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3章論理力の気くばり「冷静でフェアな人」として、信頼を集める

本当の意味での「論理性」とは、冷静さに加えて、物事を俯瞰で見る目があって初めて生まれるもの。論理的にわかりやすく、相手の目線で話すことができれば、「論理のアンテナ」力はますます高まります。話があちこちに飛んでしまう、結論が何なのかわからないなど、論理に欠ける人の話は、聞いていて疲れますよね。話が長いにもかかわらず、何が言いたいのかわからない。そんな説明をする人が最近、増えていると感じます。特に日本人の話には「プラン」がなく、聞く人にとってとても不親切なことが多いのです。「プラン」のある話し方とは?「プラン」のある話し方というと難しく聞こえますが、実はとても簡単なことです。まず念頭に置かなければならないのは、「何のために話すか」ということ。つまり、聞く人にとってのメリットを伝えるために話すということです。そのためには、聞く人がどんなことに興味を持っているかを特定することが必要です。そして、さらに具体的に、興味のある話やメリットをいくつ盛り込めば、聞く人にとって必要十分になるのかを探ります。そのプランを立てられた瞬間に、その話はとてもいい話になることが約束された、と言っても過言ではありません。たとえば、あなたが旅行会社に勤めていて、「冬の旅行こそ、沖縄に行きましょう」という提案をするとしましょう。まず、話のプランを立てます。その効果的な立て方について説明します。話のプランを立てるとは、わかりやすく言い換えれば、その話全体を1冊の本に見立て、あらかじめ本の「もくじ」を立ててから、話すようにするということ。つまり、自分の頭の中で、本のタイトルやもくじを作ってから話す、とイメージしてみるのです。まず最初に、「タイトル」をつけましょう。ここでは、沖縄に行くということが、相手にとってどれだけいいことなのかを話すという予告として、「冬こそ沖縄に行きましょう」とでもしておきましょうか。次に、もくじをつけていきます。もちろん、聞く人にとってメリットのあるものでなければなりません。もくじがない状態で話すのは、とても難しいのです。そうであるにもかかわらず、もくじもなくいきなり話を始めてしまう人の、なんと多いことか。

もくじを立てて、話の内容を予告しただけで、相手を「聞きたい!」という気持ちにさせなければなりません。もくじの項目数も大切です。その項目数が、聞く人にとって必要十分な数であることが大切です。冬の沖縄の例で言えば、たとえば、今、東京は寒いです。寒いとストレスを感じます。ですから寒さからちょっと逃避行して、沖縄でストレスを解消しませんか?2日間だけでもいいから、真冬にTシャツで過ごしてみたいと思いませんか?足先だけでも波とたわむれることで、開放的な気持ちになりますよ。窓を思いきり開けて、沖縄の美味しい料理を食べられます。いかがですか?これでツカミはOK!です。「自分が話したい話」ではなく、「相手が聞きたい話」に「冬こそ沖縄に行きましょう」というタイトルに対して、もくじは具体的なメリットになっています。こうして話すことを決めて、最初にメリットを伝えると、聞く人は「え?冬でもTシャツでいられるの?」と興味を示しますよね。相手がこう思った瞬間に、冬に沖縄に行く話は、「私が話したいこと」ではなくて、「相手が聞きたいこと」に変わるのです。こうなったら、その話は成功したも同然です。ロジックの第一歩は、相手を能動的にさせてしまうことです。メリットを聞いた相手が「それってどうなの?」「どういうことなの?」と思いながら話を聞くのと、ただ漫然と話を聞くのとでは、同じ話でも伝わり方がまったく違うことが、おわかりいただけるのではないでしょうか。実際に話すときは、「まず今日は『冬こそ沖縄に行こう』というテーマでお話をします」とタイトルを提示します。次に、「内容は3つあります。まず1つ目は……」と、もくじの項目数を伝えてから、その話を聞くメリットを順に話していきます。