MENU

Chapter8この「ひと言」で、子育てを乗り切る

「私たちって、腹6分目くらいで付き合っていたからよかったのよね」先日、1年ぶりに、仲のよいママ友とお茶会をしたときにこんなことを言っていました。

確かに私たちは参加必須の集まり以外は、ほとんど参加していませんでした。

とはいえ、その後も時々ランチなどのお誘いはあったため、決して付き合いが悪いという印象を周りに与えていたわけではなさそうです。

きっとそれは、「ごめんなさい。今回は参加できないです」と言って、そのつど断っていたからだと思っています。

たとえば「残念です」と言っていたら、「残念」という言葉が強調されて、次回への期待を相手に持たせてしまうことになります。

「ごめんなさい。今回は参加できないです」なら、今回参加できないことを謝っているだけです。「残念です」という言葉がないぶん、次回への期待を相手に抱かせないで済むのです。

無理してママ友の世界に踏み込まなくても、腹6分目の付き合いをしていくと、成長する子どもたちはそれぞれ疎遠になっても、ママ同士は真の友人へと、自然に変化していくものだと実感しています。

ママ友からお茶やランチにこれ以上誘われたくない場合もありますよね。そんなときは次のようにサラッと言って断りましょう。

「お誘いありがとう。実は極度に緊張するタイプなので遠慮しますね」「お声がけありがとう。実は社交的でないので遠慮しますね」

共通点は、用事を理由にしていないことです。

「人前に出ることが苦手なんだな」と相手に思ってもらうことで、しつこい誘いをシャットアウトできるのです。

それでもあきらめない人たちはいるものです。そんなときは、毎回同じことを言っていくと、そのうち誘ってこなくなります。

そしてもし「皆フランクだから大丈夫よ」「そのうち緊張しなくなるから」と言われたら、「私の緊張度は超頑固だから(笑)」と、笑顔で言えばいいのです。

笑顔でサラッと断る。

いったいこの人のどこが極度に緊張するタイプかと思われるかもしれませんが(笑)、二度と誘われないように断るには、笑顔でサラッと言うのが、相手を不快にさせないための秘訣なのです。

やっかいなのが、マウントをとってくるママ友です。そんなママは、ターゲットとなったママを「チーム自分」に入れようとプライベートな質問をしてきます。

ご主人の職業、会社名、出身大学、ママの独身時代の仕事や幼少期の家庭環境まで、挙げていたらきりがありません。そんなママ友に賢い答え方をするなあと思った方の話をしましょう。

私自身も参加したランチ会での出来事です。

上のお子さんも同じ幼稚園に通っていた先輩ママが、正面にいる幼稚園新米ママに「ところでご主人はどこの会社にお勤め?」と聞いたところ、「自信を持って言えるほどではないですから」と言ったのです。

「そうなの?でも大学は?」としつこい質問にも「自信を持って言えるほどの学校ではないですから」と答えていました。

こう答えた彼女のご主人は、後からわかったことですが実は最大手のメーカーにお勤めでした。

おそらく彼女は、正直な答えをシャドー化することで先輩ママをあえて優位に立たせ、気持ちよくマウントをとらせてあげたのです。

賢い彼女は、ママ友との付き合いも腹6分目だったため、最後までマウントママチームに入ることもなく、平和な幼稚園ママ生活を送ることができたのです。

初挑戦のおかずを食べない子どもに「ちゃんと食べなさい」と言っても食べません。叱られているように聞こえてしまうからです。言い方がきついと、泣き出してしまい、ますます食べなくなります。

ところが、「〇〇ちゃんが食べてくれないと、ママすごく悲しいからちゃんと食べようね」と言うと、食べ出すお子さんが多くいるのは事実なのです。

1歳になる親戚のお子さんは、ピーマンを口にしたとき、苦虫をかみ潰したような顔をしてベーっと出しました。「あ〜あ、ちゃんと食べないとダメでしょ」とママが言うと、お皿をひっくり返して反撃し、泣き出してしまいました。

翌日、「○○ちゃんが食べてくれないとママすごく悲しいから、ちゃんと食べようね。ピーマンさんも、〇〇ちゃんに食べてほしいって言ってるよ〜」と言うと、手を伸ばして口に入れ、眉根を寄せながらも食べてくれたのです。

親だって「がんばりなさい」と言われるよりも、「ちゃんと育ててるね」「育児がんばってるね」と言われたほうが安心しますよね。

子どもがごはんを食べないときも同じです。「食べなさい」ではなく「食べようね」と言ってみましょう。そして、ちゃんと食べたら思いっきりほめて抱きしめましょう。

お店で騒いでいる子どもたちを「静かにしなさい」と親が叱っているのは、よく見かけるシーンですが、これはほとんど効き目がないと言っていいでしょう(笑)。

そもそも子どもはじっとすることが苦手です。特に幼稚園児くらいになると、よく話し、よく動きます。静かにしてなさいという方が無理な話なのです。

じゃあどうしたらいいのかというと、これも「ちゃんと食べなさい」と同じ考え方で、命令形で叱るように言うのではなく、子どもが想像できるような理由を言って諭すように注意をすると、効果が期待できます。

