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第4章「感動ヴォイス」を使いこなす応用の発声

朝から爽やかな声が出る「ハミング・エクササイズ」第3章では、感動ヴォイスの基本についてお伝えしました。この章では、あなたが身につけた感動ヴォイスを、さらに効果的に使いこなすためのテクニックを紹介していきます。感動ヴォイスを身につけたあなたなら、すでに周りの人を魅了する「響き」のあるいい声が出るようになっているはずです。どこにいても、自然とあなたに注目が集まるでしょう。このとき、聞き手の興味を逸らさないための声のテクニックがあれば、あなたの影響力はさらにパワーアップします。そして、あなたの望む結果を手に入れやすくなります。では、さっそく具体的なテクニックを見ていきましょう。はじめにお伝えするのは、朝から伸びのある爽やかな声が出るようになるテクニックです。朝一番に声が出づらいのは、どんな人でも同じこと。せっかく感動ヴォイスを身につけても、声が出ない状態のまま午前中の大事なシーンに臨むのでは元も子もありません。「お客様にご提案するプレゼンがあるのですが、朝一番にすることになってしまって……。朝はしっかり声が出ないから、印象が悪くなってしまうかもしれないですよね?なんとか朝から爽やかな声が出るようにできませんか?」これはセミナーの受講者からときどきいただくご相談です。大事なプレゼン、相談者も真剣そのもの。特にコールセンターにお勤めの方などは、毎日が朝一番から勝負ですね。そんな方々の助けとなってくれるのが、プロもやっている「ハミング・エクササイズ」です。

このエクササイズは、❶ハミング・エクササイズ❷スペシャル・ハミング・エクササイズ❸バイク・ハミング・エクササイズの順番で行ってください。たとえば、朝起き抜けに急にバイク・ハミング・エクササイズをすると、喉にグッと力を入れてしまい、喉を痛めてしまう可能性があります。3つのエクササイズを通して1分くらいを目安にやりましょう。大きな声を出さなくても、このエクササイズさえすれば、いつでも声の準備体操ができてスムーズに発声ができます。また、いずれも唇を閉じたまま行うので、大きな声を出さず声出しの準備ができます。場所にも困りません。出勤前に行うと、職場などで声を出すころには、スッキリと力強い声が出せるようになっているはずです。ぜひ試してみてください。聞き手を惹きつける声の出し方先日、コンサルティングの仕事をしている友人が、こんなことを言っていました。「自分が話しているのに、相手がなんだか眠たそうにして……ついにウトウトしてきてさ。ほんと、話す気をなくしたよ」確かに、目の前の人がウトウトしていたら、話す気をなくしますよね。ですが、もしかしたら話し手が聞き手を眠くさせたのかもしれません。この友人のように、「自分が話すと眠そうにされる」「つまらなそうな顔をされる」という悩みを抱えている方、けっこう多いんです。ちなみに私は、組織内の内部講師を養成する研修も実施しています。最近は組織内でのさまざまな研修において、外部から講師を呼ぶのではなく、内部で講師ができる人を育てている企業が増えています。この内部講師養成研修の受講者の方に、「受けたくない研修って、どんな研修ですか?」とおうかがいすると、一番にあがるのが「眠たくなる研修」です。専門用語が多くて何を言っているかわからない、テーマに興味をもてない、聞いていてワクワクするような情報が盛り込まれていないなど、眠たくなる研修にはいろいろな原因があると思います。この「聞いていて眠くなる原因」は、声の観点から見ると、「一本調子で抑揚がない」ことにあります。とくに日本人は謙虚で恥ずかしがり屋が多いので、普段から話し方が淡々としていて、表情の変化も乏しい傾向にあります。人前で話すとなると、そこに緊張感が加わるので、余計に声に抑揚がなくなって一本調子になっていきます。ですが、聞き手は「変化」に反応します。変化があると、「おっ」と興味を惹かれて身を乗り出してしまうのですが、変化がないと「反応しなくていいや……」と無意識のうちにスルーするようになります。