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第1章見た目

はじめに

「マナーの本に書かれていないようなことで、〝これは正しい?正しくない?〟とわからないことがたくさんあるんです。それを教えていただけませんか?」

前作、『「育ちがいい人」だけが知っていること』の担当編集・Nさんが初めてスクールに来られたとき、私はすぐに「そうなんです!私がお伝えしたかったのもそちらなのです」と申し上げました。

私が主宰する「マナースクールライビウム」そして「親子・お受験作法教室」では、みなさまにマナーと品性を感じさせる美しいふるまいをお教えしています。

スクールの生徒さんたちは、婚活、お受験、就職、冠婚葬祭など、人生の大事な場面できちんとふるまえるようになりたいということでお越しになります。

しかし実際のレッスン時には、「マナー以前のしつけや常識」と思われることや、日常生活のちょっとした所作や言葉遣いに自信がないとか、気遣いができているか不安、というお声を非常にたくさんお聞きし、こういうこともお知りになりたいのだと感じておりました。

人と人とのおつきあいというのは、何もあらたまった場所だけでなく、ご近所、職場、公共の場、旅先など、生活のあらゆるシーンにあり、そういったすべての場面でその方の人となりが表れます。

意識することさえせずに、何気なく行っている受け答えや所作、ふるまいに人の本質は表れます。そして、言葉ではなくても、「あなた」という人の多くを物語ります。

「素敵な方ね」「意外と常識のない方で残念だわ」この印象の差は、本当に些細なことから生まれるのです。

もしも、ご自分が伝えたいと思っているメッセージと逆のことを、あなたのふるまいが伝えてしまっていたら?よかれと思って言ったことが、言葉遣いのせいで思いとは違う受け止められ方をしてしまったら?とても残念なことですね。

これはお困りの方が多くいらっしゃるはず、マナー以前の「育ち」についてきちんとお伝えさせていただきたい─そう思い、前作の執筆を決めました。

「育ち」というと、「一生変えられないもの」「持って生まれた運命」と考えていた方も多いと思います。

また、大人になっても常識や礼儀が身についていないと恥ずかしく思い、今さら聞くのも憚られるという空気もあったかもしれません。

ですが、私は前作でお伝えしたとおり、「育ち」は一部の特別な方だけのものとは考えていません。

「育ち」はその方の佇まい。所作や美しいふるまいを知っているかいないかだけのこと。

だから、「育ち」は変えることができる、ということをここで改めて繰り返しておきたいと思います。

そんな私の思いに共感いただけたのか、前作は予想以上に多くの方に手に取っていただくことができました。

さらに、「こんなときはどうしたらいいのでしょう?」「先日、こういうことがあって、どちらが正解か迷いました」といった声を、いっそう多くいただくようになりました。

実際、マナー講師として活動していても、世の中が進むにつれ、これまでマナーとされてきたことでも、相手や状況によって臨機応変に対応を変えなければならないことが増えてきたように感じます。

そこで、改めて今、必要とされるふるまいについて、続編である本書を著すことになりました。

日々の生活やお仕事、おつきあいの中で、多くの方が、「こんなとき、育ちがいい人ならどうするの?」と思う場面はまだまだたくさんあるはずです。

本書では、お食事、訪問、ビジネスシーン、ショッピングといった日常の場面でのふるまいから、話し方、見た目などに表れる育ちについて、あまり知られていないこと、また、判断に迷うことなど新たに264の場面を想定し、その一つひとつに、育ちがいい人が行う対応やふるまいを示しました。

さらに、最近よく問題になるSNSでのおつきあいや、感染対策における気遣いなど、今必要とされる考え方についてもお伝えしています。常識やマナーといったものは、時代によって移り変わっていくもの。

ですが、

・相手の方を思いやる心

・自身も周りの方も心地よくいられるふるまい

・伝えるべきことは、節度と品格を保ち主張できる姿勢といった、育ちがいい人のふるまいの軸となるものは、いつの時代でも変わらないでしょう。

そしてそれさえあれば、多くの方が判断に迷うシーンでも適切な対応ができますし、いかなるときも自信を持って美しくふるまえるのです。

本書が、みなさまにこのような軸を持っていただける一助となれば、私はたいへん幸せに思います。

 

第1章見た目

装い

目次

1ここぞというとき、間違いない装い

ビジネスでの接待、婚活、目上の方との食事や、彼の家への初訪問など、大切な場面での装いは、悩ましいもの。

パンツではカジュアルすぎるし、タイトスカートでは堅苦しすぎると感じる場では、上品で育ちがいい印象を与えられるフレアやギャザースカートがおすすめです。

ワンピースもきちんとして見え、上下のコーディネートも考えなくて済むので助かります。

しかしデザインやフィット感によってはソファなどに座ったとき、裾が上がってきてしまいますから、丈の長さには十分注意が必要。

その点、フレアやギャザースカートなら、どういう場所に行くかわからないときでも安心です。

2パンツはフォーマル度が下がる

パンツスタイルは、フォーマル度がやや下がると考えられています。

ご高齢の方がフォーマルな場にドレッシーなパンツスーツを着用されるのはその限りではありませんが、若い方が、目上の方や彼のご両親に会うときは、パンツは避けるのが無難です。

