本書で紹介したやり方を日常的に実践しているところを想像してみてもらいたい。それはどんな光景だろう。どんな音が聞こえてきて、どんな気分だろうか。
グレイシーズガーデンのエピソードは言うまでもなく、実際に起こりうる状況をかなり単純化したものだ。
もちろん、現実世界がそのように単純なものであるケースは滅多にない。私たちが生きている世界は、ずっと複雑でさまざまな要素に満ちており、混沌としている。
本書に書かれていることと比べると、あなたの周囲で起こっていることはずっと曖味で、しかも常に変化していると感じられるはずだ。
ただ、私が本書に書いたやり方は、秩序を保つための貴重なガイドラインとなってくれるし、実践すれば物事が前に進んでいるという実感を得ることができるだろう。
私は本書で、状況をコントロールし、将来への見通しを定めていくための基本的なステップを説明してきた。
気になることがあれば、それが何であっても収集して意味を見極め、整理し、自分が抱えている「やるべきこと」を6つのレベルでレビューして、そのときどきでベストだと判断した行動を実行していけば、状況はほぼ確実に改善する。
GTDは緻密に組み合わさった包括的な思考と行動のパターンであり、実践すればあなたも人生と仕事のキャプテン&コマンダーになって、その状態を維持していけるだろう。
難しいのは維持すること
すでにお気づきだと思うが、バランスを保ちつつ、リラックスして物事に集中して取り組んでいける状態を維持するのは、複雑で変化が激しく、大量の情報が押し寄せてくる現代においてはかなり難しいことだ。
このような環境にあると、自己管理の理想的なパターンが、いとも簡単に崩れてしまう。
仕事がうまくいっていると感じた矢先に、3件の重要な電話、大きなプロジェクトに関する予想外の問題、硬いものを噛んで取れかけた歯の詰め物、処理に午前中いっぱいはかかりそうなメールの山などが降ってきて、それらを収集しないと午後からの行動を適切に選んでいけなくなる、といった事態はいつでも起こりうるのだ。
あるいは、プライベートも仕事にも大きな影響を与えかねないチャンスが人生のパートナーに巡ってきて、いくつかのレベルから人生を再び見直す必要が出てくるかもしれない。
ペツトショツプの子犬が気になったり、突然昇進したりする可能性もある。女性の場合は、妊娠に気づいたりするかもしれない。
仕事というゲームと人生というビジネスの達人になるのに必要なのは、すべてを完璧な状態に保つことではなく、ロードマップの水平方向(コントロール)と垂直方向(見通し)の各要素に慣れ親しむことで、バランスが崩れたときにすぐに元の状態に戻れるようになることだ。
あなたは、メールを処理するべきときと放置しておいてもよいときの違いがわかるだろうか。いつ会議を開いてどんなことを話し合えば時間がムダにならないかを判断できるだろうか。子どもと散歩するときと、1人で散歩したほうがいいときの見極めがつくだろうか。
長い提案書の作成を中断し、レビューをしてすべてのプロジェクトの行動リストを更新しなければならないときに、ちゃんとそれができるだろうか。
その場で情報を吟味して賢い判断を下していくために必要なのは、進むべき道を事前に把握し、道じるべを配置しておくことだ。
それらを指針にすれば、物事に適切に注意を向けて行動し、最善のルートを進んでいくことができる。
バランスが崩れたときに備える
あなたが私と同じタイプなら、思考力や気力を常に最高の状態に維持しておくのは難しいと感じているのかもしれない。
順風満帆のときもあれば、頭が重くて思考が鈍り、日の前のことに対応するので手一杯ということもあるだろう。
思考が明晰で気力が充実しているときには、時間の感覚がなくなり、いつまでもその状態が続きそうに感じられる。
だが本当に賢い人はいつもそうではないことを知つていて、賢い判断ができないときでも賢い行動をしていけるように、枠組みとプロセスを確立することに力を注ぐ。
一方、そういうことに頭を働かせない人は、頭が働かないときのための準備をしようとしない。
自己管理をさらにやっかいなものにしているのは、今いちばんやりにくそうなことが最も効果的な行動であるケースが多いという事実だ。
