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第3章シチュエーションごとに、声を使い分ける

第3章シチュエーションごとに、声を使い分ける

電話応対(1)電話応対がよい印象になる5つのポイント(2)あいさつは50音で一番大事な「お」をしっかりと発声する(3)電話で必ず好印象を持たれるための声のトーンプレゼンテーション・スピーチ(1)聞き手を魅きつける出だしの「間」(2)抑揚は話の内容によって使い分ける(3)早口は究極の時間のロス。

聞き手を思いやる余裕を持つ(4)「みなさん」を多く使うことで説得力のあるスピーチに(5)アイコンタクトで声も伝わりやすく(6)「マイクを持たない」で話すと声がかれない職場でのコミュニケーション(1)コミュニケーションで大事なのは、まず相手の声を聞くこと(2)人と差をつける「うなずき」のタイミングと声の出し方(3)静かな職場でも伝わる小さな声のコントロール方法

電話応対———電話応対がよい印象になる5つのポイント電話応対は、会社の第一印象を担う重要な業務です。

対面で話しているときには、声だけでなく表情、アイコンタクトやボディランゲージも含めて相手とコミュニケーションできますが、電話では声だけのコミュニケーションになります。

したがって、電話における声の印象が、そのまま相手に対する自分の印象になってしまうので、話し方がとても重要になるのです。

電話応対へのクレームのほとんどが、感情的な問題です。

つまり話している内容に対してではなく、「話し方がなっていない」「心がこもっていない」といったクレームです。

自分は普通に話しているつもりでも、「なんだか雰囲気が暗いな」「この営業マンとは話したくないな」と相手に思わせているケースがあるということ。

電話で損をしている人はたくさんいます。

普段の落ち着いた話し方では、ほとんどの人は不十分といえるでしょう。

別人格になりきって、普段よりも大幅にテンションを上げて話すくらいがちょうどいいのだと認識してください。

さて、私はあるコールセンターのオペレーター約80人の声を分析したことがありますが、それにより悪い印象を与える話し方の共通項を知ることができました。

そして、その問題を解決するための対策を次の5つにまとめてみました。

電話応対の仕事をしている人は、この5つに取り組んでみてください。

1.口角を上げたまま話す口角を上げることで声のトーンは1音から1・5音上がり、明るい声になります。

無理やり上げるとこわばってしまいますから、少しだけニッコリと口角上げ気味で話すことを心がけるといいでしょう。

初めのうちは口角を上げていても、疲れてくるとだんだん真顔で話すようになってしまいます。

電話の前に鏡を置いておき、自分の表情をチェックしながら話すようにしてください。

2.単語を2〜6音で区切り、息をたくさん吐きながら話す細々とした説明をしたり、サ行が続く言葉を発したりするときに、噛んでしまうことがあります。

噛んでしまうのは、長い単語を一気に話そうとするから。

7音以上の単語は噛みやすい傾向にあります。

そこで次のように、長い単語も2〜6音で区切って話すようにします。

「うけたまわり/ました」「かしこまり/ました」「させて/いただきます」3.腹式呼吸で、小さめの声で話すのどに負荷がかかる胸式呼吸でずっと話していると、声がかれてしまい、印象の悪いがさがさ声になります。

あくまでも腹式呼吸で話すことを意識しましょう。

声のボリュームは小さめのほうがいいです。

相手は電話の機能で音量調整できるので、それほど大きな声を出さなくても、きちんと聞こえていることが多いからです。

また、小さめの声で話したほうが一日中いい声を続けられます。

4.お伺い、質問の語尾はきちんと上げる「〜していただけますか?」「〜でよろしいでしょうか?」「〜はいかがなさいますか?」など、お伺い・質問をするときに、語尾がフラットだったり、伸ばしぎみだったりする話し方は、とても無愛想に聞こえてしまいます。