トピックの「レベル・ボリューム」には差をつけないこのとき重要なのは、いくつか並べたもくじの項目の重要度・ボリュームは、必ず同じ程度のものとして扱う、ということです。「内容は3つあります」と話したら、その3つは同じレベルのものとして扱います。よく、「3つ目、これがもっとも重要なんです」などと言って、話をあちこちに展開してしまう人がいますが、これはNG。また、3つあるうちのどれかひとつだけ、ものすごく話が長いというのもNG。つまり、話の中で階層をいくつも作らないことです。もくじで言えば、大見出しと小見出しをごちゃ混ぜにしないということ。話の中でこういった整理ができる人が、本当の意味で論理的な話ができる人なのです。相手目線で「ロジック」を組み立てる

「何を聞いてもスラスラ答えてくださいますね」「なんでそんなによどみなく話をすることができるのですか」私はよくこんなふうに聞かれます。それは、私がおしゃべりだからでしょうか。あらかじめ、何を聞かれるか想定して、練習していたからでしょうか。いえいえ、そういうわけではありません。どんなときでもすぐに話ができるのは、思考の整理の仕方がつねに同じだからです。そのひとつが、前項でお話しした「プランのある話し方」。つまり、話にタイトルをつけ、もくじを紹介するように話すという「話し方のフォーマット」が頭の中にあるからです。そのフォーマットに沿って話すので、いつも論理の展開の仕方は同じ。もちろん話の中身は、テーマに合わせて変えていきます。論理の展開に合わせて流す情報量には自信がありますから、このフォーマットに身をゆだねることで、よどみなく話すことができるのです。突然話をふられても、0・1秒後には、まるで10年前から考えていたかのように話し始めています。大事なのは「論理的に話すフォーマット」と「必要な情報量」の2つです。ポイントを挙げるときは「10秒以内」に情報量を増やすには、経験と勉強が必要です。でも、「論理的に話すフォーマット」は、誰でも今すぐ持つことができます。「興味深い話だったけど……結局何が言いたかったんだ?」雑談であれば「楽しかった」で終わってもいいですが、ビジネスにおいては、興味を引いただけで中身のない話は避けたいものです。私の場合、講演会やセミナーで人前で話す経験を数限りなくこなしていますから、テーマを決め、ポイントを絞った話は、意識しなくてもできます。しかし一般のビジネスパーソンが会議やプレゼンで発表するときは、やはり事前に思考を整理し、話す内容をある程度作り込んでおかなければなりません。話すときのポイントとしては、以下のような決めゼリフを頭に入れておくと話しやすいでしょう。「今日の話は3つあります」「ポイントは3つあります」すでにご説明したように、まず最初に相手の興味・関心があるところを挙げて話します。こうすることで、聞き手はそのポイントに焦点を絞って聞く姿勢ができます。できれば、ポイントは3つ、多くても4つくらいまでにしておくといいでしょう。それ以上に数が増えてしまうと、聞く側の負担になってしまうからです。また、ポイントを挙げる際は、「ひとつにつき10秒以内」に言いきることを意識しましょう。ポイントをダラダラと話してしまっては、本末転倒です。「ここまでの話をまとめますと……」「ポイントを整理しますと……」聞き手にわかりやすいよう、要所要所で話を整理し、まとめながら話しましょう。こうすることで、聞き手は内容の再確認ができ、話が頭に残りやすくなります。「結論から申し上げますと……」先に結論を提示し、後から説明する形にして話を進めます。「まず、結論から話す」ことは、論理的な話し方の基本中の基本だと思いますが、意外とできていないことが多いものです。改めて意識しておきましょう。まず結論を述べたうえで、その結論が導かれる根拠を示し、補足していくような話し方を心がけると、初心者でも格段に話しやすくなります。聞き手にとっても、もっとその話を聞きたくなる「スイッチ」が入りやすくなります。ポイントは「結論」→「根拠」の流れを意識することです。