そうなると聞き手に悪気はなくても、どうしても集中力が続かなくなり、ウトウトしてしまうのです。そもそも人間の集中力は45分程度しか持続しないといわれています。では、それだけの間ずっと集中していられるのかというと、もちろんそんなことはありません。45分もの間、一本調子で淡々と語られる話を集中して聞き続けられる方はまれです。話に抑揚をつけるためには、「ポイントになるところ」を、・大きな声で話す・ゆっくりと話す・繰り返す・その文言の前と後に「間」を空けることが大切です。Let’stry次の文章を、抑揚をつけて読んでみましょう。響く声は、相手の心に届く。自分の想いや感情まで、相手に伝えることができる。響く声は、人の心を共鳴させる。響く声で人とつながり、大きな幸せの輪をつくっていこう。ポイント!❶「」。

❷自分の好きな言葉を強調して読んでみましょう。※読むたびに強調する言葉を変えていくといい練習になります。相手の興味を自分の話にしっかり惹きつけておきたいなら、話す前に原稿を作って、大きな声で話すところはどこか、間を空けるべきなのはどこかなど、前述した4つのポイントを練習してから本番に臨むといいでしょう。声の抑揚で、どこがポイントなのかがわかりやすくなると、聞き手はメモをとりやすくなりますし、記憶にも定着しやすくなります。ジェスチャーで声の表現力を一気にアップさせる抑揚のなさを改善するために、もうひとつ効果的な方法があります。それが、「身振り・手振りをおおげさに(大きく)つけること」。つまり、ジェスチャーを使うことです。身振り・手振りをおおげさにつけると、見た目が変化するだけでなく、「声」にも変化が起きます。第3章で説明したとおり、声は声帯のみならず、横隔膜や腹筋、口腔や鼻腔など、全身を使って出すもの。なので、体を動かすと一本調子で話せなくなるのです。これを体験してもらうために私が開催しているプレゼン講座では、淡々と話してしまう人に、「大きくジェスチャーをつけながら話していただく」という練習をしています。すると、自分が強調したいポイントでは、自然にジェスチャーが大きくなります。ジェスチャーが大きくなると、それにつれて胸を張るような体勢になり、肺が広がって空気がゆったり吸えるようになります。すると、吐く息が増えて、自然とよく響く声が出るようになります。声に強弱と抑揚がついて、話す内容が聞き手に伝わりやすくなるのです。また、心身相関から体を動かすことで、固まっていた心や感情までが活発に動き出します。「この商品は本当に素晴らしいんです!」という手振りをすると、実際にその感情が自分の中でグッと高まるのです。こんなふうにジェスチャーをつけながら話すことで、シャイな日本人がかけがちな「自制のブレーキ」が自然に外れます。素晴らしいものを本当に素晴らしいという熱意を込めて伝えられる。だから説得力があり、相手の心を揺さぶるプレゼンやスピーチができるようになり、信頼を得られるわけです。世界のトップ企業のCEOは、みんなジャスチャーをつけて話していますよね。これは、聴衆の目を自身に集めるためのパフォーマンスでもありますが、ジェスチャーの力を借りて話者の感情を届けるためのテクニックでもあるのです。身振り・手振りと声はリンクしています。ジェスチャーを使って、ぜひ「自制のブレーキ」を外して感情豊かに伝えてください。緊張をゆるめるコツ過度の自制とともに、日本人がとらわれやすいのが「緊張」でしょう。あなたもこんな方を見たことはありませんか?冒頭で、「どうぞリラックスしながら最後までお聞きください」と言ってプレゼンを始めたものの、その本人がどう見てもすごく緊張している……。顔は硬くこわばって、出る声はかすかに震えています。声はときどきうわずったり、かすれたり。なんだか聞いているこちらまで、緊張してしまいますよね。こんなふうに、話し手が緊張すると聞き手はリラックスできません。無意識のうちに、話し手の緊張に共感してしまうからです。