オペレーターの声を分析したときにも、最も多く見られた問題がこれでした。

語尾をきちんと上げるようにすることで、オペレーターに対するクレームは大幅に減るはずです。

5.謝罪の言葉は「だんだん小さく」電話口で謝罪の言葉を使うときは、語尾にかけて弱くなるように発声します。

全体的に徐々に小さくしていくのではなく、単語の頭ごとに、階段を下がるように小さくするのがポイントです。

「大変申し訳ありませんでした」の「でした」あたりでは、言葉を飲み込んでほとんど声に出さないくらいにして構いません。

「申し訳ない」という気持ちを相手に伝えることができます。

これまでお伝えしたことと変わりませんが、電話応対では、特に意識してほしい5つのポイントです。

電話応対は最初の接点ですので、重要な業務であることを再認識しましょう。

電話応対———あいさつは50音で一番大事な「」一日は「おはようございます」のあいさつで始まります。

また、取引先からの電話には「お世話になっております」、お昼になれば「こんにちは」、食事をしたら「ごちそうさま」、退社する際には「お疲れさまでした」、そして寝る前は「おやすみなさい」。

このように、あいさつの多くが「お」を母音とする音で始まっています。

そしてこの「お」は、母音のなかでも特にこもりがちな音です。

説明するまでもないことですが、あいさつはコミュニケーションの入り口であり、とても大切です。

電話応対はもちろん、ビジネスシーン全般において、まずはあいさつがあり、それから会話に進みます。

また、あいさつをする際、多くの人は無意識のうちに笑顔をつくります。

これは相手の警戒心を解くなどの効果があります。

元気よくあいさつするということは、こちらの心がオープンであり、コミュニケーションをとる用意があるということを相手に示す合図といえるのです。

特に、声だけでコミュニケーションをとる電話応対のシーンでは、あいさつはより重要です。

しかし、そのあいさつの言葉が不明瞭であったり、声が小さかったりすると、逆効果です。

「この人はコミュニケーションをとる気があるのか?」と、相手に警戒心を抱かせてしまいます。

その重要なポイントが、1文字目の「お」なのです。

最初の「お」の音を強調することで、あいさつの言葉を明るく、そしてパワフルに発声できます。

特に、私が大切にしているのが「おはようございます」です。

言ったほうも言われたほうも、前向きに元気になれる魔法の言葉です。

ですからセミナーなどでは、私と受講者の間で必ず元気なあいさつを交わすようにしています。

私「おはようございます!」受講者「おは……(ボソボソ)」私「聞こえませんでしたよ。

おはようございます!!」受講者「おはようござい……」私「まだ元気がないですね。

もう一度、おはようございます!!!」受講者「おはようございます」実際にはこれを6〜7回くらい繰り返します。

しつこいですよね(笑)。

でも最終的にはみなさん根負けして、苦笑いしながらも元気な声を出してくれます。

私のセミナーを受けてくれるのは、自ら進んで来る人ばかりではありません。

会社の研修などで、嫌々ながら来る人もなかにはいます。

そういった人たちは当然テンションが低く、話を聞く心構えもできていません。

しかし、そんな人たちもこの「あいさつ」を繰り返すことで、無理やりにでも元気な声が出て、ついでに笑顔になります。

その結果、心がオープンになり、聞く姿勢ができるのです。

みなさんも、あいさつの「お」に注意して元気な声を出すようにしましょう。

電話応対———電話で必ず好印象を持たれるための声のトーン電話でのトークを一日中やっていると、だんだん声が疲れてきます。

気分が乗らなくなり、それにつれて音程が低くなりがちです。

自分ではあまり気にならなくても、低すぎる声は電話の相手に対して無愛想な印象を与えてしまいます。

音声研究の専門家である東京工芸大学・森山剛准教授も言っていましたが、人の声は電話回線を通る場合、少し高いほうが相手の聴覚に届きやすいそうです。

電話では、いつもより少し高めの声で話したほうが、いい印象を与えることができます。

一日中、音を下げずに声を出すためには、口角を上げることです。

口角を上げると、口角を下げて発声しているときと比べて、1音から1・5音くらい高い音を出すことができます。

第2章で、ピアノの鍵盤に合わせて音を出す練習をしましたが、電話応対の場合、女性なら「ミ」か「ファ」、男性なら「ラ」か「シ」くらいの高めの音程で話すのがちょうどよいでしょう。

