はじめにおう。お疲れ。俺だ。Testosteroneだ。
いきなりだが俺を知らない人のために軽く自己紹介させてくれ。
俺は筋トレが世の中の問題のほとんどを解決すると信じ、書籍やSNSなどで発信を続けているTestosteroneという者だ。筋トレを広める活動を始めたきっかけは自分自身の強烈な体験にある。
高校1年生の時、僕は体重110kgの何のとりえもない肥満児だった。しかし、留学先のアメリカで筋トレに出会うと人生が180度変わっていった。40kg近いダイエットに成功しただけではない。
怠惰だった自分は贅肉とともに消え去り、代わりに心身の健康や目標を達成する力、闘争心、自尊心といった生きていく上で大事な力が筋肉とともに体に備わっていった。
筋トレで成果を出すために必要な正しい食事の知識や十分な睡眠、ハードなトレーニングを継続するための規律ある生活といったさまざまなエッセンスが、僕に翼を授けてくれたのだ。
帰国後、日本には圧倒的に筋トレが足りていないと気付いた僕は、筋トレの持つ素晴らしい効能をたくさんの人とシェアしたいと思い、Twitterを始めた。
それがきっかけで著書も手掛けるようになり、処女作である『筋トレが最強のソリューションであるマッチョ社長が教える究極の悩み解決法』(ユーキャン)は累計13万部を超えるベストセラーとなった。
2014年9月6日に開始したTwitterのフォロワー数は、3年半で45万人を突破した。
「筋トレを始めたら本当に人生が変わりました」「ジムに行き始めてから毎日が楽しいです」。そんなうれしい声が次々に届き、筋トレは人生を変える、という僕の確信はさらに強まっていくばかりだ。
でも、こんなんじゃまだまだ足りない。もっともっと多くの人に筋トレの価値を知ってもらわなければいけない。筋トレの良さを伝え、人々の人生を幸福にすることこそが僕の使命である。
そこで、本書では伝え方を工夫することにした。
前作『筋トレが最強のソリューションである』や僕のTwitterでは筋トレの効能を、面白く、わかりやすく伝えることを心がけてきた。
本作ではそれに加え、「なぜ、筋トレをするべきなのか」という命題に対し、科学的エビデンスを用いた理論的な説明を試みている。
「精神論だけじゃ一歩を踏み出せない」というタイプの人も「本当に筋トレって効果あるの?」と懐疑的な人もきっと納得できる内容になっているし、すでに筋トレを始め、その効果を体感している人も、科学的裏付けを知ることでさらに前向きにトレーニングに取り組めるはずだ。
理論部分の説明は早稲田大学大学院スポーツ科学研究科博士課程で最新のスポーツ科学を研究している久保孝史君に協力をお願いした。
久保君は認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストとして日本代表選手をはじめとするトップアスリートの指導にもあたっている優秀なトレーナーでもある。
今回、久保君にはトレーニング理論やスポーツ科学、運動生理学などについて世界各国で日々進んでいる研究論文のリサーチを依頼し、筋トレが僕らに与えてくれる恩恵についての科学的根拠やメカニズムに関して、わかりやすい言葉で解説してもらった。
久保君は曖昧な情報や研究方法自体に問題がありそうな文献には片っ端からNGを出すバリバリの研究者なので、この本に載っているエビデンスは信頼してもらっていい。
もう一つ、本書の目玉と言えるのが「筋トレに取り組むことによって実際に人生を切り開いた」人たちの実話を基に構成したルポ漫画だ。
先天性の色覚障害で警察官の夢を断たれた青年や、周りの目が気になって学校になじめず、保健室に登校していた看護学生、弱気で自分のボールに自信が持てなかった野球選手、完璧主義と極度の強迫神経症で腕の震えが止まらなかった医学部受験生…。
さまざまな困難に立ち向かった方々に僕自身が実際にインタビューし、その体験を聞かせていただいた。
勇気を持って行動し、筋トレをきっかけに運命を切り開いた彼らのストーリーは見る者に感動を与える。
インタビュー中はバレないようにうまく隠したつもりだが、僕は平均して1インタビューにつき3回ぐらい泣いていた(笑)。
彼らの物語はもしかしたら科学的エビデンス以上に「筋トレをする意義」を教えてくれるかもしれない。筋トレが持つ計り知れない効能を日本国民に広め、日本を根底から良くすることが僕の究極の目標だ。
僕自身もこの本の制作過程を通し、筋トレが持つ恐ろしいほどのポテンシャルを再確認した。
自分が好きになれない、仕事に向かうファイトが出ない、自信がなくて挑戦ができない、体力が落ちてきた、常にネガティブになってしまう…。
そういった問題は筋トレを始めることによって、ほぼ確実に解決する。筋トレ人口が一人でも増えれば、それだけ幸福人口が増える。僕はそれぐらいの信念を持って筋トレの啓蒙を続けている。信じろ。筋トレは最強のソリューションだ。
CONTENTS
はじめに
第1章「死にたくなったら筋トレ」が真実である理由