私たちの脳には、他人がしていることを自分のことのように感じさせる(共感させる)、「ミラーニューロン」という神経細胞があります。この神経細胞のため、聞き手は話し手の「声」に影響を受けて、同じようにだんだん緊張していきます。そう、緊張って伝染するんです。このことに関連して、私が昔、アナウンサーになるための学校に通っていたときに言われたことを、まだ覚えています。「人前に立つ人間は緊張するな。見てくださる方が緊張してしまうから。人前に立つ人間は恥ずかしがるな。見てくださる方が恥ずかしくなってしまうから。見てはいけないような気持ちになってしまうから」本当にそのとおりだと、今も強く思います。思わず目をそむけたくなるような人の言葉を、信頼なんてできませんよね。だから、緊張しながら自信なさげな声を出す人の話は信頼されません。

●「」では、緊張をほぐすにはどうすればいいでしょうか?一番簡単な方法が、「咳払い」です。話をする前に、軽く「えへん」とやるだけで、心臓のドキドキも震えも、不思議とスッとおさまります。咳払いは本来、鼻、口から肺に空気を送り込む「気管」に入り込んだ異物を取り除くための行為。窒息の危険のある「誤嚥」を防いでくれるものです。咳払いをすると、喉や気管などの体の緊張がいったんゆるみます。すると、気管に入り込んでいた異物が取れやすいように、咳払いを合図に体が自動調整してくれるため、自然と体がリラックスするのです。喉もスッと開いて、緊張から出づらくなっていた声もラクに出るようになります。●吐く息の長い深呼吸をするまた、緊張解消のために心身のリズムを調整するという方法もあります。私たちは、体と心、両方にリズムをもっています。実は、緊張するとこのふたつのリズムは速くなります。リラックスすると、逆に遅くなります。たとえば人前に立ったときに、過度に緊張して困るという場合は、この緊張して速くなったリズムのスピードを下げると、緊張感が緩和され、心身がリラックスに向かうということです。では、そのリズムとはなんなのか。まずは、体のリズムについて説明します。手首のところに指を当てて、脈をとってみてください。ドクン、ドクン、ドクン……。手首でとりにくい場合は、あごの下あたりの首元で脈をとってみてください。脈を感じることができたら、そこに指を置いたまま、まずは息を吸ってください。もうこれ以上吸うことができないというところまでいったら、今度はまだそこに指を置いたまま、息をゆ~っくり「ふ」と吐いていってください。ではもう一度やってみましょう。指先で脈拍のスピードを感じながら、息を吸います。これ以上吸えないというところまでいったら、また息をゆ~っくり「ふ」と吐いていく。ここで確認してほしいことがあります。息を吸っているときと吐いているときでは、脈拍のスピードが変わるということです。吸っているときに脈拍は速くなり、吐いているときに遅くなります。なぜこうなるのかというと、呼吸と自律神経が密接につながっているからです。自律神経は日中に人を覚醒状態にしたり、夜にはリラックスさせて眠りにいざなうなど、人間の生命維持にとても重要な役割をしています。この自律神経には、交感神経と副交感神経のふたつの種類があります。交感神経は心身を覚醒、緊張状態にします。副交感神経は心身をリラックス状態にします。息を吸うと交感神経が優位になります。つまり、心身は覚醒し、緊張状態に向かうので脈拍は速くなります。逆に、息を吐くと副交感神経が優位になります。というよりも、交感神経がブロックされて副交感神経のみになるので、当然、心身がリラックスし、落ち着いていくのです。人前で緊張しているとき、「あー、ドキドキしてきたー!!」なんて言いますが、ドキドキとは心臓の鼓動が速くなるということです。心臓の鼓動は脈拍に反映されるので、緊張すると脈拍が速くなります。ということは、緊張したときは呼吸をする際にゆっくり息を吐くと心臓の鼓動のスピードが落ち着き、心も落ち着いていくということですね。落ち着きたいときには深呼吸をしましょう、とはよく言ったもので、こういった理由があるのです。