鏡を机に置いておき、口角が下がっていないかどうか、自分の顔をたびたびチェックしながら電話応対を行ってください。

また、口角が下がりがちなときに、上げるようにするトレーニングがあります。

「キムチキムチキムチキムチ」「みんなでみかんを3つずつ」「地下鉄でチーズをちょっと食べる」このフレーズを口に出して言うと、下がっていた口角が元に戻り、声のトーンが高くなります。

プレゼンテーション・スピーチ———聞き手を魅きつける出だしの「間」ピアノや歌のコンクールでは、初めの30秒が勝負だと言われています。

審査員の先生方は、最初の30秒を聞くだけで、その人の技術がだいたいわかってしまうからです。

ですから演奏する人は、最初の30秒をきちんと聞かせることが大事。

そのためには、審査員が集中して聞けるように準備をしてもらう必要があります。

どうするかというと、演奏を始める前に「間」を取るのです。

司会者に紹介されてからすぐに弾き始めるのではなく、椅子について3〜4秒間を置いてから弾き始めます。

周囲が静かになっているなかでの3〜4秒は、だいぶ時間をかけているように感じますが、それくらい間を置いたほうが相手も聞く姿勢になってくれます。

これと同じ方法はスピーチでも使えます。

スピーチでも、開始直後が最も聞き手の集中力が高い時間帯です。

そこで間を取らずにサラッと始めてしまっては、出だしでインパクトを与えることができず、集中力を持続してもらいにくくなります。

スピーチの際はどうしても緊張しがちになるので、すぐに話し始めようとしてしまいますが、そこをグッと我慢してください。

司会者の紹介を受けた後、まず会場全体を見渡しつつ3〜4秒間待ってから、おもむろに話し始めるようにしましょう。

そうすることで、聞き手に集中力を高めてもらうことができます。

また、話している最中の「間」も大切です。

間を取る長さは聴衆の数に応じて変えていきます。

10人程度の会議の場合は、つばを「ごくん」と1回飲み込む程度の間隔(1秒以下)です。

また20人以上の中規模なセミナーなどの場合は、演台を「とん」と1回たたくぐらいの間隔と覚えておけばいいでしょう。

100人以上の大規模なセミナーなどの場合、句読点ごとに2秒程度の間を取りたいところです。

少人数の会議で2秒も間を取ると不自然ですが、100人規模のときはそうは感じません。

間の取り方として上手な例が、2014年のノーベル賞を受賞したマララ・ユスフザイさんが国連で行ったスピーチです。

きちんと間を取って、ワンフレーズワンフレーズをハッキリと発音しているので、とても聞きやすく、話に引き込まれてしまいます。

英語がわからなくても間の取り方は参考になります。

プレゼンテーション・スピーチ———抑揚は話の内容によって使い分けるカリスマ経営者は、プレゼン技術も優れている人が多いといえます。

特に有名なのは、故スティーブ・ジョブズさんでしょう。

ジョブズさんのプレゼンは、スライドの巧みな使い方や歩き回るスタイルが印象的ですが、声の出し方も一級品といえます。

腹式呼吸の発声で、リズムよく、しっかりと間を取りながらスピーチし、単語の発音がきれいなところが特徴です。

抑揚も優れていて、音響の専門家は雑誌の記事でこんなことを語っていました。

「さらに特徴的なのはイントネーション(抑揚)の大きさだ。

ジョブズはイントネーションの振れ幅が3・18倍あり、これまで紹介した4人と比べて断トツだ」(「プレジデント」2012年7月16日号の記事より)「これまで紹介した4人」というのは、孫正義さん、豊田章男さん、稲盛和夫さん、柳井正さんです。