死にてえって思ったら筋肉を殺そう悩みや心配は筋トレで返り討ちにする自分の事を好きにならなければいけない理由手首の代わりに筋繊維をカットしろ金や人よりも筋肉を信じる者は救われる自尊心と筋肉は兄弟のようなもの他人の批判に耳を傾けてはいけないワケ生涯絶対にあなたを裏切らない二人メンがヘラってるときに効く7つの行動執筆者紹介Testosterone×久保孝史筋トレによってメンタルヘルスは向上する実録漫画CASE1解けない問題に手が震えて…強迫神経症との長い戦い~医学部受験生秋田真さんの場合
第2章筋トレは最強のアンチエイジングである
アンチエイジングとはつまり筋トレのことである筋トレしていれば歳を取るのも怖くない筋トレは魔法の若返り薬筋トレ中毒が残していくかけがえのないギフトやらない理由を探すよりどうやるかを考える筋トレオタクが若々しいワケTestosterone×久保孝史筋トレは加齢による運動機能の低下や疾患を予防する
第3章モテたかったら筋トレしかない
中身だけを見てほしいなんてそもそも甘い筋トレモテスパイラルの構造モテるための筋トレが開く悟りの境地筋トレを巡る最大最強の疑問筋トレこそ究極の美容行為恋の傷も筋トレが癒してくれるTestosterone×久保孝史正しい筋トレによって異性が理想とするカラダを作ることができる
第4章仕事ができる人はなぜ筋トレをしているのか
マッチョを雇用すべき4つの理由日本人マッチョの希少性人間も動物も最後は体力がモノを言う筋トレで正しい努力の方法が身につくワケグローバルエリートになるには筋肉が必須生物としてなめられないために必要なものクリスマスの行動が人生の勝敗を決める説得力に欠ける人に必要なものTestosterone×久保孝史世界のハイパフォーマーは必ずと言っていいほど筋トレしている実録漫画CASE2転職失敗の絶望を筋トレで吹き飛ばした話~会社員モニカさんの場合
第5章ダイエッターこそ筋トレすべき本当の理由
どんなダイエット法も悪い食習慣を倒すことはできない筋肉がダイエットにおいて果たす驚異的な役割肉体改造は競争ではなく選択体脂肪を断捨離する意味歯を磨くようにダイエットをする何気ない一言が他人の人生を狂わせる恐怖心で取り組むダイエットは続かない理想の体を手に入れる手段としての筋トレTestosterone×久保孝史筋トレ+有酸素が最強のダイエット法である実録漫画CASE3私が摂食障害を乗り越えられたワケ~タレント・ジムトレーナーmeruさんの場合
第6章長生きしたけりゃ筋トレをしなさい
筋トレミクスの破壊的効果4選筋トレは優れた予防医学である睡眠を削ること=命を削ることヤケ酒、ヤケ食い、ヤケ筋トレ筋トレ保険に今すぐ入会せよ!風邪っぽかったら気合のスクワットTestosterone×久保孝史筋トレをしている人の方が死亡リスクが低い実録漫画CASE4うつで動けなかった私を変えた筋トレとの出会い~作家岡映里さんの場合
第7章筋トレに関する誤解と偏見を解消する
筋トレオタクの地雷を踏む5つのトピックスクワット侮辱罪で訴追される禁句使える筋肉、使えない筋肉論の愚筋トレオタクのタンクトップにまつわる誤解プロテインを国民的おやつにすべき7つの理由邪魔になるほどの筋肉をつけるのは相当難しいTestosterone×久保孝史筋トレは柔軟性を向上させ、ケガを予防する実録漫画CASE5いつも弱気だったピッチャーを生まれ変わらせたもの~野球選手久保田啓介さんの場合
第8章自信がない人は筋トレをしろ
筋トレで自信がつく5つの理由筋トレが教えてくれるシンプルな真理メンタルが弱い原因はフィジカル悪口陰口は暇人のやる事筋トレでブレない自信をゲットするうるさい奴は怖くない筋トレで他者承認が自己承認に切り替わるやりがいや達成感はつらさの先にある思うがままに生きるべき絶対的な理由君は君のやるべき事をやれTestosterone×久保孝史筋トレは「人は変われる」ということを教えてくれる実録漫画CASE6人間関係に挫折した私が見つけた筋トレという魔法~看護学生有紀さんの場合おわりに参考文献
──久保さん、心が落ち込んでいる人が筋トレをするとどんな効果があるのでしょう?精神面の健康、つまりメンタルヘルスが不調をきたすと、焦燥感や不安感に襲われたり、自己肯定感が低下したりといった症状が現れます。
深刻な精神疾患の場合以外でも、こうした症状が重なって「死にたい」という感情にまで高まってしまうことがあります。
個々の焦燥感や不安感の元となるストレッサーを取り除くことができれば一番良いのですが、それは簡単なことではありません。
ただ、筋力トレーニングには、メンタルヘルスを向上させる働きがあることが、多くの科学的研究によって裏付けられているのです。
──筋トレでメンタルが上向きになるというのは本当だったんですね!はい、筋トレはメンタルヘルスに悪影響を与える可能性が高い「焦燥感」「不安感」「慢性疼痛」「認知機能」「睡眠の質の低下」「自尊心の低下」などについてポジティブに働くという多くの研究があるんです。
──どんなメカニズムなのでしょうか?まだはっきりと学説が固まっているわけではありませんが、筋トレをすることによって分泌されるテストステロンやセロトニンといったホルモンが関与している可能性があると言われています。
つまり、筋トレをすれば世界が平和になりもう筋トレはとてつもなく素晴らしいということだな?知ってた。
よし、次のトピック行こう。焦らないでください(笑)。まず、焦燥感に関する研究から説明します。