ですが、「これから人前で話すので深呼吸をします」という方をよく見てみると、とにかく目一杯息を吸って、少ししか吐き出していない方のなんと多いこと。これではリラックスするどころか、緊張感が増して、余計に頭の中を真っ白にしてしまいます。人前で話す前に、緊張解消のために深呼吸をする方法は有効ですが、その際には吸う息よりも吐く息を長くして、ゆっくりと吐き切ることが大切なポイントです。緊張感を緩和させるためには、ゆったりと吐く息が長い深呼吸をしましょう。●指先や手のひらでゆっくりリズムをとる次に、心のリズムについて説明します。自分の心のリズムを知るために、利き手の人差し指を使います。では、またやってみましょう。利き手の人差し指で、机の上をトントンと叩いてください。トントンと叩き続けながら、こんなイメージをしてください。あなたは午前の仕事を終え、ランチを食べようとパスタのお店に入りました。

メニューの中から食べたいものを選び、オーダーを済ませました。ですが、10分、15分待っても、なかなか頼んだ料理が出てきません。おかしいな?と何気なく隣の席の人を見てみると、明らかに自分よりも後にオーダーしたはずの料理が運ばれてきています。あれれ?お店の中を見回してみると、自分よりも後にオーダーした人に、やはりどんどん料理が運ばれてきています。はっと腕時計を見ると、休憩時間が残り15分しかありません。「えっ!?もう時間切れじゃないか!」さて、机をトントンと叩いている指の速さは、どうなりましたか?叩く速さはどんどん速くなったと思います。イライラしたり、プレッシャーを受けたり、緊張感が高まると、心のスピードは速くなるのです。心の状態が指先に反映される。ということは、指先から心を誘導することができるのです。普段の自分の指先のスピードをだいたい知ったうえで、人前で話す機会がある方は指先のスピードの速さを確認してみてください。立って腕を下に伸ばしたまま、手のひらで太ももの横を叩く方法でもかまいません。緊張感が強ければ強いほど、スピードは速くなっていきます。スピードがすごく速い!やっぱりものすごく緊張しているぞ!というときは、叩いている指先や手のひらの速さを、徐々にゆっくりとしたスピードに落としていきましょう。気持ちがゆったりと落ち着いてくるはずです。実は私たちは、本能的にこのリズムの速さを調整することが緊張感を下げること(感情の調整)につながることを知っています。たとえば、大泣きしている赤ちゃんをあやしているお母さん。赤ちゃんを泣きやませるために何をしているでしょうか?赤ちゃんの背中をトントンと叩き、落ち着かせようとリズム調整をしていますね。誰に教えられなくても、赤ちゃんの泣き方が激しければ激しいほど速く、赤ちゃんの背中をトントン叩いています。それから徐々に叩くスピードをゆっくりと落としていきます。そうすることで、赤ちゃんは次第に落ち着いて泣きやみます。そう、私たちは指や手のひらなど、体が心のリズムとつながっていることを知っているんですね。この方法を赤ちゃんにではなく、緊張している自分自身に使って落ち着かせればいいのです。体と心のリズム調整を両方使うことで、過度な緊張をゆるめることができます。人前に立って話す前に、大きくゆっくりと息を吐きながら、指先や手のひらのリズムを徐々に落としていってください。これを3回くらい繰り返すと、過度な緊張がとれた状態で話し始められます。ぜひお試しください。相手に安心感を与える声は、豊かな呼吸から生まれる「聞き手を安心させる声って、どうやったら出せますか?」私が主宰している話し方の講座にいらした、ヨガ講師の女性からの質問です。その方から、最近はヨガで誘導瞑想のようなことをするケースが多いとお聞きしました。聞き手をゆったりとした瞑想状態へと導くためには、確かにリラックスした安心感のある声のガイドが必要です。なぜなら、人間にはミラーニューロンという神経細胞があるため、たとえば呼吸の浅い苦しそうな声を耳にすると、聞き手にもその息苦しさが移ってしまうからです。そんな声でガイドをされても、なんだか不安になってしまいますよね。声で安心感を出すために必要なのは、豊かな呼吸です。