65仕事のスピードは早足から生まれます早足で歩いていますか。
仕事ができる上司は、皆まちがいなく歩くのは速いです。
部下も見習って、皆さんが急ぎ足です。
そんなに急がなくてもと言う人がいますが、ほとんどが仕事のできない人たちです。
休みでのんびりするときはゆっくり歩いていいのです。
しかし職場は戦場です。
熾烈なビジネスの戦いがあり、勝ち負けが存在します。
歩くのが速い上司は、決断も速いし、仕事も速いです。
スピードに価値があることを知っているからです。
仕事のスピードを速くしましょう。
1時間かかっていた仕事を、30分でできないかと考えましょう。
ダラダラやっている部下がいたら、時間を決めて仕上げるように指導しましょう。
ある営業所長は、研修に参加してだらだら歩いていたので、わたしに「早足で歩くと売り上げが上がりますよ」と言われたのですが、冗談だと思ったそうです。
でも研修では、早足を義務にして実行させましたので、それが習慣となりました。
研修が終わり、職場でも早足になったそうです。
すると不思議なことに、一部の部下たちが早足になったのです。
そして早足になった部下は仕事が速くなり、営業の動きも2倍に増え数字も上がってきたのです。
他の営業部員にも良い影響を与え、営業所全体にスピード感が出てきました。
これは事実としてお伝えするのですが、ほんとうにこの営業所の売り上げが上がったのです。
売り上げが低迷している職場、仕事が遅い現場、言われてもすぐやらない部下。
これは、上司がスピードについて無関心だったことが原因なのです。
仕事のスピードは体に感じるものです。
スピードが速い人は、歩くのが速いし、しゃべるのも速い、動きも速い。
早く仕事が処理できるから、仕事をたくさんこなし成果も自然に増えるのです。
歩くのが速い上司は決断も速いし、仕事も速いです。
早足になった部下は仕事が速くなり、動きも2倍に増え成果が上がります。
66時間感覚を鋭くするには、時間の見積もりです上司たるもの、時間厳守は当然のことで、これに甘い上司は論外とします。
会議のとき、始まる時刻も終わる時刻も守らない人は時間感覚の鈍い人です。
上司が時間感覚に鋭くなれば、部門の実績が必ず出せるようになります。
仕事を進めるとき、その仕事にどれだけ時間がかかるか、頭でざっと計算してください。
そのあと、実際にやってみて、かかった時間が見積もり通りだったか、短く済んだか、思ったより時間がかかったか、確認してください。
かかりすぎたと思ったら、なぜそうなったのかを考えましょう。
その原因を見つけて、短時間でできるように改善しましょう。
時間感覚の鋭い上司は、どんな仕事にも想定時間を考えて、部下の仕事ぶりを観察しています。
食肉商社の課長は、営業部員のA君が営業から帰社してくる時間が遅いので気になっていました。
最初は熱心に営業してくるので遅いのだと思っていました。
それにしても、なかなか売り上げ数字は良くなりません。
課長が調べてみると、A君には無駄な動きが多かったのです。
まず客先での不要なおしゃべりがありました。
お客様を回るルートに重複や遠回りがありロス時間がありました。
改善策は、要点を簡潔にまとめた資料をもとに営業の会話をさせることにしました。
さらに、回るルートを前日に作らせ報告させました。
重複をなくして最短距離で移動ルートを作らせ、極力ロス時間をゼロにしました。
A君は、時間には鈍感でした。
時間はいくらでもありタダだと思っていました。
事務処理や荷物の積み下ろしも、無駄口をたたいて人の2倍の時間がかかっていました。
課長はA君に時間の大切さを教えました。
時間にはコストがかかること、人件費はもちろん光熱費も時間が長いほどかかっていること、同じ量の仕事を半分の時間でできた人は、人より2倍の仕事をしていることになると教えました。
30分かけて荷物を積み込む人より、20分で積み込もうと、作業手順を工夫し、気持ちを集中することが時間感覚の鋭い部下なのです。
時間感覚を鋭くするには、仕事にかかる時間を観察することです。
同じ量を半分の時間でできると、人より2倍の仕事をしていることになります。
67囲碁、将棋が強い人の特徴は、先の先まで考えた手を打つことです想定外のことが起きる。
急な雑用が出てきて慌てる。
期限ぎりぎりでできあがる。
