「12色ぼめ」で笑顔を引き出す
女性は無意識のうちに、自分を色で表現している
私が人と会ったときに、積極的に使っているテクニックがあります。
これこそ、誰にでも実践できるとても単純なほめ言葉ですので、改めてテクニックというほどでもないのですが、その手軽さとは裏腹に効果は絶大です。
とくに、まだ数えるほどしか会ったことのない女性や初めて会う女性に対しても、違和感なく使えるパターンですから、これは覚えておいて損はありません。
その日に女性が着ている洋服や身に着けているバッグなどの「色」に注目して〈表面ぼめ〉し、それをきっかけに〈本質ぼめ〉へと展開させます。
例えば、先日、私のところへ雑誌の取材にいらっしゃったライターの女性を玄関で出迎えて、あいさつを交わしたときの会話です。
「その黄色のスカーフ、素敵ですねえ」「え、そうですか?」「事務所がパッと明るくなって、こっちもなんかやる気が出てきたというか」「ありがとうございます」「黄色の似合う女性って、思いやりのある人が多いんですよね」「そんなこと言われたの初めてです。うれしいです」といった具合です。
伝えたいのは「あなたは思いやりのある人ですね」というほめ言葉ですが、それを言うために黄色のスカーフをダシに使う。
要するにそれだけのことなのですが、この方法を習慣にしてはや10年、こちらが思った以上にみなさん喜んでくれるようです。中でも相手が女性だとより効果が高い。
いったいなぜでしょうか。みなさんはカラーセラピーという言葉をご存じですか。
色彩には色ごとに人間の心理に与える影響があり、その力を利用して心を癒したり、元気づけたりするという色彩療法のことです。
近年では色彩心理学という学問もあるようで、例えば、赤は気力を与える色、オレンジは精神をリフレッシュさせてくれ、青は冷静さを与えたり、睡眠を促進させたりする色なのだそう。
朝、何気なく洋服を選ぶときに、色彩心理なんて考慮することもないのでしょうが、色の好みはそのときの精神状態を反映し、そのときにもっとも快適で、一番美しいと感じる色を人間は選択しているのだそうです。
つまり、「今日の私はこんなイメージで見られたい」「今日はこんな気分で見られたい」ということを、無意識のうちに、選んだ色で表現しているといいます。
とくに、美しさに対して敏感な女性たちにはその傾向が強いようで、男性が思っている以上に、自分の選んだ色に関心を持たれるとうれしいものなのですね。
女性の、色にまつわるエピソードにこんな話もあります。
かの英雄ナポレオンの話ですが、あるとき彼が自分の愛人を密かにパーティへ招待することにしました。
その計画を知った妻のジョゼフィーヌは、事前にその女性が着てくるドレスを調べ上げ、ドレスの色がモスグリーンだと分かると、会場の壁を一面モスグリーンに塗り替えてしまったのです。
当日はジョゼフィーヌの思惑どおり、愛人の美しさは緑の壁に埋もれてしまい、ナポレオンは彼女を見つけることさえできなかった。
一方、ジョゼフィーヌはといえば、緑の壁に映える赤のドレスだったと言われています。
ちょっと怖いエピソードですが、その美しさを生かすも殺すも色次第といえるほど、女性にとっては美しさと色の関係が深いことがうかがわれるでしょう。
アダム式で伝えたいのはあくまで〈本質ぼめ〉ですから、色彩心理学上の色の効果を正しく覚える必要なんてありません。
正直に申し上げれば、私もその部分はかなり適当です。連想ゲームに近いと言ってもいいほどです。
ですが、この本を書くにあたって色彩心理学の資料を何冊か紐解いてみたところ、普段私が口にしている色のイメージがかなり当たっていることに驚きました。
案外、学問とはそういうものなのかもしれません。
当たっていようがいまいが、身に着けている色をほめられて、困る女性はいないのですから、みなさんもそのくらいの気楽さで実践してみてください。
多少、強引な展開でも、こじつけっぽくても大丈夫。なぜなら、言われた女性の記憶に長く残るのは、そのあとの本質的なほめ言葉だけなのですから。
パッと見て、いいなと思った色を指摘してそのイメージをほめる。次いで、そのイメージをそのまま相手の人間性になぞらえて〈本質ぼめ〉していきます。
言うまでもなく、〈本質ぼめ〉はすべての人がどこかに必ず持っている、人間としての長所ですから、何色のどこをほめてもかまいません。
本書では12色分のイメージと、そこから展開しやすい〈本質ぼめ〉の例をあげました。これだけあれば十分だと思います。
白色「純粋さ」をほめる
「その真っ白なブラウス、よく似合ってるね」「ありがとう」「純粋な感じが、君にぴったりだね」白と言えば純粋なんて、そのままじゃないかと思われるかもしれませんが、カラーぼめにおいては、色から受けるイメージ自体は誰もが共感できるもののほうがよいのです。