具体的な数字やデータを入れる根拠を示す際、より論理的な印象を与えるために、数字やデータを入れ込むのもいいでしょう。日本人は一般的に、データを出してディスカッションすることがほとんどありません。ですから、数字やデータを入れるだけで、非常に説得力が出ることが多いのです。ブレイクしたお笑いタレントのブルゾンちえみさんのネタに「35億」というものがありましたが、これも言ってみれば数字のマジックです。「大勢いる」と言われるよりも、「35億」と言われたほうが衝撃が大きいですよね。「世界中に男性は35億人もいるのか」と、こういう説得の仕方もあるのだと、お笑いネタながら感心したものです。「結論→根拠」の流れにのせる

「論理のアンテナ」の感度が高い人は、いわゆる冷静な理系タイプ。たとえば会議で議論が紛糾し、みんながヒートアップしているときでも、冷静に自分の意見を述べることができる、鎮静剤のような存在です。もちろん、盛り上がっている宴会のときには、鎮静剤は不要かもしれません。でもビジネスの現場では、事実関係やデータなどを分析して客観的に意見を述べることができる人の存在は、貴重だと言えるでしょう。たとえば企画会議で、こんな経験をしたことはありませんか。誰かがアイデアを出し、「それ、いいね!」「いい企画だよね」とみんなが盛り上がっているときに、ただ1人「そうかな?」と疑問を投げかける人がいたことです。悪くとれば、みんながノッているときに、しらけさせる人です。でも、みんながノッているときにあえて一石を投じることができる人は、繰り返しになりますが、組織にとってとても貴重な存在です。つまり、盛り上がっているメンバーに対して、「冷静になってもう一度考えてみましょうよ」と言ってくれているわけです。飲み会でこれをやられたら「空気の読めない人」になりますが、ビジネスにおいては、盛り上がったときに「盛り下げる」ことは、必要性があることです。もちろん、本人もその場をしらけさせようと思って言っているわけではなく、これは「論理のアンテナ」を持つ人特有の気くばりなのです。「他人に流されず、フェアであること」の力こうした冷静さは、強みになります。たとえば、誰かに意見を否定されたり、非難されたりすると、プライドが高い人は攻撃的になることがあります。しかし、「論理のアンテナ」を持っている人は、相手が自分にとって好ましくないことを話しても、決して感情的にならずに受け止めることができるのです。たとえば、「○○さんとは考え方が違うから、一緒に仕事をしてもうまくいく気がしないんだけど……」あなたが、同僚からこんなことを言われたら、どう対応しますか?攻撃されたと感じて、同じような言葉、場合によっては言われた以上のきつい言葉でやり返す人もいるでしょう。あるいは、言われっぱなしで落ち込んでしまう人もいるかもしれません。ところが「論理のアンテナ」の感度が高い人は違います。「△△さん(相手)とは、××の点で相違があるけど、それを解決するように努力するよ」「△△さんとは、相違点もあるけれど、こういう共通点もあるだろう。まず、□□から始めて、次にこれ、そしてその次はこれと、順番にやっていけばうまくいくんじゃないかな」また思い込みが激しい人に対しても、冷静に、「それはあなたのお考えですよね」「ここに、このような根拠がありますから、私はこちらを支持します」といった言い方ができるのです。突き放すのではなく、感情に流されず、人の意見は意見として受け止める。そのうえで、自分の意見も押しつけないフェアな姿勢──ぜひ、すべてのビジネスパーソンが身につけたい資質です。〝守りに強い人〟の頼もしい存在感こうした姿勢が身についていれば、不用意に感情的になることもなくなります。なぜなら、自分にとっての真実さえわかっていれば、他人からどう言われようとも、気にすることはないと思えるからなのです。組織やビジネスにおいては、攻めに強い人も必要ですが、攻めだけではもろいものです。優秀なディフェンスがいなければ、敵にゴールを決められてしまいます。守りの強い人材がいてこそ、組織は強くなるのです。攻めてばかりいる人は、実は攻められることに弱く、どうしても詰めが甘いところがあります。そんなとき、詰めの甘さをさりげなく指摘してくれ、淡々と修正してくれる存在は、とてもありがたいものなのです。他人の意見や感情を受け止めて、かつ流されない