彼らもプレゼンの達人として知られていますが、その4人と比べても、ジョブズさんの話し方は抑揚の振れ幅が大きいということです。

抑揚が大きいと表現力が豊かになり、大きなインパクトを与えることができます。

相手に訴えかけたときに、共感させて、納得させるパワーが強くなるという効果があります。

聴衆の心にインパクトを与えるには、大胆に抑揚をつけて話すようにするといいでしょう。

たとえばファーストリテイリングの柳井正さんは、ジョブズさんに比べて抑揚は控えめです。

低音の柔らかい声で、速度は少し速く、理路整然と話します。

淡々としていてもそれほどキツい印象を受けないのは、低音の声が魅力的だからかもしれません。

どちらがいいのかは人それぞれですし、場合によっても変わります。

いつも「抑揚あり」の話し方だと、オーバーで暑苦しい印象があり、聞いている相手も疲れてしまいます。

また逆に、いつも理路整然とした話し方では、冷たい印象を与えてしまうかもしれません。

相手に共感を覚えてもらい、相手を説得したいときにはジョブズ風、理路整然と説明しなければならないときは柳井風、というように使い分けるといいですね。

プレゼンテーション・スピーチ———早口は究極の時間のロス。

聞き手を思いやる余裕を持つスピーチやプレゼンで早口で話されると、聞き手は理解が追いつかず混乱してしまいます。

きちんと伝わる速度で落ち着いて話すことが大切ですが、自分が早口だと気づいていない人も結構います。

みなさんはどうでしょうか?次の質問のうち、いくつに当てはまるか考えてみてください。

・話を聞き返されることが多い。

・人に「せかせかしている」「慌てている」などと言われる。

・ゆっくりと話す人にはイライラする。

・考えずに話し始めて噛むことがある。

4つのうち一つでも当てはまったら、早口の可能性があります。

二つ以上に当てはまったなら、あなたは確実に早口です。

断っておきたいのは、早口が悪いというわけではないということです。

たとえば漫才師のように、言葉があふれ出てくるようなマシンガントークで話しても、発声がきちんとコントロールできているなら、話はきちんと伝わります。

ただ、彼らはきちんとトレーニングを積んでいるからできるのです。

普段トレーニングもしていない人が早口でしゃべると、噛んだり言い間違えたり、「えー」「あー」が増えたりして聞き取りにくくなってしまいます。

早口でもうまく話せるようにトレーニングするか、早口自体をやめるか、どちらかにしてください。

どちらが簡単かといえば、早口をやめるほうですよね。

早口対策としては次のようなものがあります。

・まず自分は早口だと自覚する。

・話すときは、呼吸をいつもよりゆっくりとする。

・単語の頭を強く声に出すことを意識する。

・句読点ごとに息を吸い、間を空ける。

これらの対策をとるだけでも早口ではなくなります。

そもそも早口になる原因の一つには、頭の回転が速いことが挙げられます。

次から次へとアイデアがわいてきて、それをすぐに口に出そうとすることで早口になってしまうのです。

仕事が忙しく、いつも時間に追われている人はこの傾向があります。

こういう人は歩く速さも食べるスピードも、何もかも速いことが多いですね。

知り合いの居酒屋の店長は、いつも気ぜわしく動いている人で、話し方も超早口。

何を話しているかまったくわからないことがあります。

店長「まぐりょっした!」私「ええ??」店長「まぐろ用意しときました」という具合です。

早口でしゃべると結局聞き返されてしまいますから、最初からきちんと話したほうが時間は節約できますよね。

クセや環境で早口になっている場合もあります。

たとえば親や周囲の人が早口だったりすると、子供も早口になりがちです。

いずれにしても早口は、聞き手にとっては優しくない話し方です。

早口の話し方が相手にどう聞こえているのか、考える余裕を持つことが大切です。

プレゼンテーション・スピーチ———「」よく、「伝わる文章を書くには、相手を思い浮かべてラブレターを書くように書け」なんてことをいいます。

人は誰かに承認されたい生き物です。

文章であっても、それが自分に語りかけているように書かれていると、人に認められたような気持ちになり、共感を覚えるのかもしれません。

プレゼンやスピーチにおいても同じことがいえます。

1人対多数で行うスピーチであれば、スピーカーは全体に向かって話しています。

でも全体に向かって事務的に話しかけているような印象が強いと、どこか話が他人事のように思えてしまいます。

しかし、1対1で自分に話しかけているような印象を受けると、聞き手はその言葉を自分に向けられたものとして受け止めるので、共感を覚えやすくなります。

聞き手の共感を得やすい、説得力のあるスピーチをするために、最も有効な言葉は何かご存じでしょうか。

それは「You」です。

イェール大学の研究によると、説得力のある単語のなかでもトップが「You」、つまり「あなた」「あなた方」「みなさん」だったということです。

そしてこの言葉は、スピーチが最も力を発揮する政治の世界で多用されます。

『アメリカの企業家が学ぶ世界最強のプレゼン術』(WAVE出版、ジェリー・ワイズマン著、持田直武・福山柴乃訳)にもそのことが書かれています。

要約すると次の通りです。

「2008年の大統領総選挙の予備選挙で、ヒラリー・クリントンさんとバラク・オバマさんがデッドヒートを繰り広げていました。

結局はオバマさんが勝つことになるわけですが、両者がスピーチのなかで『みなさん』『私』を使った回数をそれぞれ数えてみると、クリントンさんは『みなさん17回、私35回』、オバマさんは『みなさん26回、私10回』でした」つまり、「私」よりも「みなさん」を多用したほうが、聴衆に訴えかける効果があったと考えられる、ということです。

このように聴衆を魅きつける力があるパワーワード、「You」を積極的に使わない手はありません。

「あなた」でもいいのですが、目上の人には失礼と受け取られてしまうかもしれませんから、「みなさん」のほうが使い勝手はいいでしょう。

「みなさん、声は生まれつきではありません。

トレーニング次第で必ず自分の理想の声になれます」「みなさんは自分の声のどんなことに悩んでいますか?」などと、スピーチのなかに積極的に「みなさん」を入れてみてください。

