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7章 部下を戦力にすることこそ上司の最大の仕事

48教育の本質を理解すれば効果抜群ですあなたは本気で部下を戦力にしようと思っていますか。

思うように部下は育たず、根負けしてあきらめている人が多いのです。

結果が出ないとなれば気持ちはわかりますが、あきらめるのは早いのです。

まず、教育の本質を理解しましょう。

教育とは、わかるようになるまで教えることです。

部下がわかったつもりになっていても、上司は安心してはいけません。

そしてできるようになるまで育てることです。

わかるだけではなく、そのことができるようになるまで繰り返し反復してトレーニングすることなのです。

あいさつ、礼儀、清潔、清掃、整理、整頓、時間厳守、報告、商品知識、仕事の手順。

教育とは、わからせて、知っているだけではなくできるようにすることです。

ところが、小、中学校では書けない漢字があっても次学年へ進み、分数がわからなくても文字式や方程式へ進みます。

基礎が固まらず進むから、国語や数学など苦手な生徒が出てきます。

学校教育の問題点です。

理解していない生徒に同じところをわかるまで学習させるかというと、時間の制約や平等思想があってそれはできません。

しかし、会社では、学校方式と同じ間違った教育をする必要はありません。

分からない人、できない人をそのままにしないでください。

物覚えのいい人、悪い人。

手先が器用な人、不器用な人。

部下はいろいろです。

分かるまで、できるようになるまでの時間がかかる人がいます。

こういう人の戦力化をあきらめてはいけません。

根気よく、正しい仕事の考えかたや、やりかたをわかるまで教えることです。

できるようになるまで正しいやりかたを反復して身につけさせることです。

野生の動物はわかるまで、できるようになるまで教えています。

オオタカはヒナが飛べるまで獲物を捕獲できるまで教えます。

ゴリラもチンパンジーもサルもライオンも同じです。

会社は学校と違います。

部下がわかるまで、できるようになるまで教えればいいのです。

教育とは、わかるまで、できるようになるまで教えることです。

わかるまで、できるまで教えて戦力化しましょう。

49指導をやりやすくする細分化方式部下をしっかり指導するのは上司の仕事だといわれます。

できていないこと、もっとやってほしいことなど気づいたことを部下に言いますが、これでいいのか、指導したことになるのかと悩む上司が多いです。

上司も忙しく、上から流れてきたことを中心に、部下への指導を心がけている人が多いようです。

しかしどこまで戦力化に役立っているか疑問を持っていました。

そこで指導のやりかたを細分化してやりやすくする方法を示します。

まず指導の『指』は指し示すことです。

何を指し示すのでしょうか。

①目標です。

売り上げ目標、利益目標、品質目標、開発目標などを示してください。

②任務です。

誰がどんな作業するのか、準備は誰がするかなど示してください。

③手順です。

部下の自分勝手な手順ではなく、上司の統一した手順を示しましょう。

④価値観です。

仕事に取り組む姿勢など高い価値観を示してください。

上司がはっきり部下に示すことで、部下は努力する方向が分かり動きやすくなります。

次に、指導の『導』は導くことです。

どのように導くのでしょうか。

①教えましょう。

やりかたをきちんと教えましょう。

分かるまで、できるまで教えてください。

②修正しましょう。

違うやりかたをしていたら修正しましょう。

③注意しましょう。

ミスに気がつかないでいたら注意して正しくできるようにしましょう。

④叱りましょう。

手抜き仕事をしていたら叱ってください。

⑤誉めましょう。

しっかりやっていたら誉めてヤル気を引き出しましょう。

このように指導の内容を細分化していけば、部下の考えかたや行動をより良く変化させていくことができます。

