MENU

「チームの最前線」から「チームの最後尾」へ

「手をかける」から「」ホウレンソウ禁止で「」年140日の休業日と40日の有給休暇、実質「年間の半分が休み」という企業があります。

上場もしており、黒字を上げ続けているその会社の名前は、未来工業株式会社(本社岐阜県大垣市)。

建築に関連する電気部材や設備資材を製造・販売している企業です。

同社のユニークな経営スタイルを生み出したのは、創業者の故・山田昭男さん。

山田さんは、もともと家業を手伝いながら、劇団「未来座」を主宰し、劇団活動をしていたというユニークな経歴の持ち主です。

演劇だけでは食べていけず、劇団仲間と一緒に立ち上げたのが、この未来工業という会社でした。

会社は立ち上げたものの、劇団の活動時間も大切ですから、同社では残業も禁止で、休日も十分に用意しました。

「社長トーク」に出演いただいた前社長の瀧川克弘さんも、山田さんがつくったユニークな仕組みを継承されていました。

たとえば、同社では「ホウレンソウ」が禁止されています。

その理由について瀧川さんは、次のように説明してくださいました。

「報告・連絡・相談とは、いわば情報の伝達です。

現場から情報を聞いた上司は、現場を見ないで判断をし、部下に指示を出すことがほとんどで、それに基づいて部下が行動することになります。

一見うまく回転しているようですが、1つの問題は、部下は上司を選べなくて、上司は部下を選べるということ。

自分の生殺与奪権を握っている上司に対して、自分に都合の悪い『ホウレンソウ』などできるかということです」さらに、ホウレンソウが禁止されている理由はもう1つあります。

「それは、指示待ち人間をつくってしまうということです。

『ホウレンソウ』が日常のルーティンになると、部下は指示がないと動けなくなってしまう。

いま、ミドル世代の判断力が劣っているとか、決断力がないということがよく問題とされていますが、『ホウレンソウ』の影響が大きいと私は考えています」「常に考える何故・ナゼ・なぜ」——未来工業の工場や事務所の各所には、こんな言葉が掲げられています。

3回のなぜを繰り返すこの言葉が、同社の経営理念です。

未来工業では、法律で厳しく決められた規格の建設部材をつくっています。

こうした製品の市場で、大手企業と渡り合っていこうとすると、価格競争ではまず太刀打ちできません。

社員の誰もが知恵を絞り、工夫を施した製品を生み出し、シェアをとっていかなければならないのです。

だからこそ、自ら考えたり、動いたりすることを阻害しかねない「ホウレンソウ」は禁止なのです。

しかし、ホウレンソウが禁止の職場で、各部門のリーダーは何をすればいいのでしょうか?「部長は仕事をするなよ」の真意さらに、瀧川さんは続けます。

「上司は仕事していないですよ。

『部下には手をかけないで、目をかけろ』ということです。

『部長は仕事をするなよ。

いかに働きやすい環境をつくるかだけを考えよう』と言っている。

だから、現場は部下のやる気一本です」部下が働きやすい環境をつくり、あとは口を出さずにじっと見守る——これはかなりの我慢が必要です。

瀧川さんご自身も、社員から何か提案があっても、それについて批評・批判は決してしません。

以前は細かなことについ口を出したくなったそうですが、自らを律して、任せて見守る忍耐力を身につけたのだそうです。

社長の仕事は、社員という孫悟空が自由に飛び回れるよう、お釈迦様の手をどんどん大きくしていくことであり、現場で細かな指示をすることではないといいます。

任せて見守ることの大切さを語るリーダーは本当に多いです。

とくに、起業家リーダーが会社をある規模以上に大きくできるかどうかは、ここにかかっています。

口を出し続けてしまうリーダーは、「お釈迦様の手を大きくする」こと、つまり、さらなる事業展開の検討に時間を使えません。

社員と一緒に孫悟空になって飛んでいるわけですから、仲間も増えないし、会社も大きくならないという膠着状態に陥ってしまうのです。

大きな組織でリーダーを務める方々にも同じことが言えます。

「どこまで広く任せて見守ることができるか」が、「どこまで高いポジションのリーダーを務められるか」を決定づけているのです。

メンバーの現場力は「」未来工業・前社長の瀧川さんも「自分は何もしないリーダーだ」と語っていましたが、やはりビジョンについては、社員のみなさんに繰り返しお伝えしていたようです。