きっと説得力のあるスピーチができるはずです。

プレゼンテーション・スピーチ———アイコンタクトで声も伝わりやすくビジネスパーソンでも、相手の目をあまり見ないで話をする人をよく見かけます。

日本人にはシャイな人が多いというのはわかります。

でも、たとえば何かの商品をセールスに来た人が、こちらの目をまったく見ずに話していたとしたら、どうでしょうか。

ウソをついているのではないか、騙そうとしているのではないかと不安になりますよね。

相手との信頼感を醸成するためにも、アイコンタクトは大切なのです。

これはプレゼンやスピーチでもいえること。

ずっと原稿に目を落とした状態で話している人や、キョロキョロと視線が定まらない人、床や天井を見つめながら話している人はNGです。

原稿に目を落としたままだと、棒読みになってしまい、感情豊かに話すことができません。

また、話しながら視線が定まらなかったり、誰もいない空間を見つめていたりすると、自信なさげで落ち着きのない印象を聞き手に与えてしまいます。

聞き手との信頼関係をつくるためにも、また、聞き手が自分の話をきちんと聞いているかどうかを確認するためにも、アイコンタクトを効果的に行う必要があります。

スピーチやプレゼンでのアイコンタクトは、参加者の数に応じて使い分けましょう。

参加者が10人以下なら、スライドを使わず、着席した状態で話をしたほうがいいです。

近い距離で上から話されると高圧的な感じを受けるからです。

座った状態で、手元の資料には時々目を落とす程度にして、会議の参加者一人ひとりとアイコンタクトを取りながら話すと、説得力が高まります。

1人と目を合わせる時間は3〜5秒がちょうどいいでしょう。

それ以上長くなると、威圧感を与えてしまいます。

参加者が30人以上の規模なら、スライドを使って話すことが多いです。

このときは立って話したほうがいいでしょう。

目線は、手元のパソコンとスライドを行ったり来たりするだけではダメ。

たとえスライドを使っていたとしても、基本的には会場を見ながら話をすること。

右・中央・左と順番に見て、適度にアイコンタクトを取りながら話を進めていきましょう。

スライドを見せたい場面では、自分もそちらを見ながら話をします。

そうすることで聞き手をスライドに注目させることができます。

アイコンタクトは声ではありませんが、「目は口ほどにものを言う」といいます。

話す内容の説得力を高めるためにも、おろそかにできないテクニックだと心得てください。

プレゼンテーション・スピーチ———「」スピーチやプレゼンに関してよく聞く悩みの一つが、「声がかれる」というもの。

マイクで話すときほど、声がかれる人が多いようです。

声がかれるのは、緊張して上半身に力が入り、胸式呼吸の状態で話してしまうからです。

胸式呼吸では声のボリュームが小さくなりがちですが、マイクが音を増幅してくれるので、会場には問題なく聞こえます。

問題がないからこそ、胸式呼吸でのどに負担をかけたまま話し続けてしまい、やがてのどが疲れて、かすれ声になってしまいます。

スピーチやプレゼンの機会が多い人が胸式寄りの発声を続けていると、かすれ声が日常になってしまい、次第に声を出すのもつらくなることがあります。

やはり、常に腹式呼吸で発声することが大切です。

本書を読んだみなさんは腹式呼吸の発声ができるはずですが、緊張したときには胸式になってしまうこともありますよね。

そこで、冒頭のあいさつや自己紹介の部分では、できるだけマイクを使わず、腹式呼吸の地声で話すようにしてみてはいかがでしょうか。

会場の広さにもよりますが、マイクを使って発表するような会場では、腹式呼吸の大きな声で話さなければ、後ろの人まで声が届かないはずです。