「周りの人に迷惑をかけるから、静かにしようね」と言ってみるのです。ほかにも「周りを見てごらん。走ってる人はいないよね」と周囲に目を配らせるひと言も有効でしょう。公共の場では、人に迷惑をかけない行動をとるべき、ということを教えていくのです。

そして、スマホを触りながらや作業をしながらではなく子どもたちの目を見て注意しましょう。

外でのマナーを身につけさせたいときも、頭から叱るのではなく、子どもが想像できるような理由を諭すように言うと、子ども心にも「ルールを守ろう」という気持ちが芽生えるのですね。

子どもにも「理解されて安心したい」という承認欲求があります。幼いうちにこの欲求を満たしてあげられないと、自己肯定感の低い大人になってしまう恐れもあります。

叱るときも頭ごなしに叱るのではなく、寄り添うようにしましょう。叱り方を見習いたいと思った幼稚園の先生がいました。それは息子が幼稚園でお友達の腕にかみついたときです。原因は、遊んでいたおもちゃをいきなり取り上げられたからとのことでした。

先生からこの話を聞いた私は、理由はどうであれ「かみついた」ということにショックを受け、その場で「なんでかみついたの!そんなことしたらダメでしょ」と叱りました。

すると先生は、涙をいっぱいためて悔しそうな顔をする息子を抱きしめるようにして、「お母さん、そんなに怒らないでください」と言ったのです。

そして、息子には次のように言ったと説明してくれました。

「『今したことは、いいことだと思う?』と聞いたら、首を横に振って『いいことじゃない』と答えましたから。

だから、ちゃんとわかっているから大丈夫です。

そして、これからはかみつかないで『勝手にとらないで』って言おうねって約束したんです」そして、先生は小指を見せて次のように言い、息子を安心させました。

「指切りげんまん、したんだもんねー」

「どうして行きたくないって思うのかな?」子どもが習い事や学校に行きたくないと言ったときは、このように理由を聞いてあげてほしいと思います。

そもそも「行きたくない」「やめたい」と言い出すのは子どもにとっても気が引けることです。きっと、何か原因があるから言ってきたのでしょう。

「じゃあ、やめる?」などと突き放すのではなく、子どもの気持ちを聞く耳があることを示すことが大切です。

もしかしたら先生と合わないのかもしれません。苦手な友達がいるのかもしれません。そういったその子なりの理由があるはずです。

まずはそれを確認して一緒に結論を出せるといいですね。そして何から何まで大人が決めていると、自己判断能力や決断力もなかなか育まれません。

人任せではなく責任感のある子になってもらうためにも「どうしてそう思うのか」を自分に問う時間を設けましょう。

ここで注意することは、子どもが親とは違う結論を出したときに「がっかりした」「残念だ」と失望したような態度を見せないことです。

特に幼児期は、何が好きなのか、何が嫌いなのか発見できる時間でもあります。この時間こそ人生の貴重な時だととらえて、焦らず子どもを見守っていきましょう。

「じゃあ、やめる?」と同じように、「お金がもったいないでしょ」という言葉も、子どもに大きなプレッシャーを与えてしまいます。

知り合いの男の子は中学生になると、習い事の空手をやめたいと言い出しました。親は彼がやめないように説得します。

それでも変わらず意思を訴えると、「せっかくお金をかけてきたのに」と言われ、我慢していた気持ちが爆発しました。

「僕は空手なんかやりたくなかったんだ。いつも『お金がもったいない』って言うから、やめたくても我慢してきたんだ!」反抗期も手伝ったのでしょう。

このときの彼の訴え方は親もビクッとするほど尋常ではなかったといいます。親は知らず知らずのうちに、子どもを「お金」というワードで支配してしまっていたのです。

本当は空手をやりたくなかったという息子の告白に、ショックを受けながらも、よかれと思ってしてきたことが押し付けだったことに気がついて反省をします。

子どもが習い事を「行きたくない」「やめたい」と言ったときは、一緒に原点に戻ってみてはどうでしょう。「この習い事を始めたのは、どうしてだっけ?」と、子どもに聞くことで、自分にも問うてみるのです。

お金は親の都合です。決してお金のことは言わないようにしましょう。子どもの気持ちは、お金より大切なのです。

「幼稚園だって気をつかうから大変なんだよ」義理の両親宅での祖父との会話の中で、当時4歳だった息子が言った言葉です。

思わず祖父は爆笑しましたが、当の本人は「おじいちゃんは何にもわかってない」と、口をとがらせていました。帰宅後、ゆっくり息子と向き合ってみると、子どもながらに悩みを抱えていました。