また、スカートの場合でもレギンスを合わせるのは避けましょう。一気にカジュアルになり、年配の方や男性にあまり好ましい印象を与えないようです。

トレンドやおしゃれ感覚だけで服装を選ばないのが、育ちのよさです。

3上半身を華やかに

会食やお見合いの席の装いで気にしたいのは、襟元や胸元など、上半身のおしゃれです。

どんなに華やかなスカートでも、座ってしまえばテーブルに隠れて見えませんから、座っている時間が圧倒的に長い場面では、トップス選びが重要なのです。

特に、フリルやレース仕様のもの、シフォン生地などは男性が絶対に身につけないものですから、とても女性らしく映りますよ。

4セミフォーマルにカシミアは避ける

上質なカシミアニットは、品よく素敵に見えますね。

ラウンドネックやタートルネックのセーターとカーディガンの組み合わせは、若い方から年配の方までちょっとしたお出かけに重宝されているようです。

ですが、どんなに品質のよいカシミアでも、ニットはフォーマル、セミフォーマルにはふさわしくありませんから、場面に合わせてチョイスしてください。

ドレスコードが「スマートカジュアル」のレストランのランチタイムでしたらまったく問題ありません。ただ、ディナータイムはレストランのランクによっては、ふさわしくないこともあります。

5麻素材も気をつけて

麻の生地の春夏ウェアは、見た目も肌ざわりもよく、私も好きな素材です。

リラックス感、くつろぎ感に上品さも持ち合わせた麻のジャケット類は、崩れ過ぎないリゾートの装いにもピッタリです。

しかし、いったん袖を通したらすぐにシワができますし、スカートやパンツも、一度腰かければ座りジワは免れません。このような理由から、麻は正式な場にふさわしい素材とは言えません。

購入するときは、フォーマルには着ないとわりきって麻ならではのシワを楽しみ味わうか、または麻混にして適度にシワを抑えるかなど、素材表示をしっかりと確認したうえで選びましょう。

6目上の方と会うとき、ブランドバッグはNG?

お稽古の先生や先輩、彼のご家族とのお食事会、ご主人の実家への帰省、あるいは親族との会食に、高価なブランド品を持っていっていいか、迷ったことはありませんか?とくに、結婚前や結婚後間もない頃は、義理のお母さまやご姉妹に最も気を遣う時期かもしれません。

ブランドロゴが目立つバッグや明らかに高価なものは考えもの。お会いする方の価値観や持ち物の好みを察知し、合わせられる。このさじ加減が上手な方が「育ちがいい人」です。

7目上の方に失礼な服装

とくに目上の方とお会いするときの服装で大切なのは、相手の方に不快感を与えないこと。そして、相手を敬う気持ちを表す装いであることです。

次のようなアイテムは失礼と捉える方もいらっしゃるので、なるべく避けましょう。

  • ノースリーブ、キャミソールなど露出が多いもの
  • リュック
  • 食事中のつばの広い帽子
  • 高すぎるハイヒールやピンヒール
  • プラットフォームシューズ
  • スニーカー
  • ジーンズ、デニム素材
  • カラータイツ、網タイツ
  • 靴下やハイソックス
  • アンクレット、ミサンガ
  • 複数のピアス
  • サングラス
  • 明るすぎる茶髪
  • 長すぎる爪
  • 派手なネイルアート
  • ブランドがはっきりわかるバッグ
  • 強い香水
  • エレガント仕様でないダウンコート

83週間どなたにも見せられるネイルか

春は桃の花や桜、夏はマリンカラーにトロピカルモチーフ、秋は落ち葉色やハロウィンアート、冬はクリスマスツリー……季節や行事に合わせて遊ぶネイルアートは女性の楽しみのひとつ。

ただし、同僚や友人に好評だとしても、ほかにもさまざまな方とお会いすることを考えておかなければなりません。

ジェルネイルはマニキュアと違い、思い立ってすぐにはオフできないことも想定しておきましょう。

9では、マニキュア、ジェルはしないのがマナーか?