それは、より多くのお客様に便利に使っていただける商品を1つでも多く開発し、世に出していくこと。

そして、商品の多様化を徹底し、少量多品種で価格を守りながら、よりスピーディにお客様のニーズに応えることです。

その結果、同社は、年間約400の新商品を生み出し、2万数千種類の商品を持っています。

これらの新商品は、社員から提案されたアイデアによるものであり、リーダーのビジョンが浸透している証拠です。

しかし、こうした発想力やスピードを、いかにして社員たちに身につけてもらっているのかが気になるところです。

その1つとして、未来工業が徹底しているのが、前述の年間140日の休日制度と残業禁止です。

プライベートな時間を社員それぞれが個性的に過ごすことで、多様な商品アイデアが自然と生まれてくる環境をつくっているのです。

休みや余暇を使っての副業も許されています。

実際、同社には、余暇の時間を使って腕を磨いた写真や俳句のプロ、各種資格保有者などがいます。

社員それぞれが、多様な知恵やスキルを持ち寄って交流することで、新たなアイデアが生まれてくるだけでなく、多くの仕事が外部発注しなくても社内で完結できるようになり、外注コストの節約にもつながっているのだとか。

ここまで社員に自由を与えてなぜうまくいくのだろうかと不思議になりますが、瀧川さんはこうおっしゃいます。

「人間は不思議なもので、しっかり休みと報酬をもらうと、『ここまでしてもらえるなら頑張ろう』と思うものなんです」瀧川さんもまた、社員1人ひとりを信頼しているからこそ、十分な休暇を与えながらも、現場のことには口出しせず、任せて見守ることができているのでしょう。

同社のやり方は、にわかにはマネしがたい部分も多いですが、まずは小さなことからでもいいので、「任せて見守る」を実践してみると、瀧川さんのおっしゃることが実感できると思います。

マニュアルには「」メンバーが自ら動くチームをつくりたいならば、リーダーが取り組んでみるべきことがもう1つあります。

それは「なぜ」を伝えるということ。

言い換えれば、「何のために行動するのか?」「その行動にはどんな意味があるのか?」を理解させるということです。

ここがわかっているメンバーは、自分の仕事をより深く見つめ、自信を持って自ら動けるようになります。

東海道新幹線にN700系が登場した際に、JR東海(東海旅客鉄道株式会社/本社名古屋市)に取材させていただいたことがあります。

「どうして遅延なく新幹線を運行できているのか?」「事故を起こさない仕組みをどうやってつくっているのか?」を伺ったところ、詳細なマニュアルの存在に加えて、従業員1人ひとりに定刻運行や安全に対するこだわりがあることを教えていただきました。

駅長さんや運転手だけではなく、新幹線に関わるあらゆる人たちが、遅延や事故を起こさないように、その時々の予期せぬ出来事に、機動的に対応しているそうです。

ここに至るまでの1つのきっかけが、マニュアルの見直しでした。

過去から受け継いできた安全文化をマニュアル化し、それを徹底して伝えてきたものの、あまりにもマニュアルどおりの行動をとることに重きが置かれた結果、現場で臨機応変に対応できない従業員が出てきてしまったといいます。

マニュアルをつくる以前からいた従業員は、それぞれの作業の意味も含めて先輩から学ぶ機会がありました。

しかし、マニュアルを中心に学んだ世代になると、それぞれの作業の背景、つまり「なぜその作業をするのか」が見えなくなってしまっていたのです。

そこでJR東海ではマニュアルをつくり変え、作業手順とともに「なぜそのような作業が必要なのか」の解説も記載するようにしました。

これによって、それぞれのアクションの意味を理解できた社員たちは、マニュアルに書かれている前提条件が当てはまらない事態が起きた際にも、柔軟に対応できるようになっていったそうです。