これには原因があります。
たまたまそうなっているのではありません。
あなたがもしそうなら、解決策があります。
何かをやるとき、次の手を考えて動くのです。
囲碁や将棋が強い人は、何手も先の先まで読んで着手します。
相手の手に対して何通りも考えています。
実績を出せる上司と、それができない上司の違いはこれです。
建設会社のA課長は工事完了期限をかならず守り、社長からの信頼の厚い人です。
工事には突発的なトラブルがつきものだそうです。
まず天候不良があります。
大雨で増水、台風や大雪もあります。
天候のせいにして工事が遅れたと言い訳はできません。
それをしたら信頼は得られません。
天候不良の場合はどうするか、資材の手配や、人手の確保、建設機械の搬入など、やるべきことを工事用のホワイトボードに書き出し、常に次の手を考えているそうです。
想定外のことが起きて困るのは、想定する範囲が狭いからです。
大きな仕事を進めるときは、それに伴う雑用も増えます。
その雑用も事前に考えておけば慌てることはありません。
期限は相手からの要望をのむこともあるでしょうが、無責任な約束をして遅れるほうがより大きな迷惑をかけ信用をなくします。
期限の余裕もしっかり確保することが責任ある態度です。
余裕の日程で間に合うつもりでいても結局ギリギリになる人や遅れる人は、仕事に取りかかるときに、トラブルが起きたらどう対処するかを考え、対策を立てておくことです。
部下に対しても、問題が起きたときにどう対処するかを幾通りも考えさせてください。
問題が起きてから考えるのではなく、起きる前にそれを想定してどう行動するのか、何度もシミュレーションをして練習しておくのです。
取りかかる前、動きながら、結果が出たときなど、常に次の手を考えて動きましょう。
囲碁や将棋が強い人は、何手も先の先まで読んで着手します。
問題が起きる前に、そのときはどう行動するかを考えておきましょう。
68パーティに遅れた素敵なケーキより、間に合うケーキがありがたい女の子の誕生日パーティを開きました。
かわいい娘のために、パパが町の小さなケーキ屋さんにケーキを頼んでおきました。
ケーキ屋さんは良いケーキを作ろうと時間をかけすぎて、パーティに間に合いませんでした。
パパはとても残念に思いました。
素敵なケーキでしたが、遅れたケーキより、少しできの悪いケーキでも間に合うケーキが欲しかったことでしょう。
部下から決断を求められて先延ばしにしていませんか。
遅れて届いたケーキのようなものです。
「巧遅は拙速に如かず」これは、孫子の兵法の作戦編からできた教えです。
時間をかけて考えた立派な作戦より、少々つたない作戦でも速さが勝るという意味です。
戦いには戦機があり、ビジネスには商機があります。
ぐずぐずしていると、敵方が有利と見てそちらを加勢する軍勢が集まり、こちらは戦機を逸し味方の人数が相対的に少なくなり負けるのです。
ビジネスも同じです。
ものごとにはタイミングがあり、買えるものも買えなくなり、売れるものも売れないことがあります。
そのとき判断できるものは、即断即決をしましょう。
意味なく延ばすのはよくありません。
時間をかけすぎると、仕事のスピードと質が落ちます。
迷うときは、メリットとデメリットを紙に書き出し頭を整理してください。
判断に躊躇する最大の原因は、全体が見えていないことです。
先が見えない、周りが見えない、真っ暗闇では不安に思うのは当然です。
これで動くのは無謀というものです。
あらゆる手段で情報を集めてください。
道筋やプロセス、選択肢など、空間的に時間的に考えれば、全体観がはっきりしてきます。
わかっていても動かない、いたずらに時期を延ばす上司がいます。
実績が作れない人、後追いしかできない人です。
危機意識が足りない、鈍感なタイプだと反省してください。
こういう上司は、やらないことのリスクを書き出して危機意識を高めてください。
パーティには遅れた素敵なケーキより、できが悪くても間に合うケーキが欲しいのです。
迷うときはメリットとデメリットを紙に書き出し、頭を整理してください。
69工夫改善とは業務の洗い出しです工夫改善の材料がなくなってしまったと言う上司をよく見かけます。
改善運動が始まってしばらくは改善案が出せたが、今では出し切ったというのです。