強力なリーダーシップがある上司や先輩の中には、ときに上から押さえつけるように指示を出す人がいます。「だいたい○○君は、いつもそうでしょう。何度言ってもわからないんですね。それじゃあ、うまくいくものもうまくいきませんよ」などと言って、相手を頭ごなしに否定してしまったら、関係がギクシャクするか、ケンカになってしまうかのどちらかでしょう。一度そうなってしまったら、相手は二度とあなたの話に耳を貸さないでしょうし、反感を持たれておしまいです。一方、「論理のアンテナ」の感度が高い人は、「言うことを聞け!」と押さえつけるような態度は一切とりません。ビジネスの場では、誰かに注意をしなければならない場面も多いものですが、そんなときでも、相手を非難したり、責めたりする言い方は決してしません。「ありがたい助言」と思わせる〝話し方の流れ〟「論理のアンテナ」を持つ人は、こんなふうに感情的になることはありません。注意をするときは、事実に基づいて、的確にアドバイスします。具体的には、次のような流れで話を進めていくのです。「確かにこういうミスがあったわけだけど、そうなるまでの経緯を、一緒に確認できるかな?(ミスの事実・経緯の確認)」↓「落ち込んでいても仕方ないよ。失敗の原因を、一緒に考えよう。今までの経緯からすると、まずひとつ目は……(原因の分析)」↓「次回から、同じことが起こらないようにするにはどうすればいいか、考えよう。たとえば、先方がなかなか返事をくれないのが遅れにつながるということなら、こうしたらいいんじゃないかな(解決法の提案)」このように、「①ミスの事実・経緯の確認」→「②原因の分析」→「③解決法の提案」という流れで、建設的に相手に語りかけるのです。①ミスの事実・経緯の確認まず、「ミスをした事実」を事実として、ありのままに共有する。そして、そのミスにいたるまでの経緯や背景を、冷静に振り返る。②原因の分析①で確認した経緯に基づいて、なぜそのミスが起こったのかを、未来志向で分析する。③解決法の提案②でわかった原因の分析に基づいて、どうすれば解決できるか、二度同じことが起こらないようにできるかを、一緒に考える。こうした流れで語りかければ、それは相手にとって「嫌なダメ出し」ではなく「有益な助言」になるのです。感情論に流されずにミスをした相手を前にして、こうしたサクサクとしたシステマチックな対応をするのは、ともすれば人情味に欠ける、という印象を持つ人もいるかもしれません。ですが、仕事の場面においては、変に同情されたり、慰められたりするより、状況を冷静に判断し、解決策や改善案を一緒に考え、冷静にアドバイスしてくれるほうが、ずっとありがたいはずです。一方的に自分の意見を押しつけることはせず、相手の意見も取り入れながら、話を進める。ネチネチと文句を言ったり、感情的に叱責したりせず、的確なアドバイスをする。「こうしたほうがいいのではないか」と提案をし、一緒に対策を練り、一歩一歩着実に、手堅く物事を進める。「論理のアンテナ」の感度が高い人が、こういったことができる背景には、感情的なことで時間をムダにしたくない、それよりも仕事の効率をアップしたい、という思いがあるのです。いい意味で、「あなたはあなた、私は私」という割りきりがあるからでしょう。そして、それが部下や後輩にとっては、とても心地よいものになるのです。「無意味な感情論」ではなく「未来志向の提案」を