最も時間がないように思えるときこそ、最も計画を立てなければならないときであり、最もプレッシャーを感じているときこそ最もリラックスする必要があるのだ。
また、「より戦略的なこと」に注意を向けていく必要性を強く感じているときほど、人生の細々とした部分をきちんと片付けていかないといけないときもあるだろう。現実があなたの心の状態に合わせてひとりでに変化してくれることは滅多にない。
だからこそ、簡単に実行できてコントロールと見通しを回復させることができる、基本的なプロセスを事前に確立しておくことが重要なのである。
ツールとテクニックでシステムを機能させる
生産性を高める優れたツールと良好な環境、ちょっとしたテクニックがあるかないかで、人生は大きく変わってくる。
スポーツでも事業でも、適切な道具と活動しやすい環境、最善のアプローチをサポートする習慣や手続きが身についていれば、試合に勝ったり成功したりするのはそれだけ容易になる。
要は、うまく機能するシステムが必要だということだ。
大手アパレル会社の品質管理とリサーチの責任者を務めている私の友人も、生産性向上の大部分がシステムに依存していることが研究を通じて証明されたと言っていた。
モチベーションや知性を高めても、長期的に見ればパフオーマンスにたいして差はないという。
生産性を向上させるには、どのツールを採用し、どういったシステムを構築するかが重要なのだそうだ。
彼はまた、組織の物理的なシステムを改善させるための方法論はたくさんあるが、思考システムを改善させる方法論はGTDが初めてだとも言っていた。
私も同感だ。物事を成し遂げていくにはどのように進めていくかという視点が重要だ。上に立つ人間ばかりでなく、誰もがこの部分を考える必要がある。
そしてその思考プロセスは、適切な注意を向けて理解しさえすれば、よリスムーズで洗練されたものにしていくことができる。
先ごろ、私たちのクライアントの中でもとりわけ大きな企業の1つが、GTD導入に向けて一連のプログラムを実施した。
主にメール、会議、ワークフローに重点を置き、状況をコントロールするためのメソッドをいくつか導入したところ、仕事の時間が大幅に短縮されたほか、意思決定、プランニング、創造的思考の質も大きく改善した。
このトレーニングを受けた人々は、知的能力そのものは変化していない(ただし、思考は活性化したと感じている)。
また、今まで以上に仕事に打ち込むようになったわけでもない。
単に、GTDのプロセスの一部である「収集」「見極め」「整理」を導入して、集中を妨げる「気になること」を排除しただけだ。
GTDのコントロールと見通しの各要素は、一見シンプルに思えるが、実践するのはそう簡単とは限らない。
仕事で成功するためにベストなゲームプランと、人生で成功するための最善のビジネスプランは、さまざまなことに配慮しつつ組み立てていく必要がある。
ただ、こうした複雑な作業であっても、GTDの枠組みがあればその作業は大いにやりやすくなる。
システムに取り込む
枠組みとツールを整えたとしても、それらを最大限に働かせて、とるべき行動を記憶したり思い出したりする作業から頭を解放できるかどうかはまた別の話である。
システムが不完全であればあるほど、あなたの心はやるべきことや情報を把握しておくという、低いレベルの仕事をそれだけ多く抱え込むことになる。
心を完璧に掃除する
GTDを導入したばかりの人が最初にやるべきことの1つは、頭の中や周囲に放置されている「気になること」を完全に収集することだ。
家や仕事場をくまなく歩き回って、何かをする必要がある「気になること」を集め、リマインダーをinlboxに入れていこう。
収集の習慣が完全に身につくまでは、頭の中にあるものを明らかにするのを助けてくれるツールを利用するといい。
付録1の「済んでないことのトリガーリスト」などが役に立つはずだ。
優れた収集ツールを用意することは大きな一歩だが、それらを活用する習慣を定着させないと意味がない。
あなたは、本書を読んでいる最中に浮かんできたことを、何かのツールで収集できる状
態になっているだろうか。
ロシステムを改善するためのプロジェクトと行動を見極める