任されている仕事は改善の余地がないと満足しています。
というより、完璧だという錯覚と全能感におちいり目が見えなくなっているのです。
しかし、社長はそう思っていません。
改善するところはたくさんあると思っています。
ですからうるさく、改善しろといつも言っているのです。
会社で、工夫改善の先頭に立つ上司は、間違いなく社長の評価が高くなります。
改善のために最初にやることは、業務の洗い出しです。
日常のすべての仕事を書き出してください。
それこそ鍵の開け閉めにいたるまで細かくおこなっている作業を書き出し、業務の棚卸表を作成しましょう。
一つひとつの仕事や作業に無駄がないか、効率化ができないかを考えてください。
当たり前だと思っていたことを疑って分析してください。
省力化をするためには、発想の転換が必要です。
作業者や管理者に時間の余力を創出することが目的です。
改善には機械やシステムの改善がありますが、これだけではありません。
人の改善があります。
つまり教育や訓練です。
作業者個人のスキルを洗い出してください。
スキルマップを作りましょう。
それに基づいて、作業者の個別習熟度を把握してください。
習熟度が劣るスキルをしっかり訓練すると、品質向上と生産性の改善になります。
マニュアルも見直しと工夫が必要です。
古いままで、現実に合わなくなったマニュアル内容があります。
新しいことをつけ足した継ぎはぎのマニュアルは廃棄してください。
整理して作り直しましょう。
古いマニュアルには抽象的で道徳的表現が多いので、役立たないものがあります。
「すばやく片づける」ではなく「5分以内に片づける」や、「ていねいに手渡す」ではなく、「両手に持って手渡す」など、具体的に表現すると、わかりやすくなります。
工夫改善はどこかで完了するものではなく、永遠に進化していくものなのです。
改善のために最初にやることは、業務の洗い出しです。
一つひとつの仕事や作業に無駄がないか、効率化ができないかを考えてください。
70目ざとく問題発見をしよう問題を解決する人と、問題を発見する人は、どちらが必要とされる人材でしょうか。
これまでは、解決できる人が優秀で必要とされてきました。
これからは違ってきます。
問題を問題と感じて、発見できる人が優秀なのです。
問題を解決し処理する能力は、コンピューターが人間より勝り始めました。
しかし、問題がないと、解決する必要がないからコンピューターは何もできません。
問題とは、人間が不便に気づくことです。
こんなものがあったらいいなと思うことです。
消費者やユーザーの立場で考えることです。
まさに不満から問題が見つかります。
なぜこうならないのか、なぜこれがないのかと考えれば見つかります。
問題発見は商売の種です。
儲けの源泉です。
実績を出すには、目ざとく問題を発見しましょう。
問題発見手法の4原則を紹介しましょう。
①客観的に見ることです。
目標と現実のギャップを見逃さないでください。
目標通りいかないのは仕方がないと感情に流されてはいけません。
ギャップに問題が存在するのです。
②危機意識を持つと問題が見えてきます。
このままいくと大きな問題になるという危機意識を持ち、なんとか対処しようという自覚から問題が見つかります。
③当事者意識になりましょう。
他人事だと発見できません。
自分の責任という意識になると問題のある場所が分かります。
④目的をイメージすることです。
あるべき姿をイメージして、それに近づくために何が問題なのかを見てくと、障害となる問題発見ができます。
問題発見には観察力を磨くことが必要です。
街を歩いていて繁盛店があれば、なぜこの店が混んでいるのかと考えましょう。
スーパーではなぜ一人暮らし用が少ないのかなど不満を見つけてください。
職場では、なぜ、なぜと5回なぜを繰り返して突き詰めてください。
なぜを多く言う人ほど、一つの問題から、次々と別の問題を見つけていきます。
問題を問題と感じて、発見できる人が優秀なのです。
目標と現実のギャップに問題が存在します。
71現場の声をよく聞き、フォローを徹底しましょう実績が上がらないときは、上司はどう対処したらよいでしょうか。
部下に厳しくする。
上に相談する。
自分で考える。
こういうことも必要です。
でも、名経営者と言われた人たちは、現場の声に耳を傾けました。