ビジョン型の組織に切り替えるからといって、すでにあるマニュアルそのものを廃止する必要はありません。

マニュアルに書かれた作業のなかに、その作業の意味やビジョンとのつながりをわかりやすく明記しておくことで、メンバーにますますビジョンが浸透し、機動力に溢れる現場をつくることができるのです。

なぜノルマがないのに、成長を続けられるのか?マニュアルと同様、メンバーの自主性を阻害しかねないものに、ノルマの存在があります。

じつのところ、従業員が生き生きと働いている会社の多くにはノルマがありません。

先ほどご紹介した未来工業も、ノルマがなくとも毎年400を超える新商品アイデアが社員から生まれています。

ただし問題なのは、ノルマそのものではなく、そこから生じる「やらされ感」のほうです。

そして、やらされ感が蔓延する原因は、ノルマの内容ではなく、ノルマの「伝え方」にあるケースがほとんどです。

北海道お土産の超定番「マルセイバターサンド」をはじめとする銘菓を生み出してきた六花亭製菓株式会社(本社北海道帯広市)でも、ノルマなしに、毎年新しいお菓子が生まれています。

「ノルマがないのに、なぜ毎年のように新商品が次々に生み出せるのでしょうか?」——以前、取材で同社にお邪魔した際、社員の方に尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。

「私たちは、お客様の『幸せの時間』をつくるためにお菓子をつくっているんです。

ですから、幸せの時間をもっと増やすために、新しいお菓子をもっとたくさんつくりたいと思うのは自然なことなんですよ」六花亭にも明確なビジョンがあり、社員たちがそれに共感しているからこそ、ビジョンを実現することが社員の働く喜びとなり、自律的に社員が努力するということが起きているのです。

車のコーティングサービスを行っているKeePer技研株式会社(本社愛知県大府市)も出店数ノルマがあるわけでもないのに、毎年新たなお店が全国各地に生まれ、現在は全国に4000店舗以上をかまえています。

どうしてここまで店舗が増えていったのでしょうか?その大きな後押しとなったのは、同社社長である谷好通さんが15年以上続けているブログでした。

車のコーティングへのこだわりなどを書き綴ったこのブログの内容に共感した人たちが、「私もKeePer技研のプロショップをやりたい!」と手をあげてくれたのです。

しかも、従業員の離職率も2〜3%ときわめて低いそうです。

谷さんが繰り返し書いたり、語ったりしてきたことの根底にあるのは、「お客様が喜んでくれることがすべて。

すべてはそこから出てくる」ということ。

社員やフランチャイズ店のオーナー・従業員も、そこに共感してくれているのだそうです。

それにしても、谷さんのメッセージは相当な数の人に届いているようです。

「なぜブログでの語りがそこまで多くの人に浸透したのでしょうか?」と尋ねると、次のように答えてくださいました。

「『私が伝えていることは、そんなに複雑じゃない』ということが1つですね。

そして、もう1つは、『いつも言っている、書いている』ということ。

弊社は、インターネットが発達した世の中だからこそ成り立っている会社だと思いますよ。

SNS上でもKeePerの評判は非常にいいですし、知名度が広がるスピードも早くなっています。

来店されるお客様もやはりインターネットを見てから来られます」インターネット時代がビジョン型経営をさらに強化し、ビジョンを伝え続けることで、従業員だけでなく、取引先も自ずと増えていくということが起きているようです。

「損をしない」か見極め、「」「利益」がなければ、ビジョンは実現しない現場に任せて見守るビジョン型のリーダーシップというと、売上や利益には無頓着でいいのだと誤解されることがありますが、それは違います。

ビジョン実現と売上・利益は不可分の関係にあります。

利益がなければ、給料を払い続けることはできませんし、どんなにすばらしいビジョンであっても、給料なしで働きたいという人はなかなかいません。

やはりビジネスである以上、利益をしっかりと確保していくことが欠かせないのです。

たとえば、リサイクルショップを展開する買取王国では、各店舗の品ぞろえや価格設定を、店長や従業員に任せています。

リサイクルショップの仕入れは、お客様からの買取に基づいているため、本部で計画をつくって指示を出したところで、お店がある地域のお客様がどんなものを売りにきてくれるかは、予想がつきません。

