はじめに
あなたの人生は「声」と「話し方」で決まる★たった1日で、声も話し方もガラリと変わる!★たった1日で、声も話し方もガラリと変わる!人前でのスピーチ、営業トーク、プレゼンテーション、電話、お客様との会話、就活、合コンやデート、プライベートの雑談……。仕事の場でもプライベートでも、「上手に話ができない」「自分の声が嫌い」「滑舌が悪い、早口といわれる」「人前で話したり会話を盛り上げるのが苦手」などの悩みをもつ人は大勢います。ほぼ100%の人が、声や話し方にまつわる何らかの悩みをもっているといっても過言ではありません。「自分の声が好きですか?」「自分の話し方に自信がありますか?」そう尋ねられて、胸を張ってイエスと答えられる人は決して多くありません。たしかに、世の中にはハッとするほど話の上手な人がいます。思わず話に引き込まれてしまう、いいたいことがきっちり伝わる、時にはユーモアも交えながら、態度も堂々としている、よく通るいい声をしている……。そんな人を見てうらやましく思ったり、自分にはとても無理だと引け目を感じたことはないでしょうか。じつは紛れもなく、かつての私がそうでした。しかし、そんな方に私が申し上げたいのが、「声も話し方も、ちょっとしたコツで劇的に変わる」ということです。簡単なコツを実践するだけで、本当にたった1日で、声も話し方も劇的に変わります。これは誇張でも何でもありません。私は現在、アナウンサー活動の傍ら、オリジナルの「話し方レッスン」を行っています。25年にわたる経験で培った声と話し方のスキルを「魚住式メソッド」としてまとめ、生徒さんに教えていますが、本当にたった1回のレッスンで声も話し方も驚くほど変わります。みなさん、口々に「自分でこんなに変わると思わなかった!」と驚かれるほどです。「話の最初に『えー』『あー』をいわないだけで、グンと聞きやすくなる」「『少し声のトーンを高くするだけ』で明るい印象になる」「相づちは下手にたくさん打つより『黙ってうなずく』ほうが効果的」一つひとつは、じつに簡単なコツですが、それを積み重ねることによって驚くほど聞きやすく、好印象をもたれる話し方ができるのです。本書はこうしたコツを50にまとめています。元となるテキストがあったわけではなく、すべて私が自分の経験・失敗から一つひとつ学んできたものです。本書では、私が学んできたすべてのスキルを余すところなくお伝えします。★仕事もプライベートも「どんな話し方」をするかで決まる★仕事もプライベートも「どんな話し方」をするかで決まる2020年東京オリンピック・パラリンピックを決定づけた日本のプレゼンテーションは大きな評判を呼びましたが、このプレゼンを指導したのが、プレゼンテーション・コーチのマーティン・ニューマンという人です。ニューマン氏は英首相や英国王室における指導もしている有名なコーチですが、もともとはスピーチ原稿をつくるスピーチライターでした。ところが彼は「ある間違い」に気づいたというのです。それはスピーチで一番大事なものは何かということ……。東洋経済オンラインのインタビューで、こう語っています。完璧なスピーチを書いても、デリバリー(伝え方)がまずければ、結果は散々。内容がひどいスピーチでもデリバリーで賞賛されたりする。デリバリーが人に与えるインパクト(パーソナルインパクト)は、それ以外のインパクトよりよっぽど大きいと気づかされた。「どんなことを話すか」よりも「どんな話し方をするか」、それが最も大事だと彼は述べています。そしてデリバリーを制する者こそがプレゼンを制するというのです。またニューマン氏は「話すことはスポーツと一緒だ」とも語っています。自己流でゴルフをやってある程度スコアが伸びたとしても、いつかは壁に突き当たって限界が来る。でも「コーチ」につくと、みるみる上達するといいます。話すこともそれと同じで、コーチについてトレーニングすることが必要なのです。考えてみれば、私たち日本人は「声を整える練習」「話し方を磨く練習」をする機会がほとんどありません。学校でも教えてくれないし、それこそアナウンサーや俳優のような職業でもない限り、大人になっても習うことはありません。ほとんどの人が「自己流」で話しています。せっかくいい内容を話しているのに、声や話し方のせいで相手に伝わらない……。こんなもったいないことはないですよね。