パナソニック創業者である松下幸之助は、業績悪化により全国販売店会議で、販売店の経営者から3日間にわたって現場の声を聞きました。
土光敏夫は東芝再建のとき、毎朝8時に社長室を開放して社員の声を聞きました。
上への批判もあり、現状の不満もありました。
建設的な提案もありました。
それをもとに経営の改革をおこない、業績を回復したのでした。
歴史上の経営者の本を読んで勉強している人は、これらの話はご存じでしょう。
あなたがもし業績が良くないのなら、現場の声を聞いてください。
このとき、謙虚な心で聞かないと、不満や批判に腹が立ってきます。
もしこれに腹を立てたり押さえつけたりすれば、部下や現場の人は本当のことを言わなくなるでしょう。
上司は心を広くして聞かなければなりません。
わたしの義弟がタイヤメーカーの工場長をしていました。
「現場の声はフォローを怠ると、上がってきません」彼はこう言って注意をしました。
つまり現場で聞いた声に対して、その後の対応を何も伝えなければ、声を上げた現場の人は失望してもう言わなくなるというのです。
できることとできないことがあります。
できないことは仕方がないと思ってくれます。
それを伝えることです。
それなりに努力したことが分かればいいのです。
現場の声を取り上げて対処したから、もうこれでいいだろうと思っていると、あるとき現場社員が「例の件はどうなりましたか?」と不満そうに聞いてきたそうです。
より良く対処したのに声を上げた人には伝わっていなかったのです。
そこでその後は、意見を言ってくれた本人にも。
対処した結果をかならず直接言うようにしたそうです。
現場の声には、改善や問題解決のヒントが多いと言います。
現場の声を聞くように言いますが、聞いていない人が多いのは残念です。
聞いた後のフォローはさらに大事です。
業績悪化のとき、名経営者は現場の声に耳を傾けました。
現場の声はフォローを怠ると、上がってきません。
72アイデアで勝負できる力をつけようアイデアで勝負して、商品をヒットさせ、業績を上げることができたらいいですね。
アイデアをどんどん出して勝負に勝てる上司になりましょう。
アイデアは思いつくのに仕事に活かせない人がいます。
メモを取らないからです。
アイデア用のメモ帳を持ち歩いてください。
パッと思いついたときに、その場でメモしてください。
昔から、馬上、厠上、枕上と言います。
馬上は馬に乗って移動するとき、厠上はトイレで用を足すとき、枕上は寝ようとしているとき、アイデアが湧いてくるのです。
電車や車で移動しているとき、アイデアが浮かびます。
ともかくリラックスしているとき、入浴中などもアイデアがよく出てきます。
メモしないでそのままにしていると忘れて思い出せなくなります。
優れた経営者はメモ魔だと言われます。
毎日50枚以上メモをして仕事に活用しています。
50枚といえばものすごいメモの量です。
気づいたことは小さなことでもメモをして仕事の工夫に活かしているのだそうです。
アイデアがなかなか出ない人は、研究してください。
①不満を大切にすることです。
もっとこうできたらいいのにと思うことです。
②人と話してください。
他者の観点から考えてみましょう。
③インプットを増やし、テレビ、新聞、書籍、旅行などから情報を入れましょう。
④環境を変え、静かなところ、にぎやかな雑踏などいつもと違う場所へ行きましょう。
⑤制限をはずしてみましょう。
条件をつけて考えないでください。
⑥一流と比べてみましょう。
一流にはたくさんのアイデアが集積されています。
⑦基準を変化させ、横に、斜めに見る、拡大や縮小など変化させてみましょう。
散歩をするとアイデアが浮かびます。
京都大学の東に哲学の道があります。
哲学者、西田幾多郎が思索にふけった散策路です。
脳の血流が良くなるからです。
オフィスを飛び出して当てもなく歩くと、不思議とアイデアが湧き出てきます。
これをメモして活かすのも良い方法です。
メモ帳を持ち歩き、パッとひらめいたらすぐメモしましょう。
散歩をすると不思議とアイデアが湧き出てきます。
73社長や役員の補佐を意識しようあなたは、社長や役員の補佐を意識しないと今後の飛躍はありません。
自分の仕事と部下の仕事を見るだけで手いっぱいではいけません。
部下にはあなたの仕事を割り当てて身軽になってください。