しばらくそうやって腹式呼吸で発声する感覚をつかんだら、そのままの感覚でマイクを使って話し始めます。

もちろん、同じ調子では声が大きすぎるので、腹式呼吸を意識しつつも、吐く息の量を減らすことでボリュームをコントロールします。

このようにして腹式呼吸で発声すれば、マイクを使っても、のどを疲れさせることなく最後まで話しきることができます。

途中で胸式に戻ってしまったと感じたら、一度マイクから離れて5分程度地声で話し、腹式呼吸を取り戻すといいでしょう。

なお、マイクを使って話すことが事前にわかっている場合には、本番前にマイクテストをしておくことも大切です。

テストをせずにぶっつけ本番でやると、マイクが自分の声をうまく拾ってくれずに、話し方に影響が出てしまうこともあるからです。

スタンドマイクでもピンマイクでも、テストの際にマイクの方向や位置を確認して、自分の声をきちんと拾うように調整してから本番に臨むといいですね。

職場でのコミュニケーション———コミュニケーションで大事なのは、まず相手の声を聞くこと声は自分の性格や育ちだけでなく、環境にも左右されます。

たとえば東北の人は口をあまり開けないので、ボソボソと小さな声で話す人が多いようです。

また大阪の人は、声が大きくアクセントもしっかりとしています。

大阪の人が地元で話している分には問題ないのですが、関東で同じように話していると「声が大きい」と言われてしまうこともあるようです。

声は職場環境にも影響を受けます。

男性ばかりの職場で働いている女性がトレーニングに来たことがありますが、自分の声がどんどん低くなっていると嘆いていました。

周りに合わせているうちに、女性らしい声の出し方を忘れてしまったのです。

美容室と理容室の両方を経営している社長さんにお話を伺ったときには、理容室に勤めている男性より、美容室に勤めている男性のほうが、声が高いとおっしゃっていました。

美容室はお客様もスタッフも女性が多いので、男性美容師はその影響で自然と高い声を出すようになるのかもしれません。

一般企業でも、営業系の職場ではみなさん声が大きくわいわいガヤガヤとしていることが多く、事務系の職場は静かなことが多いと思います。

いずれにしても大事なのは、その場その場の環境に合わせて、自分の声を調整するということです。

事務系のお堅い職場で高いトーンの声を出していては、軽薄な印象を持たれます。

反対に女性の多い職場で低い声を響かせていては、周囲に威圧感を与えてしまいます。

環境にそぐわない声を出していると、周囲から浮いてしまい、職場の人とのコミュニケーションに支障が出ることもあります。

前述した「ペーシング」の要領で、声のトーンやスピードを合わせる必要があるでしょう。

職場に合わせた適度な話し方をつかむには、まずは職場の人の声に注目する必要があります。

職場の人たちの声をよく聞き、違和感のない発声を自分でも心がける。

それが信頼関係をつくる第一歩です。

職場でのコミュニケーション———人と差をつける「」人と1対1で話すときには、相手の目を見ることと、適度にうなずきや相づちを挟むことを心がけるようにしましょう。

うなずきや相づちは、話している相手に「きちんと聞いていますよ」「共感していますよ」と伝えるサインです。

ほとんどの人は無意識に行っていますが、意識的に行うことで、相手との距離を縮めるのに役立ちます。

そこで大事になるポイントは「集中して人の声を聞く」ことです。

うなずきは、相手の話すスピードに合わせて行うといいでしょう。

相手の声の速度や調子に合わせることで、相手は「話を聞いてくれている」「話がかみ合っている」と感じて、もっと話したいという気分になってきます。