職場には、さまざまなタイプの人が集まっていますから、当然、意見が食い違ったり、仕事の進め方や考え方が違ったりして、トラブルが起こることもあります。そんなとき、あなたが上司やリーダーのような立場であれば、うまくその間を取り持つことも求められるでしょう。気くばり力が問われる場面です。うやむやにしない、無意味な叱責もしないですがその際、両者に気を遣いすぎて、言うべきことをしっかり言わず、なあなあでごまかすということでは解決になりません。また、どちらかを厳しく叱責しすぎたり、一方の肩を持ちすぎたりしているように見られたのでは、その後も嫌な印象を引きずることになります。実は、冷静に物事に対処できる「論理のアンテナ」を持っている人は、そうした場面での対応が上手なのです。たとえば、こんなケース。課長のあなたがデスクで仕事をしているところに、経理の担当者がやってきました。「課長、この課の○○さんが仮払い精算を溜め込んでいで困っているんです。社内の規定では金曜日が精算日と決まっているんですが、○○さんは守ってくれたことがないんです!」経理の担当者は、少々感情的になっています。こんなとき、「論理のアンテナ」の感度が高い人ならどうすると思いますか?あなたが課長になったつもりで考えてみてください。A「まあ、そんな怖い顔しないで、○○さんには言っておくから……」B「それはよくないな。○○さんはまったく何をやっているんだ!すぐ呼んでこよう」C「なるほど。少し時間をくれるかな。○○さんに金曜日までに精算するように伝えるよ。経理のやり方がわかるマニュアルがあったら、くれるかな」答えは、もうおわかりですね。Cです。AとBは、それぞれ次のような点がよくありません。A→対応が曖昧。ちゃんと○○さんに言ってくれるのかどうかわからないので、これでは経理の担当者は納得しません。B→経理の担当者はすっきりするかもしれませんが、経理担当者の前で叱責される○○さんはどうでしょうか。ほめるときはみんなの前でも、注意をするときは、他の人がいないところでサシで話すというのは、気くばりの基本中の基本です。両方の気持ちをまず「受け止める」ことまず最初に、経理の担当者の気持ちを受け止めなければなりません。もしあなたが「仮払いの精算くらい大目に見てあげればいいじゃない」というような態度だったら、問題は解決しません。一人ひとりが、それぞれの立場で自分の仕事を全うしているのが組織です。「論理のアンテナ」を持っている人は、いい意味で、「人は人、自分は自分」と割り切れるタイプですから、まずは冷静に相手の気持ちを受け止めます。相手が「受け入れやすい」ように指摘するそして、大事なのはここから。○○さんを指導する際は、上から押さえつけるような言い方はせずに、指導すべき点は、しっかりと指導します。「○○さん、仮払い精算のことなんだけど、いいかな?(いきなりミスを指摘しない)毎週、金曜日までに精算することになっているんだ(改善してほしい点を明らかにする)。だからこれからは、水曜日までに私のトレーに申請書を入れておくようにルール化することにしたよ。これ、経費のマニュアルだから目を通しておいて(相手の立場・感情を損ねない言い方)」おそらく、他の仕事より、経費精算を後回しにしがちな○○さん。ただできていないことを指摘して責めるのではなく、経費精算も大事な仕事であるという意識を持たせるように、〝課内のルール化〟という言葉を使って、改善をうながしました。このように、トラブルの解決に取り組む際は、双方の気持ちを冷静に受け止め、双方の立場を損ねないように配慮することが大事なのです。たとえ相手に非があっても、相手のメンツはつぶさない

あなたのまわりに、目立たないけれど、地味だけれど、まわりの役に立つことを毎日コツコツ続けている人、いませんか。実は、「論理のアンテナ」の感度が高い人ほど、みんなが嫌がる仕事や、誰も見ていない、誰からもほめられないような地味な仕事を、継続してコツコツやっているものです。意外に思われますか?「論理のアンテナ」を持つ人は、冷静ですが、仕事への熱意は人一倍あります。自分なりのこだわりを持って、やるべきことはやり、簡単にはあきらめないしぶとさを持ち合わせています。また、自分のやっている仕事を必要以上にアピールしたり、周囲からの賞賛を求めたりしないので、とても「かっこいい」人であると言えます。そんな「小さな気くばり」をコツコツ続けている人が集めた信頼は、ちょっとやそっとでは崩れるものではありません。