なにも上司のあなたがズルをするわけではありません。
あなたの補佐をさせることは、部下の仕事のレベルを引き上げ育てることになるのです。
空いた時間と余力で経営陣の補佐をしてください。
あなたが部下に対してリーダーシップを発揮するためには、経営陣の信頼を得る必要があります。
そのためには社長や役員の良き部下となることです。
経営陣のフォローワーシップが重要です。
良き部下としての資質が認められると、経営陣から権限の委譲を受けられます。
そこでリーダーシップが発揮できるのです。
上に対して、どんなフォローワーシップが必要でしょうか。
①指示の真意を理解しましょう。
にぶいヤツだと思われたらアウトです。
②期待されるレベルを超える努力をしましょう。
期待の範囲では信頼されません。
③知りたい情報を察しましょう。
言われる前に集め報告しましょう。
情報通は信頼されます。
④アイデアを常に提案しましょう。
アイデアが豊富だと評価が高くなります。
⑤多角的な視点から意見を述べましょう。
経営陣の判断の手助けになります。
⑥正しいと思ったことはしっかり主張しましょう。
信念があると認められます。
社長や役員の補佐をすることで、一段高い立場の考えかたで理解できます。
自然に経営のノウハウが身につきます。
上から細かいことまで言われなくても、どう行動すればよいかを判断できるようになります。
社長や役員の雑用を進んで引き受けてください。
上はありがたく思うでしょう。
彼らが煩わしいことが省け、より重要な仕事に専念できることが補佐そのものなのです。
雑用が雑用ではないケースもあり、その先に重要な仕事が関連しているのです。
経営陣の補佐は、経営学の勉強になります。
物の見かたや考えかたはもちろん、洞察力や人物を見る目など多くを学べます。
意識して補佐することで人間的に成長できます。
社長や役員の補佐で、一段高い立場の考えかたを理解することができます。
社長や役員の雑用を進んで引き受けてください。
重要な仕事が関連しているのです。
コラム尽きない上司の悩み解決術③部下を公平に評価するためには「悩ましいのは部下の評価だ」と、ある部長は言いました。
自分の評価と社長の評価が違っていると本当に悩んでしまうと言うのです。
あるとき、飲食の席で何気なく社長がある部下を低く評価していたそうです。
「彼は見込み違いだった。
もっと力があると思っていたが、がっかりだ」部長は、たしかにその部下がまだ実績を出していないことは残念に思っていました。
しかし、陰でよく頑張り動いていたのです。
部長はそれをよく知っていました。
ところが、その部下は社長に対して、謙遜のつもりなのでしょうが、自分を卑下して、「自分はダメです。
頭が悪いです。
力不足です」などという言葉をよく使うのでした。
部下が休日に連続出勤して仕事をしていたことを聞いた社長が、「身体をムリするな」と言ったら、部下は「適当に手を抜いていますから大丈夫です」と応えたのです。
部長は、部下にもっと素直に良いところを言いなさいと言いました。
でも部下はテレて笑うだけなのだそうです。
研修でもこういう性格の人がいます。
よくできるので誉めると、「いえ、ダメです」と言って、すなおに喜んでくれないのです。
いろいろな性格の人がいて評価は難しいのですが、上司の大事な任務です。
注意すべき点は第一に、寛大化傾向です。
部下に良く思われたいために甘い評価になることです。
とくに気が合う部下に対してこうなりがちです。
第二に、平均化傾向です。
ABCの三段階評価であれば、B評価が多くなる傾向です。
平均点であれば誰からも恨まれないと思います。
部下の良い点や悪い点の把握ができていないと、こうなります。
第三に、ハロー効果があります。
ハローとは、太陽や月の周りの光の輪のことです。
部下のある要素がとくに良いと他も良く見えることです。
評価では、その他にも気をつけることがあります。
えこひいきや差別はもちろん良くないし、目立たない人の良い点を見逃さないことも大事です。
そして自分と性格の違う部下も大切にできる上司が心の器の大きい人だし、部下を育てていくことができると思います。
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