本書は、あなたの「話し方」のパーソナルレッスンのテキストとなるべく、いろいろな工夫をこらしました。読んで実践するだけで、必ず「違い」を実感していただけると思います。★声も誰でも簡単に変えられる★声も誰でも簡単に変えられる私のメソッドは「声を整える」ということも特徴のひとつです。ところが「声」の話をすると、誰もがふと自信をなくすんですね。みなさんはレコーダーやビデオなどで録音された自分の声を聞くのは好きですか?「大嫌いです!」「自分の声なんか聞けたものじゃない!」みなさん口々におっしゃいます。大丈夫、私も録音された自分の声を聞くのは苦手です(笑)。「私は声が悪いんです」とみなさんおっしゃるのですが、絶対にそんなことはありません。誰でもいいところがあって、そこを伸ばせば、いい声が出せるのです。誰もがダイヤモンドの原石をもっています。ただ、磨かれていないだけ。それはトレーニング次第で誰でも磨くことができるのです。私はいまでも自分の声を聞くのが好きではありませんが、昔はもっとひどいものでした。最初の衝撃は高校時代、放送部に入部したときのこと。自分の声を録音して聞いたのですが、「ウソでしょ!」という感じ。聞こえてきたのは自分の想像よりはるかに低くてガサガサした声でした。あまりの汚い声に打ちのめされてしまったものです。しかし、逆にそのとき、吹っ切れた部分もありました。
「あっ、そうか。こんなに汚い声なら、いちからやり直さなければ声優にもアナウンサーにもなれないな。だったら、いまから理想的な声に変えよう」と覚悟ができました。またショックを受けたのは私だけではなく、新入部員のほぼ全員であり、先輩たちも含めた誰もがこの衝撃からスタートすると知り、少し安心しました。それから練習を開始し、少しずつですが、声が整っていくのが実感としてわかりました。声を整えるというと、すごく難しいことのように思えるかもしれませんが、じつは誰でもできるのです。それも本書の「コツ」を実践していただくだけで、相手だけでなく、自らも聞いていて心地よい、納得のいく声に変わっていくのです。あなたが求める「新しい声」は、トレーニングさえすれば簡単に手に入るのです。声が変われば、あなたの印象がまったく変わってきます。そして話し方が上達すれば、プレゼン、会議、スピーチ、営業トークなどが段違いにうまくなります。日常会話やプライベートの雑談、合コンやデートまで、ちょっとしたコツで簡単に話し上手になれます。それはビジネスの場でもプライベートにおいても、一生涯の大きな武器となってくれるはずです。「声」を変えれば印象が変わり、「話し方」を変えれば人生が変わります。さあ、私と一緒に「声」と「話し方」のレッスンを始めていきましょう!
たった1日で声まで良くなる話し方の教科書──目次はじめにあなたの人生は「声」と「話し方」で決まる★たった1日で、声も話し方もガラリと変わる!★仕事もプライベートも「どんな話し方」をするかで決まる★声も誰でも簡単に変えられる序章声と話し方を変えれば、人生が劇的にうまく回りだす!★魚住式メソッドについて★声と話し方で、その人の第一印象は決まってしまう!★学校で教えてくれない「話し方・伝え方」★話すことはスポーツと同じ!
第1章まったく「新しい声」は簡単に手に入る
★「声」は洋服と同じ──「声」は誰でも磨くことができる★話すことは音楽を奏でること★シチュエーションによって「声」を変えていく★「いい声」を出すために必要な3つのこと新しい声を手に入れる最速レッスン(ステップ1)▼腹式呼吸★なぜ腹式呼吸が必要なのか★腹式呼吸は難しくない!腹式呼吸トレーニング★どうしても腹式呼吸ができない場合の「秘策」寝っ転がり腹式呼吸トレーニング★腹式呼吸で話すと「のど」がかれない!「緊張」も解ける!★意識しなくても腹式呼吸をしてしまう2種類のトレーニング腹式呼吸アドバンスト・トレーニング新しい声を手に入れる最速レッスン(ステップ2)▼共鳴★「共鳴」させることでグンと聞きやすくなる!共鳴トレーニング新しい声を手に入れる最速レッスン(ステップ3)▼滑舌★滑舌をよくするには?滑舌トレーニング★滑舌と腹式呼吸がいっぺんにトレーニングできる方法滑舌アドバンスト・トレーニング[カウント腹筋]りえの耳寄りコラム声が整うと、小顔になれる!?
第2章「声の高さ&スピード」を操れば、面白いように伝わる!