「〇〇レンジャーごっこ」が人気で幼稚園のお昼休みに遊ぶのだそうですが、その役割を決めるとき、みんな赤レンジャーをやりたくてケンカになってしまうというのです。

そのことに息子は真剣に悩んでいたのでした。そこで私は、スーパー戦隊にちなんでこう言ってみたのです。

「ママはいつでも○○(名前)の味方だよ。だから、困ったことや嫌なことがあったら一人で悩まないでママに言ってね」と。

すると息子は「ママはいつも赤レンジャーだね」とうれしそうに言い、笑い合ったのを覚えています。子どもにとって最高にセロトニンが活発になる言葉は「いつでもママ(パパ)は味方だよ」ではないでしょうか。

自分が大切にされていることを実感できるからです。自分の心を守ってくれる親は、子どもにとっては最強の戦隊ヒーローなのです。

防衛反応という言葉を聞いたことがあると思います。やりたくないことに大きなストレスを感じるから、それを先延ばしにしたくなる心理のことです。

息子に家庭教師をつけたことがありました。学校から帰ってくるなりゲームばかりで、なかなか宿題に取り掛からなかったからです。

子ども時代かなり勉強したという大学生の家庭教師にどうやって宿題や勉強をする習慣を身につけたかを聞いてみました。

「親が『宿題やったら、ゲームしようね』と言うから、宿題を先にしたら本当にゲームをさせてくれたんです。それがきっかけで、宿題をやればゲームができるんだと思って、学校から帰ってきたら真っ先に宿題をやるようになったんです」

苦しいことの後には楽しみが待っていることを、小学生で習慣化することができたから、彼は中学生からの6年間、「勉強をしたらゲームができるんだ」と思って、それを楽しみに勉強をすることができたのですね。

子どもの防衛反応を取り除くには、心を不安から安心へと導くことが大切です。

そのためには、「はやく宿題やりなさい!」という命令よりも、「宿題やったら、ゲームをしようね」と楽しみを提示しながら言うほうが、子どもの気持ちがワクワクすることを、20歳の大学生が教えてくれたのです。

誰だって、急かされるのは嫌なものですね。まして勉強のこととなれば、急かされるほどモチベーションは下がってしまうでしょう。

例えば、穏やかに「いつ勉強するの?」と聞いて、「もう少ししたらやる」と子どもが答えたとしましょう。ところがいつまでたっても勉強する様子がないと、言い方がきつくなっていきます。

「さっきから言ってるけどしないじゃない、いつ勉強するのよ!」このように言いたくなってしまう気持ちはわかりますが、これは逆効果のようです。

ここは「今日はどんな勉強してきたの?ママ(パパ)に教えてくれたらうれしいな」と子どものおしゃべり欲をくすぐってみましょう。

すると子どもは、学校でのエピソードを含めながら勉強してきた内容を話してくれます。ときには教科書を開きながら説明をしてくれ、それが復習や予習になるかもしれません。

勉強に限らず何でも急かされると、やらされているような感じがしてやる気が起きないものですが、「教えてくれたらうれしい」と言われると、共感してもらえそうな気がして、安心して話そうと思う気持ちがモチベーションに繋がっていくのですね。

子どもに勉強をしてほしいと思ったら、急かしたい気持ちをグッとこらえて、「今日はどんな勉強してきたの?教えてくれたらうれしいな」と言ってみましょう。

私は、子どもにとっては「今」がすべてだと思っています。特に幼少期の子どもは、その時々の瞬間こそが生きている実感です。

そのため、子どもが「ねえ聞いて」と言ってきたときや、前ぶれもなく「今日〇〇ちゃんがね」と声をかけてきたら、すぐに聞く姿勢をとって、しっかり聞いてほしいと思います。最近よく見かけるのが、スマホに夢中で子どもの話を聞かない親です。

ママ友とラインをしているのか、SNSの閲覧に夢中になっているのかはわかりませんが、これでは子どもの心は満たされません。

悲しそうな顔をして下を向いてしまう子を目のあたりにしたら、「ママは僕よりスマホが大切なんだ」という心の声が聞こえてくるようでした。

ママの気持ちがわからないわけではありません。ラインの返事やSNSの閲覧も、今このタイミングでしたいのでしょう。ですが、子どもの話はそう長くなく、5分以内で終わるのがほとんどです。

「今すぐ聞くからね」と言って、一度スマホから離れて、子どもの話に耳を傾けたなら、満足するでしょう。

どうしても無理なときは「これが終わったら聞くから待っててね」と、いつ聞くのかを伝えると子どもは納得します。そのかわり、約束通りきちんと聞いてあげることが大切です。子どもの「ねえ聞いて」は、「今、聞いて」なのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次