時にはうなずくテンポをわざと変えて深くゆっくりとうなずくことで、深く理解したという態度を示すのもいいですね。

相づちに関しては、「はい」のひと言だけではワンパターンになりがちです。

「ほぉー!」「わかります」「ええ」の他に、強い息を吐くサ行を使い、「そう思います」「そうですね」としっかり発音すると力強い感じになります。

やめたほうがいいのは、目上の人に対して「うんうん」とうなずいてしまうこと。

子どもっぽさがありますし、相手は下に見られたように思えていい気持ちがしません。

相づちにひと言付け加えるのもいい方法です。

リフレクティングの要領で「それは大変でしたね」と言うとか、「スゴイですね!」などと感動して見せるなど、いろいろなパターンが考えられます。

1対1ではなくセミナーや会議などで話を聞いているときも、積極的にうなずくようにするといいですね。

うなずくことで「聞いていますよ」という合図を送ってあげると、話している人もこちらを向いて話してくれるようになります。

そして、話し手と聞き手の間に自然と信頼関係が生まれるのです。

スピーカーが上司などの場合はなおさら効果的で、「よく理解しているな」と思わせることができます。

本当に理解しているかどうかは別として、たくさんうなずいてみてください。

評価が上がるかもしれませんよ。

職場でのコミュニケーション———静かな職場でも伝わる小さな声のコントロール方法静かな職場ってありますよね。

誰もおしゃべりせずシーンとしたなかで、キーボードをたたく音だけがカタカタカタカタ……。

プログラマやエンジニアが多いIT系の会社や、一般の会社でも事務職のオフィスでは、そんな雰囲気のところがよくあるようです。

そして、静かな職場で働いているビジネスパーソンで、声の出し方に悩んでいるという人によくお会いします。

何に悩んでいるかというと、周りが静かなので、電話応対をするときに自分の声が気になってしまうということです。

周囲の人に話を聞かれているような気がして、緊張してしまい、「お世話になります」の第一声が詰まってしまうこともあるそうです。

また、あまり大きな声で話すと恥ずかしいので、電話の声も小さくなりがちです。

どうしても胸式寄りの声になってしまうので、電話の相手は声が聞き取りづらく、暗い印象を受けてしまいます。

静かな職場で長年働いていると、どうしても会話量が少なくなり、声も小さくなりがちです。

職場内のコミュニケーションとしてはそれで支障がなくても、電話や対面で外部の人と話すときには、いつもの声のままではよくありません。

対策としては、やはり腹式呼吸です。

本書で紹介したトレーニングを日頃から行い、いつでもいい声が出せるように腹式呼吸を身につけてください。

腹式呼吸のまま吐く息の量を減らせば、小さくても通りやすい声が出せるようになります。

電話で大きな声が恥ずかしいという問題は……開き直るしかありませんよね。

小さな声で話して相手に暗い印象を与えるくらいなら、大きな声を出すようにしましょう。

ちょっとくらい目立っても意外に人は聞いていないものです。

特に、普段から人に聞き返されるタイプの人は、自分が少々大きい声かもしれないと思うくらいで、ちょうどよい音量です。

自分の声がどう聞こえるかは周りに聞いてみるのもいいですし、周囲の人だって仕事に熱中していますから、人の話なんてたいして聞いていないのです。

自分から積極的にいい声を出すようにすれば、職場の雰囲気も今より明るくなるかもしれません。

 

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