★あなたの理想の話し方は?★「話す」ことは相手にエネルギーを与えること★人前で話すときは「高い声」で注目を集める★電話のときは「低い声」で相手の緊張を和らげるりえの耳寄りコラムタモリさんに学ぶ「相手が和む話し方」★話し方のイメージは「声の高さ×スピード」で決まる★上達への第一歩は「マネをする」こと。話し方も同じ!★低い声でも明るい印象をもたれるには★まずは「口角を上げて横に開く」を意識する★「落ち着いた雰囲気」を出すための「声」とは?★早口を直す2つの方法★スローな話し方をスピードアップする方法★「嚙んでしまう」ときの対処法★大きく明るい声を出すには?
第3章1日5分の「朗読」で、話し方は劇的に上達する
★何が人の心を動かすのか★「朗読」こそが話し方がうまくなる最短コース★朗読トレーニングをすると、言葉がスラスラ出てくるようになる★なぜ「朗読」がスピーチの技術を向上させるのか?★ウォーミングアップ[5つの基本をマスターする]早口言葉でウォーミングアップ★朗読トレーニング[トレーニングは「❶黙読→❷音読→❸朗読」の3要素]★原稿を準備する❶(黙読)▼何がいいたい文章なのか?頭の中をウォーミングアップしよう❷(音読)▼楽譜を読み込んで演奏プランを考えよう[ステップ1]強調したい箇所をマークする[ステップ2]「抑揚」をつけるりえの耳寄りコラム池上彰さんに学ぶ「上手な抑揚のつけ方」[ステップ3]全体の流れをつかむ❸(朗読)▼「音読」によって立てたプランを「朗読」で実践する★なぜ「言葉の反射神経」がよくなるのか★「朗読」によってボキャブラリーが増えるビジネスからプライベート、プレゼン、スピーチにも!
第4章今日からすぐに役立つ「日常会話」のテクニック
★私が実践している話し方・聞き方のテクニックを全伝授します!★コミュニケーションを深める会話術★相手の話を上手に聞き出すには★相づちの上手な打ち方★誰だって「話したい」し「認められたい」りえの耳寄りコラムタレントやお笑い芸人もプライベートは無口!?★初対面の緊張を一気に解く「座る場所」★会話が途切れそうなときは?★返事がわかっていても、知らないふりをして、相手に話してもらう★「会話では、相手の目を見たほうがいい」はホント!?★話しながら、上半身を揺らしていませんか?★電話の会話は「感じよく、ゆっくり」★イメージをアップさせる会話術★「えー」「あのー」などの口グセをやめる方法★意外と耳障りだけど本人は気づいていない……陥りがちなクセ★こっそり教えます!究極の「モテ会話」術★商談で役に立つ会話術★初対面の商談相手との会話をスムーズに進める方法★部下を「上手に」叱る★「話が弾まない人」との会話は「鉄板質問」で乗り切る★会話のとっかかりや沈黙のときは、相手の小物をさりげなくほめるのが効果的★「上手な断り方」をするには★上司に残念な結果を報告するとき★取引先を怒らせてしまった!上手に謝る方法は?★感情はシンクロする!★プレゼンテーション・スピーチで役に立つスキル★スピーチ本番で緊張しない方法★スピーチの途中で頭が真っ白になったら……★お客さんに助けてもらおう!★できるだけ多くの人に話を聞いてもらえる必殺テクニック★スピーチ原稿は用意すべきか、その場で考えたことを話すべきかりえの耳寄りコラム萩本欽一さんの「空白の台本」★大きな舞台や大事なプレゼンの前に行う準備、リハーサル★その他準備についてのアドバイス特別付録1小泉進次郎さんに学ぶスピーチの極意❶強調したいところを「高く」「大きく」「ゆっくり」話す❷わかりやすい言葉で簡潔に語る、一文を短くする❸助詞を上げない❹「えー」をいわない❺身振り手振りを積極的に使う特別付録2魚住りえが勝手に添削!著名人の話し方スキル❶石破茂さんは意外な(?)スピーチの達人だった!❷ジャパネットたかたの田明さんは、テレビと普段が全然違う!❸ダウンタウンは話し方も対照的!❹SMAPの中居正広さんの陰に隠れた努力❺浅田真央ちゃんと増田明美さんの話し方は女性のお手本❻ミッシェル・オバマは私の理想特別付録3魚住式メソッド50のコツを一挙公開!おわりに
序章声と話し方を変えれば、人生が劇的にうまく回りだす!