呼吸が豊かだと、喉も開きやすくなって、声のトーンも伸びやかになります。声に息苦しさがなくなるのです。印象としては、ゆったりとした余裕がある雰囲気です。呼吸が豊かになり、喉を開きやすくするためのコツは「あくび」です。あくびをするときは喉が大きく開きますよね。カウンセリングやセラピー、コーチングやコールセンターなど、対面や電話での仕事をされている方は、ぜひこのエクササイズを行ってからクライアントさんと接してあげてください。声のトーンだけでも目の前にいる人を落ち着かせ、癒やすことができるようになります。セラピーやリラクゼーションなどの仕事をされている方に、ぜひ知っておいていただきたいのが「倍音」についてです。

倍音とは、簡単に言えばいくつかの音が混じった複合音のこと。混じっている音同士の相性がよく、耳に安定した響きをもたらすのが倍音の特徴です。たとえば、楽器の「ド」の音と、そのひとつ高い音階の「ド」は倍音関係です。同時に弾いても、耳に違和感なくすんなり響きますよね。この倍音が多く含まれている音は、輪郭がはっきりしていて明るく、よく通る傾向があります。そのため、人は倍音が多く含まれている声を好む傾向があるようです。倍音が含まれた音を聞くと、聞き手の脳波には深い瞑想状態にあるときによく現れるシータ波が出やすいといわれています。つまり、非常にリラックスした状態で、うっとりとした状態に浸れるのです。実は、イルカの鳴き声には「高周波倍音」が含まれていて、実際に鳴き声を聞くと癒やされることがわかっています。もちろん、人の声にも倍音が含まれています。そうした人の声は、聞き手にホッとする安らぎをもたらしてくれます。声にたくさんの倍音が含まれているのは、芸能人でいうと、森本レオさんや玉置浩二さんの声です。どちらも温かくて安心感があり、いつまでも聞いていたくなるような声ですね。倍音を意図的に声に含ませるには、吐く息の量を多くして、ちょっとため息のようにもとれる声を出すことがポイントです。ぜひ試してみてくださいね。「吐く息」で声の印象は変えられる「私、なんだか怖い印象をもたれるんです」「そんなつもりはないのに、相手に威圧感を与えているようなんです」こんなお悩みをもつ方もいらっしゃいます。そんな方とお会いしてお話しをしてみると、たいてい声の圧力や語尾の音が強く、言葉の使い方も単刀直入で、ズバリと言い切られる傾向があります。ご本人は「そんなつもりではない」のかもしれませんが、相手から「なんだか怖い人だな。あまり近寄らないでおこう」と思われてしまい、敬遠されがちに。会話をすると本当に優しくていい方なのに、「声で損をされているなぁ」と思います。「声の圧力が強い」というのは、吐く息に勢いがありすぎるということです。だとすれば、怖い印象をやわらげるためには、声の圧力を弱めればいいということになります。強く伝えるべきときには、吐く息を強く。そうでない場面では、吐く息を優しく穏やかに。この感覚を身につけることで、自由自在に声の印象を強めたり弱めたりできるようになります。オンライン会話のポイント昨今はZoomやSkypeなど、オンラインでのコミュニケーションが増えてきました。オンラインでのミーティングやセミナー、そして動画を撮って伝える機会が増えています。オンラインと動画で話をされている方の声を聞いていて、よく感じることがあります。「なんだかボソボソと小さな声で話をされていて、自信がなさそうに思えてしまう」ということです。オンラインでも対面同様、まずは感動ヴォイスを使って堂々と話すことが大切です。オンラインで会話をするときの落とし穴として、目の前のパソコンやスマホに相手の顔が映るため、すぐそこに相手がいるような感覚になって話をしがちです。ですが実際には、自分の声はパソコンやスマホの機械の音声入力部分から声が拾われて電波に乗り、相手のパソコンやスマホの音声出力部分に声が届いているわけです。物理的にも、自分と相手との間には距離があります。目の前に相手がいる通常のリアルな状態と同じような感覚で声を出していると、どうしても声が小さくなって通らなくなり、弱々しい印象になってしまいます。