2010年に米国のO’Connorが発表した総説論文(※それまでに発表された研究をまとめたり、要約したりしたもの)によると、多くの研究で筋トレをすることによって、寝不足や不健康から誘発される焦燥感が改善される可能性がある、とされています。
筋トレをすることによって寝不足や健康の不安が解消されるため、結果として焦燥感を減らすことにつながるわけです。
筋トレと一言で言っても、筋肉ちゃんを育てるのに必要な三大要素は筋トレ×食事管理×睡眠ってのがカギと言えそうだな。
筋肉が欲しい一心で食事と睡眠にも気を使い生活習慣が整う。十分な栄養と睡眠が確保できれば、嫌でも健康になっていく。
あ、サラダチキン食べる時間だ!それから、自分の限界に近い重さを用いるより、ある程度回数をこなせるちょうどいい重さのトレーニングのほうが焦燥感を取り除く効果が高いという興味深い結果も出ています。
日本国内でTsutsumiら(1998)が行った研究によると、高重量(80%1RM※1回持ち上げるのが限界、という重さの80%という意味。50kgを1回持ち上げられる人なら40kgが該当する)ではなく、中重量(50─60%1RM※50kgを1回持ち上げられる人なら25~30kg)の方が焦燥感の軽減に関しては効果的だったそうです。
先生、高重量を扱わないと筋肉が小さくなっていく気がして、女の子にモテない気がして焦燥感が止まらないんですけどどうすればいいですか?少し黙っていてください。話を続けます。
そもそも20年以上前から日本国内で筋トレと焦燥感の関連についての研究が行われていたとは驚きですよね。
逆にSinghら(2005)の研究では、低重量よりも高重量でトレーニングしたときのほうが、睡眠の質が向上することもわかっています。
必死で筋トレしてグッスリ眠る。これ以上のストレス解消法はないな。睡眠の質が悪いとメンタルヘルスに不調をきたす可能性が高まりますし、いわゆる不眠症(睡眠時間が6時間未満)は肥満を招きやすいとも言われています。
筋トレも大切だけど、「病み気味だな」「気分が上がらないな」ってときはまずはガッツリ眠ることが大切と言えそうだね。眠れない人は、高重量でスクワットすれば眠りの質が上がるから完璧だね。
また筋トレがこの世の問題を一つ解決してしまったね。
ちなみに、Broocksら(1998)の研究では、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動でも焦燥感を取り除けることがわかっています。
筋トレをする気力がないから困っているんだよ!。
、。
──不安感についてはどうでしょうか?必ずしもそうではない、という意見もありますが、焦燥感と同じように多くの研究で不安感を取り除くという結果が出ています。
Ohiraら(2006)の調査では筋トレそのものではなく、身体組成の変化などを通じてQOLが向上することを示唆していますし、Hakkinenら(2001)の研究では線維筋痛症(リウマチ性疾患)の患者に筋トレが効果を発揮したそうです。
科学的エビデンスがあるものについても万人に効果があるというわけではない。逆にまだ科学的に調査結果が固まっていないからといってそうした効果がない、と断定できるものでもない。
個人差があることを踏まえて、自分にあった筋トレの活用法を見つけていってほしいところだ。俺?筋トレはこの世の問題の99%を解決できると思ってる。
慢性疼痛、「」。
、、。
、。
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筋トレが腰痛や関節痛に良い。
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、。
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身体が不調だと気分も上がらないだろう?「」、。
それから心理学的に「自己に対する肯定的な態度」と定義されることの多い「自尊心」についても筋トレはすごい効果を発揮します。
なんと、スポーツ科学や心理学の分野における113本の論文で「筋トレは自尊心を保つ、もしくは高めること」が報告されているのです。
今までに1万回ぐらい言っているが、「自分を好きになれる」というのは筋トレの一番大きな効果と言っていい。
科学的根拠とか抜きにロジックで考えて、必死で努力して、自己管理して、理想の体型を手に入れて、挙がらなかったバーベル挙げて、自慢の大胸筋、誰もが息をのむプリケツを毎朝起きるたびに鏡で眺められたら自分のことを好きにならないわけがなくない?僕自身も筋トレによって40kg近いダイエットに成功したことが大きな自信になった。
今も仕事やプライベートで落ち込むことがあったら、筋トレをして筋肉を確かめ「自分大好き♡」という感情を取り戻すようにしている。
※編集部注筋トレにはうつ状態の予防や改善に一定の効果がある、という研究がありますが「うつ病を治す」ことは証明されていません。精神疾患の疑いがある場合は必ず心療内科を受診してください。
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