★魚住式メソッドについて私は2004年に日本テレビを退社し、フリーに転身しました。以来、テレビ、ラジオ、イベントの司会など、さまざまな仕事をさせていただいてきました。局アナ時代と比べて、仕事の幅が広がったことはとてもよい経験で、自分のスキルアップにもつながったように思います。しかし、こうして仕事を続けてきた中で、私の中ではある思いが生まれてきました。それは「自分から何かを生み出して提供していきたい」というものです。この仕事はどうしても受注を待つというか、仕事をいただいてそれをこなすという受け身の部分が大きいのです。もちろんそれもいいのですが、それだけではなく自分から能動的に動ける仕事をしてみたくなりました。では、自分のもっている技術で、自信をもって提供できるもの、人様に喜んでもらえるものは何かと考えたら、やはり「声の出し方」と「話し方」だったのです。「ボイストレーニング教室」「話し方教室」というものは世間に山のようにあります。そんな中で「私にしかできないもの」は何か、それを考えて編み出したのが「魚住式メソッド」だったのです。「魚住式メソッド」には、「声」「話し方」「会話のコツ」の3つの柱があります。❶声まず「声」。声の出し方、高低を変えることによって、その場に最もふさわしく、効果的な伝え方をすることができます。誰でも「新しい声」「聞き取りやすい声」を手に入れることは可能です。滑舌をよくすることも可能です。声を変えるだけで、あなたの話は段違いに聞きやすくなります。「声を変えるだけで人生が変わる」といっても過言ではないほど、その効果は劇的ですよ!❷話し方次に「話し方」。話し方というと、一般的には「どんなことを話すか」を教えると思うのですが、魚住式メソッドではこれを「音の高さ&スピード」「抑揚のつけ方」という観点から教えています。音の高さ&スピード、そして抑揚を使いこなすことによって、人に訴えかける力は絶大なものになるからです。❸会話のコツ最後の3つめの柱が「会話のコツ」。これも「話し方」の一種ですが、こちらはコミュニケーションにフォーカスしたものです。私がプロとして、いままでの経験で培ってきた「上手な会話のコツ」をすべて伝授します。初対面の相手とうまく話すコツや、ちょっと気まずい状態からの挽回(?)方法、上手な謝り方、気になる相手といい雰囲気になるためのとっておきの会話術など。すべて私が自分で失敗して会得してきた「生きた会話術」ばかりです。知っておくかどうかで、会話はまったく違ってくるはずです。魚住式メソッドの特徴は「話す内容」ではなく「声」や「表現方法」に特化していることです。そして本書ではこのメソッドを「50のコツ」に分けて紹介していきます。このメソッドの最大の利点は、トレーニングをすることで誰でも、確実に、話が上手になることです。たとえば「感情を入れましょう」といっても、何をどうすればいいのかわかりませんよね。またそれを心の持ち方でどうにかしようとしたり、抽象論で教えたりしたのでは、人によってできたりできなかったりという「差」が出てしまいます。また「こういうときはこういうことを話しましょう」という各論で話をされても、なかなか実際の場で応用がききません。私のメソッドは話す内容にかかわらず、「人の注目を一気に集める聞かせ方」「みんなが聞くのに疲れてきたときの話し方」など、「表現方法」を「技術」としてお教えするので、いつでもどこでも使うことができるのです。だから手前味噌ですが、私の講座を受講していただいた方は全員が、本人もびっくりするほど声が変わり、話し方が上達されます。「話が上手になったことで、ビジネスでもプライベートでも大きな収穫が得られた」といううれしい感想をたくさんいただきます。「声や話し方が変わったことで、人生が変わった」といってくださる方もいるほどです。「結果を出す」のが魚住式メソッドです。★声と話し方で、その人の第一印象は決まってしまう!★声と話し方で、その人の第一印象は決まってしまう!「口下手で会話に自信がない。人前で話をするのはさらに苦手……」「自分の声が好きになれない。録音を聞くと嫌になる……」こうした声や話し方の悩みを、本当に多くの人がもっています。ビジネスパーソンなら人前で話す機会も何かと多いでしょうし、それが仕事の結果を左右することもあるかと思います。どんなにすばらしい資料をつくっても、会議やプレゼンで上手に伝えられなければムダになってしまいます。また合コンなど「出会いの場」、プライベートな場でも、声や話し方はその人の「印象」を決定づける、とても大きな要素になります。初対面で「あの人、なんだかいい感じ」「何かちょっと違うかも……」などと思われるのは、どんな声でどんな話し方をするのか、それによるところが大きいものです。にもかかわらず、最近は「人とうまく話せない」「人付き合いが苦手」という人が増えているように感じます。