そこで、お店の運営に関わる大半の権限は、各店舗の店長や、特定の分野に詳しい従業員たちに委ねられています。

取り扱いたい商品を決めて買取広告を出すのも、買い取った商品を値づけするのも現場です。

店頭の陳列やPOPの設置なども店舗ごとの判断で行います。

同社はこのやり方で上場まで果たしたわけですが、完全に現場放任主義かというとそういうわけではありません。

利益に関してだけは、POSシステムを導入し、数字を「見える化」しています。

利益が出ないような価格設定をしていれば、直ちに本部から指導が入ります。

現場に任せるリーダーの仕事は、ある意味、利益管理・数字管理でもあるのです。

自分たちの商品・サービスに対して熱い思いを持つメンバーがいる組織・チームほど、冷静に数字を見据えていられるリーダーの存在が不可欠です。

人に対するウォームハートと数字に対するクールヘッドの組み合わせが、成功するリーダーの鍵でもあるのです。

「人材配置とハンコだけ」がトップリーダーの理想形ラベルライター「テプラ」やデジタルメモ「ポメラ」など、デジタル文具と呼ばれるユニークなヒット商品を次々と発表してきた株式会社キングジム(本社東京都)の代表取締役社長・宮本彰さんは、「ファーストペンギンでありたい」と語っています。

ペンギンは群れで行動しますが、最初に海に飛び込む勇気があるペンギンのことを「ファーストペンギン」というのだそうです。

つまり、「ファーストペンギンでありたい」とは、これまで世の中にないものを真っ先につくる会社であり続けたいというメッセージなのです。

これを実現するため、キングジムでは現場から上がってきた商品企画のほとんどが取締役会を通過する体制になっています。

「役員のうち1人でも賛成すれば商品化していい」というルールであり、現場の意思決定に対しリーダーや経営者は極力介入しないことになっています。

同社がこういう仕組みをとっている背景には、宮本さんご自身の若いころの経験があります。

宮本さんの祖父でキングジムの創業者でもある宮本英太郎さんは、もともと材木商でした。

英太郎さんが名簿や印鑑簿を束ねるファイルを開発して文房具メーカーを創業し、日本有数のファイルメーカーになったという歴史を持っています。

宮本さんもそのDNAを間違いなく受け継いでいたのでしょう。

宮本さんが30代で、専務だった当時、パソコンが普及し、世間では「これからは紙の使用量が減るのではないか」と言われはじめていました。

「紙が減れば、ファイルも売れなくなるかもしれない」という危機感から、宮本さんはデジタル文具の開発に着手しました。

とはいえ、いきなりファイルと無関係のものを開発するのでは、リスクが高すぎます。

これまでの事業との連続性を維持しながら、ファイルとデジタルの世界をつなぐ方法を考えて生まれたのが、ラベルライターの「テプラ」でした。

それまで手書きだったファイルの背表紙を、印字ラベルで美しくするという発想です。

しかし当時、ファイルの販売が好調だったこともあり、テプラの開発に対しては、社内の幹部たちからかなり反対があったそうです。

それにもかかわらず開発を続けられたのは、当時の社長(宮本さんのお父様)の合意があったからでした。

宮本さんが「テプラが失敗した場合は、経常利益の半分を失うことになる」と社長に報告したところ、「まだファイルの売上は安定している。

経常利益を半分失ったくらいで、会社が傾くことはない」と後押ししてくださったそうです。

その後、社内の若手を中心に集め、社内を説得してまわりながら新商品の開発を実現した宮本さんは、テプラを爆発的なヒット商品へと育て、キングジムの第2の柱を築き上げたのでした。

こうした経験を持つ宮本さんのリーダー論は明快です。

「優秀な若手社員もたくさんいますから、なるべく任せるように心がけています。

社長ってみんな偉そうにしているけれど、よほどのスーパーマンでない限り、それぞれ専門でやっている人のほうが知識も豊富ですから、現場のほうが正しい判断を下す確率は高いと私は思っています。