指導というと難しく考えますが、細分化すると不足している項目が分かります。

不足している項目に力を入れて、部下に伝えると効果的です。

指導の『指』は指し示すこと、『導』は導くことです。

内容を細分化すると、部下には分かりやすく伝わります。

50レベルアップした仕事を教えましょう「やってみないと分からない」難しい仕事から逃げる部下にこう言って、挑戦させてください。

仕事ができる部下に育てるためには、いつまでも低いレベルの仕事で良いわけがありません。

高いレベルに挑戦させ、技能を磨かせてこそ、部下を戦力化できます。

とくに自分で仕事を抱え込む上司は気をつけましょう。

ある課長は、部下に優しい人でした。

部下が苦労しないように、難しい仕事は課長自身がやっていました。

その結果、部下はそれで良いと思い、マンネリになり難しい仕事から理由をつけて逃げるようになりました。

その課からは人が育たず、いつまでもその課長は忙しくしていました。

高い目標や任務に対して、部下は不安を持ちます。

自分の能力で大丈夫かと思います。

レベルアップした仕事を教えるとき、「君ならできる」と言ってください。

このひとことが勇気と自信を与えます。

上司がどういう言葉をかけるかが大事なのです。

部下の不安を打ち消し、やってみようという挑戦意欲と、できるという自信を持たせることが大事です。

部長や課長は、ヤル気になった部下にどんどん自分の仕事を与えて身軽になりましょう。

そして空いた時間で社長や役員の仕事を補佐してください。

そのことで上司自身も高い能力を磨くことができます。

部下の仕事を抱え込んで忙しくしていたら、社長や上役の補佐はできません。

社長は、今日の仕事ではなく、明日の仕事をするのが本来の役割です。

つまり5年後、10年後を見て長期的視野に立った仕事をしていく必要があるのです。

しかし、管理者がしっかりしていないと、社長が日々の仕事に時間をさかれます。

そういう会社は、未来への準備ができずに長期的には衰退し行き詰まります。

経営の観点からも、レベルアップした仕事を与えて部下育成することは大事です。

どの部下に、どのレベルの仕事を与えたら、育成につながるかを判断してください。

高いレベルに挑戦させ、技能を磨かせてこそ、部下を戦力化できます。

部下の仕事を抱え込んで忙しくしていたら、社長や上役の補佐はできません。

51鈍感な部下には手順をはっきり示しましょう鈍感な部下がいます。

うっかりミスがあります。

間違った作業をします。

指示と違うことをします。

鈍感な部下は判断力に欠けています。

自分で間違いに気づきません。

応用力がなく、これまでと違うことが起きてくると対応できません。

上司はこんな部下に困っています。

そしてあきらめて単純な仕事しか与えていません。

しかしこんな部下でも、打つ手はあるのです。

育てましょう。

戦力にしましょう。

まずあきらめないで、部下をしっかり観察してください。

おもしろいもので、ミスしそうなところ、間違えそうなところは決まっているのです。

間違えそうなツボを押さえて、仕事の手順を教えてください。

倉庫から部品を持ってきました。

組み立てようとしたらサイズが合いません。

サイズを測り、もう一度倉庫へ行きました。

一度で済むことを、二度も手間をかける部下は鈍感なのです。

部品のサイズや種類を確認して倉庫へ行くのは仕事の手順です。

移動途中で忘れ物に気づいて引き返す部下。

工事を始めてから資材不足に気づき、工事が遅れる原因となる部下。

納品先で欠品があり、再配達する部下。

手順が悪く準備が不完全で、よけいな手間と時間がかかっています。

機械を動かす。

店に品物を出す。

料理を仕込む。

配送の荷物を積む。

工事を始める。

こうした作業には効率の良い手順があります。

第一に、上司が正しい作業の手順書を作り、部下にはっきり示してください。

会社で決められた作業手順がありますが、これをまず上司がマスターしましょう。

部下がよく間違えるところをチェックして、そこを重点的に教えましょう。