ここで無理にあなたのオリジナリティを出す必要はありません。こと白においては洋の東西を問わず、「清潔」や「純粋」、「神聖」を表わす色だというのは普遍的な概念。
「その白、似合ってるね」「センスいいね」「清潔できれいだなあ」などのあとで、相手の人間としてのピュアな部分、清潔好きなところ、潔さを持っているところ、曇りのなさ、人に合わせられる懐の広さなどをほめましょう。
私などは、相手が白いスニーカーを履いているだけで「その白、いいねえ!天使の羽根みたいだね。君の純粋でピュアなイメージにぴったり」とまで言ってしまいます。
お世辞ではありません。ちょっとでも「いいな」「似合ってるな」と思ったら、その気持ちを膨らませるのです。白は出番の多いカラーですから、ぜひ得意技にしてください。
「その白い靴、センスいいね」「君は清潔な色がよく似合うなあ」「その帽子の白、目を引くなあ」「君の純粋な感じそのものだね」
赤色「行動力」をほめる
「その赤い車、君らしくっていいなあ」「そうですか?」「情熱的で行動力のある君にふさわしいね」
上司から車の色をほめられてちょっとうれしいところに、さらに自分の仕事ぶりまでほめられたら、その部下はどう感じるでしょうか。
その喜びもさることながら、「こんなタイミングで自分の仕事をほめてくれるなんて、普段からちゃんと私を評価してくれているのだ」という安心感、信頼感をあなたに寄せることでしょう。
個性の主張が強い赤色は行動力、決断力、元気、勇気、努力、情熱などの現われです。
女性の強さをほめるというのはこれで案外難しく、自分で意識的に強さを見せているときの女性に向かって「君って強いんだね。
行動力あるね」なんてほめたとしても、「本当は私だって弱い人間なのに」と内心では思ったりするもの。
そういうときは「がんばってるね」「えらいね」というねぎらいの言葉のほうが有効でしょう。
一方、このカラーぼめであれば、意外なタイミングで自分の強い部分、がんばっている部分を評価されるわけですから、相手も素直に受け止めやすいという利点があるのです。
アクセサリーなど、ワンポイントに使われている赤色でもOKです。
「その赤いドレス、目を引くね」「君の情熱的なところが素敵だなあ」「その赤いネックレス、似合ってるねえ」「決断力のある君にぴったり」
オレンジ色「フレッシュさ」をほめる
「そのオレンジのシャツ、最高にいいね!」「そうですか?」「イキイキした君そのものだね!」元気感のあるオレンジを服装に取り入れるような日は、どこか心も浮かれているもの。
赤と黄色を合わせ持った色であるオレンジは、とても前向きで向上心にあふれたイメージです。色彩心理学的には、オレンジ色は開放的な心理状態のときに美しく見える色なのだそう。
たとえ前の日に落ち込むようなことがあっても、今日は気分を一新したいからオレンジ色を着て行こう。そんな感じでしょうか。
相手がオレンジ色の服を着ていたら、ああ、このコは嫌な気分をリセットしてここに来たんだな。
オレンジ色に元気を後押ししてもらいたくて選んだのだな、などと(勝手に)想像するくらいでちょうどよいのです。
女性の前向きな部分、その日のフレッシュな部分、イキイキと輝く美しさをたっぷりとほめてあげましょう。
また、カラーぼめに限らずそうですが、ほめるだけで終わらせず「自分で選んだの?」「どこで買ったの?」「ブランド品なの?」などの質問を付け加えると、相手への関心の高さを強調できる上に、そのあとの会話を膨らませることができます。
「そのパンツのオレンジ、いいね」「こっちまで前向きな気分になれるよ」「オレンジのメガネ、フレッシュでいいね」「会うたびに新鮮な気分で楽しいよ」
黄色「思いやり」をほめる
「そのカーディガンの黄色、似合ってるなあ」「ありがとう」「黄色が似合う人って、思いやりのある人なんだってね」中国古代の自然哲学である「五行」の配置図において、黄色は中央を意味します。
青竜(青)、朱雀(赤)、玄武(黒)、白虎(白)の中心にあたり、この世の中枢を握るとされる色で、皇帝の第一正装である礼服も明るい黄色です。
このイメージをカラーぼめにそのまま当てはめてしまうと、「君っていつも中心にいたいんだね」「君はえらいんだね」となってしまい、良いほめ言葉にはなりにくい。
確かに黄色は中心的な輝きを感じさせますが、それと同時に小春日和のようなほっこりとしたやさしさも連想させます。
そこで私は、黄色の服が似合う女性のイメージを「みんなの中心で輝く明るさを持ちつつ、周囲に気を配れる思いやりのある女性」だと定義しています。