見ている人は、「見ている」地味な仕事や目立たない仕事、と書きましたが、どんな仕事でも、必ず見ている人がいます。そして見る人が見れば、必ずわかります。人の嫌がることや、誰からもほめられない(と思われるが、実際には見ている人は見ている)ことをさりげなくできる人になれたら、素敵ですよね。知り合いの美容室チェーンの副社長のYさんは、毎日忙しくて寝る時間さえままならないのに、朝は誰よりも早く店に来て、10年間、店の周辺の掃除をしています。雨の日も風の日も、10年間毎日です。毎朝、この店の前を通って、Yさんの様子を見ていた銀行員がいました。その方が支店長になったとき、「最初に投資をしたいのは、Yさんの会社だ」と言ったのです。10年間Yさんが朝、掃除するのを見ていて、この人は信頼できると感じていたのでしょう。やはり、見ている人は見ているのです。「面白くないことを継続してやる」と書きましたが、「論理のアンテナ」を持っている人は、「面白くない」とさえ思っていない。そこが素晴らしいのです。つまり、やっていることにムダな感情をはさみません。「つまらない仕事だな」「なんで俺がこんなことやらなくちゃいけないんだよ」「みんなは何でやらないんだろう」などとは露ほども思わない。「やる」と決めたら「やる」──それだけなのです。地味な気くばりこそが、大きな信頼感を生むどんな小さなことであっても、やると決めたらやる──。自らが〝小さな犠牲〟を払うことをいとわないこんな姿勢は、周囲から、そう簡単には崩れない信頼を集めます。たとえば、こんなことをさりげなくしてくれる人、いませんか?使用後の会議室をさっと片づける共用スペースのテーブルを拭く、消えていない電気を消すコピー用紙、封筒や便せん、ペンの替えインクなどの備品を、なくなる少し前に気がついて、補充しておく外線、内線問わず、かかってきた電話を率先してとる乱雑に積み上げられたり、ぐちゃぐちゃに保管されていたりしたファイルや書類を、カテゴリーごとにきれいに並べ替えておく同僚が困らないように、部内の共有データのバックアップをとっておく新規の取引先へ行く最適なルートを、事前に調べておく飲み会で食べ終えたお皿を、さりげなく端に寄せて重ねておく飲み会帰りのみんなのためにタクシーを拾うこう言ってはなんですが、地味なことばかりですよね。地味なこと、ちょっと面倒なこと、やったからといって、自分が何かトクをするわけではないこと、いつ日の目を見るかわからないこと。「ほら、こんなに気くばりしていますよ」と言わんばかりに、みんなが注目しているときだけ張りきってしまうタイプとは、真逆と言えるでしょう。でも、こんな地味だけれど、みんなが快適に仕事をするための気くばりをしてくれていることを知ったら、誰もがその人に感謝するのではないでしょうか。繰り返しになりますが、その〝小さな犠牲〟を、見ている人は見ているのです。とはいえ、そういう人はときに面倒な役回りや世話役を引き受けさせられるなど、何のトクにもならないような、みんなが嫌がる仕事を全部押しつけられることもあるかもしれません。でも、「論理のアンテナ」の感度が高い人は、それが自分の役割だからと割りきって、きちんとやりきろうとするでしょう。その姿勢は素晴らしいものです。

日々の小さなことでも、くだらないと軽く見たりしない姿勢は、仕事で難しい局面を前にしても、「逃げ出さない」「ごまかさない」という姿勢につながります。そんな人を、見ている人は見ているのです。手を抜かない、真面目、ていねい。必要なことなら、人にわからなくてもきちんとやる。こうした長所は、日ごろからも、大きな仕事を頼む際の安心感、信頼感になっていきます。「この人に任せておけば大丈夫」「きっと間違いない」こういった信頼感は、一朝一夕に得られるものではありません。有言実行ならぬ、不言実行の姿勢を学んでおきたいものですね。日々の小さな気くばりを、積み重ねていく

 

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