第二に、仕事で必要な物のリストを作り、部下にチェックをさせてください。

出張するとき、現場へ出るとき、作業に取りかかるとき、営業に出かけるとき、お店を開けるとき、必要なことや、必要な物をリストにして部下に確認させてください。

部下が間違えそうなツボを押さえて、仕事の手順を教えてください。

仕事で必要な物のリストを作り、部下にチェックをさせてください。

52良い仕事をさせたかったら高い価値観を説いて聞かせよう外国人観光客による、日本製の家電や化粧品などの「爆買い」現象が起きています。

世界中の戦闘機のタイヤの9割を供給しているのは日本のタイヤメーカーです。

戦闘機のタイヤは消耗が激しいので最高品質のタイヤを使うのだそうです。

安いからではなく、高くても良い品質だから買うのです。

最高の品質を提供するには、高い価値観が求められます。

日本の化粧品メーカーや製薬会社は、海外ではなく国内に新しく工場を増設する動きが出ています。

日本人でなければ、やはり良いものが作れないという判断だそうです。

日本人の心に、物づくりやサービスに対する優れた文化と価値観があるからです。

百から一を引いたら、ゼロだとする考えかたがあります。

日本の一流ホテルの格言です。

ふつうの計算でいえば、一を引いたら九十九が答えです。

ゼロだという考えは、わずかなミスや傷や間違いでも許されないという意味です。

こうした考えかたは、高い価値観です。

百ではなくても九十九があるからいいではないかという考えかたは、低い価値観なのです。

仕事場をピカピカに磨く。

これは高い価値観です。

磨かなくても作業には困らないというのは低い価値観です。

大きな声で元気よくあいさつしようと教えるのが高い価値観です。

声が小さくてもあいさつにかわりはないとするのは低い価値観です。

高い価値観がないと、高い品質の製品やサービスは生まれません。

部下は自分の価値観で行動します。

低い価値観の部下は、低い品質の製品やサービスしか提供できません。

上司自身が高い価値観を持ちましょう。

上司の持つ価値観で仕事の質と結果が決まります。

部下を戦力化するには、高い価値観を説くことが大切です。

一度や二度言い聞かせたから、これでいいと思ってはいけません。

百回でも千回でも、高い価値観を言い続けてください。

鈍感な部下、面倒くさがりの部下、ヤル気のない部下には、耳にタコができるぐらいに高い価値観を説き聞かせてください。

部下の心の中に、何が大事な価値観かを刻み込んでください。

最高の品質を提供するには、高い価値観が求められます。

部下には、百回でも千回でも、高い価値観を言い続けてください。

53修正してこそ、断トツの製品とサービスが誕生しますだいたいでいいだろう、あるていどでいいとして、部下の仕事を進めていませんか。

しっかり部下の仕事を見てください。

そうしないと部下は、これで良いだろうとレベルの低い仕上がりで安心してしまいます。

いつまでも部下の能力を向上させることができません。

部下を細かく見られない上司は、忙しさを理由にしている人が多いようです。

あるていど教えたからいいだろう。

細かいところは部下が自分で気がつくだろう。

こう思っていると、部下の成長が遅れます。

毎日必ず時間をとって部下とコミュニケーションをしてください。

高いレベルの仕上がりを基準において、仕事の修正をしてください。

あるていどで満足しないで、完璧をめざしましょう。

時間、品質、コスト、精度、耐久性、利便性など、様々な角度から見ていくのです。

もっと短い時間で効率良くできないか。

高い品質の製品にする技能をどう身につけさせるか。

コストを下げるにはどこを修正すればよいか。

精度を高める加工方法をどう工夫させるか。

上司と部下が一緒になって考え工夫し修正を加えていくのです。

営業も、サービス部門も同じです。

どうすれば、お客様が理解して発注してくれるか、サービスに満足と感動を持っていただけるかを部下とともに考え、もっと良い方法を見つけ一つずつ修正を加えていくことです。