それなら、爪のおしゃれは何もしないことがマナー?いいえ、爪もきちんとドレスアップすべきシーンがあります。

とくにフォーマルで、なおかつ華やかさを求められる場面では、装いのレベルに合わせたネイルも、女性の身だしなみ、マナーのひとつとして求められます。

医療関係の方やエステティシャンなど、仕事上の理由で普段ネイルをしない方も、すぐに自分でオフできるマニキュアやつけ爪を利用すれば、指先のおしゃれを諦める必要はありませんね。

10夏のペディキュアはマスト

手のネイルカラーは職業柄NGな方もいらっしゃいますが、足のペディキュアでしたら問題なく塗れる方がほとんどでは?それなのに何もケアされていない足を見ると、とてももったいなく感じます。

足先のほんの一部である爪の身だしなみやおしゃれが、その方全体のイメージを意外なほど大きく左右します。

とくに、オープントゥのパンプスやサンダルのときには「ペディキュアなしはあり得ません」とお伝えしているほど。

春夏の季節でなくとも、和室やフィッティングルームに入る際など靴を脱ぐ機会はありますから、常に整えておきたいもの。

パンプスを脱いだストッキング越しに一瞬見えるペディキュアのカラー……女性の品やエレガンスはそんな細部に宿ります。

みだしなみ・生活

11レディはハンカチを2枚持つ

バッグの中にハンカチは何枚入っていますか?きれいなハンカチを持っておくのは女性のたしなみ。

しかし、洗面所などで手を拭いたり、汗をぬぐったりしたものは、その後に続けて使いたくはないですよね。また、ハンカチは人にお貸しすることもあるでしょう。

それがすでに使った後の湿っぽいハンカチだったら、借りた方も心地よくないはず。そこで、いつも2枚持つようにすると安心です。

「男性がハンカチを持つのは女性に貸すため」ともいわれますが、女性であってもどなたかにお貸しすることを想定して、予備を持ち歩く心遣いを。

12白い上質なハンカチを1枚用意しておく

冠婚葬祭や改まった場面で、カラフルなハンカチでは常識が疑われてしまいますね。大人の女性として、質の高いフォーマル用の白いハンカチを用意しておきましょう。

イニシャル刺繍の入ったものなども素敵です。何事も、いざというときにあわてなくていいように備えておくことが、育ちのよさにつながります。

13街で配られたティッシュを使うときは

街角で配られているティッシュの袋には、広告の印刷物が挟まれていることが多いので、取りはずして使いましょう。

また、布製のティッシュケースに入れている方は、とても丁寧で余裕ある印象なのですが、そのティッシュケースが汚れていたり古くなっているとかえって清潔感のないイメージに映ります。ご注意くださいね。

14脱いだ服をそのままにしない

出かける前に着ていた部屋着やパジャマをベッドの上にポンと置く。また帰宅後、脱いだコートやジャケット、バッグや小物類をソファや椅子に置いたままにする。

「今は時間がないから」「忙しいから後で」と思っても、すぐにたまっていきがちです。

一度どこかに置いたものを、時間が経ってからハンガーにかけたりクローゼットにしまうのはかえって手間になります。

脱いですぐにしまえば、部屋が片付いた状態をキープでき、常に気持ちいい余裕ある空間で過ごせますね。

何よりも「ああ、片付けなくっちゃ……」、。

15同じ靴は翌日履かない

同じ靴を二日続けて履いていませんか?一日履いた靴は、乾くまでに意外と時間がかかるといわれています。

同じ服を連日着ないのと同じように、靴も休ませることで、よい状態を長く保てますし、なにより気持ちよく履けますね。

16兼用ばかりだとずぼらに

慌ただしい日々を送る私たちにとって「兼用」のグッズは便利なものです。

ですが、兼用のものは、おのずとその効果や機能といった質が下がることも少なくなく、また、「ずぼらさ」や「だらしなさ」につながっていくことも。

湯飲みやティーカップを使わず、緑茶でもコーヒーでもマグカップひとつで済ませてしまう。和食も洋食も万能なワンプレートで。

名刺入れを使わず、社員証や交通カード入れと兼用にしてしまう……など、丁寧な生活ができているか、時折、ご自分で見直してみて。

17しおりを使う人には余裕を感じる

本の読みかけのページに、どのように印をつけていますか?購入時に挟んであった書店のしおり?それとも本のカバーの折り返し部分?あるいはポストイット?間に合わせのものではない美しいしおりを使っている女性は、心の余裕や育ちのよさまでも感じさせるもの。

本好きな方に、革製や銀製のちょっと特別感のあるしおりをプレゼントなさるのもおすすめです。

18封書の開封はペーパーナイフで

結婚式や展示会などの招待状を開封するとき、手で開いてビリビリに破いてしまうのはあまりに粗雑ですし、その後の見た目もよくありません。

ハサミも中身を傷つけてしまう可能性がありますから、ぜひペーパーナイフを用意しましょう。ダイレクトメールや請求書、さまざまなお知らせなど、日常生活で封を切る機会は意外と多いもの。

封を開けるためだけのペーパーナイフを持つことは、あなたの生活を優雅に、そして豊かにしてくれるでしょう。

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