社長の仕事でいちばん大事なのは組閣人事ですよ。

みんなの信頼を得られる本当に優秀な人を大臣級にきっちりと配置していれば、その大臣級の判断がいちばん正しいはずなんです。

社長はそうなるように人を配置しないといけない。

だから、『社長はハンコさえ押していればいい』ぐらいの会社が、本来あるべき姿なのかなと思います。

すごく小さい会社だと、社長がみんなを引っ張っていかないといけないかもしれませんけど、上場企業ぐらいの規模になったら、あまり社長が率先して動いてはいけないのではないかと思います」テプラのような成功体験があると、社長になってからも開発担当に口を出したくなるのが普通でしょう。

しかし宮本さんは、ご自身の体験を一段上から俯瞰し、「成功できたのは当時の社長が自分に任せてくれたからだ」ということを忘れていません。

自分の成功を「開発は現場に任せるべき」という教訓へと昇華させ、「役員1人が賛成すれば商品化していい」というルールを生み出したのです。

「目に見えないリターン」も見通せているか?しかし、このルールの下で商品を開発しても、つくったものがすべて当たるわけではありません。

宮本さんは「10個のうち9個ぐらいは失敗商品になる。

当たった1個で、9個の失敗の損を取り戻して、お釣りが出るくらいでいい」という考え方を持っています。

だからこそ宮本さんは、マーケティング調査というものについて懐疑的です。

「新商品は出してみないとわからない。

私はマーケティング調査がいちばん嫌いです。

マーケティング調査はお金と時間がかかるし、すごく無駄が多いんです。

そんなことをやるより、まず商品を出してしまって3カ月もすれば、売れる売れないというのはわかりますよ」宮本さんがこの「とりあえず出す」という発想を大切にしているのは、何が売れるかわからないからだけではありません。

失敗によって、社員たちの学びの機会も得られるからです。

売れなかった商品については、「なぜ売れなかったのか」を話し合い、お客様の意見をみんなで分析しながら、「こうすれば売れたかもしれない」と仮説を立て直したりしているそうです。

「売れなかったらやめてしまえばいいわけです。

当然やめれば損が出ますが、そこから『なぜ売れなかったか』ということを学べます。

そういう経験を積み重ねていくと、ヒット商品につながっていくはずなのです。

マーケティング調査をして、出す商品を絞ってしまうと、何も勉強になりません。

商品が売れなかったとしても、市場からなくなってしまえばお客様の記憶には残りませんから、恥ずかしくも何ともありません。

失敗は社内での勉強材料として使う。

これがいちばんいいパターンだと私は思います」売れた商品からは経済的リターンを得て、売れなかった商品からは、次なる開発への知恵というリターンを得る。

キングジムでは「社員の努力や発想を無駄にしない」という精神が徹底されているのです。

危機にあってもメンバーを信じきるまだ読者の方の記憶にも新しいと思いますが、トヨタ自動車の女性役員だったジュリー・ハンプ氏が、麻薬取締法違反容疑で逮捕されるという事件がありました。

このとき、同社社長の豊田章男さんは記者会見でこんな主旨のことを語っています。

「社員は自分の家族であり、私は役員を含めてトヨタグループ関係者全体の親だと思っている。

だからまずは子どもを信じるし、子どもが悪いことをしていれば私が謝る」この会見の内容は物議を醸しました。

欧米型のコンプライアンスを重視している人からは、「経営者があんな発言をするなんて考えられない」などと批判が集中したのです。

とはいえ、豊田社長の「どこまでもトヨタ社員を信じる」という発言は、ビジョン型リーダーシップの原点とも言える「任せて見守る」姿勢が徹底的に貫かれているという意味で重要です。

株主や消費者に与える印象もたしかに重要なのですが、豊田社長の発言を聞いたトヨタ社員の多くは、何を思ったでしょうか?会社の仲間が窮地に陥ったときに、決して突き放さず信じきろうとする姿を見て、豊田社長の愛情を感じると同時に、「このリーダーを裏切るわけにはいかない」と思った人も少なくないはずです。

不祥事を容認する気はありませんが、リーダーとして仲間を信じ続けられるのは、日々のメンバーとの信頼関係があってこそです。

「自分はリーダーとして、同じことが言いきれるだろうか?」と自問することが、1つの試金石になるかもしれません。

 

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次