私の講座でも、「本当の自分はこうなのに、こういうことがいいたいのに、相手にわかってもらえなかったり、誤解を受けてしまったりする」という悩みをよく聞きます。インターネットの発達なども関係しているのかもしれませんね。その場に適した声で、伝わる話し方ができるかどうかで、あなたの印象、ひいてはあなたの人生が本当に劇的に変わります。すると仲間が増えます。「この人、いい人なんだな」と好感をもってもらえて、人脈の輪がひとりでに広がっていくのです。★学校で教えてくれない「話し方・伝え方」★学校で教えてくれない「話し方・伝え方」ところが、これほど大事な声の出し方や話し方を、きちんと教えてくれる場所はほとんどありません。「はじめに」でも述べたように、学校でも教えてくれないし、企業研修などでも行っているところはほとんどありません。プレゼンテーションについての研修も、「パワーポイントの効果的な使い方」などといったことは教えているけれど、声や話し方そのものはスルーだったりします。プレゼンの時間が30分だとしたら、いかにその間に聞いている人の心をつかむかが勝負になります。それには冒頭のつかみはどうするとか、時々ユーモアをどう入れて笑わせるかといった「テクニック」が必要になります。「伝えたい」という思いだけでは、人の心はつかめないのです。どんなすごいデータや研究の成果も、ただ漫然と話を並べるだけ、ただ一生懸命に話すだけでは、なかなか最後までしっかり聞いてもらえません。ディベートの文化が根付いている欧米では、幼稚園、小学校のころから、「みんなの前で説明する」ことを練習
します。たとえばランチの時間に「今日もってきたランチボックスについて、みんなにお話ししましょう」という課題を出されたりします。すると、幼稚園の子どもが「今日の僕のランチはママの焼いたチョコレートマフィンです。これは昨日僕がママにリクエストしたものです」などと見事に説明
したりするのです。そうやって幼少時から「上手な伝え方」を身につけるという環境があります。日本人は「声」や「話し方」について意識が低すぎると思います。プロ野球やサッカーの解説者は、現役を引退した人が担当するのが日本でもアメリカでも普通ですが、アメリカでは解説者になる前にきちんと「スピーチトレーニング」を受けることが一般的です。日本ではそういう意識がないから、ほとんどの人がそのまま、素のままで解説しています。そうすると、一流のプレイヤーが一流の解説者とは限らないので、聞いていて、「聞きにくい」「わかりづらい」と感じてしまうことがままあります。またアメリカの政治家はスピーチライターをつけているのが普通ですが、スピーチのトレーナーもついています。だから総じて演説は上手です。日本の政治家は、ほとんどスピーチライターをつけていないのではないでしょうか。なかにはトレーナーがついていると思われる人もいますが、そういう方々はやはり別格にスピーチが上手です。★話すことはスポーツと同じ!★話すことはスポーツと同じ!「はじめに」で述べたように、私が最初に話し方の練習を始めたのは高校に入って放送部に入部したときでした。そこで基礎的なアナウンスや朗読の練習をひととおり行いました。高校3年のときには、NHK杯全国高校放送コンテストに出場することになりました。そのコンテストに出場するには、通信教育の課程をこなす必要がありました。朗読の録音を送って、それをNHKのアナウンサーが添削してくれるのです。たとえば「助詞が伸びている」とか「語尾に疑問符がついてしまっている」とか。自分でも気づかなかったことをたくさん指摘してもらい、本当に勉強になりました。私が地方出身だということもあるかもしれませんが、節回しなども不自然なところがいっぱいありました。そこで必死に練習したこともあり、朗読部門で約5000人の中から全国第3位に選ばれました。のちにアナウンサー試験に合格することができたのも、ここでの経験が大きかったと思います。このとき痛感したのが、「トレーニングをしないときちんと話せない」ということ。「はじめに」でも述べたことですが、自己流でやっていたのではちっとも上達しません。ちゃんとコーチについて学ぶことが大事です。その後のアナウンス技術を習得するにあたっては、子どものころから習っていたピアノの経験も大いに役に立ちました。言葉を音符に見立てて、音の流れをつかんだり、緩急をつけたり、音の高さを調整してみたり。これがいまの「魚住メソッド」の基礎にもなっています。声や話し方は自分でデザインできるのです。トレーニングを始めてみれば、それはまぎれもない「実感」としておわかりいただけると思います。次章からトレーニングを始めていきますが、本書の特徴は基本的にどこから読んでどこから始めていただいてもOKなこと。興味のあるところから行っていただいていいのです。ひとつのトレーニングを完了するごとに、確実に声が変わり、話し方が上達していくのを実感していただけると思います。それではスタートしましょう!
コメント