界に表現できるようになれば、声は真実の響きをもって相手に届きます。それが自然とできるようになるのが、感動ヴォイスを出すということです。自己肯定感が上がる面白いことに、感動ヴォイスを出せるようになると、自己肯定感も上がります。なぜなら、自分の中でも声が響くのが感じられるため、「私って、けっこういい声をしてるな」「こんな声の自分って、なかなかいいかも」と自然に思えるようになるからです。ちなみに、日本人は総じて自己肯定感が低いことが明らかになっています。内閣府が2018年に、13歳から29歳までを対象に行った「自己肯定感」についての国際比較調査によると、「自分自身に満足している」と答えている割合はもっとも低く45・1%。一方、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンなどはすべて70%を超えています。なぜこんなにも日本人は自己肯定感が低い人が多いのでしょうか。私はこの原因のひとつに、声や話し方が関係していると思っています。話は変わりますが、私のセミナーを受講してくださる方によくする質問があります。「自分の声が好きですか?」という質問です。どこで聞いても、だいたい同じ結果になります。「好き」…5%「まあまあ好き」…15%「嫌い」…80%驚くことに、80%の方が自分の声を嫌っているのです。「自分の声が嫌い」とおっしゃる方の中には、録音した声を聞いて、「私ってこんな声してるの?もう嫌だ~」と顔をしかめる方がたくさんいます。録音した自分の声に違和感を覚えるのは、普段は自分の声を、骨を伝わって響いてくる骨伝導で聞いているからです。骨伝導で聞く音は、空気中を伝わる音より低く聞こえます。ですから、空気中を伝わる声を録音したものを聞くと、「自分の声って、思っていた声となんだか違う!」ということになります。聞き慣れていないのでびっくりして、「自分の声が嫌い」となるのです。でも、考えてみてください。私たちは「オギャ!」と産声を発した瞬間からこの世を去るまで、基本的にはずっと声を出して話をし続けます。声とともに一生を歩むのです。なのに、生涯ともにある自分の声が嫌いで、自信がなかったらどうでしょうか。自信をもって自分の意見や想いを伝えられるでしょうか。人前で堂々とプレゼンやスピーチができるでしょうか。自分の出す声に自信がないと、どうしても声を発すること、話すことに消極的になってしまうものです。声を発して自分の考えや想いを伝えることを躊躇し、気持ちを抑圧するということは、自己肯定感を下げる行為になります。しかし、感動ヴォイスを身につければ、あっという間にあなたの個性が活かされた声、自分でも「いいな」と思える声が出るようになります。事実、レッスン後は、「これが私の本当の声なんですか?……なんだか自分の声が好きになれそうです!」とおっしゃる方ばかりです。自分の声を自然と好きになれる。そこから自己肯定感が上がります。人前で話すのが楽しくなり、仕事も人間関係もうまくいく自分の声が好きになると、話すこと、人とコミュニケーションをとることが楽しくなり、人前で話すことへの苦手意識も薄れてきます。また、声に素直に感情を乗せることができるようになるため、自然と抑揚がついて、あなたから語られる話がとてもドラマチックになります。こうなると、表現力が増しているので、プレゼンやスピーチ、営業や接客、ちょっとした雑談でも、相手の心を揺さぶることができます。聞き手からすると「なんて面白いんだろう!もっとこの人の話を聞きたい!」となるんですね。こうしたことから、仕事や人間関係で信頼を築くことがどんどん容易になっていきます。心も体もがんばらなくていいさて、ここまで見ていただいて、声のスイッチひとつで発声はもちろん、心身の状態や内面までもが変わっていくことがおわかりいただけたかと思います。少し話は変わりますが、私は専門健康心理士でもあるので、ストレス・マネジメントの企業研修をさせていただくことがよくあります。そこで参加者の方から聞かれるのが、「ストレス解消のためには睡眠時間が大事なのも、運動が大事なのもわかってますが、忙しすぎて寝る時間も運動する時間もありません。一体、どうすればいいんでしょうか?」という質問です。ちなみにこういう場合、企業研修では認知療法をお伝えするカリキュラムが組まれていることが多いものです。認知療法とは、物事の受け止め方をポジティブに変えていく方法のこと。よく知られているのがコップの水に対する意味づけです。コップ半分の水に対して「もうこれだけしかない」とネガティブに捉えるのか、「まだこんなにあ
る」とポジティブに捉えるのかで、その後に続く感情が変わってくるというものですね。このようにポジティブな見方(思考)を身につけて、自分をポジティブに保つ方法はとても大切なことです。ただ、この方法を身につけてストレスへ対処していけるくらいになるには、それなりの時間がかかります。捉え方は習慣性のものなので、ポジティブな思考を習慣化するためには、それまでの捉え方や思考を日々コツコツと紙に書き出して認識するなどの練習が必要です。ですが私は、「体から心の状態を変える」という身体心理学を学んだおかげで、時間をかけずともポジティブに転換できるようになりました。どういうことかというと、体は「今、この場で」変えることができます。自分本来の声がしっかり出る状態を日ごろからつくっておけば、ここまで見てきたようにストレス・マネジメントができるようになるだけでなく、内面の変化もごく自然に起こります。「ポジティブになろう」と無理をして、自分に不必要なプレッシャーをかける必要はありません。また、休める時間を犠牲にして、長期にわたる練習をする必要もありません。がんばらなくていいのです。声を変えれば、心にも体にも無理をさせることなく、こうしたうれしい変化が手に入ります。楽器の弾き方を覚えるように声の出し方を覚えよう感動ヴォイスを手に入れると、自分に無理をさせることなく、あなた本来の声を取り戻すことができます。これはいうなれば、あなたという楽器の弾き方を、あなた自身が覚えるということです。バイオリンにはバイオリンの、ヴィオラにはヴィオラの、チェロにはチェロの響きがあるように、あなたにはあなただけの素晴らしい響きをもつ声があります。その出し方を知らずに声を出すということは、弾き方を知らない楽器をむやみやたらと掻き鳴らすのと同じです。楽器は弾き方を知らなければそもそも音が出ませんし、出たとしてもその音はキーキーとした耳障りなものになります。あなたは今まで、そんな状態で演奏会の舞台に立ち、聴衆に向かって「聞いて!」と楽器を掻き鳴らしていたのです。……考えるだけでもゾッとしますよね。聞き手にスルーされるのも納得ではないでしょうか。でも、もう大丈夫。感動ヴォイスを手に入れ、あなたという楽器の弾き方を覚えれば、あなたの体から出る声のうち、もっともよく響く声であり、聞き手をうっとりと魅了する「あなただけの声」が出せるのです。さぁ、次の章からは、いよいよ感動ヴォイスの基本をお伝えしていきます。さっそくページをめくって、一緒にチャレンジしていきましょう!
コメント