システムをさらに有効なものにするためにできることはないだろうか。
さまざまなプロジェクトと行動の中でも、管理プロセスを改善するためのものはとりわけ重要である。
システムを改善したいと考えている人は、「自己管理システムを改善する」などのプロジェクトをリストに入れておこう。
満足できるシステムになるまで定期的に評価し、前に進めるための行動をきちんとやっていくことも大切だ。
□「処理」の時間をスケジュールに組み込む
「気になること」の処理作業にはそれなりに時間がかかる。
6章の「状況のコントロールー見極め」で説明したように、ごく一般的な量の情報が入ってくると想定した場合、通常はそれらを処理して最新の状態を保つのに毎日1時間ほどは費やさなければならない。
これはたいへん有効な時間の使い方である。
あなたはこの時間を利用してそれぞれの項目について考え、判断を下し、すぐにできる行動を終わらせ、データを仕分け、必要な人に連絡を取り、新たな仕事を見極めて整理していくことになる。
企業幹部の多くは、朝の最初の1時間程度をこの処理作業に充てているが、誰もがそのようなまとまった時間をとれるとは限らない。
出社直後と帰宅前に時間を確保できるような恵まれた環境にいない人は、時間があるときに随時、inlboxを少しずつ片付けていくことになるだろう。
大事なのは、こうした処理には時間がかかると認識することである。
1日中会議に追われた日などは、少なくとも1時間分の処理作業を抱えていることになる。
近いうちにやって遅れを取り戻さないといけないと認識していれば特に問題はないが、多くの人はそのことに気づかなかったり、認めたがらなかったりして、処理がどんどん追いつかなくなっていく。
一方、これらの作業に時間とエネルギーを費やすことが当たり前になっている人は、それを人生や仕事の一部と捉えるようになり、スムーズに処理をこなせるようになる。
□週次レビューを習慣化する
仕事に忙殺されているときに毎日「処理」の時間を作るのは難しいかもしれない。だが、週次レビューのほうはそれほど苦労しないはずだ。
まだスケジュールに組み込んでいない人は、すぐに組み込んでおこう。週に1度の見直しを実践していくと、すべての情報が更新・再編成される。
これはGTDを統合的に機能させていくのに欠かせない作業だ。この作業のための時間を確保し、適切な注意を向けていけば、その何倍ものメリットが返ってくる。
私は、毎週2時間の見直しの時間をスケジュールに組み込むことを薦めている。
2時間もかからない人もいるかもしれないが、いずれにしてもその時間はあなたにとって極めて有用なものとなるはずだ。
週次レビューの時間が確保できていれば、すべてが最新の状態になるとわかっているので、ふだんの仕事にそれだけリラックスして取り組むことができるようになる。
□上のレベルのための時間を作る
高度2000メートルから5000メートルのことにきちんと注意を向けていきたいなら、見通しを確保するための時間もスケジュールに組み込んでいく必要がある。
部署で年間計画をレビューしたり、妻や夫と外で食事をしながら人生の目標を話し合ったり、上司と仕事の評価をしたりといったことは、意識的にやらない限りなかなか実現しない。
きちんと注意を向けて取り組まなければならないこれらのことも、予定を立ててスケジュールに入れておく必要がある。
システムを機能させる
システムを構築し、適切なデータを取り込んだら、次にやるべきなのは言うまでもなく「使う」ことだ。
このような枠組みを作るそもそもの目的は、人生や仕事にスムーズに取り組んでいくためである(付録5にチェツクリストを掲載したのでぜひご活用いただきたい)。
自分にとつて意味や価値があるものをどの程度放置しても平気かはもちろん人によつて違うし、周囲の環境にもよる。
この部分に関していちばん重要なポイントは、いざというときに速やかに、かつ完璧に最新の状態に戻れる自信がどれだけあるかだ。
GTDの本質はこの部分にある。
仕事をより速く、あるいはより集中して行える状態を維持することが直接の目的ではなく、その気になればいつでもその状態を実現できると思えることのほうがはるかに大事なのだ。
GTDは何のため?