上司だって、最初からいちばん良い方法が分かっているわけではないのです。

というより考え違いをしないでください。

そんなものがあるはずもありません。

徐々にレベルアップしてより良いものが生まれ、その積み重ねで「運気」を開き、やがて他を引き離した断トツの製品やサービスが誕生するのです。

修正があってこそ、新しい価値の創造へ続く道筋ができてくるのです。

高いレベルの仕上がりを基準において、部下の仕事の修正をしてください。

修正の積み重ねで、やがて断トツの製品やサービスが誕生します。

54部下を注意するのは上司のためです部下に嫌われたくない上司が増えました。

だから間違っていても、部下を注意できません。

その代わり間違ったところを上司が手直しをしています。

部下が書類のミスをしても、注意をしないで上司が訂正しています。

部下が道具や資材を間違えて準備をしました。

部下に注意をしないで、上司が正しく準備をやり直しました。

部下はどこが間違ったか、気づかないままでした。

嫌われることや、反発を恐れてはいけません。

部下の間違いを注意してください。

言いにくいかもしれません。

しかし部下に注意しないと部下は気づくことができません。

また間違いを起こします。

それはまわりまわって上司の監督責任になります。

注意することは、部下に間違いを気づかせ、訂正させ、正しく仕事を進めさせることです。

つまり部下のためになることなのです。

心ある部下は上司の注意をありがたく受け止め、感謝の気持ちを持つことでしょう。

そしてもっと重要なことは、注意することは部下のためだけではなく、上司のためでもあるのです。

部下に正しい仕事をさせることが、上司の責任を果たすことになるのです。

注意することは教育の一環だと思ってください。

注意しなければ、部下はこれでよいと思います。

間違ったやりかたを続けます。

正しいやりかたや技能が身につかず、仕事ができる部下に成長できません。

上司がひそかに手直しできるときは事なきを得ますが、上司がフォローできないときはミスが発生し問題となり上司の責任が問われます。

部下のミスが多く、部下が成長できなければ、上司の部下育成能力を問われるでしょう。

部下を育てられない上司だと経営陣からは低い評価となるでしょう。

注意するときはくどくどと言わないようにしましょう。

要点をはずさず、わかりやすくどうすればよかったのか、簡潔に言うのがいいのです。

注意するのは、部下に気づかせ正しく仕事を進めさせるためです。

注意は部下のためだけではなく、上司の責任を果たすためでもあります。

叱ることで危機意識を植えつけましょうマンネリは大きな事故や失敗を引き起こす原因になります。

しかし、誰でも仕事に慣れてくるとぼんやりすることや、これくらいでいいだろうと油断が心に生じるものです。

こういうときに、部下を叱ることができる上司がいると、だらけた気持ちにカツが入ります。

小さな失敗やミスはよくあることです。

これに対する対応が大事です。

小さなことだからと放置していると、いつか大きな事故やトラブルを引き起こします。

ハッとした、ヒヤリとしたことがあったけれど大事に至らなかったと、安心していると怖いことが起きるのです。

小さなことだからと見逃してはいけません。

小さなことでも注意ぐらいはするでしょうが、厳しく叱ることができているでしょうか。

大きくなってからでは遅いのです。

そのとき叱ってもあとの祭りです。

小さいうちに大きな事故やミスの芽を摘みとらなければいけません。

部下がマンネリになっていると思ったら、小さなミスでも厳しく叱ってください。

叱ることで危機意識を植えつけるのです。

真剣に仕事に取り組むように仕向けることが目的です。

叱られると「いけない。

気を張って仕事をしなければ」と、部下には緊張感がみなぎり油断しなくなります。

仕事が丁寧になり手抜きもなくなります。

職場にだらけた雰囲気があるときが、いちばん危険な環境なのです。

職場の規律が乱れると仕事のミスが増えてきます。

個々のミスに対応するだけではミスは減りません。

職場全体への対応が必要です。

朝礼や会議で、引き締めてください。

このときは、個人を叱るより全体を叱るようにしましょう。

あいさつや礼儀、服装や身だしなみ、安全行動、時間厳守、言葉づかい、命令の実行や報告などを徹底してください。

規律をしっから守らせることがミスを防ぎます。

マンネリは大きな事故や失敗を引き起こす原因になります。

叱ることで危機意識を植えつけ、だらけた雰囲気を引き締めましょう。

56誉めて力を引き出そう部下を誉めない上司に、その理由を訊きました。

「当たり前のことしかやっていないので、誉めるところがない」「誉めると調子に乗るので誉めない」「誉めると、部下の気がゆるみ、甘えが出てくる」当たり前のこと、気がゆるむ、甘えが出る、その通りだと思いました。

しかし、誉める目的や効果を理解していない上司たちともいえます。

誉める目的は、部下の能力向上と人間的成長を図るためです。

部下を誉めることで、効果が現れます。

①部下のヤル気が大きくなります。

②部下は自信を持ちます。

③上司への信頼感が高まります。

④職場の雰囲気が明るくなります。

誉められれば部下は嬉しくなります。

もっと誉められたいと思うのは人情です。

それがヤル気の拡大になり頑張ろうという気持ちになるのです。

部下は自信がない人が多いのです。

どうやって自信をつけるのでしょうか。

部下自身が大きな仕事で成功することがいちばんでしょう。

でもそんな機会はめったにありません。

小さな成功を見つけて上司が誉めればどうでしょう。

部下は小さな自信を感じることでしょう。

小さなことでも誉めてくれた上司に、部下は好意を持ちます。

自分のことを分かってくれていると信頼します。

そういう上司の指示命令には、どんな困難な仕事でも喜んで従うでしょう。

だれかが誉められると、誉められた人だけではなく、その場にいる人にも嬉しさと喜びが伝わります。

職場全体の雰囲気が明るくなり、皆が頑張ろうという気持ちになります。

誉められて頑張った人が言いました。

意欲的になった。

ヤル気が倍増した。

自信が大きくなった。

誉めてくれた上司に好感を持った。

誉めてくれた上司のことは忘れないそうです。

誉める目的は、部下の能力向上と人間的成長を図るためです。

部下を誉めると、ヤル気が大きくなり、自信を持ち、上司への信頼感が高まります。

 

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