仕事でもそうですが真ん中に立つ人ほど、いつも全体がうまくいくように気を配っていますよね。誰にでもできるものではありませんが、誰しもが持っている長所でもあります。
その女性の周りの人を元気づけようとするときのやさしさ、思いやり、温かさといった面をほめましょう。
「その黄色のワンピース、素敵だね」「やさしい感じが君にぴったりだね」「そのブラウスの黄色、似合ってるなあ」「明るくって温かい人なんだねえ」
緑色「癒し」をほめる
「そのグリーンのワンピース、いいよねえ」「そうですか?」「君と会うと、なんだか癒されるなあ」緑色と言えばやはり、自然界の放つエネルギーでしょう。
緑の樹木に囲まれたときの癒し、くつろぎ、すがすがしさをそのまま女性に重ねてほめてあげてください。
グリーンカラーのファッションを身に着けた女性はあなたの心のオアシスです。カラーセラピーの世界でも緑色は「精神の安定」を意味します。
肩の力を抜いて、心からホッとひと息つくように言葉をかけましょう。ところで、中国の都市部ではいま、緑色が大ブームです。
遺伝子組み換えをせず、農薬も規定以内の使用で生産した農産物を中国では「緑色食品」と呼ぶのですが、食の安全が問われる中、倍の値段を出してでも安全性を買いたいという沿岸都市部の人々に大変な人気となっています。
この緑色、話は食品だけにとどまらず、環境にやさしい家電は「緑色家電」、環境保護や動物保護に貢献している人は「緑色英雄」と呼ばれ、最近では体にやさしい「緑色豊胸」なんてものもあるのだとか。
緑色の持つ、自然からのやさしさ、安全性、癒しのパワーが、赤一色だった中国を変えつつあるのです。
「その緑のスーツ、なごむなあ」「君には人を癒す力があるよねえ」「その緑のパーカー、似合ってるねえ」「いつもすがすがしくていいなあ」
青色「知性」をほめる
「その青いネックレス、素敵だね」「ありがとう」「君の、キラリと光る知性を感じるなあ」伝えたいのは「知性的な女性ですね」という言葉。
それを青いネックレスにかこつけて言ってしまうわけです。
最近は、女性が好意を持つ男性の条件の最初に「知性」をあげる方が多いようです。
有名女優が結婚相手にお笑いタレントを選ぶ昨今の傾向も、たくみな話術の中に知性を感じるからではないでしょうか。
女性のほうも美しさ、かわいらしさを求める一方で、自分が知性的か否かということに対して、非常に敏感になってきています。
私がすべての人をほめる生き方を始めた当初は、知的な部分をほめてもピンとこない女性もいましたが、近ごろは「深い知性をお持ちなんですね」などと言葉をかけると、みなさん本当にうれしそうな笑顔で喜んでくれます。
カラーぼめにおいては、集中力をうながし冷静さを引き出す青色が、女性の知的な部分をほめるのにぴったりでしょう。
知性とは深い森に包まれた湖のような存在です。ネックレスの小さな石、ハンドバッグ、お財布などちょっとした物でかまいません。青色を見つけたら、ぜひその女性の知性をほめてあげてください。
「その青いドレス、いいねえ」「知性をかもし出してるなあ」「青いお財布使ってるんだ」「知的な感じが君らしくていいなあ」
紫色「センスの良さ」をほめる
「似合ってるなあ、その紫のTシャツ」「ほんと?」「君にセンスがある証拠だね」高貴な印象を与えてくれる色ですが、コーディネートの難しい面もあります。
色彩療法での紫には創造力、直観力、洞察力を高める効果があるそうですが、確かに私の経験上、デザイナーやクリエイター関係の方で紫を好む方は多いようです。
つまり、紫を選ぶ女性は「センスを大切にする人」と思ってよいでしょう。
「いいセンスしてるね」「素晴らしいセンスだね」「感性が鋭いなあ」などと言われて、不快に感じる女性はいません。
ピンク色「かわいらしさ」をほめる
「そのピンクのスカート、いいですねえ」「ありがとう」「先輩、そういう色、ホント似合いますよねえ」少女時代から卒業してもピンクへの憧憬を女性はどこかに持っているもの。
ピンクが少女性、かわいらしさの象徴であることは、女性も十分認識しています。
ですから、それなりの年齢の大人の女性がピンクを選ぶ背景には、「ちょっと若すぎるかしら」「まだ似合うかしら」という葛藤があるかもしれません。
そういう方には直接的に「かわいいですね」と言うよりも「ピンクが似合いますね」と言うほうがスマートでしょう。
茶色「責任感」をほめる
「そのブラウンのシャツ、落ち着いてて好きだなあ」「ありがとうございます」「仕事もできるし、責任感のある君にふさわしいね」仕事にせよ何にせよ、大人として必要なのが責任感。
このように部下の仕事ぶりをほめ、より一層の責任感を育てるのもテクニックです。
母なる大地を連想させる茶色は安定感、責任感、忍耐力の現われ。