すでにお気づきのことと思うが、個人の整理システムを作って「気になること」を取り込み、機能させていくプロセスはごく常識的なことであり、あなたもすでにある程度はやってきているはずだ。
ただ、これまで詳しく見てきたことで、そのシステムやプロセスをさらに洗練されたものにしていこうというモチベーションが高まったのではないだろうか。
最後に
人生の本質が目的地に到達することではなく、旅をすることにあるのだとすれば、うまくいくための方法は、きちんと前を向いて一歩を踏み出していくことである。
一貫した方法で自己管理を行い、将来への見通しをはつきりさせていくように心がけよう。ただそれですべての問題が解決するわけではないし、究極的な答えが見つかるわけではない。人生というゲームにおいては最終的なスコアではなくて、どう試合運びをするかが大事なのだ。
問題は、うまくいっている状態(仕事と人生において積極的、建設的に物事に取り組み、自分を表現している状態)を保つために、どういつたやり方でアプローチしていけばいいか、ということだ。本書を読んだあなたには、おそらくその答えがわかっているはずだ。
人生において体験することや、突然舞い込んでくることにスムーズに対応しつつ、特定の方向に意識を向けていく最善の方法は存在するし、その手法は誰もが理解して実践することができる。
ただ、それには意識的に取り組む必要がある。システマチツクなアプローチの重要性を認識し、きちんと実践していくことで生産性は劇的に改善する。
ただ、そのためにはそのアプローチがきちんと機能するものでなくてはならないし、なおかつ、意識的にそれを使う努力をしなくてはならない。
本書では、状況をコントロールしつつ、将来への見通しを定めるためのそれぞれのステップと要素について、実際に起こりうるさまざまな可能性を考慮しつつ具体的に説明してきた。
また、状況に応じて異なるツールやアプローチ、テクニツクを使っていくことの重要性も説いてきた。
だが、現実には私たちの人生や仕事はいつでも決まったやり方を守つていればそれでいいといったものではなく、もっと混沌としていることも知っておくべきだ。
状況をコントロールするための5つのステップと、将来の見通しを定めるための6つのレベルを、私は常に意識している。
自分の注意が向いていることに意識を向けて、できるだけ少ないエネルギーで速やかに問題を解決し、頭の中のスペースを解放することが重要だ。
そうすることで、混沌とした現実世界においても、あらゆる状況に自信をもって対処できるようになった。
GTDを深く理解し実践を積み重ねていくと、どんな状況においても、正しいツールとアプローチで対処していけるという自信がついてくる。
職場、もしくは家庭で長期的な目標について考えるときに議論をしっかリリードしていける自信があったとしても、日々の雑務がうまくコントロールできないと、自分の能力を最大限に発揮できないだろう。
また、日々の細かいタスクを終わらせることに習熟していても、なぜその仕事を成し遂げるべきなのか、これからどうしていくべきなのかといった、より大局的な視点が欠けていれば、キャプテン&コマンダーの状態を達成することはできない。
幸い、これらのことはすべて、状況をコントロールするための5つのステップと将来への見通しを定める6つのレベルを意識していくことで対処が可能だ。
繰り返しになるが、私はこれらのモデルをよリシンプルにしたいと常に思っているが、これ以上シンプルにはできないし、これ以上複雑にしてもうまくいかないということがわかつた。
今、考えうるベストの方法であると私は確信している。
これらの原則を実践した人の多くは、仕事をゲームのように楽しみ、プライベートを仕事と同じように効率的にこなしていくことができるようになる。
これは、遊びながら仕事をしたり、ビジネスライクにプライベートの問題を片付けていく、という意味ではない。
仕事もプライベートも本質的にはすべて同じだと認識し、どちらも楽しみながら自由に行動していけるようになる、という意味である。
ここまで本書を読んできて、安定して十分な成果を上げていくための具体的な方法を、あなたも見つけられただろうか。