これを解決するためには、オンラインで会話をするときには、はっきりとした大きな声で話をすることです。オンラインの場合、通常は相手の顔が見えている状態で話をすることが多いと思うので、その相手の頭の上を越えるような意識で声を出して話すことを意識してください。そうすると、はっきりとした声が相手に届きます。また、動画を通じて伝えていらっしゃる方を拝見していると、目線が弱くぼんやりとした表情で、声も一本調子で淡々と話されている方が多い印象です。これは、目の前に人がいない状態で話をしているため、聞き手のことを意識できておらず、感情が乗らない声や話し方になってしまっているのです。まずは、「カメラの向こうに聞き手がいる」という意識をしっかりもって、カメラを見て話すことが大事です。私はコールセンターのオペレーターの方を対象とするコミュニケーション研修なども実施してきましたが、このときにも「電話で話すときには、対面で話すときよりも倍くらい大きく抑揚をつけて、感情を込めて話してください」と伝えています。対面で話すときには、表情など視覚的な要素を使って伝えることもできますが、電話は音声だけの世界ですので、視覚要素を使えません。声のトーンにしっかりと感情を乗せないと、相手に気持ちが伝わりにくいので、感情豊かに抑揚をつけて話すことが重要です。

「何気ない笑顔」こそ、コミュニケーションの基本ここまで、感動ヴォイスを使いこなすためのテクニックを紹介してきました。あなたが臨むシーンに必要な声のテクニックをしっかり身につけて、存分に活用してください。……とその前に、ぜひチェックしていただきたいポイントがあります。あなたは、話しているときの自分がどんな表情をしているか、知っていますか?私はこれまで、講座やセミナー、企業研修などでたくさんの方にプレゼンをしていただき、その様子をビデオに撮って受講者自身に見ていただくということを数多く行ってきました。ちなみに、私が「お話しいただいているところをビデオに撮りましょう」と言うと、受講者の方々はほぼ毎回苦い表情をされて、「え~、やめてください~」とおっしゃいます。みなさん、なんとなく嫌な予想をされるようです(笑)。その後、ビデオで自分の姿を見て、一番よく出てくる感想が、「あれ、私、笑ってないですね?」というもの。自分では微笑んで話をしていたつもりでも、ビデオで見てみると笑っていない。つまり、自分が思っている姿と、相手が見ている姿にはギャップがあるということです。中には「私、なんでこんなに怖い顔でしゃべってるの?」と自分でびっくりなさる方もいらっしゃいます。会話の最中に笑顔がないのは、実際のところ、ものすごく損です。ある研究では、「会話中の何気ない笑顔に、情報の受発信のスピード、容量、親和性を一変させる効果がある」ということもわかっています。これは、相手に笑顔で伝えることで、情報が素早く、そしてたくさん伝わり、聞き手との心の距離感がグッと近づくということです。もちろん、話す内容や相手、状況に合った表情で話す・伝えるということがもっとも大切ではありますが、「好印象で親しみやすく、聞き手にとって話を受け入れやすい表情」となると、やはり基本は笑顔です。表情はまさにコミュニケーションの入り口。言葉を発していなくても、笑顔は「Welcome」のメッセージですし、極端にいえば、仏頂面は「No」のメッセージ。人を遠ざけてしまいます。ですから、聞き手に心を開いて聞いてもらおう、しっかりと理解してもらおうと思うなら、自分に笑顔があるかどうかをまずチェックしてください。笑顔のつもり、ではなく、客観的に笑顔であるということが大切です。あなたが話しているところをぜひ動画で撮って、自分で見てみてください。そして、日ごろから感情豊かに表情筋を動かして、話をしてください。それが、自分の伝えたいことがすんなり伝わるという結果につながります。

 

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