女性の忍耐強い面をほめてあげましょう。
「その茶色、センスいいよね」→「君は周りをリラックスさせるのが上手だよね」、「君は茶色を着こなすのがうまいね」→「物事をていねいに考えられる性格なんだね」なども考えられます。
黒色「大人性」をほめる
「その黒いワンピース、素敵だなあ」「ありがとう」「まさに“〝大人の女”〟って感じだね」シャープで引き締まり効果も高いブラック。
普段はカラフルな洋服を好む女性が黒を選んだ日などは、本人もちょっとアダルトな気分になっているもの。
心の奥に本音を隠し、大人としてスマートに物事を運んだり、ちょっとした駆け引きを楽しんだり。そんな大人の女性のミステリアスな部分をほめつつ、魅力を引き出す。
「ミステリアスだなあ」「大人の魅力って感じだね」「小悪魔チックでいいなあ」などもいいですね。
金色「高貴さ」をほめる
「その金のブレスレット、似合ってるなあ」「うれしいわ」「クレオパトラみたいだ。品格があるね」「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、歴史は変わっていただろう」と言われる彼女の美貌ですが、実はそれほどの美人ではなかったとか。
それはさておき、高貴さ、ゴージャスさの象徴といえばゴールドです。
アクセサリーや財布といった小物、洋服の刺繍部分などによく使われます。
「高貴な性格がにじみ出てるなあ」「君の品格の高さが光ってるね」などとほめてあげれば、女性は誰でもクレオパトラになっていくのです。
銀色「洗練」をほめる
「そのシルバーの財布、センスいいよね」「サンキュー」「洗練された人じゃないと似合わないよ」カラフルな有彩色でもなく、主張の強いゴールドでもなく、さりげなくシルバーをファッションに織り込む女性は、着こなしの上級者。
その洗練されたセンスや優雅さをほめてあげましょう。
見た目の洗練さをほめてから、内面も洗練されていることをほめる。
「君はいろいろ考えていて、内面が洗練されてるよね」などとほめてあげると、それまでのギャル言葉はどこへやら、話し方まで変わってくるのですから、乙女心は不思議ですね。
ほめる公式ギャップぼめ「君って一見
(A)タイプだけど、意外と(B)な面もあるよね」
使用例「君って一見(行動力があって、周りを引っ張っていく)タイプだけど、意外と(根がこまやかで、繊細)な面もあるよね」「君って一見(やさしいから、みんなに合わせてあげる)タイプだけど、意外と(決断力があってしっかりした)面もあるよね」女性はいくつになっても一面的ではなくいろんな面を持っていたいと願っているものです。
例えば、同僚にいつも元気で周りを明るくしてくれる女性がいたとします。その彼女の明るい面、素直で裏表のない面をほめることはたやすいでしょう。
しかし、人間はそんなに強い生き物ではありません。彼女とて寂しがり屋で甘えん坊の面を持っているはず。
そんな、普段は人に見せない面を表面的な性格とのギャップを強調しながらほめてあげてください。
「君って一見、明るくてみんなを元気にするタイプだけど、意外と繊細で甘えん坊な面もあるよね」。ただしギャップをほめるとは言っても、(A)の部分がマイナス面であってはいけません。
(A)も(B)もほめ言葉であることが大切です。
「君って一見遊んでそうだけど、意外とまじめだよね」では、遊んでいそうという部分が不快感を与えるかも知れず、危険、危険。遊んでいそうに見える理由はなんでしょう。
服装が派手とか友達からの誘いが多いということであれば、「おしゃれだし、友だちがたくさんいるから遊びのお誘いも多いだろうけど」というように、それをほめ言葉に転換してください。
ワンポイントアドバイス「○○ちゃんスマイル」で不動の地位を!
マラソンを通して、みんなに夢と希望を与えられる人間になりたいと願う高橋尚子選手にとって、彼女の笑顔に「Qちゃんスマイル」というニックネームが付いたことは、彼女の笑顔が世間に認められたという、世間からの最高のほめ言葉です。
あなたの周りにも笑顔が素敵な女性はいませんか。
その女性の笑顔に「○○ちゃんスマイル」と名前を付けてほめてみましょう。
言われてうれしいだけではなく、そのニックネームが定着したときには、名付け親であるあなたへの信頼は決して低いものではないでしょう。
笑顔のほかにも、いい声の女性には「○○ちゃんボイス」、歩き方の美しい女性には「○○ちゃんウォーク」、仕事のできる女性には「○○ちゃんマジック」などもあります。
ポイントは一回だけで終わらせず、その都度、何度も繰り返してほめてあげること。
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