だとすれば、私にとつてこれほど嬉しいことはない。
本書で説明したことの大半は、(まったく同じではないにせよ)あなたがすでに知っていることだつたかもしれない。
だとしても、物事の本質や真理といったものは、何度も触れることでより理解が深まっていくはずだと私は考えている。
本書を執筆することで、私自身のGTDに対する理解も大きく深まった。
私もまだまだ勉強中の身なのだ。
ある日、GTDを実践しているある大学の教授が、こんなことを言っていた。
「まだ完璧でないことはわかっています。
だから、これでマスターできたと思っても、もう一度読み直したらもっとよくわかるんじゃないかと思ってしまうんですよね。
物覚えは早いほうなんです。
なのに、読むたびに新たな発見があって、理解が深まっていきます。
自分にとっていちばん大切な部分がどんどん変わっていくのを感じることができます。
あるところの理解が深まると、他のところの大事な部分が見えてきます。
こういう体験はなかなかありません。
そういうことが起こるとあなたもおつしゃっていましたが、ここまでとは思いませんでした」本書も、必要な時期が来たときに、また読み返して吟味してみるといいだろう。
GTDは実際に試してみることがなによりも大切だ。
状況のコントロールと将来への見通しについて改善する必要があると感じたときに実践してみよう。
子どもにGTDの原則や手法を教えてみたり、地域のミーティングや経営会議でGTDを紹介してみるのもいいだろう。
妻や夫、上司、秘書にも薦めてみよう。
GTDの考え方や言葉を、ふだんの会話の中にどんどん取り込んでいくことだ。
「今、何にいちばん意識が向いているかな?」「これについて望んでいる結果は何だろう」「前に進めるために次にとるべき行動を考えてみよう」
「これを把握しておくために何をしたらいいだろう。
どこにリマインダーを置いたらいいかな」こんなふうに、どんどん考えてみるといい。
本書で学び、体験したことは、ぜひ、周囲の人たちにも伝えていってほしい。
私たちは全員が仲間だ。
効率的に物事を成し遂げていくためのベストな方法がすべての人に普及していけば、それぞれがより建設的に仕事や人生に向き合っていけるようになる。
パソコンの電源を入れたり、スタッフ会議を開いたり、子どもと過ごしたり、企画書を書いたり、ただ街中を歩いたりすることが、今まで以上に楽しくなることだろう。
達人になるのに必要なのは、適切なアプローチを身につけて実践することだけである。
新しい人生は、手を伸ばせばすぐ届く場所にあるのだ。
GTDを実践している人の「7つの習慣」
「GTDをやってみたのですが、これでちゃんとできているか不安になることがあります」と言われることがある。
デビッド・アレンさんだったら「頭の中から気になるものがなくなつていて、気になるものがあったとしても、それを頭の中から取り除く方法を知つていれば、それはGTDができている証拠です」と答えるだろう。
しかしGTDを始めたばかりでは、こうした心の状態に自信を持つのが難しい場合もあるだろう。
そこで少し違った角度から「GTDをうまく実践できている状態」について私自身が気づいたことをここでまとめてみよう。
■思いついたらすぐにメモをする
まずはGTDの肝である「頭の中は常にからつぽに」を実践するための習慣を身につけよう。
作業をするときに常にメモを手元に用意する、というのは基本として、通勤列車の中でも思いついたことをさっとメモできるように携帯電話のメモ機能を使いこなす、といった習慣が必要だ。
あなたはこうしたメモツールを24時間用意できているだろうか。
ToDoリストが状況別に整理されている本書でも強調されていたことであるが、「ToDoリストを状況別に整理する」という習慣が身についてからは、「あ、あれを買い忘れた」「あ、家を出る前にやることがあった」「空き時間を漫然と過ごしてしまった」というミスがだいぶ減った。
どういった分類をすべきかは個々人のライフスタイルによるが、個人的には「家」「オフィス」「買い物」「電話」といった状況別のリストを愛用している。
具体的なアクションが想像できるToDoになっているToDoリストに書かれた項目は、ばつとみてアクションが想像できることが重要だ。
そこで紹介したいのが「タイムタギング」という考え方だ。
これはToDoを書くときに所要時間の予想をあわせて書き込んでおく手法だ。
「A社あての請求書を書く」ではなくて一A社あての請求書を書く(10分)」と書いてみよう。
この数値が書けない、もしくは想像もできない、というときはそのTODOのアクションが十分に練られていない可能性が高い。
この「タイムタギング」については私のブログで出典もあわせて紹介しているので興味のある方は見てみてほしい。
r一けo¨\\ダヽメヽメヽ一鮎Φ”XいO①”・〇〇【●\”『0口一くo∽\NOO∞\HN\一〇‐OOL【“o‐一””∞【●・,一ロニ■リマインダーツールを使いこなしているふだんはそれを忘れていてもその状況になったら絶対に思い出せる1という確信が持てると、いつでも集中して物事をこなしていくことができる。
そのためにはリマインダーツールをうまく使いこなしていく必要がある。リマインダーツールは次の2種類がある。
1つは「特定の日時になったらリマインドしてくれるもの」、もう1つは「特定の場所に来たらリマインドしてくれるもの」である。
前者については設定している人も多いが、後者も積極的に使いたいところだ。
家を出る前にやらなくてはならないことがあれば玄関に、職場に着いたらすぐにやらなくてはならないことがあればデスクの上などをうまく活用していこう。
日週次レビューを実践している週次レビューの重要性はすでに本書で語られているとおりだ。しかし、そのためだけに時間をつくるのはなんだか億劫、という人もいるだろう。
そこでおすすめしたいのが「毎週末にやること」リストを作ってみることだ。
そこには週次レビューのような作業の他に、やるとすっきりすること、楽しいと思えることも入れておくといいだろう。例えば私自身は次のような項目がこのリストに載らている。
- ハッピーイベントの設定(週に一度の楽しみを設定する)
- 消耗品の備蓄状況を確認(テイッシユやボディシャンプーなど)。
- 名刺入れに名刺を補充
- 迷惑メールに大事なメールが紛れ込んでいないか確認
口2分ルールを実践
本書でも強調してきた「2分ルール」は日々の生活や仕事で大きな威力を発揮する。
ToDoリストに膨大な量のタスクが並ぶ人には、この習慣が身についていない人が多い。
2分以内でできるToDoをリストに書き出すのはやめてしまおう。
この習慣が身につくと「ToDoリストを作っていたらいつのまにか細かいタスクも完了していた」という状態も達成できるのでおすすめだ。
■思いついたらチェックリストを作る
GTDの重要なポイントの1つは「その場で選択肢を考えるのではなくて、あらかじめ考えておいた選択肢から行動を選ぶ」というものだ。
これは何も日々のToDoに限ったことではない。何度も使い回すことができるチェックリストを作っておくとたいへん便利だ。
個人的には次のようなリストが役に立っている。
- いつか会いたい人リスト
- 海外旅行前にチェックすべきリスト
- 使い勝手がよい店リスト
- 読みたい本・漫画リスト
以上、GTDを実践している人が身につけているであろう「7つの習慣」を紹介してきた。
GTDを実践してからある程度たった人はこれらができているかチェツクしてみるといいだろう。個人的にはGTDを実践しはじめてから10年近くがたとうとしている。
携帯電話といっしょで、それがなかったときにはどうやつて生活していたのだろう、と疑間に思ってしまうぐらいだ。
本書で紹介されていた数々の理論および手法は、最終的には「雑念に邪魔されることなく、いつでも集中して作業に没頭できる」という状態を達成するためのものだ。
勤務時間中であろうが、ふと発生した5分程度の空き時間だろうが、GTDのおかげで「ひとつ上のレベル」で集中ができるようになつた。
「体調が良いときにすごく集中できる」と「いつでも瞬間的に集中できる」には大きな違いがある。
GTDを実践することで、この「超集中力」をぜひ自分のものにしてもらいたい。
田回元
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